JP5383802B2 - 蒸気圧縮サイクル装置 - Google Patents
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Description
近年、地球温暖化防止を図る観点から、一層の省エネルギー化、高効率化の要望が高まり、エコノマイザ手段を用いた二段圧縮インジェクションサイクルが注目され、より多様な用途やより広い地域に普及促進されている。
特に、非特許文献1には、二段圧縮インジェクションサイクルを、外気温の低い条件でヒートポンプ給湯運転する場合には、以下の(1)(2)の課題があることについての記載がある。
(1)圧縮機から吐出される冷媒の温度が異常に上昇する。
(2)圧縮機の吸入側の圧力Psと吐出側の圧力Pdとした場合の圧縮比(Pd/Ps)が高くなり、さらに高段側の圧縮部に圧縮比が偏るため圧縮機効率が低下する。
そして、非特許文献1には、外気温の低い条件でヒートポンプ給湯運転する場合に圧縮機の中間連結部にガス(ガス気味に)インジェクションすると以下の(A)(B)の効果が得られることについての記載がある。
(A)圧縮機吐出温度の上昇が抑制される。
(B)中間圧が上昇し、低段側の圧縮部と高段側の圧縮部との圧縮比のバランスが改善されるため、圧縮機の効率が改善される。
特に、特許文献1には、圧縮機の最低容量時に容量を低減すべき指令信号が出力されたとき、あるいは、圧縮機吐出管温度が所定の設定値以上のときに、第2バイパス路を流れてインジェクションされるよう切替えることについての記載がある。
一般的な容積式の二段圧縮機を用いた二段圧縮インジェクションサイクルは、低圧縮比から高圧縮比までの広い圧縮機比範囲で稼動される。しかし、広い運転範囲で圧縮機の信頼性と効率が急激に低下しないように設計することは難しい。特に、低圧縮比の条件において低段圧縮部と高段圧縮部との圧縮比のバランスを改善することが難しい。
なお、一般的な容積式の二段圧縮機では、低段圧縮部と高段圧縮部との圧縮比のバランスを改善することが、圧縮機効率と信頼性の観点で重要である。
予め排除容積が決定された圧縮部を有する圧縮機と、凝縮器と、主減圧機構と、蒸発器とを順次接続した主冷媒回路と、
前記主冷媒回路の前記凝縮器と前記主減圧機構との間で分配された冷媒を、前記圧縮機において冷媒が中間圧となる中間圧部へ注入するように接続したインジェクション回路であって、所定の乾き度よりも乾き度の高い乾き冷媒を前記中間圧部へ注入するための第1流路と、前記所定の乾き度よりも乾き度の低い湿り冷媒を前記中間圧部へ注入するための第2流路とに分岐したインジェクション回路と、
前記インジェクション回路へ分配された冷媒を、前記第1流路と前記第2流路とのいずれの流路を介して前記中間圧部へ注入させるかを選択的に切り替える切替部と、
前記中間圧部における冷媒の圧力が所定の圧力よりも高い場合に、前記第2流路を介して前記中間圧部へ注入させるように前記切替部を制御する制御部と
を備えることを特徴とする。
以下の説明において、ガス冷媒(乾き冷媒)とは、乾き度1のガス冷媒だけでなく、例えば乾き度0.5以上のいわゆるガス気味の冷媒をも含む。また、液冷媒(湿り冷媒)とは、乾き度0の液冷媒だけでなく、例えば乾き度0.5未満(特に0.2以下あるいは0.1以下が望ましい)のいわゆる液気味の冷媒をも含む。
図1は、実施の形態1に係る蒸気圧縮サイクル装置の構成図である。なお、図1において、破線矢印は、冷媒の流れを示す。
実施の形態1に係る蒸気圧縮サイクル装置は、凝縮器6を室外機側に、蒸発器8を冷却利用側(室内機側)に配置し、蒸気圧縮冷凍サイクルを利用した冷凍冷蔵装置、あるいは、冷房専用空調機である。
二段圧縮機10は、予め排除容積が決定された2つの圧縮部が中間連結部3(中間圧部)により直列に接続され密閉シェル4内に配置されている。つまり、二段圧縮機10は、吸入マフラ5を介して低圧の冷媒を吸入し、吸入した低圧の冷媒を中間圧まで圧縮する低段圧縮部1と、中間圧の冷媒を高圧まで圧縮する高段圧縮部2とが中間連結部3により直列に連結された圧縮機である。
