JP5371146B2 - 発光素子、発光装置及び電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、電流励起型の発光素子、特に、電極間に有機化合物を含む層が設けられているものに関する。また、発光素子を有する発光装置、電子機器に関する。
石油資源に代表される資源枯渇の問題が現実味を増すなか、環境保護の名の下に多くの政策や対策がなされている。個人レベルでも、環境保護に対する意識はますます高まりを見せ、環境に配慮したと謳う製品の売り上げも伸びており、環境市場や環境ビジネスとも言うべき分野が確立された。
とはいえ、消費者心理として環境に配慮した製品を購入したことによる生活クオリティの低下は受け入れがたく、高いクオリティに対する要求をクリアしつついかに資源の消費を低下するかが、メーカーとしての企業競争力に繋がっていくことに間違いはない。なお、ここでの「資源の消費を低下する」とは、二つの側面を有する。一つは、製造サイクル中における資源の消費の低下であり、材料のムダを無くす若しくは製品の耐使用年数を向上させることにより実現される。もう一つは、製品の使用に当たって消費されるエネルギー資源の低減であり、燃費の向上や、低消費電力化により実現される。
ところで、プラズマテレビ、液晶テレビに次ぐ世代のディスプレイとして、有機ELテレビの存在が広く認知されつつある。有機ELテレビはその画素として電極間に有機化合物を含む層を挟持し電流を流すことで発光する発光素子を用いている。そのため、余分な空間やバックライトを必要とせず、非常に薄型のディスプレイとすることができる。また、視認性が良く、応答速度も速い。さらに、有機ELテレビは高いコントラスト比を容易に実現できるため、高品質な映像を提供することが可能な、まさに次世代のディスプレイである。
一方で、現在市販されている有機ELテレビは同型の液晶テレビと比較して約1.5倍もの電力を消費する。潜在的には液晶テレビの消費電力を越える低消費電力化を実現することが可能であると言われている有機ELテレビであるが、まだまだその境地にはほど遠いようである。
低資源消費、低エネルギー消費化が叫ばれている昨今、有機ELテレビがその実力を遺憾なく発揮し、液晶テレビを越える低消費電力化を実現することになれば、生活クオリティの向上と環境意識の充足とを同時に与える非常に魅力的な商品となるだろう。
低消費電力化には様々なアプローチがあるが、有機ELテレビ等の画素に自発光の発光素子を用いるディスプレイの場合、発光素子の発光効率が向上することによって消費電力を低減させることができる。そのため、発光素子の発光効率向上に関しては多くの研究がなされている(例えば特許文献1参照)。
特開2007−227117号公報
このように多くの研究がなされているものの、未だ充分な発光効率を呈する発光素子は少ないため、さらなる発光効率の向上が求められている。
そこで、本発明では発光効率が向上された発光素子を提供することを課題とする。
上記課題を鑑み本発明者は、陽極側から、第1の発光層と第2の発光層が接して形成された発光層を有し、第2の発光層において発光中心物質である第1の物質が、第1の発光層における主材料となる構成を有する発光素子が上記課題を解決することを見いだした。なお、第1の発光層には膜質を安定化させるために第2の物質が添加されており(つまり第1の発光層において、重量で比較した場合、第1の物質の方が第2の物質より多い)、また、第2の発光層には発光中心物質である第1の物質を分散させるためのホスト材料として第3の物質が含まれている。本発明の発光素子においては、これら第2の物質及び第3の物質は共に第1の物質のエネルギーギャップ(又は三重項エネルギー)より大きいエネルギーギャップ(又は三重項エネルギー)を有する物質を選択する。
すなわち、本発明の一は、陽極と、陰極と、第1の物質に第2の物質を添加して形成した第1の発光層と、第1の物質と第3の物質を含み、第3の物質が最多成分である第2の発光層とを有し、第1の発光層と第2の発光層とは互いに接して積層されており、第1の発光層は陽極側、第2の発光層は陰極側に各々位置し、第2の物質及び第3の物質は共に第1の物質より大きいエネルギーギャップを有している発光素子である。
また、本発明の一は、陽極と、陰極と、陽極と陰極との間に互いに接して積層された第1の発光層及び第2の発光層を有し、第1の発光層は陽極側、第2の発光層は陰極側に各々位置し、第1の発光層は第1の物質と第2の物質とを含み、第2の発光層は第1の物質と第3の物質とを含み、第1の発光層は第1の物質の含有量が50wt%以上100wt%未満であり、第2の発光層においては第3の物質が最多成分であり、第2の物質及び第3の物質は共に第1の物質より大きいエネルギーギャップを有している発光素子である。
また、本発明の一は陽極と、陰極と、陽極と陰極との間に互いに接して積層された第1の発光層及び第2の発光層を有し、第1の発光層は陽極側、第2の発光層は陰極側に各々位置し、第1の発光層は第1の物質と第2の物質とを含み、第2の発光層は第1の物質と第3の物質とを含み、第1の発光層は第1の物質の含有量が50wt%以上100wt%未満であり、第2の発光層は第1の物質の含有量が0.001wt%以上30wt%以下であり、第2の物質及び第3の物質は共に第1の物質より大きいエネルギーギャップを有している発光素子である。
また、本発明の一は、上記構成において第1の物質が正孔輸送性を有する物質である発光素子である。
また、本発明の一は、上記構成において第1の物質がアントラセンとジアリールアミノ基がアリーレン基を介して結合している化合物である発光素子である。
また、本発明の一は、上記構成において、第1の物質が9,10−ジアリールアントラセン誘導体であり、9,10−ジアリールアントラセン誘導体の9位、あるいは10位に結合するアリール基がさらにジアリールアミノ基と結合した基である発光素子である。
また、本発明の一は、上記構成において、第1の物質が下記一般式(i)で表される物質である発光素子である。
(但し、式中Arは炭素数6〜25のアリール基、Ar2は炭素数6〜25のアリーレン基を表し、Ar、Arはそれぞれ独立に炭素数6〜25のアリール基、カルバゾリル基のいずれかを表す。Ar、Arはそれぞれ独立に置換基を有していても良く、この場合、当該置換基としては炭素数1〜4のアルキル基、炭素数6〜25のアリール基、カルバゾリル基のいずれかが挙げられる。)
上記構成を有す発光素子は発光効率を向上できる、特に発光効率の向上と長寿命化の両方を実現できる発光素子とすることが可能である。
また、上記構成の発光素子において、第2の物質がアントラセン誘導体、もしくはカルバゾール誘導体である場合、発光効率の向上が大きかった。このことから、本発明の一は、上記構成において、第2の物質がアントラセン誘導体又はカルバゾール誘導体である発光素子である。
また、上記構成の発光素子において、第2の物質がアントラセン骨格とカルバゾール骨格の両方を有する物質である発光素子は寿命の向上効果が顕著であった。このことから、本発明の一は、上記構成において、第2の物質がアントラセン骨格とカルバゾール骨格の両方を有する物質である発光素子である。
また、上記構成の発光素子において、第1の発光層における第1の物質の含有量が70wt%以上である場合、さらに顕著な寿命向上効果が見られた。このことから、本発明の一は、上記構成において、第1の発光層における第1の物質の含有量が70wt%以上100wt%未満である発光素子である。
また、上記構成において、第2の物質と第3の物質が同じ物質である場合に発光効率の向上に加えて寿命の向上効果が得られた。このことから、本発明の一は、上記構成において、第2の物質と第3の物質とが同じ物質である発光素子である。
本発明を実施することによって、発光効率を向上できる、特に発光効率の向上と長寿命化の両方を実現できる発光素子を得ることができる。
発光素子を表す概念図。 発光素子におけるエネルギー準位図の一例。 発光装置の上面図及び断面図。 発光装置の斜視図及び断面図。 電子機器を表す図。 電子機器を表す図。 電子機器を表す図。 電子機器を表す図。 発光素子1、発光素子2、比較発光素子1及び比較発光素子2の電流密度−輝度特性を表す図(実施例1)。 発光素子1、発光素子2、比較発光素子1及び比較発光素子2の電圧−輝度特性を表す図(実施例1)。 発光素子1、発光素子2、比較発光素子1及び比較発光素子2の輝度−電流効率特性を表す図(実施例1)。 発光素子1、発光素子2、比較発光素子1及び比較発光素子2の発光スペクトルを表す図(実施例1)。 発光素子1、発光素子2、比較発光素子1及び比較発光素子2の輝度劣化曲線を表す図(実施例1)。 発光素子3、比較発光素子3の電流密度−輝度特性を表す図(実施例2)。 発光素子3、比較発光素子3の電圧−輝度特性を表す図(実施例2)。 発光素子3、比較発光素子3の輝度−電流効率特性を表す図(実施例2)。 発光素子3、比較発光素子3の輝度劣化曲線を表す図(実施例2)。 発光素子4、比較発光素子4の電流密度−輝度特性を表す図(実施例3)。 発光素子4、比較発光素子4の電圧−輝度特性を表す図(実施例3)。 発光素子4、比較発光素子4の輝度−電流効率特性を表す図(実施例3)。 発光素子4、比較発光素子4の輝度劣化曲線を表す図(実施例3)。 発光素子5、比較発光素子5の輝度−電流効率特性を表す図(実施例4)。 発光素子6、比較発光素子6の輝度−電流効率特性を表す図(実施例4)。 発光素子7、比較発光素子7の輝度−電流効率特性を表す図(実施例4)。 発光素子8、比較発光素子8の輝度−電流効率特性を表す図(実施例4)。 発光素子5、比較発光素子5の輝度劣化曲線を表す図(実施例4)。 発光素子6、比較発光素子6の輝度劣化曲線を表す図(実施例4)。 発光素子7、比較発光素子7の輝度劣化曲線を表す図(実施例4)。 発光素子8、比較発光素子8の輝度劣化曲線を表す図(実施例4)。 発光素子2、比較発光素子1の輝度劣化曲線を表す図(実施例4)。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、本明細書中において量関係を述べる際、特に断りがない場合は質量(重さ)に基づくものとする。また、明細書中における陽極とは、発光材料を含む層に正孔を注入する電極のこと示し、陰極とは、発光材料を含む層に電子を注入する電極のことを示す。
(実施の形態1)
本発明の発光素子110の概念図を図1(A)に示す。本発明の発光素子110は陽極100と陰極101との間に複数の層からなる有機化合物を含む層103を有している。有機化合物を含む層103は少なくとも発光層102を有しており、発光層102は陽極100側から第1の発光層102a、第2の発光層102bの2層を積層することによって構成されている。なお、当該2層は接して形成される。第1の発光層102aは第1の物質と、第2の物質とを含み、第1の物質が半分以上含有された層である。また、第2の発光層102bは第1の物質と第3の物質とを含み、第3の物質を最多成分として形成されている。
第2の発光層102bは、陽極100、陰極101間に順電圧を加えた際、第1の物質から発光が得られる構成となっている。その為、本発明の発光素子110は、第2の発光層102bにおいての発光中心物質である第1の物質が、第1の発光層102aにおいて半分以上含まれている構成ということができる。
ここで、第3の物質は第2の発光層102bにおいて、発光中心物質である第1の物質を分散するホストとして用いられていることから、第3の物質はそのエネルギーギャップが第1の物質のエネルギーギャップより大きい物質を用いることが好ましい。
また、第1の発光層102aにおいて、第2の物質は、第1の物質に同量もしくはそれ以下の量(第2の物質が0である場合を除く)で添加して用いることにより第1の発光層102aの膜質が向上し、発光素子110の特性安定化を図ることができる。ここで、第2の物質が第1の物質よりエネルギーギャップが小さいと、第1の物質から第2の物質にエネルギーが移動してしまい、発光素子110の効率や色純度が低下してしまう場合があることから、第2の物質は、第1の物質のエネルギーギャップより大きいエネルギーギャップを有する物質を用いることが好ましい。
発光素子110は発光層102と陽極100の間や、発光層102と陰極101との間に、電子や正孔の注入の促進や、電子や正孔の輸送あるいはブロック等に特化した機能層を備えていても良い。代表的には、陽極100に接して設けられる正孔注入層、陽極100と発光層102との間に設けられる正孔輸送層、陰極101に接して設けられる電子注入層、陰極101と発光層102との間に設けられる電子輸送層などがある。なお、これら機能層は、複数の機能を併せ持つ層であっても良い。
以上のような構成により、発光効率を向上できる、特に発光効率の向上と長寿命化の両方が実現された発光素子を与えることが可能である。従来の素子では、発光層で再結合に関与しなかったキャリア(ホール、電子)が発光層を突き抜けることがあり、このことが低い発光効率と短い寿命に起因していた。これに対し、上記構成の発光素子では、第2の発光層102bで再結合に関与しなかった電子が、第1の発光層102aにおいて発光に関与することが可能であり、このことが発光効率が向上する一つの理由と考えられる。また、寿命の向上は、第2の発光層102bで再結合に関与しなかった電子が第1の発光層102aで再結合することによって、正孔輸送層に到達する電子の数が減少し、正孔輸送層を構成する材料の劣化を引き起こすことが抑制されたことが理由の一つであると考えられる。これらは、第1の発光層102aに第2の発光層102bにおける発光中心物質である第1の物質が半分若しくはそれ以上の割合で含まれていることにより実現するものである。
続いて、以上のような発光素子をより具体的に作製方法を交えながら説明する。なお、ここで説明する素子構成や作製方法はあくまで例示であり、本発明の趣旨を損なわない範囲においてその他公知の構成、材料、作製方法を適用することができる。
まず、絶縁表面を有する支持体上に陽極100を形成する。陽極100としては、仕事関数の大きい(具体的には4.0eV以上)金属、合金、導電性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。具体的には、インジウム錫酸化物(以下、ITOと示す)、または珪素もしくは酸化珪素を含有したインジウム錫酸化物、酸化亜鉛(ZnO)を含む酸化インジウム、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム(IWZO)等が挙げられる。これらの導電性金属酸化物膜は、通常スパッタにより成膜されるが、ゾル−ゲル法などを応用して作製しても構わない。例えば、酸化亜鉛(ZnO)を含む酸化インジウムは、酸化インジウムに対し1〜20wt%の酸化亜鉛を加えたターゲットを用いてスパッタリング法により形成することができる。また、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム(IWZO)は、酸化インジウムに対し酸化タングステンを0.5〜5wt%、酸化亜鉛を0.1〜1wt%含有したターゲットを用いてスパッタリング法により形成することができる。その他、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、または金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)等を用いることも可能である。
