JP5379034B2 - 燃料供給装置 - Google Patents
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Description
近年、環境保護の観点から、例えばエタノール等の生物由来のアルコールをガソリンと混合して使用することが試みられている。
ガソリンとアルコールとを任意の割合で混合したアルコール混合燃料またはエタノール100%燃料、つまり高導電性成分(電解質成分)を含む燃料は、通常のガソリンよりも飛躍的に導電率が上がり、コネクタの電極の電食が問題となる。
特に昨今のアルコール85%(同時に水を多く含む)まで対応したFFV車では、この問題が顕在化する。
フランジには、このフランジの下面からサブタンク側(燃料ポンプ側)に延設された第1ハウジング、およびこの第1ハウジングの周壁(フード部)で囲まれた凹部内に突出した一対の雄型端子金具(電極、ターミナル)を有する第1電気コネクタが設けられている。
また、第1電気コネクタには、第1ハウジングの凹部に嵌合する凸状の第2ハウジング、この第2ハウジングに形成されるキャビティ内に挿入される一対の雌型端子金具、これらの雌型端子金具に接続する一対のリードワイヤ(絶縁電線)を有する第2電気コネクタが結合する。
このように両ターミナル間で電食が発生すると、正極ターミナルから金属がイオン化して溶出することとなり、正極ターミナルが細くなって折損に至って燃料ポンプが作動しなくなる問題が発生する。この問題が発生すると、エンジンストール等の車両不具合が発生したり、正極ターミナルに予め施してあるメッキ(錫、銀や金等)が溶出したりすることで、雄型端子金具と雌型端子金具との電気接続部の腐食が進展して、電気抵抗が上昇、発熱に至り、正極ターミナルの基部を埋設するモールド樹脂部が溶ける場合がある。特に燃料タンクの上壁部に形成された開口部を塞ぐフランジは、燃料タンクの燃料貯蔵室と外部とを遮断しているが、溶けた部分に穴ができて、燃料が外部に洩れる等の不具合に繋がる懸念がある。
そこで、次に、正極ターミナルと負極ターミナルを個別に隔離する方法が考えられる。 電食を根絶する手段としては、両ターミナルにリードワイヤを先に接合した状態(1次成形)で樹脂をオーバーモールドする(2次成形)方法が考えられるが、リードワイヤが付いた状態で2次モールドしなければならないという設備、コスト上の不都合がある。
第2電気コネクタのハウジング102は、一対の正負極ターミナル121、122を個別に収容する一対の端子収容部123、124、およびこれらの端子収容部123、124の基端部同士を結合する結合部125を有している。
ハウジング102の端子収容部123の内部には、正極ターミナル121および正極電線を収容する端子収容孔(正極キャビティ)126が形成されている。また、ハウジング102の端子収容部124の内部には、負極ターミナル122および負極電線を収容する端子収容孔(負極キャビティ)127が形成されている。
また、シール部材105は、ハウジング101の周壁113の内周と、ハウジング102の2つの端子収容部123、124の外周との間に形成される隙間を密閉する。
ところが、上記の防水コネクタを、インタンク式のポンプモジュールに使用した場合、燃料タンク内の燃料に浸漬される正負極リードワイヤ131、132の導電芯線と絶縁被膜との界面を通って毛細管現象によって、液体(この場合は燃料)が防水コネクタ(第1、第2電気コネクタ)の内部に浸入する懸念がある。
正負極リードワイヤ131、132の導電芯線と絶縁被膜との界面、正負極キャビティ126、127を通って端子収容室114、115内に燃料が浸透すると、ゴム栓103、104およびシール部材105によって端子収容室114、115から防水コネクタ(第1、第2電気コネクタ)の外部へ燃料を流出させることができない。
