JP5387051B2 - 全固体二次電池用積層体および全固体二次電池 - Google Patents

全固体二次電池用積層体および全固体二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、全固体リチウムイオン二次電池等の全固体二次電池に用いるための固体電解質層、並びにそれを用いた全固体二次電池用積層体及び全固体二次電池に関する。
近年、携帯情報端末、携帯電子機器、家庭用小型電力貯蔵装置、モーターを動力源とする自動二輪車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車等に用いられる高性能リチウム電池等二次電池の需要が増加している。
使用される用途が広がるに伴い、二次電池の更なる安全性の向上及び高性能化が要求されている。安全性を確保する方法としては、有機溶媒電解質に代えて無機固体電解質を用いることが有効である。
無機固体電解質は、その性質上不燃で、通常使用される有機溶媒電解質と比較し安全性の高い材料である。そのため、該電解質を用いた高い安全性を備えた全固体電池の開発がすすんでいる(特許文献1)。
全固体電池とは、電解質層として無機物からなる固体電解質層を、正極及び負極の間に有するものである。
全固体電池を製造する工程としては種々提案されており、正極活物質若しくは負極活物質と、固体電解質材料とを混合し、加圧成型しペレット状にする手法や、固体電解質材料と、正極活物質若しくは負極活物質等とを、バインダー、可塑剤等と共に溶媒中で分散、懸濁させ基材上に塗布・成型し焼成する手法等が開示されている。(特許文献2)
後者の塗布・成型する手法においては、正極若しくは負極活物質を溶媒、バインダー及び可塑剤と共にスラリー化する工程と、固体電解質材料を溶媒、バインダー及び可塑剤と共にスラリー化する工程と、集電体材料を溶媒、バインダー及び可塑剤と共にスラリー化する工程と、各スラリーを集電箔等の基材上に、塗布、成型してグリーンシートを作製し、その後焼成工程を経て、全固体電池を作製する手法が開示されている。
また、バインダーとしてはアクリル樹脂、メタクリル樹脂、セルロース樹脂などが開示されている。
しかしながら、前述の工程において作製された全固体二次電池は、焼成工程を経て全固体二次電池を製造するため、得られる固体電解質層、正極及び負極は可撓性に乏しく捲回することが困難であるという課題があった。また、固体電解質材料、正極活物質及び負極活物質をスラリー化、塗布、成型した後に、バインダー及び可塑剤を焼成工程において焼き飛ばす必要があり、生産工程の増加、製造コストが増加するという課題があった。
特開昭59−151770 特開2007−227362
従って、本発明の目的は、固体電解質の充填密度が高く捲回性に優れた全固体二次電池用電解質層、全固体二次電池用積層体、ならびに生産性に優れた全固体二次電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、全固体二次電池を製造する際に、固体電解質材料、正極活物質、負極活物質をスラリー化して塗布、成型する際に、バインダーとして軟質重合体を用いることにより、焼成工程を経ずとも固体電解質材料間の接触が良好となり、高い電池特性を発現することを見出した。また、バインダーの焼成工程を経ないため、生産工程の簡略化、並びに生産コストの低減、さらには軟質重合体が存在することによって、固体電解質層、正極、負極の強度や密着性が向上することを見出した。
さらには、固体電解質層等を形成するためスラリーを塗布して、乾燥させる際に軟質重合体をバインダーとして適用することで、乾燥時の塗膜の急激な粘度上昇を抑制し、乾燥密度を向上させ充填率の高く良好な全固体二次電池を製造することが可能となることを見出した。
上記課題を解決する本発明は、下記事項を要旨として含む。
(1)固体電解質材料と、軟質重合体と含む全固体二次電池用電解質層。
(2)前記軟質重合体のガラス転移温度が15℃以下である上記(1)に記載
の全固体二次電池用電解質
(3)正極、上記(1)または(2)に記載の全固体二次電池用組成物および負極をこの順に備えてなることを特徴とする全固体二次電池用積層体。
(4)前記正極および負極中に前記軟質重合体及び固体電解質材料を含む上記(3)に記載の全固体二次電池用積層体。
(5)前記全固体二次電池用積層体の正極及び負極に集電体を具備する全固体二次電池。
本発明によれば、可撓性、密着性に優れた全固体二次電池用電解質層ならびに充填密度が高く性能に優れた全固体二次電池用積層体を得ることができる。また、本発明により生産性に優れ、低コストで全固体二次電池を製造することができる。
以下本発明に関して詳細に記述する。
(全固体二次電池用電解質層)