続いて、有機化合物を含む層103を形成する。有機化合物を含む層103には、低分子系材料および高分子系材料のいずれを用いることもできる。なお、有機化合物を含む層103を構成する材料には、有機化合物材料のみから成るものだけでなく、無機化合物を一部に含む構成も含めるものとする。また、有機化合物を含む層103は、通常、正孔注入層、正孔輸送層、正孔阻止層(正孔ブロッキング層)、発光層、電子輸送層、電子注入層等、各々の機能を有する機能層を適宜組み合わせて構成される。それぞれの層の有する機能を2つ以上同時に有する層を含んでいる層が形成されていても良く、また、上記したいずれかの層が形成されていなくとも良い。もちろん、上記した機能層以外の層が設けられていても良い。本実施の形態では有機化合物を含む層103として、図1(B)のように陽極100側から順に正孔注入層104、正孔輸送層105、発光層102(第1の発光層102a、第2の発光層102b)、電子輸送層106、電子注入層107の積層構造を有する発光素子を例に説明を行うこととする。
正孔注入層104を用いる場合、材料としては、酸化バナジウムや酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウムなどの金属酸化物等が挙げられる。あるいは、有機化合物であればポルフィリン系の化合物が有効であり、フタロシアニン(略称:HPc)、銅フタロシアニン(略称:CuPc)等を用いることができる。また、正孔注入層104としては、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)を用いることもできる。例えば、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)、ポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N−(4−{N’−[4−(4−ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル−N’−フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)ポリ[N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly−TPD)などの高分子化合物が挙げられる。また、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/ポリ(スチレンスルホン酸)(PAni/PSS)等の酸を添加した高分子化合物を用いることができる。正孔注入層104は陽極100に接して形成され、正孔注入層104を用いることによって、キャリアの注入障壁が低減し、効率よくキャリアが発光素子に注入され、その結果、駆動電圧の低減を図ることができる。
また、正孔注入層104として、正孔輸送性の高い物質にアクセプター性物質を含有させた材料(以下、複合材料という)を用いることもできる。なお、正孔輸送性の高い物質にアクセプター性物質を含有させたものを用いることにより、電極とのオーム接触が可能となり、仕事関数に依らず電極を形成する材料を選ぶことができるようになる。つまり、陽極として仕事関数の大きい材料だけでなく、仕事関数のあまり大きくない材料や、小さい材料も用いることができるようになる。アクセプター性物質としては、7,7,8,8−テトラシアノ−2,3,5,6−テトラフルオロキノジメタン(略称:F−TCNQ)、クロラニル等の有機化合物や遷移金属酸化物を挙げることができる。また元素周期表における第4族乃至第8族に属する金属の酸化物を挙げることができる。具体的には、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レニウム等が電子受容性が高いため好ましい材料である。中でも特に、酸化モリブデンは大気中でも安定であり、吸湿性が低く、扱いやすいため好ましい材料である。
なお、本明細書中において、複合とは、単に2つの材料を混合させるだけでなく、複数の材料を混合することによって材料間での電荷の授受が行われ得る状態になることを言う。
複合材料に用いる正孔輸送性の高い物質としては、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、芳香族炭化水素、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)など、種々の化合物を用いることができる。なお、複合材料に用いる正孔輸送性の高い物質としては、10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する物質であることが好ましい。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。以下では、複合材料に用いることのできる有機化合物を具体的に列挙する。
例えば、複合材料に用いることのできる芳香族アミン化合物としては、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPBまたはα―NPD)、N,N’−ビス(4−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(略称:DTDPPA)、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、4,4’−ビス(N−{4−[N’−(3−メチルフェニル)−N’−フェニルアミノ]フェニル}−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)等を挙げることができる。
複合材料に用いることのできるカルバゾール誘導体としては、具体的には、3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、1,3,5−トリス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]ベンゼン(略称:TCPB)、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)、1,4−ビス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]−2,3,5,6−テトラフェニルベンゼン等を用いることができる。
また、複合材料に用いることのできる芳香族炭化水素としては、例えば、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、2−tert−ブチル−9,10−ビス(4−フェニルフェニル)アントラセン(略称:t−BuDBA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、2−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuAnth)、9,10−ビス(4−メチル−1−ナフチル)アントラセン(略称:DMNA)、9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]−2−tert−ブチル−アントラセン、9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン、9,9’−ビアントリル、10,10’−ジフェニル−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス(2−フェニルフェニル)−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス[(2,3,4,5,6−ペンタフェニル)フェニル]−9,9’−ビアントリル、アントラセン、テトラセン、ルブレン、ペリレン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン等が挙げられる。また、この他、ペンタセン、コロネン等も用いることができる。このように、1×10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有し、炭素数14〜42である芳香族炭化水素を用いることがより好ましい。
なお、複合材料に用いることのできる芳香族炭化水素は、ビニル骨格を有していてもよい。ビニル基を有している芳香族炭化水素としては、例えば、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(略称:DPVBi)、9,10−ビス[4−(2,2−ジフェニルビニル)フェニル]アントラセン(略称:DPVPA)等が挙げられる。
また、正孔注入層の材料として上述したPVK、PVTPA、PTPDMA、Poly−TPD等の高分子化合物と、上述したアクセプター性物質を用いて複合材料を形成し、正孔注入層として用いてもよい。
このような複合材料を正孔注入層104として用いた場合、陽極100には仕事関数の大小に関わらず、様々な金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることができる。そのため、陽極としては前述した材料の他、例えば、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、アルミニウムを含む合金(AlSi)等を用いることができる。また、仕事関数の小さい材料である、元素周期表の第1族または第2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(MgAg、AlLi)、ユーロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金等を用いることもできる。アルカリ金属、アルカリ土類金属、これらを含む合金の膜は、真空蒸着法を用いて形成することができる。また、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む合金はスパッタリング法により形成することも可能である。また、銀ペーストなどをインクジェット法などにより成膜することも可能である。
正孔輸送層105は、N,N’−ビス(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(略称:BSPB)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPBまたはα―NPD)、4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:TPD)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス{N−[4−(N,N−ジ−m−トリルアミノ)フェニル]−N−フェニルアミノ}ビフェニル(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N,N−ジ(m−トリル)アミノ]ベンゼン(略称:m−MTDAB)、4,4’,4’’−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)、フタロシアニン(略称:HPc)、銅フタロシアニン(略称:CuPc)、バナジルフタロシアニン(略称:VOPc)等の材料を用いることができる。正孔輸送層としては10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する物質を用いることが好ましいが、電子より正孔の輸送性の高い物質であれば正孔輸送層として用いることができる。また、正孔輸送層は単層構造のものだけではなく、上述した条件に当てはまる物質から成る層を二層以上組み合わせた多層構造の層であってもよい。正孔輸送層は真空蒸着法等を用いて形成することができる。
また、正孔輸送層105として、正孔注入層104の材料として上述したPVK、PVTPA、PTPDMA、Poly−TPDなどの高分子化合物を用いることもできる。この場合は、インクジェット法やスピンコートなど溶液プロセスを使用することができる。
発光層102は、正孔輸送層105側から第1の発光層102a、第2の発光層102bの2層を積層して形成する。
第1の発光層102aには第1の物質と第2の物質とを含み、このうち第1の物質が半分若しくはそれ以上含まれている。但し、第2の物質が含まれていない状態、即ち、第2の物質が第1の発光層中において0wt%である場合を除くものとする。換言すると、第1の発光層102aにおいて、第1の物質は50wt%以上100%未満含まれている。第1の発光層102aにおいては、第2の物質が第1の物質に添加されていることによって、第1の発光層102aの膜質が向上し、発光素子110の動作の安定化に寄与する。また、第1の発光層102aにおいて、第1の物質が70wt%以上100%未満含まれていると、寿命の向上効果が顕著に表れるため好ましい構成である。
第2の発光層102bには第1の物質と第3の物質とが含まれており、第3の物質が最多成分であり、第1の物質は0.001wt%以上50wt%未満の割合で含まれている。第2の発光層102bは第3の物質中に、発光中心物質である第1の物質が分散されている、いわゆるホスト−ゲスト型の発光層となっている。このため、第3の物質は第1の物質のエネルギーギャップより大きいエネルギーギャップを有する物質を用いることが好ましく、また、第1の物質が燐光を発する場合は、第3の物質は第1の物質の三重項エネルギー(基底状態と三重項励起状態とのエネルギー差)よりも大きい三重項エネルギーを有する物質を用いることが好ましい。これは、第1の物質の励起エネルギーが第3の物質移動し、発光効率の低下や色純度の悪化を招くことを防ぐ為であり、同様の理由により、第1の発光層102aにおける第2の物質は、第1の物質のエネルギーギャップ(又は三重項エネルギー)より大きいエネルギーギャップ(又は三重項エネルギー)を有する物質を用いることが好ましい。発光層は真空蒸着法を用いて作製することができ、異なる材料を同時に蒸着する共蒸着法によって作製することができる。また、蒸着法に代えてスピンコート法や液滴吐出法などの湿式法により成膜しても構わない。なお、第2の発光層102bがホスト−ゲスト型の発光層であることから、第2の発光層102bにおいて第1の物質は0.001wt%以上30wt%以下の割合で含まれていることが効率良く発光を得るためには好ましい構成である。
