JP5386952B2 - 駆動軸の位相調整機構 - Google Patents

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Description

本発明は、入力軸に設けられた第1ヘリカルスプラインと、出力軸に設けられるとともに、この第1ヘリカルスプラインと噛み合う第2ヘリカルスプラインとを有する駆動軸を備え、第1ヘリカルスプラインに対する第2ヘリカルスプラインの軸方向の位置を変更することにより、入力軸の位相に対する出力軸の位相を調整する駆動軸の位相調整機構に関する。
例えば、建築の構造用材料として使用するため、棒鋼に付加価値を付けた異形鉄筋やねじ鉄筋がある。これら異形鉄筋やねじ鉄筋には、図6に示すように、節と呼ばれる突起P1,P2を有している。これら突起P1,P2は、圧延機によって形成されている。具体的には、突起P1,P2は、圧延機の上ロール及び下ロールに設けられた特殊な溝によって圧延形成されている。特に、図6の破線にて示すように、突起P1は、隣り合う突起P2の中央位置に設けられている。
しかしながら、上ロールと下ロールとの磨耗差によっては、上ロールの溝の位置と下ロールの溝の位置とが異なってしまい、図6の実線にて示すように、突起P1の位置が距離S分だけ異なってしまう場合がある。突起P2に対する突起P1の位置が異なってしまうと、棒鋼の強度の低下が生じてしまう。また、ねじ鉄筋においては、ねじのピッチずれが発生してしまう。このような突起P2に対する突起P1の位置が異なる場合、上ロール及び下ロールの少なくともどちらか一方を新品のロールに替えることが望ましいが、これらロールは高価であるため、ロールを頻繁に交換すると、鉄筋のコストアップに繋がってしまう。
そこで、圧延機の駆動軸における入力軸と出力軸との間に、入力軸の位相に対して出力軸の位相を調整する位相調整機構が設けられたものがある(例えば、特許文献1参照)。この位相調整機構は、上ロールの溝の位置と下ロールの溝の位置とを調整することにより、突起P1,P2の位置を調整することができる。これにより、ロールの頻繁の交換を抑制することができる。
ここで、図7及び図8を参照して、従来の圧延機の駆動軸の位相調整機構について説明する。
図7に示すように、位相調整機構100は、駆動軸Aにおける出力軸110に対する入力軸120の軸方向の位置を変更することにより、入力軸120に設けられた第1ヘリカルスプライン121と出力軸110に設けられた第2ヘリカルスプライン111との軸方向の位置を変更して、入力軸120の位相に対して出力軸110の位相を変更している。
また、位相調整機構100には、入力軸120と出力軸110とのトルク伝達を行う第1クラッチ130及び第2クラッチ140が設けられている。そして、位相調整機構100には、第1クラッチ130を周方向に回転させる調整ナット150が設けられている。そして、第1クラッチ130と調整ナット150とを固定する固定手段として、第1クラッチ130と調整ナット150とを挿通するボルト160と、ボルト160の軸方向の一端部161に挿入されて、ボルト160の頭部162とともに第1クラッチ130と調整ナット150とを軸方向に挟む固定ナット170とが設けられている。
位相調整機構100は、ボルト160を緩めることにより、第2クラッチ140を第1クラッチ130に対して可変とした状態において、調整ナット150により入力軸120を軸方向に移動させる。これに伴い第1ヘリカルスプライン121と第2ヘリカルスプライン111との噛み合いにより、出力軸110は回転する。したがって、第1ヘリカルスプライン121と第2ヘリカルスプライン111との噛み具合を変更せずに、出力軸110に対する入力軸120の軸方向の位置が変更される。その結果、第2ヘリカルスプライン111に対する第1ヘリカルスプライン121の軸方向の位置が変更されるため、入力軸120の位相に対する出力軸110の位相が変更される。
実開平6−47734号公報
ところで、図8に示すように、固定ナット170は、出力軸110の外周面112に対して、周方向に離間して複数設けられる。そして、固定ナット170は、円筒形状に設けられるとともに、出力軸110の外周面112と径方向に間隙を介して配置されている。
