JP5370197B2 - ステアリング装置 - Google Patents
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Description
前述した様に、上記ステアリングホイール1の前後位置の調節は、調節レバー29の操作に基づいて結合ナット28を回転させ、この結合ナット28と結合ボルト27の頭部30との間隔を広げた状態で行うが、この状態で、上記ステアリングホイール1を前方に、必要以上に強い力でストロークエンドまで押し下げる操作を繰り返した場合、上記結合ボルト27を介して上記アッパブラケット17に前方に向いた強い衝撃力Fが繰り返し作用する。この様にして、このアッパブラケット17に加わる衝撃力Fの作用方向は、上記ステアリングコラム4の変位方向(テレスコ方向)である、このステアリングコラム4の軸方向に一致する。
尚、上記従来構造の1例の場合とは異なり、ステアリングホイールの上下位置の調節機能を備えないステアリング装置の場合にも、不可避的な設計誤差等を除いて、アッパブラケットの離脱方向とステアリングコラムの軸方向とは一致している(例えば特許文献1等参照)。この為、ステアリングホイールの前後位置の調節の際に、やはり同様の問題を生じる可能性がある。
上記ステアリングコラムは、インナーコラムとアウターコラムとを、軸方向に関する相対変位を可能に組み合わせて成り、その内側にステアリングシャフトを回転自在に支持する。
又、上記支持ブラケットは、上記ステアリングコラムの側方に突出する状態で設けられた支持板部を有し、このステアリングコラムを構成する上記インナー、アウター両コラムのうち後方側に配置された一方のコラムを、車体に対して前後移動可能に(テレスコピック調節を可能に)支持する。
又、上記結合杆は、上記一方のコラムを上記支持ブラケットに対し結合する。
更に、上記カプセルは、この支持ブラケットに設けられた上記支持板部の一部を係合させる為の係合溝を有し、この支持ブラケットを前方へと離脱可能に支持する。
特に、本発明のステアリング装置に於いては、上記支持ブラケットの離脱方向と、上記ステアリングコラムの軸方向とを不一致{両方向間に数十度のずれ角(例えば20度、好ましくは30度以上)を有する場合を言い、チルト調節範囲に相当する様な、数度程度のずれ角を有する場合を除く。本明細書全体及び特許請求の範囲で同じ。}としている。
又、上記カプセルを上記支持ブラケットよりも軟質材料により造っており、この支持ブラケットを構成する上記支持板部のうちで、上記カプセルの係合溝の内面と接触する部分に凹凸(例えば多数の微小突起や微小な波形形状)を形成している。
更に、上記一方のコラムに固定された被支持ブラケットの両側壁に、上記結合杆を挿通させる前後方向に長い長孔を形成しており、これら各長孔の後端縁部の内側に、緩衝部材を設けている。
即ち、本発明のステアリング装置の場合には、上記支持ブラケットの離脱方向と、ステアリングコラムの軸方向とを不一致としている為、この支持ブラケットの離脱方向と、結合杆を介してこの支持ブラケットに加わる力の作用方向とが不一致となる。この為、この支持ブラケットに作用する力の離脱方向に関する分力を小さく抑えられる。従って、本発明によれば、前述した従来構造の1例の場合(支持ブラケットの離脱方向とステアリングコラムの軸方向とがほぼ一致する場合)に比べて、上記ステアリングホイールの前後位置の調節時に、上記支持ブラケットを、離脱方向に移動しにくくできて、上記カプセルから離脱しにくくできる。
又、上記支持板部に形成した凹凸部を上記係合溝の内面に押し付けられる為、上記支持ブラケットを、離脱方向に移動しにくくできて、上記カプセルから離脱しにくくできる。
更に、前後方向に長い長孔の後端縁部の内側に緩衝部材を設けている為、ステアリングホイールの前後位置の調節の際に、上記結合杆を介して上記支持ブラケットに作用する力自体を小さく抑えられる。この為、この支持ブラケットを、離脱方向に移動しにくくできて、上記カプセルから離脱しにくくできる。
更に、請求項4に記載した発明の場合には、上記力の作用点と上記係合部との離隔寸法をより大きく確保できる為、この係合部に作用する摩擦力をより大きくできる。この為、上記支持ブラケットを上記カプセルから更に離脱しにくくできる。
図1、2は、本発明に関する参考例の第1例を示している。尚、本参考例のステアリング装置の特徴は、ステアリングホイール1の前後位置の調節の際に、アッパブラケット17aを両カプセル21aから離脱しにくくする部分の構造にある。
その他の部分の構造及び作用・効果に就いては、前述した従来構造の1例の場合とほぼ同様であるから、同等部分に関する図示及び説明は省略若しくは簡略にし、以下、本参考例の特徴部分を中心に説明する。
