JP4482168B2 - ボールねじのシール装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、工作機械、産業用ロボット等に使用されるボールねじのシール装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
ボールねじは、図19に示すように、ねじ軸100の外周面101に刻設したゴシックアーク形状(図示せず。)の螺旋ねじ溝102とボールナット103の内周面104に刻設したゴシックアーク形状(図示せず。)の螺旋ねじ溝105との間に複数のボール106を配し、このボール106を介してねじ軸100(又はボールナット103)の回転動力をボールナット103(又はねじ軸100)の推力に変換するもので、ねじ軸100とボールナット103との空間部107に潤滑剤(グリース又は潤滑油)を充填して潤滑されている。
また、外部からの粉塵等がボールナット103内に侵入することを防止するため、ボールナット103の両開口端部に環状の凹段部108を設け、この凹段部108にプラスチック等の高分子(ポリマ)材料からなる環状のシール部材又はシール装置が嵌着されている。
そして、このシール部材又はシール装置として、下記の3従来例が知られている。
【0003】
(1)第1従来例
図19及び図20に示すように、シール部材109の内面に、ねじ溝102の形状及び寸法に相似して同一リードを有する突条110を形成する。具体的には、突条110とねじ溝102との間、およびシール部材109の内面とねじ軸100の外周面101との間に、0.1〜0.15mmの隙間を設定する。そして、このシール部材109を凹段部108に嵌着後、止めねじ112でボールナット103に固定したものである。
すなわち、非接触型のラビリンスシールである。
なお、符号111は、ねじ溝102がねじ軸100の両端に延びていない、いわゆる「両端切り上がり」の場合に、シール部材109を拡開させて突条110をねじ溝102内に嵌合させるための切割を示す。
【0004】
(2)第2従来例
図21及び図22に示すように、シール部材113の内面に、ねじ溝102の形状及び寸法に合わせて同一リードを有する突条114を形成する。また、シール部材113の任意の一箇所に斜めに切割115を形成するとともに、外周面に1条(又は複数条)の環状凹溝116を設ける。そして、この環状凹溝116にガータスプリング(又は環状コイルスプリング)117を巻着後、シール部材113を凹段部108に嵌着して止めねじ(図示せず。)でボールナット103に固定したものである。
すなわち、ガータスプリング117の締付力によって、シール部材113は切割115の合わせ目に沿って食違状になって内面が縮径し、突条114がねじ溝102内に嵌合接触する接触型シールである。
なお、ねじ溝102が「両端切り上がり」の場合には、前記第1従来例と同様に、切割115を拡開して突条114をねじ溝102内に嵌合する。
【0005】
(3)第3従来例
実公昭59−19156号公報に記載されているシール装置である。次に、図23乃至図26を参照して、このシール装置を簡単に説明する。
シールリング118の内周面120はねじ軸100を遊挿できる平滑面とするとともに、シールリング118の任意の一箇所に半径方向の切欠部119を貫設する。この切欠部119に、ねじ溝102内に嵌合する突部123を内面126に形成したシール部材122が嵌装される。また、シールリング118の外周面及びシール部材122の外面に、ガータスプリング(又は環状コイルスプリング)128が巻着される環状凹溝121及び円弧状凹溝127を設ける。なお、環状凹溝121と円弧状凹溝127とが連通することは言うまでもない。
そして、シールリング118にねじ軸100を遊挿して所望の位置に止め、その位置においてシール部材122を切欠部119に嵌装するとともに突部123をねじ溝102内に嵌合させ、環状凹溝121,127にガータスプリング128を巻着後、このシールリング118を凹段部108に嵌着して止めねじ129でボールナット103に固定したものである。
すなわち、ガータスプリング128の締付力によって、突部123とねじ溝102との嵌合接触性を高めた接触型シール装置である。
なお、このシール装置の場合、ねじ溝102が「両端切り上がり」であっても、前記第1及び第2従来例のような切割をシールリング118に設ける必要がない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来、ボールねじの防塵方法は、ボールナットに前記3従来例の何れか一つのシール部材(又はシール装置)を装着したり、ねじ軸をジャバラ又はテレスコピックパイプ等の防塵装置で被覆する方法(図示せず。)、又はそれらを併用したものであった。特に、粉塵が舞う環境下では、シール部材(又はシール部材)と防塵装置とを併用することにより、ボールねじの防塵性に問題はなかった。
