JP5017874B2 - ボールねじ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、防塵用のシール部材を備えたボールねじ装置に関する。
従来から、工作機械等に使用されるボールねじ装置として、例えば、特許文献1に記載されているものがある。このボールねじ装置は、図4に示すように、螺旋状のねじ軸側転動溝36を外周面に有するねじ軸38と、ねじ軸側転動溝36に対向するナット側転動溝40を内周面に有するナット2を備えており、前記両転動溝間に形成される負荷転動路42内に、複数の転動体44が転動自在に装填されている。
ナット2の外周面には、略U字状の循環部材46が取付けられており、この循環部材46によって、複数の転動体44が負荷転動路内42を循環する。また、ナット2の両端面には、それぞれ、凹状のナット側シール部材嵌合部4が設けられており、各ナット側シール部材嵌合部4には、ねじ軸側転動溝36に摺接するリップ部(図示せず)を内周面に有するシール部材8が、それぞれ嵌合されている。
このようなボールねじ装置1は、リップ部がねじ軸側転動溝36に摺接しているため、負荷転動路42と転動体44との間に塵等の異物が侵入することが防止されている。その結果、負荷転動路42及び転動体44に磨耗等が生じることが防止されるため、ボールねじ装置1の作動性及び耐久性が向上している。
また、特に図示しないが、ナットとシール部材との間に介装される中間部材を備えたボールねじ装置もある。このボールねじ装置は、ナットの両端面にそれぞれ凹状のナット側中間部材嵌合部が設けられており、各ナット側中間部材嵌合部の端面には、環状の中間部材がそれぞれ嵌合されている。また、各中間部材には凹状の中間部材側シール部材嵌合部がそれぞれ設けられており、各中間部材側シール部材嵌合部には、それぞれシール部材が嵌合されている。
特開2003−301921号公報
しかしながら、上述した各ボールねじ装置では、ナット側シール部材嵌合部や中間部材側シール部材嵌合部、ナット側中間部材嵌合部を構成する複数の面のうち、隣り合う面同士のなす角度が90°となっていない場合、すなわち、隣り合う面同士が直角度を有していない場合がある。この場合、これらの嵌合部と、各嵌合部に嵌合される各部材との間に芯違いや位相ずれが生じてしまうおそれがある。その結果、中間部材やシール部材の取付け状態が悪化して、シール部材のシール性能が低下してしまい、ボールねじ装置の作動性及び耐久性が低下してしまうという問題が生じる。
また、上述した各ボールねじ装置では、各部材が各嵌合部に対してしまりばめを有している場合、各嵌合部に各部材を嵌合させる際に、各部材が各嵌合部に引っ掛かり、各部材に傾きが生じるおそれがある。各部材に傾きが生じると、シール部材や中間部材の取付け状態が悪化して、シール部材のシール性能が低下してしまい、ボールねじ装置の作動性及び耐久性が低下してしまうという問題が生じる。
さらに、上述した各ボールねじ装置では、ナットとシール部材または中間部材や、中間部材とシール部材との位相調整幅が少ないため、各嵌合部に各部材を嵌合させる際に、各嵌合部に対する各部材の位相合わせが必要となる場合がある。各嵌合部に対する各部材の位相合わせを行うと、ボールねじ装置の組立作業時間が長期化されてしまい、ボールねじ装置の組立効率が低下してしまうという問題が生じる。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、各嵌合部に嵌合される各部材との間に芯違いや位相ずれ、各部材に生じる傾きを防止可能とし、各嵌合部に対する各部材の位相合わせが容易なボールねじ装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明のうち、請求項1に記載した発明は、螺旋状のねじ軸側転動溝を外周面に有するねじ軸と、前記ねじ軸側転動溝に対向するナット側転動溝を内周面に有するとともにねじ軸の外周側に配置されるナットと、前記両転動溝間に形成される負荷転動路内に転動自在に装填される複数の転動体と、を備え、
前記ナットの端面にナット側シール部材嵌合部を設け、前記ねじ軸側転動溝と摺接するリップ部を内周面に有する環状のシール部材を、前記ナット側シール部材嵌合部に嵌合させたボールねじ装置において、
前記ナット側シール部材嵌合部を構成する複数の面のうち隣り合う面同士及び前記シール部材におけるナット側シール部材嵌合部と嵌合する複数の面のうち隣り合う面同士のうち少なくとも一方は、直角度を有し、
前記シール部材に、先端が前記ナット側シール部材嵌合部に開口するシール部材側挿通孔を設け、
前記ナットの前記シール部材側挿通孔と対向する位置に、前記ナットの径方向から見た断面がV字状をなすナット側位置決め溝を設け、
前記シール部材側挿通孔に締結部材が挿通され、当該締結部材の先端は、前記ナット側位置決め溝を押圧しており、
前記ナット側位置決め溝の中心軸は、前記シール部材側挿通孔の中心軸に対し前記ナットの軸方向に沿ってナットの内側へ偏芯していることを特徴とするものである。
本発明によると、ナット側シール部材嵌合部にシール部材を嵌合させる際に、ナット側シール部材嵌合部に対してシール部材が傾くことが防止される。
また、本発明によると、シール部材側挿通孔に締結部材を挿通し、締結部材の先端でナット側位置決め溝を押圧した際に、ナットに対するシール部材の軸方向の位置決めが行われる。
また、本発明によると、シール部材側挿通孔に締結部材を挿通し、締結部材の先端でナット側位置決め溝を押圧した際に、シール部材がナットの軸方向に沿ってナットの内側へ移動するため、シール部材がナットに押し付けられる。
なお、直角度を有するとは、隣り合う面同士がなす角度が90度であることを言うが、隣り合う面同士がなす角度が90度±1度である場合、好ましくは、隣り合う面同士がなす角度が90度±0.1度である場合も含む。
次に、請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した発明であって、前記シール部材は、前記ナット側シール部材嵌合部に対してすきまばめを有した状態で嵌合していることを特徴とするものである。
本発明によると、ナット側シール部材嵌合部にシール部材を嵌合させる際に、シール部材がナット側シール部材嵌合部に引っ掛かることが防止される。
次に、請求項に記載した発明は、請求項1または2に記載した発明であって、前記ナット側位置決め溝は、前記ナットの外周面に連続して設けられていることを特徴とするものである。
本発明によると、シール部材側挿通孔とナット側位置決め溝とが、ナットの径方向における全ての位相において対向する。
次に、請求項に記載した発明は、請求項1からのうちいずれか1項に記載した発明であって、前記シール部材は、前記ナット側シール部材嵌合部に嵌合する環状又は略環状の芯金を有することを特徴とするものである。
本発明によると、シール部材の強度が向上する。
次に、請求項に記載した発明は、請求項に記載した発明であって、前記芯金は、前記ナット側シール部材嵌合部に対してすきまばめを有した状態で嵌合していることを特徴とするものである。
本発明によると、ナット側シール部材嵌合部に芯金を有するシール部材を嵌合させる際に、芯金がナット側シール部材嵌合部に引っ掛かることが防止される。
次に、請求項に記載した発明は、請求項またはに記載した発明であって、前記芯金に、先端が前記ナット側シール部材嵌合部に開口する芯金側挿通孔を設け、
