JP2018199374A - 自動車用ダッシュサイレンサー - Google Patents

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Takahiro Asai
孝弘 浅井
康介 上田
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康介 上田
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Abstract

【課題】本発明は、基材層に積層される表皮層の形成材料の繊維径や通気度に工夫を凝らして、吸音性能や遮音性能等の防音性能を向上させるようにした自動車用ダッシュサイレンサーを提供する。【解決手段】ダッシュサイレンサーDSは、自動車のエンジンルームと車室とを区画するダッシュパネルに沿い設けられる基材層40と、当該基材層を介しダッシュパネルに対向するように基材層40に積層される表皮層50とを備える。基材層40は、20(%)〜40(%)の範囲内の配合率にて熱融着繊維を有するフェルト層でもって形成されており、表皮層50は、1.0(μm)〜3.0(μm)の範囲内の平均繊維径からなるポリエステル系繊維でもって10(cm3/cm2・s)〜40(cm3/cm2・s)の範囲以内の通気度を有するように形成されている。【選択図】図3

Description

本発明は、自動車の車室内に伝播する騒音や車室内で発生する騒音等を低減するに適した自動車用ダッシュサイレンサーに関する。
従来、自動車用ダッシュサイレンサーにおいては、自動車の燃費の改善という観点から、ダッシュサイレンサーの軽量化が要請されているものの、この要請に応えることは、ダッシュサイレンサーの吸音性能や遮音性能による防音性能の低下を招く。
例えば、ダッシュサイレンサーの軽量化に応えるあたり、下記特許文献1に記載された車両用ダッシュサイレンサーに用いる成形吸音材が提案されている。この成形吸音材は、ポリエステル系繊維の積層不織布からなる面材と反毛フェルトからなる基材とを接着して構成されている。
このように構成した成形吸音材は、車両のエンジンルームと車室とを隔離するダッシュパネルに沿い、ダッシュサイレンサーとして配設される。ここで、当該成形吸音材は、その基材にて、ダッシュパネルに沿うように配設される。従って、当該成形用吸音材は、面材にて、当該車両の車室内側からダッシュパネルに対向するように配設される。
特開第2013−163869号公報
ところで、上述のように構成した成形吸音材においては、面材が、通気量を抑制するにあたり、10(μm)〜30(μm)の範囲内の平均繊維径を有するスパンボンドポリエステル系繊維や1(μm)〜7(μm)の範囲内の平均繊維径を有するメルトブローポリエステル系極細繊維を用いて形成されている。
ここで、当該成形用吸音材において、その目付量を同一の値に維持しながら吸音性能をさらに向上させるには、面材の形成繊維の繊維径をさらに細くすることが求められる。
しかしながら、繊維の径が細くなる程、繊維の製造が困難になり、繊維自体が高価になっていく。また、繊維が極細繊維になる程、例えば、極細繊維を含む反毛繊維にあっては、カード法やエアレイ法による積層が困難になるのは勿論のこと、極細繊維を面材の形成繊維の全体に配合することはコストの上昇を招く。
また、面材を、通気量を抑制するように積層構成とするにしても、スパンボンド法によって繊維径を細くするには限界があるため、成形吸音材の吸音性能をさらに改善することが困難である。
そこで、本発明は、以上のようなことに対処するため、基材層に積層される表皮層の形成材料の繊維径や通気度に工夫を凝らして、吸音性能や遮音性能等の防音性能を向上させるようにした自動車用ダッシュサイレンサーを提供することを目的とする。
上記課題の解決にあたり、本発明に係る自動車用ダッシュサイレンサーは、請求項1の記載によれば、
自動車のエンジンルーム(10)と車室(20)とを区画するダッシュパネル(30)に沿い設けられる基材層(40)と、当該基材層を介しダッシュパネルに対向するように基材層に積層される表皮層(50)とを備える。
当該自動車用ダッシュサイレンサーにおいて、
基材層は、20(%)〜40(%)の範囲内の配合率にて熱融着繊維を有するフェルト層でもって形成されており、
表皮層は、1.0(μm)〜3.0(μm)の範囲内の平均繊維径からなるポリエステル系繊維或いはポリプロピレン系繊維でもって10(cm/cm・s)〜40(cm/cm・s)の範囲以内の通気度を有するように形成されていることを特徴とする。