インジェクション回路11には、インジェクション減圧回路12とHIC熱交換器13とが順次接続される。インジェクション減圧回路12は、分岐点17で分配された液冷媒を減圧する。HIC熱交換器13は、主冷媒回路9の凝縮器6と主減圧機構7との間を流れる液冷媒と、分岐点17で分配されインジェクション減圧回路12で減圧された液冷媒とを熱交換する。つまり、HIC熱交換器13は、インジェクション減圧回路12による冷媒の減圧効果に基づき冷凍能力を増大させるエコノマイザである。そして、HIC熱交換器13で熱交換された結果、分岐点17で分配されインジェクション減圧回路12で減圧された液冷媒はガス冷媒となり、中間連結部3へ注入される。
すなわち、蒸気圧縮サイクル装置は、エコノマイザサイクルを構成する。
すなわち、四方弁14は、インジェクション減圧回路12で減圧された液冷媒を、HIC熱交換器13でガス冷媒にして中間連結部3へ注入するか、液冷媒のまま中間連結部3へ注入するかを切替える。ここで、四方弁14によって切替えられる2つの流路のうち、HIC熱交換器13を経由する流路(図1において、四方弁14の実線部及びHIC熱交換器13を経由する流路)を第1流路15と呼び、HIC熱交換器13を経由しない流路(図1において、四方弁14の破線部)を第2流路16と呼ぶ。つまり、インジェクション回路11は、この第1流路15と第2流路16との2つの流路に分岐している。
圧力センサ20mは、インジェクション減圧回路12と中間連結部3との間における圧力を検出する。圧力センサ20sは、蒸発器8と吸入マフラ5との間における圧力を検出する。圧力センサ20dは、二段圧縮機10と凝縮器6との間における圧力を検出する。
なお、ここでは、圧力センサ20m、圧力センサ20s、圧力センサ20dにより、各部の圧力を検出するものとして説明するが、HIC熱交換器13、蒸発器8、凝縮器6で熱交換する冷媒の温度を測定し、使用する冷媒の物性値から圧力を推定し、中間圧Pm、吸入圧Ps、吐出圧Pdを求めてもよい。
次に、制御部30による四方弁14の切り替え制御について説明する。
蒸気圧縮サイクル装置では、室内と室外の温度差が大きい場合、すなわち、圧縮比(Pd/Ps)が大きい場合、中間連結部3へガス冷媒を注入するエコノマイザを用いる。そのため、圧縮比(Pd/Ps)が大きい場合において、中間連結部3へガス冷媒を注入した場合に、中間圧Pmが上昇して最適値に近づくように、排除容積比(高段圧縮部2の排除容積V2/低段圧縮部1の排除容積V1)を設計する。つまり、そのような排除容積比となるように、低段圧縮部1と高段圧縮部2との排除容積を設計する。
しかし、この排除容積比のままで、室内と室外の温度差が小さい場合、すなわち、圧縮比(Pd/Ps)が小さい場合、低段側に圧縮が偏ってしまう。
そこで、制御部30は、以下に示す制御基準例1〜3に該当する場合には、四方弁14を切り替えて中間連結部3へ液冷媒を注入することにより、中間圧Pmを下げる。これにより、低段側に圧縮が偏ることを防止する。
圧力センサ20m,20s,20dにより検出した中間圧Pm、吸入圧Ps、吐出圧Pdが、
Pm>(Ps×Pd)0.5
の関係の場合。
なお、上記基本式「Pm>(Ps×Pd)0.5」は、所定の補正値a,bにより、「Pm>a((Ps×Pd)0.5)+b」と補正される場合もある。
圧力センサ20m,20dにより検出した中間圧Pm、吐出圧Pdが、
Pm≧Pd
の関係の場合。
なお、上記基本式「Pm≧Pd」は、所定の補正値a,bにより、「Pm>a(Pd)+b」と補正される場合もある。
特に、二段圧縮機としてローリングピストン方式等の圧縮機を用いた場合には、高段圧縮部2のシリンダ内では過圧縮と、ベーンがローリングピストンから離れてしまうベーン跳びを繰り返す不安定な状態となる。その結果、圧縮機効率が著しく低下する。さらに、ベーンが、ローリングピストンと離脱して、ローリングピストンへ衝突することを繰り返すチャタリング現象により、圧縮機の耐久性の低下と騒音発生の原因になる。
そこで、四方弁14を切替えて、第2流路16から液冷媒を注入することにより、中間圧Pmを下げる。中間圧Pmが下がる分、圧縮機が安定動作可能な運転範囲を広げることができ、信頼性が向上できる。
