JP6029382B2 - 空気調和装置 - Google Patents
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Description
冷房主体運転時には、暖房室内機と室外熱交換器が凝縮器として作用するため、凝縮能力が大きすぎて高圧が上がらず、低圧も低い状態でバランスされる。
通常、室内熱交換器は凍結しないことを前提に設計しているため、冷媒の温度が凍結危険域の0℃近傍に下がると、室内熱交換器が凍結するのを避けるために、冷房運転を停止する必要がある。その結果として、冷房主体運転時における冷房運転は断続的なものになり、冷房能力の低下を来たすことがある。オフィスをはじめとして顕熱機器が増加するのに伴い、年間を通じた冷房コストを下げたいという要望が強くなっている中で、冷房運転が断続的に行なわれることは避けたい。
そこで本発明は、冷房主体運転時において、継続的な冷房運転を確保できる冷暖フリー型の空気調和装置を提供することを目的としている。
室外機ユニットは、圧縮機と、外気と冷媒との間で熱交換を行う室外熱交換器とを備える。また、室内機ユニットは、室内の空気と冷媒との間で熱交換を行う室内熱交換器を備え、室外機ユニットに対してそれぞれが直列に接続される。
また、本発明の空気調和装置は、高圧ガス管と、低圧ガス管と、室内切替機構と、液管と、室外切換機構と、を備える。高圧ガス管は一端側が圧縮機の吐出側に接続され、低圧ガス管は一端側が圧縮機の吸入側に接続され、各々の他端側が室内切替機構に並列に接続される。この室内切替機構は、高圧ガス管と低圧ガス管の室内熱交換器への冷媒流路を切り替える。液管は室外熱交換器と複数の室内熱交換器とを接続する。室外切換機構は、室外熱交換器を、圧縮機から吐出された冷媒の凝縮器として機能させるか、膨張弁等で断熱膨張された冷媒の蒸発器として機能させるかを切り換える。
本発明は、以上の空気調和装置の基本的な構成に加えて、圧縮機と室外熱交換器を接続するガスディスチャージ機構を備える。
このガスディスチャージ機構は、空気調和装置が冷房主体運転を行っているときに、圧縮機が圧縮過程の途中の冷媒の一部を室外熱交換器に向けて吐出させる。圧縮機は、圧縮過程の途中まで圧縮機で吸入した全冷媒を圧縮する一方、圧縮過程の途中からはガスディスチャージ機構により吐出されていない残りの冷媒を圧縮して、吐出側から高圧ガス管に向けて吐出する。
図1に示すように、冷暖フリー型空気調和装置200(以下、単に空調装置200と称する)は、一台の室外機ユニット1と、各々が並列な複数の室内機ユニット3a〜3gと、これらを接続する高圧ガス管5、低圧ガス管7、および液管9を備えている。更に、互いに直列に接続される室外機ユニット1と複数の室内機ユニット3との間には、高圧ガス管5および低圧ガス管7の切り換えを行う分流コントローラ(接続切替機構)46a、46e、46f、46gが設けられている。図1において、符号100a、100e、100f、100gは、室内機ユニット3a,3e、3f、3gの運転を制御するリモートコントローラである。なお、複数の室内機ユニット3a〜3gを総称するときは、単に室内機ユニット3という。他の構成要素、例えば分流コントローラ46a〜46gについても同様である。
本実施形態にかかる空調装置200に用いられる冷媒としては、例えばR410Aが用いられる。このR410Aは、従来の冷媒であるR22、R407Cに比べて1.4倍(5℃)の密度を有し、1.6倍(5℃)の高圧が可能な高密度高圧冷媒とされており、高い冷凍能力を発揮し、圧力損失も少ないという利点を有する。
圧縮機10は、低圧の状態で導入された冷媒を圧縮して高圧ガス冷媒とし、吐出管17を介して高圧ガス管5へと吐出する。低圧の冷媒は吸入管18を介して低圧ガス管7から供給される。
圧縮機10は、圧縮機構と、圧縮機構を駆動するモータと、モータが発する駆動力を圧縮機構に伝達する駆動軸とがハウジング内に収容された密閉式構造となっている。本実施形態において圧縮機構は任意であるが、例えばロータリ式やスクロール式等の容積式の圧縮機構を用いることができる。なお、圧縮機10は、圧縮機構が一つの単段型圧縮機に限らず、単一のハウジング内に複数、例えば2つの圧縮機構を備える多段型圧縮機を採用することもできる。その例は後述する。