発光層102を上記のような構成とした発光素子110では、第2の発光層102bで再結合せず発光に寄与しなかった電子が、第1の発光層102aにおいて半分以上という高い割合で含まれている第1の物質によってトラップされ、正孔と再結合することで発光に寄与することとなり、発光効率が向上する。また、これにより、正孔輸送層105に到達する電子の数が減少し、正孔輸送層を構成する材料が電子により劣化し、発光素子の寿命に悪影響を及ぼすことを低減させることができる。発光効率向上の効果は、第1の物質が、第1の物質と第2の物質を含む第1の発光層102aにおいて半分以上、即ち、第1の物質が50wt%以上100%未満の割合で含まれていることによって発現するものである。また、上記構成において、第1の物質が70wt%以上100%未満の割合で含まれている構成は、寿命の向上効果が顕著となるため、好ましい構成である。
本実施の形態に記載の発光素子に関しては、通常の素子と比較して、発光層の膜厚が厚くなっているため通常であれば駆動電圧の上昇が懸念されるが、第1の発光層を設けない発光素子と比較しても駆動電圧の上昇が少ないことが特徴的である。本実施の形態に記載の発光素子110のエネルギー準位図の一例を図2に示す。図2は、発光素子の有機化合物を含む層103における正孔輸送層105、第1の発光層102a、第2の発光層102b、電子輸送層106のエネルギー準位モデルをそれぞれ表している。また、210は正孔、260は電子をそれぞれ表している。正孔輸送層105を輸送されてきた正孔210は、正孔輸送層105のHOMO準位200から第1の発光層102aのHOMO準位201に注入される。そして、第1の発光層102aのHOMO準位201を伝導した正孔210は第2の発光層102b近傍でその一部が電子輸送層106から注入され、第2の発光層102bで再結合に関与しなかった電子260と再結合し、残りが第2の発光層102bに注入される。通常の発光素子は第1の発光層102aが設けられていないため、正孔輸送層105から直接第2の発光層102bにおけるホスト物質(第3の物質)のHOMO準位203に正孔210が注入されるような形となり、注入障壁が高い。ここで、本実施の形態における発光素子110では、第1の発光層102aは第2の発光層102bにおける発光中心物質である第1の物質を主成分とする層である。すなわち、第1の発光層102aのHOMO準位201と第2の発光層102bにおける第1の物質(発光中心物質)のHOMO準位202は連続している。このため、第1の発光層102aから第2の発光層102bの発光中心物質への正孔の注入が容易となり、駆動電圧の上昇が抑えられたと考えられる。即ち、第1の物質で構成される第1の発光層102aがあることで、第2の発光層102bにおける第2の物質に正孔210が注入されやすくなったと言える。
続いて、発光層102に用いることが可能な材料について説明する。上記第1の物質は、第2の発光層102bにおいて発光中心物質となりうる物質であり、発光は蛍光でも燐光でもどちらでもよい。また、第2の発光層102bにおいて効率よく再結合が行われるように、第1の物質が正孔輸送性を有する物質であることが好ましい。このような物質としては、4−(10−フェニル−9−アントリル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPA)、4−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPBA)、9,10−ビス{4−[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]フェニル}−2−tert−ブチルアントラセン(略称:DPABPA)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)、9,10−ビス(4−{N−[4−(9−カルバゾリル)フェニル]−N−フェニルアミノ}フェニル)−2−tert−ブチルアントラセン(略称:YGABPA)、2−tert−ブチル−9、10−ビス{4−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]フェニル}アントラセン(略称:PCABPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPA)、2−{4−[N−フェニル−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]フェニル}−9,10−ジフェニルアントラセン(略称:2PCAPPA)、2−(4−{N−[4−(カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−フェニルアミノ}フェニル)−9,10−ジフェニルアントラセン(略称:2YGAPPA)、2−{4−[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]フェニル}−9,10−ジフェニルアントラセン(略称:2DPAPPA)、4−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:DPhPA)、4−(10−フェニル−9−アントリル)−4’−フェニル−トリフェニルアミン(略称:BPAPA)等が挙げられる。特に、アントラセンとジアリールアミノ基がアリーレン基を介して結合している化合物は好ましい材料である。その中でも9,10−ジアリールアントラセンの9位あるいは10位のアリール基(すなわち、下記一般式(i)におけるAr)が、さらにジアリールアミノ基と結合している物質、即ち、下記一般式(i)で表される物質は好適に用いることができる。なお、正孔輸送層105に含まれる材料と、第1の発光層102aの材料とは異なっていても良い。
ここで、式中Arは炭素数6〜25のアリール基、Arは炭素数6〜25のアリーレン基を表し、Ar、Arはそれぞれ独立に炭素数6〜25のアリール基、カルバゾリル基のいずれかを表す。Ar、Arは各々独立に置換基を有していても良く、この場合、当該置換基としては炭素数1〜4のアルキル基、炭素数6〜25のアリール基、カルバゾリル基のいずれかが挙げられる。上記炭素数6〜25のアリール基としては、例えば、フェニル基、o−ビフェニル基、m−ビフェニル基、p−ビフェニル基、フルオレン−2−イル基、スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル基、ナフチル基等が挙げられる。また、炭素数6〜25のアリーレン基としては、例えば、ベンゼン、ナフタレン、ビフェニル、フルオレン、スピロフルオレンから誘導される2価の基等が挙げられる。すなわち、炭素数6〜25のアリーレン基は、フェニレン基、ビフェニレン基、フルオレニレン基、スピロフルオレニレン基等が挙げられる。また、炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
このような、第1の物質として好適に用いることが可能な物質の例としては、構造式(1)で表される4−(10−フェニル−9−アントリル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPA)、構造式(2)で表される4−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPBA)、構造式(3)で表されるN,9−ジフェニル−N−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPA)などが挙げられる。
第2の物質は、第1の発光層102aにおいて第1の物質に添加することで第1の物質の結晶化などを抑制し、第1の発光層102aの膜質を改善するために用いられる。そのため、特に材料に制限はないが、例えば4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPBまたはα―NPD)、N,N’−ビス(4−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(略称:DTDPPA)、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、4,4’−ビス(N−{4−[N’−(3−メチルフェニル)−N’−フェニルアミノ]フェニル}−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)、3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、1,3,5−トリス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]ベンゼン(略称:TCPB)、4,4’,4’’−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)、9−フェニル−9’−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−3,3’−ビ(9H−カルバゾール)(略称:PCCPA)、1,4−ビス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]−2,3,5,6−テトラフェニルベンゼン、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、2−tert−ブチル−9,10−ビス(4−フェニルフェニル)アントラセン(略称:t−BuDBA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、2−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuAnth)、9,10−ビス(4−メチル−1−ナフチル)アントラセン(略称:DMNA)、9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]−2−tert−ブチル−アントラセン、9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン、9,9’−ビアントリル、10,10’−ジフェニル−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス(2−フェニルフェニル)−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス[(2,3,4,5,6−ペンタフェニル)フェニル]−9,9’−ビアントリル、アントラセン、テトラセン、ルブレン、ペリレン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン、ペンタセン、コロネン、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(略称:DPVBi)、9,10−ビス[4−(2,2−ジフェニルビニル)フェニル]アントラセン(略称:DPVPA)等を用いることができる。ただし、第1の物質のエネルギーギャップ(又は三重項エネルギー)より第2の物質のエネルギーギャップ(又は三重項エネルギー)が小さいと、第1の物質から第2の物質にエネルギーが移動してしまい、発光効率の低下や、色純度の悪化が引き起こされる場合があるため、第2の物質は第1の物質のエネルギーギャップ(又は三重項エネルギー)より大きいエネルギーギャップ(又は三重項エネルギー)を有する物質を選択することが好ましい。また、第2の物質がCzPA、PCCPA等のアントラセン誘導体である場合、発光素子の寿命に好ましい効果を及ぼすため、第2の物質として、これらの材料を用いることは好ましい構成である。また、この際、第1の発光層102aにおいて、第1の物質が70wt%以上100wt%未満の割合で含まれていることによって、さらに寿命向上の効果が顕著となる。この構成を採用することによって、本実施の形態に記載の発光素子110は発光効率の改善と、長寿命化の両方を実現した発光素子とすることが可能となる。
第3の物質は、第2の発光層102bにおいて、第1の物質を分散するホスト材料として機能する。このような材料としては、例えばトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(II)(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8−キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)、ビス[2−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnBTZ)などの金属錯体、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール)(略称:TPBI)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)、9−[4−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CO11)などの複素環化合物、NPB(またはα−NPD)、TPD、BSPBなどの芳香族アミン化合物が挙げられる。また、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、ピレン誘導体、クリセン誘導体、ジベンゾ[g,p]クリセン誘導体等の縮合多環芳香族化合物が挙げられ、具体的には、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、N,N−ジフェニル−9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:CzA1PA)、4−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:DPhPA)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPA)、N,9−ジフェニル−N−{4−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]フェニル}−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPBA)、N,9−ジフェニル−N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、6,12−ジメトキシ−5,11−ジフェニルクリセン、N,N,N’,N’,N’’,N’’,N’’’,N’’’−オクタフェニルジベンゾ[g,p]クリセン−2,7,10,15−テトラアミン(略称:DBC1)、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)、3,6−ジフェニル−9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:DPCzPA)、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、9,9’−ビアントリル(略称:BANT)、9,9’−(スチルベン−3,3’−ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS)、9,9’−(スチルベン−4,4’−ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS2)、3,3’,3’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリピレン(略称:TPB3)などを挙げることができる。これら及び公知の物質の中から、第1の物質のエネルギーギャップより大きなエネルギーギャップを有する物質を選択すればよい。また、第1の物質が燐光を発する物質である場合、第3の物質は該発光中心物質の三重項エネルギー(基底状態と三重項励起状態とのエネルギー差)よりも大きい三重項エネルギーを有する物質を選択すれば良い。なお、第2の物質と、第3の物質を同じ物質で形成することによって、発光素子110の寿命に良い影響を及ぼすため、第2の物質と第3の物質を同じ物質とすることは好ましい態様である。