これにより、防水コネクタ内部に浸透した燃料によって電食が発生し、第1電気コネクタの正負極ターミナル111、112と第2電気コネクタの正負極ターミナル121、122との導通不良や折損を招いてしまう。このため、ゴム栓103、104を有する第2電気コネクタに嵌合する、ゴム栓を有しない第1電気コネクタも防水コネクタ構造(例えばモールド樹脂により異極端子の周囲を被覆する等)とする必要があり、高価となってしまう。
これにより、同一極性同士の第1、第2異極端子(A)を収容する一方側(例えば正極側)の端子収容室(A)と、第1、第2異極端子(A)とは異なる極性で、且つ同一極性同士の第1、第2異極端子(B)を収容する他方側(例えば負極側)の端子収容室(B)とを隔離できるので、互いに極性が異なる一対の第1、第2異極端子(A、B)を互いに電気的に独立させることができる。したがって、例えば第1、第2異極端子(A)から第1、第2異極端子(B)への電流リークを防止できるので、互いに極性が異なる一対の第1、第2異極端子(A、B)間の電食を防止することができる。
また、第2電気コネクタの第2ハウジングは、一対の第2異極端子の各端子接触部、各電線接続部および各電線固定部の周囲を取り囲むように設けられて、一対の第2異極端子を個別に収容する一対の端子収容部を有している。
これによって、高導電性成分が燃料中に含まれており、しかも毛細管現象で(第2異極端子(A)の電線接続部に接続される片側の)異極電線の導電芯線と絶縁被膜との界面を通って、燃料が一対の端子収容部のうちの片側の端子収容部が嵌まる端子収容室内に浸透した場合であっても、例えば第1、第2異極端子(A)から第1、第2異極端子(B)への電流リークを防止できるので、互いに極性が異なる一対の第1、第2異極端子(A、B)間の電食を防止することができる。
また、第1、第2電気コネクタを安価に構成することができる。
請求項3に記載の発明によれば、第1ハウジングの隔壁は、一対の端子収容部のうちの片側の端子収容部の周囲を囲む壁面(内壁面)を有している。
また、シール部材は、2つの第1、第2ハウジングを嵌合した際に、一対の端子収容部のうちの片側の端子収容部の外周面に密着し、第1ハウジングの隔壁の壁面(内壁面)に密着する筒状のシールゴムである。
請求項5に記載の発明によれば、一対の異極電線のうちで片方の極性の異極電線を収容する片側の端子収容部は、燃料ポンプ側に向けて開口し、同一極性同士の第1、第2異極端子と片方の極性の異極電線を収容する片側のキャビティ、および片方の極性の異極電線の外周と片側のキャビティの内壁面との間に形成される隙間をシールするゴム栓を有している。
請求項7に記載の発明によれば、燃料タンク内に設置される電気部品を備えている。この電気部品は、(電圧の)極性が正極性の正極外部接続端子、および(電圧の)極性が負極性の負極外部接続端子を有している。これによって、高導電性成分が燃料中に含まれており、しかも毛細管現象で(第2異極端子(A)の電線接続部に接続される片側の)異極電線の導電芯線と絶縁被膜との界面を通って、燃料が一対の端子収容部のうちの片側の端子収容部が嵌まる端子収容室内に浸透した場合であっても、第1、第2正極端子から第1、第2電気コネクタの外部の電気部品への電流リークを防止できるので、第1、第2正極端子と電気部品の負極外部接続端子との間で電食が発生する不具合を防止することができる。
また、第2ハウジングに、互いに極性が異なる一対の第2異極端子の各電線接続部および各電線固定部の周囲を個別に樹脂モールドして、一方側の極性の第2異極端子およびこの第2異極端子に接続される異極電線と他方側の極性の第2異極端子およびこの第2異極端子に接続される異極電線とを隔離するモールド樹脂部を設けても良い。
また、一対の第2異極端子として、一対の第1異極端子の各端子挿入部がそれぞれ挿入される筒状の端子接触部を有する雌型端子金具を採用しても良い。なお、一対の第2異極端子は、(電圧の)極性が正極性の第2正極端子、および(電圧の)極性が負極性の第2負極端子により構成される。
