JP5379965B2 - スチルベン誘導体、発光素子および発光装置 - Google Patents

スチルベン誘導体、発光素子および発光装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5379965B2
JP5379965B2 JP2007243365A JP2007243365A JP5379965B2 JP 5379965 B2 JP5379965 B2 JP 5379965B2 JP 2007243365 A JP2007243365 A JP 2007243365A JP 2007243365 A JP2007243365 A JP 2007243365A JP 5379965 B2 JP5379965 B2 JP 5379965B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
electrode
layer
emitting
substance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007243365A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008106044A5 (ja
JP2008106044A (ja
Inventor
昌和 江川
祥子 川上
信晴 大澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Original Assignee
Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd filed Critical Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Priority to JP2007243365A priority Critical patent/JP5379965B2/ja
Publication of JP2008106044A publication Critical patent/JP2008106044A/ja
Publication of JP2008106044A5 publication Critical patent/JP2008106044A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5379965B2 publication Critical patent/JP5379965B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Indole Compounds (AREA)

Description

本発明は、スチルベン誘導体、スチルベン誘導体を用いた発光素子、スチルベン誘導体もしくは前記発光素子を有する発光装置及び電子機器に関する。
薄型軽量、高速応答性などの特徴を有する発光素子は、次世代のフラットパネルディスプレイへの応用が期待されている。また、発光素子をマトリクス状に配置した発光装置は、従来の液晶表示装置と比較して、視野角が広く視認性が優れる点において特に優位性があると言われている。
発光素子は、一対の電極(陽極と陰極)間に発光物質を含む層が挟まれた構造を有する。このような発光素子では、両電極間に電圧を印加した際に陽極から注入される正孔(ホール)と陰極から注入される電子とが発光物質を含む層において再結合することにより発光物質の励起子が形成され、その励起子が基底状態に戻る際に発光すると言われている。
そのため、発光素子より得られる発光の波長は、発光素子中に含まれる発光物質のバンドギャップによって決定される。従って、発光物質の構造を工夫することで、種々の発光色を得ることが可能である。そのため、光の三原色である赤、青、緑の発光が可能な発光素子を作製し、これを用いることで発光装置のフルカラー化が実現される。
しかしながら、色純度に優れ、信頼性の高い発光素子の実現が困難であるという問題を有しているのが現状である。近年の材料開発の結果、赤色及び緑色の発光素子に関しては、高い色純度と高い信頼性が達成されているものの、特に青色の発光素子に関しては十分に高い色純度と高い信頼性を持つ発光素子は実現されておらず多くの研究がなされている(例えば特許文献1参照)。
特開2004−75580号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、色純度が良好な青色発光を呈する新規物質、及びこれを用いた発光素子、発光装置、並びに電子機器を提供することを目的とする。
本発明の一は、一般式(G1)で表されるスチルベン誘導体である。
一般式(G1)において、A及びBは、それぞれ下記一般式(G1−1)〜(G1−4)で示される構造のいずれかを表す。また、一般式(G1−1)〜(G1−4)において、R〜R24は、それぞれ水素または炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す。
なお、R〜R24のような水素または炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す置換基には、例えば、構造式(G1´−1)〜(G1´−9)を用いることができる。
本発明の一は、上記一般式(G1)中のA及びBが同じ構造で示されることを特徴とするスチルベン誘導体である。
本発明の一は、一般式(G2)で表されるスチルベン誘導体である。
一般式(G2)において、Cは上記一般式(G1−1)〜(G1−4)で示される構造のいずれかを表し、R25〜R27はそれぞれ水素または炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す。なお、上述のようにR25〜R27のような水素または炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す置換基には、例えば、上記構造式(G1´−1)〜(G1´−9)を用いることができる。
本発明の一は、一般式(G3)で表されるスチルベン誘導体である。
一般式(G3)において、A及びBはそれぞれ上記一般式(G1−1)〜(G1−4)で示される構造のいずれかを表す。
本発明の一は、上記一般式(G3)中のA及びBが同じ構造で示されることを特徴とするスチルベン誘導体である。
なお、一般式(G3)においては、スチルベンの4位及び4´位のそれぞれがA及びBによって置換された構造について記載しているが、一般式(G1)に示したように上記一般式(G1−1)〜(G1−4)によって置換される箇所はこの限りでない。例えば、スチルベンの3位及び4´位が上記一般式(G1−1)〜(G1−4)に置換されていても良い。
本発明の一は、一般式(G4)で表されるスチルベン誘導体である。
一般式(G4)において、Cは上記一般式(G1−1)〜(G1−4)で示される構造のいずれかを表し、R28〜R30はそれぞれ水素または炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す。なお、上述のようにR28〜R30のような水素または炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す置換基には、例えば、上記構造式(G1´−1)〜(G1´−9)を用いることができる。
なお、一般式(G4)においても、スチルベンの4位がCによって置換された構造について記載しているが、一般式(G2)に示したように上記一般式(G1−1)〜(G1−4)によって置換される箇所はこの限りでない。
本発明の一は、一般式(G5)で表されるスチルベン誘導体である。
一般式(G5)において、A及びBはそれぞれ下記一般式(G2−1)もしくは一般式(G2−2)で示される構造を表す。また、一般式(G2−1)もしくは一般式(G2−2)において、R31〜R33は、それぞれ水素または炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す。なお、上述のようにR31〜R33のような水素または炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す置換基には、例えば、上記構造式(G1´−1)〜(G1´−9)を用いることができる。
本発明の一は、上記一般式(G5)においてA及びBが同じ構造で示されることを特徴とするスチルベン誘導体である。
本発明の一は、一般式(G6)で表されるスチルベン誘導体である。
一般式(G6)において、Cはそれぞれ上記一般式(G2−1)もしくは一般式(G2−2)で示される構造を表し、R34〜R36はそれぞれ水素または炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す。なお、上述のようにR34〜R36のような水素または炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す置換基には、例えば、上記構造式(G1´−1)〜(G1´−9)を用いることができる。
なお、本発明のスチルベン誘導体にはシス及びトランスの幾何異性体が存在し、そのいずれも本発明に包含されるが、安定性の観点からトランス体の方が好ましい。
本発明の一は、一対の電極間に上述したスチルベン誘導体を有する発光素子である。
また、本発明の一は、一対の電極間に発光層を有し、発光層は上述したスチルベン誘導体を有することを特徴とする発光素子である。なお、本発明のスチルベン誘導体は、色純度が良好な青色発光を呈するという特徴を有していることから、主にゲスト材料として用い、他のホスト材料と共に発光層を形成することが好ましい。もちろん、本発明のスチルベン誘導体のみから発光層を形成しても良い。また、本発明のスチルベン誘導体は、ホスト材料として用いることも可能であり、青色の発光材料に対するホスト材料としても好適である。
また、本発明の一は上述した発光素子を有する発光装置及び電子機器である。
本発明により、良好な色純度の青色発光を呈するスチルベン誘導体を得ることができる。また、前記スチルベン誘導体を用いて発光素子を作製することにより、色純度に優れた青色を発光することが可能な発光素子および発光装置を提供することができる。さらに、色彩に優れた画像が表現可能な発光装置及び電子機器を提供することができる。
以下、本発明の一態様について説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
(実施の形態1)
本発明の一態様は、下記構造式(1)〜(107)で表されるスチルベン誘導体である。ただし、本発明のスチルベン誘導体は以下の構造式に表されるものに限定されるものではない。
以上に述べた本発明のスチルベン誘導体は、良好な色純度の青色発光を呈することができる。そのため、発光材料として非常に有用である。また、酸化反応の繰り返しに対し優れた耐性も有する。
(実施の形態2)
一般式(G7)で表される本発明のスチルベン誘導体の合成方法について、以下に説明する。なお、本発明のスチルベン誘導体は、本実施形態に記載した合成方法に限定されるものではなく、その他の合成方法によって合成しても良い。
なお、一般式(G7)において、R〜Rは、それぞれ水素または炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す。
下記合成スキーム(a−1)で表されるように、一般式(G7)で表される本発明のスチルベン誘導体は、スチルベンのジハロゲン化合物とフェニルカルバゾールのボロン酸誘導体もしくは有機ホウ素で置換されたフェニルカルバゾール誘導体とを塩基存在下で金属触媒を用いたカップリング反応を行うことにより得ることができる。なお、カップリング時の金属触媒としては、酢酸パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド等のパラジウム触媒が好ましい。また、塩基としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の無機塩基やナトリウム−tert−ブトキシド、カリウム−tert−ブトキシド等の金属アルコキシドなどの有機塩基等を用いることができる。
なお、合成スキーム(a−1)において、R〜Rは、それぞれ水素または炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表し、R37及びR38は水素または炭素数1〜10のアルキル基のいずれかを表す。なお、R37及びR38は互いに結合し、環を形成していても良い。また、X及びXはハロゲン基を表し、これらは同じであっても異なっていても良い。なかでも、より反応性が高い臭素またはヨウ素が好ましい。
以上のようにして得られたスチルベン誘導体は、良好な色純度の青色発光を呈することができる。そのため、発光材料として非常に有用である。また、酸化反応の繰り返しに対し優れた耐性も有する。
なお、合成スキーム(a−1)で用いられる反応物であるスチルベンのジハロゲン化合物は、例えば下記合成スキーム(b−1)で表されるような方法によって得られる。合成スキーム(b−1)において、X〜Xは、それぞれハロゲン基を表し、なかでもより反応性が高い臭素またはヨウ素が好ましい。
合成スキーム(b−1)に示すように、ハロゲン化されたベンジルのトリフェニルホスホニウム塩(α1)とハロゲン化されたベンズアルデヒド(β1)とを塩基存在下にて反応させる、いわゆるウィティッヒ(Wittig)反応によりスチルベンのジハロゲン化合物を得る。
また、下記合成スキーム(b−2)に示すように、合成スキーム(b−1)のトリフェニルホスホニウム塩(α1)に換えてホスホン酸エステル(α2)を用いるホルナー−エモンズ(Horner−Emmons)反応によっても得ることができる。なお、合成スキーム(b−2)において、X〜Xは、それぞれハロゲン基を表し、なかでもより反応性が高い臭素またはヨウ素が好ましい。また、R39は、炭素数1〜10のアルキル基のいずれかを表す。
なお、合成スキーム(a−1)では反応物であるフェニルカルバゾールのボロン酸誘導体もしくは有機ホウ素で置換されたフェニルカルバゾール誘導体として、フェニルカルバゾールのフェニル基のパラ位がボロン酸である物質もしくはフェニル基のパラ位が有機ホウ素で置換された物質を用いた場合について示しているが、その位置はこれに限定されるものではない。例えば、フェニルカルバゾールにおけるフェニル基のメタ位がボロン酸であるフェニルカルバゾールのボロン酸誘導体もしくはフェニル基のメタ位が有機ホウ素で置換されたフェニルカルバゾール誘導体を反応物として用いた場合には下記一般式(G8)で表されるスチルベン誘導体が得られ、オルト位の場合には下記一般式(G9)で表されるスチルベン誘導体が得られる。また、フェニルカルバゾールにおけるカルバゾールの3位がボロン酸であるフェニルカルバゾールのボロン酸誘導体もしくはカルバゾールの3位が有機ホウ素で置換されたフェニルカルバゾール誘導体を用いた場合には下記一般式(G10)で表されるスチルベン誘導体が得られる。
なお、一般式(G8)〜(G10)において、R〜R24は、それぞれ水素または炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す。
以上のような本発明のスチルベン誘導体は、良好な色純度の青色発光を呈することができる。そのため、発光材料として非常に有用である。また、酸化反応の繰り返しに対し優れた耐性も有する。
(実施の形態3)
本実施形態では、上述した一般式(G1)においてAとBとが異なる構造で表される本発明のスチルベン誘導体の合成方法について説明する。なお、本発明のスチルベン誘導体は本実施形態に示す合成方法に限定されるものではなく、その他の合成方法によって合成しても良い。
一般式(G11)で表される本発明のスチルベン誘導体の合成方法について、以下に説明する。
なお、一般式(G11)において、R〜R12は、それぞれ水素または炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す。