電子輸送層106を用いる場合、発光層102と電子注入層107との間に設置される。相応しい材料としては、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−(4−ヒドロキシ−ビフェニリル)−アルミニウム(略称:BAlq)など、キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体などを用いることができる。また、この他に、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX))、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ))などのオキサゾール系、チアゾール系配位子を有する金属錯体なども用いることができる。さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)や、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)なども用いることができる。電子輸送層としては10−6cm/Vs以上の電子移動度を有する物質を用いることが好ましいが、正孔より電子の輸送性の高い物質であれば電子輸送層として用いることができる。また、電子輸送層は単層構造のものだけではなく、上述した条件に当てはまる物質から成る層を二層以上組み合わせた多層構造の層であってもよい。電子輸送層は真空蒸着法などを用いて作製することができる。
また、電子輸送層として、高分子化合物を用いることもできる。例えば、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(ピリジン−3,5−ジイル)](略称:PF−Py)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(2,2’−ビピリジン−6,6’−ジイル)](略称:PF−BPy)などを用いることができる。この場合、インクジェット法やスピンコートなどの溶液プロセスを適用することができる。
なお、第2の発光層102bと接する電子輸送層106には、第2の発光層102bの発光中心物質である第1の物質よりも大きいエネルギーギャップ(又は三重項エネルギー)を有する物質を用いることが好ましい。このような構成にすることにより、発光層102から電子輸送層106へのエネルギー移動を抑制することができ、高い発光効率を実現することができる。
電子注入層107用いる場合、電子注入層107を構成する材料としては、特に限定は無く、具体的には、フッ化カルシウムやフッ化リチウム、酸化リチウムや塩化リチウムなどのアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物などが好適である。あるいは、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)やバソキュプロイン(略称:BCP)などの、いわゆる電子輸送性の材料にリチウムやマグネシウムなどアルカリ金属またはアルカリ土類金属を組み合わせた層も使用できる。電子注入層は陰極に接して形成され、電子注入層を用いることによって、キャリアの注入障壁が低減し、効率よくキャリアが発光素子に注入され、その結果、駆動電圧の低減を図ることができる。なお、電子注入層として、電子輸送性を有する物質とアルカリ金属又はアルカリ土類金属を組み合わせた層を用いることは、陰極からの電子注入が効率良く起こるためより好ましい構成である。電子注入層は真空蒸着法などを用いて作製することができる。電子注入層107を設けることにより、仕事関数の大小に関わらず、Al、Ag、ITO、珪素若しくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ等様々な導電性材料を陰極として用いることができる。
なお、有機化合物を含む層103の形成には、上述した作製方法の他に蒸着法、インクジェット法、スピンコート法、ディップコート法など、湿式、乾式を問わず、用いることができる。
この後、陰極101を形成して発光素子110が完成する。陰極101としては、仕事関数の小さい(具体的には3.8eV以下)金属、合金、導電性材料、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。具体的には、元素周期表の1族または2族に属する金属、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(MgAg、AlLiなど)、ユウロピウム(Er)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金等が挙げられる。アルカリ金属、アルカリ土類金属、これらを含む合金の膜は、真空蒸着法を用いて形成することができる。また、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む合金はスパッタリング法により形成することも可能である。また、銀ペーストなどをインクジェット法などにより成膜して陰極を形成することも可能である。また、陰極101と電子輸送層106との間に、電子注入層107を設けることにより、仕事関数の大小に関わらず、Al、Ag、ITO、珪素若しくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ等様々な導電性材料を陰極として用いることができる。
なお、陽極100または陰極101として導電性高分子(導電性ポリマーともいう)を含む導電性組成物を用いることもできる。導電性組成物は、陽極100又は陰極101として形成する場合、薄膜におけるシート抵抗が10000Ω/□以下、波長550nmにおける透光率が70%以上であることが好ましい。また、含まれる導電性高分子の抵抗率が0.1Ω・cm以下であることが好ましい。
導電性高分子としては、いわゆるπ電子共役系導電性高分子が用いることができる。例えば、ポリアニリン及びまたはその誘導体、ポリピロール及びまたはその誘導体、ポリチオフェン及びまたはその誘導体、これらの2種以上の共重合体などがあげられる。
共役導電性高分子の具体例としては、ポリピロ−ル、ポリ(3−メチルピロール)、ポリ(3−ブチルピロール)、ポリ(3−オクチルピロール)、ポリ(3−デシルピロール)、ポリ(3,4−ジメチルピロール)、ポリ(3,4−ジブチルピロール)、ポリ(3−ヒドロキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−ヒドロキシピロール)、ポリ(3−メトキシピロール)、ポリ(3−エトキシピロール)、ポリ(3−オクトキシピロール)、ポリ(3−カルボキシルピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシルピロール)、ポリN−メチルピロール、ポリチオフェン、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−ブチルチオフェン)、ポリ(3−オクチルチオフェン)、ポリ(3−デシルチオフェン)、ポリ(3−ドデシルチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3−エトキシチオフェン)、ポリ(3−オクトキシチオフェン)、ポリ(3−カルボキシルチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシルチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリアニリン、ポリ(2−メチルアニリン)、ポリ(2−オクチルアニリン)、ポリ(2−イソブチルアニリン)、ポリ(3−イソブチルアニリン)、ポリ(2−アニリンスルホン酸)、ポリ(3−アニリンスルホン酸)等が挙げられる。
上記導電性高分子は、単独で陽極100又は陰極101に使用してもよいし、膜特性を調整するために有機樹脂を添加して導電性組成物として使用することができる。
有機樹脂としては、導電性高分子と相溶または混合分散可能であれば熱硬化性樹脂であってもよく、熱可塑性樹脂であってもよく、光硬化性樹脂であってもよい。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等のポリイミド系樹脂、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド12、ポリアミド11等のポリアミド樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル等のビニル樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、アラミド樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリウレア系樹脂、メラミン樹脂、フェノール系樹脂、ポリエーテル、アクリル系樹脂及びこれらの共重合体等が挙げられる。
さらに、上記導電性高分子又は導電性組成物の電気伝導度を調整するために、アクセプタ性またはドナー性ドーパントをドーピングすることにより、共役系導電性高分子の酸化還元電位を変化させてもよい。
アクセプタ性ドーパントとしては、ハロゲン化合物、有機シアノ化合物、有機金属化合物等を使用することができる。ハロゲン化合物としては、塩素、臭素、ヨウ素、塩化ヨウ素、臭化ヨウ素、フッ化ヨウ素等が挙げられる。有機シアノ化合物としては、共役結合に二つ以上のシアノ基を含む化合物が使用できる。例えば、テトラシアノエチレン、テトラシアノエチレンオキサイド、テトラシアノベンゼン、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノアザナフタレン等が挙げられる。また、五フッ化燐、五フッ化ヒ素、五フッ化アンチモン、三フッ化硼素、三塩化硼素、三臭化硼素等や、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウフッ化水素酸、フッ化水素酸、過塩素酸等の無機酸、有機カルボン酸、有機スルホン酸等の有機酸も用いることができる。
ドナー性ドーパントとしては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、3級アミン化合物等を挙げることができる。
上記導電性高分子又は導電性組成物を、水または有機溶剤(アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、炭化水素系溶剤、芳香族系溶剤など)に溶解させて、湿式法により陽極100又は陰極101となる薄膜を形成することができる。
上記導電性高分子又は導電性組成物を溶解する溶媒としては、特に限定することはなく、上記した導電性高分子及び有機樹脂などの高分子樹脂化合物を溶解するものを用いればよい。例えば、水、メタノール、エタノール、プロピレンカーボネート、N‐メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、シクロヘキサノン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエンなどの単独もしくは混合溶剤に溶解すればよい。
導電性組成物の成膜は上述のように溶媒に溶解した後、塗布法、コーティング法、液滴吐出法(インクジェット法ともいう)、印刷法等の湿式法を用いて成膜することができる。溶媒の溜去は、熱処理を行ってもよいし、減圧下で行ってもよい。また、有機樹脂が熱硬化性の場合は、さらに加熱処理を行い、光硬化性の場合は、光照射処理を行えばよい。
なお、陽極100や陰極101の材料を変えることで、本実施の形態の発光素子は様々なバリエーションを提供することができる。例えば、陽極100を光透過性とすることで、陽極100側から光を射出する構成となり、また、陽極100を遮光性(特に反射性)とし、陰極101を光透過性とすることで、陰極101の側から光を射出する構成となる。さらに、陽極100、陰極101の両方を光透過性とすることで、陽極側、陰極側の両方に光を射出する構成も可能となる。
以上で説明した本実施の形態における素子構造により、発光効率の向上、特に発光効率の向上と長寿命化の両方を実現した発光素子を提供することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1に示した発光素子を用いて作製された発光装置の一例について説明する。なお、本発明の発光装置は以下に説明する構成を有する発光装置のみに限定されず、その表示を担う部分(本実施の形態では画素部602)に実施の形態1に示した発光素子が含まれているもの全てを含むものとする。
本実施の形態では、実施の形態1に示した発光素子を用いて作製された発光装置の一例について図3を用いて説明する。なお、図3(A)は、発光装置を示す上面図、図3(B)は図3(A)をA−A’およびB−B’で切断した断面図である。この発光装置は、発光素子の発光を制御するものとして、点線で示された駆動回路部(ソース側駆動回路)601、画素部602、駆動回路部(ゲート側駆動回路)603を含んでいる。また、604は封止基板、605はシール材であり、シール材605で囲まれた内側は、空間607になっている。