前記ナットの前記芯金側挿通孔と対向する位置に、前記ナットの径方向から見た断面がV字状をなすナット側位置決め溝を設け、
前記芯金側挿通孔に締結部材が挿通され、当該締結部材の先端は、前記ナット側位置決め溝を押圧していることを特徴とするものである。
本発明によると、芯金側挿通孔に締結部材を挿通し、締結部材の先端でナット側位置決め溝を押圧した際に、ナットに対する芯金の軸方向の位置決めが行われる。
次に、請求項に記載した発明は、請求項に記載した発明であって、前記ナット側位置決め溝の中心軸は、前記芯金側挿通孔の中心軸に対し前記ナットの軸方向に沿ってナットの内側へ偏芯していることを特徴とするものである。
本発明によると、芯金側挿通孔に締結部材を挿通し、締結部材の先端でナット側位置決め溝を押圧した際に、芯金がナットの軸方向に沿ってナットの内側へ移動するため、芯金がナットに押し付けられる。
次に、請求項に記載した発明は、螺旋状のねじ軸側転動溝を外周面に有するねじ軸と、前記ねじ軸側転動溝に対向するナット側転動溝を内周面に有するとともにねじ軸の外周側に配置されるナットと、前記両転動溝間に形成される負荷転動路内に転動自在に装填される複数の転動体と、を備え、
前記ナットの端面にナット側中間部材嵌合部を設け、環状の中間部材を前記ナット側中間部材嵌合部に嵌合させ、
前記中間部材の端面に中間部材側シール部材嵌合部を設け、前記ねじ軸側転動溝と摺接するリップ部を内周面に有する環状のシール部材を、前記中間部材側シール部材嵌合部に嵌合させたボールねじ装置において、
前記ナット側中間部材嵌合部を構成する複数の面のうち隣り合う面同士及び前記中間部材におけるナット側中間部材嵌合部と嵌合する複数の面のうち隣り合う面同士のうち少なくとも一方は直角度を有し、
前記中間部材側シール部材嵌合部を構成する複数の面のうち隣り合う面同士及び前記シール部材における中間部材側シール部材嵌合部と嵌合する複数の面のうち隣り合う面同士のうち少なくとも一方は直角度を有し、
前記ナットに、先端が前記ナット側中間部材嵌合部に開口するナット側挿通孔を設け、
前記中間部材の前記ナット側挿通孔と対向する位置に、前記中間部材の径方向から見た断面がV字状をなす中間部材側第二位置決め溝を設け、
前記ナット側挿通孔に締結部材が挿通され、当該締結部材の先端は、前記中間部材側第二位置決め溝を押圧しており、
前記中間部材側第二位置決め溝の中心軸は、前記ナット側挿通孔の中心軸に対し前記ナットの軸方向に沿ってナットの外側へ偏芯していることを特徴とするものである。
本発明によると、ナット側中間部材嵌合部に中間部材を嵌合させる際に、ナット側中間部材嵌合部に対して中間部材が傾くことが防止される。また、中間部材側シール部材嵌合部にシール部材を嵌合させる際に、中間部材側シール部材嵌合部に対してシール部材が傾くことが防止される。
また、本発明によると、ナット側挿通孔に締結部材を挿通し、締結部材の先端で中間部材側第二位置決め溝を押圧した際に、ナットに対する中間部材の軸方向の位置決めが行われる。
また、本発明によると、ナット側挿通孔に締結部材を挿通し、締結部材の先端で中間部材側第二位置決め溝を押圧した際に、中間部材がナットの軸方向に沿ってナットの内側へ移動するため、中間部材がナットに押し付けられる。
次に、請求項に記載した発明は、請求項に記載した発明であって、前記シール部材は、前記中間部材側シール部材嵌合部に対してすきまばめを有した状態で嵌合していることを特徴とするものである。
本発明によると、中間部材側シール部材嵌合部にシール部材を嵌合させる際に、シール部材が中間部材側シール部材嵌合部に引っ掛かることが防止される。
次に、請求項1に記載した発明は、請求項またはに記載した発明であって、前記中間部材は、前記ナット側中間部材嵌合部に対してすきまばめを有した状態で嵌合していることを特徴とするものである。
本発明によると、ナット側中間部材嵌合部に中間部材を嵌合させる際に、中間部材がナット側中間部材嵌合部に引っ掛かることが防止される。
次に、請求項1に記載した発明は、請求項から1のうちいずれか1項に記載した発明であって、前記中間部材側第二位置決め溝は、前記中間部材の外周面に連続して設けられていることを特徴とするものである。
本発明によると、ナット側挿通孔と中間部材側第二位置決め溝とが、中間部材の径方向における全ての位相において対向する。
次に、請求項12に記載した発明は、請求項から1のうちいずれか1項に記載した発明であって、前記シール部材は、前記中間部材側シール部材嵌合部と嵌合する環状又は略環状の芯金を有することを特徴とするものである。
本発明によると、シール部材の強度が向上する。
次に、請求項13に記載した発明は、請求項12に記載した発明であって、前記芯金は、前記中間部材側シール部材嵌合部に対してすきまばめを有した状態で嵌合していることを特徴とするものである。
本発明によると、中間部材側シール部材嵌合部に芯金を有するシール部材を嵌合させる際に、芯金が中間部材側シール部材嵌合部に引っ掛かることが防止される。
次に、請求項14に記載した発明は、請求項12または13に記載した発明であって、前記芯金に、先端が前記中間部材側シール部材嵌合部に開口する芯金側挿通孔を設け、
前記中間部材の前記芯金側挿通孔と対向する位置に、前記中間部材の径方向から見た断面がV字状をなす中間部材側第一位置決め溝を設け、
前記芯金側挿通孔に締結部材が挿通され、当該締結部材の先端は、前記中間部材側第一位置決め溝を押圧していることを特徴とするものである。
本発明によると、芯金側挿通孔に締結部材を挿通し、締結部材の先端で中間部材側第一位置決め溝を押圧した際に、中間部材に対する芯金の軸方向の位置決めが行われる。
次に、請求項15に記載した発明は、請求項14に記載した発明であって、前記中間部材側第一位置決め溝の中心軸は、前記芯金側挿通孔の中心軸に対し前記ナットの軸方向に沿ってナットの内側へ偏芯していることを特徴とするものである。
本発明によると、芯金側挿通孔に締結部材を挿通し、締結部材の先端で中間部材側第一位置決め溝を押圧した際に、芯金がナットの軸方向に沿ってナットの内側へ移動するため、芯金が中間部材に押し付けられる。
次に、請求項16に記載した発明は、請求項1から15のうちいずれか1項に記載した発明であって、前記ねじ軸は、研削逃げが形成されていないことを特徴とするものである。
本発明によると、ねじ軸に研削逃げが形成されていないため、ねじ軸の加工コストが低減されるとともに、ねじ軸の作成に係わる作業コストが低減される。
次に、請求項17に記載した発明は、請求項1から16のうちいずれか1項に記載した発明であって、前記転動体は、セラミックで構成されていることを特徴とするものである。
本発明によると、ボールねじ装置の負荷容量が向上する。
次に、請求項18に記載した発明は、請求項1から17のうちいずれか1項に記載した発明であって、前記リップ部は、当該リップ部の全周に亘ってねじ軸側転動溝と摺接することを特徴とするものである。
本発明によると、リップ部とねじ軸側転動溝との間に隙間が形成されないため、シール部材のシール性能が向上する。
次に、請求項19に記載した発明は、請求項1から18のうちいずれか1項に記載した発明であって、前記リップ部は、前記ねじ軸側転動溝に向けて押圧されることを特徴とするものである。
本発明によると、リップ部とねじ軸側転動溝との接触状態が保持されるとともに、ねじ軸側転動溝に対するリップ部の押圧力が増加するため、シール部材のシール性能が向上する。