本発明における全固体二次電池用電解質層は、軟質重合体ならびに固体電解質材料を含む。全固体二次電池用電解質層は、軟質重合体および有機溶媒を含む軟質重合体組成物と、固体電解質材料とを混合して得られるスラリー組成物を塗布、乾燥することにより得ることができる。
以下、詳述する。
(軟質重合体)
軟質重合体としてはポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、エチルアクリレート・ブチルアクリレート・スチレン共重合体、エチルアクリレート・ブチルアクリレート・アクリロニトリル共重合体、エチルアクリレート・ブチルアクリレート・アクリロニトリル・グリシジルメタクリレート共重合体などの、アクリル酸またはメタクリル酸誘導体の単独重合体またはそれと共重合可能な単量体との共重合体である、アクリル系軟質重合体;
ポリイソブチレン、イソブチレン・イソプレンゴム、イソブチレン・スチレン共重合体などのイソブチレン系軟質重合体;
ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン・スチレンランダム共重合体、イソプレン・スチレンランダム共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、ブタジエン・スチレン・ブロック共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレン・ブロック共重合体、イソプレン・スチレン・ブロック共重合体、スチレン・イソプレン・スチレン・ブロック共重合体などジエン系軟質重合体;
ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、ジヒドロキシポリシロキサンなどのケイ素含有軟質重合体;
液状ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体(EPDM)、エチレン・プロピレン・スチレン共重合体などのオレフィン系軟質重合体;
ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリステアリン酸ビニル、酢酸ビニル・スチレン共重合体などビニル系軟質重合体;
ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エピクロルヒドリンゴムなどのエポキシ系軟質重合体;
フッ化ビニリデン系ゴム、四フッ化エチレン−プロピレンゴムなどのフッ素含有軟質重合体;
天然ゴム、ポリペプチド、蛋白質、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマーなどのその他の軟質重合体などが挙げられる。
これらの軟質重合体は、架橋構造を有したものであってもよく、また、変性により官能基を導入したものであってもよい。
これらの中でも、特にガラス転移温度が15℃以下の重合体が好ましい。結着剤のガラス転移温度が15℃以下であることにより、固体電解質層に圧力をかけた際に固体電解質材料同士の結着性を高めることができ、ひいては固体電解質材料同士の接触面積を向上させ高い電池性能を得ることができる。
さらには、ガラス転移温度が15℃以下とすることで、スラリー組成物を塗布、乾燥する際に、乾燥中の急激な粘度上昇が起こらずに、充填密度が高く固体電解質材料同士の接触面積の大きい全固体二次電池用電解質層を得ることができる。
本発明において、固体電解質層中の気孔率は低い方が好ましく、イオン伝導度の観点から10体積%以下であることが好ましい。また、より好ましくは7体積%以下であり、最も好ましくは4体積%以下である。気孔率を10体積%以下とするには、加圧することが好適である。
また、軟質重合体のガラス転移温度を上記範囲とすることで、固体電解質層ならびに全固体二次電池用積層体に柔軟性を与えることができるため、ロール巻取り時や、捲回時にヒビ、欠けが入らない可撓性の高いものとすることができる。
これらの観点から、上記軟質重合体の中でもアクリル系軟質重合体、イソブチレン系軟質重合体、ジエン系軟質重合体が好ましい。特に、酸化還元に安定で、かつ高寿命の電池を得やすい観点より、アクリル系軟質重合体が好ましい。
上記軟質重合体の製造方法は特に限定はされず、溶液重合法、懸濁重合法、塊状重合法、乳化重合法などのいずれの方法も用いることができる。重合方法としては、イオン重合、ラジカル重合、リビングラジカル重合などいずれの方法も用いることができる。重合に用いる重合開始剤としては、たとえば過酸化ラウロイル、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシピバレート、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイドなどの有機過酸化物、α,α’−アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物、または過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸リチウムなどがあげられる。