なお、引き回し配線608はソース側駆動回路601及びゲート側駆動回路603に入力される信号を伝送するための配線であり、外部入力端子となるFPC(フレキシブルプリントサーキット)609からビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等を受け取る。なお、ここではFPCしか図示されていないが、このFPCにはプリント配線基板(PWB)が取り付けられていても良い。本明細書における発光装置には、発光装置本体だけでなく、それにFPCもしくはPWBが取り付けられた状態をも含むものとする。
次に、断面構造について図3(B)を用いて説明する。素子基板610上には駆動回路部及び画素部が形成されているが、ここでは、駆動回路部であるソース側駆動回路601と、画素部602中の一つの画素が示されている。
なお、ソース側駆動回路601はnチャネル型TFT623とpチャネル型TFT624とを組み合わせたCMOS回路が形成される。また、駆動回路は、種々のCMOS回路、PMOS回路もしくはNMOS回路で形成しても良い。また、本実施の形態では、基板上に駆動回路を形成したドライバ一体型を示すが、必ずしもその必要はなく、駆動回路を基板上ではなく外部に形成することもできる。
また、画素部602はスイッチング用TFT611と、電流制御用TFT612と、そのドレインに電気的に接続された第1の電極613と、当該第1の電極613、有機化合物を含む層616、第2の電極617よりなる発光素子とを含む複数の画素により形成される。なお、第1の電極613の端部を覆って絶縁物614が形成されている。ここでは、ポジ型の感光性アクリル樹脂膜を用いることにより形成する。
また、被覆性を良好なものとするため、絶縁物614の上端部または下端部に曲率を有する曲面が形成されるようにする。例えば、絶縁物614の材料としてポジ型の感光性アクリルを用いた場合、絶縁物614の上端部のみに曲率半径(0.2μm〜3μm)を有する曲面を持たせることが好ましい。また、絶縁物614として、光の照射によってエッチャントに不溶解性となるネガ型、或いは光の照射によってエッチャントに溶解性となるポジ型のいずれも使用することができる。
第1の電極613上には、有機化合物を含む層616、および第2の電極617が積層され、発光素子618が構成されている。ここで、陽極として機能する第1の電極613に用いる材料としては、仕事関数の大きい(具体的には4.0eV以上)金属、合金、導電性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。具体的には、インジウム錫酸化物(以下、ITOと示す)、または珪素もしくは酸化珪素を含有したインジウム錫酸化物、酸化亜鉛(ZnO)を含む酸化インジウム、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム(IWZO)、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、または金属の窒化物(例えば、窒化チタン)の単層膜の他、積層構造も適用でき、例えば、窒化チタンとアルミニウムを主成分とする膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜との3層構造等を用いることができる。なお、積層構造とすると、配線としての抵抗も低く、良好なオーミックコンタクトがとれ、さらに陽極として機能させることができるようになる。また、正孔注入層として実施の形態1で説明したような複合層を用いることによって仕事関数に関係なく第1の電極の材料を選択することができる。
有機化合物を含む層616は、実施の形態1に記載した有機化合物を含む層103と同様の構成を有している。また、有機化合物を含む層616を構成する材料としては、低分子化合物、または高分子化合物(オリゴマー、デンドリマーを含む)のいずれを用いてもよい。また、有機化合物を含む層616に用いる材料としては、有機化合物だけでなく、無機化合物をその一部に用いてもよい。有機化合物を含む層616は、蒸着マスクを用いた蒸着法、インクジェット法、スピンコート法等の種々の方法によって形成される。
さらに、有機化合物を含む層616上に形成され、陰極として機能する第2の電極617に用いる材料としては、仕事関数の小さい材料(Al、Mg、Li、Ca、またはこれらの合金や化合物、MgAg、MgIn、AlLi、LiF、CaF等)を用いることが好ましい。なお、有機化合物を含む層616で生じた光を第2の電極617を透過させる場合には、第2の電極617として、膜厚を薄くした金属薄膜と、透明導電膜(ITO、2〜20wt%の酸化亜鉛を含む酸化インジウム、珪素若しくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ、酸化亜鉛(ZnO)等)との積層を用いるのが良い。また、実施の形態1で説明したように電子注入層を用いることによって仕事関数に関係なく第2の電極の材料を選択することができる。
上述のように、第1の電極613、有機化合物を含む層616、第2の電極617によって発光素子が構成されるが、発光素子の詳しい構造及び材料については実施の形態1において説明したため、繰り返しとなる説明を省略する。実施の形態1を参照されたい。なお、本実施の形態における第1の電極613、有機化合物を含む層616、第2の電極617はそれぞれ実施の形態1における陽極100、有機化合物を含む層103、陰極101に相当する。
駆動回路、画素部のTFT及び発光素子が形成された素子基板610と、封止基板604とをシール材605によって貼り合わせることにより、素子基板610、封止基板604、およびシール材605で囲まれた空間607に、実施の形態2で示した発光素子618が備えられた構造の発光装置が提供される。なお、空間607には、充填材が充填されており、不活性気体(窒素やアルゴン等)が充填される場合の他、シール材605で充填される場合もある。
なお、シール材605にはエポキシ系樹脂を用いるのが好ましい。また、これらの材料はできるだけ酸素を透過しない材料であることが望ましい。また、封止基板604に用いる材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiberglass−Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、ポリエステルまたはアクリル等からなるプラスチック基板を用いることができる。
以上のようにして、実施の形態1に示した発光素子を用いて作製された発光装置を得ることができる。
本実施の形態における発光装置は、実施の形態1に示した発光素子を用いており、当該発光素子は発光効率を向上できる、特に発光効率の向上と長寿命化の両方を実現できる素子構造を有することから、消費電力が低減され且つ信頼性の高い発光装置を得ることができる。
以上のように、本実施の形態では、トランジスタによって発光素子の駆動を制御するアクティブマトリクス型の発光装置について説明したが、この他、パッシブマトリクス型の発光装置であってもよい。図4には本発明を適用して作製したパッシブマトリクス型の発光装置を示す。なお、図4(A)は、発光装置を示す斜視図、図4(B)は図4(A)をX−Yで切断した断面図である。図4において、基板951上には、電極952と電極956との間には有機化合物を含む層955が設けられている。電極952の端部は絶縁層953で覆われている。そして、絶縁層953上には隔壁層954が設けられている。隔壁層954の側壁は、基板面に近くなるに伴って、一方の側壁と他方の側壁との間隔が狭くなっていくような傾斜を有する。つまり、隔壁層954の短辺方向の断面は、台形状であり、底辺(絶縁層953の面方向と同様の方向を向き、絶縁層953と接する辺)の方が上辺(絶縁層953の面方向と同様の方向を向き、絶縁層953と接しない辺)よりも短い。このように、隔壁層954を設けることで、電極956をパターニングすることが出来る。パッシブマトリクス型の発光装置においても、実施の形態1に示した発光素子を含むことによって、発光装置を作製することができる。発光効率を向上できる、特に発光効率の向上と長寿命化の両方を実現できる素子構造を有する当該発光素子を用いることにより、消費電力が低減され且つ信頼性が向上した発光装置を提供することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態2に示す発光装置をその一部に含む電子機器について説明する。これら電子機器は、実施の形態1に示した発光素子を含んだ表示部を有する。
実施の形態1に示した発光素子を有する電子機器の一例として、ビデオカメラ、デジタルカメラ等のカメラ、ゴーグル型ディスプレイ、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、コンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうる表示装置を備えた装置)などが挙げられる。これらの電子機器の具体例を図5に示す。
図5(A)はテレビ装置であり、筐体9101、支持台9102、表示部9103、スピーカー部9104、ビデオ入力端子9105等を含む。このテレビ装置は、表示部9103は、実施の形態1に示した発光素子を表示素子として用いることによって作製される。発光効率を向上できる、特に発光効率の向上と長寿命化の両方を実現できる素子構造を有する当該発光素子を用いて作製されたテレビ装置は、表示部9103の低消費電力化を実現し、特に低消費電力化と信頼性向上の両方を実現させることができ、この表示部9103を備えた当該テレビ装置は低消費電力化を実現し、特に低消費電力化と信頼性向上の両方を実現したテレビ装置とすることができる。また、寿命の改善された発光素子を用いたテレビ装置は、搭載される劣化補償機能回路を大幅に削減もしくは縮小することができるため、デザインや設計の自由度が高くなる。
図5(B)はコンピュータであり、本体9201、筐体9202、表示部9203、キーボード9204、外部接続ポート9205、ポインティングデバイス9206等を含む。このコンピュータは、表示部9203は、実施の形態1に示した発光素子を表示素子として用いることによって作製される。発光効率を向上できる、特に発光効率の向上と長寿命化の両方を実現できる素子構造を有する当該発光素子を用いて作製された表示部9203は低消費電力化を実現し、特に低消費電力化と信頼性向上の両方を実現させることができ、この表示部9203を備えた当該コンピュータは低消費電力化を実現し、特に低消費電力化と信頼性向上の両方を実現したコンピュータとなっている。また、寿命の改善された発光素子を用いたコンピュータは表示部に搭載される劣化補償機能回路を大幅に削減もしくは縮小することができ、コンピュータの小型軽量化を図ることができる。
図5(C)は携帯電話であり、本体9401、筐体9402、表示部9403、音声入力部9404、音声出力部9405、操作キー9406、外部接続ポート9407、アンテナ9408等を含む。この携帯電話は、表示部9403は、実施の形態1に示した発光素子を表示素子として用いることによって作製されている。発光効率を向上できる、特に発光効率の向上と長寿命化の両方を実現できる素子構造を有する当該発光素子を用いて作製された表示部9403は低消費電力化を実現し、特に低消費電力化と信頼性向上の両方を実現させることができ、この表示部9403を備えた当該携帯電話は低消費電力化を実現し、特に低消費電力化と信頼性向上の両方を実現した携帯電話とすることができる。これは、携帯することを前提とする携帯電話にとっては非常に有利である。また、寿命の改善された発光素子を用いて作製された表示部を有する携帯電話は、搭載される劣化補償機能回路を大幅に削減もしくは縮小することができ、携帯電話のさらなる小型軽量化を図ることができる。小型軽量化が図られた実施の形態における携帯電話には、様々な付加価値を備えても携帯に適したサイズ、重量に止めることができ、当該携帯電話は高機能な携帯電話としても適した構成となっている。
図5(D)はカメラであり、本体9501、表示部9502、筐体9503、外部接続ポート9504、リモコン受信部9505、受像部9506、バッテリー9507、音声入力部9508、操作キー9509、接眼部9510等を含む。このカメラは、表示部9502は、実施の形態1に示した発光素子を表示素子として用いることによって作製されている。発光効率を向上できる、特に発光効率の向上と長寿命化の両方を実現できる素子構造を有する当該発光素子を用いて作製された表示部9502は低消費電力化を実現し、特に低消費電力化と信頼性向上の両方を実現させることができ、この表示部9502を備えた当該カメラは低消費電力化を実現し、特に低消費電力化と信頼性向上の両方を実現したカメラとすることができる。これは、携帯することが多いカメラにとっては非常に有利な構成となる。また、寿命の改善された発光素子を用いて作製された表示部を有するカメラは表示部に搭載される劣化補償機能回路を大幅に削減もしくは縮小することができ、小型軽量化を図ることができる。
以上の様に、実施の形態1に示した発光素子を用いて作製された発光装置の適用範囲は極めて広く、この発光装置をあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
また、本発明の発光装置として、照明装置を挙げることもできる。実施の形態1に示した発光素子を照明装置に適用する一態様を、図6を用いて説明する。
図6は、実施の形態1又は実施の形態2に示した発光素子をバックライトとして適用した液晶表示装置の一例である。図6に示した液晶表示装置は、筐体901、液晶層902、バックライトユニット903、筐体904を有し、液晶層902は、ドライバIC905と接続されている。また、バックライトユニット903は、実施の形態1に示した発光素子を用いて形成されており、端子906により、電流が供給されている。
なお、バックライトユニット903は実施の形態1に示した発光素子を1つのみ用いていても良いし、当該発光素子を複数用いていても良い。
このように、実施の形態1に示した発光素子を液晶表示装置のバックライトに適用することができる。当該バックライトは大面積化も可能であるため、液晶表示装置の大面積化も可能になる。また、発光効率を向上できる、特に発光効率の向上と長寿命化の両方を実現できる素子構造を有する当該発光素子を用いて作製されたバックライトは、低消費電力化を実現し、特に低消費電力化と信頼性向上の両方を実現したバックライトとすることができる。さらに、当該バックライトは厚みのある部品を必要としないため、液晶表示装置全面において薄型化することも可能となる。