本発明によれば、各嵌合部に嵌合される各部材との間に芯違いや位相ずれ、各部材に生じる傾きが防止可能となり、各嵌合部に対する各部材の位相合わせが容易となるため、シール部材のシール性能及びボールねじ装置の組立効率の向上が可能となる。
次に、本発明の第一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
まず、図1を参照して本実施形態の構成を説明する。
図1に示されているように、本実施形態のボールねじ装置1は、ねじ軸(図示せず)と、ナット2と、を備えている。
ねじ軸は、外周面に螺旋状のねじ軸側転動溝を有しており、このねじ軸側転動溝に研削逃げが形成されていない構成となっている。
ナット2は、ねじ軸の外周側に配置されており、内周面にねじ軸側転動溝と対向するナット側転動溝を有している。ナット2の両端面には、それぞれ、後述するシール部材8が嵌合するナット側シール部材嵌合部4が設けられている。各ナット側シール部材嵌合部4は、ナット2の径方向から見た断面が、ナット2の軸方向に沿ってナット2の外側に開口する凹状をなしており、ナット2の外側へ向いている底面4aと、底面4aと隣り合う内周面4bとから形成されている。底面4aと内周面4b同士のなす角度θ1は90°となっている。すなわち、底面4aと内周面4b同士は直角度を有している。また、ナット2の外周面には、先端がナット側シール部材嵌合部4の内周面4bに開口し、ビスやボルト等の締結部材が挿通されるナット側挿通孔6が設けられている。
シール部材8は、環状をなしており、弾性体によって形成されている。シール部材8の外径D1は、ナット側シール部材嵌合部4の内径D2よりも小径となっている。すなわち、シール部材8の外径D1は、シール部材8が、ナット側シール部材嵌合部4に対してすきまばめを有する径となっている。シール部材8の両端面のうち一方の端面8aには、シール部材8の内周面に亘って連続するリップ部10が設けられている。リップ部10のシール部材8の径方向に沿った長さは、ねじ軸の外周側にナット2が配置され、シール部材8をナット側シール部材嵌合部4に嵌合させた状態で、リップ部10がねじ軸側転動溝に押圧されつつ摺動する長さとなっている。シール部材8の他方の端面8bと外周面8c同士のなす角度θ2は90°となっている。すなわち、端面8bと外周面8c同士は直角度を有している。また、外周面8cのうち、シール部材8をナット側シール部材嵌合部4に嵌合させた状態で、ナット側挿通孔6と対向する位置には、シール部材8の径方向から見た断面がV字状をなすシール部材側位置決め溝12が連続して設けられている。シール部材側位置決め溝12の中心軸線CL1は、シール部材8をナット側シール部材嵌合部4に嵌合させた状態で、ナット側挿通孔6の中心軸線CL2に対し中心軸線CL1が、ナット2の軸方向に沿ってナット2の外側へ偏芯する位置に設けられている。
また、ねじ軸の有するねじ軸側転動溝と、ナット2の有するナット側転動溝との間には、負荷転動路(図示せず)が形成されており、この負荷転動路内には、複数の転動体(図示せず)が転動自在に装填されている。転動体は、セラミックスで構成されている。
また、ナット2の外周面には、略U字状の循環部材(図示せず)が取付けられており、この循環部材によって、複数の転動体が負荷転動路内を循環する。すなわち、循環部材と負荷転動路によって、転動体の無限循環路が形成されている。
次に、本実施形態の作用・効果等を説明する。
本実施形態のボールねじ装置1の組立て作業では、ナット2へシール部材8を取付ける工程がある。以下、ねじ軸の外周側にナット2が配置され、負荷転動路内に複数の転動体が装填された状態における、ナット2へのシール部材8の取付け工程を説明する。なお、ボールねじ装置1の組立て作業は、上述した順番に限定されるものではなく、ナット2へシール部材8を取付けた後に、ねじ軸の外周側にナット2を配置してもよい。また、図1中では、図の右側に、ナット2へシール部材8を取付ける前の状態を示し、図の左側に、ナット2へシール部材8を取付けた後の状態を示している。
まず、ナット側シール部材嵌合部4の底面4aとシール部材8の端面8bを対向させた状態で、ナット側シール部材嵌合部4にシール部材8を嵌合させる。このとき、底面4aと内周面4b同士は直角度を有しており、端面8bと外周面8c同士は直角度を有しているため、ナット側シール部材嵌合部4に対してシール部材8が傾くことが防止される。また、シール部材8は、ナット側シール部材嵌合部4に対してすきまばめを有しているため、ナット側シール部材嵌合部4にシール部材8を嵌合させる際に、シール部材8がナット側シール部材嵌合部4に引っ掛かることが防止されている。
また、シール部材8のリップ部10は、シール部材8の径方向に沿った長さが、リップ部10がねじ軸側転動溝に押圧されつつ摺動する長さとなっているため、ナット側シール部材嵌合部4にシール部材8を嵌合させると、リップ部10がねじ軸側転動溝に対して押圧されつつ摺動する。
次に、ナット側挿通孔6にナット2の外周側から締結部材を挿通するとともに、締結部材の先端によってシール部材側位置決め溝12を押圧し、ナット側シール部材嵌合部4にシール部材8を取付けて、ナット2へのシール部材8の取付け工程を終了する。このとき、シール部材側位置決め溝12がナット側挿通孔6と対向しているため、ナット2に対するシール部材8の軸方向の位置決めが行われる。
また、シール部材側位置決め溝12は、シール部材8の径方向から見た断面がV字状をなしているとともに、シール部材側位置決め溝12の中心軸線CL1は、ナット側挿通孔6の中心軸線CL2に対し、ナット2の軸方向に沿ってナット2の外側へ偏芯している。このため、締結部材の先端によってシール部材側位置決め溝12が押圧されると、シール部材側位置決め溝12の傾斜に沿って、シール部材8がナット2の軸方向に沿ってナット2の内側へ移動する。その結果、シール部材8が、ナット2の軸方向に沿ってナット2の内側へ押し付けられるため、シール部材8がナット側シール部材嵌合部4に押し付けられ、シール部材8がナット2に押し付けられる。
したがって、本実施形態のボールねじ装置1であれば、ナット側シール部材嵌合部4にシール部材8を嵌合させた際に、ナット側シール部材嵌合部4に対してシール部材8が傾くことが防止されるため、シール部材8の取付け状態が良好なものとなる。その結果、シール部材8のシール性能が向上して、ボールねじ装置1の作動性及び耐久性が向上する。
また、本実施形態のボールねじ装置1であれば、シール部材8が、ナット側シール部材嵌合部4に対してすきまばめを有しているため、シール部材8がナット側シール部材嵌合部4に引っ掛かることが防止されている。その結果、シール部材8の取付け状態が良好なものとなり、シール部材8のシール性能が向上して、ボールねじ装置1の作動性及び耐久性が向上する。
さらに、本実施形態のボールねじ装置1であれば、シール部材8のリップ部10がねじ軸側転動溝に対して押圧されつつ摺動するため、リップ部10とねじ軸側転動溝との間に隙間が形成されることがなく、シール部材8のシール性能が向上する。
また、本実施形態のボールねじ装置1であれば、ナット側挿通孔6にナット2の外周側から締結部材を挿通した際に、ナット2に対するシール部材8の軸方向の位置決めが行われるため、ナット2へのシール部材8の取付けが容易となる。その結果、ナット2へのシール部材8の取付けに係わる作業効率が向上して、ボールねじ装置1の組立効率が向上する。