しかし、近年、コスト高となることから防塵装置を使用しなかったり、防塵装置を装着できない箇所にボールねじが使用されることが多くなっている。
このような使用環境下では、ボールナットに前記3従来例の何れか一つのシール部材(又はシール装置)を装着しても、ねじ軸の外周面及びねじ溝に付着した粒径約0.15mm以下の粉塵がシール部材(又はシール部材)を通過してボールナット内に侵入し、早期摩耗等のトラブルが発生する場合がある。
次に、前記3従来例の問題点を説明する。
【0007】
(1)第1従来例(図19及び図20参照。)
前記のように、シール部材109の内面とねじ軸100の外周面101との間、および突条110とねじ溝102との間に、0.1〜0.15mmの隙間を有したラビリンスシールであるから、
▲1▼ ねじ軸の外周面101及びねじ溝102に付着した粒径0.15mm以下の粉塵が、シール部材109を通過してボールナット103内に侵入する。
▲2▼ 空間部107に充填された潤滑剤は、ボール106の転動によってボールナット103の端部に押しやられ、シール部材109を通過して外部に漏出する。この漏出した潤滑剤に外周面101及びねじ溝102に付着した粉塵が混入し、粉塵を含んだ潤滑剤がシール部材109を通過してボールナット103内に侵入することにより、潤滑トラブルが発生する。
▲3▼ ねじ溝102が「両端切り上がり」の場合には切割111を拡開して突条110をねじ溝102内に嵌合するが、拡開するとシール部材109が塑性変形して、隙間が所定の値より大きくなる。従って、粒径0.15mmより大きい粉塵がシール部材109を通過してボールナット103内に侵入する。
【0008】
(2)第2従来例(図21及び図22参照。)
▲1▼プラスチック等の高分子材料からなるシール部材113の突条114は、適用されるゴシックアークねじ溝形状102を成形したバイトで旋削加工される(第1従来例のシール部材109も同様。)。しかし、バイトにねじ溝形状102に合致したゴシックアーク形状を成形することは、現実的に不可能である。従って、ガータスプリング117の締付力で突条114をねじ溝102に接触させたとしても、突条114がねじ溝102に全面接触せず、ねじ溝102に付着した粉塵が非接触部分を通過してボールナット103内に侵入する。
図27は、この問題点を実験で確認したものである。粒径50〜100μmの鋳物粉を混入させた潤滑油をねじ軸100の外周面101及びねじ溝102に塗布した後、ねじ軸100を緩やかに手動回転した。すると、鋳物粉を含んだ潤滑油130は、シール部材113の端面に位置する突条114の薄肉部から厚肉部に沿ってボールナット103内に侵入した。このことは、突条114の形状がねじ溝102の形状に合致していないことを意味する。
▲2▼ねじ軸外周面101の直径(ねじ軸100の外径)及びねじ溝102の深さには、加工上のばらつきがある。このため、突条114をねじ溝102に接触させようとすると、シール部材113の内面と外周面101との間に隙間を設け、且つ、この隙間を寸法のばらつきを見込んである程度大きく設定する必要がある。このシール部材113の内面と外周面101との間の隙間を通過して、外周面101に付着した粉塵がボールナット103内に侵入する。
▲3▼粉塵がシール部材113を通過してボールナット103内に侵入することは、反対に、空間部107に充填された潤滑剤がシール部材113を通過して外部に漏出することを意味する。従って、第1従来例と同様の問題がある(前記第1従来例の問題点▲2▼参照。)。
【0009】
そこで、所定のねじ溝形状102を研削加工で刻設したねじ軸100を切断してバイトを製作し、このバイトでシール部材113の突条114を旋削加工したところ、図28に示すように、シール部材113の内面と外周面101とが接触するとともに、突条114の形状とねじ溝102の形状とが合致して接触するシール部材113を実現できた(言わば、現物合わせのシール部材。)。
しかし、前記のように、ねじ軸外周面101の直径及びねじ溝102の深さには加工上のばらつきがあるから、実際には、図29及び図30に示すように、シール部材113の内面と外周面101との間に隙間131ができたり、突条114とねじ溝102との間に隙間132ができて、問題点の解決にはならなかった。
【0010】
(3)第3従来例(図31及び図32参照。)
▲1▼ねじ軸外周面101の直径及びねじ溝102の深さには加工上のばらつきがあるから、シール部材122の突部123をねじ溝102に接触させるには、設計上、シール部材122の内面126と外周面101との間に若干の隙間を設けるようにする。しかし、突部123はねじ溝102の一周部分をシールするものではないから、弾性変形が容易なプラスチックをシール部材122の材質に選定すれば、ガータスプリング128の締付力でねじ溝102に接触する突部123を弾性変形させて、内面126と外周面101とを接触させることができる。