なかでも本発明における重合開始剤としては、有機過酸化物及びアゾ化合物が好ましく、さらには有機過酸化物がこのましい。後述する固体電解質材料との反応性が低いためである。
本発明において、軟質重合体のGPCにより求められるポリスチレン換算の重量平均分子量は、5,000〜1,000,000が好ましく、さらには10,000〜500,000が好ましい。軟質重合体の重量平均分子量を前記範囲とすることにより、スラリー組成物の経時安定性を高くしたり、塗膜の強度が向上させるたりすることが可能となる。
(軟質重合体組成物)
本発明に用いる軟質重合体組成物は、前記軟質重合体及び有機溶媒を含む。
軟質重合体組成物中の軟質重合体の含有割合は、固形分濃度において1重量%〜20重量%が好ましく、2重量%〜10重量%がさらに好ましい。
軟質重合体組成物中の軟質重合体の固形分濃度を、上記範囲とすることにより、塗工に適した溶液粘度や溶液粘性を得ることができる。
本発明に用いる軟質重合体組成物に含まれる有機溶媒の例としては、シクロペンタン、シクロヘキサンなどの環状脂肪族炭化水素類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;エチルメチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトンなどのエステル類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのアシロニトリル類;テトラヒドロフラン、エチレングリコールジエチルエーテルなどのエーテル類:メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール類;N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類、ハイドロフルオロエーテル等のフッ素類があげられる。これらの溶媒は、単独または2種以上を混合して、乾燥速度や環境上の観点から適宜選択して用いることができる。中でも、本発明においては固体電解質材料との反応性の点から芳香族炭化水素類から選ばれる非極性溶媒を用いることが好ましい。
本発明に用いる軟質重合体組成物において、カールフィッシャー法によって測定される軟質重合体組成物中の水分量が少ない方が好ましく、1000ppm以下が好ましく更には800ppm以下が好ましく、最も好ましくは500ppm以下である。軟質重合体組成物中の水分量を前記範囲とすることにより、後述する固体電解質材料が、水分によって劣化することを抑制し、更には安定したスラリー組成物を作製することができる。
軟質重合体組成物中の水分を減少させる手法としては、軟質重合体組成物をモレキュラーシーブにて脱水する手法が挙げられる。
本発明に用いる軟質重合体組成物は、金属含有量が少ない方が好ましい。含まれる金属イオン種としてはICP発光分光分析により測定されるFeイオンが9ppm以下、Niイオンが10ppm以下、Cuイオンが2ppm以下であることが好ましい。さらには、Feイオンが1ppm以下、Niイオンが1ppm以下、Znイオンが1ppm以下が好ましい。
軟質重合体組成物中の金属イオン種が上記範囲内であると、軟質重合体間での金属イオン架橋などが起こらず、軟質重合体組成物が高い経時安定性を示すからである。
また、金属含有量として軟質重合体組成物に含まれる導電性の粒子状異物が少ないことが好ましい。軟質重合体組成物に含まれる導電性の粒子状異物量の好ましい範囲としては、20μm以下大きさの粒子状異物の量が10ppm以下、更に好ましくは5ppm以下である。
軟質重合体組成物に含まれる導電性の粒子状異物量が上記範囲であることのより、全固体二次電池を形成した際に短絡することなく安定して歩留まり良く二次電池を製造することが可能となる。
前記金属イオン種及び粒子状金属異物を減らすためには、手法は限定されないが、例えば軟質重合体組成物に対し、磁力を利用して金属種を除去する工程を施すことにより達成される。
本発明に用いる軟質重合体組成物は、ハロゲン(F,Cl,Br,I)イオン濃度が低いことが好ましい。具体的には、ICP発光分光分析で測定されるハロゲンイオン濃度が5ppm以下が好ましい。更に好ましくは0.5ppm以下である。
軟質重合体組成物中に含まれるハロゲンイオン濃度を上記範囲とすることにより、後述する固体電解質材料との反応性を抑制し、経時安定性の高いスラリー組成物を作製することが可能となる。
(固体電解質材料)
本発明における全固体二次電池用電解質層に含まれる固体電解質材料としては以下のようなものを挙げることができる。