また、本実施形態のボールねじ装置1であれば、締結部材の先端によってシール部材側位置決め溝12が押圧された際に、シール部材8がナット側シール部材嵌合部4に押し付けられ、シール部材8がナット2に押し付けられる。その結果、シール部材8がナット側シール部材嵌合部4に対して強固に固定され、シール部材8のシール性能が向上する。
また、本実施形態のボールねじ装置1であれば、ねじ軸の構成が、ねじ軸側転動溝に研削逃げが形成されていない構成となっているため、ねじ軸の加工コストが低減されるとともに、ねじ軸の作成に係わる作業コストが低減される。
また、本実施形態のボールねじ装置1であれば、シール部材側位置決め溝12が、シール部材8の外周面8cに連続して設けられているため、ナット側挿通孔6とシール部材側位置決め溝12とが、シール部材8の径方向における全ての位相において対向することとなる。その結果、ナット2とシール部材8との位相合わせが容易となり、ナット2へのシール部材8の取付けに係わる作業効率が向上して、ボールねじ装置1の組立効率が向上する。
なお、本実施形態のボールねじ装置1では、底面4aと内周面4b同士が直角度を有するとともに、端面8bと外周面8c同士が直角度を有する構成としたが、これに限定されるものではない。すなわち、シール部材8の取付け状態が良好なものとなれば、これらの面同士は、例えば、略直角の関係であってもよい。
また、本実施形態のボールねじ装置1では、シール部材8の外径D1は、シール部材8が、ナット側シール部材嵌合部4に対してすきまばめを有する径となっているが、これに限定されるものではない。すなわち、シール部材8がナット側シール部材嵌合部4に引っ掛かることが防止されていれば、シール部材8の外径D1は、シール部材8が、ナット側シール部材嵌合部4に対してすきまばめを有していない径であってもよい。
さらに、本実施形態のボールねじ装置1では、ナット側挿通孔6にナット2の外周側から締結部材を挿通するとともに、締結部材の先端によってシール部材側位置決め溝12を押圧して、ナット側シール部材嵌合部4にシール部材8を取付けたが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、ナット側挿通孔6及びシール部材側位置決め溝12を設けない構成として、ナット側シール部材嵌合部4にシール部材8を接着して取付けてもよい。
また、本実施形態のボールねじ装置1では、シール部材側位置決め溝12の中心軸線CL1が、ナット側挿通孔6の中心軸線CL2に対し、ナット2の軸方向に沿ってナット2の外側へ偏芯している構成としたが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、シール部材側位置決め溝12の中心軸線CL1が、ナット側挿通孔6の中心軸線CL2に対し、同軸であってもよい。
また、本実施形態のボールねじ装置1では、シール部材側位置決め溝12を、シール部材8の外周面8cに連続して設けたが、これに限定されるものではなく、シール部材側位置決め溝12を、例えば、外周面8cのうちナット側挿通孔6と対向する位置にのみ設けてもよい。
また、本実施形態のボールねじ装置1では、ねじ軸を、ねじ軸側転動溝に研削逃げが形成されていない構成としたが、これに限定されるものではなく、ねじ軸側転動溝に研削逃げが形成されている構成としてもよい。
また、本実施形態のボールねじ装置1では、ねじ軸を、ねじ軸側転動溝に研削逃げが形成されていない構成としたが、これに限定されるものではなく、ねじ軸側転動溝以外の溝等に研削逃げが形成されていない構成としてもよい。
また、本実施形態のボールねじ装置1では、転動体をセラミックスで構成したが、これに限定されるものではなく、転動体を鉄鋼等で構成してもよい。しかしながら、転動体をセラミックスで構成すると、転動体を鉄鋼等で構成した場合と比較して、ボールねじ装置1の負荷容量が向上するため、転動体をセラミックスで構成することが好適である。
また、本実施形態のボールねじ装置1では、リップ部10を、シール部材8の内周面に亘って連続して設けたが、これに限定されるものではなく、リップ部10を、シール部材8の内周面の一箇所または二箇所以上に設けてもよい。
また、本実施形態のボールねじ装置1では、リップ部10のシール部材8の径方向に沿った長さを、リップ部10がねじ軸側転動溝に押圧されつつ摺動する長さとしたが、これに限定されるものではなく、リップ部10がねじ軸側転動溝に押圧されずに摺動する長さであってもよい。
また、本実施形態のボールねじ装置1では、ナット2の両端面にそれぞれナット側シール部材嵌合部4を設け、各ナット側シール部材嵌合部4にシール部材8を嵌合させたが、これに限定されるものではない。すなわち、ナット2の両端面のうち一方の端面のみにナット側シール部材嵌合部4を設け、このナット側シール部材嵌合部4にシール部材8を嵌合させてもよい。
次に、本発明の第二実施形態について図面を参照しつつ説明する。
まず、図2を参照して本発明の第二実施形態の構成を説明する。なお、上述した第一実施形態と同様の構成については、同一符号を付して説明する。
図2に示されているように、本実施形態のボールねじ装置1は、以下の点で上述した第一実施形態と構成が異なっている。
ナット2は、その両端面が、ナット2の径方向から見た断面が、ナット2の軸方向に沿ってナット2の外側に突出する凸状をなしており、各凸状部分のうち、ナット2の軸方向に沿って外側に突出している部分の上面4cと外周面4dとから、ナット側シール部材嵌合部4が構成されている。上面4cと外周面4d同士のなす角度θ3は90°となっている。すなわち、上面4cと外周面4d同士は直角度を有している。また、外周面4dのうち、シール部材8をナット側シール部材嵌合部4に嵌合させた状態で、後述するシール部材側挿通孔16と対向する位置には、ナット2の径方向から見た断面がV字状をなすナット部材側位置決め溝14が連続して設けられている。
シール部材8は、環状をなしており、シール部材8の径方向から見た断面が、ナット2側へ突出したフランジ部を有する凹状となっている。シール部材8のうちフランジ部の内径D4は、ナット側シール部材嵌合部4の外径D3よりも大径となっている。すなわち、シール部材8の内径D4は、シール部材8が、ナット側シール部材嵌合部4に対してすきまばめを有する径となっている。シール部材8のナット2側の端面8bと、フランジ部の内周面8d同士のなす角度θ4は90°となっている。すなわち、端面8bと内周面8d同士は直角度を有している。また、シール部材8の外周面には、先端がナット側シール部材嵌合部4の外周面4dに開口し、ビスやボルト等の締結部材が挿通されるシール部材側挿通孔16が設けられている。
また、ナット部材側位置決め溝14の中心軸線CL3は、シール部材8をナット側シール部材嵌合部4に嵌合させた状態で、シール部材側挿通孔16の中心軸線CL4に対し、中心軸線CL3がナット2の軸方向に沿ってナット2の内側へ偏芯する位置に設けられている。
その他の構成は、上述した第一実施形態と同様である。
次に、本実施形態の作用・効果等を説明する。
以下、ナット2へのシール部材8の取付け工程を説明する。なお、上述した第一実施形態と同様の内容については省略する。