しかしながら、図7及び図8に示す従来構造では、ボルト160を緩めるときに、固定ナット170の外周面171は他の部材と接触することがないため、固定ナット170がボルト160と共回りしてしまう場合がある。これにより、ボルト160が固定ナット170に対して緩めることができず、入力軸120の位相に対する出力軸110の位相の調整の作業が困難であった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、入力軸の位相に対して出力軸の位相の調整の作業を容易に行うことのできる位相調整機構を提供することである。
請求項1に記載の発明は、入力軸に設けられた第1ヘリカルスプラインと、出力軸に設けられるとともに、前記第1ヘリカルスプラインと噛み合う第2ヘリカルスプラインとを有する駆動軸を備え、前記第1ヘリカルスプラインに対する第2ヘリカルスプラインの軸方向の位置を変更することにより、前記入力軸の位相に対する前記出力軸の位相を調整する駆動軸の位相調整機構において、前記出力軸に固定される第クラッチと、前記第クラッチと噛み合う第クラッチと、前記第1クラッチを前記入力軸に対して周方向に回転させる調整部と、前記調整部及び前記第1クラッチを挿通するボルトと、前記ボルトに挿入されるとともに、前記調整部及び前記第1クラッチを前記ボルトと挟む挿入部材とを備え、前記挿入部材には、前記ボルトとの共回りを防止する共回り防止手段が設けられることを要旨とする。
この発明によれば、挿入部材に共回り防止手段が設けられることにより、位相調整機構により位相調整を行う場合において、ボルトを緩める際に挿入部材がボルトと共回りすることを阻止することができるため、ボルトを挿入部材に対して容易に緩めることができる。したがって、位相調整の作業を容易に行うことができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の駆動軸の位相調整機構において、前記共回り防止手段として、前記挿入部材が前記出力軸を外囲する環状に形成されるとともに、前記挿入部材の内周面は、前記出力軸の外周面と近接する構成であることを要旨とする。
この発明によれば、挿入部材が出力軸を外囲する環状に形成されることにより、ボルトの回転中心を中心として挿入部材が共回りすることを抑制することができる。特に挿入部材の内周面が出力軸の外周面と近接するため、ボルトの回転中心を中心に挿入部材が回転しようとしても、出力軸の外周面と接触することにより、挿入部材の回転が阻止される。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の駆動軸の位相調整機構において、前記挿入部材は、円弧形状に形成されるとともに、前記挿入部材の内周面が前記出力軸の外周面と近接して配置され、前記共回り防止手段として、前記挿入部材の前記内周面が前記出力軸の前記外周面に沿った形状であることを要旨とする。
この発明によれば、挿入部材の内周面が出力軸の外周面に沿った形状にすることにより、ボルトの回転中心を中心に挿入部材が回転しようとしても、出力軸の外周面と接触して回り止めとなるため、ボルトと挿入部材との共回りを防止することができる。また、挿入部材が円弧形状に形成されることにより、挿入部材が環状の場合と比較して、圧延機に挿入部材を容易に取り付けることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の駆動軸の位相調整機構において、前記挿入部材は前記ボルトと同心円の略円筒形状に形成されるとともに、前記挿入部材の外周面は、前記出力軸の外周面と近接して配置され、前記共回り防止手段として、前記挿入部材の外周面のうち、前記出力軸の外周面と近接する部位には、平面部が設けられることを要旨とする。
この発明によれば、挿入部材の外周面に平面部が形成されることにより、ボルトの回転中心を中心に挿入部材が回転しようとしても、出力軸の外周面がこの平面部に接触して回り止めとなるため、ボルトと挿入部材との共回りを防止することができる。
本発明によれば、入力軸の位相に対する出力軸の位相の調整の作業を容易に行うことのできる位相調整機構を提供することができる。
(第1の実施形態)
図1〜図3を参照して、本発明の位相調整機構を圧延機の駆動軸に用いられる位相調整機構として具体化した第1の実施形態について説明する。
まず、図1を参照して、圧延機の駆動軸1の構成について説明する。