固体電解質材料は、リチウムイオンの伝導性を有していれば特に限定されないが、Ti、Al、La、Ge、Si、Ce、Ga、In、P及びSからなる群より選択される少なくとも1種の元素の酸化物と、酢酸リチウム、イソプロポキシリチウム等のリチウム塩又はリチウムを主体とするアルカリ金属塩と、を含有するものであることが好ましい。
また、固体電解質材料は、下記一般式(1);
Li1+XAlTi2−X(PO …(1)(0≦x≦2)
で表されるリン酸化合物を含有することも好ましい。更に、固体電解質材料には、リチウムイオン伝導性ナシコン型化合物やLiS/P等の硫化物、Li0.34La0.51TiO2.94等のリチウムイオン伝導性酸化物、LiPON等のリン酸化合物等を含有させてもよい。
(スラリー組成物)
本発明に用いるスラリー組成物は、前記軟質重合体、固体電解質材料及び有機溶媒を含む。
スラリー組成物中の軟質重合体の含有割合は、固体電解質材料100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。スラリー組成物中の軟質重合体の含有割合を上記範囲とすることにより、固体電解質粒子間の接触抵抗を上げずに電池特性に優れた全固体二次電池用電解質層、全固体二次電池用積層体ならびに全固体二次電池を得ることができる。
スラリー組成物中の固体電解質材料の含有割合は、10〜80質量%が好ましく、20〜70質量%がより好ましい。
スラリー組成物中の固体電解質材料の含有割合を上記範囲とすることにより、塗工に適したスラリー組成物の粘度、粘性が得られるためである。
本発明に用いるスラリー組成物に含まれる有機溶媒の例としては、シクロペンタン、シクロヘキサンなどの環状脂肪族炭化水素類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;エチルメチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトンなどのエステル類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのアシロニトリル類;テトラヒドロフラン、エチレングリコールジエチルエーテルなどのエーテル類:メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール類;N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類があげられる。これらの溶媒は、単独または2種以上を混合して、乾燥速度や環境上の観点から適宜選択して用いることができる。中でも、本発明においては固体電解質材料との反応性の点から芳香族炭化水素類から選ばれる非極性溶媒を用いることが好ましい。
スラリー組成物中の有機溶媒の含有割合は、固体電解質材料100質量部に対して、20〜80質量部が好ましく、更には30〜70質量部が好ましい。
スラリー組成物中の有機溶媒の含有割合を上記範囲内とすることにより、固体電解質の分散性を保持しながら、良好な塗料特性を得ることができるためである。
本発明に用いるスラリー組成物には、上記成分のほかに、さらに分散剤、レベリング剤、消泡剤の機能を有する他の成分が含まれていてもよい。これらは電池反応に影響を及ぼさないものであれば特に限られない。
分散剤としてはアニオン性化合物、カチオン性化合物、非イオン性化合物、高分子化合物が例示される。分散剤は用いる固体電解質材料に応じて選択される。
スラリー組成物中の分散剤の含有割合は、電池特性に影響が及ばない範囲が好ましく、具体的には10質量%以下である。
レベリング剤としてはアルキル系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、金属系界面活性剤などの界面活性剤が挙げられる。前記界面活性剤を混合することにより、塗工時に発生するはじきを防止したり、電極の平滑性を向上させることができる。
スラリー組成物中のレベリング剤の含有割合は、電池特性に影響が及ばない範囲が好ましく、具体的には10質量%以下である。
スラリー組成物は、固体電解質材料、軟質重合体、必要に応じ添加される添加剤、および有機溶媒を、混合機を用いて混合して得られる。混合は、上記の各成分を一括して混合機に供給し、混合、分散してもよい。混合機としては、ボールミル、サンドミル、顔料分散機、擂潰機、超音波分散機、ホモジナイザー、プラネタリーミキサー、ホバートミキサーなどを用いることができるが、ボールミルを用いると固体電解質材料の凝集を抑制できるので好ましい。
(全固体二次電池用電解質層の製造方法)
本発明における全固体二次電池用電解質層の製造方法としては、スラリー組成物を基材上へ塗布する方法であれば特に限定されない。