まず、ナット側シール部材嵌合部4の上面4cとシール部材8の端面8bを対向させた状態で、ナット側シール部材嵌合部4にシール部材8を嵌合させる。このとき、上面4cと外周面4d同士は直角度を有しており、端面8bと内周面8d同士は直角度を有しているため、ナット側シール部材嵌合部4に対してシール部材8が傾くことが防止される。また、シール部材8は、ナット側シール部材嵌合部4に対してすきまばめを有しているため、ナット側シール部材嵌合部4にシール部材8を嵌合させる際に、シール部材8がナット側シール部材嵌合部4に引っ掛かることが防止されている。
次に、シール部材側挿通孔16にシール部材8の外周側から締結部材を挿通するとともに、締結部材の先端によってナット側位置決め溝14を押圧し、ナット側シール部材嵌合部4にシール部材8を取付けて、ナット2へのシール部材8の取付け工程を終了する。このとき、ナット側位置決め溝14がシール部材側挿通孔16と対向しているため、ナット2に対するシール部材8の軸方向の位置決めが行われる。
また、ナット側位置決め溝14は、ナット2の径方向から見た断面がV字状をなしているとともに、ナット側位置決め溝14の中心軸線CL3は、シール部材側挿通孔16の中心軸線CL4に対し、ナット2の軸方向に沿ってナット2の内側へ偏芯している。このため、締結部材の先端によってナット側位置決め溝14が押圧されると、ナット側位置決め溝14の傾斜に沿って、シール部材8がナット2の軸方向に沿ってナット2の内側へ移動する。その結果、シール部材8が、ナット2の軸方向に沿ってナット2の内側へ押し付けられるため、シール部材8がナット側シール部材嵌合部4に押し付けられ、シール部材8がナット2に押し付けられる。
したがって、本実施形態のボールねじ装置1であれば、ナット側シール部材嵌合部4にシール部材8を嵌合させた際に、ナット側シール部材嵌合部4に対してシール部材8が傾くことが防止されるため、シール部材8の取付け状態が良好なものとなる。その結果、シール部材8のシール性能が向上して、ボールねじ装置1の作動性及び耐久性が向上する。
また、本実施形態のボールねじ装置1であれば、シール部材8が、ナット側シール部材嵌合部4に対してすきまばめを有しているため、シール部材8がナット側シール部材嵌合部4に引っ掛かることが防止されている。その結果、シール部材8の取付け状態が良好なものとなり、シール部材8のシール性能が向上して、ボールねじ装置1の作動性及び耐久性が向上する。
また、本実施形態のボールねじ装置1であれば、シール部材側挿通孔16にシール部材8の外周側から締結部材を挿通した際に、ナット2に対するシール部材8の軸方向の位置決めが行われるため、ナット2へのシール部材8の取付けが容易となる。その結果、ナット2へのシール部材8の取付けに係わる作業効率が向上して、ボールねじ装置1の組立効率が向上する。
また、本実施形態のボールねじ装置1であれば、締結部材の先端によってナット側位置決め溝14が押圧された際に、シール部材8がナット側シール部材嵌合部4に押し付けられ、シール部材8がナット2に押し付けられる。その結果、シール部材8がナット側シール部材嵌合部4に対して強固に固定され、シール部材8のシール性能が向上する。
また、本実施形態のボールねじ装置1であれば、ナット側位置決め溝14が、ナット側シール部材嵌合部4の外周面4dに連続して設けられているため、シール部材側挿通孔16とナット側位置決め溝14とが、ナット2の径方向における全ての位相において対向することとなる。その結果、ナット2とシール部材8との位相合わせが容易となり、ナット2へのシール部材8の取付けに係わる作業効率が向上して、ボールねじ装置1の組立効率が向上する。
なお、本実施形態のボールねじ装置1では、上面4cと外周面4d同士はが直角度を有するとともに、端面8bと内周面8d同士が直角度を有する構成としたが、これに限定されるものではない。すなわち、シール部材8の取付け状態が良好なものとなれば、これらの面同士は、例えば、略直角の関係であってもよい。
また、本実施形態のボールねじ装置1では、シール部材8の内径D3は、シール部材8が、ナット側シール部材嵌合部4の外径D4に対してすきまばめを有する径となっているが、これに限定されるものではない。すなわち、シール部材8がナット側シール部材嵌合部4に引っ掛かることが防止されていれば、シール部材8の内径D3は、シール部材8が、ナット側シール部材嵌合部4の外径D4に対してすきまばめを有していない径であってもよい。
さらに、本実施形態のボールねじ装置1では、シール部材側挿通孔16にシール部材8の外周側から締結部材を挿通するとともに、締結部材の先端によってナット側位置決め溝14を押圧して、ナット側シール部材嵌合部4にシール部材8を取付けたが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、シール部材側挿通孔16及びナット側位置決め溝14を設けない構成として、ナット側シール部材嵌合部4にシール部材8を接着して取付けてもよい。
また、本実施形態のボールねじ装置1では、ナット側位置決め溝14の中心軸線CL3が、シール部材側挿通孔16の中心軸線CL4に対し、ナット2の軸方向に沿ってナット2の内側へ偏芯している構成としたが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、ナット側位置決め溝14の中心軸線CL3が、シール部材側挿通孔16の中心軸線CL4に対し、同軸であってもよい。
また、本実施形態のボールねじ装置1では、ナット側位置決め溝14を、ナット側シール部材嵌合部4の外周面4dに連続して設けたが、これに限定されるものではなく、ナット側位置決め溝14を、例えば、外周面4dのうちシール部材側挿通孔16と対向する位置にのみ設けてもよい。
また、本実施形態のボールねじ装置1では、ナット側シール部材嵌合部4を、ナット2の径方向から見た断面が、ナット2の軸方向に沿ってナット2の外側に突出する凸状をなす構成としたが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、ナット2の端面に、シール部材8の有するフランジ部が嵌合する形状の溝を設け、この溝によってナット側シール部材嵌合部を構成してもよい。
その他の作用・効果は、上述した第一実施形態と同様である。
次に、本発明の第三実施形態について図面を参照しつつ説明する。
まず、図3を参照して本発明の第三実施形態の構成を説明する。なお、上述した第一実施形態と同様の構成については、同一符号を付して説明する。
図3に示されているように、本実施形態のボールねじ装置1は、以下の点で上述した第一実施形態と構成が異なっている。
本実施形態のボールねじ装置1は、ねじ軸(図示せず)と、ナット2と、中間部材18を備えている。
ナット2の両端面には、それぞれ、中間部材18が嵌合するナット側中間部材嵌合部20が設けられている。ナット側中間部材嵌合部20は、ナット2の径方向から見た断面が、ナット2の軸方向に沿ってナット2の外側へ開口する凹状をなしており、ナット2の外側に向いている底面20aと、底面20aと隣り合う内周面20bとから形成されている。底面20aと内周面20b同士のなす角度θ5は90°となっている。すなわち、底面20aと内周面20b同士は直角度を有している。また、ナット2の外周面には、先端がナット側中間部材嵌合部20の内周面20bに開口し、ビスやボルト等の締結部材が挿通されるナット側挿通孔6が設けられている。