図1に示すように、駆動軸1は、圧延機の減速機及びロールの間に配置され、減速機の回転を伝達する入力軸10と、入力軸10の回転を伝達するとともに、ロールを回転させる出力軸20と、入力軸10と出力軸20との間に設けられた位相調整機構30とにより構成されている。
以降では、入力軸10及び出力軸20が延びる方向を「軸方向」といい、入力軸10及び出力軸の軸方向と直行する径方向を「径方向」といい、入力軸10及び出力軸20の周方向を「周方向」という。また、軸方向において、入力軸側を「入力側」といい、出力軸側を「出力側」という。
入力軸10は、軸方向に貫通した貫通孔を有する円筒形状のカバー体11と、カバー体11の貫通孔に挿入される軸体12と、カバー体11と軸体12との径方向の間に配置され、軸体12と嵌合する円筒形状のスリーブ13とにより構成されている。入力軸10では、減速機によって軸体12が回転する。そして、軸体12の回転に伴い、軸体12と嵌合されているスリーブ13も共に回転する。
ここで、軸体12の外周面、即ち、軸体12の径方向の外側の面には、第1スプライン12aが設けられ、スリーブ13の内周面、即ち、スリーブ13の径方向の内側の面には、第2スプライン13aが設けられている。そして、第1スプライン12a及び第2スプライン13aが互いに噛み合うことにより、スリーブ13が軸体12に嵌合されている。
スリーブ13は、軸方向の入力側より順に、第1スリーブ13b〜第4スリーブ13eの4つの分割体により構成されている。これら第1スリーブ13b〜第4スリーブ13eには、それぞれ第2スプライン13aが設けられている。また、第4スリーブ13eの外周面、即ち、第4スリーブ13eの径方向の外側の面には、第1ヘリカルスプライン14が設けられている。また、第4スリーブ13eにおいて、第1ヘリカルスプライン14より軸方向の入力側の外周面には、ねじ部15が設けられている。
出力軸20には、第4スリーブ13eの第1ヘリカルスプライン14が挿入される中空の円筒部21が設けられている。そして、円筒部21の内周面、即ち、円筒部21の径方向の内側の面には、第1ヘリカルスプライン14と噛み合う第2ヘリカルスプライン22が設けられている。
次に、図2を参照して、位相調整機構30の詳細な構成について説明する。
位相調整機構30は、入力軸10を出力軸20に対して軸方向に移動させることにより、第1ヘリカルスプライン14に対する第2ヘリカルスプライン22の軸方向の位置を変更して、入力軸10の位相に対する出力軸20の位相を変更している。また、図2に示すように、位相調整機構30には、互いに噛み合うことにより、入力軸10のトルクを出力軸20に伝達する第1クラッチ31及び第2クラッチ32が設けられている。
位相調整機構30は、第1カバー部33、調整ナット34、第2カバー部35、及び第1クラッチ31により、入力軸10を外囲する。これにより、位相調整機構30の外枠を形成している。以下、位相調整機構30の各構成について説明する。
第1カバー部33には、調整ナット34と軸方向に対向する基部33aと、基部33aの径方向の内縁から軸方向の入力側に延設される円筒部33bとが設けられている。そして、円筒部33bには、入力軸10の外周面と接触することにより、駆動軸1の外部から塵埃の侵入を抑制するシール部33cが設けられている。また、このシール部33cは、ねじ部15、第1ヘリカルスプライン14、及び第2ヘリカルスプライン22にそれぞれ塗布したグリスが駆動軸1から外部へ飛散することも抑制している。
調整ナット34は、第1カバー部33より軸方向の出力側に位置するとともに、入力軸10のねじ部15と軸方向に同位置である。そして、調整ナット34は、入力軸10を外囲する円環状に形成されている。また、調整ナット34には、第1カバー部33の径方向の外縁部33dと軸方向に当接する外周部34aと、上記外縁部33dより径方向の内側に延設される内周部34bとが設けられている。また内周部34bの内周面、即ち、内周部34bの径方向の内側の面には、ねじ部15と噛み合うねじ部34cが設けられている。
第2カバー部35は、調整ナット34より軸方向の出力側に位置するとともに、調整ナット34の外周部34aと軸方向に当接している。そして、第2カバー部35は、第2クラッチ32を外囲する円筒形状に形成されている。
第1クラッチ31は、第2カバー部35より軸方向の出力側に位置するとともに、第2カバー部35と軸方向に当接している。そして、第1クラッチ31は、出力軸20の円筒部21の外周面23と径方向に近接している。