例えば、ドクターブレード法、ディップ法、リバースロール法、ダイレクトロール法、グラビア法、エクストルージョン法、ハケ塗りなどによって塗布される。塗布する量も特に制限されないが、有機溶媒を除去した後に形成される活物質層の厚さが通常0.005〜5mm、好ましくは0.01〜2mmになる程度の量である。乾燥方法も特に制限されず、例えば温風、熱風、低湿風による乾燥、真空乾燥、(遠)赤外線や電子線などの照射による乾燥が挙げられる。乾燥条件は、通常は応力集中が起こって電解質層に亀裂が入ったり、電解質層が集電体から剥離しない程度の速度範囲の中で、できるだけ早く有機溶媒が揮発するように調整する。
乾燥温度は、有機溶媒が十分に揮発する温度で行う。具体的には50〜250℃が好ましく、さらには80〜200℃が好ましい。
上記範囲とすることにより、軟質重合体の熱分解無く良好な全固体二次電池用電解質層を形成することが可能であるためである。
乾燥時間については、特に限定されることはないが、通常10〜60分の範囲で行われる。
更に、乾燥後の集電体をプレスすることにより電極を安定させてもよい。プレス方法は、金型プレスやカレンダープレスなどの方法が挙げられるが、限定されるものではない。
塗布される基材としては、スラリー組成物中に含まれる有機溶媒に耐性があれば特に限定はされないが、ポリエステルなどのキャリアフィルムなどが挙げられる。また、後述する集電体上に正極または負極材料が形成された基材に対してスラリー組成物を塗布、乾燥し全固体二次電池用電解質層を形成してもよい。
(全固体二次電池用積層体)
本発明における全固体二次電池用積層体は正極、全固体二次電池用電解質層、負極をこの順に積層してなるものである。
正極に含まれる正極活物質は、リチウムイオンを吸蔵および放出可能な化合物である。正極用の活物質は、無機化合物からなるものと有機化合物からなるものとに大別される。
無機化合物からなる正極活物質としては、遷移金属酸化物、リチウムと遷移金属との複合酸化物、遷移金属硫化物などが挙げられる。上記の遷移金属としては、Fe、Co、Ni、Mn等が使用される。正極活物質に使用される無機化合物の具体例としては、MnO、V、VO1、TiO等の遷移金属酸化物、ニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム等のリチウムと遷移金属との複合酸化物、TiS、FeS、MoS等の遷移金属硫化物が挙げられる。これらの化合物は、部分的に元素置換したものであってもよい。
有機化合物からなる正極活物質としては、例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセン、ジスルフィド系化合物、ポリスルフィド系化合物、N−フルオロピリジニウム塩などが挙げられる。正極活物質は、上記の無機化合物と有機化合物の混合物であってもよい。本発明で用いる正極活物質の粒子径は、電池の他の構成要件との兼ね合いで適宜選択されるが、負荷特性、サイクル特性などの電池特性の向上の観点から、50%体積累積径が、通常0.1〜50μm、好ましくは1〜20μmである。50%体積累積径がこの範囲であると、充放電容量が大きい二次電池を得ることができ、かつ後述する電極用スラリーおよび電極を製造する際の取扱いが容易である。50%体積累積径は、レーザー回折で粒度分布を測定することにより求めることができる。
負極に含まれる負極活物質としては、グラファイトやコークス等の炭素の同素体が挙げられる。前記炭素の同素体からなる活物質は、金属、金属塩、酸化物などとの混合体や被覆体の形態で利用することも出来る。また、負極活物質としては、ケイ素、錫、亜鉛、マンガン、鉄、ニッケル等の酸化物や硫酸塩、金属リチウム、Li−Al、Li−Bi−Cd、Li−Sn−Cd等のリチウム合金、リチウム遷移金属窒化物、シリコン等を使用できる。負極活物質の粒径は、電池の他の構成要件との兼ね合いで適宜選択されるが、初期効率、負荷特性、サイクル特性などの電池特性の向上の観点から、50%体積累積径が、通常1〜50μm、好ましくは15〜30μmである。
正極及び負極は、固体電解質材料を含むことが好ましい。正極及び負極に固体電解質材料が含まれることにより、固体電解質材料と正極活物質及び負極活物質の接触面積が増大し、高い電池特性を発現することが可能となるためである。
正極若しくは負極に含まれる固体電解質材料の割合は、正極若しくは負極中で、10〜80重量%、好ましくは20〜60重量%である。上記範囲とすることにより、容量と出力のバランスのとれた良好な電池特性を示す全固体二次電池を得ることができる。
正極及び負極は、前記の正極活物質若しくは負極活物質を結着剤とともに有機溶媒に混合して活物質スラリーを作製し集電箔上に塗布、乾燥して形成する。
結着剤としては、活物質スラリー中に電解質材料が混合されることから前記軟質重合体と同一のものが好ましいが、これに限られない。