図7は、実施の形態1に示した発光素子を、照明装置である電気スタンドに用いた例である。図7に示す電気スタンドは、筐体2001と、光源2002を有し、光源2002として、実施の形態1に示した発光素子が形成されている。光源2002は当該発光素子1つで構成されていても良いし、複数の当該発光素子によって構成されていても良い。また、実施の形態1に示した発光素子とそれ以外の発光素子とで構成されていても良い。また、異なる発光色を呈する複数種の発光素子によって構成されていても良い。このように、実施の形態1に示した発光素子を用いて光源2002を作製することができる。発光効率を向上できる、特に発光効率の向上と長寿命化の両方を実現できる素子構造を有する当該発光素子を用いて作製された電気スタンドは、低消費電力化を実現し、特に低消費電力化と信頼性向上の両方を実現した電気スタンドとすることができる。
図8は、実施の形態1に示した発光素子を、室内の照明装置3001に適用した例である。照明装置3001は当該発光素子1つで構成されていても良いし、複数の当該発光素子によって構成されていても良い。また、実施の形態1に示した発光素子とそれ以外の発光素子とで構成されていても良い。また、異なる発光色を呈する複数種の発光素子によって構成されていても良い。このように、実施の形態1に示した発光素子で説明した発光素子を用いて照明装置3001を作製することができる。当該発光素子を適用して作製された照明装置3001は大面積化も可能であるため、大面積の照明装置として用いることができる。発光効率を向上できる、特に発光効率の向上と長寿命化の両方を実現できる素子構造を有する当該発光素子を用いて作製された照明装置3001は、低消費電力化を実現し、特に低消費電力化と信頼性向上の両方を実現した照明装置とすることができる。
本発明の実施例の発光素子について、比較素子の結果も示しながら説明する。
なお、本実施例で用いる有機化合物の分子構造を下記構造式(1)、(4)〜(7)に示す。素子構造は図1(B)と同様である。
≪発光素子1、発光素子2、比較発光素子1、比較発光素子2作製≫
まず、陽極100として110nmの膜厚でインジウム錫珪素酸化物(ITSO)が成膜されたガラス基板を用意した。ITSO表面は、2mm角の大きさで表面が露出するよう周辺をポリイミド膜で覆い、電極面積は2mm×2mmとした。この基板上に発光素子を形成するための前処理として、基板表面を水で洗浄し、200℃で1時間焼成した後、UVオゾン処理を370秒行った。その後、10−4Pa程度まで内部が減圧された真空蒸着装置に基板を導入し、真空蒸着装置内の加熱室において170℃で30分間の真空焼成を行った後、基板を30分程度放冷した。
次に、ITSOが形成された面が下方となるように、基板を真空蒸着装置内に設けられたホルダーに固定した。
真空蒸着装置内を10−4Paに減圧した後、構造式(4)で表される4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)と酸化モリブデン(VI)とを、NPB:酸化モリブデン(VI)=4:1(質量比)となるように共蒸着することにより、正孔注入層104を形成した。膜厚は50nmとした。なお、共蒸着とは、異なる複数の物質をそれぞれ異なる蒸発源から同時に蒸発させる蒸着法である。次に、NPBを10nm蒸着することにより、正孔輸送層105を形成した。
さらに正孔輸送層105上に、発光層102を形成した。ここで、発光素子1、発光素子2及び比較発光素子2は発光層102を第1の発光層102a及び第2の発光層102bの2層で形成し、比較発光素子1のみ第1の発光層102aを形成せず、第2の発光層102b一層で発光層102とした。
発光素子1、発光素子2及び比較発光素子2はまず、正孔輸送層105上に第1の発光層102aを形成した。第1の発光層102aは上記構造式(1)で表される4−(10−フェニル−9−アントリル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPA)と上記構造式(5)で表される9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)の共蒸着により形成し、第1の発光層102a中のこれらの質量比が発光素子1、発光素子2及び比較発光素子2でそれぞれ異なる比率となるように成膜した。具体的には、比較発光素子2ではPCBAPA:CzPA=0.1:1、発光素子1ではPCBAPA:CzPA=1:1、発光素子2ではPCBAPA:CzPA=4:1となるように成膜した(全て質量比)。膜厚は30nmとなるように成膜した。
続いて、比較発光素子1は正孔輸送層上に、発光素子1、発光素子2及び比較発光素子2は第1の発光層102a上にそれぞれ第2の発光層102bをCzPAとPCBAPAの共蒸着により形成した。なお、これら4つの発光素子において第2の発光層102b中のCzPAとPCBAPAの質量比はCzPA:PCBAPA=1:0.1、膜厚は30nmとなるようにした。
次に、上記構造式(6)で表されるトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)を10nm、上記構造式(7)で表されるバソフェナントロリン(略称:BPhen)を20nm蒸着することにより、電子輸送層106を形成した。さらに電子輸送層106上に、フッ化リチウムを1nmとなるように形成することによって電子注入層107を形成した。最後に、陰極101としてアルミニウムを200nm成膜し、発光素子を完成させた。上述した蒸着過程においては、蒸着は全て抵抗加熱法を用いた。
以上のように作製した発光素子1、発光素子2、比較発光素子1及び比較発光素子2の素子構造を表1に示した。ここで、発光素子1及び発光素子2が実施の形態1に記載された構成を有する本発明の発光素子である。また、比較発光素子1は第1の発光層102aを設けない構造、比較発光素子2は第1の物質が50wt%未満の割合で含まれる第1の発光層102aを設けた構造の素子となっている。
≪発光素子1、発光素子2、比較発光素子1、比較発光素子2の動作特性≫
以上により得られた発光素子1、2及び比較発光素子1、2を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、これらの発光素子の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
各発光素子の電流密度−輝度特性を図9、電圧−輝度特性を図10、輝度−電流効率特性を図11、発光スペクトルを図12に示す(□: 発光素子1, ◇: 発光素子2, ●: 比較発光素子1, and ▲: 比較発光素子2)。また、800cd/m〜1000cd/m付近における各発光素子の電流効率及び色度を表2に示す。
図11及び表2から、実施の形態1に記載の発光素子である発光素子1及び発光素子2は、比較発光素子1及び比較発光素子2と比較して高い電流効率を示していることがわかる。これは、第2の発光層102bにおいて、正孔と再結合せず発光に寄与しなかった電子が第1の発光層102aにおいて再結合し第1の発光層102aにおける第1の物質が発光したことによるものと考えられる。
また、第1の発光層102aを設けない比較発光素子1に対して、第1の発光層102aを設けた比較発光素子2の電流効率が低く、単に第1の発光層102aを設けただけの構成では特性が悪化する結果となっている。このことから、本発明の効果が発現するためには、第1の発光層102aにおける第1の物質(本実施例ではPCBAPA)の濃度が重要な役割を担っていることがわかる。
図12(発光素子1、発光素子2、及び比較発光素子2は実線、比較発光素子1は破線で示す)及び表2から、比較発光素子と本実施例における発光素子の発光スペクトル及び色度には大きな変化はなく、どちらも良好な青色の発光を呈していることがわかった。
なお、第1の発光層102aの膜質を向上させ、発光素子110の動作の安定化を図る為には第1の発光層102aは第1の物質に、第1の物質のエネルギーギャップ(又は三重項エネルギー)より大きいエネルギーギャップ(又は三重項エネルギー)を有する第2の物質が添加されていることが好ましい。
以上の結果より、本発明における発光素子は、第1の発光層102aにおける第1の物質の濃度は半分以上(だたし第2の物質が0である場合を除く)、言い換えると第1の発光層102aは第1の物質と当該第1の物質よりエネルギーギャップ(又は三重項エネルギー)の大きい第2の物質とを含み、第1の物質が50wt%以上100wt%未満、第2の物質が0wt%より多く50wt%以下含まれていることにより効果を発現することが可能となる。
次に、初期輝度を1000cd/mに設定し、電流密度一定の条件でこれらの素子を駆動したところ、図13のような輝度劣化曲線が得られた(実線:発光素子1、太線:発光素子2、点線:比較発光素子1、破線:比較発光素子2)。図13において、横軸は時間、縦軸は初期輝度を100%とした場合の相対輝度(%)である。図13からもわかるように、比較発光素子1は450時間の駆動で初期輝度の65%、比較発光素子2は56%まで劣化してしまったが、発光素子1は74%、発光素子2は78%までの劣化に留まっており、本発明の発光素子は寿命に関しても改善されていることがわかる。ここでも、第1の発光層102aにおける第1の物質の濃度が50wt%より小さい比較発光素子2は、従来の構成の発光素子である比較発光素子1より寿命が短く、特性の悪化する結果となった。なお、第1の物質と第2の物質が1:1で含まれる発光素子1より第1の物質と第2の物質が4:1の割合で含まれる発光素子2の方がより寿命向上の効果が顕著に表れていることから、第1の発光層102aに含まれる第1の物質の割合は70wt%以上100wt%未満であることが好ましい構成である。
以上から、発光効率の向上させた発光素子を提供することが可能である。また、発光効率の改善と長寿命化を同時に実現した発光素子を提供することも可能である。
本実施例においては、実施例1と異なる構成を有する本発明の発光素子について比較素子の結果も示しながら説明する。また、本実施例において用いた有機化合物の分子構造を以下に示す。なお、既に他の実施例で分子構造を示した有機化合物についてはその記載を省略した。素子構造に関しては実施例1と同様であり、図1(B)を参照されたい。
≪発光素子3、比較発光素子3の作製≫
発光素子3、比較発光素子3共に正孔輸送層105を形成する迄は実施例1における発光素子1と同様に作製した。
続いて発光層102を形成したが、発光素子3は実施例1の発光素子1と同様に第1の発光層102a上に第2の発光層102bを形成し、第1の発光層102a及び第2の発光層102bの2層でもって発光層102とし、比較発光素子3は実施例1の比較発光素子1と同様に第1の発光層102aを形成せず、第2の発光層102bのみで発光層102とした。
第1の発光層102aは正孔輸送層上に、上記構造式(2)で表される4−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPBA)とCzPAの共蒸着により形成し、第1の発光層102a中のこれらの質量比がPCBAPBA:CzPA=4:1となるように成膜した。膜厚は30nmとなるように成膜した。第2の発光層102bは、比較発光素子3は正孔輸送層105上に、発光素子3は第1の発光層102a上にCzPAとPCBAPBAの共蒸着により形成した。なお、両素子共第2の発光層102b中のCzPAとPCBAPBAの質量比はCzPA:PCBAPBA=1:0.1、膜厚は30nmとなるようにした。
次に、BPhenを30nm蒸着することにより、電子輸送層106を形成した。さらに電子輸送層106上に、フッ化リチウムを1nmとなるように形成することによって電子注入層107を形成した。最後に、陰極101としてアルミニウムを200nm成膜し、発光素子を完成させた。上述した蒸着過程においては、蒸着は全て抵抗加熱法を用いた。
≪発光素子3及び比較発光素子3の動作特性≫
以上により得られた発光素子3及び比較発光素子3を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、これらの発光素子の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
各発光素子の電流密度−輝度特性を図14、電圧−輝度特性を図15、輝度−電流効率特性を図16に示す(△:発光素子3、●:比較発光素子3)。
図16に示すように、輝度が1000cd/m付近の時の比較発光素子3の電流効率は3.93cd/A(952cd/m時)、発光素子3の電流効率は5.64cd/A(1030cd/m時)であった。以上の結果から、実施の形態1に記載の構成を有する発光素子である発光素子3、比較発光素子3と比較して高い電流効率を示していることがわかる。これは、第2の発光層102bにおいて、正孔と再結合せず発光に寄与しなかった電子が第1の発光層102aにおいて正孔と再結合し第1の発光層102aにおける第1の物質が発光したことによるものと考えられる。
次に、初期輝度を1000cd/mに設定し、電流密度一定の条件でこれらの素子を駆動したところ、図17のような輝度劣化曲線が得られた。図17において、横軸は時間、縦軸は初期輝度を100%とした場合の相対輝度(%)である。図17からもわかるように、比較発光素子3(実線)は110時間の駆動で初期輝度の63%まで劣化してしまったが、発光素子3(点線)は91%までの劣化に留まっており本発明の発光素子は寿命に関しても大幅に改善されていることがわかる。
以上から、発光効率の向上させた発光素子を提供することが可能である。また、発光効率の改善と長寿命化を同時に実現した発光素子を提供することも可能である。
本実施例においては、実施例1、実施例2とは異なる構成を有する本発明の発光素子について比較素子の結果も示しながら説明する。また、本実施例において用いた有機化合物の分子構造を、以下に示す。なお、既に他の実施例で分子構造を示した有機化合物についてはその記載を省略した。素子構造に関しては実施例1と同様であり、図1(B)を参照されたい。
≪発光素子4、比較発光素子4の作製≫
発光素子4、比較発光素子4共に正孔輸送層105を形成するまでは実施例1における発光素子1と同様に作製した。
続いて発光層102を形成するが、発光素子4は実施例1の発光素子1と同様に第1の発光層102a上に第2の発光層102bを形成し、第1の発光層102a及び第2の発光層102bの2層でもって発光層102とし、比較発光素子4は実施例1の比較発光素子1と同様に第1の発光層102aを形成せず、第2の発光層102bのみで発光層102とした。