室外熱交換器12aの液側と室外熱交換器12bの液側とは、室外熱交換器12と室内熱交換器40a,40eとを接続する液管9の一部を構成する液冷媒分岐管9a、9bを通じて接続されている。液冷媒分岐管9aには室外熱交換器12aとレシーバ16の間に室外膨張弁11aが設けられ、また、液冷媒分岐管9aには室外熱交換器12bとレシーバ16の間に室外膨張弁11bが設けられている。室外膨張弁11a、11bは、暖房運転時に機能するものであり、例えば、電子膨張弁によって構成される。
室外機ユニット1内に位置する低圧ガス管7は、吸入管18を介して圧縮機10に接続されており、低圧ガス管7を通ってきた低温低圧の冷媒を圧縮機10に供給する。
室外熱交換器12a,12bは、室外四方弁14a,14bに接続される側の反対側に、液冷媒分岐管9a、9bを介して、液管9が接続されている。この室外機ユニット1内の液管9には、液冷媒を貯留するレシーバ16が設けられている。
ガスディスチャージ機構120は、一端が圧縮機10に接続され、他端が室外熱交換器12bと室外四方弁14bとの間を繋ぐ接続管15bに接続されるディスチャージ配管121と、ディスチャージ配管121上に設けられる開閉弁25と、接続管15b上に設けられる開閉弁26と、から構成される。
開閉弁25と開閉弁26は、圧縮過程のガス冷媒の一部を圧縮機10から室外熱交換器12bに向けて吐出するか否かを選択的に切り替える役割を果たす。暖房主体運転以外の運転時は、開閉弁25をOFF、開閉弁26をONにすることで、圧縮機10は吸入管18から吸入した低圧のガス冷媒を圧縮して吐出管17に向けて吐出する。ところが、冷房同時運転、かつ、冷房主体運転の場合には、開閉弁25をON、開閉弁26をOFFにすることで、圧縮過程の冷媒の一部をディスチャージ配管121に吐出して、室外熱交換器12bら供給する。ディスチャージ配管121に吐出された以外の残りの冷媒は、圧縮機10でさらに圧縮された後に、吐出管17に向けて吐出される。このように、圧縮機10は、圧縮過程の途中までは吸入した全冷媒を圧縮する一方、圧縮過程の途中からはガスディスチャージ機構120により吐出されていない残りの冷媒を圧縮して、吐出管17から高圧ガス管5に向けて吐出する。
各室内機ユニット3a,3eは、室内空気と熱交換を行う室内熱交換器40a、40eを備えている。室内熱交換器40a,40eは、室内空気と冷媒とを熱交換するものであり、通過する冷媒の状態に応じて、凝縮器または蒸発器として動作する。各室内熱交換器40a、40eにおいて、液管9側には、室内膨張弁42a、42eが設けられている。室内膨張弁42a、42eは、室内機ユニット3a,3eの冷房運転時に膨張弁として機能する。
室内機ユニット3a,3eには、室外機ユニット1との間に、高圧ガス管5および低圧ガス管7の切り換えを行う分流コントローラ46a,46eが設けられている。
全冷房全台運転:全ての室内機ユニット3において冷房運転モードが選択されるパターン
冷房主体運転:春季や秋季のような中間期であって、冷房運転を行う室内機ユニット3の台数が暖房運転を行う室内機ユニット3の台数よりも多いパターン。室外機ユニット1は冷房運転の状態をなし、室外熱交換器12は凝縮器として作用する。
全暖房全台運転:全ての室内機ユニット3において暖房運転が選択されているパターン。
暖房主体運転:暖房運転を行なう室内機ユニット3の台数が、冷房運転を行なう室内機ユニット3の台数よりも多い暖房主体のパターン。室外機ユニット1は暖房運転の状態をなし、室外熱交換器12は蒸発器として作用する。
冷暖バランス:室内機ユニット3の冷房運転をしている台数と暖房運転をしている台数が等しい冷暖バランス時に行われるパターン
冷房主体運転時における、空調装置200が備える各種弁の設定を以下に示しておく。なお、閉じられている(OFF)弁類は、図中、黒く塗りつぶされている。ただし、冷房主体運転の全期間に亘り下記のようにすることを必須とするものではなく、後述する判定基準に基づいて各種弁の動作を制御できることはいうまでもない。
室外機ユニット1
室外四方弁14a : 高圧ガス管5と室外熱交換器12aとを連通
室外四方弁14b : 吐出管17と室外熱交換器12bとを連通
開閉弁25 : ON
開閉弁26 : OFF
室内機ユニット3
室内機ユニット3a : 開閉弁47A;ON 開閉弁47a;OFF
室内機ユニット3e : 開閉弁47E;OFF 開閉弁47e;ON