なお、制御基準例2に基づく制御を行う場合には、吸入圧Psを検出する必要はない。したがって、制御基準例2に基づく制御のみを行う場合には、蒸気圧縮サイクル装置は圧力センサ20sを備える必要はない。
圧力センサ20s,20dにより検出した吸入圧Ps、吐出圧Pdが、
Pd≦Ps×(V1/V2)ns(=Pm_i)
(V1:低段圧縮部1の排除容積,V2:高段圧縮部2の排除容積,ns:冷媒の等エントロピ指数)
の関係の場合。
なお、上記基本式「Pd≦Ps×(V1/V2)ns」は、所定の補正値a,bにより、「Pm>a(Ps×(V1/V2)ns)+b」と補正される場合もある。
そこで、この場合にも、四方弁14を切替えて、第2流路16から液冷媒を注入することにより、中間圧Pmを下げる。中間圧Pmが下がる分、圧縮機が安定動作可能な運転範囲を広げることができ、信頼性が向上する効果が得られる。
なお、制御基準例3に基づく制御を行う場合には、中間圧Pmを検出する必要はない。したがって、制御基準例3に基づく制御のみを行う場合には、蒸気圧縮サイクル装置は圧力センサ20mを備える必要はない。
中間圧Pmが吐出圧Pdよりも高くなると(Pm≧Pd)、制御基準例2で説明したように、圧縮機効率の著しい低下と、圧縮機の耐久性の低下とを引き起こす。そこで、中間圧Pmが吐出圧Pdよりも高くなった場合に、逆止弁回路19へ冷媒を流す。つまり、高段圧縮部2をバイパスして、中間連結部3から二段圧縮機10の吐出側へ冷媒を流す。これにより、高段圧縮部2による過圧縮等の圧縮機損失が改善される。また、高段圧縮部2における圧縮動作が不安定になることを抑制でき、信頼性の向上を図ることができる。
図2は、実施の形態2に係る蒸気圧縮サイクル装置の構成図である。なお、図2において、実線矢印は、冷媒の流れを示す。
実施の形態2に係る蒸気圧縮サイクル装置について、実施の形態1に係る蒸気圧縮サイクル装置と異なる部分のみ説明する。
これに対して、実施の形態2に係る蒸気圧縮サイクル装置は、HIC熱交換器13における冷媒の温度を測定する温度センサ21hと、蒸発器8における冷媒の温度を測定する温度センサ21eと、凝縮器6における冷媒の温度を測定する温度センサ21cを備える。なお、温度センサ21hは、インジェクション回路11側を流れる冷媒の温度を測定する。制御部30は、温度センサ21h,e,cにより測定した温度と、冷媒の物性値から、それぞれ中間圧Pm、吸入圧Ps、吐出圧Pdを推定する。そして、制御部30は、推定した中間圧Pm、吸入圧Ps、吐出圧Pdに基づき、実施の形態1と同様に、四方弁14の切り替え制御を行う。
図3は、実施の形態3に係る蒸気圧縮サイクル装置の構成図である。なお、図3において、破線矢印は冷房運転時における冷媒の流れを示し、実線矢印は暖房運転時における冷媒の流れを示す。
実施の形態3に係る蒸気圧縮サイクル装置について、実施の形態1に係る蒸気圧縮サイクル装置と異なる部分のみ説明する。
そのため、実施の形態3に係る蒸気圧縮サイクル装置は、室外側熱交換器26、室内側熱交換器28と冷暖を切替えるための四方弁24を備える。四方弁24は、暖房用途の場合には、実線で示した暖房用回路24aに切替えられ、冷房用途の場合は破線で示した冷房用回路24bに切替えられる。
熱回収型レシーバー25は、2つの減圧機構の間に接続されるとともに、二段圧縮機10の吸入側に接続される。
2つの減圧機構のうち1つの減圧機構は、室内側熱交換器28と熱回収型レシーバー25の間に設けられた第1主減圧機構27であり、もう1つの減圧機構は、室外側熱交換器26とHIC熱交換器13の間に設けられた第2主減圧機構29である。そして、暖房用途の場合は第1主減圧機構27、第2主減圧機構29の順に2段膨張を行い、冷房用途の場合は第2主減圧機構29、第1主減圧機構27の順に2段膨張を行う。
高圧側の凝縮器の熱は、HIC熱交換器13、または、熱回収型レシーバー25で回収されるので、サブクールを大きくとることができる。さらに、熱回収型レシーバー25で回収した熱により、二段圧縮機10の吸入側のスーパヒートを大きくとることができる。したがって、実施の形態3に係る蒸気圧縮サイクル装置は、暖房運転に有利な回路となっている。