第1の発光層102aは正孔輸送層上に、上記構造式(3)で表されるN,9−ジフェニル−N−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPA)とCzPAの共蒸着により形成し、第1の発光層102a中のこれらの質量比がPCAPA:CzPA=1:1となるように成膜した。膜厚は30nmとなるように成膜した。第2の発光層102bは、比較発光素子4は正孔輸送層105上に、発光素子4は第1の発光層102a上にCzPAとPCAPAの共蒸着により形成した。なお、両素子共第2の発光層102b中のCzPAとPCAPAの質量比はCzPA:PCAPA=1:0.1、膜厚は30nmとなるようにした。
次に、発光層102上に、Alqを10nm蒸着した後BPhenを20nm蒸着することにより、電子輸送層106を形成した。さらに電子輸送層106上に、フッ化リチウムを1nmとなるように形成することによって電子注入層107を形成した。最後に、陰極101としてアルミニウムを200nm成膜し、発光素子を完成させた。上述した蒸着過程においては、蒸着は全て抵抗加熱法を用いた。
≪発光素子4及び比較発光素子4の動作特性≫
以上により得られた発光素子4及び比較発光素子4を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、これらの発光素子の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
各発光素子の電流密度−輝度特性を図18、電圧−輝度特性を図19、輝度−電流効率特性を図20に示す(△:発光素子4、●比較素子4)。
図20に示すように、1000cd/m付近の比較発光素子4の電流効率は5.55cd/A(1000cd/m時)、発光素子4の電流効率は9.75cd/A(885cd/m時)であった。以上の結果から、実施の形態1に記載の構成を有する発光素子である発光素子4は、比較発光素子4と比較して高い電流効率を示していることがわかる。これは、第2の発光層102bにおいて、再結合せず発光に寄与しなかった電子が第1の発光層102aにおいて正孔と再結合し、第1の発光層102aにおける第1の物質が発光したことによるものと考えられる。
次に、初期輝度を1000cd/mに設定し、電流密度一定の条件でこれらの素子を駆動したところ、図21のような輝度劣化曲線が得られた。図21において、横軸は時間、縦軸は初期輝度を100とした場合の相対輝度(%)である。図21からもわかるように、比較発光素子4(実線)は450時間の駆動で初期輝度の69%まで劣化してしまったが、発光素子4(点線)は75%の劣化に留まっており本発明の発光素子は寿命に関しても改善されていることがわかる。
以上から、発光効率の向上させた発光素子を提供することが可能である。また、発光効率の改善と長寿命化を同時に実現した発光素子を提供することも可能である。
本実施例においては、実施例1〜実施例3とは異なる構成を有する本発明の発光素子について比較素子の結果も示しながら説明する。本実施例においては、第1の発光層102aにおける第2の物質の種類について検討した結果を示す。
本実施例において用いた有機化合物の分子構造を、以下に示す。なお、既に他の実施例で分子構造を示した有機化合物についてはその記載を省略した。素子構造に関しては実施例1と同様であり、図1(B)を参照されたい。
≪発光素子5〜8、比較発光素子5〜8の作製≫
発光素子5〜8、比較発光素子5〜8共に正孔輸送層105を形成する迄は実施例1における発光素子1と同様に作製した。
続いて発光層102を形成したが、発光素子5〜8は実施例1の発光素子1と同様に第1の発光層102a上に第2の発光層102bを形成し、第1の発光層102a及び第2の発光層102bの2層でもって発光層102とし、比較発光素子5〜8は実施例1の比較発光素子1と同様に第1の発光層102aを形成せず、第2の発光層102bのみで発光層102とした。
第1の発光層102aは正孔輸送層上に第1の物質であるPCBAPAと第2の物質との共蒸着により形成し、第1の発光層102a中のこれらの質量比が第1の物質(PCBAPA):第2の物質=4:1となるように成膜した。ここで、発光素子5は第2の物質として、上記構造式(8)で表される9−フェニル−9’−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−3,3’−ビ(9H−カルバゾール)(略称:PCCPA)を用い膜厚が30nmとなるように、発光素子6は第2の物質として上記構造式(9)で表される4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)を用い、膜厚が10nmとなるように、発光素子7は第2の物質として上記構造式(10)で表される9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)を用い、膜厚が30nmとなるように、発光素子8は第2の物質としてNPBを用い、膜厚が10nmとなるようにそれぞれ第1の発光層102aを形成した。これら第2の物質としてもちいた物質は各々PCBAPAより高いエネルギーギャップを有する物質である。
第2の発光層102bは、比較発光素子5〜8は正孔輸送層105上に、発光素子5〜8は第1の発光層102a上にCzPAとPCBAPAの共蒸着により形成した。なお、第2の発光層102b中のCzPAとPCBAPAの質量比はCzPA:PCBAPA=1:0.1、膜厚は30nmとなるようにした。
次に、発光層102上に、Alqを10nm蒸着した後BPhenを20nm蒸着することにより、電子輸送層106を形成した。さらに電子輸送層106上に、フッ化リチウムを1nmとなるように形成することによって電子注入層107を形成し、最後に、陰極101としてアルミニウムを200nm成膜し、発光素子を完成させた。上述した蒸着過程においては、蒸着は全て抵抗加熱法を用いた。
≪発光素子5〜8、比較発光素子5〜8の動作特性≫
以上により得られた発光素子5〜8及び比較発光素子5〜8を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、これらの発光素子の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
発光素子5及び比較発光素子5の輝度−電流効率特性を図22に、発光素子6及び比較発光素子6の輝度−電流効率特性を図23に、発光素子7及び比較発光素子7の輝度−電流効率特性を図24に、発光素子8及び比較発光素子8の輝度−電流効率特性を図25に示す(△:発光素子5−8 ●:比較素子5−8)。また、各々の素子の1000cd/m付近の電流効率をまとめたものを表3に示す。
表3及び図22〜25から、実施の形態1に記載の構成を有する発光素子である発光素子5〜8は、比較発光素子5〜8と比較して各々高い電流効率を示すことがわかった。これは、第2の発光層102bにおいて、再結合せず発光に寄与しなかった電子が第1の発光層102aにおいて正孔と再結合し第1の発光層102aにおける第1の物質が発光したことによるものと考えられる。
なお、アントラセン誘導体もしくはカルバゾール誘導体であるPCCPA、CBP、DPAnthを第1の発光層102aにおける第2の物質として用いた発光素子5、発光素子6、発光素子7はそれぞれ比較発光素子5、比較発光素子6、比較発光素子7と比較して電流効率の向上効果が大きかった。
次に、初期輝度を1000cd/mに設定し、電流密度一定の条件でこれらの素子を駆動したところ、発光素子5及び比較発光素子5では図26、発光素子6及び比較発光素子6では図27、発光素子7及び比較発光素子7では図28、発光素子8及び比較発光素子8では図29のような輝度劣化曲線が得られた。また、実施例1の発光素子2及び比較発光素子1の輝度劣化曲線を抜粋して図30に示す。発光素子2は実施例1で説明したような構造を有しており、第2の物質としてCzPAを用いた他は、発光素子5〜発光素子8と同様の構成を有している。なお、図26〜30において、横軸は時間、縦軸は初期輝度を100とした場合の相対輝度(%)である。また、ある時間経過後における各々の発光素子及び比較発光素子の初期輝度からの劣化度合い(%)をまとめた表を以下に示す。
図26〜30より、本発明の実施例である発光素子2及び発光素子5乃至発光素子8は各々の比較発光素子と比較して、駆動時間に対する輝度劣化が低減していることがわかる。即ち、本発明を実施した発光素子は寿命の向上した発光素子とすることができた。また、分子内にアントラセン骨格及びカルバゾール骨格の両方を有するPCCPA、CzPAを第1の発光層102aにおける第2の物質として用いた発光素子5、発光素子2はそれぞれ比較発光素子5、比較発光素子1と比較して顕著に寿命が向上していることがわかった。
以上のことから、本発明の発光素子は、発光効率が向上した、特に発光効率と寿命の両方が向上した発光素子であることがわかる。
また、本発明の発光素子における第1の発光層に含まれる第2の物質はアントラセン骨格とカルバゾール骨格の両方を有する物質であることが好ましい構成である。
また、第2の物質が第2の発光層102bにおける第3の物質と同じ物質である発光素子2が良好な寿命向上効果を呈したことから、本発明の発光素子において、第1の発光層102aにおける第2の物質と、第2の発光層102bにおける第3の物質が同じ物質であることは好ましい構成である。
以上から、本発明の発光素子は発光効率の向上させた発光素子とすることが可能であることがわかる。また、発光効率の改善と長寿命化を同時に実現した発光素子とすることも可能である。
(参考例)
実施例1で用いた構造式(1)として表されるPCBAPA、実施例2で用いた構造式(2)として表されるPCBAPBA及び実施例4で用いた構造式(8)で表されるPCCPAは公知の物質ではないため、合成方法について説明する。
≪PCBAPAの合成方法≫
[ステップ1:9−フェニル−9H−カルバゾール−3−ボロン酸の合成]
3−ブロモ−9−フェニル−9H−カルバゾール10g(31mmol)を500mLの三口フラスコへ入れ、フラスコ内を窒素置換した。テトラヒドロフラン(THF)150mLをフラスコに加えて、3−ブロモ−9−フェニル−9H−カルバゾールを溶かした。この溶液を−80℃に冷却した。この溶液へn−ブチルリチウム(1.58mol/Lヘキサン溶液)20mL(32mmol)を、シリンジにより滴下して加えた。滴下終了後、溶液を同温度で1時間攪拌した。攪拌後、この溶液へホウ酸トリメチル3.8mL(34mmol)を加え、室温に戻しながら約15時間攪拌した。攪拌後、この溶液に希塩酸(1.0mol/L)約150mLを加えて、1時間攪拌した。攪拌後、この混合物から有機層を分離し、さらに水層を酢酸エチルで抽出し、抽出溶液と有機層を合わせて、飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムにより乾燥し、乾燥後この混合物を自然ろ過した。得られたろ液を濃縮したところ、淡褐色の油状物を得た。この油状物を減圧乾燥したところ、目的物の淡褐色固体を7.5g収率86%で得た。ステップ1の合成スキームを下記(a−1)に示す。
[ステップ2:4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)ジフェニルアミン(略称:PCBA)の合成]
4−ブロモジフェニルアミン6.5g(26mmol)、ステップ1で合成した9−フェニル−9H−カルバゾール−3−ボロン酸7.5g(26mmol)、トリ(o−トリル)ホスフィン400mg(1.3mmol)を500mL三口フラスコへ入れ、フラスコ内を窒素置換した。この混合物へトルエン100mL、エタノール50mL、炭酸カリウム水溶液(0.2mol/L)14mLを加えた。この混合物を、減圧下で攪拌しながら脱気し、脱気後、酢酸パラジウム(II)67mg(30mmol)を加えた。この混合物を100℃10時間還流した。還流後、混合物中の有機層を分離し、水層をトルエンで抽出し、抽出溶液と有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムにより乾燥し、乾燥後この混合物を自然ろ過し、得られたろ液を濃縮したところ、淡褐色の油状物を得た。この油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 ヘキサン:トルエン=4:6)により精製し、精製後に得られた白色固体をジクロロメタンとヘキサンの混合溶媒にて再結晶し、目的物の白色固体を4.9g収率45%で得た。ステップ2の合成スキームを下記(a−2)に示す。
なお、上記ステップ2で得られた白色固体の核磁気共鳴分光法(H NMR)を測定した。以下に測定データを示す。測定結果から、PCBAPAを合成するための原料であるPCBAが得られたことがわかった。
H NMR(DMSO−d,300MHz):δ=6.81−6.86(m,1H),7.12(dd,J=0.9Hz,J=8.7Hz、2H),7.19(d、J=8.7Hz,2H)、7.23−7.32(m、3H)、7.37−7.47(m、3H)、7.51−7.57(m,1H)、7.61−7.73(m、7H)8.28(s,1H)、8.33(d、J=7.2Hz,1H)、8.50(d、J=1.5Hz,1H)
[ステップ3:PCBAPAの合成]
9−(4−ブロモフェニル)−10−フェニルアントラセン7.8g(12mmol)、PCBA4.8g(12mmol)、ナトリウム tert−ブトキシド5.2g(52mmol)を300mL三口フラスコへ入れ、フラスコ内を窒素置換した。この混合物へ、トルエン60mL、トリ(tert−ブチル)ホスフィン(10wt%ヘキサン溶液)0.30mLを加えた。この混合物を、減圧下で攪拌しながら脱気し、脱気後、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)136mg(0.24mmol)を加えた。この混合物を、100℃で3時間攪拌した。攪拌後、この混合物に約50mLのトルエンを加え、セライト(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:531−16855)、アルミナ、フロリジール(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:540−00135)を通して吸引ろ過した。得られたろ液を濃縮し、黄色固体を得た。この固体をトルエンとヘキサンの混合溶媒にて再結晶し、目的物のPCBAPAの淡黄色固体6.6g収率75%で得た。得られた淡黄色粉末状固体3.0gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製条件は、圧力8.7Pa、アルゴンガスを流量3.0mL/minでながしながら、350℃でPCBAPAを加熱した。昇華精製後、PCBAPAの淡黄色固体を2.7g、回収率90%で得た。また、ステップ3の合成スキームを下記(a−3)に示す。