また、一対の異極電線は、(電圧の)極性が正極性の正極電線、および(電圧の)極性が負極性の負極電線により構成される。そして、正極電線として使用される絶縁電線の導電芯線は、第2正極端子と燃料ポンプの正極外部接続端子とを接続している。また、負極電線として使用される絶縁電線の導電芯線は、第2負極端子と燃料ポンプの負極外部接続端子とを接続している。
本発明は、高導電性成分が燃料中に含まれており、しかも毛細管現象で異極電線の導電芯線と絶縁被膜との界面を通って燃料が端子収容室内に浸透しても電食を防止するという目的を、一対の第1、第2異極端子のうちで同一極性同士の第1、第2正極端子を収容する正極側の端子収容部の外周のみに、正極側の端子収容部の外周と正極側の端子収容部の周囲を囲む壁面との間に形成される隙間をシールして、第1、第2正極端子とこの第1、第2正極端子とは異なる極性で、且つ同一極性同士の第1、第2負極端子とを隔離するシール部材を装着することにより、第1、第2正極端子と第1、第2負極端子とを互いに電気的に独立させることで実現した。
図1ないし図6は本発明の実施例1を示したもので、図1は燃料供給装置を示した図である。
燃料タンクの内部には、燃料を貯留する燃料貯留室が形成されている。また、燃料タンクの上壁部(自動車等の車両上下方向、重力方向の上方側に設けられるタンク上壁部)には、円形状の開口部が形成されている。
ここで、燃料タンクの燃料貯留室内に貯留される燃料は、エタノール等のアルコールとガソリンとを任意の割合で混合した高濃度アルコール混合燃料、バイオエタノールおよびエタノール100%燃料等の導電性の高い成分(高導電性成分)が含まれた燃料である。なお、燃料として低濃度アルコール混合燃料、ガソリンまたはディーゼル油等を用いても構わない。
サブタンク1の内部には、燃料ポンプ2、燃料フィルタおよびサクションフィルタ5等が収容されている。このサクションフィルタ5は、外周を不織布で覆われており、燃料ポンプ2がサブタンク1の燃料貯留室内から吸入する燃料中に含まれる比較的大きな異物を除去する。
また、サブタンク1の側壁部の外側面には、燃料タンクの燃料貯留室内に貯留されている燃料の液面レベル、つまり燃料の残量を検出するセンダゲージ(電気部品)3が取り付けられている。
また、燃料ポンプ2は、軸方向の両端が開口した金属製のハウジングの一端側にポンプ部が配置され、ハウジングの中間部に直流モータが配置され、ハウジングの他端側に合成樹脂製のエンドカバーが配置されている。このエンドカバーには、ポンプ側コネクタが設けられている。このポンプ側コネクタのハウジング内には、外部(直流電源またはエンジン制御ユニット(ECU)またはポンプ制御回路またはポンプ駆動回路)から直流モータの駆動源となる直流電力が電力供給ラインを経由して供給される正極外部接続端子(正極ターミナル)および負極外部接続端子(負極ターミナル)が設置されている。
センダゲージ3は、サブタンク1の側壁部の外側面に設置されたセンサ部3a、燃料タンク内に設けられるフロート3b、および一端がセンサ部3aに回転自在に取り付けられ、他端にフロート3bが装着されるフロートアーム3cを有し、燃料タンクの燃料貯留室内に貯留されている燃料の残量を検出する。
フロートアーム3cの反フロート側の端部は、センサ部3aの導電パターンと接触可能となっている。燃料タンクの燃料貯留室内の燃料に浮遊するフロート3bが燃料の液面位置に応じて移動すると、フロート3bの移動に伴ってフロートアーム3cが回動する。これにより、フロートアーム3cとセンサ部3aの導電パターンとの接触状態が変化し、燃料タンクの燃料貯留室内の燃料の液面位置、つまり燃料タンクの燃料貯留室内の燃料の残量が検出される。
そして、センダゲージ3より出力される電気信号(検出信号)は、信号伝送ラインを経由してECUへ出力される。
ガイドロッド4dは、その軸方向の一端(重力方向の上端)がフランジ4に圧入され、軸方向の他端(重力方向の下端)がサブタンク1に形成されている挿入部(図示せず)に緩く挿入されている。