他方、シールリング118にねじ軸100を遊挿するには、シールリング118の内周面120と外周面101との間に隙間133を設ける必要がある。しかし、ガータスプリング128はシールリング118の外周面に巻着されているため、ガータスプリング128で締め付けてもシール部材122だけが内方のねじ軸100に押し付けられるだけで、内周面120は縮径しない。すなわち、内周面120と外周面101との間の隙間133は維持され、この隙間133を通過して外周面101に付着した粉塵がボールナット103内に侵入する。
▲2▼突部123の端面124は、ねじ溝102に付着した粉塵を掻き取るスクレーパの役割を果たす。しかし、端面124はねじ溝直角断面と相補う形状ではなく、ねじ軸軸線直角断面形状になっている(図24及び図31参照。)。このため、端面124の右側部が掻き取った粉塵は外部に排出されるが、左側部が掻き取った粉塵は外部に排出されず堆積する傾向にある(図31の符号134参照。)。この堆積した粉塵134が、上方に位置する隙間133を通過してボールナット103内に侵入する。
▲3▼突部123の他方の端面125は、ボールの転動によってボールナット103の端部に押しやられた潤滑剤のシール部材122からの漏出を防止するとともに、ねじ軸100(又はボールナット103)が反転した際に押しやられた潤滑剤を空間部107に押し戻す役割を果たす。しかし、上方に隙間133が位置しているから、ボールナット103の端部に押しやられた潤滑剤は、隙間133を通過して外部に漏出する。
【0011】
上記の課題に加えて、最近は下記のような問題が提起され、その解決策が求められている。
(1)工作機械や産業用ロボット等、各種機械の送りは著しく高速化してきており、これらの機械に用いられるボールねじにも更に高速化が要求されている(具体的には、2000rpm以上の回転数で使用されるようになっている。)。
そうすると、シール部材又はシール装置をねじ軸の外周面及びねじ溝に接触させた場合、接触回転による摩擦熱によってねじ軸が伸び、位置決め精度不良が発生し易くなるという問題がある。
また、シール部材又はシール装置をねじ軸の外周面及びねじ溝に接触させると、ボールねじの作動時に大きな摩擦力が発生して、ボールねじの作動トルクが大きくなり大容量の駆動モータが必要となる。
(2)ボールねじのリードを大きくすると同じ回転数でもより高速の送りを実現できるため、リードの大きいもの(ハイリードボールねじ)が使用されるようになっている。しかも、ボールとねじ溝との接触角の関係から(図示せず。)、1条ねじでは負荷容量が小さくなるため、2条ねじ以上の多条ねじが使用されるようになっている。
2条ねじの場合は、前記第1又は第2従来例のシール部材に2条の突条を形成できる。しかし、3条ねじ以上の場合は、シール部材を長くしないとねじ条数に応じた突条を形成できない。そうすると、シール部材はボールナットの両端部に装着されるから、ボールナットを長くしなければならない。
【0012】
本発明は、上記の課題に着目してなされたものであり、ねじ軸のねじ溝と外周面とを個別にシールして従来のものより防塵性を高めるとともに、接触回転による摩擦熱を抑制することができるボールねじのシール装置を提供することを目的とする。
また、現状のボールナットで、多条ねじに対応できるボールねじのシール装置を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1のボールねじのシール装置は、ねじ軸が遊挿される内周面を有してボールナットの開口端部に嵌着される環状体の肉厚内に、環状凹部と該環状凹部に連通し且つ前記ねじ軸の外周面に開口する半径方向切欠部とを形成し、該半径方向切欠部に前記ねじ軸の外周面に刻設されたねじ溝内に嵌合する突部を有するねじ溝シール部材を嵌装し、該ねじ溝シール部材と前記環状凹部の内側面とに環状弾性体を巻着して、前記ねじ溝シール部材と前記環状体の内周面とを前記ねじ軸の外周面に押圧接触させたことを特徴とする。
【0014】
次に、本発明の請求項2のボールねじのシール装置は、ねじ軸が遊挿される内周面を有してボールナットの開口端部に嵌着される環状体の前記内周面に環状凹段部を形成し、前記ねじ軸の外周面に刻設されたねじ溝内に嵌合する突部を有するねじ溝シール部材と該ねじ溝シール部材と相俟って環状組立体を形成する分割部材とを前記環状凹段部に内挿し、前記ねじ溝シール部材と前記分割部材とに環状弾性体を巻着して、前記ねじ溝シール部材と前記分割部材の内面とを前記ねじ軸の外周面に押圧接触させ、前記環状凹段部と前記ねじ溝シール部材及び分割部材とからなる空間部に潤滑油含浸フェルトが充填されていることを特徴とする。
【0015】
さらに、本発明の請求項3のボールねじのシール装置は、請求項1又は2のねじ溝シール部材の突部がねじ溝面と摺接する接触部と非摺接の非接触部とからなるものである。
【0016】