図4は、実施の形態4に係る蒸気圧縮サイクル装置の構成図である。なお、図4において、破線矢印は冷媒の流れを示す。
実施の形態4に係る蒸気圧縮サイクル装置について、実施の形態1に係る蒸気圧縮サイクル装置と異なる部分のみ説明する。
ここで、圧縮比(Pd/Ps)が大きい場合、分離されたガス冷媒を第1流路15を経由して中間連結部3へ注入する。また、分離された液冷媒は、中間連結部3へ注入されることなく、合流点22で主冷媒回路9へ合流する。
一方、圧縮比(Pd/Ps)が小さい場合、特に実施の形態1で説明した制御基準例1〜3を満たす場合には、分離された液冷媒を第2流路16を経由して中間連結部3へ注入する。また、分離されたガス冷媒は、中間連結部3へ注入されることなく、合流点22で主冷媒回路9へ合流する。
図5は、実施の形態5に係る蒸気圧縮サイクル装置の構成図である。なお、図5において、破線矢印は冷媒の流れを示す。
実施の形態5に係る蒸気圧縮サイクル装置について、実施の形態4に係る蒸気圧縮サイクル装置と異なる部分のみ説明する。
一方、圧縮比(Pd/Ps)が小さい場合、特に実施の形態1で説明した制御基準例1〜3を満たす場合には、凝縮器6で凝縮された液冷媒は、第2主減圧機構29で減圧され、四方弁14から第2流路16を経由して中間連結部3へ注入される。
以上の実施の形態に係る蒸気圧縮サイクル装置は、低圧の冷媒を中間圧まで圧縮する低段圧縮部と、中間圧の冷媒を高圧まで圧縮する高段圧縮部とを中間圧部で直列に連結して、低段排除容積と高段排除容積との比率が組込まれる圧縮機を、凝縮器、主減圧機構及び蒸発器と順次接続してなる主冷媒回路を形成し、前記主冷媒回路の凝縮器と主減圧機構との間で分配される液冷媒の一部が前記主減圧機構及び蒸発器をバイパスして、前記圧縮機の中間圧部に注入するよう接続した第1インジェクション回路(第1流路15)と、前記第1インジェクション回路を流れる冷媒の減圧効果により冷房能力及び暖房能力を増大させるエコノマイザ手段を備えた蒸気圧縮サイクル装置において、
前記第1インジェクション回路のエコノマイザ手段をバイパスして前記主冷媒回路の液冷媒の一部を前記圧縮機の中間圧部に流入させる第2インジェクション回路(第2流路16)と、前記第1インジェクション回路側と前記第2インジェクション回路側とに選択的に切替える手段を備え、前記中間圧部、前記第1インジェクション回路及び前記第2インジェクション回路を構成する配管のうちでバイパス減圧機構から中間圧部に至る部位に圧力センサを設置し、検知した出力により前記中間圧部の圧力が所定の設定圧力以上であるときに前記液冷媒の一部が第2インジェクション回路側を流れるように前記切替える手段を制御することを特徴とする。
Pm>(Ps×Pd)0.5
の関係が成り立つとき、前記液冷媒の一部が第2インジェクション回路側に流れるように、前記切替える手段、及び、制御機能を備えたことを特徴とする。
Pm≧Pd
の関係が成り立つとき、前記液冷媒の一部が第2インジェクション回路側に流れるように、前記切替える手段、及び、制御機能を備えたことを特徴とする。
前記第1インジェクション回路のエコノマイザ手段をバイパスして前記主冷媒回路の液冷媒を前記圧縮機の中間圧部に流通させる第2インジェクション回路(第2流路16)と、前記主冷媒回路の前記液冷媒の一部を前記圧縮機の中間圧部にバイパスさせる経路を第1インジェクション回路側と第2インジェクション回路側とに選択的に切替える手段を備え、前記圧縮機の吸入側及び吐出側に圧力センサを取り付けて、検出した吸入圧Ps、吐出圧Pdが
Pd≦Ps×(V1/V2)ns
の関係が成り立つとき、前記液冷媒の一部が第2インジェクション回路側に流れるように、前記切替える手段、及び、制御機能を備えたことを特徴とする。
Claims (8)
- 吸入圧Psの冷媒を所定の排除容積分吸入し中間圧Pmまで圧縮する低段圧縮部と中間圧Pmの冷媒を所定の排除容積分吸入し吐出圧Pdまで圧縮する高段圧縮部とを直列に接続し二段階に圧縮する圧縮機と、凝縮器と、主減圧機構と、蒸発器とを順次接続した主冷媒回路と、
