JP3326057B2 - 吸音性繊維製品 - Google Patents

吸音性繊維製品

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義勝 水上
宏 尾上
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カネボウ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は吸音材として使用さ
れる繊維製品、例えばカーテン、壁材、床材、天井材、
音響機器の内張り材、自動車、船舶、航空機等の内装材
等に関する。
【0002】
【従来の技術】吸音材として一般的には再生フェルト、
発泡ポリウレタン、発泡ポリエチレン等が使用されてい
る。これらの吸音材はその目付け、すなわち重量を増大
することにより吸音性能を向上することができる。しか
し、目付けを上げることはコストアップになり、また重
量増加は今の時代に求められている方向に逆行する。
【0003】近年、再生フェルトの替わりに不織布を吸
音材として使用する提案がなされている。例えば特開平
7−97754号公報には繊維径が4デニール以下のポ
リエステル繊維からなり、バネ定数が80000N/m
以下である不織布が提案されている。そして、バネ定数
は繊維径に相関し、繊維径の小さい吸音材を使用すると
吸音性能が向上するとされている。しかし、繊維径の非
常に小さいマイクロファイバー編織物がずば抜けて吸音
性が優れているとは言えず、単に繊維径を小さくしただ
けでは、吸音性の向上に限界がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は薄くて
軽い吸音材を廉価に提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは吸音性能を
発揮する構造体を種々検討した結果、音の進入方向に近
い側に繊維径の小さい繊維層を設け、これに相応の含気
層である多孔質層を積層することにより、吸音性能が著
しく向上することを見いだし、本発明の完成に至った。
本発明の吸音性繊維製品は音の進入方向側にある、単繊
維径が10〜0.5μmの繊維を50%以上(数平均)
含有する繊維層1(第1層)に、吸音率(1kHzでの
吸音係数を100倍した値)が10%以上の不織布であ
る多孔質層2からなる第2層を積層した吸音性繊維製品
である。
【0006】
【発明の実施の形態】繊維層1は繊維径が小さくないと
吸音性能の向上は期待できない。少なくとも繊維の単繊
維径は10μm以下である。好ましくは5μm以下、よ
り好ましくは3μm以下である。繊維径の小さい不織布
の製造方法としてはメルトブロー法があり、ポリプロピ
レン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリウレタン等の
製品が既に市販されている。これらはスパンボンド不織
布と積層された形で、例えば通称SMSとして市販され
ている。
【0007】また、分割繊維を使用した不織布も繊維径
の小さい不織布を製造することができる。この場合には
不織布を製造した後、化学的または熱処理により分割す
る方法と、不織布を製造すると同時に分割するスパンレ
ースによる方法がある。本発明にはこれらの不織布を繊
維層1として使用することができる。この分割繊維には
多層型、海島型、十字や星型をした仕切り部分とこの仕
切りで小さく分割される部分からなる複合型、等があ
る。複合型分割繊維の例としては、仕切り部分のポリマ
ーがナイロン6、分割される部分のポリマーがポリエチ
レンテレフタレートからなるものがあげられる。
【0008】不織布以外の分野でも近年マルチフィラメ
ント化が進行し、単繊維径の小さいマルチフィラメント
を使った編織物が市販されている。極細いものでは単繊
維のデニールが0.5デニール程度のものまで製造され
ており、ポリエステルの場合、繊維径は約6μmにな
る。マルチフィラメントであるため編み織り工程は既に
技術的に確立されている。また、分割繊維も同様に使用
することができる。これらの場合、編み物より緻密度の
大きい織物が好ましい。織り組織は平織り、綾織り等あ
るが、緻密な組織が好ましい。
【0009】上記の繊維層1は緻密な層であることが好
ましい。すなわち、密度の大きい方が良く、従って、不
織布はエンボス加工やカレンダー加工等により密度を上
げることが好ましい。編織物も密な組織が良く、エンボ
ス加工やカレンダー加工等によりさらに密度を上げるこ
とが好ましい。繊維層1の密度は0.1g/cm
上、好ましくは0.3g/cm以上、より好ましくは
0.5g/cm以上である。又、繊維層1の目付けは
20g/m以上、好ましくは50g/m以上であ
る。
【0010】多孔質層2は不織布からなる。多孔質層2
の目付けは、吸音性繊維製品に要求されている吸音性の
レベルにより、また、多孔質層2自体の吸音性能によっ
ても異なるが、一般的には5g/m以上の目付けがあ
れば吸音性能は発揮できる。好ましくは10g/m
上である。すなわち、本発明の効果は多孔質層2の吸音
率に比例する形で向上するため、多孔質層2の単独の吸
音率が小さ過ぎると、積層体全体の吸音率も大きくなら
ず、本発明の効果を十分には発揮できない。