また、本発明の請求項4のボールねじのシール装置は、請求項3の接触部を突部の両端に設けたものである。
【0017】
本発明の請求項5のボールねじのシール装置は、請求項3又は4の突部の両端にねじ溝直角断面と相補う形状の端面を設けたものである。
【0018】
本発明の請求項6のボールねじのシール装置は、請求項1,3,4又は5の環状体内周面のねじ軸外周面との接触部に複数の切欠凹所を設けたものである。
【0019】
本発明の請求項7のボールねじのシール装置は、請求項2,3,4又は5の分割部材の内面に切欠凹所を設けたものである。
【0024】
本発明の請求項8のボールねじのシール装置は、請求項1の環状凹部に潤滑油含浸フェルトを充填したものである。
【0026】
本発明の請求項9のボールねじのシール装置は、請求項8の潤滑油含浸フェルトからねじ軸外周面への潤滑油供給孔を環状凹部の内側面に設けたものである。
【0027】
最後に、本発明の請求項10のボールねじのシール装置は、請求項2の潤滑油含浸フェルトからねじ軸外周面への潤滑油供給孔を分割部材に設けたものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図12を参照して、本発明の第1実施形態を説明する。
ねじ軸1の外周面1aには、2条のゴシックアーク形状(図示せず。)螺旋ねじ溝1b,1cが刻設されている。ボールナット2の内周面2aには、ねじ溝1b,1cにそれぞれ対向するゴシックアーク形状(図示せず。)螺旋ねじ溝2b,2cが刻設されている。このねじ溝1b,2b;1c,2c間に複数のボール(図示せず。)が介挿されている。また、ねじ軸1とボールナット2との空間部3には、潤滑剤(グリース又は潤滑油)が充填されている。さらに、ボールナット2の両開口端部には環状の凹段部4が設けられ、この凹段部4に弾性変形が容易なプラスチックからなる環状体5が嵌着される。なお、符号4aは、市販の止め輪11(例えば、富士バルブ株式会社製商品名:スピロロックス)が挿嵌される環状溝を示す。
【0029】
環状体5の肉厚内には、ガータスプリング(又は環状コイルスプリング)8が嵌入される環状凹部5bと、この環状凹部5bに連通し且つねじ軸1の外周面1aに開口する半径方向切欠部5c,5dとが形成されている。この半径方向切欠部5c,5dに、ねじ溝1b,1cをそれぞれシールするねじ溝シール部材6,7が嵌装される。なお、2条ねじであるから、半径方向切欠部5c,5dは対向する位置関係にある。
環状体5の内周面5aは、突条を形成しない平滑面になっている。その直径(環状体5の内径)は、ねじ軸1を遊挿できるように、外周面1aの直径(ねじ軸1の外径)より大きく設定されている。具体的には、加工上のばらつきを考慮して、内周面5aと外周面1aの最大直径部との間に25〜50μmの隙間mが形成されている。内周面5aには、切欠凹所5gが対向して設けられている(図2及び図3参照。)。
また、環状体5の外周面には、環状凹溝5hが形成されている。この環状凹溝5hに市販のOリング9を巻着して、環状体5の外周面と凹段部4との間をシールする。
【0030】
次に、切欠凹所5gについて説明する。
この切欠凹所5gは、ガータスプリング8の締付力による内側肉厚部5fの内方への弾性変形を容易にして内周面5aと外周面1aとを接触させるとともに、外周面1aに付着した粉塵を掻き取るために設けられている。なお、符号nは、弾性変形する内側肉厚部5fの端面と後記の環状プレート10との接触を避けるための隙間を示す。
そして、図4に示すように、切欠凹所5gのねじ軸軸線に対する傾き角θ1とねじ溝1b,1cのリード角θとの関係を0≦θ1≦θとすれば(図3はθ1=0゜の場合を示す。)、掻き取った粉塵をボールナット2の外部に連続的に排出して、粉塵が外周面1aに留まることを防止できる。なお、ボールナット2の他方の端部に嵌着される環状体5の場合、傾き角θ1の向きは図4と反対の向きになる。
さらに、図5に示すように、内周面5aに多数の切欠凹所5gを設ければ(等配とすることが好ましい。)、内側肉厚部5fの内方への弾性変形がより容易になって、内周面5aと外周面1aとの接触をより強固にすることができる。その上、内周面5aと外周面1aとの接触面積を減じることができるから、接触回転による摩擦熱を少なくすることができる。
【0031】
ねじ溝1bをシールするねじ溝シール部材6について説明する。なお、ねじ溝1cをシールするねじ溝シール部材7の構成はねじ溝シール部材6と同様であるから、その説明は省略する(但し、説明の関係で対応する符号を付する場合がある。)。
図6乃至図8に示すように、ねじ溝シール部材6の内面6gには、ねじ溝1b内に嵌合するゴシックアーク形状(図示せず。)の突部6aが形成されている。この突部6aの両端にねじ溝面1bと摺接する接触部6b,6cが形成され、その中間にねじ溝面1bと非摺接の非接触部6dが形成されている。このように、接触部6b,6cと非接触部6dとを形成すれば、突部6aとねじ溝1bとの接触面積が減じて接触回転による摩擦熱を少なくすることができる。なお、この実施形態では接触部を突部の両端に設けたが、接触部と非接触部とを交互に設けた櫛形状としてもよい(図示せず。)。