活物質スラリーに含まれる有機溶媒の例としては、シクロペンタン、シクロヘキサンなどの環状脂肪族炭化水素類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;エチルメチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトンなどのエステル類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのアシロニトリル類;テトラヒドロフラン、エチレングリコールジエチルエーテルなどのエーテル類:メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール類;N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類があげられる。これらの溶媒は、単独または2種以上を混合して、乾燥速度や環境上の観点から適宜選択して用いることができる。中でも、本発明においては固体電解質材料との反応性の点から芳香族炭化水素類から選ばれる非極性溶媒を用いることが好ましい。
活物質スラリー中には、上記正極活物質または負極活物質、結着剤、有機溶媒のほかに、さらに分散剤、レベリング剤、消泡剤の機能を有する他の成分が含まれていてもよい。これらは電池反応に影響を及ぼさないものであれば特に限られない。
分散剤としてはアニオン性化合物、カチオン性化合物、非イオン性化合物、高分子化合物が例示される。分散剤は用いる固体電解質材料に応じて選択される。
活物質スラリー中の分散剤の含有割合は、電池特性に影響が及ばない範囲が好ましく、具体的には10質量%以下である。
レベリング剤としてはアルキル系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、金属系界面活性剤などの界面活性剤が挙げられる。前記界面活性剤を混合することにより、塗工時に発生するはじきを防止したり、電極の平滑性を向上させることができる。
活物質スラリー中のレベリング剤の含有割合は、電池特性に影響が及ばない範囲が好ましく、具体的には10質量%以下である。
また、上記活物質スラリー中には、導電材、補強材などの各種の機能を発現する添加剤を含有させることができる。導電材としては、導電性を付与できるものであれば特に制限されないが、通常、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛などの炭素粉末、各種金属のファイバーや箔などが挙げられる。補強材としては、各種の無機および有機の球状、板状、棒状または繊維状のフィラーが使用できる。
活物質スラリーは、正極活物質若しくは負極活物質、固体電解質材料、結着剤、必要に応じ添加される添加剤、導電剤、補強剤および有機溶媒を、混合機を用いて混合して得られる。混合は、上記の各成分を一括して混合機に供給し、混合、分散してもよい。混合機としては、ボールミル、サンドミル、顔料分散機、擂潰機、超音波分散機、ホモジナイザー、プラネタリーミキサー、ホバートミキサーなどを用いることができるが、ボールミルを用いると活物質、固体電解質材料の凝集を抑制できるので好ましい。
活物質スラリーの集電体への塗布方法は特に制限されない。例えば、ドクターブレード法、ディップ法、リバースロール法、ダイレクトロール法、グラビア法、エクストルージョン法、ハケ塗りなどによって塗布される。塗布する量も特に制限されないが、有機溶媒を除去した後に形成される活物質層の厚さが通常0.005〜5mm、好ましくは0.01〜2mmになる程度の量である。乾燥方法も特に制限されず、例えば温風、熱風、低湿風による乾燥、真空乾燥、(遠)赤外線や電子線などの照射による乾燥が挙げられる。乾燥条件は、通常は応力集中が起こって活物質層に亀裂が入ったり、活物質層が集電体から剥離しない程度の速度範囲の中で、できるだけ早く有機溶媒が揮発するように調整する。更に、乾燥後の集電体をプレスすることにより電極を安定させてもよい。プレス方法は、金型プレスやカレンダープレスなどの方法が挙げられるが、限定されるものではない。
乾燥温度は、有機溶媒が十分に揮発する温度で行う。具体的には50〜250℃が好ましく、さらには80〜200℃が好ましい。
乾燥温度を上記範囲とすることにより、軟質重合体の熱分解無く良好な全固体二次電池用電解質層を形成することが可能であるためである。
乾燥時間については、特に限定されないが、通常10分〜60分の範囲で行われる。
前記手法で塗工、乾燥した正極表面においては、固体電解質層と正極間の接触抵抗を低減させるために、界面に修飾層を設けてもよい。修飾層については、リチウムイオン伝導性の酸化物材料が好ましいが、LiTi12、LiNbOなどが挙げられる。
(全固体二次電池)
本発明における全固体二次電池は、全固体二次電池用積層体の正極及び負極に、集電体が積層してなるものである。