これによれば、騒音がダッシュサイレンサーにその基材層側から入射すると、当該騒音は、フェルトである基材層でもって、吸音された後、表皮層に入射する。これに伴い、当該騒音は、表皮層により吸音ないし遮音される。
ここで、表皮層の形成材料の平均繊維径が、1.0(μm)〜3.0(μm)の範囲内の平均繊維径であることから、従来よりもかなり細い。しかも、表皮層の通気度が、10(cm/cm・s)〜40(cm/cm・s)の範囲以内の値となっており、通気抑制が、遮音性能を改善し得るように良好になされ得る。
このように、表皮層の形成材料の平均繊維径を細くするとともに、通気度を設定することにより、表皮層の基材層からの騒音に対する遮音性能が大幅に改善され得る。
また、基材層を構成するフェルト層において、熱融着繊維の配合率が20(%)〜40(%)の範囲内の値に制限されているから、基材層は、良好な吸音性能を発揮し得る。
従って、ダッシュサイレンサーとしての吸音性能及び 遮音性能に基づく車室内の防音効果が、従来に比べて、大幅に改善され得る。
また、本発明は、請求項2の記載によれば、請求項1に記載の自動車用ダッシュサイレンサーにおいて、基材層は、600(g/cm)〜2000(g/cm)の範囲以内の目付量を有しており、また、表皮層は、10(g/cm)〜100(g/cm)の範囲以内の目付量を有していてもよい。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明に係るダッシュサイレンサーの一実施形態を適用した自動車の模式的部分概略断面図である。 図1のダッシュサイレンサーの正面図である。 図1のダッシュサイレンサーの部分拡大縦断面図である。 本実施形態における各実施例及び各比較例の仕様を示す図表である。 上記実施形態における実施例及び比較例の吸音率と周波数との関係をそれぞれ示すグラフである。 上記実施形態における実施例及び比較例の挿入損失と周波数との関係をそれぞれ示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態を図面により説明すると、図1は、本発明に係る自動車用ダッシュサイレンサーの一例を示している。当該自動車は、エンジンルーム10及び車室20を備えており、車室20は、当該自動車において、エンジンルーム10に後続して設けられている。なお、エンジンルーム10内には、エンジンEが配設されている。また、車室20内には、前側座席Sが配設されている。また、カーペット20が車室20内の床壁に沿い敷かれている。
また、当該自動車は、ダッシュパネル30を備えており、このダッシュパネル30は、図1の縦断面形状にて示すごとく、その中央部から上下両側部を後方へ上下に傾斜状に屈曲するように延出させて形成されている。このように構成したダッシュパネル30は、エンジンルーム10と車室20との境界に設けられて、これらエンジンルーム10及び車室20を相互に区画している。なお、ダッシュパネル30は、鉄板からなるもので、当該ダッシュパネル30は、その延出上端部にて、車室20のフロントウインドシールドの下縁部に連結されている。また、このダッシュパネル30の延出下端部は、車室20の床壁20aの前縁部に対向している。
また、当該自動車は、ダッシュサイレンサーDSを備えている。このダッシュサイレンサーDSは、図1にて示すごとく、ダッシュパネル30に沿い車室20側から組み付けられており、当該ダッシュサイレンサーDSは、図2にて示すごとく、その上下方向中央部にて、当該自動車の後方側へ凹な湾曲板形状となるように、かつ、その上縁部から下縁部にかけて、縦断面凹凸板形状を有するように構成されている。
当該ダッシュサイレンサーDSは、図3にて示すごとく、基材層40及び表皮層50を備えており、これら基材層40及び表皮層50は、順次、当該自動車の前側から後側にかけて積層して2層構造として形成されている。本実施形態において、ダッシュサイレンサーDSの目付量及び厚みは、それぞれ、900(g/m)及び20(mm)となっている(図4の実施例3の仕様参照)。