また、突部6aの両端には、ねじ溝1bの直角断面と相補う形状の端面6e,6fが形成されている。この一方の端面6eが、ねじ溝1bに付着した粉塵を掻き取るスクレーパの役割を果たす。そして、他方の端面6fが、ボールの転動によってボールナット2の端部に押しやられた潤滑剤の外部への漏出を防止するとともに、ねじ軸1(又はボールナット2)が反転した際に押しやられた潤滑剤を空間部3に押し戻す役割を果たす。
なお、ねじ溝シール部材6の外面には、ガータスプリング8を位置決め且つ巻着するための円弧状凹溝6hが形成されている。
【0032】
そして、ねじ軸外周面1aの直径及びねじ溝1bの深さには加工上のばらつきがあるから、突部6aをねじ溝1bに接触させるには、設計上、内面6gと外周面1aとの間に若干の隙間を設けるようにする。しかし、突部6aはねじ溝1bの一周部分をシールするものではないから、弾性変形が容易なプラスチックをねじ溝シール部材6の材質に選定すれば、ガータスプリング8の締付力でねじ溝1bに接触する突部6aを弾性変形させて、内面6gと外周面1aとを接触させることができる。特に、この実施の形態では、突部6aに非接触部6dを設けているから、接触部6b,6cはより容易に弾性変形する。
なお、ねじ溝形状と合致する突部を有するねじ溝シール部材は、下記の何れか一つの製作方法によって得ることができる。
(1)研削加工で規範となるねじ溝形状が刻設されたねじ軸を切断して、バイトを製作する。このバイトで、選択したプラスチックからなる環状体の内周面に突条を旋削加工後、必要とする箇所を切り取る。その後に、突部の中間部分を削って非接触部を形成する。なお、前以て、環状体の外周面にガータスプリングを巻着するための環状凹溝を刻設しておけばよい。
(2)選択したプラスチックの成形収縮率を見込んで所望のねじ溝シール部材より大きい金型を製作し、この金型に加熱溶融したプラスチックを注入して加圧しながら冷却固化して成形する。その後に、突部の中間部分を削って非接触部を形成する。なお、金型のねじ溝形状部は、ゴシックアーク形状となるように研削加工しておく。
【0033】
ここで、環状体5及びねじ溝シール部材6,7の材質について説明する。
前記のように、環状体5及びねじ溝シール部材6,7はねじ軸外周面1a及びねじ溝1b,1cに摺接するから、摺動特性、すなわち、摩擦・摩耗特性に優れた下記のプラスチックから選択する。
▲1▼ テフロン(三井デュポンフロロケミカル株式会社の登録商標)に代表される四弗化エチレン樹脂(以下、PTFEと略称する。)
▲2▼ ハイゼックスミリオン(三井石油化学株式会社の登録商標)に代表される分子量が数百万の超高分子量ポリエチレン(以下、UHMWPEと略称する。)
▲3▼ 高分子量ポリオレフィンと潤滑油とからなり、潤滑油の含有量を50〜80重量%とした微小孔構造ポリマ潤滑材(特公昭47−3455号公報及び米国潤滑学会誌 Lubrication Engineering, 38, 12 (1982) 758. 参照。)
なお、ガンプラ(住友電気工業株式会社の登録商標)等の含油プラスチックが市販されている。しかし、市販の含油プラスチックの潤滑油含有量は10重量%前後で含有量が少なく、且つ、動摩擦係数が0.1〜0.2と大きいため、適切な材質ではない。一方、上記の微小孔構造ポリマ潤滑材は、潤滑油含有量が多く、且つ、動摩擦係数が0.03〜0.08と小さい(JIS K 7218 プラスチックの滑り摩耗試験方法による。)。
【0034】
具体的には、環状体5の材質を微小孔構造ポリマ潤滑材とし、ねじ溝シール部材6,7の材質をPTFE又はUHMWPEとすることが好適である。この理由は、
(1)環状体5の方の体積が大きいから、潤滑油の供給が豊富で且つ供給能力を長時間保持できる。
(2)環状体5の内周面5aから滲み出した潤滑油はねじ軸外周面1aからねじ溝1b,1cへ伝うから、内周面5aと外周面1aとの間、およびねじ溝シール部材6,7の突部6a,7aとねじ溝面1b,1cとの間を油膜接触させることができる。無論、ねじ溝シール部材6,7の内面6g,7gと外周面1aとの間も油膜接触させることができる。
からである。
なお、バイトによる旋削加工より金型成形の方が精確な形状を得ることができ且つ材料の無駄がないから、ねじ溝シール部材6,7の材質も微小孔構造ポリマ潤滑材とすることがより好ましい。
【0035】
次に、組立方法を時系列的に説明する。