また、ガイドロッド4dの外周側には、サブタンク1とフランジ4とを互いに引き離す方向(車両上下方向、図示上下方向)に付勢するコイルスプリング(図示せず)が設置されている。これにより、サブタンク1とフランジ4とは、フランジ4の板厚方向、つまりガイドロッド4dの軸方向(図1において図示上下方向)へ相対的に往復移動可能である。したがって、燃料タンクが温度変化による内圧の変化や燃料量の変化で膨張または収縮することで、燃料タンクの上壁部の壁面と下壁部(底部)の底面との距離が変動した場合であっても、コイルスプリングの付勢力(スプリング荷重)によりサブタンク1の底部が燃料タンクの底部内壁(底面)に常に押し付けられるため、サブタンク1を燃料タンクの底部内壁(底面)の位置変動に追従させることができる。
第1電気コネクタは、フランジ4をその板厚方向に貫くように上下両面に設けられている。この第1電気コネクタは、フランジ4の外面(上面)からサブタンク側(燃料ポンプ側)に対して反対側(重力方向の上方側:以下図示上方側と言う)に延設(突出するように設置)され、且つフランジ4の内面(下面)からサブタンク側(燃料ポンプ側、重力方向の下方側:以下図示下方側と言う)に延設(突出するように設置)されている。
フランジ側の第1電気コネクタにフランジ4よりも下方側(サブタンク側、燃料ポンプ側)から結合する第2電気コネクタは、ハウジング6に嵌合(結合)する角筒状の第2ハウジング(雄型ハウジング:以下ハウジング7と言う)を有している。
また、フランジ側の第1電気コネクタにフランジ4よりも下方側(サブタンク側、燃料ポンプ側)から結合する第3電気コネクタは、ハウジング6に嵌合(結合)する角筒状の第3ハウジング(雄型ハウジング:以下ハウジング8と言う)を有している。
一対の正負極ターミナル11、12および3つの正負極ターミナル13〜15は、互いに並列配置されている。
正極ターミナル13は、正極電線23を介して、センダゲージ3の入力端子に接続される正極端子(入力端子)である。この正極ターミナル13は、フランジ4の上面から図示上方に突出し、図示しない相手側コネクタに挿入される端子挿入部、フランジ4の下面から図示下方に突出し、第3電気コネクタの正極ターミナル(図示せず)に挿入される端子挿入部、および合成樹脂(モールド樹脂)によりモールド成形される中間部(基部、被保持部)を有している。
正極ターミナル15は、正極電線25を介して、センダゲージ3の出力端子に接続される正極端子(出力端子)である。この正極ターミナル15は、フランジ4の上面から図示上方に突出し、図示しない相手側コネクタに挿入される端子挿入部、フランジ4の下面から図示下方に突出し、第3電気コネクタの正極ターミナル(図示せず)に挿入される端子挿入部、およびモールド樹脂によりモールド成形される中間部(基部、被保持部)を有している。
一対の正負極ターミナル16、17は、互いに並列配置されている。
さらに、第2電気コネクタには、ハウジング7と正極電線18との間に形成される隙間を液密的にシール(密閉)するゴム栓21、およびハウジング6とハウジング7との間に形成される隙間を液密的にシール(密閉)するシール部材22が設置されている。
なお、ハウジング6、7、一対の正負極ターミナル11、12、一対の正負極ターミナル16、17、一対の正負極電線18、19、ゴム栓21およびシール部材22の詳細は後述する。
3つの正負極ターミナルは、互いに並列配置されている。
第3電気コネクタは、ハウジング6に嵌合可能なハウジング8、およびこのハウジング8に収容される3つの正負極ターミナル、これらの正負極ターミナルの各電線接続部に固着される3つの正負極電線23〜25を有している。
正極ターミナルは、その端子挿入部内に、第1電気コネクタの正極ターミナル13が挿入される角筒状の第3正極端子(雌型正極端子金具)である。また、負極ターミナルは、その端子挿入部内に、第1電気コネクタの負極ターミナル14が挿入される角筒状の第3負極端子(雌型負極端子金具)である。また、正極ターミナルは、その端子挿入部内に、第1電気コネクタの正極ターミナル15が挿入される角筒状の第3正極端子(雌型正極端子金具)である。