この空調装置201によれば、冷房主体運転以外のモードで運転しているときには、圧縮機110は吸入管8から吸入した低圧冷媒を一段目圧縮機構111で圧縮し、二段目圧縮機構112に移行する吐出冷媒(中間圧冷媒)の一部がディスチャージ配管121を介して室外熱交換器12bに向けて流れる。二段目圧縮機構112では、残余の冷媒を圧縮して吐出管17から吐出する。こうして、空調装置201も空調装置200と同様の効果を奏することができる。
(1)空調装置200,201が、外気温度を検知する温度検知手段を備えるとともに、外気温度が5℃を下回るときに、冷房室内機(室内機ユニット3a)の凍結防止のための回路を使用する。ここでいう凍結防止のための回路とは、ガスディスチャージ機構120が該当する。以下も同様である。
(2)空調装置200,201が、冷房室内機(室内機ユニット3a)の蒸発温度を検知する手段を備えるとともに、蒸発温度が2℃を下回ったときに冷房室内機の凍結防止のための回路を使用する。
(4)空調装置200,201が、圧縮機10の吐出圧力(2段圧縮機110の場合は二段目圧縮機構112の吐出圧力)を検知する圧力検知手段を備えるとともに、吐出圧力が2MPaを下回るときに冷房室内機の凍結防止のための回路を使用する。
(a)空調装置200,201について、基準(1)かつ基準(2)を満足するときに、冷房室内機の凍結防止のための回路を使用する。
(b)空調装置200,201(第2実施形態)について、
基準(1)かつ基準(3)、または、基準(1)かつ基準(4)、または、
基準(2)かつ基準(3)、または、基準(2)かつ基準(4)を満足するときに、冷房室内機の凍結防止のための回路を使用する。
1 室外機ユニット
3,3a-3g 室内機ユニット
5 高圧ガス管
5a 分岐点
6a,6b 分岐管
7 低圧ガス管
7a,7b 室外側低圧ガス分岐管
7c,7d 分岐点
9 液管
9a,9b 液冷媒分岐管
10 圧縮機
11a,11b 室外膨張弁
12,12a,12b 室外熱交換器
14a,14b 室外四方弁
16 レシーバ
17 吐出管
18 吸入管
25,26 開閉弁
40a,40e 室内熱交換器
42a,42e 室内膨張弁
46a,46e 分流コントローラ
47A,47a,47E,47e 開閉弁
48a,48e バイパス管
100a,100e,100f,100g リモートコントローラ
110 圧縮機
111 一段目圧縮機構
112 二段目圧縮機構
120 ガスディスチャージ機構
121 ディスチャージ配管
P1 第1ポート
P2 第2ポート
P3 第3ポート
P4 第4ポート
Claims (2)
- 圧縮機と、外気と冷媒との間で熱交換を行う室外熱交換器とを備える室外機ユニットと、
室内の空気と前記冷媒との間で熱交換を行う室内熱交換器を備え、前記室外機ユニットに対してそれぞれが直列に接続される複数の室内機ユニットと、
一端側が前記圧縮機の吐出側に接続される高圧ガス管と、
一端側が前記圧縮機の吸入側に接続される低圧ガス管と、
前記高圧ガス管の他端側と前記低圧ガス管の他端側に接続され、前記高圧ガス管と前記低圧ガス管の前記室内熱交換器への冷媒流路を切り替える室内切替機構と、
前記室外熱交換器と複数の前記室内熱交換器とを繋ぐ液管と、
前記室外熱交換器を、前記圧縮機から吐出された冷媒の凝縮器として機能させるか、又は、断熱膨張された冷媒の蒸発器として機能させるかを切り換える室外切換機構と、
前記圧縮機と前記室外熱交器を接続するガスディスチャージ機構と、
を備える冷暖フリー型の空気調和装置であって、
前記空気調和装置が冷房主体運転を行っているときに、
前記ガスディスチャージ機構は、
前記圧縮機が圧縮過程の途中の前記冷媒の一部を前記室外熱交換器に向けて吐出させ、
前記圧縮機は、前記圧縮過程の途中まで吸入した全冷媒を圧縮する一方、前記圧縮過程の途中からは前記ガスディスチャージ機構により吐出されていない残りの前記冷媒を圧縮して、前記吐出側から前記高圧ガス管に向けて吐出する、
ことを特徴とする空気調和装置。 - 前記圧縮機は、低段側圧縮機構と高段側圧縮機構を備え、
前記ガスディスチャージ機構は、前記低段側圧縮機構と前記高段側圧縮機構の中間から前記冷媒の一部を前記室外熱交換器に向けて吐出させる、
請求項1に記載の空気調和装置。
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