環状体5にねじ軸1を遊挿しておく。適当な位置を選択後、ねじ溝シール部材6,7が対向する位置関係となるようにして、その突部6a,7aをねじ溝1b,1c内に嵌合する。ねじ溝シール部材6,7外面の円弧状凹溝6h,7hにガータスプリング8を嵌入する。この位置に環状体5を移動後、ねじ溝シール部材6,7を半径方向切欠部5c,5dに嵌装するとともに環状凹部5bにガータスプリング8を嵌入して、環状凹部5bの内側面5e及びねじ溝シール部材6,7にガータスプリング8を巻着する。なお、ガータスプリング8は凹溝6h,7hで位置決めされているから、ずれて外れることはない。そして、環状体5の外周面に形成した環状凹溝5hにOリング9を巻着した後、この環状体5をボールナット2の開口端部に設けた凹段部4に嵌着する。シール部材6,7の抜け落ちを防止するため、プラスチックからなる環状プレート10を凹段部4に嵌入後、環状溝4aに止め輪11を挿嵌する。最後に、止めねじ12で環状体5をボールナット2に固定する。同様にして、ボールナット2の他方の開口端部にも環状体5を嵌着する。
なお、この実施形態では止め輪11を用いたが、環状体5と環状プレート10とを凹凸スナップフィット係合またはねじ締着すれば(図示せず。)、環状溝4a及び止め輪11は不要となる。
【0036】
次に、図11及び図12を参照して、作用を説明する。なお、ねじ溝シール部材7の作用はねじ溝シール部材6と同様なので、その説明は省略する。
(1)ガータスプリング8の締付力で、突部6aの両端に設けた接触部6b,6cがねじ溝面1bに接触してシールするとともに、内面6gがねじ軸外周面1aに接触してシールする。また、非接触部6dを設けたから、突部6aとねじ溝1bとの接触面積が減じて接触回転による摩擦熱が少なくなる。
(2)突部6aの一方の端面6eは、ねじ溝1bに付着した粉塵を掻き取るスクレーパの役割を果たす。他方の端面6fは、ボールの転動によってボールナット2の端部に押しやられた潤滑剤(グリース又は潤滑油)の外部への漏出を防止するとともともに、ねじ軸1(又はボールナット2)が反転した際に押しやられた潤滑剤を空間部3に押し戻す役割を果たす。
(3)ガータスプリング8の締付力で内側肉厚部5fが内方へ弾性変形するから、内周面5aがねじ軸外周面1aに接触する。換言すれば、内周面5aと外周面1aとの間の隙間mが閉塞され、外周面1aがシールされる。
(4)内周面5aの切欠凹所5gは外周面1aに付着した粉塵を掻き取るとともに、掻き取った粉塵をボールナット2の外部に連続的に排出して粉塵が外周面1aに留まることを防止する。また、多数の切欠凹所5gを設けることにより、内周面5aと外周面1aとの接触面積が減じて接触回転による摩擦熱が少なくなる。さらに、ガータスプリング8の締付力による内側肉厚部5fの内方への弾性変形が容易になる。
【0037】
(5)環状体5及び/又はねじ溝シール部材6,7の材質を微小孔構造ポリマ潤滑材としたから、微小孔構造ポリマ潤滑材から潤滑油が滲み出して、ねじ軸外周面1a及びねじ溝1b,1cとの接触が油膜接触になる。このため、接触抵抗(摩擦力)が小さくなり、ボールねじの作動トルクが大きくなることを抑制できる。また、接触回転による摩擦熱が少なくなる。
(6)特に、環状体5の材質を微小孔構造ポリマ潤滑材とすることにより、潤滑油の供給が豊富で且つ供給能力を長時間保持できる。
【0038】
前記第1実施形態は2条ねじの場合を例示したが、1条ねじの場合は、半径方向切欠部5c,5dの何れか一方に図13に示す外周面シール部材13を嵌装すればよい。なお、ねじ溝シール部材を半径方向切欠部5dに嵌装すれば掻き取った粉塵が落下し易いので、半径方向切欠部5cに外周面シール部材13を嵌装することが好ましい。
次に、外周面シール部材13の構成を説明する。
外周面シール部材13の内面13aは、ねじ軸外周面1aに沿い且つ突部を設けない平滑面になっている。また、外面には、ガータスプリング8を位置決め且つ巻着するための円弧状の凹溝13bが形成されている。
【0039】
3条ねじの場合は、図14に示すように、3等配とした半径方向切欠部5p,5q,5rを設け、この半径方向切欠部5p,5q,5rに各ねじ溝をシールするねじ溝シール部材を嵌装する。
また、4条ねじ以上の場合は、図14と同様に、ねじ条数に対応した半径方向切欠部を等配となるように設ける。そして、各半径方向切欠部に、対応するねじ溝をシールするねじ溝シール部材を嵌装する。
その他の構成及び作用は前記第1実施形態と同様であるので、その説明は省略する。
【0040】
図15及び図16に、本発明の第2実施形態を示す。この第2実施形態は、前記第1実施形態の変形態様である。なお、前記第1実施形態と同一又は相当部分には同一符号を付して、その説明は省略する。
前記第1実施形態との相違点は、容積を大きくした環状凹部5bに潤滑油含浸フェルト14を充填するとともに、環状凹部5bの内側面5eに潤滑油含浸フェルト14からねじ軸外周面1aへの潤滑油供給孔15を設けたことである。
次に、上記の構成にする理由を説明する。
本発明では、環状体5及び/又はねじ溝シール部材6,7の材質を微小孔構造ポリマ潤滑材としている。
しかし、前記米国潤滑学会誌に記載されているように(特に、第760頁参照。)、微小孔構造ポリマ潤滑材は、