即ち、本参考例の場合には、上記アッパブラケット17aの離脱方向と、上記ステアリングコラム4の軸方向とを不一致(ずれ角θ=約20度)としている為、上記アッパブラケット17aの離脱方向と、前記結合ボルト27を介してこのアッパブラケット17aに加わる衝撃力Fの作用方向とが不一致となる。この為、このアッパブラケット17aに作用する衝撃力Fの、離脱方向に亙る分力を小さく抑える事ができる。従って、本参考例の場合には、前述した従来構造の1例の場合(アッパブラケット17の離脱方向とステアリングコラム4の軸方向とがほぼ一致する場合)に比べて、上記ステアリングホイール1の前後位置の調節時に、上記アッパブラケット17aを、離脱方向に移動しにくくできて、上記両カプセル21aから離脱しにくくできる。
図3は、本発明に関する参考例の第2例を示している。本参考例の場合には、図1に示したアウターコラム11の前方側への最大変位量を規制する部分(テレスコエンド部)となる、結合ボルト27と第一長孔25(図1参照)の後端縁との間部分に、緩衝部材39を介在させている。具体的には、合成樹脂、硬質ゴム、金属ばね等の低剛質材製で、全体を円筒状とした緩衝部材39を、上記結合ボルト27の長さ方向中間部に外嵌している。
その他の構成及び作用効果に就いては、上述した参考例の第1例の場合と同様である。
図4は、全ての請求項に対応する、本発明の実施の形態の1例を示している。本例の場合にも、上述した参考例の第2例の場合と同様に、図1に示したアウターコラム11の前方側への最大変位量を規制する部分(テレスコエンド部)となる、結合ボルト27(図1参照)と第一長孔25の後端縁との間部分に、緩衝部材39aを介在させている。本例の場合には、合成樹脂、硬質ゴム、金属ばね等の低剛質材製で、全体を略三日月状とした前記緩衝部材39aを、上記第一長孔25の後端縁部の内側に取り付けている。又、この緩衝部材39aの内側面には、突起部40、40を複数形成している。
その他の構成及び作用効果に就いては、前述した参考例の第1例の場合と同様である。
2 ステアリングシャフト
3 操舵輪
4 ステアリングコラム
5 操舵力補助装置
6 タイロッド
7 ステアリングギヤユニット
8 インナーシャフト
9 アウターシャフト
10 インナーコラム
11 アウターコラム
12 ギヤハウジング
13 出力軸
14 ロアブラケット
15 車体
16 ピボットピン
17、17a アッパブラケット
18、18a 側壁部
19、19a 支持板部
20、20a 切り欠き
21、21a カプセル
22、22a 係合溝
23 上下方向通孔
24 被支持ブラケット
25 第一長孔
26 第二長孔
27 結合ボルト
28 結合ナット
29 調節レバー
30 頭部
31 自在継手
32 中間シャフト
33 自在継手
34 入力軸
35 電動モータ
36 微小凹凸部
37 水平面
38 傾斜面
39、39a 緩衝部材
40 突起部
Claims (4)
- インナーコラムとアウターコラムとを、軸方向に関する相対変位を可能に組み合わせて成り、その内側にステアリングシャフトを回転自在に支持するステアリングコラムと、このステアリングコラムの側方に突出する状態で設けられた支持板部を有し、このステアリングコラムを構成する上記インナー、アウター両コラムのうち後方側に配置された一方のコラムを車体に対して前後移動可能に支持する支持ブラケットと、この一方のコラムをこの支持ブラケットに対し結合する為の結合杆と、上記支持板部の一部を係合させる為の係合溝を有し、上記支持ブラケットを前方へと離脱可能に支持するカプセルとを備えたステアリング装置に於いて、
上記支持ブラケットの離脱方向と、上記ステアリングコラムの軸方向とが不一致であり、
上記カプセルが上記支持ブラケットよりも軟質材料から造られており、この支持ブラケットを構成する支持板部のうちで上記カプセルの係合溝の内面と接触する部分に凹凸が形成されており、
上記一方のコラムに固定された被支持ブラケットの両側壁に、上記結合杆を挿通させる前後方向に長い長孔が形成されており、これら各長孔の後端縁部の内側に緩衝部材が設けられている事を特徴とするステアリング装置。 - 支持ブラケットの離脱方向が、二次衝突に伴う衝撃荷重の作用方向にほぼ一致する、水平方向若しくは前方に向かう程上方に向かう方向である、請求項1に記載したステアリング装置。
- 結合杆が支持板部と係合溝との係合部よりも下方に設けられている、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載したステアリング装置。
- 結合杆がステアリングコラムの中心軸よりも下方に設けられている、請求項3に記載したステアリング装置。
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