下記合成スキーム(c−1)で表されるように、一般式(G11)で表される本発明のスチルベン誘導体は、ボロン酸もしくは有機ホウ素によって置換される位置が異なるフェニルカルバゾールのボロン酸誘導体もしくは有機ホウ素で置換されたフェニルカルバゾール誘導体とスチルベンのジハロゲン化合物との2段階のカップリング反応により得ることができる。なお、合成スキーム(c−1)において、R〜R12は、それぞれ水素または炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表し、R37及びR38は水素または炭素数1〜10のアルキル基のいずれかを表す。なお、R37及びR38は互いに結合し、環を形成していても良い。また、R40及びR41も同様に、水素または炭素数1〜10のアルキル基のいずれかを表し、互いに結合して環を形成していても良い。X及びXはハロゲン基を表し、これらは同じであっても異なっていても良い。なかでも、より反応性が高い臭素またはヨウ素が好ましく、さらにX及びXは異なる方が好ましい。
合成スキーム(c−1)に示すように、まずスチルベンのジハロゲン化合物と第1のフェニルカルバゾールのボロン酸誘導体もしくは有機ホウ素で置換されたフェニルカルバゾール誘導体とを塩基存在下で金属触媒を用いたカップリング反応を行うことによりフェニルカルバゾール骨格を有するスチルベン誘導体(化合物A)を得る。さらに、得られたフェニルカルバゾール骨格を有するスチルベン誘導体(化合物A)と第2のフェニルカルバゾールのボロン酸誘導体もしくは有機ホウ素で置換されたフェニルカルバゾール誘導体とを塩基存在下で金属触媒を用いたカップリング反応を行うことにより、一般式(G11)で表される本発明のスチルベン誘導体を得ることができる。なお、カップリング時の金属触媒としては、酢酸パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド等のパラジウム触媒が好ましい。また、塩基としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の無機塩基やナトリウム−tert−ブトキシド、カリウム−tert−ブトキシド等の金属アルコキシドなどの有機塩基等を用いることができる。
上記合成スキーム(c−1)においては第1のフェニルカルバゾールのボロン酸誘導体もしくは有機ホウ素で置換されたフェニルカルバゾール誘導体にフェニル基のパラ位がボロン酸もしくは有機ホウ素によって置換された物質を、第2のフェニルカルバゾールのボロン酸誘導体もしくは有機ホウ素で置換されたフェニルカルバゾール誘導体にはメタ位が置換された物質を用いた例について記載したが、置換位置はそれぞれパラ位もしくはメタ位に限られるものではなく、パラ位、メタ位及びオルト位のいずれの置換位置であっても良い。もちろん、第1のフェニルカルバゾールのボロン酸誘導体もしくは有機ホウ素で置換されたフェニルカルバゾール誘導体にフェニル基のメタ位がボロン酸もしくは有機ホウ素によって置換された物質を、第2のフェニルカルバゾールのボロン酸誘導体もしくは有機ホウ素で置換されたフェニルカルバゾール誘導体にフェニル基のパラ位がボロン酸もしくは有機ホウ素によって置換された物質を用いることもできる。また、カルバゾールの3位がボロン酸もしくは有機ホウ素によって置換されたフェニルカルバゾールのボロン酸誘導体もしくは有機ホウ素で置換されたフェニルカルバゾール誘導体を反応物に用いても良い。以上のようなフェニルカルバゾールのボロン酸誘導体もしくは有機ホウ素で置換されたフェニルカルバゾール誘導体を用いて、一般式(G11)以外に例えば下記一般式(G12)〜(G16)で表されるスチルベン誘導体を得ることができる。
また、上記合成スキーム(c−1)において第1及び第2のフェニルカルバゾールのボロン酸誘導体もしくは有機ホウ素で置換されたフェニルカルバゾール誘導体として同じ物質を用いることにより実施の形態2で示した本発明のスチルベン誘導体を合成しても良い。
以上のような本発明のスチルベン誘導体は、良好な色純度の青色発光を呈することができる。そのため、発光材料として非常に有用である。また、酸化反応の繰り返しに対し優れた耐性も有する。
(実施の形態4)
本実施形態では、上記一般式(G2)で表される本発明のスチルベン誘導体の合成方法について説明する。なお、本発明のスチルベン誘導体は本実施形態に示す合成方法に限定されるものではなく、その他の合成方法によって合成しても良い。
一般式(G17)で表される本発明のスチルベン誘導体の合成方法について、以下に説明する。
なお、一般式(G17)において、R〜R及びR25〜R27は、それぞれ水素または炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す。
下記合成スキーム(d−1)で表されるように、一般式(G17)で表される本発明のスチルベン誘導体は、スチルベンのハロゲン化合物とフェニルカルバゾールのボロン酸誘導体もしくは有機ホウ素で置換されたフェニルカルバゾール誘導体とを塩基存在下で金属触媒を用いたカップリング反応を行うことにより得ることができる。なお、カップリング時の金属触媒としては、酢酸パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド等のパラジウム触媒が好ましい。また、塩基としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の無機塩基やナトリウム−tert−ブトキシド、カリウム−tert−ブトキシド等の金属アルコキシドなどの有機塩基等を用いることができる。
なお、合成スキーム(d−1)において、R〜R及びR25〜R27は、それぞれ水素または炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表し、R37及びR38は水素または炭素数1〜10のアルキル基のいずれかを表す。なお、R37及びR38は互いに結合し、環を形成していても良い。また、Xはハロゲン基を表し、なかでもより反応性が高い臭素またはヨウ素が好ましい。
以上のようにして得られたスチルベン誘導体は、良好な色純度の青色発光を呈することができる。そのため、発光材料として非常に有用である。また、酸化反応の繰り返しに対し優れた耐性も有する。
なお、合成スキーム(d−1)で用いられる反応物であるスチルベンのハロゲン化合物は、例えば下記合成スキームで表されるような方法によって得られる。
合成スキーム(e−1)に示すように、ハロゲン化されたベンジルのトリフェニルホスホニウム塩(α3)とベンズアルデヒド誘導体(β2)とを塩基存在下にて反応させる、いわゆるウィティッヒ(Wittig)反応によりスチルベンのハロゲン化合物を得ることができる。このスチルベンのハロゲン化合物は、合成スキーム(e−2)に示すように、合成スキーム(e−1)のトリフェニルホスホニウム塩(α3)に換えてホスホン酸エステル(α4)を用いるホルナー−エモンズ(Horner−Emmons)反応によっても得ることもできる。なお、合成スキーム(e−1)及び(e−2)において、R25〜R27はそれぞれ水素または炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表し、R39は炭素数1〜10のアルキル基のいずれかを表す。また、X及びXは、それぞれハロゲン基を表し、なかでも臭素またはヨウ素が好ましい。
また、スチルベンのハロゲン化合物は、下記合成スキーム(e−3)に示すように、ベンジルのトリフェニルホスホニウム塩(α5)とハロゲン化されたベンズアルデヒド(β3)とを塩基存在下にて反応させる、いわゆるウィティッヒ(Wittig)反応により得ることもできる。あるいは、合成スキーム(e−4)に示すように、合成スキーム(e−3)のトリフェニルホスホニウム塩(α5)に換えてホスホン酸エステル(α6)を用いるホルナー−エモンズ(Horner−Emmons)反応によっても得ることができる。なお、合成スキーム(e−3)及び(e−4)において、R25〜R27は、それぞれ水素または炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表し、R39は、炭素数1〜10のアルキル基のいずれかを表す。また、X及びXは、それぞれハロゲン基を表し、なかでも臭素またはヨウ素が好ましい。
なお、合成スキーム(d−1)においてはフェニルカルバゾールのボロン酸誘導体もしくは有機ホウ素で置換されたフェニルカルバゾール誘導体に、フェニル基のパラ位がボロン酸もしくは有機ホウ素によって置換された物質を用いた場合について示しているが、置換位置はこれに限定されるものではない。例えば、フェニル基のメタ位もしくはオルト位、またはカルバゾールの3位がボロン酸によって置換されたフェニルカルバゾールのボロン酸誘導体もしくは有機ホウ素で置換されたフェニルカルバゾール誘導体を用いることもできる。このようなフェニルカルバゾールのボロン酸誘導体もしくは有機ホウ素で置換されたフェニルカルバゾール誘導体を用いて、例えば下記一般式(G18)〜(G20)で表されるスチルベン誘導体を得ることができる。
なお、一般式(G18)〜(G20)において、R〜R27は、それぞれ水素または炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す。
以上のような本発明のスチルベン誘導体は、良好な色純度の青色発光を呈することができる。そのため、発光材料として非常に有用である。また、酸化反応の繰り返しに対し優れた耐性も有する。
(実施の形態5)
本発明のスチルベン誘導体を用いた発光素子の態様について、図1を用いて説明する。
図1には、第1の電極101と第2の電極102との間に発光層113を有する発光素子が表されている。そして、発光層113には、本発明のスチルベン誘導体が含まれている。
第1の電極101と第2の電極102との間には、発光層113の他、正孔注入層111、正孔輸送層112、電子輸送層114、電子注入層115等も設けられている。これらの層は、第1の電極101の電位が第2の電極102の電位よりも高くなるように電圧を印加したときには、第1の電極101側から正孔が注入され第2の電極102側から電子が注入されるように積層されている。
このような発光素子において、第1の電極101側から注入された正孔と、第2の電極102側から注入された電子とは、発光層113において再結合し、発光層中に含まれる本発明のスチルベン誘導体を励起状態にする。そして、励起状態のスチルベン誘導体は基底状態に戻るときに発光する。このように、本発明のスチルベン誘導体は発光物質として機能する。
発光層113は本発明のスチルベン誘導体のみから形成された層であってもよいが、濃度消光を生じる場合には、発光物質が有するエネルギーギャップよりも大きいエネルギーギャップを有する物質(ホスト)からなる層中に発光物質が分散するように混合された層であることが好ましい。発光層113に本発明のスチルベン誘導体を分散して含ませることで、濃度消光を防ぐことができる。なお、エネルギーギャップとは最低空分子軌道(LUMO:Lowest Unoccupied Molecular Orbital)準位と最高被占分子軌道(HOMO:Highest Occupied Molecular Orbital)準位とのエネルギー差をいう。
本発明のスチルベン誘導体を分散状態にするために用いる物質には、4,4’,4’’−トリ(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)、1,1−ビス[4−(ジフェニルアミノ)フェニル]シクロヘキサン(略称:TPAC)、9,9−ビス[4−(ジフェニルアミノ)フェニル]フルオレン(略称:TPAF)、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール)(略称:TPBI)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(ビフェニル−4−イル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、9,9’,9’’−[1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリイル]トリカルバゾール(略称:TCzTRZ)のような低分子化合物や、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)、ポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ(2,5−ピリジン−ジイル)(略称:PPy)などの高分子化合物を用いることができる。なお、これらの物質の中から一または二以上の物質を選択して本発明のスチルベン誘導体が分散状態となるように混合すればよい。なお、このような複数の化合物が混合された層は、共蒸着法により形成することができる。ここで、共蒸着とは、一つの処理室内に設けられた複数の蒸着源からそれぞれの原料を気化させ、気化した原料を気相状態で混合し、被処理物上に混合物を堆積させる蒸着法をいう。
また、本発明のスチルベン誘導体は、比較的エネルギーギャップが大きいことから発光物質を分散状態にするために用いる物質として用いることもできる。その場合には、発光物質が必ずしも本発明のスチルベン誘導体である必要はなく、所望の発光波長の発光をし得る物質を用いればよい。例えば、赤色系の発光を得たいときには、4−ジシアノメチレン−2−イソプロピル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJTI)、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJT)、4−ジシアノメチレン−2−tert−ブチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJTB)やペリフランテン、2,5−ジシアノ−1,4−ビス[2−(10−メトキシ−1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]ベンゼン等、600nmから680nmに発光スペクトルのピークを有する発光を呈する物質を用いることができる。また、緑色系の発光を得たいときは、N,N’−ジメチルキナクリドン(略称:DMQd)、クマリン6やクマリン545T、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、N,N’−ジフェニルキナクリドン(略称:DPQd)等、500nmから550nmに発光スペクトルのピークを有する発光を呈する物質を用いることができる。また、青色系の発光を得たいときは、N,N’’−(2−tert−ブチル−9,10−アントラセンジイルジ−4,1−フェニレン)ビス[N,N’,N’−トリフェニル−1,4−ベンゼンジアミン]((略称:DPABPA)、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン((略称:TBP)、ペリレン、1,3,6,8−テトラフェニルピレン等、420nmから500nmに発光スペクトルのピークを有する発光を呈する物質を用いることができる。
第1の電極101を形成する陽極材料は特に限定はされないが、仕事関数の大きい(仕事関数4.0eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物、及びこれらの混合物などを用いることが好ましい。このような陽極材料の具体例としては、インジウム錫酸化物(略称:ITO)、酸化珪素を含有するインジウム錫酸化物(略称:ITSO)、酸化インジウムに2〜20[wt%]の酸化亜鉛(ZnO)を混合したターゲットを用いて形成されるインジウム亜鉛酸化物(略称:IZO)の他、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、または金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)等を挙げることができる。
一方、第2の電極102を形成する物質としては、仕事関数の小さい(仕事関数3.8eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物、及びこれらの混合物などを用いることができる。このような陰極材料の具体例としては、周期表の1族または2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属またはマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、及びこれらを含む合金(Mg:Ag、Al:Li)が挙げられる。しかしながら、第2の電極102と発光層113との間に、後述する電子発生層を当該第2の電極と積層して設けることにより、仕事関数の大小に関わらず、Al、Ag、ITOやITSO等の第1の電極101の材料として挙げた材料も含めた様々な導電性材料を第2の電極102として用いることができる。