第1電気コネクタは、フランジ4の上面および下面に一体的に形成された筒状のハウジング6、およびこのハウジング6の基板部(フランジ4)を図示上下に貫くようにモールド成形された5つの雄型端子金具(一対の正負極ターミナル11、12、3つの正負極ターミナル13〜15)等により構成されている。
ハウジング6は、フランジ4と同じ合成樹脂(例えばポリアセタール:POM)により一体的に形成されている。このハウジング6は、フランジ4と一体の底壁(モールド樹脂部)26よりも上面側に設けられる上部ハウジング、および底壁26よりも下面側に設けられる下部ハウジングを有している。
下部ハウジングは、5つの雄型端子金具を個別に収容する複数の端子収容室(端子収容凹部)31〜35、およびこれらの端子収容室31〜35を隔離すると共に、複数の端子収容室31〜35の内部と外部とを隔離する隔壁を有している。
複数の端子収容室31〜35は、サブタンク側(燃料ポンプ側)に向けて開口している。
隔壁は、複数の端子収容室31〜35の周囲を周方向に取り囲むことで複数の端子収容室31〜35の内部と外部とを隔離する周壁(フード部:以下フード壁36と言う)、およびこのフード壁36の内部空間を複数の端子収容室31〜35に区画する仕切り壁37〜39を有している。
仕切り壁37〜39、特に仕切り壁39は、フランジ4の下面、つまり底壁26の下面から燃料ポンプ側への突出量(高さ)が、フード壁36の突出量(高さ)と同じである。 仕切り壁37は、3つの端子収容室33〜35を電気的に独立させるように区画する隔壁である。また、仕切り壁38は、3つの端子収容室33〜35を収容する空間と一対の端子収容室31、32を収容する空間とを電気的に独立させるように区画する隔壁である。また、仕切り壁39は、一対の端子収容室31、32を電気的に独立させるように区画する隔壁である。
ここで、複数の端子収容室31〜35は、各ターミナル11〜15の外面との間に嵌合部を隔てて対向する内壁面を有している。
正極ターミナル11を収容する端子収容室31は、段差47よりも前方側(フランジ4側)の開口断面積に比べて、段差47よりも後方側の開口断面積の方が大きくなっている。
正極ターミナル11は、第1正極端子(雄型正極端子金具)である。この正極ターミナル11は、フランジ4の上面から図示上方に突出し、図示しない相手側コネクタに挿入される端子挿入部、フランジ4の下面から図示下方に突出し、第2電気コネクタの正極ターミナル16に挿入される端子挿入部、およびモールド樹脂によりモールド成形される中間部(基部、被保持部)を有している。
負極ターミナル12は、第1負極端子(雄型負極端子金具)である。この負極ターミナル12は、フランジ4の上面から図示上方に突出し、図示しない相手側コネクタに挿入される端子挿入部、フランジ4の下面から図示下方に突出し、第2電気コネクタの負極ターミナル17に挿入される端子挿入部、およびモールド樹脂によりモールド成形される中間部(基部、被保持部)を有している。
第2電気コネクタは、第1電気コネクタのハウジング6に嵌合可能なハウジング7、このハウジング7に収容される一対の雌型端子金具(一対の正負極ターミナル16、17)、これらの正負極ターミナル16、17の各電線接続部に固着される一対の正負極電線18、19、ハウジング7と正極電線18との間に形成される隙間をシールするゴム栓21、および両ハウジング6、7間に形成される隙間をシールするシール部材22を有している。
一対のブロック41、42の内部には、各正負極ターミナル16、17の軸線方向の両方向(図示上下方向)に開口するキャビティ51、52が形成されている。ブロック41のキャビティ51は、正極ターミナル11、16および正極電線18が挿入される正極側の端子収容孔である。また、ブロック42のキャビティ52は、負極ターミナル12、17および負極電線19が挿入される負極側の端子収容孔である。