基材層40は、その前面にて、ダッシュパネル30にその後面に沿い組み付けられており、当該基材層40は、主繊維に熱融着繊維を均一に配合してなるフェルト層でもって形成されている。当該フェルト層において、主繊維の配合率と熱融着繊維の配合率との総和を100(%)とすることを前提に、主繊維の配合率は、所定の主繊維配合率範囲60(%)〜80(%)の範囲以内の配合率となっており、熱融着繊維の配合率は、所定の熱融着繊維配合率範囲20(%)〜40(%)の範囲以内の配合率となっている。なお、熱融着繊維の繊維径は通常太目であることから、上記所定の熱融着繊維配合率範囲が、吸音性改善の観点から、20(%)〜40(%)の範囲に設定されている。
また、基材層40の目付量は所定の目付量範囲600(g/m)〜2000(g/m)の範囲以内の値を有しており、本実施形態では、基材層40の目付量は800(g/m)となっている(図4の実施例3の仕様参照)。また、基材層40の厚みは、所定の厚み範囲3(mm)〜40(mm)の範囲以内の値を有している。さらに、当該基材層40を形成する繊維の平均繊維径は、20(μm)となっている。
また、フェルト層における主繊維の材料としては、ポリプロピレン、ポリエステル、アクリル、ウールや綿等が採用されている。熱融着繊維としては、熱融着ポリエチレン繊維或いは熱融着ポリプロピレン繊維や、ポリエステル熱融着繊維等が挙げられるが、本実施形態では、熱融着繊維として、熱融着ポリエステル繊維が採用されている。なお、当該熱癒着繊維は、主繊維よりも低い融点を有しており、基材層40の本来の形状を保持する役割を果たす。
表皮層50は、その前面にて、基材層40の後面に沿いホットメルト接着剤でもって接着されている。当該表皮層50は、ポリエステル系繊維でもって、所定の通気度範囲10(cm/cm・s)〜40(cm/cm・s)の範囲以内の通気度を有するように形成されている。ここで、所定の通気度範囲の下限値を10(cm/cm・s)としたのは、通気度が当該下限値よりも小さいと、吸音機能を全く発揮しえないためである。また、所定の通気度範囲の上限値を40(cm/cm・s)としたのは、通気度が当該上限値よりも大きいと、通気抑制を発揮し得ないためである。
これにより、ダッシュサイレンサーDSとしての後述のような吸音性能及び遮音性能の改善を可能にし得るように表皮層50の通気度を設定し得る。
また、表皮層50の形成材料の繊維径は、所定の平均繊維径範囲1.0(μm)〜3.0(μm)の範囲以内の値を有しており、本実施形態では、表皮層50の形成材料の平均繊維径は2.7(μm)となっている(図4の実施例3の仕様参照)。
ここで、所定の平均繊維径範囲1.0(μm)〜3.0(μm)の範囲は、上述した従来のスパンボンドポリエステル系繊維の平均繊維径範囲10(μm)〜30(μm)に比べて、非常に細く、また、従来のメルトブローポリエステル系極細繊維の平均繊維径範囲1(μm)〜7(μm)に比べれば、上限値側の範囲が狭い。
従って、表皮層50の形成材料が、少なくともスパンボンドポリエステル系繊維であれば、より一層、ダッシュサイレンサーDSとしての吸音性能や遮音性能の改善に役立つ。
以上のように構成した本実施形態において、エンジンルーム10内の騒音がダッシュパネル30に入射すると、当該騒音は、ダッシュパネル30により部分的に遮音されてダッシュインシュレータDSに入射する。
すると、当該騒音は、基材層40によりその吸音性能に基づき部分的に吸音されて表皮層50に入射する。ここで、当該表皮層50の形成材料の繊維径は、従来の繊維径に比べて大幅に小さく、かつ、表皮層50の通気度が上述した所定の通気度範囲以内の値に設定されているから、表皮層50が、ダッシュサイレンサーDSとしての吸音性能及び遮音性能を改善する役割を果たす。
従って、上述のように表皮層50に入射した騒音は、当該表皮層50の通気度に基づく通気抑制のもとに、当該表皮層50によりその良好な吸音性能及び遮音性能でもって、良好に吸音及び遮音される。これにより、車室20内における防音は、良好に達成され得る。
ちなみに、各実施例1〜4及び各比較例a、bを準備して、これら各実施例1〜4及び各比較例a、bの吸音特性を、残響室法吸音率試験により測定してみた。ここで、実施例3は、上述のように構成したダッシュサイレンサーDSをいう。なお、残響室法吸音率試験は、エンジンルーム10からの騒音に対する吸音率を当該騒音の周波数との関係において測定するものある。
各実施例1、2及び4並びに比較例bの構成は、実施例3と同様の基材層及び表皮層からなる2層積層構造である。但し、比較例aは、基材層のみの1層構造である。
ここで、各実施例1〜4及び各比較例a、bの各仕様は、図4の図表にて示す通りである。
実施例1の仕様:
実施例1の目付量及び厚みは、上述した通り、それぞれ、850(g/m)及び20(mm)である。また、基材層40の目付量及び平均繊維径は、それぞれ、800(g/m)及び20(μm)であり、また、表皮層50の目付量及び平均繊維径は、それぞれ、50(g/m)及び2.7(μm)である。
実施例2の仕様:
実施例2の目付量及び厚みは、それぞれ、820(g/m)及び20(mm)である。実施例2の基材層の目付量及び平均繊維径は、それぞれ、800(g/m)及び20(μm)であり、また、実施例2の表皮層の目付量及び平均繊維径は、それぞれ、20(g/m)及び2.7(μm)である。
実施例3の仕様:
実施例3の目付量及び厚みは、それぞれ、900(g/m)及び20(mm)である。実施例3の基材層の目付量及び平均繊維径は、それぞれ、800(g/m)及び14.5(μm)であり、また、実施例3の表皮層の目付量及び平均繊維径は、それぞれ、100(g/m)及び2.7(μm)である。
実施例4の仕様:
実施例4の目付量及び厚みは、それぞれ、820(g/m)及び20(mm)である。実施例4の基材層の目付量及び平均繊維径は、それぞれ、800(g/m)及び14.5(μm)であり、また、実施例4の表皮層の目付量及び平均繊維径は、それぞれ、20(g/m)及び2.7(μm)である。
比較例aの仕様:
比較例aの目付量及び厚みは、それぞれ、1000(g/m)及び20(mm)である。比較例aの基材層の目付量及び平均繊維径は、それぞれ、1000(g/m)及び14.5(μm)である。
比較例bの仕様:
比較例bの目付量及び厚みは、それぞれ、840(g/m)及び20(mm)である。比較例bの基材層の目付量及び平均繊維径は、それぞれ、800(g/m)及び20(μm)であり、また、比較例bの表皮層の目付量及び平均繊維径は、それぞれ、40(g/m)及び8.5(μm)である。
以上のような前提のもとに、各実施例1〜4及び各比較例a、bに対し残響室法吸音率試験を行ったところ、図5にて示すような結果が得られた。図5においては、各グラフ1〜4が、それぞれ、各実施例1〜4の吸音率と周波数との関係を示し、また、各グラフa、bが、各比較例a、bの吸音率と周波数との関係を示す。
ここで、図5において、各グラフ1〜4をグラフaと対比してみると、各グラフ1〜4では、吸音率が、騒音の周波数400(Hz)から5000(Hz)に亘る広い周波数範囲において、グラフaよりも大きいことが分かる。これは、各実施例1〜4が基材層と表皮層からなる2層構造であるのと異なり、比較例aが基材層のみの単層構造であることに起因するものである。
従って、各実施例1〜4は、騒音の広い周波数範囲において、比較例aよりも良好な吸音特性を発揮し得るものと認められる。
また、図5において、各グラフ1〜4をグラフbと対比してみると、各グラフ1〜4のうち各グラフ1、3及び4において、吸音率は、少なくとも、騒音の周波数500(Hz)よりも高く1600(Hz)よりも低い周波数範囲において、グラフbよりも大きい。しかし、吸音率は、グラフ2では、騒音の周波数400(Hz)から1500(Hz)に亘り、グラフbよりも幾分小さいか当該グラフbとほぼ近似している。
従って、各実施例1〜4のうち、各実施例1、3及び4は、少なくとも、騒音の周波数500(Hz)よりも高く1600(Hz)よりも低い周波数範囲において、比較例bよりも良好な吸音特性を発揮し得るものと認められる。特に、実施例3であるダッシュサイレンサーDSの吸音特性が残りの各実施例1、2及び4に比べてより一層良好であるものと認められる。
次に、各実施例1〜4及び各比較例a、bの挿入損失特性を、いわゆる透過音損失試験により測定したところ、図6にて示すような結果が得られた。なお、透過音損失試験は、エンジンルーム10からの騒音に対する挿入損失を当該騒音の周波数との関係において測定するものある。
ここで、図6において、各グラフ1〜4をグラフaと対比してみると、各グラフ1〜4において、挿入損失が、少なくとも、騒音の周波数800(Hz)〜5000(Hz)の周波数範囲以内において、グラフaよりも大きいことが分かる。
従って、各実施例1〜4は、少なくとも、騒音の周波数800(Hz)〜5000(Hz)の周波数範囲以内において、比較例aよりも良好な挿入損失特性を発揮し得るものと認められる。このことは、各実施例1〜4は、少なくとも、騒音の周波数800(Hz)〜5000(Hz)の周波数範囲以内において、比較例aよりも良好な遮音特性を示すことを意味する。