第1の電極101及び第2の電極102は、それぞれ上述した陽極材料もしくは陰極材料を蒸着法、スパッタリング法等により形成する。なお、膜厚は、10〜500nmとすることが好ましい。
また、第1の電極101と発光層113との間には、図1に示すように正孔輸送層112を設けてもよい。ここで、正孔輸送層とは、第1の電極101側から注入された正孔を発光層113へ輸送する機能を有する層である。このように、正孔輸送層112を設けることによって、第1の電極101と発光層113との距離を離すことができ、その結果、第1の電極101に含まれている金属に起因して発光が消光することを防ぐことができる。正孔輸送層は、正孔輸送性の高い物質を用いて形成することが好ましく、特に1×10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する物質を用いて形成することが好ましい。なお、正孔輸送性の高い物質とは、電子よりも正孔の移動度が高い物質をいう。正孔輸送層112を形成するのに用いることができる物質の具体例としては、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)、4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:TPD)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス{N−[4−(N,N−ジ−m−トリルアミノ)フェニル]−N−フェニルアミノ}ビフェニル(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N,N−ジ(m−トリル)アミノ]ベンゼン(略称:m−MTDAB)、4,4’,4’’−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)、フタロシアニン(略称:HPc)、銅フタロシアニン(略称:CuPc)、バナジルフタロシアニン(略称:VOPc)等が挙げられる。正孔輸送層112は、以上に述べた物質から成る層を二以上組み合わせて形成した多層構造の層であってもよい。
なお、本発明のスチルベン誘導体は、酸化耐性にも優れていることから正孔輸送層112を形成する材料として使用することもできる。その場合には、発光層に必ずしも本発明のスチルベン誘導体を用いる必要はない。
また、第2の電極102と発光層113との間には、図1に示すように電子輸送層114を有していてもよい。ここで、電子輸送層とは、第2の電極102から注入された電子を発光層113へ輸送する機能を有する層である。このように、電子輸送層114を設けることによって、第2の電極102と発光層113との距離を離すことができ、その結果、第2の電極102に含まれている金属に起因して発光が消光することを防ぐことができる。電子輸送層は、電子輸送性の高い物質を用いて形成することが好ましく、特に1×10−6cm/Vs以上の電子移動度を有する物質を用いて形成することが好ましい。なお、電子輸送性の高い物質とは、正孔よりも電子の移動度が高い物質をいう。電子輸送層114を形成するのに用いることができる物質の具体例としては、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX))、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ))等の金属錯体の他、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)、4,4−ビス(5−メチルベンズオキサゾル−2−イル)スチルベン(略称:BzOs)等が挙げられる。また、電子輸送層114は、以上に述べた物質から成る層を二以上組み合わせて形成した多層構造の層であってもよい。
なお、正孔輸送層112と電子輸送層114とは、それぞれ先に記載した物質の他、バイポーラ性の物質を用いて形成してもよい。バイポーラ性の物質とは、電子または正孔のいずれか一方のキャリアの移動度と他方のキャリアの移動度とを比較したときに、一方のキャリアの移動度に対する他方のキャリアの移動度の比の値が100以下、好ましくは10以下である物質をいう。バイポーラ性の物質として、例えば、2,3−ビス(4−ジフェニルアミノフェニル)キノキサリン(略称:TPAQn)、2,3−ビス{4−[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]フェニル}−ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:NPADiBzQn)等が挙げられる。バイポーラ性の物質の中でも特に、正孔または電子の移動度が1×10−6cm/Vs以上の物質を用いることが好ましい。また、同一のバイポーラ性の物質を用いて正孔輸送層112と電子輸送層114とを形成しても構わない。
さらに、第1の電極101と正孔輸送層112との間には、図1に示すように正孔注入層111を有していてもよい。正孔注入層111は、第1の電極101から正孔輸送層112へ正孔の注入を補助する機能を有する層である。正孔注入層111を設けることによって、第1の電極101と正孔輸送層112との間のイオン化ポテンシャルの差が緩和され、正孔が注入され易くなる。正孔注入層111は、正孔輸送層112を形成している物質よりもイオン化ポテンシャルが小さく、第1の電極101を形成している物質よりもイオン化ポテンシャルが大きい物質、または正孔輸送層112と第1の電極101との間に1〜2nmの薄膜として設けたときにエネルギーバンドが曲がるような物質を用いて形成することが好ましい。正孔注入層111を形成するのに用いることのできる物質の具体例として、フタロシアニン(略称:HPc)や銅フタロシアニン(CuPC)等のフタロシアニン系の化合物、或いはポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)水溶液(PEDOT/PSS)等の高分子等が挙げられる。つまり、正孔注入層111におけるイオン化ポテンシャルが正孔輸送層112におけるイオン化ポテンシャルよりも相対的に小さくなるような物質を選択することによって、正孔注入層111を形成することができる。
また、第2の電極102と電子輸送層114との間には、図1に示すように電子注入層115を有していてもよい。ここで、電子注入層115は、第2の電極102から電子輸送層114へ電子の注入を補助する機能を有する層である。電子注入層115を設けることによって、第2の電極102と電子輸送層114との間の電子親和力の差が緩和され、電子が注入され易くなる。電子注入層115は、電子輸送層114を形成している物質よりも電子親和力が大きく第2の電極102を形成している物質よりも電子親和力が小さい物質、または電子輸送層114と第2の電極102との間に1〜2nmの薄膜として設けたときにエネルギーバンドが曲がるような物質を用いて形成することが好ましい。電子注入層115を形成するのに用いることのできる物質の具体例として、アルカリ金属またはアルカリ土類金属、アルカリ金属のフッ化物、アルカリ土類金属のフッ化物、アルカリ金属の酸化物、アルカリ土類金属の酸化物等の無機物が挙げられる。また、無機物の他、BPhen、BCP、p−EtTAZ、TAZ、BzOs等の電子輸送層114を形成するのに用いることのできる物質も、適宜選択することによって、電子注入層115を形成する物質として用いることができる。つまり、電子注入層115における電子親和力が電子輸送層114における電子親和力よりも相対的に大きくなるような物質を選択することによって、電子注入層115を形成することができる。
以上に述べた本発明の発光素子において、正孔注入層111、正孔輸送層112、発光層113、電子輸送層114、電子注入層115は、それぞれ、蒸着法、インクジェット法、塗布法等のいずれの方法で形成しても構わない。
また、正孔注入層111に換えて正孔発生層を設けてもよいし、電子注入層115に換えて電子発生層を設けてもよい。
ここで、正孔発生層とは、正孔を発生する層である。電子よりも正孔の移動度が高い物質及びバイポーラ性の物質の中から選ばれた少なくとも一の物質と、これらの物質に対して電子受容性を示す物質とを混合することによって正孔発生層を形成することができる。ここで、電子よりも正孔の移動度が高い物質としては、正孔輸送層112を形成するのに用いることのできる物質と同様の物質を用いることができる。また、バイポーラ性の物質についても、TPAQn等の上述したバイポーラ性の物質を用いることができる。また、電子よりも正孔の移動度が高い物質及びバイポーラ性の物質の中でも、特にトリフェニルアミンを骨格に含む物質を用いることが好ましい。トリフェニルアミンを骨格に含む物質を用いることによって、正孔をより発生し易くなる。また、電子受容性を示す物質としては、モリブデン酸化物、バナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、レニウム酸化物等の金属酸化物を用いることが好ましい。このような正孔発生層は、厚膜化しても駆動電圧の上昇を伴わないため、正孔発生層の膜厚を調整することでマイクロキャビティ効果や光の干渉効果を利用した光学設計を行うことができる。そのため、色純度に優れ、視野角に依存する色変化などが小さい高品質な発光素子を作製することができる。また、第1の電極101の表面に成膜時に発生する凹凸や電極表面に残った微小な残渣の影響で第1の電極101と第2の電極102がショートすることを防ぐ膜厚を選ぶことができる。
また、電子発生層とは、電子を発生する層である。正孔よりも電子の移動度が高い物質及びバイポーラ性の物質の中から選ばれた少なくとも一の物質と、これらの物質に対して電子供与性を示す物質とを混合することによって電子発生層を形成することができる。ここで、正孔よりも電子の移動度が高い物質としては電子輸送層114を形成するのに用いることのできる物質と同様の物質を用いることができる。また、バイポーラ性の物質についても、TPAQn等の上述したバイポーラ性の物質を用いることができる。また、電子供与性を示す物質としては、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の中から選ばれた物質、具体的にはリチウム(Li)、カルシウム(Ca)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、マグネシウム(Mg)等を用いることができる。また、アルカリ金属酸化物またはアルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属窒化物、アルカリ土類金属窒化物等、具体的にはリチウム酸化物(LiO)、カルシウム酸化物(CaO)、ナトリウム酸化物(NaO)、カリウム酸化物(KO)、マグネシウム酸化物(MgO)から選ばれる少なくとも一の物質も電子供与性を示す物質として用いることができる。また、アルカリ金属フッ化物、アルカリ土類金属フッ化物、具体的にはフッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF)等のフッ化物を用いることも可能である。
なお、後述において正孔発生層は正孔注入層111に、電子発生層は電子注入層115に包含されるものとする。
以上に述べたような本発明の発光素子は本発明のスチルベン誘導体を用いているため、良好な色純度の青色を発光することができる。また、本発明のスチルベン誘導体は、酸化反応の繰り返しに対し優れた耐性も有するため、発光素子の信頼性を向上することも可能となる。
(実施の形態6)
本発明の発光素子は、複数の発光層を有するものであってもよい。複数の発光層を設け、それぞれの発光層からの発光を混合することで、例えば白色光の光を得ることができる。本実施形態では、このような発光素子について図2、3を用いて説明する。
図2において、第1の電極201と第2の電極202との間には、第1の発光層213と第2の発光層215とを有する。第1の発光層213と第2の発光層215との間には、間隔層214を設けることが好ましい。
第1の電極201の電位よりも第2の電極202の電位が高くなるように電圧を印加すると、第1の電極201と第2の電極202との間に電流が流れ、第1の発光層213、第2の発光層215または間隔層214において正孔と電子とが再結合する。なお、間隔層214での再結合によって生じた励起エネルギーは、間隔層214から第1の発光層213と第2の発光層215のそれぞれに移り、第1の発光層213に含まれた第1の発光物質と第2の発光層215に含まれた第2の発光物質を励起状態にする。そして、励起状態になった第1の発光物質と第2の発光物質とは、それぞれ基底状態に戻るときに発光する。このようにして得られる第1の発光層213からの発光色と第2の発光層215からの発光色は、第1の電極201と第2の電極202とのいずれか一もしくは両方を通って外部に射出される。このように外部に射出されたそれぞれの発光は、視覚的に混合され、白色光として視認されることで白色光の光を得ることが可能となる。
第1の発光層213には、本発明のスチルベン誘導体からなる層、もしくは本発明のスチルベン誘導体が該スチルベン誘導体のエネルギーギャップよりも大きなエネルギーギャップを有する物質(第1のホスト)から成る層中に分散した状態で含まれている層を用いることができる。また、第2の発光層215は、第1の発光層213の発光色と補色の発光を呈する物質を発光物質として用いれば良い。例えば、ルブレンや5,12−ビス(1,1−ビフェニル−4−イル)−6,11−ジフェニルテトラセン(略称:BPT)のような黄色発光を呈する物質を発光物質として用いることができる。なお、第2の発光層215においても、発光物質からなる層もしくは発光物質が該発光物質のエネルギーギャップよりも大きなエネルギーギャップを有する物質(第2のホスト)から成る層中に分散した状態で含まれている層を用いて形成すれば良い。なお、第1のホストには実施の形態5に記載した物質を用いることができ、なかでもOXD−7、TPBI、TAZ、TCzTRZのような電子輸送性の化合物が好ましい。また、第2のホストにはAlq、Almq、NPB、TPD等を用いることができ、なかでもNPB、TPBのような正孔輸送性の化合物が好ましい。
また、間隔層214は、第1の発光層213、第2の発光層215または間隔層214において再結合により発生したエネルギーが第1の発光層213と第2の発光層215の両方に移動できると共に、第1の発光層213と第2の発光層215のいずれか一方のみにエネルギーが移動しないように阻止するための機能を有するように形成されていることが好ましい。具体的には、間隔層214は、TPAQn、NPB、CBP、TCTA、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ピリジナト]亜鉛(略称:Znpp)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:ZnBOX)等を用いて形成することができる。このように、間隔層214を設けることで、第1の発光層213と第2の発光層215のいずれか一方のみの発光強度が強くなってしまい、白色発光が得られなくなるという不具合を防ぐことができる。
また、図2に示すように、第1の発光層213と第1の電極201との間には、電子輸送層212や電子注入層211が設けられていてもよい。また、第2の発光層215と第2の電極202との間には、正孔輸送層216や正孔注入層217が設けられていてもよい。なお、これらの層を形成する物質は、実施の形態5に記載したものを用いることができる。
本実施形態では、図2のように二層の発光層が設けられた発光素子について記載しているが、発光層の層数は二層に限定されるものではなく、例えば三層であってもよい。そして、それぞれの発光層からの発光を組み合わせて、白色として視認されるようにすればよい。
また、図2を用いて説明したような発光素子の他、図3に表されるような発光素子であってもよい。図3の発光素子は、第1の電極301と第2の電極302との間には、第1の発光層313と第2の発光層318とを有し、第1の発光層313と第2の発光層318との間には、第1の層315と第2の層316とを有する。