集電体は、導電性を有するものであれば限定されないが、通常、銅、マグネシウム、ステンレス鋼、チタン、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、アルミニウム、ゲルマニウム、インジウム、リチウム、又はこれらの合金等からなる板状体や箔状体等が使用される。金属箔の厚さは特に限定されないが、通常1〜50μm好ましくは1〜30μmである。集電体の厚さが薄過ぎる場合は、機械的強度が弱くなり、破断、皺よりが発生しやすいといった生産上の問題を生じる場合があり、厚過ぎる場合は、電池全体としての容量が低下する傾向となる。集電体は、活物質層との接着強度を高めるため、その表面が粗面化処理されたものが好ましい。粗面化方法としては、機械的研磨法、電解研磨法、化学研磨法などが挙げられる。機械的研磨法においては、研磨剤粒子を固着した研磨布紙、砥石、エメリバフ、鋼線などを備えたワイヤーブラシ等が使用される。また、活物質層との接着強度や導電性を高めるために、集電体表面に中間層を形成してもよい。
本発明における全固体二次電池の具体的な製造方法としては、以下の態様が考えられる。
態様I:集電体表面に正極または負極を形成する活物質スラリーを塗布して正極または負極を形成、更に上からスラリー組成物を塗布、乾燥させ全固体二次電池用電解質層を形成、一方の集電体上に形成した正極または負極さらにを積層する。
態様II:正極と負極を別々の集電体上に形成する。さらにキャリアフィルム上に塗布、形成した全固体二次電池用電解質層を、正極、負極で挟み込み積層する。
上記いずれの態様においても、正極と固体電解質層と負極の各界面での接触を良好にし電池特性を向上させるために積層後あるいは積層前の工程において加圧しても良い。加圧する手法としては、特に限定されないが、平板プレス、ロールプレス、CIP(Cold Isostatic Press)などが挙げられるが特に限定はされない。
加圧プレスする圧力としては、5〜700MPaの範囲が好ましく、更には7〜500MPaが好ましい。
加圧プレスする圧力を上記範囲とすることにより、正極、固体電解質層及び負極の各界面における抵抗、更には各層内の粒子間の接触抵抗が低くなり良好な電池特性を示すからである。上記範囲の圧力は全固体二次電池の電池を構成している状態でかけられても構わない。
(実施例)
以下に、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、本実施例における部および%は、特記しない限り質量基準である。
実施例および比較例において、各種物性は以下のように評価する。
〈気孔率〉
ここで気孔率とは、単位体積中に含まれる空孔の割合であり、次式で表される。
気孔率(%)=(真密度−嵩密度)/真密度×100
ここで、真密度とはアルキメデス法等の既知の方法で測定できる物質そのものの密度である。これに対し、嵩密度とは物体の重さを見掛けの体積で割った密度であり、物体の表面の孔や内部の空孔も含まれている密度である。測定方法としては、測定しやすい形状(角型や円柱状)に加工した試料の重さと体積を測定し、重さ/ 体積で求めることができる。
得られた気孔率を以下の基準にて判断した。
A:気孔率4%未満
B:気孔率4%以上7%未満
C:気孔率7%以上10%未満
D:気孔率10%以上
<捲回特性>
作製した全固体二次電池用電解質層の捲回特性を以下の手順により評価した。
固体電解質層を作製したフィルムをマンドレル試験(JIS K 5600)に従い屈曲性試験を行った。マンドレル径は3mmφのものを使用し、固体電解質層が外側となるようにマンドレルにまきつけ、表面をデジタルマイクロスコープで観察した。10枚屈曲性試験を行い以下の条件で良否を判断した。
A:10枚中1枚も割れ無し
B:10枚中1〜3枚に割れがみられる。
C:10枚中4〜9枚に割れがみられる。
D:10枚中全てに割れがみられる。
<電池内部抵抗評価>
作製した全固体二次電池を10μA にて5.0Vまで定電流・定電圧充電を行った後、電流を遮断して10分間放置し、次いで10μA にて放電した。10μA にて放電してから1秒後の電圧降下値から、電池内部抵抗( kΩ ) を算出した。
A:20kΩ未満
B:20kΩ以上60kΩ未満
C:60kΩ以上100kΩ未満
D:100kΩ以上
(実施例1)
(全固体二次電池用電解質層の作製)
アンプル瓶内に、アクリル酸エチル10.38部、アクリル酸n−ブチル10.25部およびアクリロニトリル3.75部、p−キシレン36.56部及び開始剤として過酸化ベンゾイル0.0122部を封入し80℃の湯浴内に5時間保持し、固形分濃度20%のアクリル酸エチル・アクリル酸ブチル・アクリロニトリル共重合体を含む溶液を得た。
その後、前記溶液を、p−キシレンにて固形分濃度8%となるように希釈してモレキュラーシーブにて脱水後、バインダー溶液(軟質重合体組成物)を得た。得られた軟質重合体のガラス転移温度を測定したところ−23℃であった。
固体電解質材料として硫化リチウム(LiS−P)10部と、前記バインダー溶液18.75部とを混合し、ビーズミルにて1mmφのジルコニアビーズを用いて、5分間混合して、固体電解質用スラリー組成物を得た。