▲1▼樹脂分の多孔質構造は非常に微細(μmオーダー)で、油分の表面張力により毛細管現象が生じる。毛細管現象は、潤滑剤表面の油膜厚さを一定にしようと働く。すなわち、表面の油膜が除去されると、内部から油分が滲み出す。
▲2▼表面が余剰な油分で満たされていると、内部の油分量が飽和するまで吸収する作用を有する。すなわち、一度流出した油分を再び微小孔構造ポリマ潤滑材に吸収し貯蔵する。
という特性を有している。このため、微小孔構造ポリマ潤滑材から潤滑油が滲み出して消費されると、潤滑油供給手段が無ければ、潤滑油が枯渇して油膜を介して接触しなくなる。すなわち、接触回転による摩擦熱が大きくなってねじ軸が伸び、位置決め精度不良が発生するという問題が発生する。
【0041】
そこで、潤滑油を含浸させたフェルト14(空隙率50%前後の羊毛フェルトが好ましい。)を環状凹部5bに充填すれば、微小孔構造ポリマ潤滑材から潤滑油が滲み出して消費されるにつれ、フェルト14に含浸されている潤滑油が微小孔構造ポリマ潤滑材に補給されていく。従って、さらに長時間に亘って微小孔構造ポリマ潤滑材から潤滑油が滲み出す。
また、環状体内周面5aとねじ軸外周面1aとの間に油膜が形成されているが、潤滑量が不足するときは、潤滑油供給孔15を介してフェルト14に含浸されている潤滑油が毛細管現象によってねじ軸外周面1aに補助供給される。
なお、環状体5及びねじ溝シール部材6,7の材質をPTFE又はUHMWPEとした場合も、潤滑油供給孔15を介してフェルト14に含浸されている潤滑油が毛細管現象によってねじ軸外周面1aに供給されるから、油膜接触にすることができる。
【0042】
図17及び図18に、本発明の第3実施形態を示す(但し、ねじ溝シール部材の突部形状は左ねじの場合を示す。)。この第3実施形態も、前記第1実施形態の変形態様である。なお、前記第2実施形態と同様に、前記第1実施形態と同一又は相当部分には同一符号を付して、その説明は省略する。
環状体5の内周面5aに、環状の凹段部16が形成されている。この環状凹段部16に、ねじ溝シール部材6,7と、このねじ溝シール部材6,7と相俟って環状組立体を形成する分割部材17,18とが内挿される。この分割部材17,18の内面17a,18aには、前記第1実施形態の符号5gに相当する切欠凹所17c,18cが形成されている。そして、ねじ溝シール部材6,7と分割部材17,18の外面17b,18bとに、ガータスプリング8が巻着される。その結果、ねじ溝シール部材6,7がねじ溝1b,1cをシールするとともに、分割部材17,18の内面17a,18aがねじ軸外周面1aをシールする。
また、前記第2実施形態と同様に、環状凹段部16とねじ溝シール部材6,7及び分割部材17,18とからなる空間部19に潤滑油含浸フェルトを充填するとともに、潤滑油含浸フェルトからねじ軸外周面1aへの潤滑油供給孔を分割部材17,18に設けてもよい。
なお、ねじ溝シール部材6,7と分割部材17,18とからなる環状組立体の回転を防止するため、環状体5と分割部材17,18はピン等の連結部材を介して連結される(図示せず。)。
【0043】
【発明の効果】
請求項1又は2の発明によれば、ねじ軸のねじ溝と外周面とを個別にシールできるから、従来のシール部材又はシール装置より防塵性を高めることができる。また、シール部材を長くする必要がないから、現状のボールナットで多条ねじに対応することができる。
【0044】
請求項3又は4の発明によれば、ねじ溝シール部材の突部とねじ溝との接触面積を減じることができるから、接触回転による摩擦熱を少なくすることができる効果がある。
【0045】
請求項5の発明によれば、突部の一方の端面は、ねじ溝に付着した粉塵を掻き取るスクレーパの役割を果たす。また、他方の端面は、ボールの転動によってボールナットの端部に押しやられた潤滑剤の外部漏出を防止するとともに、ねじ軸(又はボールナット)が反転した際に潤滑剤をボールナット内に押し戻す役割を果たす。
【0046】
請求項6又は7の発明によれば、環状凹部の内側面又は分割部材の弾性変形が容易になるから,環状体内周面又は分割部材内面とねじ軸外周面との接触がより強固になる。
また、環状体内周面又は分割部材内面とねじ軸外周面との接触面積を減じることができるから、接触回転による摩擦熱を少なくすることができる。
【0050】
請求項2又は8の発明によれば、環状体又は分割部材が微小孔構造ポリマ潤滑材からなる場合、この微小孔構造ポリマ潤滑材から潤滑油が滲み出して消費されるにつれ、フェルトに含浸されている潤滑油が微小孔構造ポリマ潤滑材に補給されていく。従って、さらに長時間に亘って、微小孔構造ポリマ潤滑材から潤滑油を滲み出させることができる。
【0051】