なお、上記ステップ3で得られた固体のH NMRを測定した。以下に測定データを示す。測定結果から、PCBAPAが得られたことがわかった。
H NMR(CDCl,300MHz):δ=7.09−7.14(m,1H),7.28−7.72(m、33H)、7.88(d,J=8.4Hz、2H),8.19(d,J=7.2Hz、1H)、8.37(d,J=1.5Hz,1H)
続いて、構造式(2)で表される4−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPBA)の合成方法を説明する。
≪PCBAPBAの合成方法≫
[ステップ1:9−(4’−ブロモビフェニル−4−イル)−10−フェニルアントラセンの合成]
2.8g(7.2mmol)の9−ヨード−10−フェニルアントラセンと、1.5g(7.2mmol)の4’−ブロモビフェニル−4−ボロン酸を100mL三口フラスコへ入れフラスコ内を窒素置換をした。この混合物へ40mLのトルエンと、10mLの炭酸ナトリウム水溶液(2.0mol/L)を加えた。この混合物を減圧しながら攪拌することで脱気した後、120mg(0.10mmol)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を加えた。この混合物を90℃で4時間撹拌した。攪拌後、この混合物へ約50mLのトルエンを加えてから、アルミナ、セライト(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:531−16855)、フロリジール(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:540−00135)を通して吸引ろ過した。得られた、ろ液を濃縮して得た固体を、高速液体クロマトグラフィー(移動相:クロロホルム)により精製し、淡黄色固体を得た。得られた固体をクロロホルムとヘキサンの混合溶媒により再結晶したところ、目的物の淡黄色粉末状固体を1.4g、収率40%で得た。ステップ1の合成スキームを下記(b−1)に示す。
[ステップ2:4−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPBA)の合成]
1.0g(2.1mmol)の9−(4’−ブロモビフェニル−4−イル)−10−フェニルアントラセンと、845mg(2.1mmol)の4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)ジフェニルアミン(略称:PCBA)(上記PCBAPAの合成方法におけるステップ1及びステップ2と同様に合成)と、1.0g(10mmol)のナトリウム tert−ブトキシドを50mLの三口フラスコへ入れ、フラスコ内を窒素置換した。この混合物へ、15mLのトルエンと、0.10mLのトリ(tert−ブチル)ホスフィン(10wt%ヘキサン溶液)を加えた。この混合物を、減圧下で攪拌しながら脱気し、脱気後、58mg(0.10mmol)のビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)を加えた。この混合物を、100℃で5時間攪拌した。攪拌後この混合物を室温までさましてから約20mLのトルエンを追加し、フロリジール(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:540−00135)、セライト(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:531−16855)、アルミナを通してろ過した。得られたろ液を濃縮し、淡黄色固体を得た。得られた固体をトルエンとヘキサンの混合溶媒により再結晶したところ、目的物の淡黄色粉末状固体を1.5g、収率90%で得た。ステップ2の合成スキームを下記(b−2)に示す。
得られた、淡黄色粉末状固体1.1gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製は、圧力6.0Pa、アルゴンガスを流量3.0mL/minでながしながら、380℃でPCBAPBAを加熱することによって行った。昇華精製後、PCBAPBAの淡黄色固体を1.0g、回収率93%で得た。
得られた固体のH NMRを測定した。以下に測定データを示す。測定結果から、PCBAPBAが得られたことがわかった。
H NMR(DMSO−d,300MHz):δ=7.09−7.12(m,1H),7.25−7.31(m、12H)、7.34−7.79(m,23H),7.80−7.85(m,4H)、8.20(d,J=7.8Hz,1H)、8.36(d,J=1.5Hz,1H)
次に、実施例4で用いた、構造式(8)で表される9−フェニル−9’−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−3,3’−ビ(9H−カルバゾール)(略称:PCCPA)の合成方法について説明する。
≪PCCPAの合成方法≫
[ステップ1:9−フェニル−3,3’−ビ(9H−カルバゾール)(略称:PCC)の合成]
3−ブロモカルバゾール2.5g(10mmol)、N−フェニルカルバゾール−3−ボロン酸2.9g(10mmol)、トリ(オルト−トリル)ホスフィン152mg(0.50mmol)を200mL三口フラスコへ入れた。フラスコ内を窒素で置換し、この混合物へジメトキシエタノール(DME)50mL、炭酸カリウム水溶液(2mol/L)10mLを加えた。この混合物を減圧しながら攪拌することで脱気し、脱気後、酢酸パラジウム50mg(0.2mmol)を加えた。この混合物を、窒素気流下で80℃3時間攪拌した。攪拌後、この混合物にトルエン約50mLを加え、30分ほど攪拌し、この混合物を水、飽和食塩水の順で洗浄した。洗浄後、有機層を硫酸マグネシウムにより乾燥した。この混合物を自然ろ過し、得られたろ液を濃縮したところ油状物質を得た。得られた油状物質をトルエンに溶かし、この溶液をフロリジール(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:540−00135)、アルミナ、セライト(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:531−16855)を通してろ過し、得られたろ液を濃縮したところ、白色固体を、3.3g収率80%で得た。ステップ1の合成スキームを下記(c−1)に示す。
[ステップ2:PCCPAの合成]
9−フェニル−10−(4−ブロモフェニル)アントラセン1.2g(3.0mmol)と、PCC1.2g(3.0mmol)、ナトリウム tert−ブトキシド1.0g(10mmol)を100mL三口フラスコへ入れた。フラスコ内を窒素にて置換し、この混合物へトルエン20mL、トリ(tert−ブチル)ホスフィン(10wt%ヘキサン溶液)0.1mLを加えた。この混合物を減圧しながら攪拌することで脱気をした。脱気後、この混合物へ、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)96mg(0.17mmol)を加えた。この混合物を窒素気流下で、110℃8時間還流した。還流後、この混合物にトルエン約50mLを加え、30分ほど攪拌し、この混合物を水、飽和食塩水の順で洗浄した。洗浄後、有機層を硫酸マグネシウムにより乾燥した。この混合物を自然ろ過し、得られたろ液を濃縮したところ、油状物質を得た。得られた油状物質を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒ヘキサン:トルエン=1:1)により精製した。得られた淡黄色固体をクロロホルム/ヘキサンにより再結晶すると、淡黄色粉末状固体を1.2g収率54%で得た。得られた淡黄色粉末状固体2.4gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製は、圧力8.7Pa、アルゴンガスを流量3.0mL/minで流しながら、350℃で加熱することによって行った。昇華精製後、PCCPAの淡黄色固体を2.2g回収率94%で得た。ステップ2の合成スキームを下記(c−2)に示す。
なお、上記ステップ2で得られた固体のH NMRを測定した。以下に測定データを示す。このことから、得られた淡黄色固体がPCCPAであることが確認された。
H NMR(CDCl,300MHz):δ=7.34−7.91(m,32H),8.27(d,J=7.2Hz、1H),8.31(d,J=7.5Hz、1H)、8.52(dd,J=1.5Hz,J=5.4Hz、2H)
100 陽極
101 陰極
102 発光層
102a 第1の発光層
102b 第2の発光層
103 有機化合物を含む層
104 正孔注入層
105 正孔輸送層
106 電子輸送層
107 電子注入層
110 発光素子
200 正孔輸送層のHOMO準位
201 第1の発光層のHOMO準位
202 第2の発光層における第1の物質のHOMO準位
203 第2の発光層における第3の物質のHOMO準位
210 正孔
260 電子
601 駆動回路部(ソース側駆動回路)
602 画素部
603 駆動回路部(ゲート側駆動回路)
604 封止基板
605 シール材
607 空間
608 配線
609 FPC(フレキシブルプリントサーキット)
610 素子基板
611 スイッチング用TFT
612 電流制御用TFT
613 第1の電極
614 絶縁物
616 有機化合物を含む層
617 第2の電極
618 発光素子
623 nチャネル型TFT
624 pチャネル型TFT
901 筐体
902 液晶層
903 バックライトユニット
904 筐体
905 ドライバIC
906 端子
951 基板
952 電極
953 絶縁層
954 隔壁層
955 有機化合物を含む層
956 電極
2001 筐体
2002 光源
3001 照明装置
9101 筐体
9102 支持台
9103 表示部
9104 スピーカー部
9105 ビデオ入力端子
9201 本体
9202 筐体
9203 表示部
9204 キーボード
9205 外部接続ポート
9206 ポインティングデバイス
9401 本体
9402 筐体
9403 表示部
9404 音声入力部
9405 音声出力部
9406 操作キー
9407 外部接続ポート
9408 アンテナ
9501 本体
9502 表示部
9503 筐体
9504 外部接続ポート
9505 リモコン受信部
9506 受像部
9507 バッテリー
9508 音声入力部
9509 操作キー
9510 接眼部

Claims (13)

  1. 陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間に互いに接して積層された第1の発光層及び第2の発光層とを有し、
    前記第1の発光層は前記陽極側、前記第2の発光層は前記陰極側に各々位置し、
    前記第1の発光層は第1の物質と第2の物質とを含み、
    前記第2の発光層は前記第1の物質と第3の物質とを含み、
    前記第1の発光層は前記第1の物質の含有量が50wt%以上100wt%未満であり、
    前記第2の発光層においては前記第3の物質が最多成分であり、
    前記第1の物質は発光中心物質であり、
    前記第2の物質及び前記第3の物質は共に前記第1の物質より大きいエネルギーギャップを有している発光素子。
  2. 陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間に互いに接して積層された第1の発光層及び第2の発光層とを有し、
    前記第1の発光層は前記陽極側、前記第2の発光層は前記陰極側に各々位置し、
    前記第1の発光層は第1の物質と第2の物質とを含み、
    前記第2の発光層は前記第1の物質と第3の物質とを含み、
    前記第1の発光層は前記第1の物質の含有量が50wt%以上100wt%未満であり、
    前記第2の発光層は前記第1の物質の含有量が0.001wt%以上30wt%以下であり、
    前記第1の物質は発光中心物質であり、
    前記第2の物質及び前記第3の物質は共に前記第1の物質より大きいエネルギーギャップを有している発光素子。
  3. 請求項1又は2において、
    前記第1の物質が正孔輸送性を有する物質である発光素子。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、
    前記第1の物質がアントラセンとジアリールアミノ基がアリーレン基を介して結合している化合物である発光素子。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項において、
    前記第1の物質が9,10−ジアリールアントラセン誘導体であり、
    前記9,10−ジアリールアントラセン誘導体の9位に結合するアリール基がアリーレン基とジアリールアミノ基が結合した基である発光素子。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項において、
    前記第1の物質が下記一般式(i)で表される物質である発光素子。

    (但し、式中Arは炭素数6〜25のアリール基、Arは炭素数6〜25のアリーレン基を表し、Ar、Arはそれぞれ独立に炭素数6〜25のアリール基、カルバゾリル基のいずれかを表す。)
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項において、
    前記第2の物質がアントラセン誘導体又はカルバゾール誘導体である発光素子。
  8. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項において、
    前記第2の物質がアントラセン骨格及びカルバゾール骨格の両方を有する物質である発光素子。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか一項において、前記第1の発光層と前記陽極との間に正孔輸送層を有する発光素子。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか一項において、前記第1の発光層における前記第1の物質の含有量が70wt%以上100wt%未満である発光素子。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれか一項において、
    前記第2の物質と前記第3の物質とが同じ物質である発光素子。
  12. 請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載の発光素子を有する発光装置。
  13. 請求項12に記載の発光装置を備えた電子機器。

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