中間部材18は、環状をなしており、中間部材18の径方向から見た断面が、ナット2側へ向けて突出する凸状となっている。中間部材18の両端面のうちナット2側に向いている端面には、ナット側中間部材嵌合部20と嵌合する中間部材側ナット嵌合部22が設けられており、中間部材側ナット嵌合部22は、ナット2側に向いている上面22aと、上面22aと隣り合う外周面22bとから構成されている。上面22aと外周面22b同士のなす角度θ6は90°となっている。すなわち、上面22aと外周面22b同士は直角度を有している。中間部材側ナット嵌合部22の外径D5は、ナット側中間部材嵌合部20の内径D6よりも小径となっている。すなわち、中間部材側ナット嵌合部22の外径D5は、中間部材側ナット嵌合部22が、ナット側中間部材嵌合部20に対してすきまばめを有する径となっている。また、外周面22bのうち、中間部材18を中間部材側ナット嵌合部22に嵌合させた状態で、ナット側挿通孔6と対向する位置には、中間部材18の径方向から見た断面がV字状をなす中間部材側位置決め溝24が、連続して設けられている。中間部材側位置決め溝24の中心軸線CL5は、中間部材18を中間部材側ナット嵌合部22に嵌合させた状態で、ナット側挿通孔6の中心軸線CL2に対し、中心軸線CL5が、ナット2の軸方向に沿ってナット2の外側へ偏芯する位置に設けられている。
中間部材18の両端面のうちナット2と逆側へ向いている端面には、シール部材8が嵌合する中間部材側シール部材嵌合部26が設けられている。中間部材側シール部材嵌合部26は、中間部材18の径方向から見た断面が、ナット2の軸方向に沿ってナット2の外側へ開口する凹状をなしており、ナット2の外側に向いている底面26aと、底面26aと隣り合う内周面26bとから形成されている。底面26aと内周面26b同士のなす角度θ7は90°となっており、底面26aと内周面26b同士は直角度を有している。また、中間部材側ナット嵌合部22の上面22aには、先端が中間部材側シール部材嵌合部26へ開口する中間部材側取付け孔28が設けられている。
シール部材8の外径D1は、中間部材側シール部材嵌合部26の内径D7よりも小径となっている。すなわち、シール部材8の外径D1は、シール部材8が、中間部材側シール部材嵌合部26に対してすきまばめを有する径となっている。端面8aには、後述するシール部材側取付け孔34と連通する締結部材挿通孔32が設けられている。
また、シール部材8は、内部に環状をなす芯金32を有している。芯金32の外周面は、特に図示しないが、均一な厚さのシール部材によって覆われている。芯金32の端面には、中間部材側シール部材嵌合部26にシール部材8を嵌合させた状態で、中間部材側取付け孔28と締結部材挿通孔32とを連通するシール部材側取付け孔34が設けられている。
その他の構成は、上述した第一実施形態と同様である。
次に、本実施形態の作用・効果等を説明する。
本実施形態のボールねじ装置1の組立て作業では、ナット2へ中間部材18を取付ける工程と、中間部材18へシール部材8を取付ける工程がある。以下、ねじ軸の外周側にナット2が配置され、負荷転動路内に複数の転動体が装填された状態において、ナット2へ中間部材18を取付けた後に、中間部材18へシール部材8を取付ける工程を説明する。なお、ボールねじ装置1の組立て作業は、上述した順番に限定されるものではなく、ナット2へ中間部材18及びシール部材8を取付けた後に、ねじ軸の外周側にナット2を配置してもよい。また、図3中では、図の右側に、ナット2へ中間部材18を取付ける前及び中間部材18へシール部材8を取付ける前の状態を示し、図の左側に、ナット2へシール部材8を取付け、中間部材18へシール部材8を取付けた後の状態を示している。
まず、ナット側中間部材嵌合部20の底面20aと中間部材側ナット嵌合部22の上面22aを対向させた状態で、ナット側中間部材嵌合部20に中間部材側ナット嵌合部22を嵌合させる。このとき、底面20aと内周面20b同士は直角度を有しており、上面22aと外周面22b同士は直角度を有しているため、ナット側中間部材嵌合部20に対して中間部材18が傾くことが防止される。また、中間部材側ナット嵌合部22は、ナット側中間部材嵌合部20に対してすきまばめを有しているため、ナット側中間部材嵌合部20に中間部材側ナット嵌合部22を嵌合させる際に、中間部材側ナット嵌合部22がナット側中間部材嵌合部20に引っ掛かることが防止されている。
次に、ナット側挿通孔6にナット2の外周側から締結部材を挿通するとともに、締結部材の先端によって中間部材側位置決め溝24を押圧し、ナット側中間部材嵌合部20に中間部材18を取付けて、ナット2への中間部材18の取付け工程を終了する。このとき、中間部材側位置決め溝24がナット側挿通孔6と対向しているため、ナット2に対する中間部材18の軸方向の位置決めが行われる。
また、中間部材側位置決め溝24は、中間部材18の径方向から見た断面がV字状をなしているとともに、中間部材側位置決め溝24の中心軸線CL5は、ナット側挿通孔6の中心軸線CL2に対し、ナット2の軸方向に沿ってナット2の外側へ偏芯している。このため、締結部材の先端によって中間部材側位置決め溝24が押圧されると、中間部材側位置決め溝24の傾斜に沿って、中間部材18がナット2の軸方向に沿ってナット2の内側へ移動する。その結果、中間部材18が、ナット2の軸方向に沿ってナット2の内側へ押し付けられるため、中間部材18がナット側中間部材嵌合部20に押し付けられ、シール部材8がナット2に押し付けられる。
ナット2への中間部材18の取付け工程を終了した後、以下に示す手順に沿って、中間部材18へのシール部材8の取付けを行う。
まず、中間部材側シール部材嵌合部26の底面26aとシール部材8の端面8bを対向させるとともに、中間部材側取付け孔28と、締結部材挿通孔30及びシール部材側取付け孔34とを対向させた状態で、中間部材側シール部材嵌合部26にシール部材8を嵌合させる。このとき、底面26aと内周面26b同士は直角度を有しており、端面8bと外周面8c同士は直角度を有しているため、中間部材側シール部材嵌合部26に対してシール部材8が傾くことが防止される。また、シール部材8は、中間部材側シール部材嵌合部26に対してすきまばめを有しているため、中間部材側シール部材嵌合部26にシール部材8を嵌合させる際に、シール部材8が中間部材側シール部材嵌合部26に引っ掛かることが防止されている。
次に、中間部材側取付け孔28と締結部材挿通孔30及びシール部材側取付け孔34に、シール部材8の端面8a側から締結部材を挿通し、中間部材側シール部材嵌合部26にシール部材8を取付けて、中間部材18へのシール部材8の取付け工程を終了する。このとき、中間部材側取付け孔28が、締結部材挿通孔30及びシール部材側取付け孔34と対向しているため、中間部材18に対するシール部材8の径方向の位置決めが行われる。
したがって、本実施形態のボールねじ装置1であれば、ナット側中間部材嵌合部20に中間部材18を嵌合させた際に、ナット側中間部材嵌合部20に対して中間部材18が傾くことが防止されるため、中間部材18の取付け状態が良好なものとなる。その結果、シール部材8のシール性能が向上して、ボールねじ装置1の作動性及び耐久性が向上する。また、中間部材18の取付け作業が容易となり、ボールねじ装置1の組立効率が向上する。
また、本実施形態のボールねじ装置1であれば、中間部材側ナット嵌合部22が、ナット側中間部材嵌合部20に対してすきまばめを有しているため、中間部材18がナット側中間部材嵌合部20に引っ掛かることが防止されている。その結果、中間部材18の取付け状態が良好なものとなり、シール部材8のシール性能が向上して、ボールねじ装置1の作動性及び耐久性が向上する。