また、第2クラッチ32は、第1クラッチ31より軸方向の入力側に配置されるとともに、出力軸20の円筒部21に固定されている。そして、調整ナット34の内周部34bと第2クラッチ32との軸方向の間には、軸受部37が配置されている。この軸受部37により、第2クラッチ32は、調整ナット34に対して相対的に回転可能となる。また、第1クラッチ31及び第2クラッチ32には、互いに噛み合うことにより、入力軸10のトルクを出力軸20に伝達するための歯部31a,32aがそれぞれ設けられている。
また、第1カバー部33、調整ナット34、第2カバー部35、及び第1クラッチ31には、それぞれ軸方向に貫通する貫通孔33e,34e,35e,31eが設けられている。そして、これら貫通孔33e,34e,35e,31eには、ボルト36が挿入されている。そして、ボルト36の軸方向の出力側には、ボルト36に固定される第1ナット38と、第1ナット38より軸方向の出力側に配置される第2ナット39とが取り付けられている。この第1ナット38は、第1クラッチ31より軸方向の出力側に配置されるとともに、第1クラッチ31と当接している。これにより、ボルト36と第1ナット38とによって、第1カバー部33、調整ナット34、第2カバー部35、及び第1クラッチ31を軸方向から挟んでいる。第2ナット39は、第1ナット38と軸方向に一定の距離を介して配置される。また、この第2ナット39は、第1ナット38が軸方向の出力側に移動して、ボルト36から外れることを防止する役割を果たしている。
次に、位相調整機構30による入力軸10の位相に対する出力軸20の位相の調整の方法(以下、単に「位相調整機構30による位相調整」という。)について説明する。
まず、ボルト36を緩めて、調整ナット34が周方向に可動状態とする。そして、調整ナット34を周方向に回転させることにより、調整ナット34のねじ部34cと螺合しているねじ部15を有する入力軸10が、調整ナット34に対して軸方向に移動する。ここで、入力軸10は、軸方向に移動可能であるが、周方向には移動ができないように設定している。そして、出力軸20は、周方向に移動可能であるが、軸方向には移動ができないように設定している。
また、ボルト36を緩めることにより、第1ナット38が軸方向に変位可能な状態となる。この第1ナット38が軸方向に変位可能になることに伴い、第1クラッチ31も同様に軸方向に変位可能な状態となる。
ここで、調整ナット34を周方向に回転させた際、第1クラッチ31は、調整ナット34の周方向への回転と同方向に回転する。一方、入力軸10の軸方向への移動に伴い、第1ヘリカルスプライン14と第2ヘリカルスプライン22との噛み具合を保つために、第2ヘリカルスプライン22を周方向に回転させるように出力軸20が周方向に回転する。そして、出力軸20に固定される第2クラッチ32も周方向に回転する。また、第1クラッチ31の回転量は、第2クラッチ32の回転量よりも大きいため、第1クラッチ31と第2クラッチ32とが同方向に回転したとしても、第2クラッチ32に対して第1クラッチ31は、相対的に周方向に回転する。したがって、第1クラッチ31と第2クラッチ32との噛み具合が調整されて、即ち、第1クラッチ31の歯部31aが、第2クラッチ32の歯部32aを乗り上げることにより、第2クラッチ32に対する第1クラッチ31の軸方向の位置が変更される。
以上により、出力軸20に対して入力軸10の軸方向の位置が変更されるため、即ち、出力軸20の第2ヘリカルスプライン22に対して入力軸10の第1ヘリカルスプライン14の軸方向の位置が変更されるため、入力軸10の位相に対して出力軸20の位相が変更される。
最後に、緩めたボルト36を締めることにより、ボルト36及び第1ナット38により、第1カバー部33、調整ナット34、第2カバー部35、及び第クラッチ3を軸方向に挟んで固定する。これにより、第1クラッチ31と第2クラッチ32とが再び互いに噛み合う。以上の方法により、位相調整機構30による位相調整が完了する。
次に、図3を参照して、第1ナット38の構造について説明する。なお、図3(a)において、出力軸20の詳細な構造は省略している。
