JP3783827B2 - 掃除機用吸音不織布積層構造体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高性能の吸音材に関し、更に詳しくは、高い吸音性能を持った掃除機部材用に好適な吸音材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、掃除機では、高級機種を中心に低騒音性の機種が展開されている。その為、掃除機本体は、本体カバー(樹脂製)で密封する一方、本体カバー内側及びモーター吸排気口には、吸音材が設置貼付けされている。そのため、該吸音材には、高い吸音性能が要求されている。そのため、現在用いられている掃除機用吸音材料としては、雑フェルト等の不織布が、通常使用されている。しかしながら、掃除機の騒音低減の要望が高まるに従い、吸音材の遮音性能及び吸音性能の要求レベルも、年々高くなっており、特に中高音領域(800〜2500Hz)での性能レベルのアップが要求されている。この要求に答える為、不織布の目付けのアップが考えられ、現在500〜2000g/m2の不織布が用いられている。しかしながら、吸音性能は向上するものの結果的に厚み及び重量の増加につながっている。また、更に掃除機の小型化が要求された場合に伴う性能維持の為には、薄型化及び目付けを下げる事が必要である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題を解決すべく見出されたものであり、重量及び厚みの増加をおさえるのと共に、吸音性能を併せ持った掃除機部材に特に好適な吸音材を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明では、メルトブロー不織布本体の低通気性を活かしながら、別に不織布を作成しメルトブローの不織布を用い片面に貼り付ける事により、低面密度及び厚みにて優れた吸音性能を持った吸音材である本発明に至ったものであり、本発明は以下のとおりである。
1.繊度が1.1〜11デシテックスで、面密度が100〜500g/m2の有機繊維不織布の片側一面に、繊度が1.1デシテックス以下で、面密度が20〜100g/m2であるメルトブロー不織布がニードルパンチ法で積層されたことを特徴とする掃除機用吸音不織布積層構造体。
2.有機繊維不織布の繊度が2.2〜4.4デシテックスであることを特徴とする請求項1記載の掃除機用吸音不織布積層構造体。
3.不織布積層構造体のメルトブロー製熱可塑性繊維不織布側を内側のモーターに近い面に設置し、有機繊維不織布側を外側のカバー樹脂部になる様設置することを特徴とする掃除機内部での前記1又は2記載の不織布積層構造体の設置方法。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明における有機繊維は、素材は特に限定されず、繊度が1.1〜11デシテックスであればよい。有機繊維は短繊維又は長繊維として面密度100〜500g/m2 の不織布を形成する。
【0006】
短繊維を用いた不織布の場合、1.1〜11デシテックスの短繊維を用いた、面密度100〜500g/m2の不織布であれば良い。吸音性及び制振性のバランスの点で、2.2〜4.4デシテックスの短繊維が望ましく、拘束点が少ないようにニードルパンチされていることが好ましい。
【0007】
また、1.1〜11デシテックスの繊維径であれば、長繊維を用いた不織布、即ち一般に言うスパンボンド不織布を用いても差し支えない。しかしながら、該スパンボンド不織布を用いた場合は、拘束点が増える為、短繊維を用いた不織布に比べ吸音性能が、中音領域(1000〜1600Hz)において1〜2割程度低下する傾向が見られる。それでも、現状使用されている不織布と比較して、十分優れた吸音性を得る事が出来る。
【0008】
本発明におけるメルトブロー不織布の素材は、メルトブロー不織布が製造できる熱可塑性繊維であれば良く、特に限定されないが製造の容易さより、ポリプロピレン製不織布が好ましい。
【0009】
メルトブロー不織布の繊維の繊度は、1.1デシテックス以下であることが必須である。これは、1.1デシテックスを超えると十分な通気度の低下が起こらなくなる為である。また、0.6デシテックス以下であれることが好ましく、紡糸性の面から0.0001デシテックス以上が好ましい。
【0010】
本発明は、前記のメルトブロー不織布と有機繊維不織布との積層体である。メルトブロー不織布と有機繊維不織布との積層の方法は、できるだけ繊維の拘束点を増やさない方法であるニードルパンチ法である。
【0011】