さらに、本実施形態のボールねじ装置1であれば、ナット側挿通孔6にナット2の外周側から締結部材を挿通した際に、ナット2に対する中間部材18の軸方向の位置決めが行われるため、ナット2への中間部材18の取付けが容易となる。その結果、ナット2への中間部材18の取付けに係わる作業効率が向上する。
また、本実施形態のボールねじ装置1であれば、締結部材の先端によって中間部材側位置決め溝24が押圧された際に、中間部材18がナット側中間部材嵌合部20に押し付けられ、中間部材18がナット2に押し付けられる。その結果、中間部材18がナット側中間部材嵌合部20に対して強固に固定され、シール部材8のシール性能が向上する。
また、本実施形態のボールねじ装置1であれば、中間部材側位置決め溝24が、中間部材側ナット嵌合部22の外周面22bに連続して設けられているため、ナット側挿通孔6と中間部材側位置決め溝24とが、中間部材18の径方向における全ての位相において対向することとなる。その結果、ナット2と中間部材18との位相合わせが容易となり、ナット2への中間部材18の取付けに係わる作業効率が向上する。
また、本実施形態のボールねじ装置1であれば、中間部材側シール部材嵌合部26にシール部材8を嵌合させた際に、中間部材側シール部材嵌合部26に対してシール部材8が傾くことが防止されるため、シール部材8の取付け状態が良好なものとなる。その結果、シール部材8のシール性能が向上して、ボールねじ装置1の作動性及び耐久性が向上する。
また、本実施形態のボールねじ装置1であれば、シール部材8が、中間部材側シール部材嵌合部26に対してすきまばめを有しているため、シール部材8が中間部材側シール部材嵌合部26に引っ掛かることが防止されている。その結果、シール部材8の取付け状態が良好なものとなり、シール部材8のシール性能が向上して、ボールねじ装置1の作動性及び耐久性が向上する。
また、本実施形態のボールねじ装置1であれば、シール部材8が環状をなす芯金32を有しているため、シール部材8の強度が向上して、シール部材8の長寿命化及びシール性能の向上が可能となり、ボールねじ装置1の作動性及び耐久性が向上する。
また、本実施形態のボールねじ装置1であれば、芯金32の外周面が均一な厚さのシール部材によって覆われているため、中間部材側シール部材嵌合部26にシール部材8を嵌合させる際に、中間部材18と芯金32との芯違いが生じることが防止される。
なお、本実施形態のボールねじ装置1では、底面20aと内周面20b同士が直角度を有するとともに、上面22aと外周面22b同士が直角度を有する構成としたが、これに限定されるものではない。すなわち、中間部材18の取付け状態が良好なものとなれば、これらの面同士は、例えば、略直角の関係であってもよい。
また、本実施形態のボールねじ装置1では、底面26aと内周面26b同士が直角度を有するとともに、端面8bと外周面8c同士が直角度を有する構成としたが、これに限定されるものではない。すなわち、シール部材8の取付け状態が良好なものとなれば、これらの面同士は、例えば、略直角の関係であってもよい。
さらに、本実施形態のボールねじ装置1では、中間部材側ナット嵌合部22の外径D5が、ナット側中間部材嵌合部20の内径D6に対してすきまばめを有する径となっているが、これに限定されるものではない。すなわち、中間部材18がナット側中間部材嵌合部20に引っ掛かることが防止されていれば、中間部材側ナット嵌合部22の外径D5は、ナット側中間部材嵌合部20の内径D6に対してすきまばめを有していない径であってもよい。
また、本実施形態のボールねじ装置1では、シール部材8の外径D1が、中間部材側シール部材嵌合部26の内径D7に対してすきまばめを有する径となっているが、これに限定されるものではない。すなわち、シール部材8が中間部材側シール部材嵌合部26に引っ掛かることが防止されていれば、シール部材8の外径D1は、中間部材側シール部材嵌合部26の内径D7に対してすきまばめを有していない径であってもよい。
また、本実施形態のボールねじ装置1では、ナット側挿通孔6にナット2の外周側から締結部材を挿通するとともに、締結部材の先端によって中間部材側位置決め溝24を押圧して、ナット側中間部材嵌合部20に中間部材18を取付けたが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、ナット側挿通孔6及び中間部材側位置決め溝24を設けない構成として、ナット側中間部材嵌合部20に中間部材18を接着して取付けてもよい。
また、本実施形態のボールねじ装置1では、中間部材側取付け孔28と締結部材挿通孔30及びシール部材側取付け孔34とを連通させた状態で、締結部材によって、中間部材側シール部材嵌合部26にシール部材8を取付けたが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、中間部材側取付け孔28と、締結部材挿通孔30と、シール部材側取付け孔34を設けない構成として、中間部材側シール部材嵌合部26にシール部材8を接着して取付けてもよい。また、例えば、中間部材18の外周部に、中間部材側シール部材嵌合部26に連通する中間部材側挿通孔を設け、芯金32の外周面のうち、中間部材側シール部材嵌合部26にシール部材8を取付けた状態で、中間部材側挿通孔と対向する位置に芯金側位置決め溝を設けてもよい。
また、本実施形態のボールねじ装置1では、中間部材側位置決め溝24の中心軸線CL5が、ナット側挿通孔6の中心軸線CL2に対し、ナット2の軸方向に沿ってナット2の外側へ偏芯している構成としたが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、中間部材側位置決め溝24の中心軸線CL5が、ナット側挿通孔6の中心軸線CL2に対し、同軸であってもよい。
また、本実施形態のボールねじ装置1では、中間部材側位置決め溝24の中心軸線CL5を、中間部材側ナット嵌合部22の外周面22bに連続して設けたが、これに限定されるものではなく、中間部材側位置決め溝24を、例えば、外周面22bのうちナット側挿通孔6と対向する位置にのみ設けてもよい。
また、本実施形態のボールねじ装置1では、シール部材8が芯金32を有する構成としたが、これに限定されるものではなく、シール部材8が芯金32を有していない構成としてもよい。
また、本実施形態のボールねじ装置1では、芯金32の形状を環状としたが、これに限定されるものではなく、芯金32の形状は、例えば、略環状としてもよい。
また、本実施形態のボールねじ装置1では、芯金32の外周面を、均一な厚さのシール部材によって覆う構成としたが、これに限定されるものではなく、芯金32の外周面が露出した構成としてもよい。
その他の作用・効果は、上述した第一実施形態と同様である。
なお、上述した各実施形態のうち、第三実施形態のみ、シール部材8が芯金32を有する構成としたが、これに限定されるものではなく、第一及び第二実施形態においても、シール部材8が芯金32を有する構成としてもよい。
本発明の第一実施形態のボールねじ装置を示す図である。 本発明の第二実施形態のボールねじ装置を示す図である。 本発明の第三実施形態のボールねじ装置を示す図である。 従来のボールねじ装置を示す図である。
符号の説明
1 ボールねじ装置
2 ナット
