JP5041766B2 - アントラセン誘導体、アントラセン誘導体を用いた発光素子、発光装置及び電子機器 - Google Patents

アントラセン誘導体、アントラセン誘導体を用いた発光素子、発光装置及び電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、アントラセン誘導体に関する。また、当該アントラセン誘導体を含む発光素子に関する。また、当該アントラセン誘導体を含む発光素子を有する発光装置に関する。
発光材料を用いた発光素子は薄型軽量などの特徴を有しており、次世代のディスプレイとして有力視されている。また、自発光型であるため、液晶ディスプレイ(LCD)と比較して、視野角等の問題がなく視認性に優れていると言われている。
発光素子の基本構造は、一対の電極間に発光層を有する構造である。このような発光素子は、電圧を印加することにより、陽極から注入される正孔と陰極から注入される電子が発光層内の発光中心で再結合して分子を励起し、励起した分子が基底状態に戻る際にエネルギーを放出することによって発光すると言われている。なお、再結合により生成する励起状態には一重項励起状態と三重項励起状態とがある。発光はどちらの励起状態を経ても可能であると考えられており、特に一重項励起状態から直接基底状態まで戻る際の発光は蛍光、三重項励起状態から基底状態まで戻る際の発光はリン光と呼ばれている。
ところで、発光素子をバッテリからの起電力を利用した装置、例えば携帯電話機及びカメラの他、携帯型音楽再生装置等の電子機器の表示部として組み込む場合、長時間継続して使用できるようにするため、低消費電力化が求められている。低消費電力化を達成するには高効率な発光素子の開発が不可欠であり、そのために、発光効率の高い発光材料が模索され、多くの研究がなされている(特許文献1参照)。
国際公開第2000/040586号パンフレット
本発明はこのような状況を鑑みてなされたものであり、発光効率が良く、信頼性の良い新規材料、当該新規材料を備えた発光素子、ならびに当該発光素子を有する発光装置を提供することを目的とする。
本発明は、下記一般式(1)で表されるアントラセン誘導体である。
Figure 0005041766
上記一般式(1)において、式中のR、Rは水素または炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。Rは水素、炭素数1以上4以下のアルキル基、または炭素数6以上25以下のアリール基のいずれかを表す。アリール基は置換基を有していてもよいし、無置換であってもよい。Rは炭素数1以上4以下のアルキル基、または炭素数6以上25以下のアリール基のいずれかを表す。アリール基は置換基を有していてもよいし、無置換であってもよい。Rは炭素数6以上25以下のアリール基を表す。Rは炭素数6以上25以下のアリール基を表す。アリール基は置換基を有していてもよいし、無置換であってもよい。Xは炭素数6以上25以下のアリーレン基を表す。アリーレン基は置換基を有していてもよいし、無置換であってもよい。
本発明は、下記一般式(2)で表されるアントラセン誘導体である。
Figure 0005041766
上記一般式(2)において、式中のR、Rは水素または炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。Rは水素、炭素数1以上4以下のアルキル基、または炭素数6以上25以下のアリール基のいずれかを表す。Rは炭素数6以上25以下のアリール基を表す。なお、アリール基は置換基を有していてもよいし、無置換であってもよい。Ph、Phはフェニル基を表す。フェニル基は置換基を有していてもよいし、無置換であってもよい。Xは炭素数6以上25以下のアリーレン基を表す。アリーレン基は置換基を有していてもよいし、無置換であってもよい。
本発明は、下記一般式(3)で表されるアントラセン誘導体である。
Figure 0005041766
上記一般式(3)において、式中のR、Rは水素または炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。Rは水素、炭素数1以上4以下のアルキル基、または炭素数6以上25以下のアリール基のいずれかを表す。アリール基は置換基を有していてもよいし、無置換であってもよい。Ph、Ph、Phはフェニル基を表す。フェニル基は置換基を有していてもよいし、無置換であってもよい。Xは炭素数6以上25以下のアリーレン基を表す。アリーレン基は置換基を有していてもよいし、無置換であってもよい。
本発明は、下記一般式(4)で表されるアントラセン誘導体である。
Figure 0005041766
上記一般式(4)において、式中のR、Rは水素または炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。Rは水素、炭素数1以上4以下のアルキル基、または炭素数6以上25以下のアリール基のいずれかを表す。なお、アリール基は置換基を有していてもよいし、無置換であってもよい。Ph、Phはフェニル基を表す。フェニル基は置換基を有していてもよいし、無置換であってもよい。Xは炭素数6以上25以下のアリーレン基を表す。アリーレン基は置換基を有していてもよいし、無置換であってもよい。
本発明は、下記一般式(5)で表されるアントラセン誘導体である。
Figure 0005041766
上記一般式(5)において、式中のR、Rは水素または炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。Rは水素、炭素数1以上4以下のアルキル基、または炭素数6以上25以下のアリール基のいずれかを表す。アリール基は置換基を有していてもよいし、無置換であってもよい。Ph、Phはフェニル基を表す。フェニル基は置換基を有していてもよいし、無置換であってもよい。
本発明は、下記一般式(6)で表されるアントラセン誘導体である。
Figure 0005041766
上記一般式(6)において、式中のR、Rは水素または炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。Rは水素、炭素数1以上4以下のアルキル基、または炭素数6以上25以下のアリール基のいずれかを表す。アリール基は置換基を有していてもよいし、無置換であってもよい。Ph、Phはフェニル基を表す。フェニル基は置換基を有していてもよいし、無置換であってもよい。
本発明は、下記一般式(7)で表されるアントラセン誘導体である。
Figure 0005041766
上記一般式(7)において、式中のR、Rは水素または炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。Rは水素、炭素数1以上4以下のアルキル基、または炭素数6以上25以下のアリール基のいずれかを表す。なお、アリール基は置換基を有していてもよいし、無置換であってもよい。Ph、Ph、Phはフェニル基を表す。フェニル基は置換基を有していてもよいし、無置換であってもよい。
本発明は、下記一般式(8)で表されるアントラセン誘導体である。
Figure 0005041766
上記一般式(8)において、式中のRは水素、炭素数1以上4以下のアルキル基、または炭素数6以上25以下のアリール基のいずれかを表す。アリール基は置換基を有していてもよいし、無置換であってもよい。Ph、Ph、Phはフェニル基を表す。フェニル基は置換基を有していてもよいし、無置換であってもよい。
本発明は、下記一般式(9)で表されるアントラセン誘導体である。
Figure 0005041766
上記一般式(9)において、式中のRは水素、炭素数1以上4以下のアルキル基、または炭素数6以上25以下のアリール基のいずれかを表す。アリール基は置換基を有していてもよいし、無置換であってもよい。Ph、Phはフェニル基を表す。フェニル基は置換基を有していてもよいし、無置換であってもよい。
本発明は、下記一般式(10)で表されるアントラセン誘導体である。
Figure 0005041766
上記一般式(10)において、式中のRは水素、炭素数1以上4以下のアルキル基、または炭素数6以上25以下のアリール基のいずれかを表す。アリール基は置換基を有していてもよいし、無置換であってもよい。Ph、Ph、Phはフェニル基を表す。フェニル基は置換基を有していてもよいし、無置換であってもよい。
本発明は、下記一般式(11)で表されるアントラセン誘導体である。
Figure 0005041766
上記一般式(11)において、式中のRは水素、炭素数1以上4以下のアルキル基、または炭素数6以上25以下のアリール基のいずれかを表す。アリール基は置換基を有していてもよいし、無置換であってもよい。Ph、Phはフェニル基を表す。フェニル基は置換基を有していてもよいし、無置換であってもよい。
本発明は、下記一般式(12)で表されるアントラセン誘導体である。
Figure 0005041766
上記一般式(12)において、式中のRは水素、炭素数1以上4以下のアルキル基、または炭素数6以上25以下のアリール基のいずれかを表す。アリール基は置換基を有していてもよいし、無置換であってもよい。Ph、Ph、Phはフェニル基を表す。フェニル基は置換基を有していてもよいし、無置換であってもよい。
本発明は、下記一般式(13)で表されるアントラセン誘導体である。
Figure 0005041766
上記一般式(13)において、式中のRは水素、炭素数1以上4以下のアルキル基、または炭素数6以上25以下のアリール基のいずれかを表す。アリール基は置換基を有していてもよいし、無置換であってもよい。Ph、Phはフェニル基を表す。フェニル基は置換基を有していてもよいし、無置換であってもよい。
本発明は、下記一般式(14)で表されるアントラセン誘導体である。
Figure 0005041766
上記一般式(14)において、式中のRは水素、炭素数1以上4以下のアルキル基、または炭素数6以上25以下のアリール基のいずれかを表す。アリール基は置換基を有していてもよいし、無置換であってもよい。Ph、Ph、Phはフェニル基を表す。フェニル基は置換基を有していてもよいし、無置換であってもよい。
本発明は、下記一般式(15)で表されるアントラセン誘導体である。
Figure 0005041766
上記一般式(15)において、式中のRは水素、炭素数1以上4以下のアルキル基、または炭素数6以上25以下のアリール基のいずれかを表す。アリール基は置換基を有していてもよいし、無置換であってもよい。Ph、Ph、Phはフェニル基を表す。フェニル基は置換基を有していてもよいし、無置換であってもよい。
本発明は、下記一般式(16)で表されるアントラセン誘導体である。
Figure 0005041766
上記一般式(16)において、式中のRは水素、炭素数1以上4以下のアルキル基、または炭素数6以上25以下のアリール基のいずれかを表す。アリール基は置換基を有していてもよいし、無置換であってもよい。Ph、Ph、Phはフェニル基を表す。フェニル基は置換基を有していてもよいし、無置換であってもよい。
また、本発明は一般式(1)〜(16)に記載のいずれか一のアントラセン誘導体を含む層を、一対の電極間に有する発光素子である。
また、本発明は一般式(1)〜(16)に記載のいずれか一のアントラセン誘導体と、前記アントラセン誘導体のエネルギーギャップよりも大きいエネルギーギャップを有し、また前記アントラセン誘導体の有するイオン化ポテンシャルよりも大きいイオン化ポテンシャルを有する物質であるホストとを含む層を、一対の電極間に有する発光素子である。
また、本発明は一般式(1)〜(16)に記載のいずれか一のアントラセン誘導体と、前記アントラセン誘導体のエネルギーギャップよりも小さなエネルギーギャップを有し、また前記アントラセン誘導体の有するイオン化ポテンシャルよりも小さいイオン化ポテンシャルを有する発光物質とを含む層を、一対の電極間に有する発光素子である。
また、本発明は一般式(1)〜(16)に記載のいずれか一のアントラセン誘導体を含む発光素子を有する発光装置である。
また、本発明は一般式(1)〜(16)に記載のいずれか一のアントラセン誘導体を含む発光素子を有する電子機器である。
本発明のアントラセン誘導体は、非常に高い効率で発光を得ることができるアントラセン誘導体である。
また、本発明のアントラセン誘導体は、非常に高い効率で発光を得ることができる発光物質である。
また、本発明のアントラセン誘導体は、発光層のホスト材料として用いることも可能なアントラセン誘導体である。
また、本発明のアントラセン誘導体を含むことにより、外部量子効率が非常に高い発光素子を得ることができ、その結果、発光効率の高い発光素子を得ることができる。
また、本発明のアントラセン誘導体を含むことにより、低電圧駆動が可能となり、電流効率、電力効率の共に高い発光素子を得ることができる。
また、本発明のアントラセン誘導体を含む発光素子を有することにより、低消費電力で、高輝度の発光を有する発光装置を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記述内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構成において、同じものを指す符号は異なる図面間で共通して用いる。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明のアントラセン誘導体について説明する。
本発明のアントラセン誘導体として、構造式(17)〜構造式(72)で表されるアントラセン誘導体が挙げられる。なお、本発明のアントラセン誘導体は以下の構造式に限定されるものではなく、以下の構造式で表される構造と異なる構造であってもよい。
Figure 0005041766
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Figure 0005041766