図3(a)に示すように、第1ナット38は、単一部材であり、出力軸20の外周面23を径方向に外囲する円環形状に形成されている。そして、第1ナット38の内周面38aは、出力軸20の外周面23と径方向に近接する。また、第1ナット38には、ボルト36を挿入するための複数の貫通孔38b(図3(b)参照)が設けられている。これら貫通孔38bは、互いに周方向に離間して配置される。本実施形態では、貫通孔38bは、周方向に120度等配にて3個設けられている。
図3(b)に示すように、貫通孔38bは、ボルト36と螺着される雌ねじを有する固定孔38cと、この固定孔38cの内径R1より大きい内径R2を有する挿入孔38dとにより構成されている。挿入孔38dは、固定孔38cより軸方向の入力側に設けられている。また、挿入孔38dには、コイルばね38eが圧縮された状態にて配置されている。このコイルばね38eは、第1クラッチ31(図2参照)を軸方向の入力側に付勢している。
また、図3(a)に示すように、第1ナット38は、円環状の単一部材に設けられるとともに、出力軸20の外周面23と第1ナット38の内周面38aが径方向に近接するため、第1ナット38に螺着した各ボルト36を緩める際のボルト36の回転に伴うモーメントによって第1ナット38がボルト36の回転中心C1を中心として共に回転することを抑制している。
本実施形態の位相調整機構30によれば、以下に示す効果を奏することができる。
(1)本実施形態では、第1ナット38が出力軸20の外周面23を外囲する円環状に形成されるとともに、第1ナット38の内周面38aが出力軸20の外周面23と近接する構成である。この構成により、第1ナット38は、ボルト36との共回りを防止する共回り防止手段を形成している。したがって、位相調整機構30による入力軸10の位相に対する出力軸20の位相の調整を行う場合において、ボルト36を緩める方向に回転させるときに第1ナット38が共回りすることによりボルト36が第1ナット38に対して緩めることができない問題を防止することができる。その結果、ボルト36を第1ナット38から容易に外すことができるため、位相調整機構30による入力軸10の位相に対する出力軸20の位相の調整を容易に行うことができる。
特に、駆動軸1を鉛直方向に沿って配置した場合、具体的には、鉛直方向の上側に入力軸10が配置され、鉛直方向の下側に出力軸20が配置された場合、圧延機の設置面から数メートル(例えば、4〜5メートル)上側に位相調整機構30が配置されることとなる。そして、圧延機は、2つのロールが近接して配置されるため、各ロールの駆動軸に設けられた位相調整機構30も互いに近接して配置される。したがって、高所に位相調整機構30が設けられるため、作業者の足場が限られる上、位相調整機構30が互いに近接されて位相調整を行う作業スペースが少ないため、第1ナット38が共回りしないように保持しつつ、ボルト36を緩めることは困難である。その点において、本実施形態では、第1ナット38がボルト36と共回りしないために、ボルト36を緩める際に第1ナット38を保持する必要がなくなる。したがって、作業者の足場が限られる上、位相調整の作業スペースがない場合においても、作業者が位相調整を行うことができる。
(2)本実施形態では、第1ナット38が、単一部材から構成されていることにより、図8に示す従来構造の第1ナットに相当する固定ナット170と比較して、部品点数を低減することができる。
(第2の実施形態)
図4を参照して、本発明の位相調整機構を圧延機の駆動軸に用いられる位相調整機構として具体化した第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態では、第1の実施形態と比較して、第1ナットの形状が異なるのみであるため、同一構成要素には、同一符号を付し、その説明を省略する。なお、図4では、出力軸20の詳細な構造は省略している。
図4に示すように、第1ナット40は、円弧形状に形成された3個の分割体41から構成されている。各分割体41には、その円弧の中央位置には、ボルト36が固定される貫通孔が設けられている。そして、各分割体41の内周面42は、出力軸20の外周面23に近接するとともに、出力軸20の外周面23に沿った形状にて形成されている。上記構成により、各分割体41は、ボルト36と共回りを防止する共回り防止手段を形成している。また、分割体41は、それぞれ同一形状に形成されている。