得られた電解質用スラリー組成物をポリエステルからなるキャリアフィルム上にドクターブレード法により塗布し、120℃で20分乾燥させ、全固体二次電池用固体電解質層を得た。
得られたキャリアフィルム上に形成された全固体二次電池用電解質層について、気孔率及び捲回特性を評価した。その結果を表1に示す。
(正極)
LiCoO 30部と硫化リチウム(LiS−P)14部と粉状アセチレンブラック(電気化学工業製)0.6部と上記にて得られた軟質重合体組成物 15部を樹脂製の容器に投入し、Zrビーズ 130部を加え、10分間(自転:2200rpm 公転:500rpm)ビーズミルにて混合し正極活物質スラリーを得た。
アルミ箔(20μm)上に、上記にて得られた正極活物質スラリーを塗布し、120℃20分間乾燥させた。乾燥後の膜厚は30μであった。
(負極)
グラファイト 12.5部と硫化リチウム(LiS−P)12.5部とと上記にて得られた軟質重合体組成物 15部を樹脂製の容器に投入し、Zrビーズ 130部を加え、2分間(自転:2200rpm 公転:500rpm)ビーズミルにて混合し負極活物質スラリーを得た。
銅箔(20μm)上に、上記にて得られた負極活物質スラリーを塗布し、120℃20分間乾燥させた。乾燥後の膜厚は20μmであった。
(全固体二次電池の作製)
正極の正極活物質表面上に上記にて得られた固体電解質用スラリー組成物を塗布し、120℃で30分乾燥させた。乾燥後の固体電解質層の膜厚は6μmであった。
固体電解質層を積層した正極と負極を各々12mmφとなるように打ち抜きいた後、固体電解質層と負極の表面を合わせ、10MPaの圧力で加圧プレスし、集電体を具備した正極/固体電解質層/負極の積層体を得た。
得られた積層体をコイン型電池を作製し、前述の電池内部抵抗を評価した結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において、バインダー溶液を得る際にアクリロニトリル量を7.5部とした以外は、実施例1と同様にして軟質重合体組成物を得た。得られた軟質重合体のガラス転移温度は、−10℃であった。
実施例1において、軟質重合体組成物として上記にて得られた軟質重合体組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、スラリー組成物、固体電解質層、積層体、電池を作製し、各評価を行った。これらの結果を表1に示す。
(比較例1)
(スラリー組成物の作製)
実施例1において、バインダーとしてポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業社製、エスレックBM−S、ガラス転移温度61℃)、有機溶媒として酢酸n−ブチルを用いた他は、実施例1と同様にして、スラリー組成物、及び全固体二次電池用電解質層を作製した。
得られた全固体二次電池用固体電解質層について、気孔率及び捲回特性を評価した。その結果を表1に示す。
(正極)
実施例1において、バインダーとしてポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業社製、エスレックBM−S:ガラス転移温度:61℃)、有機溶媒として酢酸n−ブチルを用いた他は、実施例1と同様にして正極を作製した。
(負極)
実施例1において、バインダーとしてポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業社製、エスレックBM−S:ガラス転移温度:61℃)、有機溶媒として酢酸n−ブチルを用いた他は、実施例1と同様にして負極を作製した。
(全固体二次電池の作製)
実施例1において、正極、全固体二次電池用固体電解質層、負極として、上記正極、全固体二次電池用固体電解質層、負極を用いた他は、実施例1と同様にして、集電体を具備した正極/固体電解質層/負極の積層体を作製し、これを用いてコイン型電池を作製し、各評価を行った。これらの結果を表1に示す。
Figure 0005387051

Claims (3)

  1. 正極、全固体二次電池用電解質層び負極をこの順に備えてなる全固体二次電池用積層体であって、
    前記正極、全固体二次電池用電解質層及び負極が、ガラス転移温度が15℃以下の軟質重合体及び固体電解質材料を含み、
    前記軟質重合体が、アクリル酸エチル・アクリル酸n−ブチル・アクリロニトリル共重合体である、全固体二次電池用積層体。
  2. 前記全固体二次電池用電解質層中の気孔率が、7体積%以下である、請求項1記載の全固体二次電池用積層体。
  3. 請求項1又は2記載の全固体二次電池用積層体の正極及び負極に、集電体を積層してなる、全固体二次電池。
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