第1の層315は正孔を発生する層であり、第2の層316は電子を発生する層である。第1の電極301の電位よりも第2の電極302の電位の方が高くなるように電圧を印加したとき、第1の電極301から注入された電子と、第1の層315から注入された正孔とは、第1の発光層313において再結合し、第1の発光層313に含まれた発光物質が発光する。さらに、第2の電極302から注入された正孔と第2の層316から注入された電子とは第2の発光層318において再結合し、第2の発光層318に含まれた発光物質が発光する。
第1の発光層313及び第2の発光層318には、それぞれ図2における第1の発光層213、第2の発光層215と同様の材料を用いて作製することができる。第1の発光層313から得られた発光と第2の発光層318から得られた発光は、第1の電極301または第2の電極302とのいずれか一若しくは両方から射出される。そして、両発光層からの発光は視覚的に混合され、白色光として視認される。
第1の層315は、電子よりも正孔の輸送性が高い物質の中に、その物質に対し電子受容性を示す物質とを含む層であることが好ましい。電子よりも正孔の輸送性が高い物質にとしては、上述した正孔輸送層を形成するときに用いる物質と同様のものを用いればよい。また、電子よりも正孔の輸送性が高い物質に対し電子受容性を示す物質としては、モリブデン酸化物、バナジウム酸化物、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(略称:TCNQ)、2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(略称:F−TCNQ)等を用いることができる。
第2の層316は、正孔よりも電子の輸送性が高い物質の中に、その物質に対し電子供与性を示す物質とを含む層であることが好ましい。正孔よりも電子の輸送性が高い物質にとしては、上述した電子輸送層を形成するときに用いる物質と同様のものを用いればよい。また正孔よりも電子の輸送性が高い物質に対し電子供与性を示す物質としては、リチウム、セシウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属及びエルビウム、イッテルビウム等の希土類金属等を用いることができる。
また、図3に示すように、第1の発光層313と第1の電極301との間には、電子輸送層312や電子注入層311が設けられていてもよい。また、第1の発光層313と第1の層315との間には、正孔輸送層314が設けられていてもよい。また、第2の発光層318と第2の電極302との間には、正孔輸送層319や正孔注入層320が設けられていてもよい。また、第2の発光層318と第2の層316との間には電子輸送層317が設けられていてもよい。
また、本実施形態では、図3のように二層の発光層が設けられた発光素子について記載しているが、発光層の層数は二層に限定されるものでは無く、例えば三層であってもよい。そして、それぞれの発光層からの発光を組み合わせて、白色として視認されるようにすればよい。
なお、本実施形態では、発光層のみからの発光が得られる発光素子の構造を示したが、他の機能層(例えば電子輸送層や正孔輸送層)からの発光が得られるように設計しても良い。例えば電子輸送層や正孔輸送層にドーパントを添加することにより、輸送層からの発光も得ることができる。発光層と輸送層に用いる発光材料の発光波長が異なれば、それらの発光波長が重なり合ったスペクトルの発光が得られる。そのため、発光層の発光色と輸送層の発光色が互いに補色の関係であれば、白色の発光を得ることができる。
なお、本実施形態は、他の実施の形態及び後述する実施例のいずれかと適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態7)
本実施形態では、本発明を適用した発光装置について図4を用いて説明する。なお、図4(A)は、発光装置を示す上面図、図4(B)は図4(A)中A−A’線断面図(A−A’で切断した断面図)である。図4(A)、(B)のそれぞれにおいて、対応するものは同一の符号を用いて表している。400は基板、点線で示された401は駆動回路部(ソース側駆動回路)、402は画素部、403は駆動回路部(ゲート側駆動回路)である。また、404は封止基板、405はシール材である。
なお、407は、ソース側駆動回路401またはゲート側駆動回路403に入力される信号を伝送するための配線であり、外部入力端子となるFPC(フレキシブルプリントサーキット)408からビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等を受け取る。なお、ここではFPCしか図示していないが、このFPCにはプリント配線基盤(PWB)が取り付けられていてもよい。本発明の発光装置には、発光装置本体だけの場合はもちろん、それにFPCもしくはPWBが取り付けられた状態をも含むものとする。
次に、断面構造について図4(B)を用いて説明する。基板400上には駆動回路部および画素部が形成されているが、ここでは、駆動回路部であるソース側駆動回路401と、画素部402が示されている。
なお、ソース側駆動回路401はnチャネル型薄膜トランジスタ421とpチャネル型薄膜トランジスタ422とを組み合わせたCMOS回路で形成されている。また、薄膜トランジスタで形成された駆動回路は、公知のCMOS回路、PMOS回路もしくはNMOS回路で形成してもよい。また、本実施形態では、基板上に駆動回路を形成したドライバー一体型を示しているが、必ずしもその必要はなく駆動回路を外部に形成することもできる。
また、画素部402はスイッチング用薄膜トランジスタ411と、電流制御用薄膜トランジスタ412と、そのドレインに電気的に接続された第1の電極413とを含む複数の画素により形成される。なお、第1の電極413の端部を覆って絶縁物414が形成されている。
また、後に形成される発光物質を含む層415の成膜を良好なものとするため、絶縁物414の上端部または下端部、あるいは上下端部が曲率を有する曲面となるように形成することが好ましい。例えば、絶縁物414の材料としてポジ型の感光性アクリルを用いた場合、絶縁物414の上端部のみに曲率半径(0.2μm〜3μm)を有する曲面を持たせることが好ましい。また、絶縁物414として、感光性の光によってエッチャントに不溶解性となるネガ型、あるいは光によってエッチャントに溶解性となるポジ型のいずれも使用することができる。さらには、絶縁物414の材料として有機物に限らず酸化珪素、酸窒化珪素等の無機物も用いることできる。
また、第1の電極413上には、発光物質を含む層415、および第2の電極416がそれぞれ形成されている。
第1の電極413と発光物質を含む層415と第2の電極416とを有する発光素子417は、本発明のスチルベン誘導体を有する発光素子である。発光物質を含む層415に、一般式(G1)または(G2)で表されるスチルベン誘導体のうちの少なくとも1つを有する発光層を有していていれば、その他の層の積層構造については特に限定されない。なお、第1の電極413、発光物質を含む層415、及び第2の電極416は、実施の形態5に記載した各々の材料を適宜選択して用いることができる。
さらに、シール材405で封止基板404を基板400と貼り合わせることにより、基板400、封止基板404、およびシール材405で囲まれた空間406に発光素子417が備えられた構造になっている。なお、空間406には、不活性気体(窒素やアルゴン等)が充填される場合の他、シール材405で充填される構成も含むものとする。
シール材405にはエポキシ系樹脂を用いるのが好ましい。また、これらの材料はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。また、封止基板404に用いる材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiberglass−Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、ポリエステルまたはアクリル等からなるプラスチック基板を用いることができる。以上のように、発光装置を作製することができる。
なお、第1の電極413および第2の電極416がいずれも透光性を有する物質で構成されている場合、第1の電極413側と第2の電極416側の両方から発光を取り出すことができる。また、第2の電極416のみが透光性を有する物質で構成されている場合、第2の電極416側のみから発光を取り出すことができる。この場合、第1の電極413は反射率の高い材料で構成されているか、または反射率の高い材料から成る膜(反射膜)が第1の電極413の下方に設けられていることが好ましい。また、第1の電極413のみが透光性を有する物質で構成されている場合、第1の電極413側のみから発光を取り出すことができる。この場合、第2の電極416は反射率の高い材料で構成されているか、または反射膜が第2の電極416の上方に設けられていることが好ましい。
発光素子417は、第1の電極413の電位よりも第2の電極416の電位が高くなるように電圧を印加したときに動作するように発光物質を含む層415が積層されたものであってもよいし、第1の電極413の電位よりも第2の電極416の電位が低くなるように電圧を印加したときに動作するように発光物質を含む層415が積層されたものであってもよい。
本発明の発光装置は、本発明のスチルベン誘導体を発光物質として用いることによって、良好な色純度の青色を発光することができる。そのため、さらに色彩に優れた画像が表現可能な発光装置を提供することも可能となる。
なお、本実施形態ではトランジスタによって発光素子の駆動を制御するアクティブマトリクス型の発光装置について説明したが、それぞれの画素に薄膜トランジスタ等の駆動用の素子を特に設けずに発光素子を駆動させる、パッシブマトリクス型の発光装置であってもよい。
なお、本実施形態は、実施の形態1〜6および後述する実施例のいずれかと適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態8)
本実施形態では、本発明を適用したパッシブマトリクス型の発光装置について図5(A)、(B)を用いて説明する。図5(A)、(B)は、それぞれ本発明を適用したパッシブマトリクス型の発光装置の斜視図と上面図である。なお、図5(A)は、図5(B)の点線508で囲まれた部分について斜視した図である。図5(A)、(B)のそれぞれにおいて対応するものは同一の符号を用いて表している。図5(A)において、第1の基板501上には複数の第1の電極502が並列に設けられている。第1の電極502のそれぞれの端部は、隔壁層503で覆われている。最も手前に位置している第1の電極502においても端部は隔壁層503によって覆われているが、図5(A)では第1の基板501上に設けられた第1の電極502と隔壁層503とが配置されている様子を分かり易くする為に図示していない。第1の電極502の上方には複数の第2の電極505が、第1の電極502と交差するように並列に設けられている。なお、第1の電極502と第2の電極505との間には発光物質を含む層504が設けられている。第1の電極502と第2の電極505とが交差した部分は、電極間に発光物質を含む層504を挟んでなる、本発明の発光素子を構成している。発光物質を含む層504に、一般式(G1)または(G2)で表されるスチルベン誘導体のうちの少なくとも1つを有する発光層を有していていれば、その他の層の積層構造については特に限定されない。なお、第1の電極502、発光物質を含む層504、及び第2の電極505は、実施の形態5に記載した各々の材料を適宜選択して用いることができる。また、第2の電極505の上には第2の基板509が設けられている。
図5(B)に表されるように、第1の電極502は第1の駆動回路506に接続し、第2の電極505は第2の駆動回路507に接続している。そして、第1の駆動回路506および第2の駆動回路507からの信号によって選択された本発明の発光素子が発光する。発光は、第1の電極502及び/又は第2の電極505を介して外部へ取り出される。そして、複数の発光素子からの発光が組み合わさり映像が映し出される。なお、図5(B)では、第1の電極502及び第2の電極505それぞれの配置を分かり易くする為に隔壁層503及び第2の基板509については図示していない。
第1の電極502および第2の電極505がいずれも透光性を有する物質で構成されている場合、第1の電極502側と第2の電極505側の両方から発光を取り出すことができる。また、第2の電極505のみが透光性を有する物質で構成されている場合、第2の電極505側のみから発光を取り出すことができる。この場合、第1の電極502は反射率の高い材料で構成されているか、または反射率の高い材料から成る膜(反射膜)が第1の電極502の下方に設けられていることが好ましい。また、第1の電極502のみが透光性を有する物質で構成されている場合、第1の電極502側のみから発光を取り出すことができる。この場合、第2の電極505は反射率の高い材料で構成されているか、または反射膜が第2の電極505の上方に設けられていることが好ましい。隔壁層503は、実施の形態7に記載されている絶縁物414と同様の材料を用いて形成することができる。
本発明の発光装置は、本発明のスチルベン誘導体を発光物質として用いることによって、良好な色純度の青色を発光することができる。そのため、さらに色彩に優れた画像が表現可能な発光装置を提供することも可能となる。
なお、本実施形態は、実施形態1〜6および後述する実施例のいずれかと適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態9)
本実施形態では、本発明の発光素子を有する発光装置を用いて完成させた様々な電子機器について説明する。本発明の発光装置は、本発明のスチルベン誘導体を発光物質として用いることによって、良好な色純度の青色を発光することができる。そのため、さらに色彩に優れた画像が表現可能な電子機器を得ることができる。
本発明の発光装置を用いて作製された電子機器として、テレビジョン、ビデオカメラ、デジタルカメラ等のカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、ノート型パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話器、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはデジタルビデオディスク(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうる表示装置を備えた装置)などが挙げられる。電子機器のいくつかの具体例を図6を用いて説明する。本発明の発光装置を用いた電子機器はこれら例示の具体例に限定されない。
図6(A)は表示装置であり、筐体600、支持台601、表示部602、スピーカー部603、ビデオ入力端子604等を含む。本発明を用いて形成される発光装置をその表示部602に用いることにより作製される。なお、表示装置は、パーソナルコンピューター用、TV放送受信用、広告表示用などの全ての情報表示用装置が含まれる。
表示部602には本発明の発光素子が設けられている。当該発光素子が有する発光物質を含む層には、上記一般式(G1)または(G2)で表されるスチルベン誘導体のうちの少なくとも1つを有する発光層を有している。よって、本発明の発光素子を用いることで、色純度に優れた青色、さらには色彩に優れた画像を表現可能な表示装置を得ることができる。
図6(B)はノート型パーソナルコンピュータであり、本体610、筐体611、表示部612、キーボード613、外部接続ポート614、ポインティングデバイス615等を含む。
表示部612には本発明の発光素子が設けられている。当該発光素子が有する発光物質を含む層には、上記一般式(G1)または(G2)で表されるスチルベン誘導体のうちの少なくとも1つを有する発光層を有している。よって、本発明の発光素子を用いることで、色純度に優れた青色、さらには色彩に優れた画像を表現可能なノート型パーソナルコンピュータを得ることができる。
図6(C)はビデオカメラであり、本体620、表示部621、筐体622、外部接続ポート623、リモコン受信部624、受像部625、バッテリー626、音声入力部627、操作キー628、接眼部629等を含む。