4 ナット側シール部材嵌合部
6 ナット側挿通孔
8 シール部材
10 リップ部
12 シール部材側位置決め溝
14 ナット側位置決め溝
16 シール部材側挿通孔
18 中間部材
20 ナット側中間部材嵌合部
22 中間部材側ナット嵌合部
24 中間部材側位置決め溝
26 中間部材側シール部材嵌合部
28 中間部材側取付け孔
30 締結部材挿通孔
32 芯金
34 シール部材側取付け孔
36 ねじ軸側転動溝
38 ねじ軸
40 ナット側転動溝
42 負荷転動路
44 転動体
46 循環部材

Claims (19)

  1. 螺旋状のねじ軸側転動溝を外周面に有するねじ軸と、前記ねじ軸側転動溝に対向するナット側転動溝を内周面に有するとともにねじ軸の外周側に配置されるナットと、前記両転動溝間に形成される負荷転動路内に転動自在に装填される複数の転動体と、を備え、
    前記ナットの端面にナット側シール部材嵌合部を設け、前記ねじ軸側転動溝と摺接するリップ部を内周面に有する環状のシール部材を、前記ナット側シール部材嵌合部に嵌合させたボールねじ装置において、
    前記ナット側シール部材嵌合部を構成する複数の面のうち隣り合う面同士及び前記シール部材におけるナット側シール部材嵌合部と嵌合する複数の面のうち隣り合う面同士のうち少なくとも一方は、直角度を有し、
    前記シール部材に、先端が前記ナット側シール部材嵌合部に開口するシール部材側挿通孔を設け、
    前記ナットの前記シール部材側挿通孔と対向する位置に、前記ナットの径方向から見た断面がV字状をなすナット側位置決め溝を設け、
    前記シール部材側挿通孔に締結部材が挿通され、当該締結部材の先端は、前記ナット側位置決め溝を押圧しており、
    前記ナット側位置決め溝の中心軸は、前記シール部材側挿通孔の中心軸に対し前記ナットの軸方向に沿ってナットの内側へ偏芯していることを特徴とするボールねじ装置。
  2. 前記シール部材は、前記ナット側シール部材嵌合部に対してすきまばめを有した状態で嵌合していることを特徴とする請求項1に記載したボールねじ装置。
  3. 前記ナット側位置決め溝は、前記ナットの外周面に連続して設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載したボールねじ装置。
  4. 前記シール部材は、前記ナット側シール部材嵌合部に嵌合する環状又は略環状の芯金を有することを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項に記載したボールねじ装置。
  5. 前記芯金は、前記ナット側シール部材嵌合部に対してすきまばめを有した状態で嵌合していることを特徴とする請求項4に記載したボールねじ装置。
  6. 前記芯金に、先端が前記ナット側シール部材嵌合部に開口する芯金側挿通孔を設け、
    前記ナットの前記芯金側挿通孔と対向する位置に、前記ナットの径方向から見た断面がV字状をなすナット側位置決め溝を設け、
    前記芯金側挿通孔に締結部材が挿通され、当該締結部材の先端は、前記ナット側位置決め溝を押圧していることを特徴とする請求項4または5に記載したボールねじ装置。
  7. 前記ナット側位置決め溝の中心軸は、前記芯金側挿通孔の中心軸に対し前記ナットの軸方向に沿ってナットの内側へ偏芯していることを特徴とする請求項6に記載したボールねじ装置。
  8. 螺旋状のねじ軸側転動溝を外周面に有するねじ軸と、前記ねじ軸側転動溝に対向するナット側転動溝を内周面に有するとともにねじ軸の外周側に配置されるナットと、前記両転動溝間に形成される負荷転動路内に転動自在に装填される複数の転動体と、を備え、
    前記ナットの端面にナット側中間部材嵌合部を設け、環状の中間部材を前記ナット側中間部材嵌合部に嵌合させ、
    前記中間部材の端面に中間部材側シール部材嵌合部を設け、前記ねじ軸側転動溝と摺接するリップ部を内周面に有する環状のシール部材を、前記中間部材側シール部材嵌合部に嵌合させたボールねじ装置において、
    前記ナット側中間部材嵌合部を構成する複数の面のうち隣り合う面同士及び前記中間部材におけるナット側中間部材嵌合部と嵌合する複数の面のうち隣り合う面同士のうち少なくとも一方は直角度を有し、
    前記中間部材側シール部材嵌合部を構成する複数の面のうち隣り合う面同士及び前記シール部材における中間部材側シール部材嵌合部と嵌合する複数の面のうち隣り合う面同士のうち少なくとも一方は直角度を有し、
    前記ナットに、先端が前記ナット側中間部材嵌合部に開口するナット側挿通孔を設け、
    前記中間部材の前記ナット側挿通孔と対向する位置に、前記中間部材の径方向から見た断面がV字状をなす中間部材側第二位置決め溝を設け、
    前記ナット側挿通孔に締結部材が挿通され、当該締結部材の先端は、前記中間部材側第二位置決め溝を押圧しており、
    前記中間部材側第二位置決め溝の中心軸は、前記ナット側挿通孔の中心軸に対し前記ナットの軸方向に沿ってナットの外側へ偏芯していることを特徴とするボールねじ装置。
  9. 前記シール部材は、前記中間部材側シール部材嵌合部に対してすきまばめを有した状態で嵌合していることを特徴とする請求項8に記載したボールねじ装置。
  10. 前記中間部材は、前記ナット側中間部材嵌合部に対してすきまばめを有した状態で嵌合していることを特徴とする請求項8または9に記載したボールねじ装置。
  11. 前記中間部材側第二位置決め溝は、前記中間部材の外周面に連続して設けられていることを特徴とする請求項8から10のうちいずれか1項に記載したボールねじ装置。
  12. 前記シール部材は、前記中間部材側シール部材嵌合部と嵌合する環状又は略環状の芯金を有することを特徴とする請求項8から11のうちいずれか1項に記載したボールねじ装置。
  13. 前記芯金は、前記中間部材側シール部材嵌合部に対してすきまばめを有した状態で嵌合していることを特徴とする請求項12に記載したボールねじ装置。
  14. 前記芯金に、先端が前記中間部材側シール部材嵌合部に開口する芯金側挿通孔を設け、
    前記中間部材の前記芯金側挿通孔と対向する位置に、前記中間部材の径方向から見た断面がV字状をなす中間部材側第一位置決め溝を設け、
    前記芯金側挿通孔に締結部材が挿通され、当該締結部材の先端は、前記中間部材側第一位置決め溝を押圧していることを特徴とする請求項12または13に記載したボールねじ装置。
  15. 前記中間部材側第一位置決め溝の中心軸は、前記芯金側挿通孔の中心軸に対し前記ナットの軸方向に沿ってナットの内側へ偏芯していることを特徴とする請求項14に記載したボールねじ装置。
  16. 前記ねじ軸は、研削逃げが形成されていないことを特徴とする請求項1から15のうちいずれか1項に記載したボールねじ装置。
  17. 前記転動体は、セラミックで構成されていることを特徴とする請求項1から16のうちいずれか1項に記載したボールねじ装置。
  18. 前記リップ部は、当該リップ部の全周に亘ってねじ軸側転動溝と摺接することを特徴とする請求項1から17のうちいずれか1項に記載したボールねじ装置。
  19. 前記リップ部は、前記ねじ軸側転動溝に向けて押圧されることを特徴とする請求項1から18のうちいずれか1項に記載したボールねじ装置。
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