また、一対のブロック41、42の図示下方側(燃料ポンプ側、後方側)には、一対の正負極電線18、19が挿通可能な一対の挿通孔55、56が形成されている。
ここで、一対のブロック41、42のうちの少なくとも一方のブロックまたは連結部43には、外壁面からT字状に突出する弾性係合爪片(ロックアーム)58が設けられている。この弾性係合爪片58には、ハウジング6のフード壁36に設けられた係合突起46に係合する係合爪59が形成されている。また、弾性係合爪片58には、係合爪59を係合突起46より解除する際に作業者が押圧する押圧壁60が設けられている。
また、一対のブロック41、42には、キャビティ51、52内に収容された一対の正負極ターミナル16、17を抜け止め状態に保持するランス67がそれぞれ形成されている。このランス67は、一対のブロック41、42の中央部からフランジ側に向けて突出する片持ち状に形成され、一対の正負極ターミナル16、17の板厚方向に弾性変形が可能となっている。
また、正極ターミナル16および正極電線18を収容するブロック41の前方側部分(角筒状部69)の外壁面のうちの対向する2辺の外壁面には、シール部材22を係止してシール部材22の抜け止めおよび位置決めを行うための係止溝71、72がそれぞれ形成されている。
また、ブロック41の角筒状部69とブロック42の前方側部分(角筒状部)との間には、第1電気コネクタのハウジング6の仕切り壁39と嵌合可能なスリット73が形成されている。
一対の正負極ターミナル16、17は、平板状の導電金属板をプレス打ち抜き加工した後に、所定の形状となるように折り曲げ加工して形成されている。一対の正負極ターミナル16、17は、相手側の第1電気コネクタの正負極ターミナル11、12の端子挿入部がそれぞれ接続可能な角筒状の端子接触部81、一対の正負極電線18、19の各導電芯線をそれぞれ接続する電線接続部82、一対の正負極電線18、19の端末部を保持固定する電線固定部83、端子接触部81と電線接続部82とを連結する連結部84、および電線接続部82と電線固定部83とを連結する連結部85等を有している。
一対の正負極ターミナル16、17の各電線固定部83は、一対のかしめ片により構成されて、一対の正負極ターミナル16、17の各端末部をかしめ固着する。これにより、一対の正負極ターミナル16、17の各電線接続部82と一対の正負極電線18、19の導電芯線88との端子電線結線部において、安定した結線状態(機械的な接続)が得られる。
正極電線18は、導体である導電芯線88の周囲が絶縁被覆体(絶縁被膜)で被覆された構造からなる正極絶縁電線である。
負極電線19は、導体である導電芯線88の周囲が絶縁被覆体(絶縁被膜)で被覆された構造からなる負極絶縁電線である。
そして、一対の正負極電線18、19は、絶縁被膜の端部を剥いで導電芯線88を露出させ、この露出された導電芯線88が一対の正負極ターミナル16、17の各電線接続部82に接続される。
ゴム栓21の内部には、その軸線方向に貫通する貫通孔90が形成されている。この貫通孔90内には、正極電線18の端末部がゴム栓21を貫くように挿入される。
また、ゴム栓21の外周面には、ゴム栓21の円周方向(外周方向)に延びる複数本の環状突条部(リップ部)が設けられている。また、ゴム栓21の内周面には、ゴム栓21の円周方向(内周方向)に延びる複数本の環状突条部(リップ部)が設けられている。
シール部材22の内部には、その軸線方向に貫通する貫通孔91が形成されている。この貫通孔91内には、ブロック41の角筒状部69がシール部材22を貫くように挿入される。
次に、本実施例の燃料供給装置(ポンプモジュール)の作用を図1ないし図6に基づいて簡単に説明する。