前記主冷媒回路の前記凝縮器と前記主減圧機構との間で分配された冷媒を、前記圧縮機において冷媒が中間圧となる中間圧部へ注入するように接続したインジェクション回路であって、所定の乾き度よりも乾き度の高い乾き冷媒を前記中間圧部へ注入するための第1流路と、前記所定の乾き度よりも乾き度の低い湿り冷媒を前記中間圧部へ注入するための第2流路とに分岐したインジェクション回路と、
前記インジェクション回路へ分配された冷媒を、前記第1流路と前記第2流路とのいずれの流路を介して前記中間圧部へ注入させるかを選択的に切り替える切替部と、
前記中間圧部における冷媒の圧力が所定の圧力よりも高い場合に、前記第2流路を介して前記中間圧部へ注入させるように前記切替部を制御して前記中間圧を下げる制御部と
を備えることを特徴とする蒸気圧縮サイクル装置。 - 前記制御部は、前記中間圧部の冷媒の圧力Pmと、前記圧縮機の吸入側の冷媒の圧力Psと、前記圧縮機の吐出側の冷媒の圧力Pdとが、Pm>(Ps×Pd)0.5である場合に、前記第2流路へ冷媒が流れるように前記切替部を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の蒸気圧縮サイクル装置。 - 前記制御部は、前記中間圧部の冷媒の圧力Pmと、前記圧縮機の吐出側の冷媒の圧力Pdとが、Pm≧Pdである場合に、前記第2流路へ冷媒が流れるように前記切替部を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の蒸気圧縮サイクル装置。 - 吸入圧Psの冷媒を所定の排除容積分吸入し中間圧Pmまで圧縮する低段圧縮部と中間圧Pmの冷媒を所定の排除容積分吸入し吐出圧Pdまで圧縮する高段圧縮部とを直列に接続し二段階に圧縮する圧縮機と、凝縮器と、主減圧機構と、蒸発器とを順次接続した主冷媒回路と、
前記主冷媒回路の前記凝縮器と前記主減圧機構との間で分配された冷媒を、前記圧縮機において冷媒が中間圧となる中間圧部へ注入するように接続したインジェクション回路であって、所定の乾き度よりも乾き度の高い乾き冷媒を前記中間圧部へ注入するための第1流路と、前記所定の乾き度よりも乾き度の低い湿り冷媒を前記中間圧部へ注入するための第2流路とに分岐したインジェクション回路と、
前記インジェクション回路へ分配された冷媒を、前記第1流路と前記第2流路とのいずれの流路を介して前記中間圧部へ注入させるかを選択的に切り替える切替部と、
2つの圧縮部のうち低段側の圧縮部の排除容積をV1、高段側の圧縮部の排除容積をV2とし、冷媒の等エントロピ指数をnsとした場合に、前記圧縮機の吸入側の冷媒の圧力Psと、前記圧縮機の吐出側の冷媒の圧力Pdとが、Pd≦Ps/(V2/V1)nsである場合に、前記第2流路へ冷媒が流れるように前記切替部を制御する制御部と
を備えることを特徴とする蒸気圧縮サイクル装置。 - 前記切替部は、四方弁である
ことを特徴とする請求項1又は4に記載の蒸気圧縮サイクル装置。 - 前記蒸気圧縮サイクル装置は、さらに
前記中間圧部と前記圧縮機の吐出側とを接続し、前記圧縮機の吐出側から前記中間圧部側へ冷媒が流れることを防ぐ逆止弁を有する逆止弁回路
を備えることを特徴とする請求項1又は4に記載の蒸気圧縮サイクル装置。 - 前記制御部は、前記第2流路を介して前記湿り冷媒を前記中間圧部へ注入させることにより、前記中間圧部の冷媒の圧力Pmを、前記圧縮機の吸入側の冷媒の圧力Psと、前記圧縮機の吐出側の冷媒の圧力Pdとから計算される(Ps×Pd)0.5に近づける
ことを特徴とする請求項1又は4に記載の蒸気圧縮サイクル装置。 - 前記圧縮機は、前記低段圧縮部と前記高段圧縮部とが、それぞれのシリンダ内を偏心回転するロータと、前記ロータに押し付けられたベーンにより前記シリンダ内を区画して圧縮室を形成し、冷媒を圧縮するローリングピストン式二段ロータリ圧縮機である
ことを特徴とする請求項1又は4に記載の蒸気圧縮サイクル装置。
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