次に、各グラフ1〜4をグラフbと対比してみると、各グラフ1〜4のうち、各グラフ1、3及び4では、挿入損失が、少なくとも、騒音の周波数1000(Hz)〜5000(Hz)の周波数範囲以内において、グラフbよりも大きいことが分かる。しかし、グラフ2では、挿入損失は、グラフbとほぼ近似している。
従って、各実施例1〜4のうち、各実施例1、3及び4は、少なくとも、騒音の周波数1000(Hz)〜5000(Hz)の周波数範囲以内において、比較例bよりも良好な挿入損失特性を発揮し得るものと認められる。このことは、各実施例1、3及び4が、少なくとも、騒音の周波数1000(Hz)〜5000(Hz)の周波数範囲以内において、比較例bよりも良好な遮音特性を発揮し得ることを意味する。特に、実施例3であるダッシュサイレンサーDSの遮音特性が残りの各実施例1、2及び4に比べてより一層良好であるものと認められる。
以上説明した残響室法吸音率試験及び透過音損失試験による双方の試験結果によれば、各実施例1〜4のうち、実施例1、3及び4は、少なくとも、騒音の周波数500(Hz)よりも高く1600(Hz)よりも低い周波数範囲において、比較例bよりも良好な吸音特性を発揮するとともに、少なくとも、騒音の周波数1000(Hz)〜5000(Hz)の周波数範囲以内において、比較例bよりも良好な遮音特性を発揮し得る。
ここで、図5及び図6から分かるように、実施例1、3及び4の各吸音特性は、騒音の周波数の低い領域において、比較例bの吸音特性よりも改善され、かつ、実施例1、3及び4の各遮音特性は、騒音の周波数の高い領域において、改善される。また、このように、吸音特性及び遮音特性の改善度合いは、騒音の周波数領域において異なるものの、遮音特性の改善度合いが、吸音特性の改善度合いに比べて非常に高い。
換言すれば、ダッシュサイレンサーDSは、実施例1、3及び4のいずれかの仕様、主として表皮層において細い平均繊維径を有すれば、騒音に対する車室20内の防音性能を、騒音の低い周波数範囲における吸音性能と高い周波数範囲における遮音性能との双方でもって、良好に改善し得る。
なお、実施例1、3或いは4において表皮層の平均繊維径を種々変更してみたが、1.0(μm)〜3.0(μm)の範囲以内平均繊維径であれば、吸音性能や遮音性能は、上述した実施例1、3或いは4の表皮層の場合と実質的同様であった。
通気度を種々変更してみたが、10(cm/cm・s)〜40(cm/cm・s)の範囲以内の通気度であれば、通気抑制に基づく遮音性能は、上述した実施例1、3或いは4の表皮層の場合と実質的に同様であった。
また、実施例1、3或いは4において基材層或いは表皮層の目付量を種々変更してみたが、基材層の目付量が、600(g/cm)〜2000(g/cm)の範囲以内であり、或いは表皮層の目付量が、10(g/cm)〜100(g/cm)の範囲以内であれば、ダッシュサイレンサーとしての吸音性能や遮音性能は、上述した実施例1、3或いは4の場合と実質的に同様であった。
なお、本発明の実施にあたり、上記実施形態に限ることなく、次のような変形例が挙げられる。
(1)本発明の実施にあたり、表皮層50の形成材料は、上記実施形態にて述べたポリエステル系繊維に限ることなく、例えば、ポリプロピレン系繊維であっても、上記実施形態と同様の作用効果を達成し得る。
40…基材層、50…表皮層、DS…ダッシュサイレンサー。

Claims (2)

  1. 自動車のエンジンルームと車室とを区画するダッシュパネルに沿い設けられる基材層と、当該基材層を介し前記ダッシュパネルに対向するように前記基材層に積層される表皮層とを備える自動車用ダッシュサイレンサーにおいて、
    前記基材層は、20(%)〜40(%)の範囲内の配合率にて熱融着繊維を有するフェルト層でもって形成されており、
    前記表皮層は、1.0(μm)〜3.0(μm)の範囲内の平均繊維径からなるポリエステル系繊維或いはポリプロピレン系繊維でもって10(cm/cm・s)〜40(cm/cm・s)の範囲以内の通気度を有するように形成されていることを特徴とする自動車用ダッシュサイレンサー。
  2. 前記基材層は、600(g/cm)〜2000(g/cm)の範囲以内の目付量を有しており、
    前記表皮層は、10(g/cm)〜100(g/cm)の範囲以内の目付量を有することを特徴とする請求項1に記載の自動車用ダッシュサイレンサー。
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