ここで、前記メルトブロー不織布と有機繊維不織布の積層体が、比較的低密度ですむ理由について述べると、メルトブロー不織布については、従来通りの役割を果たす為、面密度を減らすことは難しい。しかしながら、有機繊維不織布については、メルトブロー不織布の構成繊維である極細繊維との相互作用により吸音率が飛躍的に向上する事により、面密度を大幅に減らす事が出来る。その低減量は、素材種類及び繊維太さにより正確にはいえないが、ほぼ同じデシテックス(2〜3dtexクラス同士)であれば、概ね1000〜1200g/m2の不織布を200〜300g/m2に低減する事が出来るレベルである。
【0012】
本発明の積層体においては、有機繊維不織布とメルトブロー不織布の構成繊維である極細繊維との間で相互作用を示す。即ち、表面に配置された極細不織布繊維の膜共振により音が直接吸収される。次に、該極細不織布繊維に吸収されなかった音が有機繊維不織布の内部で構成繊維の多孔質構造による吸音作用、即ち、振動熱変換により吸音される。この後、吸収されなかった音が掃除機の外側に設置されている樹脂板に反射し、再び該極細不織布繊維を通過する事になるが、該極細不織布繊維が低通気性である為に再び膜共振による吸音作用を及ぼす為、各不織布の吸音性が最大限活かされることになり、高い吸音性能が得られる。
【0013】
特に本発明により得られる不織布積層体の設置場所は、音源に近く騒音の大きい部分、即ちモーターに近い部分(特に底面部)及び排気部に用いる事が重要である。これは、他の部分に比べ吸音性の要求が大きい為、必然的に使用されている吸音部材の目付けが1000〜2000g/m2と大きくなる為である。
【0014】
不織布積層体は、メルトブロー不織布貼付け側を内側のモーター(音源)に近い面に設置し、短繊維を用いた不織布側を外側の樹脂部になる様、設置する事が重要である。これは、メルトブロー不織布貼付け側より、音を入射させた方が、先に延べた理由により、吸音性能が高くなる事によるものである。また、本発明においてメルトブロー不織布が片面にのみでよい理由は、掃除機用途においては、音源は掃除機内部のみであるので、外からの音の侵入は、考える必要がなく、両面にメルトブロー不織布を貼り付けても掃除機用途としては、全く意味をなさないばかりか、工程増加、コストの上昇の原因となるのみである。従って、片面のみで十分である。
【0015】
【実施例】
以下に、本発明の実施例、比較例を用いて更に詳細に説明する。
(実施例1)
単糸デシテックスが0.0001〜0.22デシテックスであり、目付けが70g/m2であるポリプロピレン製メルトブロー不織布を作成した。更に2.2デシテックスのポリエステル短繊維を用い、目付け200g/m2、厚み3mmの不織布を、ニードルパンチ法を用いて作成し
、上記の2種類の不織布を積層し評価試料とした。
【0016】
(実施例2)
単糸デシテックスが0.0001〜0.2デシテックスであり、目付けが100g/m2であるポリプロピレン製メルトブロー不織布を作成し、更に3.3デシテックスのポリエステル長繊維の目付け300g/m2、厚み3mmのスパンボンド不織布を作成し、上記の2種類の不織布
を積層し評価試料とした。
【0017】
(比較例1)
単糸が約2デシテックスの羊毛短繊維を用い、目付け1700g/m2、厚み12mmの不織布を、ニードルパンチ‐樹脂含浸成形法を用いて作成、評価試料とした。本試料は、実際に掃除機(モーター底面部;音源に最も近い部分)に組込まれている吸音材である。
【0018】
(比較例2)
2.2デシテックスのポリエステル短繊維の目付け500g/m2、厚み5mmのポリエステル短繊維ニードルパンチ不織布を作成し、評価試料とした。
【0019】
(評価方法)
評価は、吸音率(垂直入射法;JIS A 1405)評価法により実施した。評価結果は、表1の通りである。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】
本発明品は、中高音領域(800〜2500Hz)で従来にない高い吸音性能を発揮する吸音材を提供することが出来る。
Claims (3)
- 繊度が1.1〜11デシテックスで、面密度が100〜500g/m2の有機繊維不織布の片側一面に、繊度が1.1デシテックス以下で、面密度が20〜100g/m2であるメルトブロー不織布がニードルパンチ法で積層されたことを特徴とする掃除機用吸音不織布積層構造体。
- 有機繊維不織布の繊度が2.2〜4.4デシテックスであることを特徴とする請求項1記載の掃除機用吸音不織布積層構造体。
- 不織布積層構造体のメルトブロー製熱可塑性繊維不織布側を内側のモーターに近い面に設置し、有機繊維不織布側を外側のカバー樹脂部になる様設置することを特徴とする請求項1又は2記載の不織布積層構造体の掃除機内部での設置方法。
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