表示部621には本発明の発光素子が設けられている。当該発光素子が有する発光物質を含む層には、上記一般式(G1)または(G2)で表されるスチルベン誘導体のうちの少なくとも1つを有する発光層を有している。よって、本発明の発光素子を用いることで、色純度に優れた青色、さらには色彩に優れた画像を表現可能なビデオカメラを得ることができる。
図6(D)は携帯電話機であり、本体630、筐体631、表示部632、音声入力部633、音声出力部634、操作キー635、外部接続ポート636、アンテナ637等を含む。
表示部632には本発明の発光素子が設けられている。当該発光素子が有する発光物質を含む層には、上記一般式(G1)または(G2)で表されるスチルベン誘導体のうちの少なくとも1つを有する発光層を有している。よって、本発明の発光素子を用いることで、色純度に優れた青色、さらには色彩に優れた画像を表現可能な携帯電話を得ることができる。
また、図6(E)はデジタルカメラであり、本体640、表示部641、シャッターボタン642、操作キー643、アンテナ644、撮像部等を含む。なお、図6(E)は表示部641側からの図であり、撮像部は示していない。
本発明のデジタルカメラは、アンテナ644から映像信号や音声信号等の信号を受信することにより、テレビ受像器などの表示媒体として表示部641を機能させてもよい。なお、表示媒体として機能させる場合のスピーカー、操作スイッチ等は適宜設ければよい。
なお、表示部641には本発明の発光素子が設けられている。当該発光素子が有する発光物質を含む層には、上記一般式(G1)または(G2)で表されるスチルベン誘導体のうちの少なくとも1つを有する発光層を有している。よって、本発明の発光素子を用いることで、色純度に優れた青色、さらには色彩に優れた画像を表現可能なデジタルカメラを得ることができる。
以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の表示装置に用いることが可能である。また、本実施形態の電子機器は実施の形態1〜8および後述する実施例のいずれかの構成と適宜組み合わせることが可能である。
本発明のスチルベン誘導体の合成例について説明する。ただし、本発明は、以下に示す合成例に限定されるものではない。
(合成例1)
構造式(13)で表される(E)−4,4’−ビス[4−(カルバゾール−9−イル)フェニル]スチルベン(略称:CzP2S)の合成方法について説明する。
まず、4−ブロモベンジルブロマイド25.2g(101mmol)及びアセトン100mLを200mL三角フラスコへ入れ、さらにトリフェニルホスフィン29.1g(111mmol)を加え、室温で23時間撹拌した。反応終了後、反応混合物中の析出物を吸引ろ過により回収し、(4−ブロモベンジル)トリフェニルホスホニウムブロマイドの白色粉末状固体50.5gを得た(収率97.6%)。以下に、(4−ブロモベンジル)トリフェニルホスホニウムブロマイドの合成スキーム(f−1)を示す。
次に、上記で得られた(4−ブロモベンジル)トリフェニルホスホニウムブロマイド50.2g(97.9mmol)及び4−ブロモベンズアルデヒド21.7g(118mmol)を500mL三口フラスコへ入れた後、系内を窒素置換し、テトラヒドロフラン(THF)200mLを加えた。この混合物に、カリウム−tert−ブトキシド13.2g(118mmol)をTHF100mLに混合した懸濁液を滴下した。滴下終了後、反応混合物を室温で24時間撹拌した。反応終了後、反応混合物に水を加え、析出物を吸引ろ過により回収したところ、(E)−4,4’−ジブロモスチルベンの白色粉末状固体14.0gを得た(収率42.1%)。さらに以下の方法を行うことにより、(Z)−4,4’−ジブロモスチルベンを得ることも可能である。上記の吸引ろ過により得られたろ液から生成物を酢酸エチルを用いて抽出し、この抽出溶液を硫酸マグネシウムで乾燥した。その後、この混合物に対し吸引ろ過を行い、ろ液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン)により精製し、得られた溶液を濃縮しところ、(Z)−4,4’−ジブロモスチルベンの淡黄色固体14.8gを得た(収率45%)。以下に、4,4’−ジブロモスチルベンの合成スキーム(f−2)を示す。なお、本実施例では(E)−4,4’−ジブロモスチルベンを用いる。
次に、9−(4−ブロモフェニル)カルバゾール21.8g(67.5mmol)を500mL三口フラスコへ入れ系内を窒素置換した後、テトラヒドロフラン(THF)200mLを加えた。系内を−78℃にしてからこの混合物へn−ブチルリチウム(1.52mol/Lヘキサン溶液)48.9mL(74.3mmol)を滴下し、同温度で2時間攪拌した。その後、ホウ酸トリメチル17.4mL(155mmol)を加え、同温度で1時間攪拌後、室温に戻しながら24時間撹拌した。反応終了後、反応混合物に1.0mol/Lの塩酸200mLを加え、室温で1時間撹拌した。その後、反応混合物の有機層を水で洗浄し、洗浄に用いた水から酢酸エチルを用いて生成物を抽出した。この抽出溶液と水で洗浄した後の有機層とを合わせてさらに飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥後、この混合物を吸引ろ過し、ろ液を濃縮した。得られた残渣をクロロホルムとヘキサンの混合溶媒により再結晶したところ、4−(カルバゾール−9−イル)フェニルボロン酸の白色粉末状固体12.8gを得た(収率65.9%)。以下に4−(カルバゾール−9−イル)フェニルボロン酸の合成スキーム(f−3)を示す。
次に、上記で得られた(E)−4,4’−ジブロモスチルベン2.0g(5.9mmol)及び4−(カルバゾール−9−イル)フェニルボロン酸3.7g(13mmol)並びに酢酸パラジウム(II)0.013g(0.059mmol)及びトリス(オルト−トリル)ホスフィン0.12g(0.41mmol)を100mL三口フラスコへ入れ、系内を窒素置換した。この混合物へエチレングリコールジメチルエーテル(DME)30mL及び炭酸カリウム水溶液(2.0mol/L)9mL(17mmol)を加えた。そして、この混合物を90℃で6時間還流した。反応終了後、吸引ろ過により反応混合物中の析出物を回収した。得られた固体をトルエンで洗浄し、淡黄色粉末状固体2.3gを得た(収率59%)。なお、得られた淡黄色粉末状固体は核磁気共鳴法(NMR)によって(E)−4,4’−ビス[4−(カルバゾール−9−イル)フェニル]スチルベン(略称:CzP2S)であることを確認した。以下に(E)−4.4’−ビス[4−(カルバゾール−9−イル)フェニル]スチルベンの合成スキーム(f−4)を示す。
次に、この化合物のH NMRを示す。また、図7(A)、(B)にはH NMRチャートを示す。図7(B)は、図7(A)における7.0ppm〜9.0ppmの範囲を拡大して表したチャートである。
H NMR(CDCl,300MHz):δ=7.26−7.33(m,7H),7.36−7.48(m,9H),7.59−7.75(m,10H),7.80−7.88(m,4H),8.14−8.17(m,4H)
なお、得られた(E)−4,4’−ビス[4−(カルバゾール−9−イル)フェニル]スチルベン(略称:CzP2S)2.3gを、圧力7.8Pa、アルゴン流量3.0mL/minの条件下で、360℃に加熱して昇華精製を行ったところ1.61gを回収し、その回収率は70%であった。
また、CzP2Sの吸収スペクトルを図8に示す。測定には、紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いた。図8において横軸は波長(nm)、縦軸は吸収強度〔任意単位:arbitrary unit(a.u.)〕を表す。また、図中の(a)は、薄膜状態における吸収スペクトルであり、(b)はトルエン溶液に溶解させた状態における吸収スペクトルである。なお、溶液は石英セルに入れ、薄膜は石英基板に蒸着することでサンプルを作製し、それぞれ石英の吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルである。また、taucプロットを用いて薄膜状態における吸収スペクトル(図8(a))よりCzP2Sのエネルギーギャップを求めたところ3.09eVであることがわかった。
また、CzP2Sの発光スペクトルを図9に示す。図9において横軸は波長(nm)、縦軸は発光強度(任意単位)を表す。また、図中の(a)は、薄膜状態における発光スペクトル(励起波長350nm)であり、(b)はトルエン溶液に溶解させた状態における発光スペクトル(励起波長352nm)である。図9から、CzP2Sからの発光は、薄膜状態において465nmにピークを有し、トルエン溶液中において408nm、431nmにピークを有することが分かる。そして、これらの発光は青色の発光色として視認された。
また、得られたCzP2Sを蒸着法によって成膜し、薄膜状態における当該化合物のイオン化ポテンシャルを光電子分光装置(理研計器社製、AC−2)を用いて測定したところ、5.36eVであった。この結果からHOMO準位は−5.36eVであることが分かった。また、エネルギーギャップ(3.09eV)を用いてLUMO準位を求めたところ、LUMO準位は−2.27eVであった。
さらに、得られたCzP2Sに対し熱重量測定−示差熱分析(TG−DTA:Thermogravimetry−Differential Thermal Analysis)を行った。示差熱熱重量同時測定装置(セイコー電子株式会社製,TG/DTA 320型)により測定したところ、測定開始時における重量に対し95%以下の重量になる温度は、479.4℃であった。また、CzP2Sを融点測定器(アズワン社製、ATM−01)によって測定したところ、融点は348℃であった。
また、サイクリックボルタンメトリ(CV)測定により、CzP2Sの酸化反応特性について調べた。なお、測定には電気化学アナライザー(ビー・エー・エス(株)製、型番:ALSモデル600A)を用いた。
CV測定における溶液は、溶媒として脱水ジメチルホルムアミド(DMF)を用い、支持電解質である過塩素酸テトラ−n−ブチルアンモニウム(n−BuNClO)を100mmol/Lの濃度となるように溶解させ、さらに測定対象であるCzP2Sを1mmol/Lの濃度となるように溶解させて調製した。また、作用電極としては白金電極(ビー・エー・エス(株)製、PTE白金電極)を、補助電極としては白金電極(ビー・エー・エス(株)製、VC−3用Ptカウンター電極(5cm))を、基準電極としてはAg/Ag電極(ビー・エー・エス(株)製、RE5非水溶媒系参照電極)を用いた。
酸化反応特性について次のようにして調べた。基準電極に対する作用電極の電位を−0.20から1.20Vまで変化させた後、1.20Vから−0.20Vまで変化させる走査を1サイクルとし、100サイクル測定した。なお、CV測定のスキャン速度は0.1V/sに設定した。
CzP2Sの酸化反応特性について調べた結果を図10に示す。図10において、横軸は基準電極に対する作用電極の電位(V)を表し、縦軸は作用電極と補助電極との間に流れた電流値(A)を表す。
図10から、サイクリックボルタンメトリにおいて酸化を示す電流が最大になる時の電位(以下、酸化ピーク電位ともいう)は、0.90〜1.00V付近及び1.00〜1.10V付近(vs.Ag/Ag電極)であることが分かった。また、100サイクルもの走査を繰り返しているにもかかわらずCV曲線のピーク位置やピーク強度にほとんど変化が見られなかった。このことから、本発明のスチルベン誘導体は酸化反応に対して極めて安定であることが分かった。
以上のように、本発明のスチルベン誘導体は良好な色純度の青色発光を呈することができる。そのため、発光材料として非常に有用である。また、酸化反応の繰り返しに対し優れた耐性も有する。
本実施例では、実施例1とは異なる本発明のスチルベン誘導体の合成例について説明する。ただし、本発明は、以下に示す合成例に限定されるものではない。
(合成例2)
構造式(22)で表される(E)−4,4’−ビス(9−フェニルカルバゾール−3−イル)スチルベン(略称:PCz2S)の合成方法について説明する。なお、PCz2Sを合成するに際し、必要となる(E)−4,4’−ジブロモスチルベンについては実施例1に示したのでここでは省略する。
まず、9−フェニルカルバゾール−3−ボロン酸の合成方法について説明する。3−ブロモ−9−フェニルカルバゾール19.6g(60.7mmol)を500mL三口フラスコへ入れ系内を窒素置換した後、テトラヒドロフラン(略称:THF)100mLを加えた。系内を−78℃にしてからこの溶液へn−ブチルリチウムヘキサン溶液(1.58mol/L)66.8mL(42.3mmol)を滴下し、同温度で3時間攪拌した。その後、ホウ酸トリメチル13.5mL(140mmol)を加え、同温度で1時間攪拌後、室温に戻しながら24時間撹拌した。反応終了後、反応混合物に2.0mol/Lの塩酸200mLを加え、室温で1時間撹拌した。その後、反応混合物の有機層を水で洗浄し、洗浄に用いた水から酢酸エチルを用いて生成物を抽出した。抽出溶液と水で洗浄した後の有機層とを合わせてさらに飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥後、この混合物を吸引ろ過し、ろ液を濃縮した。得られた残渣をクロロホルムとヘキサンの混合溶媒により再結晶したところ、9−フェニルカルバゾール−3−ボロン酸の白色粉末状固体を10.2gを得た(収率58%)。以下に9−フェニルカルバゾール−3−ボロン酸の合成スキーム(g−1)を示す。
実施例1における合成スキーム(f−2)において得られた(E)−4,4’−ジブロモスチルベン1.0g(3.0mmol)、上記より得られた9−フェニルカルバゾール−3−ボロン酸1.9g(6.6mmol)、酢酸パラジウム(II)0.014g(0.066mmol)及びトリス(オルト−トリル)ホスフィン0.14g(0.45mmol)を100mL三口フラスコへ入れ、系内を窒素置換した。この混合物へエチレングリコールジメチルエーテル(DME)20mL及び炭酸カリウム水溶液(2.0mol/L)10mL(20mmol)を加えて、この混合物を90℃で18時間還流した。反応終了後、反応混合物中の析出物を吸引ろ過により回収した。得られた固体をトルエンに溶かし、フロリジール、セライト、アルミナを通して吸引ろ過し、ろ液を濃縮した。得られた固体をクロロホルムとヘキサンの混合溶媒により再結晶したところ、淡黄色粉末状固体0.77gを得た(収率39%)。核磁気共鳴法(NMR)によって、淡黄色粉末状固体は(E)−4,4’−ビス(9−フェニルカルバゾール−3−イル)スチルベン(略称:PCz2S)であることを確認した。以下に、(E)−4,4’−ビス(9−フェニルカルバゾール−3−イル)スチルベンの合成スキームを(g−2)を示す。
次に、この化合物のH NMRを示す。また、図11(A)、(B)にはH NMRチャートを示す。図11(B)は、図11(A)における7.0ppm〜8.5ppmの範囲を拡大して表したチャートである。
H NMR(CDCl3,300MHz):δ=7.25−7.35(m,4H),7.43−7.49(m,8H),7.61−7.77(m,18H),8.20−8.40(m,4H)
なお、得られた(E)−4,4’−ビス(9−フェニルカルバゾール−3−イル)スチルベン(略称:PCz2S)0.77gを、圧力7.8Pa、アルゴン流量3.0mL/minの条件下で、380℃に加熱して昇華精製を行ったところ、0.32gを回収し、その回収率は42%であった。
また、PCz2Sの吸収スペクトルを図12に示す。測定には、紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いた。図12において横軸は波長(nm)、縦軸は吸収強度(任意単位)を表す。また、図中の(a)は、薄膜状態における吸収スペクトルであり、(b)はトルエン溶液に溶解させた状態における吸収スペクトルである。なお、溶液は石英セルに入れ、薄膜は石英基板に蒸着することでサンプルを作製し、それぞれ石英の吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルである。また、taucプロットを用いて薄膜状態における吸収スペクトル(図12(a))よりPCz2Sのエネルギーギャップを求めたところ3.05eVであることがわかった。