そして、請求項9又は10の発明によれば、フェルトに含浸されている潤滑油が、毛細管現象によってねじ軸外周面に供給される。このため、環状体内周囲面又は分割部材内面とねじ軸外周面とが油膜接触するから、接触回転による摩擦熱及びボールねじの作動トルクの増加を抑制することができる。また、環状体又は分割部材が微小孔構造ポリマ潤滑材からなる場合、潤滑油が滲み出してねじ軸外周面との間に油膜を形成するが、潤滑量が不足するときは潤滑油を補助供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態の縦断面図。
【図2】 図1に示す環状体の斜視図。
【図3】 図2の3−3線断面図。
【図4】 図3の変形例を示す断面図。
【図5】 図2の変形例を示す正面図。
【図6】 図1のねじ溝シール部材の斜視図。
【図7】 図6の正面図。
【図8】 図6の下面図。
【図9】 図1のガータスプリングの正面図。
【図10】 図1の環状プレートの斜視図。
【図11】 図1の11−11線断面図。
【図12】 図1の環状体の内周面とねじ軸外周面との接触状態を示す要部断面図。
【図13】 1条ねじに適用される外周面シール部材の斜視図。
【図14】 3条ねじに適用される環状体の正面図。
【図15】 本発明の第2実施形態の正面図。
【図16】 図15の16−16線断面図。
【図17】 本発明の第3実施形態の分解斜視図。
【図18】 図17の分割部材の内面とねじ軸外周面との接触状態を示す要部断面図。
【図19】 第1従来例の縦断面図。
【図20】 図19のシール部材の斜視図。
【図21】 第2従来例の縦断面図。
【図22】 図21のシール部材の斜視図。
【図23】 第3従来例のシールリングの斜視図。
【図24】 第3従来例のシール部材の斜視図。
【図25】 図24のシール部材を装着したシールリングの斜視図。
【図26】 第3従来例の縦断面図。
【図27】 図21のシール部材の問題点を示す斜視図。
【図28】 現物合わせシール部材とねじ軸外周面及びねじ溝との接触状態を示す要部断面図。
【図29】 現物合わせシール部材の問題点を示す要部断面図。
【図30】 現物合わせシール部材の問題点を示す要部断面図。
【図31】 図26のシール装置の問題点を示す要部断面図。
【図32】 図31の32−32線断面図。
【符号の説明】
1 ねじ軸
1a 外周面
1b,1c ねじ溝
2 ボールナット
4 凹段部
5 環状体
5a 内周面
5b 環状凹部
5c,5d 半径方向切欠部
5e 内側面
5g 切欠凹所
6,7 ねじ溝シール部材
6a 突部
6b,6c 接触部
6d 非接触部
6e,6f 突部の端面
8 ガータスプリング
14 潤滑油含浸フェルト
15 潤滑油供給孔
16 環状凹段部
17,18 分割部材
17a,18a 内面
17c,18c 切欠凹所
19 空間部
Claims (10)
- ねじ軸が遊挿される内周面を有してボールナットの開口端部に嵌着される環状体の肉厚内に、環状凹部と該環状凹部に連通し且つ前記ねじ軸の外周面に開口する半径方向切欠部とを形成し、
該半径方向切欠部に前記ねじ軸の外周面に刻設されたねじ溝内に嵌合する突部を有するねじ溝シール部材を嵌装し、
該ねじ溝シール部材と前記環状凹部の内側面とに環状弾性体を巻着して、前記ねじ溝シール部材と前記環状体の内周面とを前記ねじ軸の外周面に押圧接触させたことを特徴とする、
ボールねじのシール装置。 - ねじ軸が遊挿される内周面を有してボールナットの開口端部に嵌着される環状体の前記内周面に環状凹段部を形成し、
前記ねじ軸の外周面に刻設されたねじ溝内に嵌合する突部を有するねじ溝シール部材と該ねじ溝シール部材と相俟って環状組立体を形成する分割部材とを前記環状凹段部に内挿し、
前記ねじ溝シール部材と前記分割部材とに環状弾性体を巻着して、前記ねじ溝シール部材と前記分割部材の内面とを前記ねじ軸の外周面に押圧接触させ、
前記環状凹段部と前記ねじ溝シール部材及び分割部材とからなる空間部に潤滑油含浸フェルトが充填されていることを特徴とする、
ボールねじのシール装置。 - 前記ねじ溝シール部材の突部が前記ねじ溝面と摺接する接触部と非摺接の非接触部とからなる、請求項1又は2のボールねじのシール装置。
- 前記接触部を前記突部の両端に設けた、請求項3のボールねじのシール装置。
- 前記突部の両端に前記ねじ溝直角断面と相補う形状の端面を設けた、請求項3又は4のボールねじのシール装置。
- 前記環状体内周面の前記ねじ軸外周面との接触部に複数の切欠凹所を設けた、請求項1,3,4又は5のボールねじのシール装置。
- 前記分割部材の内面に切欠凹所を設けた、請求項2から5のボールねじのシール装置。
- 前記環状凹部に潤滑油含浸フェルトが充填されている、請求項1のボールねじのシール装置。
- 前記潤滑油含浸フェルトから前記ねじ軸外周面への潤滑油供給孔を前記環状凹部の内側面に設けた、請求項8のボールねじのシール装置。
- 前記潤滑油含浸フェルトから前記ねじ軸外周面への潤滑油供給孔を前記分割部材に設けた、請求項2のボールねじのシール装置。
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