このとき、シール部材22は、ハウジング6の端子収容室31の壁面とハウジング7のブロック41の角筒状部69の外壁面との間に挟み込まれて弾性変形する。そして、シール部材22の弾性復元力によって、ハウジング6の端子収容室31の壁面とハウジング7のブロック41の角筒状部69の外壁面との間に形成される環状隙間が液密的にシールされる。
以上のように、本実施例の燃料供給装置(ポンプモジュール)においては、ハウジング7に設けられる、正極ターミナル11、16と正極電線18を収容するブロック41の前方側部分(角筒状部69)の外壁面のみに、ブロック41の角筒状部69の外壁面とハウジング6の端子収容室31の壁面(フード壁36、仕切り壁38、39)との間に形成される環状隙間を液密的にシールして、正極ターミナル11、16と負極ターミナル12、17とを隔離するシール部材22を圧入することにより、正極ターミナル11、16と負極ターミナル12、17とを互いに電気的に独立させることができる。
また、本実施例の第1電気コネクタのハウジング6には、第2電気コネクタのハウジング7だけでなく、第3電気コネクタのハウジング8も結合可能となっている。このため、高導電性成分が含まれた燃料を経由して第1、第2電気コネクタの正極ターミナル11、16と第1、第3電気コネクタの負極ターミナル14との間に電流経路が形成される懸念があるが、シール部材22を設置することで、正極ターミナル11、16から第1、第3電気コネクタの負極ターミナル14への電流リークを防止することができる。したがって、正極ターミナル11、16と負極ターミナル14との間で電食が発生する不具合を防止することができる。
本実施例では、ハウジング7の正極側のブロック41の端子収容孔壁面と正極電線18の外周面との間に正極側のゴム栓21を挿入(圧入)しているが、ハウジング7の負極側のブロック42の端子収容孔壁面と負極電線19の外周面との間に負極側のゴム栓を設置しても良い。
本実施例では、正極ターミナル16および正極電線18を収容する正極側のブロック41の前方側部分(角筒状部69)の外周のみに正極側のシール部材22を装着しているが、負極ターミナル17および負極電線19を収容する負極側のブロック42の外周のみに負極側のシール部材を設置しても良い。この場合、負極側のゴム栓と負極側のシール部材を一緒に負極側のブロック42に設置することで、リーク電流の発生を防止できる。
また、一対の正負極ターミナル11、12をフランジ1の底壁26に圧入により組み付けても良い。
また、第3電気コネクタの端子収容部にシール部材やゴム栓を装着しても良い。
また、ハウジング7のブロック42のキャビティ52の端子収容孔壁面と負極ターミナル17の電線接続部82、電線固定部83との間に合成樹脂(モールド樹脂)を充填しても良い。つまりモールド樹脂によって負極ターミナル17の電線接続部82、電線固定部83とハウジング7のブロック42との間に形成される隙間を封止(密閉)しても良い。
2 燃料ポンプ(電気部品)
3 センダゲージ(液面検出装置、電気部品)
4 フランジ(蓋部材)
6 第1電気コネクタのハウジング(第1ハウジング)
7 第2電気コネクタのハウジング(第2ハウジング)
11 正極ターミナル(第1異極端子、第1正極端子、雄型端子金具)
12 負極ターミナル(第1異極端子、第1負極端子、雄型端子金具)
16 正極ターミナル(第2異極端子、第2正極端子、雌型端子金具)
17 負極ターミナル(第2異極端子、第2負極端子、雌型端子金具)
18 正極電線(異極電線、絶縁電線)
19 負極電線(異極電線、絶縁電線)
21 ゴム栓
22 シール部材(シールゴム)
31 端子収容室
32 端子収容室
36 フード壁(隔壁、周壁)
38 仕切り壁(隔壁)
39 仕切り壁(隔壁)
41 ブロック(端子収容部)
42 ブロック(端子収容部)
51 キャビティ
52 キャビティ
81 端子接触部
82 電線接続部
83 電線固定部
88 導電芯線
Claims (7)
- 燃料タンク内に貯留された燃料を内燃機関に供給する燃料供給装置において、
前記燃料タンクの開口部を塞ぐ蓋部材と、