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本実施の形態のアントラセン誘導体は、例えば下記合成スキーム(a−1)で表されるように、9−アリールー10−(ハロゲン化アリール)アントラセンのようなアントラセン骨格を含む化合物Aと、N−アリールーN―(3−(9−アルキル)カルバゾリル)アミン骨格、もしくはN−アリールーN―(3−(9−アリール)カルバゾリル)アミン骨格を含む化合物Bとをパラジウム触媒などの金属触媒を用いてカップリング反応させることによって得ることができる。なお、化合物Bにおいて、カルバゾールはアリール置換基またはアルキル置換基を有していてもよく、置換位置は限定しないが、置換位置は6位が好ましい。また、パラジウム触媒については特に限定はないが、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(略称:Pd(dba))、又は酢酸パラジウム(0)(略称:Pd(OAc))が好ましい。
Figure 0005041766
上記合成スキーム(a−1)において、式中のR、Rは水素または炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。Rは水素、炭素数1以上4以下のアルキル基、または炭素数6以上25以下のアリール基のいずれかを表す。Rは炭素数1以上4以下のアルキル基、または炭素数6以上25以下のアリール基を表す。Rは炭素数6以上25以下のアリール基を表す。Rは炭素数6以上25以下のアリール基を表す。アリール基は置換基を有していてもよいし、無置換であってもよい。Xは炭素数6以上25以下のアリーレン基を表す。アリーレン基は置換基を有していてもよいし、無置換であってもよい。また、式中のYはハロゲンを表す。ハロゲンは特に限定されないが、臭素またはヨウ素が好ましい。
また、上記化合物Aは、例えば下記合成スキーム(a−2)で表されるような方法で得ることができる。まず、9−ハロゲン化アントラセン骨格を含む化合物Cと、アリールボロン酸とをパラジウム触媒などの金属触媒を用いてカップリング反応させることによって、9位にアリール基が導入された9−アリールアントラセン骨格を含む化合物Dを合成する。なお、化合物Cにおけるハロゲンは臭素またはヨウ素が好ましい。また、アリールボロン酸のボロン酸はアルキル基などにより保護されていても良い。なお、パラジウム触媒については特に限定はないが、Pd(dba)、又はPd(OAc)が好ましい。
次に、合成した化合物Dをハロゲン化(臭素化またはヨウ素化が好ましく、ヨウ素化がより好ましい)することによって9−アリール−10−ハロゲン化アントラセン骨格を含む化合物Eを合成し、合成した化合物Eとハロゲン化アリールボロン酸とをパラジウム触媒などの金属触媒を用いてカップリング反応させることによって、9−アリール−10−(ハロゲン化アリール)アントラセン骨格を含む化合物である化合物Aを得る。なお、ハロゲン化アリールボロン酸のボロン酸はアルキル基などにより保護されていても良い。またハロゲンは臭素又はヨウ素が好ましい。
Figure 0005041766
上記合成スキーム(a−2)において、式中のR、Rは水素または炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。Rは炭素数6以上25以下のアリール基を表す。アリール基は置換基を有していてもよいし、無置換であってもよい。Xは炭素数6以上25以下のアリーレン基を表す。アリーレン基は置換基を有していてもよいし、無置換であってもよい。また、式中のY、Y、Yはハロゲンを表す。ハロゲンは特に限定されないが、臭素またはヨウ素が好ましい。特に、化合物EにおけるYはヨウ素、ハロゲン化アリールボロン酸におけるYは臭素とすることが好ましい。化合物Eとハロゲン化アリールボロン酸とのカップリング反応において、Yをヨウ素、Yを臭素とすることで、ヨウ素化合物とボロン酸化合物とを選択的にカップリング反応させることができる。すなわち、ハロゲン化アリールボロン酸のホモカップリング反応等の副反応を抑えることができるため、副生成物の生成を抑制することができる。したがって、化合物Aを高い収率で生成することが可能になり、化合物Aの生成を簡便にすることができる。
また、上記化合物Bは、例えば、下記合成スキーム(a−3)で表されるような方法で得ることができる。まず、カルバゾールを骨格に含む化合物Fをハロゲン化(臭素化またはヨウ素化が好ましく、ヨウ素化がより好ましい)することによって3位または6位の水素をハロゲン置換基に置換して化合物Gを合成する。そして、合成した化合物Gとアリールアミンとをパラジウム触媒などの金属触媒を用いてカップリング反応させることによって、N−アリール−N―(3−(9−アルキル)カルバゾリル)アミン骨格、もしくはN−アリールーN―(3−(9−アリール)カルバゾリル)アミン骨格を含む化合物Bを得る。なお、化合物Fのハロゲン化においてヨウ素に置換した場合は、臭素に置換した場合と比較して、アリールアミンとのカップリング反応の反応時間を短縮することができる。また、パラジウム触媒については特に限定はないが、Pd(dba)、又はPd(OAc)が好ましい。
Figure 0005041766
上記合成スキーム(a−3)において、式中のRは水素、炭素数1以上4以下のアルキル基、または炭素数6以上25以下のアリール基のいずれかを表す。アリール基は置換基を有していてもよいし、無置換であってもよい。Rは炭素数1以上4以下のアルキル基、または炭素数6以上25以下のアリール基のいずれかを表す。アリール基は置換基を有していてもよいし、無置換であってもよい。Rは炭素数6以上25以下のアリール基を表す。アリール基は置換基を有していてもよいし、無置換であってもよい。また、式中のYはハロゲンを表す。ハロゲンは特に限定されないが、臭素またはヨウ素が好ましい。
なお、本発明のアントラセン誘導体の合成方法は、上述した方法に限定されるものではなく、その他の合成方法によって合成されても構わない。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明のアントラセン誘導体を用いた発光素子について説明する。
図1に、本発明の発光素子の素子構成の一例の模式図を示す。本実施の形態における発光素子の構造は、一対(陽極、及び陰極)の電極間に発光層を有するものとする。なお、素子構造についてはこれに限らず、目的に応じて、周知の構造を適宜選択すればよい。
図1は、第1の電極101と第2の電極102との間に発光層113を有する発光素子の一例を示す。そして、発光層113は、本発明のアントラセン誘導体を含む。また、第1の電極101及び第2の電極102のいずれか一方は陽極となり、他方は陰極となる。本発明において、陽極とは発光層に正孔を注入する電極のことを示し、陰極とは発光層に電子を注入する電極のことを示す。なお、本実施の形態では第1の電極101を陽極とし、第2の電極102を陰極とする。
本実施の形態の発光素子において、第1の電極101側から注入された正孔と、第2の電極102側から注入された電子とが発光層113において再結合し、本発明のアントラセン誘導体を励起状態にする。そして、励起状態の本発明のアントラセン誘導体は基底状態に戻る時に発光する。本発明のアントラセン誘導体は発光物質として機能する。なお、発光物質とは、励起状態から基底状態に戻る時に発光し、発光量子効率が良好で、所望の発光波長の発光を呈し得る物質である。
また、本実施の形態の発光素子は、第1の電極101と発光層113との間に、正孔注入層111と正孔輸送層112とが順に積層されて設けられている構造とする。本発明において、正孔注入層111は、第1の電極101側から正孔輸送層112へ正孔の注入を補助する機能を有する層を示す。このように正孔注入層111を設けることによって、第1の電極101と正孔輸送層112との間のイオン化ポテンシャルの差が緩和され、正孔が注入され易くなり、その結果、発光素子の駆動電圧を低減することができる。また、正孔輸送層112は、第1の電極101側から注入された正孔を発光層113へ輸送する機能を有する層を示す。このように正孔輸送層112を設けることによって、第1の電極101と発光層113との距離を離すことができ、その結果、第1の電極101等に含まれている金属に起因して発光が消光することを防ぐことができる。
さらに、本実施の形態の発光素子は、発光層113と第2の電極102との間に、電子輸送層114と電子注入層115とが順に積層されて設けられている構造とする。本発明において、電子輸送層114は、第2の電極102側から注入された電子を発光層113へ輸送する機能を有する層を示す。このように、電子輸送層114を設けることによって、第2の電極102と発光層113との距離を離すことができ、その結果、第2の電極102等に含まれている金属に起因して発光が消光することを防ぐことができる。また、電子注入層115は、第2の電極102側から電子輸送層114へ電子の注入を補助する機能を有する層を示す。このように、電子注入層を設けることによって、第2の電極102と電子輸送層114との間の電子親和力の差が緩和され、電子が注入され易くなり、その結果、発光素子の駆動電圧を低減することができる。
以下、第1の電極101、第2の電極102、及び第1の電極101と第2の電極102との間に位置する各層について、具体的に説明する。
陽極(第1の電極101)としては、公知の材料を用いることができるが、仕事関数の大きい(具体的には4.0eV以上)金属、合金、導電性化合物、およびこれらの混合物などを用いるのが好ましい。具体的には、透光性を有する導電性材料からなる透明導電層を用いればよく、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物などを用いることができる。また、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物(ITSO)なども用いることができる。その他、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、亜鉛(Zn)、スズ(Sn)、インジウム(In)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)から選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料、例えば窒化チタン(TiN)、窒化珪素チタン(TiSi)、珪化タングステン(WSi)、窒化タングステン(WN)、窒化珪化タングステン(WSi)、窒化ニオブ(NbN)等を用いることができる。なお、陽極は、これらの材料の単層膜または積層膜を、スパッタリング法や蒸着法などの方法を用いて形成すればよい。また、導電性材料を用いる場合、ゾル−ゲル法などを応用して作製しても構わない。
また、各透光性を有する導電性材料の、組成比の例を述べる。例えば、酸化タングステンを含むインジウム酸化物の組成比は、酸化タングステン1.0wt%、インジウム酸化物99.0wt%とすればよい。酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物の組成比は、酸化タングステン1.0wt%、酸化亜鉛0.5wt%、インジウム酸化物98.5wt%とすればよい。酸化チタンを含むインジウム酸化物の組成比は、酸化チタン1.0wt%〜5.0wt%、インジウム酸化物99.0wt%〜95.0wt%とすればよい。インジウム錫酸化物(ITO)の組成比は、酸化錫10.0wt%、インジウム酸化物90.0wt%とすればよい。インジウム亜鉛酸化物(IZO)の組成比は、酸化亜鉛10.7wt%、インジウム酸化物89.3wt%とすればよい。酸化チタンを含むインジウム錫酸化物の組成比は、酸化チタン5.0wt%、酸化錫10.0wt%、インジウム酸化物85.0wt%とすればよい。なお、上記組成比は例であり、適宜その組成比の割合は設定すればよい。
陰極(第2の電極102)としては、公知の材料を用いることができるが、仕事関数の小さい(具体的には3.8eV以下)金属、合金、導電性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。具体的には、元素周期表の1族または2族に属する金属、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(MgとAgの合金、AlとLiの合金等)、ユウロピウム(Er)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金などを用いることができる。ただし、高い電子注入性を有する電子注入層を用いることにより、仕事関数の高い材料、すなわち、通常は陽極に用いられている材料で陰極を形成することもできる。例えば、Al、Ag、ITO等の金属・導電性無機化合物により陰極を形成することもできる。なお、陰極は、これらの単層膜または積層膜を、スパッタリング法や蒸着法などの方法を用いて形成すればよい。
正孔注入層111としては、正孔輸送層112を形成している物質よりもイオン化ポテンシャルが小さく、第1の電極101を形成している物質よりもイオン化ポテンシャルが大きい物質、または正孔輸送層112と第1の電極101との間に1〜2nmの薄膜として設けたときにエネルギーバンドが曲がるような物質を用いて形成することが好ましい。正孔注入層111を形成するのに用いることのできる物質の具体例として、フタロシアニン(略称:HPc)や銅フタロシアニン(CuPc)等のフタロシアニン系の化合物、或いはポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)水溶液(PEDOT/PSS)等の高分子等が挙げられる。つまり、正孔注入層111におけるイオン化ポテンシャルが正孔輸送層112におけるイオン化ポテンシャルよりも相対的に小さくなるような物質を正孔輸送性物質の中から選択することによって、正孔注入層111を形成することができる。なお、正孔輸送性物質とは、電子よりも正孔の移動度が高く、電子の移動度に対する正孔の移動度の比の値(=正孔移動度/電子移動度)が好ましくは100よりも大きい物質をいう。また、正孔注入層111を設ける場合、第1の電極101は、インジウム錫酸化物等の仕事関数の高い物質を用いて形成することが好ましい。
正孔輸送層112としては、正孔輸送性物質を用いて形成することが好ましく、特に1×10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する物質を用いて形成することが好ましい。正孔輸送層112を形成するのに用いることができる物質の具体例としては、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)、4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:TPD)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス{N−[4−(N,N−ジ−m−トリルアミノ)フェニル]−N−フェニルアミノ}ビフェニル(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N,N−ジ(m−トリル)アミノ]ベンゼン(略称:m−MTDAB)、4,4’,4’’−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)、フタロシアニン(略称:HPc)、銅フタロシアニン(略称:CuPc)、バナジルフタロシアニン(略称:VOPc)、4,4’−ビス[N−(4−ビフェニリル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BBPB)等が挙げられる。なお、正孔輸送性物質の中でも特にホストとして用いられる物質よりもエネルギーギャップの大きい物質を選択して正孔輸送層112を形成することがより好ましい。また、正孔輸送層112は、以上に述べた物質を用いて形成された層を二以上組み合わせて形成した多層構造の層であってもよい。
発光層113としては、実施の形態1に記載の本発明のアントラセン誘導体のうち、一種類のアントラセン誘導体のみを含む単層膜を用いることができる。また、実施の形態1に記載の本発明のアントラセン誘導体が、各アントラセン誘導体の有するエネルギーギャップよりも大きいエネルギーギャップを有し、また各アントラセン誘導体の有するイオン化ポテンシャルよりも大きいイオン化ポテンシャルを有する物質(ホストと称される)を主成分とする層中に、分散して含まれた層を用いることもできる。本発明のアントラセン誘導体を、ホストを主成分とする層中に分散させることによって、各アントラセン誘導体からの発光が、各アントラセン誘導体自体の濃度に起因して消光してしまうことを防ぐことができる。なお、エネルギーギャップとはLUMO準位とHOMO準位との間のエネルギーギャップをいう。
より具体的には、ホストとして用いる物質は、正孔よりも電子の輸送性が高い物質であることが好ましい。このような物質として、例えば、2−tert−ブチル−9、10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、9−[4−(N−カルバゾリル)]フェニル−10−フェニルアントラセン(略称:CzPA)、及びジフェニルアントラセン等のアントラセン誘導体、バソキュプロイン(略称:BCP)等のフェナントロリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリアジン誘導体が挙げられる。これらの物質の中から一または二以上の物質を選択し、実施の形態1に記載の本発明のアントラセン誘導体が分散状態となるように混合すればよい。発光層113をこのような構成とすることによって、実施の形態1に記載の本発明のアントラセン誘導体に効率良く正孔をトラップさせることができ、その結果、発光効率の良い発光素子を得ることができる。また、電子輸送層114はエネルギーギャップの小さい物質で形成されることが多く、発光層113から励起エネルギーが移動し易いが、発光層113を以上のような構成とすることによって、発光層113における正孔と電子の再結合領域(発光領域)が正孔輸送層112側に形成されるようになり、電子輸送層114への励起エネルギーの移動を防ぐことができる。その結果、発光層113と異なる層において発光が生じることに起因した色度の低下を防ぐことができる。なお、発光層113を複数の化合物が混合された層(例えば、本発明のアントラセン誘導体を、ホストを主成分とする層中に分散させた層)とする場合は、共蒸着法を用いて形成すればよい。ここで、共蒸着とは、一つの処理室内に設けられた複数の蒸着源からそれぞれ原料を気化させ、気化した原料を気相状態で混合し、被処理物上に堆積させる蒸着法をいう。
電子輸送層114としては、電子輸送性物質を用いて形成することが好ましく、特に1×10−6cm/Vs以上の電子移動度を有する物質を用いて形成することが好ましい。なお、電子輸送性物質とは、正孔よりも電子の移動度が高く、正孔の移動度に対する電子の移動度の比の値(=電子移動度/正孔移動度)が好ましくは100よりも大きい物質をいう。電子輸送層114を形成するのに用いることができる物質の具体例としては、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX))、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ))等の金属錯体の他、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)、4,4−ビス(5−メチルベンズオキサゾル−2−イル)スチルベン(略称:BzOs)等が挙げられる。なお、電子輸送性物質の中でも特にホストとして用いられる物質よりもエネルギーギャップの大きい物質を選択して電子輸送層114を形成することがより好ましい。また、電子輸送層114は、以上に述べた物質を用いて形成された層を二以上組み合わせて形成した多層構造の層であってもよい。
電子注入層115としては、BPhen、BCP、p−EtTAZ、TAZ、BzOs等の電子輸送層114を形成するのに用いることのできる物質の中から、電子輸送層114の形成に用いる物質よりも電子親和力が相対的に大きい物質を選択して用いることによって形成することができる。また、電子注入層115には、リチウム(Li)、セシウム(Cs)等のアルカリ金属、リチウム酸化物(LiO)、カリウム酸化物(KO)、ナトリウム酸化物(NaO)等のアルカリ金属の酸化物、カルシウム酸化物(CaO)、マグネシウム酸化物(MgO)等のアルカリ土類金属の酸化物、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)等のアルカリ金属のフッ化物、フッ化カルシウム(CaF)等のアルカリ土類金属のフッ化物、またはマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)等のアルカリ土類金属等の無機物が含まれていてもよい。また、電子注入層115は以上に述べたような有機物を含む構成であってもよいし、または、LiF等のアルカリ金属のフッ化物、またはCaF等のアルカリ土類金属のフッ化物等の無機物を用いた構成であってもよい。このようにLiF等のアルカリ金属のフッ化物、またはCaF等のアルカリ土類金属のフッ化物等の無機物を用いて1〜2nmの薄膜として電子注入層115が設けられることによって、電子注入層115のエネルギーバンドが曲がる、或いはトンネル電流が流れることにより、第2の電極102側から電子輸送層114へ電子の注入が容易となる。
また、本実施の形態の正孔注入層111に換えて、正孔発生層を設けてもよい。なお、正孔発生層とは、正孔を発生する層であり、正孔輸送性物質の中から選ばれた少なくとも一の物質と、正孔輸送性物質に対して電子受容性を示す物質とを混合することによって形成することができる。ここで、正孔輸送性物質としては、正孔輸送層112を形成するのに用いることのできる物質と同様の物質を用いることができる。また、電子受容性を示す物質としては、モリブデン酸化物、バナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、レニウム酸化物等の金属酸化物を用いることができる。
また、本実施の形態の電子注入層115に換えて、電子発生層を設けてもよい。なお、電子発生層とは、電子を発生する層であり、電子輸送性物質の中から選ばれた少なくとも一の物質と、電子輸送性物質に対して電子供与性を示す物質とを混合することによって形成することができる。ここで、電子輸送性物質としては電子輸送層114を形成するのに用いることのできる物質と同様の物質を用いることができる。また、電子供与性を示す物質としては、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の中から選ばれた物質、具体的にはリチウム(Li)、カルシウム(Ca)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、マグネシウム(Mg)等を用いることができる。
以上で述べたような本実施の形態の発光素子の作製方法は特に限定されず、例えば、第1の電極101を形成後、その上に、正孔注入層111、正孔輸送層112、発光層113、電子輸送層114、電子注入層115を順次積層して形成し、最後に第2の電極102を形成することによって作製できる。または、第2の電極102を形成後、その上に、電子注入層115、電子輸送層114、発光層113、正孔輸送層112、正孔注入層111、を順次積層して形成し、最後に第1の電極101を形成することによって作製してもよい。なお、正孔注入層111、正孔輸送層112、発光層113、電子輸送層114、電子注入層115は、それぞれ、蒸着法、またはインクジェット法、または塗布法等の方法を用いて形成すればよい。また、第1の電極101または第2の電極102についても、スパッタリング法または蒸着法等の方法を用いて形成すればよい。
以上のような構成を有する本発明の発光素子は、本発明の発光効率が非常に良いアントラセン誘導体を用いて作製されているため、高効率化した発光素子を得ることができる。また、本発明のアントラセン誘導体を用いた発光素子は寿命が長く、低い電圧で駆動することができる。従って、本発明の発光素子は、電力効率が非常に高く、低消費電力化が達成できる。
また、本発明の発光素子は、本発明のアントラセン誘導体のようにアントラセン骨格およびアミン骨格を含む化合物を用いて作製されている為、酸化反応の繰り返しによる発光物質の性質の変化に伴った発光素子の特性変化が少なく、長期間、安定な発光を呈することができる。また、本発明のアントラセン誘導体を用いて作製されている為、非常に外部量子効率が高い素子が得られ、その結果、発光効率の高い素子が得られる。特に、低電圧で駆動することができるので、電流効率、電力効率の共に高い素子が得られる。さらに、本発明のアントラセン誘導体は青色発光を示すことができるので、電流効率、電力効率の高い青色発光素子が得られる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明のアントラセン誘導体をホスト(発光物質と共に発光層に含ませ、発光物質を分散状態にするための物質)として用いた発光素子について、図2を用いて説明する。なお、発光層213以外は実施の形態2と同じ構造であるので、説明は省略する。
本実施の形態の図2に示す発光素子は、第1の電極201と第2の電極202との間に発光層213を有する。また、第1の電極201と発光層213との間には、正孔注入層211、及び正孔輸送層212が設けられており、第2の電極202と発光層213との間には、電子注入層215、及び電子輸送層214が設けられている。なお、発光素子の構造についてはこれに限らず、目的に応じて、周知の構造を適宜選択すればよい。
本実施の形態において、発光層213としては、実施の形態1に記載されたアントラセン誘導体と、本発明のアントラセン誘導体のエネルギーギャップよりも小さなエネルギーギャップを有し、また前記アントラセン誘導体の有するイオン化ポテンシャルよりも小さいイオン化ポテンシャルを有する発光物質とが含まれている。この場合、本発明のアントラセン誘導体はホストとして機能している。発光物質としては、蛍光発光材料、燐光発光材料のどちらも用いることができるが、燐光発光材料を用いる場合は燐光発光材料の三重項準位が、本発明のアントラセン誘導体よりも低くなければならない。具体的には、クマリン誘導体、オリゴフェニレン誘導体、オキサゾール誘導体、スチルベン誘導体、キノロン誘導体、アクリドン誘導体、ピレン誘導体、フェナントレン誘導体などを用いることができる。なお、発光物質として用いることのできる物質はこの限りではなく、本発明のアントラセン誘導体のエネルギーギャップよりも小さなエネルギーギャップを有し、また前記アントラセン誘導体の有するイオン化ポテンシャルよりも小さいイオン化ポテンシャルを有する発光物質であればよい。これらの発光物質は、実施の形態1に記載の本発明のアントラセン誘導体から成る層に分散するように含まれている。このように、これらの発光物質とホストとして機能する本発明のアントラセン誘導体とを組み合わせて用いることによって、ホストからの発光が混ざり難く、発光物質に由来した発光を選択的に取り出すことのできる発光素子を得ることができる。
なお、発光層213のように複数の化合物が混合された層とする場合は、共蒸着法を用いて形成すればよい。ここで、共蒸着とは、一つの処理室内に設けられた複数の蒸着源からそれぞれ原料を気化させ、気化した原料を気相状態で混合し、被処理物上に堆積させる蒸着法をいう。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の発光装置(EL発光装置)の一例について、図3、及び図4を用いて作製方法とともに説明する。なお、本実施の形態では、同一基板上に画素部と駆動回路部とが形成されたアクティブマトリクス型の発光装置の例について説明するが、本発明はこれに限らず、パッシブ型の発光装置に適用しても構わない。
まず、基板300上に下地絶縁膜301を形成する。基板300側を表示面として発光を取り出す場合、基板300としては、光透過性を有するガラス基板や石英基板を用いればよい。また、プロセス中の処理温度に耐えうる耐熱性を有する光透過性のプラスチック基板を用いてもよい。また、基板300側とは逆の面を表示面として発光を取り出す場合、前述の基板の他にシリコン基板、金属基板またはステンレス基板の表面に絶縁膜を形成したものを用いても良い。少なくともプロセス中に発生する熱に耐えうる基板を用いれば良く、本実施の形態では基板300としてガラス基板を用いる。なお、ガラス基板の屈折率は1.55前後である。
下地絶縁膜301としては、酸化珪素膜、窒化珪素膜または酸化窒化珪素膜などの絶縁膜を用い、スパッタ法やLPCVD法、プラズマCVD法等の手段により、単層又は2以上の複数層で形成する。また、基板の凹凸や、基板からの不純物拡散が問題にならないのであれば、特に下地絶縁膜を形成しなくてもよい。
次いで、下地絶縁膜301上に半導体層を形成する。半導体層は、非晶質半導体膜をスパッタ法、LPCVD法、またはプラズマCVD法等により成膜した後、レーザー結晶化法、熱結晶化法、またはニッケルなどの触媒元素を用いた熱結晶化法等を用いて結晶化し、結晶質半導体膜を得る。なお、ニッケルなどの触媒元素を用いた熱結晶化法を用いる場合には、結晶化後ゲッタリングにより触媒元素を除去することが好ましい。その後、フォトリソグラフィー法により、結晶質半導体膜を所望の形状に形成する。
次いで、半導体層を覆うゲート絶縁膜302を形成する。ゲート絶縁膜302は、プラズマCVD法またはスパッタ法を用いて珪素を含む絶縁膜を形成する。また、珪素を含む絶縁膜の単層または積層構造を形成した後にマイクロ波によるプラズマを用いた表面窒化処理を行って形成しても良い。
次いで、ゲート絶縁膜302上にゲート電極を形成する。ゲート電極は、タングステン(W)、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)またはモリブデン(Mo)などの高融点金属、又は高融点金属を主成分とする合金もしくは化合物等の導電材料を用いて、スパッタ法、蒸着法などの方法により形成すればよい。また、ゲート電極はこれらの導電材料の単層構造でも良いし、又は2以上の複数層としてもよい。
次いで、画素部及び駆動回路部に形成されるそれぞれのトランジスタ310〜340の半導体層にn型またはp型の導電型を有する不純物領域を形成するため、不純物を添加する。添加する不純物は、それぞれのトランジスタにあわせて、適宜選択すればよい。
次いで、第1の層間絶縁膜303a、第1の層間絶縁膜303bを形成する。第1の層間絶縁膜303a、303bとしては、酸化珪素膜、窒化珪素膜または酸化窒化珪素膜などの無機絶縁膜、有機樹脂膜、またはシロキサンを含む膜を用いることができ、これら絶縁膜を単層又は2以上の複数層で形成すればよい。なお、シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される材料である。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。また、置換基としてフルオロ基を用いてもよい。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。また、無機絶縁膜を形成する場合はスパッタ法、LPCVD法、またはプラズマCVD法等を用いて、有機樹脂膜やシロキサンを含む膜を形成する場合には塗布法を用いればよい。ここでは第1の層間絶縁膜を2層の積層構造としたが、単層でもよいし、3以上の複数層としてもよい。
次いで、第1の層間絶縁膜303a、303bを選択的にエッチングして、半導体層に達するコンタクトホールを形成する。そして、コンタクトホールを介して半導体層に達するソース電極及びドレイン電極を形成する。ソース電極及びドレイン電極は、スパッタ法により金属膜を積層した後、フォトリソグラフィー法により、選択的に金属積層膜をエッチングして形成する。
以上のような工程で、画素部に配置される第1のトランジスタ310、第2のトランジスタ320、駆動回路部に配置される第3のトランジスタ330、第4のトランジスタ340が形成される。なお、本実施の形態では、オフ電流低減のために第1のトランジスタ310、第2のトランジスタ320をマルチゲート構造(直列に接続された2つ以上のチャネル形成領域を含んだ半導体層と、それぞれのチャネル形成領域に電界を印加する2つ以上のゲート電極とを有する構造)としたが、本発明はこれに限らず、シングルゲート構造としてもよい。また、駆動回路部に配置される第3のトランジスタ330、第4のトランジスタ340をシングルゲート構造としたが、本発明はこれに限らず、マルチゲート構造としてもよい。
また、第1のトランジスタ310、第3のトランジスタ330、及び第4のトランジスタ340はゲート絶縁膜302を介してゲート電極と重なる低濃度不純物領域(LDD領域)を有する構造としたが、これに限らず、LDD領域を有さない構造としてもよい。
また、第2のトランジスタ320は、ゲート絶縁膜302を介してゲート電極と重ならない低濃度不純物領域(LDD領域)を有する構造としたが、これに限らず、LDD領域を有さない構造としてもよい。
なお、駆動回路部において、第3のトランジスタ330をnチャネル型とし、第4のトランジスタ340をpチャネル型とし、該第3のトランジスタ330及び第4のトランジスタ340を相補的に接続することでCMOS回路を構成し、様々な種類の回路を実現することができる。
次いで、発光素子350を形成する。まず、第1の電極351(有機発光素子の陽極、又は陰極)を形成する。なお、第1の電極351は、実施の形態2、及び実施の形態3と同様に形成すればよく、説明は省略する。
次いで、第1の電極351の端部を覆う隔壁層360を形成する。隔壁層360は、塗布法によってアクリル、シロキサン、レジスト、酸化珪素、またはポリイミド等の絶縁膜を形成し、得られた絶縁膜をフォトリソグラフィー法により所望の形状に形成すればよい。
なお、図3では、第1の層間絶縁膜303a、303bのみがそれぞれのトランジスタ310〜340と発光素子350との間に形成されているが、第1の層間絶縁膜303a、303bの他、第2の層間絶縁膜が設けられた構造としてもよい。この場合、第1の電極351は第1の層間絶縁膜303a、303b及び第2の層間絶縁膜を介して第1のトランジスタ310と電気的に接続するものとする。
次いで、層352、第2の電極353(有機発光素子の陰極、又は陽極)を順次形成する。なお、該層352は実施の形態2、又は実施の形態3において説明したような本発明のアントラセン誘導体を有する発光層が含まれている。また、層352には発光層の他、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層等が含まれていてもかまわない。層352、第2の電極353は、実施の形態2、及び実施の形態3と同様に形成すればよく、説明は省略する。
以上のような工程で、第1の電極351、層352、第2の電極353を含む発光素子350が形成される。なお、発光素子350は、隔壁層360によって、隣接して設けられている別の発光素子と分離されている。
次いで、封止基板380をシール材370で貼り合わせて発光素子350を封止する。即ち、発光装置は、表示領域の外周をシール材370で囲み、一対の基板300、380で封止される。なお、本実施の形態では、シール材370は端子部と駆動回路部に掛かるように設けたが、少なくとも表示領域の外周を囲むように設ければよく、端子部のみに設けてもよい。また、シール材370で囲まれた領域には充填材を充填してもよいし、乾燥した不活性ガスを充填してもよい。
最後にFPC393を異方性導電層392により公知の方法で端子電極391と貼りつけ、端子部390を形成する。なお、端子電極391は、第1の電極351と同じ工程で得られる電極を最上層に用いることが好ましい。
また、図4は、画素部の上面図を示しており、図4中の鎖線E−Fで切断した断面が、図3における画素部の第1のトランジスタ310の断面構造に対応している。また、図4中の鎖線M−Lで切断した断面が、図3における画素部の第2のトランジスタ320の断面構造に対応している。なお、図4中の400で示した実線は、隔壁層360の周縁を示している。なお、図3、4については本発明の発光装置の一例を示した図であり、レイアウトにより配線等は適宜変更されるものとする。
また、発光装置において、発光装置の発光表示面は、一面または両面であってもよい。第1の電極351と第2の電極353とを透明導電層で形成した場合、発光素子350の光は、基板300及び封止基板380を通過して両側に取り出される。この場合、封止基板380や充填材は透明な材料を用いることが好ましい。
また、第2の電極353を金属膜で形成し、第1の電極351を透明導電層で形成した場合、発光素子350の光は、基板300のみを通過して一方に取り出される構造、即ちボトムエミッション型となる。この場合、封止基板380や充填材は透明な材料を用いなくともよい。
また、第1の電極351を金属膜で形成し、第2の電極353を透明導電層で形成した場合、発光素子350の光は、封止基板380のみを通過して一方に取り出される構造、即ちトップエミッション型となる。この場合、基板300は透明な材料を用いなくともよい。
また、第1の電極351及び第2の電極353は仕事関数を考慮して材料を選択する必要がある。但し第1の電極351及び第2の電極353は、画素構成によりいずれも陽極、又は陰極となりうる。第1のトランジスタ310の極性がpチャネル型である場合、第1の電極351を陽極、第2の電極353を陰極とするとよい。また、第1のトランジスタ310の極性がnチャネル型である場合、第1の電極351を陰極、第2の電極353を陽極とすると好ましい。
また、フルカラー表示する場合、本実施の形態の画素部における等価回路図を図5に示す。図5中のトランジスタ510が図3の第1のトランジスタ310に対応しており、トランジスタ520が図3の第2のトランジスタ320に対応している。赤色を表示する画素は、トランジスタ510のドレイン領域に赤色を発光する発光素子550Rが接続され、ソース領域にはアノード側電源線(R)503Rが設けられている。また、発光素子550Rには、カソード側電源線500が設けられている。また、緑色を表示する画素は、トランジスタ510のドレイン領域に緑色を発光する発光素子550Gが接続され、ソース領域にはアノード側電源線(G)503Gが設けられている。また、青色を表示する画素は、トランジスタ510のドレイン領域に青色を発光する発光素子550Bが接続され、ソース領域にはアノード側電源線(B)503Bが設けられている。それぞれ色の異なる画素にはEL材料に応じて異なる電圧をそれぞれ印加する。
また、発光装置において、画面表示の駆動方法は特に限定されず、例えば、点順次駆動方法や線順次駆動方法や面順次駆動方法などを用いればよい。代表的には、線順次駆動方法とし、時分割階調駆動方法や面積階調駆動方法を適宜用いればよい。また、発光装置のソース線に入力する映像信号は、アナログ信号であってもよいし、デジタル信号であってもよく、適宜、映像信号に合わせて駆動回路などを設計すればよい。
さらに、ビデオ信号がデジタルの発光装置において、画素に入力されるビデオ信号が定電圧(CV)のものと、定電流(CC)のものとがある。ビデオ信号が定電圧のもの(CV)には、発光素子に印加される信号の電圧が一定のもの(CVCV)と、発光素子に印加される信号の電流が一定のもの(CVCC)とがある。また、ビデオ信号が定電流のもの(CC)には、発光素子に印加される信号の電圧が一定のもの(CCCV)と、発光素子に印加される信号の電流が一定のもの(CCCC)とがある。
また、発光装置において、静電破壊防止のための保護回路(保護ダイオードなど)を設けてもよい。
本実施の形態のように、本発明のアントラセン誘導体を含む発光素子を有することにより、低消費電力で、高輝度の発光を有する発光装置を得ることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の発光装置(EL発光装置)にFPCや、駆動用の駆動ICを実装する例について、図6を用いて説明する。なお、この発光表示パネルに搭載されている発光素子の有する構成は、実施の形態2又は3に示したような構成である。
図6(a)に示す図は、FPC6009を4カ所の端子部6008に貼り付けた発光装置の上面図の一例を示している。基板6010上には発光素子及び薄膜トランジスタ(TFT)を含む画素部6002と、TFTを含むゲート側駆動回路6003と、TFTを含む第1の駆動回路6001とが形成されている。TFTの活性層は結晶構造を有する半導体膜で構成されており、同一基板上にこれらの回路を形成している。従って、システムオンパネル化を実現した発光装置(EL発光装置)を作製することができる。
なお、基板6010はコンタクト部以外において保護膜で覆われており、保護膜上に光触媒機能を有する物質を含む下地層が設けられている。
また、画素部を挟むように2カ所に設けられた接続領域6007は、発光素子の第2の電極(陰極)を下層の配線とコンタクトさせるために設けている。なお、発光素子の第1の電極(陽極)は画素部6002に設けられたTFTと電気的に接続している。
また、封止基板6004は、画素部6002および駆動回路6001、6003を囲むシール材6005、およびシール材6005に囲まれた充填材料によって基板6010と固定されている。また、透明な乾燥剤を含む充填材料を充填する構成としてもよい。また、画素部と重ならない領域に乾燥剤を配置してもよい。
なお、本実施の形態では、シール材6005を一部がTFTを含むゲート側駆動回路6003と重なるように設けているが、表示領域の外周を囲むように設ければよい。すなわち、ゲート側駆動回路6003と重ならないように設けても構わない。
また、図6(a)に示した構造は、比較的大きなサイズ(例えば対角4.3インチ)の発光装置で好適な例を示したが、図6(b)は、狭額縁化させた小型サイズ(例えば対角1.5インチ)で好適なCOG方式を採用した例である。
図6(b)において、基板6610上に駆動IC6601が実装され、駆動IC6601の先に配置された端子部6608にFPC6609を実装している。実装される駆動IC6601は、生産性を向上させる観点から、一辺が300mmから1000mm以上の矩形状の基板上に複数個作り込むとよい。つまり、基板上に駆動回路部と入出力端子を一つのユニットとする回路パターンを複数個形成し、最後に分割して駆動ICを個別に取り出せばよい。駆動ICの長さは、画素部の一辺の長さや画素ピッチを考慮して、長辺が15〜80mm、短辺が1〜6mmの矩形状に形成してもよいし、画素領域の一辺、又は画素部の一辺と各駆動回路の一辺とを足した長さに形成してもよい。
駆動ICのICチップに対する外形寸法の優位性は長辺の長さにあり、長辺が15〜80mmで形成された駆動ICを用いると、画素部に対応して実装するのに必要な数がICチップを用いる場合よりも少なくて済み、製造上の歩留まりを向上させることができる。また、ガラス基板上に駆動ICを形成すると、母体として用いる基板の形状に限定されないので生産性を損なうことがない。これは、円形のシリコンウエハからICチップを取り出す場合と比較すると、大きな優位点である。
また、TAB方式を採用してもよく、その場合は、複数のテープを貼り付けて、該テープに駆動ICを実装すればよい。COG方式の場合と同様に、単数のテープに単数の駆動ICを実装してもよく、この場合には、強度の問題から、駆動ICを固定するための金属片等を一緒に貼り付けるとよい。
また、画素部6602と駆動IC6601の間に設けられた接続領域6607は、発光素子の第2の電極を下層の配線とコンタクトさせるために設けている。なお、発光素子の第1の電極は画素部6602に設けられたTFTと電気的に接続している。
また、封止基板6604は、画素部6602を囲むシール材6605、およびシール材6605に囲まれた充填材料によって基板6610と固定されている。
また、画素部のTFTの活性層として非晶質半導体膜を用いる場合には、駆動回路を同一基板上に形成することは困難であるため、大きなサイズであっても図6(b)の構成となる。
以上のような本発明の発光装置は、画素部を構成する発光素子として実施の形態2又は3に記載の発光素子を有しているため、信頼性が高く、低消費電力化も達成することができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、パッシブ型の発光装置の例について、図7を用いて説明する。図7(a)、(b)は、それぞれ、本発明を適用したパッシブ型の発光装置の斜視図と上面図である。特に、図7(a)は、図7(b)の点線758で囲まれた部分について斜視した図である。図7(a)、(b)のそれぞれにおいて、対応するものは同一の符号を用いて表している。図7(a)において、基板751上には、複数の第1の電極752が並列に設けられている。第1の電極752それぞれの端部は、隔壁層753で覆われている。なお、図7(a)では、第1の基板751上に設けられた第1の電極752と隔壁層753とが配置されている様子を分かり易くする為に最も手前に位置している第1の電極752を覆う隔壁層については図示していないが、実際には最も手前に位置している第1の電極752においても隔壁層によって端部は覆われている。第1の電極752の上方には複数の第2の電極755が、第1の電極752と交差するように並列に設けられている。第1の電極752と第2の電極755との間には層754が設けられている。なお、層754は、実施の形態2、又は実施の形態3において説明したような本発明のアントラセン誘導体を有する発光層が含まれている。また、層754には発光層の他、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層等が含まれていてもかまわない。第2の電極755の上には第2の基板759が設けられている。
図7(b)に表されるように、第1の電極752は第1の駆動回路756に接続し、第2の電極755は第2の駆動回路757に接続している。第1の電極752と第2の電極755とが交差した部分は、電極間に発光層を挟んでなる本発明の発光素子を構成している。そして、第1の駆動回路756および第2の駆動回路757からの信号によって選択された本発明の発光素子が発光する。発光は、第1の電極752及び/又は第2の電極755を介して外部へ取り出される。そして、複数の発光素子からの発光が組み合わさり映像が映し出される。なお、図7(b)では、第1の電極752及び第2の電極755それぞれの配置を分かり易くする為に隔壁層753及び第2の基板759については図示していないが、図7(a)に表されているように、実際にはこれらも設けられている。
第1の電極752、第2の電極755を形成する材料については特に限定はないが、いずれか一方の電極若しくは両方の電極が、可視光を透過できるように透明導電材料を用いて形成されていることが好ましい。また、第1の基板751及び第2の基板759の材質についても特に限定はなく、それぞれガラス基板等の他、プラスチック等の樹脂を用いての可撓性を有する材料を用いて形成されていてもよい。隔壁層753についても特に限定はなく、無機物若しくは有機物のいずれかを用いて形成されていてもよいし、若しくは無機物と有機物の両方を用いて形成されていてもよい。この他、シロキサンを用いて隔壁層753が形成されていてもよい。
なお、層754は、異なる色の発光を呈する発光素子ごとに独立して設けられていてもよい。例えば、赤、緑、青のそれぞれを発光する発光素子ごとに別に層754を設けることによって多色表示が可能な発光装置を得ることができる。
本実施の形態のように、本発明のアントラセン誘導体を含む発光層を有することにより、低消費電力で、高輝度の発光を有するパッシブ型の発光装置を得ることができる。
(実施の形態7)
本発明の発光装置、及び電子機器として、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、ノート型パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機又は電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などが挙げられる。それら電子機器の具体例を図8及び図9に示す。
図8(a)はデジタルカメラであり、本体2101、表示部2102、撮像部、操作キー2104、シャッター2106等を含む。なお、図8(a)は表示部2102側からの図であり、撮像部は示していない。本発明により、長期間に渡って良好な表示を行うことができる表示部を有し、且つ、信頼性の高いデジタルカメラが実現できる。また、低消費電力化も達成することができる。
図8(b)はノート型パーソナルコンピュータであり、本体2201、筐体2202、表示部2203、キーボード2204、外部接続ポート2205、ポインティングマウス2206等を含む。本発明により、長期間に渡って良好な表示を行うことができる表示部を有し、且つ、信頼性の高いノート型パーソナルコンピュータを実現することができる。また、低消費電力化も達成することができる。
図8(c)は記録媒体を備えた携帯型の画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)であり、本体2301、筐体2302、表示部A2303、表示部B2304、記録媒体(DVD等)読み込み部2305、操作キー2306、スピーカー部2307等を含む。表示部A2303は主として画像情報を表示し、表示部B2304は主として文字情報を表示する。なお、記録媒体を備えた画像再生装置には家庭用ゲーム機器なども含まれる。本発明により、長期間に渡って良好な表示を行うことができる表示部を有し、且つ、信頼性の高い画像再生装置を実現することができる。また、低消費電力化も達成することができる。
また、図8(d)は発光装置であり、筐体2401、支持台2402、表示部2403、スピーカ2404、ビデオ入力端子2405などを含む。この発光装置は、本発明の発光素子をその表示部2403に有する。なお、発光装置としては、具体的にはコンピュータ用、テレビ受信用、広告表示用などの全ての情報表示用の表示装置が含まれる。本発明により、長期間に渡って良好な表示を行うことができる表示部を有し、且つ、信頼性の高い発光装置を実現することができる。また、低消費電力化も達成することができる。
図9で示す携帯電話機は、操作スイッチ類3004、マイクロフォン3005などが備えられた本体(a)3001と、表示パネル(a)3008、表示パネル(b)3009、スピーカ3006などが備えられた本体(b)3002とが、蝶番3010で開閉可能に連結されている。表示パネル(a)3008と表示パネル(b)3009は、回路基板3007と共に本体(b)3002の筐体3003の中に収納される。表示パネル(a)3008及び表示パネル(b)3009の画素部は筐体3003に形成された開口窓から視認できるように配置される。
表示パネル(a)3008と表示パネル(b)3009は、その携帯電話機3000の機能に応じて画素数などの仕様を適宜設定することができる。例えば、表示パネル3008(a)を主画面とし、表示パネル(b)3009を副画面として組み合わせることができる。
また、アンテナ3011で映像信号や音声信号等の信号を受信することにより、表示パネル(a)3008をテレビ受像器などの表示媒体として機能させてもよい。
本発明により、長期間に渡って良好な表示を行うことができる表示部を有し、且つ、信頼性の高い携帯情報端末を実現することができる。また、低消費電力化も達成することができる。
本実施の形態に係る携帯電話機は、その機能や用途に応じてさまざまな態様に変容し得る。例えば、蝶番3010の部位に撮像素子を組み込んで、カメラ付きの携帯電話機としても良い。また、操作スイッチ類3004、表示パネル(a)3008、表示パネル(b)3009を一つの筐体内に納めた構成としても、上記した作用効果を奏することができる。また、表示部を複数個そなえた情報表示端末に本実施の形態の構成を適用しても、同様な効果を得ることができる。
以上の様に、本発明の発光素子を有する発光装置を搭載した、信頼性の高い様々な電子機器を完成させることができる。また、電子機器の低消費電力化も達成することができる。
(合成例1)
本発明のアントラセン誘導体の一例として構造式(17)で表される化合物、9−フェニル−10−[(4−[N−フェニル]−4−[3−(9−フェニルカルバゾリル)])アミノ]アントラセン(略称:PCAPA)の合成方法について説明する。
[ステップ1:9−フェニル−10−(4−ブロモフェニル)アントラセン(略称:PA)の合成方法]
(1)9−フェニルアントラセンの合成。
9−ブロモアントラセン5.4g(21.1mmol)、フェニルボロン酸2.6g(21.1mmol)、酢酸パラジウム(II)(略称:Pd(OAc))60mg(0.21mmol)、炭酸カリウム水溶液(2mol/L)10mL(20mmol)、トリス(オルトートリル)ホスフィン(略称:P(o−tolyl))263mg(0.84mmol)、1,2−ジメトキシエタン(略称:DME)20mLを200mL三口フラスコに入れ、窒素気流下で、80℃、9時間撹拌した。反応後、析出した固体を吸引ろ過で回収してから、トルエンに溶かしフロリジル、セライト、アルミナを通してろ過をした。ろ液を水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。混合溶液を自然ろ過し、ろ液を濃縮したところ目的物である9−フェニルアントラセンの淡褐色固体を21.5g、収率85%で得た(合成スキーム(b―1))。
Figure 0005041766
(2)9−ブロモ−10−フェニルアントラセンの合成。
9−フェニルアントラセン6.0g(23.7mmol)を四塩化炭素80mLに溶かし、その反応溶液へ滴下ロートより、臭素3.80g(21.1mmol)を四塩化炭素10mLに溶かした溶液を滴下した。滴下終了後、室温で1時間撹拌した。反応後、チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えて撹拌してから、有機層を水酸化ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。混合溶液を自然ろ過し、ろ液を濃縮しトルエンに溶かしフロリジル、セライト、アルミナを通してろ過を行なった。ろ液を濃縮し、ジクロロメタン、ヘキサンの混合溶液により再結晶を行なったところ、目的物である9−ブロモ−10−フェニルアントラセンの淡黄色固体を7.0g、収率89%で得た。(合成スキーム(b―2))。
Figure 0005041766
(3)9−ヨード−10−フェニルアントラセンの合成。