本実施形態の位相調整機構によれば、第1の実施形態の効果(1)に加え、以下に示す効果を奏することができる。
(3)本実施形態では、各分割体41が、同形状にて形成されるため、分割体41の形状の種類を1種類とすることが可能となり、分割体41の製造コストを低減することができる。その上、位相調整機構30の組立工程において、各分割体41を区別することなく、ボルト36に取り付けることができるため、位相調整機構30の組立を容易に行うことができる。
(第3の実施形態)
図5を参照して、本発明の位相調整機構を圧延機の駆動軸に用いられる位相調整機構として具体化した第3の実施形態について説明する。なお、本実施形態では、第1の実施形態と比較して、第1ナットの形状が異なるのみであるため、同一構成要素には、同一符号を付し、その説明を省略する。なお、図5では、出力軸20の詳細な構造は省略している。
図5に示すように、第1ナット50は、各ボルト36にそれぞれ取り付けられるとともに、ボルト36と同心円の略円筒形状に形成されている。そして、第1ナット50の外周面51には、2つの平面部52が設けられている。そして、2つの平面部52のうち、一の平面部52は、出力軸20の外周面23と径方向に近接している。上記構成により、第1ナット50は、ボルト36と共回りを防止する共回り防止手段を形成している。また、第1ナット50は、それぞれ同一形状にて形成されている。
本実施形態の位相調整機構によれば、第1の実施形態の効果(1)に加え、以下に示す効果を奏することができる。
(4)本実施形態では、第1ナット50がボルト36と同心円の略円筒形状に形成されるため、第1の実施形態の第1ナット38及び第2の実施形態の第1ナット40と比較して、第1ナット50自体のサイズを小さくすることができる。したがって、第1ナット50の材料費を低減することができる。また、第1ナット50のそれぞれが同一形状にて形成されるため、第1ナット50の形状の種類を1種類とすることが可能となり、第1ナット50の製造コストを低減することができる。その上、位相調整機構30の組立工程において、各第1ナット50を区別することなく、ボルト36に取り付けることができるため、位相調整機構30の組立を容易に行うことができる。
また、圧延機では、上ロール及び下ロールが近接して配置されるため、各ロールに設けられる位相調整機構30も同様に近接して配置される。その上、位相調整機構30は、駆動軸1の他の部位よりも径方向に大きいため、位相調整機構30の径方向の小型化が望まれる。この点において、本実施形態では、平面部52のうち、出力軸20の外周面23と径方向に近接していない方の平面部52が設けられることにより、位相調整機構30を径方向に小型化することができる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、以下のように変更することも可能である。
・第3の実施形態では、第1ナット50の外周面51に2つの平面部52が設けられたが、平面部52の数は、これに限定されることはない。出力軸20の外周面23と平面部52とが近接する構成であればよいため、平面部52は、1つでも、3つ以上であってもよい。
・第2の実施形態では、第1ナット40を構成する各分割体41に1つのボルト36を固定するための1つの貫通孔が設けられたが、貫通孔の数は、これに限定されることはない。例えば、分割体41に2つ以上の貫通孔が設けられてもよい。
・第2の実施形態では、第1ナット40は、3つの分割体41により構成されたが、分割体41の数は、これに限定されることはない。例えば、分割体41は、2つでもよいし、4つ以上であってもよい。ここで、分割体41が2つである場合、円弧形状の分割体41の幅は、180度以下であることが望ましい。この構成により、出力軸20の外周面23に分割体41を取り付ける作業を容易に行うことができる。
・第1の実施形態では、第1ナット38が円環形状に形成されたが、第1ナット38の形状は、これに限定されることはない。第1ナット38は、出力軸20の外周面23を外囲する環状であればよいため、多角形状であってもよい。
・第1〜第3の実施形態では、第1ナット38,40,50が、直接ボルト36に固定される構造であったが、本発明は、これに限定されることはない。第1ナット38,40,50は、それぞれ第1クラッチ31を軸方向の出力側に移動させることを規制する役割を果たせばよいため、例えば、第1ナット38,40、50は、ボルト36を挿通するのみであり、別のナットを用いて、第1ナット38,40,50を軸方向の出力側より支持する構造であってもよい。