また、PCz2Sの発光スペクトルを図13に示す。図13において横軸は波長(nm)、縦軸は発光強度(任意単位)を表す。また、図中の(a)は、薄膜状態における発光スペクトル(励起波長357nm)であり、(b)はトルエン溶液に溶解させた状態における発光スペクトル(励起波長377nm)である。図13から、PCz2Sからの発光は、薄膜状態において460nmにピークを有し、トルエン溶液中において417nm、440nmにピークを有することが分かる。そして、これらの発光は青色の発光色として視認された。
また、得られたPCz2Sを蒸着法によって成膜し、薄膜状態における当該化合物のイオン化ポテンシャルを光電子分光装置(理研計器社製、AC−2)を用いて測定したところ、5.55eVであった。この結果からHOMO準位は−5.55eVであることが分かった。また、エネルギーギャップ(3.05eV)を用いてLUMO準位を求めたところ、LUMO準位は−2.50eVであった。
さらに、得られたPCz2Sに対し熱重量測定−示差熱分析(TG−DTA:Thermogravimetry−Differential Thermal Analysis)を行った。示差熱熱重量同時測定装置(セイコー電子株式会社製,TG/DTA 320型)により測定したところ、測定開始時における重量に対し95%以下の重量になる温度は、484.5℃であり、良好な耐熱性を示すことが分かった。
また、サイクリックボルタンメトリ(CV)測定により、PCz2Sの酸化反応特性について調べた。なお測定には、電気化学アナライザー(ビー・エー・エス(株)製、型番:ALSモデル600A)を用いた。
CV測定における溶液は、溶媒として脱水ジメチルホルムアミド(DMF)を用い、支持電解質である過塩素酸テトラ−n−ブチルアンモニウム(n−BuNClO)を100mmol/Lの濃度となるように溶解させ、さらに測定対象であるPCz2Sを1mmol/Lの濃度となるように溶解させて調製した。また、作用電極としては白金電極(ビー・エー・エス(株)製、PTE白金電極)を、補助電極としては白金電極(ビー・エー・エス(株)製、VC−3用Ptカウンター電極(5cm))を、基準電極としてはAg/Ag電極(ビー・エー・エス(株)製、RE5非水溶媒系参照電極)を用いた。
酸化反応特性について次のようにして調べた。基準電極に対する作用電極の電位を−0.25から0.90Vまで変化させた後、0.90Vから−0.25Vまで変化させる走査を1サイクルとし、100サイクル測定した。なお、CV測定のスキャン速度は0.10V/sに設定した。
PCz2Sの酸化反応特性について調べた結果を図14に示す。図14において、横軸は基準電極に対する作用電極の電位(V)を表し、縦軸は作用電極と補助電極との間に流れた電流値(A)を表す。
図14から、酸化ピーク電位は0.73V(vs.Ag/Ag電極)であることが分かった。また、100サイクルもの走査を繰り返しているにもかかわらずCV曲線のピーク位置やピーク強度にほとんど変化が見られなった。このことから、本発明のスチルベン誘導体は酸化反応に対して極めて安定であることが分かった。
以上のように、本発明のスチルベン誘導体は良好な色純度の青色発光を呈することができる。そのため、発光材料として非常に有用である。また、酸化反応の繰り返しに対し優れた耐性も有する。
本実施例では、実施例1及び2とは異なる本発明のスチルベン誘導体の合成例について説明する。ただし、本発明は、以下に示す合成例に限定されるものではない。
(合成例3)
構造式(12)で表される(E)−4−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)スチルベン(略称:PCzS)の合成方法について説明する。なお、PCzSを合成するに際し、必要となる(4−ブロモベンジル)トリフェニルホスホニウムブロマイドについては実施例1に示したのでここでは省略する。
まず、4−ブロモスチルベンの合成方法について説明する。(4−ブロモベンジル)トリフェニルホスホニウムブロマイド25.3g(49.5mmol)、ベンズアルデヒド5.25g(49.5mmol)を500mL三口フラスコへ入れた後、系内を窒素置換した。この混合物へテトラヒドロフラン(THF)250mLを加え、この混合物にカリウム−tert−ブトキシド6.10g(54.4mmol)をTHF60mLに混合した懸濁液を滴下した。滴下終了後、反応混合物を室温で24時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を水で洗浄し、洗浄に用いた水から酢酸エチルを用いて生成物を抽出した。この抽出溶液と水で洗浄した後の有機層とを合わせて、硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥後、この混合物を吸引ろ過し、ろ液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン)により精製した。得られた化合物をメタノールで洗浄し、固体を吸引ろ過により回収したところ、(E)−4−ブロモスチルベンの白色粉末状固体3.75gを得た(収率29.2%)。以下に、4−ブロモスチルベンの合成スキーム(h−1)を示す。なお、この反応において(Z)−4−ブロモスチルベンも確認されたが、(E)−4−ブロモスチルベンのみを単離精製した。
上記で得られた(E)−4−ブロモスチルベン1.0g(3.9mmol)、実施例2における合成スキーム(g−1)において得られた9−フェニルカルバゾール−3−ボロン酸1.2g(4.2mmol)、酢酸パラジウム(II)0.0087g(0.039mmol)及びトリス(オルト−トリル)ホスフィン0.081g(0.27mmol)を100mL三口フラスコへ入れ、系内を窒素置換した。この混合物へエチレングリコールジメチルエーテル(DME)20mL及び炭酸カリウム水溶液(2.0mol/L)6mL(12mmol)を加えた。そして、この混合物を80℃で14時間還流した。反応終了後、反応混合物中の析出物を吸引ろ過により回収した。回収した固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン)により精製し、得られた溶液を濃縮した。得られた化合物をクロロホルムとヘキサンの混合溶媒により再結晶したところ、淡黄色粉末状固体を0.46g得た(収率28%)。なお、得られた淡黄色粉末状固体は核磁気共鳴法(NMR)によって(E)−4−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)スチルベン(略称:PCzS)であることを確認した。以下に(E)−4−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)スチルベンの合成スキーム(h−2)を示す。
次に、この化合物のH NMRを示す。また、図15(A)、(B)にはH NMRチャートを示す。図15(B)は、図15(A)における7.0ppm〜8.5ppmの範囲を拡大して表したチャートである。
H NMR(CDCl3,300MHz):δ=7.25−7.75(m,21H),8.20(d,J=7.8Hz,1H),8.38(s,1H)
なお、得られた(E)−4−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)スチルベン(略称:PCzS)0.46gを、圧力7.8Pa、アルゴン流量3.0mL/minの条件下で、230℃に加熱して昇華精製を行ったところ、0.35gを回収し、回収率は76%であった。
また、PCzSの吸収スペクトルを図16に示す。測定には、紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いた。図16において横軸は波長(nm)、縦軸は吸収強度(任意単位)を表す。また、図中の(a)は、薄膜状態における吸収スペクトルであり、(b)はトルエン溶液に溶解させた状態における吸収スペクトルである。なお、溶液は石英セルに入れ、薄膜は石英基板に蒸着することでサンプルを作製し、それぞれ石英の吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルである。また、taucプロットを用いて薄膜状態における吸収スペクトル(図16(a))よりPCzSのエネルギーギャップを求めたところ3.26eVであることがわかった。
また、PCzSの発光スペクトルを図17に示す。図17において横軸は波長(nm)、縦軸は発光強度(任意単位)を表す。また、図中の(a)は、薄膜状態における発光スペクトル(励起波長341nm)であり、(b)はトルエン溶液に溶解させた状態における発光スペクトル(励起波長357nm)である。図17から、PCzSからの発光は、薄膜状態において438nmにピークを有し、トルエン溶液中において392nm、413nmにピークを有することが分かる。そして、これらの発光は青色の発光色として視認された。
また、得られたPCzSを蒸着法によって成膜し、薄膜状態における当該化合物のイオン化ポテンシャルを光電子分光装置(理研計器社製、AC−2)を用いて測定したところ、5.63eVであった。この結果からHOMO準位は−5.63eVであることが分かった。また、エネルギーギャップ(3.26eV)を用いてLUMO準位を求めたところ、LUMO準位は−2.37eVであった。
さらに、得られたPCzSに対し熱重量測定−示差熱分析(TG−DTA:Thermogravimetry−Differential Thermal Analysis)を行った。示差熱熱重量同時測定装置(セイコー電子株式会社製,TG/DTA 320型)により測定したところ、測定開始時における重量に対し95%以下の重量になる温度は、319.7℃であり、良好な耐熱性を示すことが分かった。
また、サイクリックボルタンメトリ(CV)測定により、PCzSの酸化反応特性について調べた。なお、測定には電気化学アナライザー(ビー・エー・エス(株)製、型番:ALSモデル600A)を用いた。
CV測定における溶液は、溶媒として脱水ジメチルホルムアミド(DMF)を用い、支持電解質である過塩素酸テトラ−n−ブチルアンモニウム(n−BuNClO)を100mmol/Lの濃度となるように溶解させ、さらに測定対象であるPCzSを1mmol/Lの濃度となるように溶解させて調製した。また、作用電極としては白金電極(ビー・エー・エス(株)製、PTE白金電極)を、補助電極としては白金電極(ビー・エー・エス(株)製、VC−3用Ptカウンター電極(5cm))を、基準電極としてはAg/Ag電極(ビー・エー・エス(株)製、RE5非水溶媒系参照電極)を用いた。
酸化反応特性について次のようにして調べた。基準電極に対する作用電極の電位を−0.25から1.00Vまで変化させた後、1.00Vから−0.25Vまで変化させる走査を1サイクルとし、100サイクル測定した。なお、CV測定のスキャン速度は0.10V/sに設定した。
PCzSの酸化反応特性について調べた結果を図18に示す。図18において、横軸は基準電極に対する作用電極の電位(V)を表し、縦軸は作用電極と補助電極との間に流れた電流値(A)を表す。
図18から、酸化ピーク電位は0.81V(vs.Ag/Ag電極)であることが分かった。また、100サイクルもの走査を繰り返しているにもかかわらずCV曲線のピーク位置やピーク強度にほとんど変化が見られなかった。このことから、本発明のスチルベン誘導体は酸化反応に対して極めて安定であることが分かった。
以上のように、本発明のスチルベン誘導体は良好な色純度の青色発光を呈することができる。そのため、発光材料として非常に有用である。また、酸化反応の繰り返しに対し優れた耐性も有する。
本実施例では、実施例1乃至3とは異なる本発明のスチルベン誘導体の合成例について説明する。ただし、本発明は、以下に示す合成例に限定されるものではない。
(合成例4)
構造式(3)で表される(E)−4−(カルバゾール−9−イル)スチルベン(略称:CzPS)の合成方法について説明する。なお、CzPSを合成するに際し、必要となる4−(カルバゾール−9−イル)フェニルボロン酸については実施例1に、(E)−4−ブロモスチルベンについては実施例3に示したのでここでは省略する。
実施例3における合成スキーム(h−1)で得られた(E)−4−ブロモスチルベン1.0g(3.9mmol)、実施例1における合成スキーム(f−3)で得られた4−(カルバゾール−9−イル)フェニルボロン酸1.1g(3.9mmol)及びトリス(オルト−トリル)ホスフィン0.294g(0.97mmol)を100mL三口フラスコへ入れ、系内を窒素置換した。さらにトルエン20mL、エタノール10mL及び炭酸カリウム水溶液(2.0mol/L)7mL(14mmol)を加え、系内を減圧しながら攪拌することで脱気した後、酢酸パラジウム(II)0.043g(0.19mmol)を加えた。そして、この混合物を4時間還流した。反応終了後、反応混合物中の析出物を吸引ろ過により回収した。回収した固体をトルエンに溶かし、フロリジール、セライト、アルミナを通して吸引ろ過し、さらにろ液を濃縮して固体を得た。この固体をトルエンとヘキサンの混合溶媒により再結晶したところ、白色針状結晶0.96gを得た(収率59%)。核磁気共鳴法(NMR)によって、白色針状結晶は(E)−4−(カルバゾール−9−イル)スチルベン(略称:CzPS)であることを確認した。以下に、(E)−4−(カルバゾール−9−イル)スチルベンの合成スキーム(i−1)を示す。
次に、この化合物のH NMRを示す。また、図28(A)、(B)にはH NMRチャートを示す。図28(B)は、図28(A)における7.0ppm〜8.5ppmの範囲を拡大して表したチャートである。
H NMR(CDCl,300MHz):δ=7.20(s,2H)、7.30(t−d,J1=8.1Hz,J2=1.2Hz,3H)、7.38(d,J=7.8Hz、1H)、7.41−7.42(m,1H)、7.45(d−d,J1=6.9Hz,J2=0.9Hz,2H)、7.49(d,J=8.4Hz,2H)、7.56(d,J=7.2Hz,2H)、7.64−7.73(m、6H)、7.86(d,J=8.4Hz,2H)、8.16(d,J=7.8Hz,2H)
また、CzPSの吸収スペクトルを図29に示す。図29において横軸は波長(nm)、縦軸は吸収強度〔任意単位:arbitrary unit(a.u.)〕を表す。なお、測定には、紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用い、図中の吸収スペクトルはCzPSをトルエン溶液に溶解させた状態におけるスペクトルである。図29から、CzPSはトルエン溶液中において292nm、341nmに吸収ピークを有することが分かる。
また、CzPSの発光スペクトルを図30に示す。図30において横軸は波長(nm)、縦軸は発光強度(任意単位)を表す。なお、図中の発光スペクトルはCzPSをトルエン溶液に溶解させた状態におけるスペクトル(励起波長340nm)である。図30から、CzPSからの発光は、トルエン溶液中において387nm、408nmにピークを有することが分かる。そして、これらの発光は、青色の発光色として視認された。
さらに、得られたCzPSに対し熱重量測定−示差熱分析(TG−DTA:Thermogravimetry−Differential Thermal Analysis)を行った。示差熱熱重量同時測定装置(セイコー電子株式会社製,TG/DTA 320型)により測定したところ、測定開始時における重量に対し95%以下の重量になる温度は、374℃であった。
以上のように、本発明のスチルベン誘導体は良好な色純度の青色発光を呈することができる。そのため、発光材料として非常に有用である。
本実施例では、合成例1において合成された(E)−4,4’−ビス[4−(カルバゾール−9−イル)フェニル]スチルベン(略称:CzP2S)を発光層に用いた発光素子の作製方法およびその発光素子の動作特性について図19を用いて説明する。
まず、ガラス基板700上に、スパッタ法を用いて酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(略称:ITSO)を成膜し、第1の電極701とした。