9−ブロモ−10−フェニルアントラセン3.33g(10mmol)をテトラヒドロフラン(略称:THF)80mLに溶かし、−78℃にしてから、その反応溶液へ滴下ロートより、n−ブチルリチウム(略称:n−BuLi)(1.6mol/L ヘキサン溶液)7.5mL(12.0mmol)を滴下し、1時間撹拌した。ヨウ素5g(20.0mmol)をTHF20mLに溶かした溶液を滴下し、−78℃でさらに2時間撹拌した。反応後、チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えて撹拌してから、有機層をチオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。混合溶液を自然ろ過し、ろ液を濃縮し、得られた固体をエタノールにより再結晶したところ目的物である9−ヨード−10−フェニルアントラセンの淡黄色固体を3.1g、収率83%で得た(合成スキーム(b―3))。
Figure 0005041766
(4)9−フェニル−10−(4−ブロモフェニル)アントラセン(略称:PA)の合成。
9−ヨード−10−フェニルアントラセン1.0g(2.63mmol)、p−ブロモフェニルボロン酸542mg(2.70mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(略称:Pd(PPh)46mg(0.03mmol)、炭酸カリウム水溶液(2mol/L)3mL(6mmol)、トルエン10mLの混合物を80℃、9時間撹拌した。反応後、トルエンを加えてからフロリジル、セライト、アルミナを通してろ過をした。ろ液を水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。混合溶液を自然ろ過し、ろ液を濃縮し、得られた固体をクロロホルム、ヘキサンの混合溶液により再結晶したところ目的物である9−フェニル−10−(4−ブロモフェニル)アントラセン(PA)の淡褐色固体を562mg、収率45%で得た(合成スキーム(b―4))。
Figure 0005041766
[ステップ2:3−(N−フェニルアミノ)−9−フェニルカルバゾール(略称:PCA)の合成方法]
(1)3−ブロモ−9−フェニルカルバゾールの合成。
N−フェニルカルバゾール24.3g(100mmol)を氷酢酸600mLに溶かし、N−ブロモコハク酸イミド17.8g(100mmol)をゆっくり加え、室温で約12時間撹拌した。この氷酢酸溶液を氷水1Lに撹拌しながら滴下した。析出した白色固体を水で3回洗浄した。この固体をジエチルエーテル150mLに溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水で洗浄した。この有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。混合溶液をろ過し、得られたろ液を濃縮した。得られた残渣をメタノールにより再結晶したところ、目的物である3−ブロモ−9−フェニルカルバゾールの白色粉末を28.4g、収率88%で得た(合成スキーム(c―1))。
Figure 0005041766
(2)3−(N−フェニルアミノ)−9−フェニルカルバゾール(PCA)の合成。
500mL三口フラスコに、3−ブロモ−9−フェニルカルバゾール19g(60mmol)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(略称:Pd(dba))340mg(0.6mmol)、1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(略称:DPPF)1.6g(3.0mmol)、t−ブトキシナトリウム(略称:t−BuONa)13g(180mmol)を入れ、窒素置換してから、脱水キシレン110mL、アニリン7.0g(75mmol)を加え、90℃で7.5時間加熱撹拌した。反応終了後、反応溶液に50℃に温めたトルエンを約500mL加え、これをフロリジル、アルミナ、セライトを通してろ過した。ろ液を濃縮し、得られた固体をヘキサン、酢酸エチルの混合溶液により再結晶したところ、目的物である3−(N−フェニルアミノ)−9−フェニルカルバゾール(PCA)の淡黄色の粉末状固体を15g、収率75%で得た(合成スキーム(c−2))。
Figure 0005041766
得られたPCAのH−NMRを以下に示す。また、H−NMRのチャートを図28(a)に、図28(a)における5.0〜9.0ppmの範囲を拡大したチャートを図28(b)に示す。
H−NMR(300MHz、CDCl);δ=6.84(t、J=6.9、1H)、6.97(d、J=7.8、2H)、7.20−7.61(m、13H)、7.90(s、1H)、8.04(d、J=7.8、1H)
また、得られたPCAの重溶媒にDMSOを用いた際のH−NMRを以下に示す。また、H−NMRのチャートを図29(a)に、図29(a)における6.5ppm〜8.5ppmの範囲を拡大したチャートを図29(b)に示す。
H−NMR(300MHz、DMSO−d);δ=6.73(t、J=7.5、1H)、7.02(d、J=8.1、2H)、7.16−7.70(m、12H)、7.95(s、1H)、8.06(s、1H)、8.17(d、J=7.8、1H)
また、得られたPCAの重溶媒にDMSOを用いた際の13C−NMRを以下に示す。また、13C−NMRチャートを図30(a)に、図30(a)における100ppm〜150ppmの範囲を拡大したチャートを図30(b)に示す。
13C−NMR(75.5MHz、DMSO−d):δ=109.55、110.30、110.49、114.71、118.22、119.70、120.14、120.61、122.58、123.35、126.18、126.48、127.37、129.15、130.14、135.71、136.27、137.11、140.41、145.61
[ステップ3:9−フェニル−10−[(4−[N−フェニル]−4−[3−(9−フェニルカルバゾリル)])アミノ]アントラセン(PCAPA)の合成方法]
100mL三口フラスコに、9−フェニル−10−(4−ブロモフェニル)アントラセン(PA)409mg(1.0mmol)、3−(N−フェニルアミノ)−9−フェニルカルバゾール(PCA)339mg(1.0mmol)、Pd(dba)6mg(0.01mmol)、t−ブトキシナトリウム(略称:t−BuONa)500mg(5.2mol)、トリ(t−ブチル)ホスフィン(10wt% ヘキサン溶液)(略称:P(tBu))0.1mL、トルエン10mLを入れ、80℃で4時間撹拌した。反応後、溶液を水で洗浄し、水層をトルエンで抽出し、有機層と併せて飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。混合溶液を自然ろ過し、濃縮し得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:トルエン=7:3)により精製し、ジクロロメタン、ヘキサンの混合溶液により再結晶したところ目的物の黄色粉末状固体を534mg、収率81%で得た(合成スキーム(d―1))。この化合物を、核磁気共鳴法(NMR)によって測定し、9−フェニル−10−[(4−[N−フェニル]−4−[3−(9−フェニルカルバゾリル)])アミノ]アントラセン(PCAPA)であることを確認した。
Figure 0005041766
この化合物のH−NMRを以下に示す。また、H−NMRチャートを図10(a)、(b)に示す。なお、図10(b)は、図10(a)のチャートの6.5ppm〜8.5ppmの範囲を拡大したものである。
H−NMR(300MHz、CDCl);δ=8.11−8.08(m、2H)、7.91−7.88(m、2H)、7.70−7.67(m、2H)、7.63−7.30(m、28H)
また、PCAPAの吸収スペクトルを図11に示す。測定には、紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いた。図11において、横軸は波長(nm)、縦軸は強度(任意単位)を表す。また、図11において(a)は単膜状態における吸収スペクトルであり、(b)はトルエン溶液に溶解させた状態における吸収スペクトルである。また、PCAPAの発光スペクトルを図12に示す。図12において、横軸は波長(nm)、縦軸は強度(任意単位)を表す。また、図12において(a)は単膜状態における発光スペクトル(励起波長402nm)であり、(b)はトルエン溶液に溶解させた状態における発光スペクトル(励起波長370nm)である。図12から、PCAPAからの発光は、単膜状態において486nmにピークを有し、トルエン溶液中において471nmにピークを有することがわかる。そしてこれらの発光は、青色系の発光色として視認された。このように、PCAPAは、特に青色系の発光を呈する発光物質として適する物質であることが分かった。
また、得られたPCAPAを蒸着法によって成膜し、薄膜状態におけるPCAPAのイオン化ポテンシャルを、光電子分光装置(理研計器社製、AC−2)を用いて測定したところ、5.29eVであった。この結果からHOMO準位は−5.29eVであることが分かった。また、薄膜状態におけるPCAPAの吸収スペクトルを、紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いて測定し、吸収スペクトル(図11における(a))の長波長側の吸収端の波長をエネルギーギャップ(2.74eV)とし、LUMO準位を求めたところ、LUMO準位は−2.55eVであった。
さらに、得られたPCAPAの分解温度Tを示差熱熱重量同時測定装置(セイコー電子株式会社製,TG/DTA 320型)により測定したところ、Tは402℃以上であり、良好な耐熱性を示すことが分かった。
また、サイクリックボルタンメトリ(CV)測定により、PCAPAの酸化還元反応特性について調べた。なお測定には、電気化学アナライザー(ビー・エー・エス(株)製、型番:ALSモデル600A)を用いた。
CV測定における溶液は、溶媒として脱水ジメチルホルムアミド(DMF)を用い、支持電解質である過塩素酸テトラ−n−ブチルアンモニウム(n−BuNClO)を100mmol/Lの濃度となるように溶解させ、さらに測定対象であるPCAPAを1mmol/Lの濃度となるように溶解させて調製した。また、作用電極としては白金電極(ビー・エー・エス(株)製、PTE白金電極)を、補助電極としては白金電極(ビー・エー・エス(株)製、VC−3用Ptカウンター電極(5cm))を、基準電極としてはAg/Ag電極(ビー・エー・エス(株)製、RE5非水溶媒系参照電極)をそれぞれ用いた。
酸化反応特性については次のようにして調べた。基準電極に対する作用電極の電位を−0.27Vから0.70Vまで変化させた後、0.70Vから−0.27Vまで変化させる走査を1サイクルとし、100サイクル測定した。なお、CV測定のスキャン速度は0.1V/sに設定した。
還元反応特性については次のようにして調べた。基準電極に対する作用電極の電位を−0.36Vから−2.60Vまで変化させた後、−2.60Vから−0.36Vまで変化させる走査を1サイクルとし、100サイクル測定した。なお、CV測定のスキャン速度は0.1V/sに設定した。
PCAPAの酸化反応特性について調べた結果を図13(a)に示す。また、PCAPAの還元反応特性について調べた結果を図13(b)に示す。図13(a)、(b)において、横軸は基準電極に対する作用電極の電位(V)を表し、縦軸は作用電極と補助電極との間に流れた電流値(1×10−5A)を表す。
図13(a)から酸化電位は0.47V(vs.Ag/Ag電極)であることが分かった。また、図13(b)から還元電位は−2.26V(vs.Ag/Ag電極)であることが分かった。また、100サイクルもの走査を繰り返しているにもかかわらず、酸化反応と還元反応のいずれについてもCV曲線のピークが明確に観測された。このことから、本発明のアントラセン誘導体は酸化還元反応、特に酸化反応に対して優れた可逆性を示す物質であることが分かった。
なお、PCAPAを本実施の形態に記載の方法によって合成すると、非常に収率良く合成することができる。
(合成例2)
本発明のアントラセン誘導体の一例として構造式(20)で表される化合物、9−フェニル−10−{4’−[N−フェニル−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]ビフェニル−4−イル}アントラセン(略称:PCAPBA)の合成方法について説明する。
[ステップ1:9−[4−(4−ブロモフェニル)フェニル]−10−フェニルアントラセン(略称:PBA)の合成方法]
(1)4−(4−ブロモフェニル)フェニルボロン酸の合成。
4,4’−ジブロモビフェニル10.0g(0.032mol)を500mL三口フラスコに入れ窒素置換してから、テトラヒドロフラン200mLを加えて−80℃で攪拌した。反応溶液へn−ブチルリチウム (1.60M ヘキサン溶液)を20mL(0.032mol)を滴下し、−80℃のまま1時間攪拌してから、ホウ酸トリメチル40mL(0.060mol)を加え、室温に戻しながら1時間攪拌した。反応溶液へ塩化水素水(1.0mol/L)200mLを加えて約12時間攪拌した後、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。反応溶液を自然濾過後、濃縮して得られた固体を酢酸エチル、ヘキサンの混合溶液により再結晶したところ、目的物である4−(4−ブロモフェニル)フェニルボロン酸の白色固体を、3.7g、収率41%で得た(合成スキーム(e―1))。
Figure 0005041766
(2)9−[4−(4−ブロモフェニル)フェニル]−10−フェニルアントラセン(略称:PBA)の合成。
9−ヨード−10−フェニルアントラセン1.0g(2.63mmol)、4−(4−ブロモフェニル)フェニルボロン酸542mg(2.70mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)46mg(0.03mmol)、炭酸カリウム水溶液(2.0mol/L)3mL(6mmol)、トルエン10mLを80℃、9時間撹拌した。反応後、トルエンを加えてからフロリジル、セライト、アルミナを通してろ過をした。ろ液を水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。自然ろ過後、ろ液を濃縮し、クロロホルム、ヘキサンの混合溶液により再結晶したところ目的物である9−[4−(4−ブロモフェニル)フェニル]−10−フェニルアントラセン(PBA)の淡褐色固体を562mg、収率45%で得た(合成スキーム(e―2))。
Figure 0005041766
[ステップ3:9−フェニル−10−{4’−[N−フェニル−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]ビフェニル−4−イル}アントラセン(略称:PCAPBA)の合成方法]
9−[4−(4−ブロモフェニル)フェニル]−10−フェニルアントラセン(PBA)730mg(1.5mmol)、3−(N−フェニルアミノ)−9−フェニルカルバゾール(PCA)500mg(1.5mmol)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)58mg(0.1mmol)、トリ(t−ブチル)ホスフィン(10wt% ヘキサン溶液)1mL(0.5mmol)、t−ブトキシナトリウム(t−BuONa)400mg(4.0mmol)の混合物に脱水キシレン15mLを加えた。これを窒素雰囲気下で110℃、5.5時間加熱撹拌した。反応終了後、この懸濁液にトルエン約200mLを加え、これをフロリジル、セライトを通して濾過した。得られたろ液を濃縮し、再結晶を行い、目的物である9−フェニル−10−{4’−[N−フェニル−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]ビフェニル−4−イル}アントラセン(略称:PCAPBA)の淡黄色粉末状固体を得た。さらに、再結晶のろ液を濃縮して得た混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:ヘキサン=1:1)にて精製した。得られた化合物をヘキサンにより再結晶を行ったところ、目的物であるPCAPBAの淡黄色粉末状固体を得た。最初に得た目的物と合わせて700mgのPCAPBAを得て、収率は63%であった(合成スキーム(f−1))。この化合物を、核磁気共鳴法(NMR)によって測定し、9−フェニル−10−{4’−[N−フェニル−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]ビフェニル−4−イル}アントラセンであることを確認した。
Figure 0005041766
この化合物のH−NMRを以下に示す。また、H−NMRチャートを図14(a)、(b)に示す。なお、図14(b)は、図14(a)のチャートの6.5ppm〜8.5ppmの範囲を拡大したものである。
H−NMR(300MHz、CDCl);δ=8.51−8.00(m、2H)、7.83−7.78(m、4H)、7.72−7.48(m、16H)、7.41−7.23(m、16H)
また、PCAPBAの吸収スペクトルを図15に示す。測定には、紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いた。図15において、横軸は波長(nm)、縦軸は強度(任意単位)を表す。また、図15において(a)は単膜状態における吸収スペクトルであり、(b)はトルエン溶液に溶解させた状態における吸収スペクトルである。また、PCAPBAの発光スペクトルを図16に示す。図16において、横軸は波長(nm)、縦軸は強度(任意単位)を表す。また、図16において(a)は単膜状態における発光スペクトル(励起波長402nm)であり、(b)はトルエン溶液に溶解させた状態における発光スペクトル(励起波長395nm)である。図16から、PCAPBAからの発光は、単膜状態において482nmにピークを有し、トルエン溶液中において448nmにピークを有することがわかる。そしてこれらの発光は、青色系の発光色として視認された。このように、PCAPBAは、青色系の発光を呈する発光物質として適する物質であることが分かった。
また、得られたPCAPBAを蒸着法によって成膜し、薄膜状態におけるPCAPBAのイオン化ポテンシャルを、光電子分光装置(理研計器社製、AC−2)を用いて測定したところ、5.29eVであった。この結果からHOMO準位は−5.29eVであることが分かった。また、薄膜状態におけるPCAPBAの吸収スペクトルを、紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いて測定し、吸収スペクトル(図15における(a))の長波長側の吸収端の波長をエネルギーギャップ(2.82eV)とし、LUMO準位を求めたところ、LUMO準位は−2.47eVであった。
さらに、得られたPCAPBAの分解温度Tを示差熱熱重量同時測定装置(セイコー電子株式会社製,TG/DTA 320型)により測定したところ、Tは430℃以上であり、良好な耐熱性を示すことが分かった。
なお、PCAPBAを本実施の形態に記載の方法によって合成すると、非常に収率良く合成することができる。
(合成例3)
本発明のアントラセン誘導体の一例として、構造式(30)で表される化合物、9−{4−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]フェニル}−10−フェニルアントラセン(略称:PCNPA)の合成方法について説明する。
[ステップ1:3−[N−(1−ナフチル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCN)の合成方法]
窒素下で、3−ヨード−9−フェニルカルバゾール3.7g(10mmol)、1−アミノナフタレン1.6g(5 mmol)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)60mg(0.1mmol)、トリ(t−ブチル)ホスフィン(49wt% ヘキサン溶液)200μL(0.5mmol)、t−ブトキシナトリウム(略称:t−BuONa)3g(30mmol)の混合物に、脱水キシレン12mLを加えた。これを窒素雰囲気下にて90℃、7時間加熱撹拌した。反応終了後、この懸濁液に温めたトルエン約200mLを加え、これをフロリジル、アルミナ、セライトを通して濾過した。得られたろ液を濃縮し、この残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:ヘキサン=1:1)にて分取した。得られた固体を酢酸エチル、ヘキサンの混合溶液で再結晶を行い、目的物である3−[N−(1−ナフチル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(PCN)のクリーム色粉末を1.5g、収率79%で得た(合成スキーム(g−1))。
Figure 0005041766
得られたPCNのH−NMRを以下に示す。また、H−NMRのチャートを図31(a)に、図31(a)における6.5〜8.5ppmの範囲を拡大したチャートを図31(b)に示す。
H−NMR(300MHz、DMSO−d);δ=7.13−7.71(m、15H)、7.85−7.88(m、1H)、8.03(s、1H)、8.15(d、J=7.8、1H)、8.24(s、1H)、8.36−8.39(m、1H)
[ステップ2:9−{4−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]フェニル}−10−フェニルアントラセン(略称:PCNPA)の合成方法]
9−フェニル−10−(4−ブロモフェニル)アントラセン(PA)2.0g(5.0mmol)、3−[N−(1−ナフチル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(PCN)1.9g(5.0mmol)、t−ブトキシナトリウム(略称:t−BuONa)2.1g(20mmol)を100mL三口フラスコへ入れ、窒素置換した後、トルエン40mL、トリ(t−ブチル)ホスフィン(10wt% ヘキサン溶液)(略称:P(tBu))0.1mLを加えて減圧脱気した。脱気後、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)30mg(0.05mmol)を加えてから、80℃で3時間撹拌した。反応後、反応溶液を、水、飽和食塩水の順に洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムにより乾燥した。自然濾過後、ろ液を濃縮して得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:トルエン=7:3)により精製し、目的物をジクロロメタンヘキサンにより再結晶したところ、目的物の黄色固体を1.5g、収率43%で得た(合成スキーム(g−2))。この化合物を、核磁気共鳴法(NMR)によって測定し、PCNPAであることを確認した。
Figure 0005041766
得られたPCNPAのH−NMRを以下に示す。また、H−NMRのチャートを図32(a)に、図32(a)における7.0〜8.5ppmの範囲を拡大したチャートを図32(b)に示す。
H−NMR(300MHz,CDCl);δ=7.13(d、J=8.7Hz、2H)、7.21−7.23(m、1H)、7.30−7.69(m、26H)、7.80−7.83(m、1H)、7.87−7.96(m、3H)、8.04(d、J=7.5Hz,1H)、8.09(d、J=2.4Hz,1H)、8.28−8.31(m、1H)
また、PCNPAの吸収スペクトルを図33に示す。測定には、紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いた。図33において、横軸は波長(nm)、縦軸は強度(任意単位)を表す。また、図33に示すのは、トルエン溶液に溶解させた状態における吸収スペクトルである。また、PCNPAの発光スペクトルを図34に示す。図34において、横軸は波長(nm)、縦軸は強度(任意単位)を表す。また、図34に示すのは、トルエン溶液に溶解させた状態における発光スペクトル(励起波長370nm)である。図34から、PCNPAからの発光は、トルエン溶液中において470nmにピークを有することがわかる。そしてこれらの発光は、青色系の発光色として視認された。このように、PCNPAは、青色系の発光を呈する発光物質として適する物質であることが分かった。
本実施例では、本発明のアントラセン誘導体を用いた発光素子、及び作製方法の一例を説明する。また、作製された発光素子の特性について説明する。
まず、ガラス基板上に第1の電極を形成した。第1の電極は、スパッタリング法を用いて、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物(ITSO)を膜厚110nmで成膜した後、エッチングによって2mm×2mmの正方形の形状となるように形成した。
次いで、第1の電極を形成した面が下方となるように、ガラス基板を真空蒸着装置内に設けられたホルダーに固定した。
次いで、第1の電極上に正孔注入層を形成した。正孔注入層は、真空装置内を排気して10−4Paとなるように減圧した後、4,4’−ビス{N−[4−(N,N−ジ−m−トリルアミノ)フェニル]−N−フェニルアミノ}ビフェニル(略称:DNTPD)と、三酸化モリブデンとを重量比4:2になるように共蒸着し、膜厚50nmとなるように形成した。
次いで、正孔注入層上に正孔輸送層を形成した。正孔輸送層は、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)を用いて、蒸着法により膜厚10nmとなるように形成した。
次いで、正孔輸送層上に発光層を形成した。発光層は、9−[4−(N−カルバゾリル)]フェニルー10―フェニルアントラセン(略称:CzPA)と本発明のアントラセン誘導体であるPCAPAを含む層を、共蒸着法により膜厚40nmとなるように形成した。
次いで、発光層上に電子輸送層を形成した。電子輸送層は、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)を用いて、蒸着法により膜厚20nmとなるように形成した。
次いで、電子輸送層上に電子注入層を形成した。電子注入層は、フッ化リチウム(LiF)を用いて、蒸着法により膜厚1nmとなるように形成した。
次いで、電子注入層上に第2の電極を形成した。第2の電極は、アルミニウム(Al)を用いて、蒸着法により膜厚200nmとなるように形成した。
以上のようにして作製した発光素子は、第1の電極の電位が第2の電極の電位よりも高くなるように電圧を印加したときに電流が流れ、発光層において電子と正孔とが再結合して励起エネルギーが生成され、励起されたPCAPAが基底状態に戻るときに発光するものである。
なお、発光層において、含まれるCzPAとPCAPAとの質量比がCzPA:PCAPA=1:0.025となるように形成したものを発光素子1、CzPA:PCAPA=1:0.05となるように形成したものを発光素子2、CzPA:PCAPA=1:0.1となるように形成したものを発光素子3とした。
なお、上記のようにして作製した発光素子は、第1の電極の電位が第2の電極の電位よりも高くなるように電圧を印加した時に電流が流れる。そして、発光層として機能する第3の層において、第1の電極側から注入された正孔と第2の電極側から注入された電子とが再結合して励起エネルギーが生成され、励起されたPCAPAが基底状態に戻る時に発光する。