【0011】1kHzの音の吸音率が10%以上である
多孔質層2に、適正な繊維層1を組み合わせると、本発
明の積層体の吸音率は25%以上に増加した。従って、
単独で10%以上の吸音率が多孔質層2には必要であ
り、好ましくは25%以上の、より好ましくは40%以
上の吸音率の多孔質層2を使用することが望ましい。ま
た、多孔質層は通気性の低い方が吸音率の向上には好ま
しい。
【0012】多孔質層2の密度は0.001〜0.1g
/cmである。ここで言う密度は見かけ密度を意味す
る。密度が大き過ぎると吸音率は目付けの割には向上せ
ず、コストアップになる。密度が低すぎると吸音率及び
機械的物性が小さくなり、一般的には使用し難くなる。
【0013】本発明の特徴は上記繊維層1と多孔質層2
を積層することによって吸音性能が著しく向上する点に
ある。また、本発明の吸音性繊維製品の使用に際しては
繊維層1を音源に向けて使用する必要がある。従って、
裏と表の2方向に音源が存在する可能性がある場合には
多孔質層2にさらに繊維層3を積層すると良い。このよ
うに繊維層と多孔質層は複数で積層しても良い。
【0014】繊維層1と多孔質層2の積層には接着剤を
使用して接着すれば良い。接着剤としては一般的なエマ
ルジョンタイプ、例えばアクリル系、エバ系、ポバール
系、ポリウレタン系の接着剤がある。また、ホットメル
トタイプの接着剤も使用することができ、ポリエステル
系、エバ系等がある。また、ポリエチレンパウダー等を
散布し、熱処理することによっても接着することができ
る。バインダー繊維を繊維層1と多孔質層2に使用し、
熱処理によって接着することもできる。
【0015】繊維層1と多孔質層2が別の支持体によっ
て保持され、機械的に積層されていても良い。例えば枠
の中に収納されて積層される場合や、床の上に重ねて敷
かれる場合には機械的に積層されているので、接着剤を
使用しなくても本発明の繊維製品として機能することが
できる。
【0016】本発明の吸音性繊維製品は他の吸音性素材
と組み合わせて使用することもできる。また、繊維層1
の上にフィルムを積層して使用することもできる。繊維
層1と多孔質層2の間にフィルムを挟んで使用すること
もできる。また、用途により、着色、エンボス、柄だ
し、縁飾り等の装飾を加えることもできる。さらには、
消臭、抗菌防臭、芳香、防かび、難燃等の機能を公知の
方法により付加することもできる。
【0017】
【発明の効果】本発明の吸音性繊維製品は特に高周波領
域の吸音性に優れている。その中でも800Hz以上の
高周波領域の吸音性に優れている。本発明では吸音性を
代表値として1kHzで比較したが、より高周波領域
で、さらに吸音性の向上が観察された。
【0018】本発明の吸音性繊維製品は目付けが軽く、
意匠性、ドレープ性を豊かに付与することができるた
め、家庭用、公共建物のカーテン等に遮音性を付与する
ことができる。また、同様の使用目的で壁紙、天井材と
し使用することもできる。これらの製品は難燃性を要求
されることが多いが、繊維素材に難燃性のものを使用し
たり、難燃加工を行うことにより容易に難燃機能を付与
することができる。また、床材、および壁の内材の一部
としても使用することができる。さらに自動車用、船舶
用、航空機用内装材、ならびにその一部として、その他
音響設備の吸音材として使用することもできる。
【0019】
【実施例】[吸音率] 吸音率の測定は松下インターテクノ(株)製の吸音率測
定装置を使い、同装置に添付の測定方法に従った。吸音
率は1kHzでの吸音係数を100倍した値を採用し
た。不織布である多孔質層2のみ鐘紡(株)製ポリエス
エルSD1.4d、51mm80重量%と熱融着繊維ベ
ルコンビ2d、51mm20重量%を混合し、カーディ
ング、積層し、圧縮熱成形した厚さ1cm、目付け50
0g/m、密度0.05g/cm、吸音率23%の
不織布に変更し、本発明の吸音性繊維製品を製造した。
本発明の吸音性繊維製品の吸音率は77%であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 吸音率の測定例である。縦軸が吸音係数であ
り、その数値を100倍すると吸音率(%)となる。横
軸は毎分当たりの音の周波数(Hz)である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 A47H 1/00 - 33/02 G10K 11/16 D04H 1/00 - 18/00 D03D 1/00 - 27/18

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音の進入方向側にある、単繊維径が10
    〜0.5μmの繊維を50%以上(数平均)含有する繊
    維層(第1層)に、吸音率(1kHzでの吸音係数を1
    00倍した値)が10%以上の不織布である多孔質層2
    からなる第2層を積層した吸音性繊維製品。
  2. 【請求項2】 単繊維径が5〜0.5μmの繊維である
    請求項1記載の吸音性繊維製品。
  3. 【請求項3】 繊維層1がメルトブロー不織布またはマ
    イクロファイバー編織物である請求項1記載の吸音性繊
    維製品。
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