次に、第1の電極701が形成されたガラス基板700を、真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに、第1の電極701が形成された面を下方となるように固定した。そして、第1の電極701上に、NPBと三酸化モリブデンとを共蒸着によって50nmの膜厚となるように成膜し、正孔注入層711を形成した。なお、NPBと三酸化モリブデンとの質量比は、4:1(=NPB:三酸化モリブデン)となるようにした。
次に、正孔注入層711上に、蒸着法を用いて膜厚10nmとなるようにNPBを成膜し、正孔輸送層712を形成した。
正孔輸送層712上に、CBPとCzP2Sとを共蒸着により、30nmの膜厚となるように成膜し、発光層713を形成した。なお、CBPとCzP2Sとの質量比は、1:0.05(=CBP:CzP2S)となるようにした。これにより、CzP2SはCBPから成る層中に分散した状態となる。
発光層713上には、膜厚10nmとなるようにBCPを成膜し、電子輸送層714を形成した。なお、成膜は、蒸着法によって行った。
次に、電子輸送層714上に、電子注入層715をAlqとLiとを共蒸着することにより、20nmの膜厚となるように成膜した。なお、AlqとLiとの質量比は、1:0.01(=Alq:Li)となるようにした。
電子注入層715上に、蒸着法を用いてアルミニウムを成膜し、第2の電極702を形成した。
以上のようにして、第1の電極701と第2の電極702の間に、正孔注入層711、正孔輸送層712、発光層713、電子輸送層714、電子注入層715を積層して発光素子を作製した。なお、これらの層に用いたNPB、CBP、BCP、Alqをそれぞれ構造式(107)、(108)、(109)、(110)として以下に示す。
また、得られた発光素子を大気に曝さずにシール材を用いて窒素雰囲気下で封止を行った。本実施例で作製した発光素子に対し、第2の電極702の電位よりも第1の電極701の電位の方が高くなるように電圧を印加し、発光素子の動作特性について調べた。なお、測定は室温(25℃になるように保った状態)で行った。結果を図20に示す。図20(a)は電流密度−輝度特性について、図20(b)は電圧−輝度特性について、図20(c)は輝度−電流効率特性について示した図である。図20(a)において、横軸は電流密度(mA/cm)を表し、縦軸は輝度(cd/m)を表す。図20(b)において、横軸は電圧(V)を表し、縦軸は輝度(cd/m)を表す。図20(c)において、横軸は輝度(cd/m)を表し、縦軸は電流効率(cd/A)を表す。
これらの結果から、本実施例で作製した発光素子は9.0Vの電圧を印加した時に540cd/mの輝度で発光し、その時の電流密度は59.6mA/cmであった。また、この時の電流効率は0.90cd/Aであった。
また、本実施例で作製した発光素子の発光スペクトルを図21に示す。図21において横軸は波長(nm)、縦軸は強度(任意単位)を表す。図21より、本実施例で作製した発光素子は437nmに発光スペクトルのピークを有し、青色の発光を呈することが分かった。
さらに、9.0Vの電圧を印加した際に得られた発光のCIE色度座標は(x,y)=(0.15,0.07)であった。NTSC規格における青色の色度座標は、(x,y)=(0.14,0.08)であるため、本実施例の発光素子はほぼNTSC規格に準拠した、非常に色純度の良い青色を呈することがわかった。
本実施例では、合成例1において合成された(E)−4,4’−ビス[4−(カルバゾール−9−イル)フェニル]スチルベン(略称:CzP2S)を発光層に用いた発光素子の作製方法およびその発光素子の動作特性について図19を用いて説明する。なお、実施例5とは、発光層の構成が異なる。
まず、ガラス基板700上に、スパッタ法を用いてITSOを成膜し、第1の電極701とした。
次に、第1の電極701が形成されたガラス基板700を、真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに、第1の電極701が形成された面を下方となるように固定した。そして、第1の電極701上に、NPBと三酸化モリブデンとを共蒸着によって50nmの膜厚となるように成膜し、正孔注入層711を形成した。なお、NPBと三酸化モリブデンとの質量比は、4:1(=NPB:三酸化モリブデン)となるようにした。
次に、正孔注入層711上に、蒸着法を用いて膜厚10nmとなるようにNPBを成膜し、正孔輸送層712を形成した。
正孔輸送層712上に、CzP2Sを蒸着法を用いて30nmの膜厚となるように成膜し、発光層713を形成した。
発光層713上には、膜厚10nmとなるようにBCPを成膜し、電子輸送層714を形成した。なお、成膜は、蒸着法によって行った。
次に、電子輸送層714上に、電子注入層715をAlqとLiとを共蒸着することにより、20nmの膜厚となるように成膜した。なお、AlqとLiとの質量比は、1:0.01(=Alq:Li)となるようにした。
電子注入層715上に、蒸着法を用いてアルミニウムを成膜し、第2の電極702を形成した。
以上のようにして、第1の電極701と第2の電極702の間に、正孔注入層711、正孔輸送層712、発光層713、電子輸送層714、電子注入層715を積層して発光素子を作製した。
また、得られた発光素子を大気に曝さずにシール材を用いて窒素雰囲気下で封止を行った。本実施例で作製した発光素子に対し、第2の電極702の電位よりも第1の電極701の電位の方が高くなるように電圧を印加し、発光素子の動作特性について調べた。なお、測定は室温(25℃になるように保った状態)で行った。結果を図22に示す。図22(a)は電流密度−輝度特性について、図22(b)は電圧−輝度特性について、図22(c)は輝度−電流効率特性について示した図である。図22(a)において、横軸は電流密度(mA/cm)を表し、縦軸は輝度(cd/m)を表す。図22(b)において、横軸は電圧(V)を表し、縦軸は輝度(cd/m)を表す。図22(c)において、横軸は輝度(cd/m)を表し、縦軸は電流効率(cd/A)を表す。
これらの結果から、本実施例で作製した発光素子は8.4Vの電圧を印加した時に550cd/mの輝度で発光し、その時の電流密度は22.0mA/cmであった。また、この時の電流効率は2.5cd/Aであった。
また、本実施例で作製した発光素子の発光スペクトルを図23に示す。図23において横軸は波長(nm)、縦軸は強度(任意単位)を表す。図23より本実施例の発光素子は444nmに発光スペクトルのピークを有し、青色の発光を呈することが分かった。
さらに、8.4Vの電圧を印加した際に得られた発光のCIE色度座標は(x,y)=(0.16,0.14)であった。本実施例で示したように、本発明のスチルベン誘導体であるCzP2Sを発光素子に適用する場合、CzP2Sのみからなる発光層を形成しても良好な色純度の青色発光を呈する発光素子が得られることがわかった。
本実施例では、合成例2において合成された(E)−4,4’−ビス(9−フェニルカルバゾール−3−イル)スチルベン(略称:PCz2S)を発光層に用いた発光素子の作製方法およびその発光素子の動作特性について図19を用いて説明する。
まず、ガラス基板700上に、スパッタ法を用いてITSOを成膜し、第1の電極701とした。
次に、第1の電極701が形成されたガラス基板700を、真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに、第1の電極701が形成された面を下方となるように固定した。そして、第1の電極701上に、DNTPDと三酸化モリブデンとを共蒸着によって50nmの膜厚となるように成膜し、正孔注入層711を形成した。なお、DNTPDと三酸化モリブデンとの質量比は、4:2(=DNTPD:三酸化モリブデン)となるようにした。なお、DNTPDの構造式(111)を以下に示す。
次に、正孔注入層711上に、蒸着法を用いて膜厚10nmとなるようにNPBを成膜し、正孔輸送層712を形成した。
正孔輸送層712上に、CBPとPCz2Sとを共蒸着により、30nmの膜厚となるように成膜し、発光層713を形成した。なお、CBPとPCz2Sとの質量比は、1:0.05(=CBP:PCz2S)となるようにした。これにより、PCz2SはCBPから成る層中に分散した状態となる。
発光層713上には、膜厚10nmとなるようにBCPを成膜し、電子輸送層714を形成した。なお、成膜は、蒸着法によって行った。
次に、電子輸送層714上に、電子注入層715をAlqとLiとを共蒸着することにより、20nmの膜厚となるように成膜した。なお、AlqとLiとの質量比は、1:0.01(=Alq:Li)となるようにした。
電子注入層715上に、蒸着法を用いてアルミニウムを成膜し、第2の電極702を形成した。
以上のようにして、第1の電極701と第2の電極702の間に、正孔注入層711、正孔輸送層712、発光層713、電子輸送層714、電子注入層715を積層して発光素子を作製した。
また、得られた発光素子を大気に曝さずにシール材を用いて窒素雰囲気下で封止を行った。本実施例で作製した発光素子に対し、第2の電極702の電位よりも第1の電極701の電位の方が高くなるように電圧を印加し、発光素子の動作特性について調べた。なお、測定は室温(25℃になるように保った状態)で行った。結果を図24に示す。図24(a)は電流密度−輝度特性について、図24(b)は電圧−輝度特性について、図24(c)は輝度−電流効率特性について示した図である。図24(a)において、横軸は電流密度(mA/cm)を表し、縦軸は輝度(cd/m)を表す。図24(b)において、横軸は電圧(V)を表し、縦軸は輝度(cd/m)を表す。図24(c)において、横軸は輝度(cd/m)を表し、縦軸は電流効率(cd/A)を表す。
これらの結果から、本実施例で作製した発光素子は8.0Vの電圧を印加した時に500cd/mの輝度で発光し、その時の電流密度は43.4mA/cmであった。また、この時の電流効率は1.2cd/Aであった。
また、本実施例で作製した発光素子の発光スペクトルを図25に示す。図25において横軸は波長(nm)、縦軸は強度(任意単位)を表す。図25より、本実施例の発光素子は431nmに発光スペクトルのピークを有し、青色の発光を呈することが分かった。さらに、8.0Vの電圧を印加した際に得られた発光のCIE色度座標は(x,y)=(0.15,0.09)であった。NTSC規格における青色の色度座標は、(x,y)=(0.14,0.08)であるため、本実施例の発光素子はほぼNTSC規格に準拠した、非常に色純度の良い青色を呈することがわかった。
本実施例では、合成例2において合成された(E)−4,4’−ビス(9−フェニルカルバゾール−3−イル)スチルベン(略称:PCz2S)を発光層に用いた発光素子の作製方法およびその発光素子の動作特性について図19を用いて説明する。なお、実施例7とは、発光層の構成が異なる。
まず、ガラス基板700上に、スパッタ法を用いてITSOを成膜し、第1の電極701とした。
次に、第1の電極701が形成されたガラス基板700を、真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに、第1の電極701が形成された面を下方となるように固定した。そして、第1の電極701上に、DNTPDと三酸化モリブデンとを共蒸着によって50nmの膜厚となるように成膜し、正孔注入層711を形成した。なお、DNTPDと三酸化モリブデンとの質量比は、4:2(=DNTPD:三酸化モリブデン)となるようにした。
次に、正孔注入層711上に、蒸着法を用いて膜厚10nmとなるようにNPBを成膜し、正孔輸送層712を形成した。
正孔輸送層712上に、PCz2Sを蒸着法を用いて30nmの膜厚となるように成膜し、発光層713を形成した。
発光層713上には、膜厚10nmとなるようにBCPを成膜し、電子輸送層714を形成した。なお、成膜は、蒸着法によって行った。
次に、電子輸送層714上に、電子注入層715をAlqとLiとを共蒸着することにより、20nmの膜厚となるように成膜した。なお、AlqとLiとの質量比は、1:0.01(=Alq:Li)となるようにした。
電子注入層715上に、蒸着法を用いてアルミニウムを成膜し、第2の電極702を形成した。
以上のようにして、第1の電極701と第2の電極702の間に、正孔注入層711、正孔輸送層712、発光層713、電子輸送層714、電子注入層715を積層して発光素子を作製した。
また、得られた発光素子を大気に曝さずにシール材を用いて窒素雰囲気下で封止を行った。本実施例で作製した発光素子に対し、第2の電極702の電位よりも第1の電極701の電位の方が高くなるように電圧を印加し、発光素子の動作特性について調べた。なお、測定は室温(25℃になるように保った状態)で行った。結果を図26に示す。図26(a)は電流密度−輝度特性について、図26(b)は電圧−輝度特性について、図26(c)は輝度−電流効率特性について示した図である。図26(a)において、横軸は電流密度(mA/cm)を表し、縦軸は輝度(cd/m)を表す。図26(b)において、横軸は電圧(V)を表し、縦軸は輝度(cd/m)を表す。図26(c)において、横軸は輝度(cd/m)を表し、縦軸は電流効率(cd/A)を表す。
これらの結果から、本実施例で作製した発光素子は6.2Vの電圧を印加した時に510cd/mの輝度で発光し、その時の電流密度は15.3mA/cmであった。また、この時の電流効率は3.3cd/Aであった。
また、本実施例で作製した発光素子の発光スペクトルを図27に示す。図27において横軸は波長(nm)、縦軸は強度(任意単位)を表す。図27より、本実施例の発光素子は438nmに発光スペクトルのピークを有し、青色の発光を呈することが分かった。
さらに、6.2Vの電圧を印加した際に得られた発光のCIE色度座標は(x,y)=(0.16,0.14)であった。本実施例で示したように、本発明のスチルベン誘導体であるPCz2Sを発光素子に適用する場合、PCz2Sのみからなる発光層を形成しても良好な色純度の青色発光を呈する発光素子が得られることがわかった。
本発明の発光素子の素子構造を説明する図 本発明の発光素子の素子構造を説明する図 本発明の発光素子の素子構造を説明する図 本発明の発光素子を用いた発光装置の図 本発明の発光素子を用いた発光装置の図 本発明の発光素子を用いた電子機器の図 合成例1で得られたスチルベン誘導体(CzP2S)のH NMRチャート CzP2Sの吸収スペクトルを示す図 CzP2Sの発光スペクトルを示す図 CzP2Sについてのサイクリックボルタンメトリ(CV)による測定結果を示す図 合成例2で得られたスチルベン誘導体(PCz2S)のH NMRチャート PCz2Sの吸収スペクトルを示す図 PCz2Sの発光スペクトルを示す図 PCz2Sについてのサイクリックボルタンメトリ(CV)による測定結果を示す図 合成例3で得られたスチルベン誘導体(PCzS)のH NMRチャート PCzSの吸収スペクトルを示す図 PCzSの発光スペクトルを示す図 PCzSについてのサイクリックボルタンメトリ(CV)による測定結果を示す図 実施例で作製した発光素子の素子構造を説明する図 実施例5で作製した発光素子の動作特性を示す図 実施例5で作製した発光素子の発光スペクトルを示す図 実施例6で作製した発光素子の動作特性を示す図 実施例6で作製した発光素子の発光スペクトルを示す図 実施例7で作製した発光素子の動作特性を示す図 実施例7で作製した発光素子の発光スペクトルを示す図 実施例8で作製した発光素子の動作特性を示す図 実施例8で作製した発光素子の発光スペクトルを示す図 合成例4で得られたスチルベン誘導体(CzPS)のH NMRチャート CzPSの吸収スペクトルを示す図 CzPSの発光スペクトルを示す図
符号の説明
101 第1の電極
102 第2の電極
111 正孔注入層
112 正孔輸送層
113 発光層
114 電子輸送層
115 電子注入層
201 第1の電極
202 第2の電極
211 電子注入層
212 電子輸送層
213 発光層
214 間隔層
215 発光層
216 正孔輸送層
217 正孔注入層
301 第1の電極
302 第2の電極
311 電子注入層
312 電子輸送層
313 発光層
314 正孔輸送層
315 第1の層
316 第2の層
317 電子輸送層
318 発光層
319 正孔輸送層
320 正孔注入層
700 ガラス基板
701 第1の電極
702 第2の電極
711 正孔注入層
712 正孔輸送層
713 発光層
714 電子輸送層
715 電子注入層