当該発光素子1〜3を、グローブボックス内において、窒素雰囲気下で、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、発光素子の動作特性について測定した。
発光素子1の発光スペクトル、輝度−電流効率特性、電圧−輝度特性を各々図17、図18、図19に、発光素子2の発光スペクトル、輝度−電流効率特性、電圧−輝度特性を各々図20、図21、図22に、発光素子3の発光スペクトル、輝度−電流効率特性、電圧−輝度特性を各々図23、図24、図25に示す。
本発明の発光素子1〜3は、470nm〜472nmに最大発光波長を有し、CIE表色系における色度座標は発光素子1が(x,y)=(0.16,0.24)、発光素子2が(x,y)=(0.16,0.25)、発光素子3が(x,y)=(0.16,0.26)という色純度の青色の発光を呈している。
また、発光素子1〜3の駆動時間に対する輝度変化の測定結果を図26に示す。図26のグラフには、初期輝度を500cd/mとし、電流密度一定の条件で駆動した際の輝度の変化が表されている。図26において、横軸は駆動時間(h)、縦軸は初期輝度500cd/mを100とした場合の輝度(規格化輝度(%))を表す。この結果より、発光素子1が初期輝度に対して84%まで輝度が低下するまでにかかった時間が430時間、発光素子2が初期輝度に対して79%まで輝度が低下するまでにかかった時間が430時間、発光素子3が初期輝度に対して82%まで輝度が低下するまでにかかった時間が430時間であることがわかった。これより、発光素子1〜3について、発光時間の経過に伴った輝度の低下が少なく、本発明の発光素子は素子寿命が良好であることが分かる。
また、発光素子1〜3について、発光素子1〜3の駆動時間に対する動作電圧の変化の測定結果を図27に示す。図27のグラフには、初期輝度を500cd/mとし、電流密度一定の条件で駆動した際の動作電圧の変化が表されている。これより、発光素子1〜3について、発光時間の経過に伴った電圧の増加が少なく、本発明の発光素子は発光時間の経過に伴った抵抗の増加が少ない良好な素子であることが分かる。
また、発光素子1〜3において、1000cd/mで発光させたときの電力効率[lm/W]を求めた結果を表1に示す。
Figure 0005041766
表1より、発光素子1〜3は電力効率が高く、本発明の発光素子は低電圧で駆動できる素子であることが分かる。
本発明の発光素子の例を示す図。 本発明の発光素子の例を示す図。 本発明の発光装置の例を示す断面図。 本発明の発光装置の画素部の例を示す上面図。 本発明の発光装置の画素部の等価回路の例を示す図。 本発明の発光装置の例を示す上面図。 本発明の発光装置の例を示す図。 本発明の電子機器の例を示す図。 本発明の電子機器の例を示す図。 PCAPAのH−NMRチャート。 PCAPAの吸収スペクトルを示す図。 PCAPAの発光スペクトルを示す図。 PCAPAについてのサイクリックボルタンメトリ(CV)による測定結果を示す図。 PCAPBAのH−NMRチャート。 PCAPBAの吸収スペクトルを示す図。 PCAPBAの発光スペクトルを示す図。 発光素子1の発光スペクトルを示す図。 発光素子1の輝度−電流効率特性を示す図。 発光素子1の電圧−輝度特性を示す図。 発光素子2の発光スペクトルを示す図。 発光素子2の輝度−電流効率特性を示す図。 発光素子2の電圧−輝度特性を示す図。 発光素子3の発光スペクトルを示す図。 発光素子3の輝度−電流効率特性を示す図。 発光素子3の電圧−輝度特性を示す図。 発光素子1〜発光素子3の信頼性を示す図。 発光素子1〜発光素子3の信頼性を示す図。 PCAのH−NMRチャート。 PCAのH−NMRチャート。 PCAの13C−NMRチャート。 PCNのH−NMRチャート。 PCNPAのH−NMRチャート。 PCNPAの吸収スペクトルを示す図。 PCNPAの発光スペクトルを示す図。
符号の説明
101 第1の電極
102 第2の電極
111 正孔注入層
112 正孔輸送層
113 発光層
114 電子輸送層
115 電子注入層
201 第1の電極
202 第2の電極
211 正孔注入層
212 正孔輸送層
213 発光層
214 電子輸送層
215 電子注入層
300 基板
301 下地絶縁膜
302 ゲート絶縁膜
310 トランジスタ
320 トランジスタ
330 トランジスタ
340 トランジスタ
350 発光素子
351 第1の電極
352 層
353 第2の電極
360 隔壁層
370 シール材
380 封止基板
390 端子部
391 端子電極
392 異方性導電層
393 FPC
500 カソード側電源線
510 トランジスタ
520 トランジスタ
751 基板
752 第1の電極
753 隔壁層
754 層
755 第2の電極
756 第1の駆動回路
757 第2の駆動回路
758 点線
759 基板
2101 本体
2102 表示部
2104 操作キー
2106 シャッター
2201 本体
2202 筐体
2203 表示部
2204 キーボード
2205 外部接続ポート
2206 ポインティングマウス
2301 本体
2302 筐体
2303 表示部A
2304 表示部B
2305 記録媒体(DVD等)読み込み部
2306 操作キー
2307 スピーカー部
2401 筐体
2402 支持台
2403 表示部
2404 スピーカ
2405 ビデオ入力端子
3000 携帯電話機
3001 本体(a)
3002 本体(b)
3003 筐体
3004 操作スイッチ類
3005 マイクロフォン
3006 スピーカ
3007 回路基板
3008 表示パネル(a)
3009 表示パネル(b)
3010 蝶番
3011 アンテナ
303a 層間絶縁膜
303b 層間絶縁膜
503B アノード側電源線(B)
503G アノード側電源線(G)
503R アノード側電源線(R)
550B 発光素子
550G 発光素子
550R 発光素子
6001 第1の駆動回路
6002 画素部
6003 ゲート側駆動回路
6004 封止基板
6005 シール材
6007 接続領域
6008 端子部
6009 FPC
6010 基板
6601 駆動IC
6602 画素部
6604 封止基板
6605 シール材
6607 接続領域
6608 端子部
6609 FPC
6610 基板

Claims (21)

  1. 一般式(1)で表されるアントラセン誘導体。
    Figure 0005041766
    (式中のR1、R2は水素または炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。R3は水素、炭素数1以上4以下のアルキル基、または炭素数6以上25以下のアリール基のいずれかを表す。R4は炭素数1以上4以下のアルキル基、または炭素数6以上25以下のアリール基のいずれかを表す。R5は炭素数6以上25以下のアリール基を表す。R6は炭素数6以上25以下のアリール基を表す。X1は炭素数6以上25以下のアリーレン基を表す。)
  2. 一般式(2)で表されるアントラセン誘導体。
    Figure 0005041766
    (式中のR1、R2は水素または炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。R3は水素、炭素数1以上4以下のアルキル基、または炭素数6以上25以下のアリール基のいずれかを表す。R5は炭素数6以上25以下のアリール基を表す。Ph1、Ph2はフェニル基を表す。X1は炭素数6以上25以下のアリーレン基を表す。)
  3. 一般式(3)で表されるアントラセン誘導体。
    Figure 0005041766
    (式中のR1、R2は水素または炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。R3は水素、炭素数1以上4以下のアルキル基、または炭素数6以上25以下のアリール基のいずれかを表す。Ph1、Ph2、Ph3はフェニル基を表す。X1は炭素数6以上25以下のアリーレン基を表す。)
  4. 一般式(4)で表されるアントラセン誘導体。
    Figure 0005041766
    (式中のR1、R2は水素または炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。R3は水素、炭素数1以上4以下のアルキル基、または炭素数6以上25以下のアリール基のいずれかを表す。Ph1、Ph2はフェニル基を表す。X1は炭素数6以上25以下のアリーレン基を表す。)
  5. 一般式(5)で表されるアントラセン誘導体。
    Figure 0005041766
    (式中のR1、R2は水素または炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。R3は水素、炭素数1以上4以下のアルキル基、または炭素数6以上25以下のアリール基のいずれかを表す。 5 は炭素数6以上25以下のアリール基を表す。Ph1、Ph2はフェニル基を表す。)
  6. 一般式(6)で表されるアントラセン誘導体。
    Figure 0005041766
    (式中のR1、R2は水素または炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。R3は水素、炭素数1以上4以下のアルキル基、または炭素数6以上25以下のアリール基のいずれかを表す。 5 は炭素数6以上25以下のアリール基を表す。Ph1、Ph2はフェニル基を表す。)
  7. 一般式(7)で表されるアントラセン誘導体。
    Figure 0005041766
    (式中のR1、R2は水素または炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。R3は水素、炭素数1以上4以下のアルキル基、または炭素数6以上25以下のアリール基のいずれかを表す。 5 は炭素数6以上25以下のアリール基を表す。Ph1、Ph2はフェニル基を表す。)
  8. 一般式(8)で表されるアントラセン誘導体。
    Figure 0005041766
    (式中のR3は水素、炭素数1以上4以下のアルキル基、または炭素数6以上25以下のアリール基のいずれかを表す。Ph1、Ph2、Ph3はフェニル基を表す。)
  9. 一般式(9)で表されるアントラセン誘導体。
    Figure 0005041766
    (式中のR3は水素、炭素数1以上4以下のアルキル基、または炭素数6以上25以下のアリール基のいずれかを表す。Ph1、Ph2はフェニル基を表す。)
  10. 一般式(10)で表されるアントラセン誘導体。
    Figure 0005041766
    (式中のR3は水素、炭素数1以上4以下のアルキル基、または炭素数6以上25以下のアリール基のいずれかを表す。Ph1、Ph2、Ph3はフェニル基を表す。)
  11. 一般式(11)で表されるアントラセン誘導体。
    Figure 0005041766
    (式中のR3は水素、炭素数1以上4以下のアルキル基、または炭素数6以上25以下のアリール基のいずれかを表す。Ph1、Ph2はフェニル基を表す。)
  12. 一般式(12)で表されるアントラセン誘導体。
    Figure 0005041766
    (式中のR3は水素、炭素数1以上4以下のアルキル基、または炭素数6以上25以下のアリール基のいずれかを表す。Ph1、Ph2、Ph3はフェニル基を表す。)
  13. 一般式(13)で表されるアントラセン誘導体。
    Figure 0005041766
    (式中のR3は水素、炭素数1以上4以下のアルキル基、または炭素数6以上25以下のアリール基のいずれかを表す。Ph1、Ph2はフェニル基を表す。)
  14. 一般式(14)で表されるアントラセン誘導体。
    Figure 0005041766
    (式中のR3は水素、炭素数1以上4以下のアルキル基、または炭素数6以上25以下のアリール基のいずれかを表す。Ph1、Ph2、Ph3はフェニル基を表す。)
  15. 一般式(15)で表されるアントラセン誘導体。
    Figure 0005041766
    (式中のR3は水素、炭素数1以上4以下のアルキル基、または炭素数6以上25以下のアリール基のいずれかを表す。Ph1、Ph2、Ph3はフェニル基を表す。)
  16. 一般式(16)で表されるアントラセン誘導体。
    Figure 0005041766
    (式中のR3は水素、炭素数1以上4以下のアルキル基、または炭素数6以上25以下のアリール基のいずれかを表す。Ph1、Ph2、Ph3はフェニル基を表す。)
  17. 請求項1乃至請求項16のいずれか一に記載のアントラセン誘導体を含む層を、一対の電極間に有する発光素子。
  18. 請求項1乃至請求項16のいずれか一に記載のアントラセン誘導体と、ホストとを含む層を、一対の電極間に有し、
    前記ホストは前記アントラセン誘導体のエネルギーギャップよりも大きいエネルギーギャップを有し、また前記アントラセン誘導体の有するイオン化ポテンシャルよりも大きいイオン化ポテンシャルを有する物質であることを特徴とする発光素子。
  19. 請求項1乃至請求項16のいずれか一に記載のアントラセン誘導体と、発光物質とを含む層を、一対の電極間に有し、
    前記発光物質は前記アントラセン誘導体のエネルギーギャップよりも小さなエネルギーギャップを有し、また前記アントラセン誘導体の有するイオン化ポテンシャルよりも小さいイオン化ポテンシャルを有する物質であることを特徴とする発光素子。
  20. 請求項17乃至請求項19のいずれか一に記載の発光素子を有する発光装置。
  21. 請求項17乃至請求項19のいずれか一に記載の発光素子を有する電子機器。





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