前記燃料タンク内に設置されて、前記燃料タンクから吸入した燃料を加圧して吐出する燃料ポンプと、
前記蓋部材から前記燃料ポンプ側に向けて延設された第1ハウジング、およびこの第1ハウジングに収容されて、互いに極性が異なる一対の第1異極端子を有する第1電気コネクタと、
前記第1ハウジングに嵌合する第2ハウジング、この第2ハウジングに収容されて、前記一対の第1異極端子に(同一極性同士が)それぞれ接続する一対の第2異極端子、およびこれらの第2異極端子に(同一極性同士が)それぞれ接続する一対の異極電線を有する第2電気コネクタと
を備え、
前記第1ハウジングは、前記一対の第1異極端子を個別に収容する一対の端子収容室、およびこれらの各端子収容室を隔離すると共に、前記各端子収容室の内部と外部とを隔離する隔壁を有し、
前記一対の第2異極端子は、前記一対の第1異極端子がそれぞれ接続可能な端子接触部、前記一対の異極電線の芯線をそれぞれ接続する電線接続部、および前記一対の異極電線をそれぞれ保持固定する電線固定部を有し、
前記第2ハウジングは、前記一対の第2異極端子の各端子接触部、各電線接続部および各電線固定部の周囲を取り囲むように設けられて、前記一対の第2異極端子を個別に収容する一対の端子収容部を有し、
前記第2電気コネクタは、前記一対の第1、第2異極端子のうちで同一極性同士の第1、第2異極端子を収容する片側の端子収容部の外周のみに装着されて、前記片側の端子収容部の外周とこの片側の端子収容部の周囲を囲む壁面との間に形成される隙間をシールするシール部材を有していることを特徴とする燃料供給装置。 - 請求項1に記載の燃料供給装置において、
前記燃料ポンプは、外部電源から直流電力の供給を受けて駆動力を発生する直流モータ、およびこの直流モータにより駆動されるインペラを有していることを特徴とする燃料供給装置。 - 請求項1または請求項2に記載の燃料供給装置において、
前記片側の端子収容部の周囲を囲む壁面は、前記隔壁に設けられ、
前記シール部材は、前記第1ハウジングに前記第2ハウジングを嵌合した際に、前記片側の端子収容部の外周面に密着し、前記隔壁の壁面に密着する筒状のシールゴムであることを特徴とする燃料供給装置。 - 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載の燃料供給装置において、
前記一対の第1、第2異極端子のうちで同一極性同士の第1、第2異極端子とは、極性が正極性同士の第1、第2正極端子のことであり、
前記片側の端子収容部とは、前記第1、第2正極端子の周囲を取り囲むように設けて、前記第1、第2正極端子を収容する正極側の端子収容部のことであることを特徴とする燃料供給装置。 - 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載の燃料供給装置において、
前記一対の異極電線のうちで片方の極性の異極電線を収容する片側の端子収容部は、前記燃料ポンプ側に向けて開口し、前記同一極性同士の第1、第2異極端子と前記片方の極性の異極電線を収容する片側のキャビティ、および前記片方の極性の異極電線の外周と前記片側のキャビティの内壁面との間に形成される隙間をシールするゴム栓を有していることを特徴とする燃料供給装置。 - 請求項5に記載の燃料供給装置において、
前記一対の異極電線のうちで片方の極性の異極電線とは、極性が正極性の正極電線のことであり、
前記片側の端子収容部とは、前記正極電線の周囲を取り囲むように設けて、前記正極電線を収容する正極側の端子収容部のことであることを特徴とする燃料供給装置。 - 請求項4または請求項6に記載の燃料供給装置において、
前記燃料タンク内に設置される電気部品を備え、
前記電気部品は、極性が正極性の正極外部接続端子、および極性が負極性の負極外部接続端子を有していることを特徴とする燃料供給装置。
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