本発明の位置調整機構を具体化した第1の実施形態について、同位置調整機構を備えた駆動軸の半断面構造を示す半断面図。 同実施形態の位置調整機構について、同位置調整機構の半断面構造を示す半断面図。 (a)同実施形態の位置調整機構について、同位置調整機構の第1ナットを軸方向から見た平面構造と出力軸との配置関係を示す平面図。(b)同実施形態の位置調整機構について、同第1ナットを断面A−Aにて切った断面構造を示す断面図。 本発明の位置調整機構を具体化した第2の実施形態について、同位置調整機構の第1ナットを軸方向から見た平面構造と出力軸との配置関係を示す平面図。 本発明の位置調整機構を具体化した第3の実施形態について、同位置調整機構の第1ナットを軸方向から見た平面構造と出力軸との配置関係を示す平面図。 圧延機により形成された異形鉄筋の正面構造を示す正面図。 従来構造の位置調整機構について、同位置調整機構の半断面構造を示す半断面図。 従来構造の位置調整機構について、同位置調整機構のボルト及びナットの平面構造と出力軸との配置関係を示す平面図。
符号の説明
1…駆動軸、10…入力軸、11…カバー体、12…軸体、12a…第1スプライン、13…スリーブ、13a…第2スプライン、13b…第1スリーブ、13c…第2スリーブ、13d…第3スリーブ、13e…第4スリーブ、14…第1ヘリカルスプライン、15…ねじ部、20…出力軸、21…円筒部、22…第2ヘリカルスプライン、23…外周面、30…位相調整機構、31…第1クラッチ、31a…歯部、31e…貫通孔、32…第2クラッチ、32a…歯部、33…第1カバー部、33a…基部、33b…円筒部、33c…シール部、33d…外縁部、33e…貫通孔、34…調整ナット(調整部)、34a…外周部、34b…内周部、34c…ギア部、34e…貫通孔、35…第2カバー体、35e…貫通孔、36…ボルト、37…軸受部、38…第1ナット(挿入部材)、39…第2ナット、40…第1ナット(挿入部材)、41…分割体、42…内周面、50…第1ナット(挿入部材)、51…外周面、52…平面部。

Claims (4)

  1. 入力軸に設けられた第1ヘリカルスプラインと、出力軸に設けられるとともに、前記第1ヘリカルスプラインと噛み合う第2ヘリカルスプラインとを有する駆動軸を備え、前記第1ヘリカルスプラインに対する第2ヘリカルスプラインの軸方向の位置を変更することにより、前記入力軸の位相に対する前記出力軸の位相を調整する駆動軸の位相調整機構において、
    前記出力軸に固定される第クラッチと、前記第クラッチと噛み合う第クラッチと、前記第1クラッチを前記入力軸に対して周方向に回転させる調整部と、前記調整部及び前記第1クラッチを挿通するボルトと、前記ボルトに挿入されるとともに、前記調整部及び前記第1クラッチを前記ボルトと挟む挿入部材とを備え、
    前記挿入部材には、前記ボルトとの共回りを防止する共回り防止手段が設けられる
    ことを特徴とする駆動軸の位相調整機構。
  2. 請求項1に記載の駆動軸の位相調整機構において、
    前記共回り防止手段として、前記挿入部材が前記出力軸を外囲する環状に形成されるとともに、前記挿入部材の内周面は、前記出力軸の外周面と近接する構成である
    ことを特徴とする駆動軸の位相調整機構。
  3. 請求項1に記載の駆動軸の位相調整機構において、
    前記挿入部材は、円弧形状に形成されるとともに、前記挿入部材の内周面が前記出力軸の外周面と近接して配置され、
    前記共回り防止手段として、前記挿入部材の前記内周面が前記出力軸の前記外周面に沿った形状である
    ことを特徴とする駆動軸の位相調整機構。
  4. 請求項1に記載の駆動軸の位相調整機構において、
    前記挿入部材は前記ボルトと同心円の略円筒形状に形成されるとともに、前記挿入部材の外周面は、前記出力軸の外周面と近接して配置され、
    前記共回り防止手段として、前記挿入部材の外周面のうち、前記出力軸の外周面と近接する部位には、平面部が設けられる
    ことを特徴とする駆動軸の位相調整機構。
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