Claims (11)

  1. 構造式(13)で表されるスチルベン誘導体。
  2. 構造式(22)で表されるスチルベン誘導体。
  3. 構造式(12)で表されるスチルベン誘導体。
  4. 構造式(3)で表されるスチルベン誘導体。

  5. 一般式(G2)で表されるスチルベン誘導体。

    (式中、Cは下記一般式(G1−1)〜一般式(G1−4)で示される構造のいずれかを表し、R25〜R27はそれぞれ水素または炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す。)

    (式中、R〜R24は、それぞれ水素または炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す。)
  6. 一般式(G4)で表されるスチルベン誘導体。

    (式中、Cは下記一般式(G1−1)〜一般式(G1−4)で示される構造のいずれかを表し、R28〜R30はそれぞれ水素または炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す。)

    (式中、R〜R24は、それぞれ水素または炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す。)
  7. 一般式(G6)で表されるスチルベン誘導体。

    (式中、Cは下記一般式(G2−1)もしくは一般式(G2−2)で示される構造を表し、R34〜R36はそれぞれ水素または炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す。)

    (式中、R31〜R33は、それぞれ水素または炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す。)
  8. 一対の電極間に、請求項1乃至のいずれか一項に記載のスチルベン誘導体を有することを特徴とする発光素子。
  9. 一対の電極間に、請求項1乃至のいずれか一項に記載のスチルベン誘導体を含む発光層を有することを特徴とする発光素子。
  10. 一対の電極間に、
    請求項1乃至のいずれか一項に記載のスチルベン誘導体と、
    ホスト材料と、
    を含む発光層を有することを特徴とする発光素子。
  11. 請求項乃至請求項10のいずれか一項に記載の発光素子が複数配置されていることを特徴とする発光装置。
JP2007243365A 2006-09-26 2007-09-20 スチルベン誘導体、発光素子および発光装置 Expired - Fee Related JP5379965B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007243365A JP5379965B2 (ja) 2006-09-26 2007-09-20 スチルベン誘導体、発光素子および発光装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006261336 2006-09-26
JP2006261336 2006-09-26
JP2007243365A JP5379965B2 (ja) 2006-09-26 2007-09-20 スチルベン誘導体、発光素子および発光装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2008106044A JP2008106044A (ja) 2008-05-08
JP2008106044A5 JP2008106044A5 (ja) 2010-09-30
JP5379965B2 true JP5379965B2 (ja) 2013-12-25

Family

ID=39439693

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007243365A Expired - Fee Related JP5379965B2 (ja) 2006-09-26 2007-09-20 スチルベン誘導体、発光素子および発光装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5379965B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6130629B2 (ja) * 2012-06-21 2017-05-17 ユー・ディー・シー アイルランド リミテッド 有機電界発光素子
EP3019615B1 (en) 2013-07-12 2021-04-07 Helmholtz-Zentrum für Infektionsforschung GmbH Cystobactamides
AU2015353077B2 (en) 2014-11-26 2020-03-05 Helmholtz-Zentrum Fur Infektionsforschung Gmbh Novel cystobactamides
JP7325731B2 (ja) 2018-08-23 2023-08-15 国立大学法人九州大学 有機エレクトロルミネッセンス素子

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6670054B1 (en) * 2002-07-25 2003-12-30 Xerox Corporation Electroluminescent devices
US6562982B1 (en) * 2002-07-25 2003-05-13 Xerox Corporation Carbazole compounds
JP4181399B2 (ja) * 2002-12-19 2008-11-12 三井化学株式会社 ジアミン化合物、および該ジアミン化合物を含有する有機電界発光素子
US7029764B2 (en) * 2003-01-24 2006-04-18 Ritdisplay Corporation Organic electroluminescent material and electroluminescent device by using the same
KR101251624B1 (ko) * 2003-04-18 2013-04-08 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 퀴녹살린 유도체, 그것을 이용한 유기 반도체 소자 및 전계 발광 소자
JP5112601B2 (ja) * 2003-10-07 2013-01-09 三井化学株式会社 複素環化合物および該化合物を含有する有機電界発光素子

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008106044A (ja) 2008-05-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI436981B (zh) 複合材料及使用此複合材料的發光元件和發光裝置
JP4974509B2 (ja) 発光素子及び発光装置
JP5311713B2 (ja) アントラセン誘導体とそれを用いた発光素子、発光装置、電子機器
US7758972B2 (en) Stilbene derivative, light emitting element, light emitting device, and electronic appliance
TW200825052A (en) Method for synthesizing anthracene derivative and anthracene derivative, light emitting element, light emitting device, electronic device
JP5041766B2 (ja) アントラセン誘導体、アントラセン誘導体を用いた発光素子、発光装置及び電子機器
US9174927B2 (en) Stilbene derivatives, light-emitting element, display device, and electronic device
JP4975318B2 (ja) カルバゾール誘導体およびカルバゾール誘導体を用いた発光素子、並びに発光装置
JP2007036188A (ja) 複合材料および複合材料を用いた発光素子並びに発光装置
KR101426513B1 (ko) 퀴녹살린 유도체, 발광소자, 발광장치 및 전자기기
JP2007045816A (ja) カルバゾール誘導体、及びそれを用いて得られた発光素子用材料、発光素子、電子機器
JP5379965B2 (ja) スチルベン誘導体、発光素子および発光装置
JP5179805B2 (ja) アントラセン誘導体、発光素子および発光装置
JP5241183B2 (ja) キノキサリン誘導体、発光素子、発光装置及び電子機器
JP4683882B2 (ja) ピラン誘導体とその製造方法、並びにピラン誘導体を用いた発光素子及び発光装置。
JP5401007B2 (ja) 芳香族アミン化合物、発光素子、発光装置、電子機器
JP4912780B2 (ja) 有機金属錯体、発光素子、発光装置および電子機器
JP5193451B2 (ja) スチルベン誘導体、発光物質、発光素子、および発光装置
JP4869690B2 (ja) 発光素子、発光装置および複合材料
JP5179821B2 (ja) スチルベン誘導体、発光素子、表示装置、及び電子機器
JP2007063258A (ja) カルバゾール誘導体、及びそれを用いて得られた発光素子用材料、発光素子、電子機器
JP2007091715A (ja) アントラセン誘導体及びそれを用いた正孔輸送材料、発光素子、発光装置、電子機器

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100816

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100816

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121120

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130115

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130625

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130806

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20130827

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130924

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130930

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5379965

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees