JP5327193B2 - ステアリングコラム用支持装置 - Google Patents

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この発明は、衝突事故の際に運転者の身体からステアリングホイールに加わった衝撃エネルギを吸収しつつ、このステアリングホイールの前方への変位を可能とすべく、ステアリングコラムを車体に対し前方への変位を可能に支持する為の、ステアリングコラム用支持装置の改良に関する。
自動車用ステアリング装置は、図6に示す様に構成して、ステアリングホイール1の回転をステアリングギヤユニット2の入力軸3に伝達し、この入力軸3の回転に伴って左右1対のタイロッド4、4を押し引きして、前車輪に舵角を付与する様にしている。前記ステアリングホイール1は、ステアリングシャフト5の後端部に支持固定されており、このステアリングシャフト5は、円筒状のステアリングコラム6を軸方向に挿通した状態で、このステアリングコラム6に回転自在に支持されている。又、前記ステアリングシャフト5の前端部は、自在継手7を介して中間シャフト8の後端部に接続し、この中間シャフト8の前端部を、別の自在継手9を介して、前記入力軸3に接続している。尚、前記中間シャフト8は、トルクを伝達可能に、且つ、衝撃荷重により全長を収縮可能に構成している。そして、衝突事故の際(次述する一次衝突の際)に、前記ステアリングギヤユニット2の後方への変位に拘らず、前記ステアリングシャフト5を介して前記ステアリングホイール1が後方に向けて変位する(運転者の身体に向けて突き上げられる)事を防止できる様に構成している。
上述の様な自動車用ステアリング装置は、衝突事故の際に、衝撃エネルギを吸収しつつ、ステアリングホイールを前方に変位させる構造にする事が、運転者の保護の為には必要である。即ち、衝突事故の際には、自動車が他の自動車等にぶつかる一次衝突に続いて、運転者の身体がステアリングホイール1に衝突する二次衝突が発生する。この二次衝突の際に、運転者の身体に加わる衝撃を緩和して、運転者の保護を図る為に、前記ステアリングホイール1を支持したステアリングコラム6を車体に対して、二次衝突に伴う前方への衝撃荷重により前方に離脱可能に支持すると共に、前記ステアリングコラム6と共に前方に変位する部分と車体との間に、塑性変形する事で前記衝撃荷重を吸収するエネルギ吸収部材を設ける事が、例えば特許文献1〜2に記載される等により従来から知られており、且つ、広く実施されている。
図7〜9は、従前の(公知ではないが、本発明との関係では、公知技術との間に特に差がない)ステアリング装置の1例を示している。ステアリングコラム6aの前端部に、電動式パワーステアリング装置を構成する減速機等を収納するハウジング10を固定している。又、前記ステアリングコラム6aの内側にステアリングシャフト5aを、回転のみ自在に支持しており、このステアリングシャフト5aの後端部で前記ステアリングコラム6aの後端開口から突出した部分に、ステアリングホイール1(図6参照)を固定自在としている。そして、前記ステアリングコラム6a及びハウジング10を、車体に固定された部分である車体側ブラケット11(本発明の実施の形態の1例を示す、図5参照)に対し、前方に向いた衝撃荷重に基づいて前方への離脱を可能に支持している。
この為に、前記ステアリングコラム6aの中間部に支持したコラム側ブラケット12と、前記ハウジング10に支持したハウジング側ブラケット13とを、何れも前方に向いた衝撃荷重により前方に離脱する様に、車体に対し支持している。前記両ブラケット12、13は何れも、1乃至2箇所の取付板部14a、14bを備え、これら各取付板部14a、14bに、それぞれ後端縁側に開口する切り欠き15a、15bを形成している。そして、これら各切り欠き15a、15bを覆う状態で前記両ブラケット12、13の左右両端寄り部分に、それぞれ滑り板16a、16bを組み付けている。
これら各滑り板16a、16bはそれぞれ、表面に、例えばポリアミド樹脂(ナイロン)、ポリ四フッ化エチレン樹脂(PTFE)等の滑り易い合成樹脂製の層を形成した、炭素鋼板、ステンレス鋼板等の金属薄板を曲げ形成する事により、上下両板部の後端縁同士を連結板部により連結した、大略コ字形としている。そして、それぞれの上下両板部の互いに整合する部分に、ボルト若しくはスタッドを挿通する為の通孔を形成している。前記各滑り板16a、16bを前記各取付板部14a、14bに装着した状態で、前記各通孔は、それぞれこれら各取付板部14a、14bに形成した、前記各切り欠き15a、15bに整合する。
前記両ブラケット12、13は、前記各取付板部14a、14bの切り欠き15a、15b及び前記各滑り板16a、16bの通孔を挿通した、ボルト若しくはスタッドとナットとを螺合し更に締め付ける事により、前記車体側ブラケット11に支持する。二次衝突時には前記ボルト若しくはスタッドが、前記各滑り板16a、16bと共に前記各切り欠き15a、15bから抜け出して、前記ステアリングコラム6a及び前記ハウジング10が、前記両ブラケット12、13及びステアリングホイール1と共に前方に変位する事を許容する。
又、図示の例の場合には、前記ボルト若しくはスタッドと前記コラム側ブラケット12との間にエネルギ吸収部材17、17を設けている。そして、このコラム側ブラケット12が前方に変位するのに伴ってこれらエネルギ吸収部材17、17を塑性変形させ、前記ステアリングホイール1から、前記ステアリングシャフト5a及び前記ステアリングコラム6aを介して前記コラム側ブラケット12に伝わった衝撃エネルギを吸収する様にしている。
二次衝突時には前記両ボルト若しくはスタッドが前記両切り欠き15a、15aから抜け出して、図9に示す様に、前記コラム側ブラケット12が前方に変位する事を許容する。そして、前記ステアリングコラム6aが、このコラム側ブラケット12と共に前方に変位する。この際、前記ハウジング側ブラケット13に関しても、前記車体から離脱し、このハウジング側ブラケット13が前方に変位する事を許容する。そして、前記コラム側ブラケット12の前方への変位に伴って、前記両エネルギ吸収部材17、17が塑性変形し、運転者の身体から、ステアリングシャフト5a及び前記ステアリングコラム6aを介して前記コラム側ブラケット12に伝わった衝撃エネルギを吸収し、前記運転者の身体に加わる衝撃を緩和する。
上述の図7〜9に示した従前の構造の場合、前記コラム側ブラケット12を左右両側2箇所位置で前記車体側ブラケット11に対し、二次衝突時に前方への離脱を可能に支持している。従って、二次衝突時には、左右1対の支持部の係合を同時に外れさせる事が、前記ステアリングホイール1を前方に、安定して(二次衝突発生の瞬間の状態のまま傾斜させずに)変位させる面から重要になる。一方、前記両支持部の係合を同時に外れさせる為のチューニングは、これら両支持部を外れさせる事に対する抵抗(摩擦抵抗、剪断抵抗等)や、前記ステアリングコラム6aと共に前方に変位する部分の慣性質量に関する左右のアンバランス等の影響がある為、手間の掛かる作業となる。
又、前記従前の構造の場合には、二次衝突の進行に伴って、前記ステアリングコラム6aと共に前記ハウジング10が前方に変位する過程で、前記ステアリングコラム6aの後部の上下方向位置が過度に変化し易い。この様に、二次衝突の進行に伴ってこのステアリングコラム6aの後部の上下方向位置が過度に変化し易いのは、二次衝突の進行に伴って、前記両ブラケット12、13の支持力が喪失する事による。
例えば、図7〜9に示した従前の構造では、二次衝突が進行し、前記車体側ブラケット11に対する前記ハウジング側ブラケット13の支持力が喪失すると、前記ハウジング10に支持固定した、重量物である電動モータ18の存在等により、前記ステアリングコラム6aが、図9に示す様に、本来の傾斜角度よりも大きく傾斜する。即ち、このステアリングコラム6aの後端部が本来の位置よりも上方に、前端部が同じく下方に、それぞれ変位する。更に、前記コラム側ブラケット12の支持力が喪失すると、ステアリングコラム6aの後端部が上方に変位する。この結果、前記両ブラケット12、13の支持力が喪失した後、前記ステアリングホイール1が過度に上方に変位した状態になる可能性があり、そうなった場合には、このステアリングホイール1を操作にくくなる。この様にステアリングホイール1を操作しにくくなる事は、例えば、事故車両が自走可能である場合に、この事故車両を事故現場から路肩まで自走移動させる際の運転を行いにくくする等、事故後の処理を行いにくくする原因となる。
前述した、二次衝突時にステアリングコラムの前方への離脱を安定させる事に関しては、特許文献1に記載された構造を採用する事が効果がある。図10〜12は、この特許文献1に記載された従来構造を示している。この従来構造の場合には、車体側に支持固定されて、二次衝突時にも前方に変位する事のない車体側ブラケット11aの幅方向中央部に係止切り欠き19を、この車体側ブラケット11aの前端縁側が開口する状態で形成している。又、ステアリングコラム6b側にコラム側ブラケット12aを支持固定して、二次衝突時にこのコラム側ブラケット12aを、前記ステアリングコラム6bと共に前方に変位可能としている。
更に、このコラム側ブラケット12aに固定した係止カプセル20の左右両端部を、前記係止切り欠き19に係止している。即ち、この係止カプセル20の左右両側面にそれぞれ形成した係止溝21、21を、前記係止切り欠き19の左右両側縁部に係合させている。従って、前記係止カプセル20の左右両端部で前記両係止溝21、21の上側に存在する部分は、前記係止切り欠き19の両側部分で、前記車体側ブラケット11aの上側に位置している。これら車体側ブラケット11aと係止カプセル20とは、前記両係止溝21、21と前記切り欠き19の両側縁部とを係合させた状態で、これら両部材11a、20の互いに整合する部分に形成した係止孔22a、22bに係止ピン23、23(図12にのみ図示)を圧入する事で結合する。これら各係止ピン23、23は、アルミニウム系合金、合成樹脂等の、二次衝突時に加わる衝撃荷重で裂断する、比較的軟質の材料により造っている。
二次衝突時に、前記ステアリングコラム6bから前記コラム側ブラケット12aを介して、前記係止カプセル20に、前方に向いた衝撃荷重が加わると、前記各係止ピン23、23が裂断する。そして、前記係止カプセル20が前記係止切り欠き19から前方に抜け出して、前記ステアリングコラム6b(及びステアリングシャフトを介してこのステアリングコラム6bに支持されたステアリングホイール)が前方に変位する事を許容する。
上述の図10〜12に示した従来構造の場合、前記コラム側ブラケット12aに固定した係止カプセル20と前記車体側ブラケット11aとの係合部が、幅方向中央部の1個所のみである。この為、二次衝突時にこの係合部を外し、前記ステアリングホイールを前方に安定して変位させる為のチューニングが容易になる。但し、前記係止切り欠き19の前後方向に関する長さと、前記係止カプセル20の前後方向に関する長さとが同じである為、二次衝突の進行に伴ってこの係止カプセル20が前記係止切り欠き19から、完全に抜け出してしまう。この為、二次衝突が進行した状態で、前記ステアリングホイールが上下方向に過度に変位する事を防止できない。従って、事故後にこのステアリングホイールの操作が行いにくくなる事を防止する面から、改良の余地がある。
尚、後述する本発明を実施する場合に関連する技術を記載した刊行物として、特許文献3〜5が存在する。このうちの特許文献3には、二次衝突時にステアリングホイールに衝突した運転者の身体に加わる衝撃を緩和する為、ステアリングホイールと共にステアリングコラムが前方に変位するのに伴って塑性変形する、エネルギ吸収部材が記載されている。又、特許文献4、5には、ステアリングホイールの位置調節可能な構造で、このステアリングホイールを調節後の位置に保持する保持力を大きくする為、複数枚の摩擦板を重ね合わせて摩擦面積を増大させる構造が記載されている。但し、これら特許文献3〜5にも、二次衝突の進行時にステアリングホイールの上下方向位置が過度に変化するのを防止する為の技術は記載されていない。
実開昭51−121929号公報 特開2005−219641号公報 特開2000−6821号公報 特開2007−69821号公報 特開2008−100597号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑み、二次衝突時にステアリングホイールを前方に安定して変位させる為のチューニングが容易で、しかも、二次衝突が進行した状態でも前記ステアリングホイールの上下方向位置が過度に変化する事を防止できて、運転者保護をより一層充実できる構造を実現すべく発明したものである。
本発明のステアリングコラム用支持装置は、前述の図10〜12に示した従来構造と同様に、車体側ブラケットと、係止切り欠きと、コラム側ブラケットと、係止カプセルとを備える。
このうちの車体側ブラケットは、車体側に支持固定されて、二次衝突時にも前方に変位する事がない。
又、前記係止切り欠きは、前記車体側ブラケットの幅方向中央部に形成されたもので、この車体側ブラケットの前端縁側が開口している。
又、前記コラム側ブラケットは、ステアリングコラム側に支持されて、二次衝突時にこのステアリングコラムと共に前方に変位する。
更に、前記係止カプセルは、前記コラム側ブラケットに固定された状態で、両端部を前記係止切り欠きに係止すると共に、上端両側部をこの係止切り欠きの両側部分で前記車体側ブラケットの上側に位置させている。
そして、前記係止カプセルと前記車体側ブラケットとを、前記二次衝突時に加わる衝撃荷重に基づいて裂断する結合部材で結合する事により、前記コラム側ブラケットを前記車体側ブラケットに対し、二次衝突時に加わる衝撃荷重により前方への離脱を可能に支持している。
特に、本発明のステアリングコラム用支持装置に於いては、前記ステアリングコラムは、前側に配置されたインナコラムの後部と後側に配置されたアウタコラムの前部とを軸方向の相対変位を可能に嵌合したテレスコープ構造である。
そして、このうちのインナコラムの前端部を、車体に支持されたハウジングに対し固定している。
又、前記アウタコラムの前部で前記インナコラムの後部と嵌合した部分は、内径を弾性的に拡縮可能としており、この部分を、前記コラム側ブラケットを構成する左右1対の支持板部同士の間に挟持している。又、これら両支持板部の内側面同士の間隔は、調節レバーの操作に基づいて拡縮可能としている。
これらの構成により、前記ステアリングコラムを含んで構成するステアリング装置に、このステアリングコラムの内側に回転自在に支持したステアリングシャフトの後端部でこのステアリングコラムの後端部から突出した部分に固定するステアリングホイールの前後位置を調節する為の、テレスコピック機構を組み込んでいる。
更に、前記係止切り欠きの前後方向に関する長さは、前記係止カプセルの同方向の長さよりも十分に大きくしている。そして、二次衝突時にこの係止カプセルが、前記コラム側ブラケットと共に前方に変位した状態でも、この係止カプセルの少なくとも一部が前記車体側ブラケットの前端部の上側に位置して、この係止カプセルが脱落するのを防止できる様にしている。
本発明のステアリングコラム用支持装置を実施する場合に、例えば請求項2に記載した発明の様に、前記ハウジングを前記車体に対し、横軸を中心とする揺動変位を可能に支持する。そして、前記ステアリングコラムを含んで構成するステアリング装置に、前記テレスコピック機構に加えて、前記ステアリングホイールの上下位置を調節する為のチルト機構を組み込む。
又、本発明のステアリングコラム用支持装置を実施する場合に、好ましくは、請求項3に記載した発明の様に、前記車体側ブラケットの上下両面と相手面との間に前記結合部材を構成する材料の一部を進入させる事により、前記車体側ブラケットに対する前記コラム側ブラケットの取付部のがたつき防止を図る。
上述の様に構成する本発明のステアリングコラム用支持装置によれば、二次衝突時にステアリングホイールを前方に安定して変位させる為のチューニングが容易で、しかも、二次衝突が進行した状態でも前記ステアリングホイールが上下方向に過度に変位する事を防止できる。
先ず、二次衝突時にステアリングホイールを前方に安定して変位させる為のチューニングの容易化は、車体側ブラケットと係止カプセルとを、この車体側ブラケットの幅方向中央部のみで係合させる事により図れる。
又、二次衝突が進行した状態でも前記ステアリングホイールの上下方向位置が過度に変化するのを防止する事は、係止切り欠きの前後方向に関する長さを前記係止カプセルの同方向の長さよりも十分に大きくし、この係止カプセルが前記係止切り欠きから前方に抜け出し切らない様にする事で図れる。
これらの機能を持たせる為に、前記車体側ブラケットのうちで前記係止カプセルを支持する部分を、前方が開いた係止切り欠きとしているが、二次衝突時にこの係止カプセル及びコラム側ブラケットと共に前方に変位するアウタコラムは、インナコラムに案内されつつ、前方に変位する。又、このインナコラムの前端部は、車体に対し支持されたハウジングに対し、結合固定されている。従って、前記二次衝突の際に前記アウタコラムは、姿勢を安定させた状態のまま、前方に変位する。言い換えれば、二次衝突時に前方に変位する前記アウタコラムの、その中心軸を傾斜させる方向に作用する力に対する支持剛性を高くできる。この為、二次衝突時に、前記アウタコラムと共に前記ステアリングホイールを、姿勢を安定させた状態のまま前方に変位させられる。この結果、運転者の保護を充実させ易くできる。
本発明の実施の形態の1例を、後上方から見た状態で示す斜視図。 同じく側面図。 同じく、一部を省略して後方から見た状態で示す正投影図。 同じく、図3の上方から見た状態で示す平面図。 車体側ブラケットとコラム側ブラケットとの結合部の構造の2例を示す、図4のX−X断面図。 従来から知られているステアリング装置の1例を示す、部分切断側面図。 従前のステアリングコラム用支持装置の1例を、通常時の状態で示す平面図。 同じく側面図。 従前のステアリングコラム用支持装置を、二次衝突後の状態で示す側面図。 従来構造の1例を示す、ステアリングコラムの中心軸に対し直交する方向に存在する仮想平面に関する断面図。 同じく、車体側ブラケットとコラム側ブラケットとを結合する以前の状態で示す斜視図。 同じく、ステアリングコラムを省略する代わりに結合ピンを記載した状態で示す斜視図。
図1〜5は、本発明の実施の形態の1例を示している。本例は、ステアリングホイール1(図6参照)の前後位置を調節する為のテレスコピック機構に加えて、上下位置を調節する為のチルト機構を備えた、チルト・テレスコピック式ステアリング装置に本発明を適用した場合に就いて示している。このうちのテレスコピック機構を構成する為に、ステアリングコラム6cを、前側のインナコラム24の後部を後側のアウタコラム25の前部に内嵌して全長を伸縮可能とした、テレスコープ状のものを使用している。そして、前記ステアリングコラム6cの内径側にステアリングシャフト5bを、回転自在に支持している。
前記ステアリングシャフト5bは、前側に配置した円杆状のインナシャフトの後部に設けた雄スプライン部と、後側に配置した円管状のアウタシャフト26の前部に設けた雌スプライン部とをスプライン係合させる事により、トルクの伝達を可能に、且つ、伸縮を可能に構成している。前記アウタシャフト26は、後端部を前記アウタコラム25の後端開口よりも後方に突出させた状態でこのアウタコラム25の内径側に、単列深溝型の玉軸受27等、ラジアル荷重及びスラスト荷重を支承可能な軸受により、回転のみ可能に支持している。前記ステアリングホイール1は、前記アウタシャフト26の後端部に支持固定する。このステアリングホイール1の前後位置を調節する際には、このアウタシャフト26と共に前記アウタコラム25が前後方向に変位し、前記ステアリングシャフト5b及び前記ステアリングコラム6cが伸縮する。
又、このステアリングコラム6c(を構成する前記インナコラム24)の前端部に、電動式パワーステアリング装置を構成する減速機等を収納する為のハウジング10aを、結合固定している。このハウジング10aの上面には、前記電動式パワーステアリング装置の補助動力源となる電動モータ18aと、この電動モータ18aへの通電を制御する為の制御器28とを支持固定している。そして、前記チルト機構を構成する為に、前記ハウジング10aを車体に対し、横軸を中心とする揺動変位を可能に支持している。この為に本例の場合には、前記ハウジング10aの上部前端に支持筒29を、左右方向に設けている。そして、この支持筒29の中心孔30に挿通したボルト等の横軸により、前記ステアリングコラム6cの前端部を前記車体に対し、このステアリングコラム6cの後部を昇降させる方向の揺動変位を可能に支持する構成を採用している。
又、前記ステアリングコラム6cの中間部乃至後部を構成する、前記アウタコラム25の前半部の内径を、弾性的に拡縮可能としている。この為に、このアウタコラム25の下面にスリット31を、軸方向に形成している。このスリット31の前端部は、このアウタコラム25の前端縁、又は、このアウタコラム25の前端寄り部分の上端部を除いた部分に形成した周方向透孔32(図2にのみ図示)に開口させている。又、前記スリット31を幅方向両側から挟む部分に、それぞれが厚肉平板状の1対の被支持板部33、33を設けている。これら両被支持板部33、33が、前記ステアリングホイール1の位置調節時に、前記アウタコラム25と共に変位する、変位側ブラケットとして機能する。
本例の場合、前記両被支持板部33、33をコラム側ブラケット34に対し、上下位置及び前後位置の調節を可能に支持している。このコラム側ブラケット34は、通常時には車体に対し支持されているが、衝突事故の際には、二次衝突の衝撃に基づいて、前方に離脱し、前記アウタコラム25の前方への変位を許容する様にしている。この為に、前記コラム側ブラケット34を車体側ブラケット11に対し、二次衝突時に加わる衝撃荷重により、前方への離脱を可能に支持している。
前記ステアリングホイール1が調節後の位置に保持されている状態で、前記両被支持板部33、33は、前記コラム側ブラケット34を構成する左右1対の支持板部35、35により強く挟持されている。これら両支持板部35、35には、前記支持筒29を車体に対し支持した横軸を中心とする部分円弧形の上下方向長孔36を、前記両被支持板部33、33には、前記アウタコラム25の軸方向に長い前後方向長孔37を、それぞれ形成している。そして、これら各長孔36、37に調節ロッド38を挿通している。この調節ロッド38の基端部(図3の右端部)に設けた頭部39は、一方(図3の右方)の支持板部35に形成した上下方向長孔に、この上下方向長孔に沿った変位のみを可能に(回転を阻止した状態で)係合させている。これに対して、前記調節ロッド38の先端部(図3の左端部)に螺着したナット40と他方(図3の左方)の支持板部35の外側面との間に、駆動側カム41と被駆動側カム42とから成るカム装置43を設けている。そして、このうちの駆動側カム41を、調節レバー44により回転駆動可能としている。
前記ステアリングホイール1の位置調節を行う際には、前記調節レバー44を所定方向(下方)に回動させる事により前記駆動側カム41を回転駆動し、前記カム装置43の軸方向寸法を縮める。そして、前記被駆動側カム42と前記頭部39との、互いに対向する内側面同士の間隔を拡げ、前記両支持板部35、35が前記両被支持板部33、33を抑え付けている力を開放する。同時に、前記アウタコラム25の前部で前記インナコラム24の後部を内嵌した部分の内径を弾性的に拡げ、これらアウタコラム25の前部内周面とインナコラム24の後部外周面との当接部に作用している面圧を低下させる。この状態で、前記調節ロッド38が前記上下方向長孔36と前記前後方向長孔37との間で変位できる範囲で、前記ステアリングホイール1の上下位置及び前後位置を調節できる。
このステアリングホイール1を所望位置に移動させた後、前記調節レバー44を前記所定方向とは逆方向(上方)に回動させる事により、前記カム装置43の軸方向寸法を拡げる。これにより、前記被駆動側カム42と前記頭部39との、互いに対向する内側面同士の間隔を縮め、前記両支持板部35、35により前記両被支持板部33、33を強く抑え付ける。同時に、前記アウタコラム25の前部で前記インナコラム24の後部を内嵌した部分の内径を弾性的に縮め、これらアウタコラム25の前部内周面とインナコラム24の後部外周面との当接部に作用している面圧を高くする。この状態で、前記ステアリングホイール1の上下位置及び前後位置が調節後の位置に保持される。
尚、本例の場合には、前記ステアリングホイール1を調節後の位置に保持する為の保持力を高くする為に、前記両支持板部35、35の内側面と前記両被支持板部33、33の外側面との間に、それぞれ摩擦板ユニット45、45を挟持している。これら両摩擦板ユニット45、45は、前記上下方向長孔36と整合する長孔を形成した1乃至複数枚の第一摩擦板と、前記前後方向長孔と整合する長孔を形成した1乃至複数枚の第二摩擦板とを交互に重ね合わせたもので、摩擦面積を増大させ、前記保持力を高くする役目を有する。この様な摩擦板ユニット45、45の具体的な構造及び作用に就いては、例えば特許文献4、5に記載される等により従来から知られており、本発明の要旨とも関係しないので、詳しい図示並びに説明は省略する。
更に、前記コラム側ブラケット34は、前記車体側ブラケット11に対し、二次衝突の衝撃荷重により前方に離脱はするが、二次衝突が進行した状態でも、下方に脱落しない様に支持している。前記車体側ブラケット11は、車体側に支持固定されて、二次衝突時にも前方に変位する事がないもので、鋼板等の十分な強度及び剛性を有する金属板に、プレスによる打ち抜き加工及び曲げ加工を施す事により造っている。この様な車体側ブラケット11は、両側縁部及び後端縁部を下方に折り曲げる事により曲げ剛性を向上させ、幅方向中央部に前端縁側が開口した係止切り欠き46を、後部のこの係止切り欠き46を左右両側から挟む位置に1対の取付孔47、47を、それぞれ形成している。前記係止切り欠き46は、次述する係止カプセル48により覆われた、前記車体側ブラケット11の後端部近傍まで形成している。この様な前記車体側ブラケット11は、前記両取付孔47、47を挿通したボルト或いはスタッドにより、車体に対し支持固定される。
上述の様な車体側ブラケット11に対して前記コラム側ブラケット34を、係止カプセル48を介して、二次衝突時に前方への離脱を可能に結合している。この係止カプセル48としては、図5の(A)に示す様な構造のものが好ましく使用できるが、図5の(B)に示す様な係止カプセル48aを使用する事もできる。このうちの図5の(B)に示した係止カプセル48aに関しては、最後に説明し、以下の説明は、図5の(A)に示した係止カプセル48を使用した場合に就いて行う。
この係止カプセル48は、軟鋼等の鉄系合金に鍛造加工等の塑性加工を施したり、アルミニウム系合金、マグネシウム系合金等の軽合金をダイキャスト成形する事により、或いは、ポリアセタール等の高強度の高機能樹脂を射出成形する事により造っている。そして、左右方向に関する幅寸法、並びに、前後方向に関する長さ寸法を、下半部に比べ上半部で大きくして、前記係止カプセル48の左右両側面及び後側面の上半部に、両側方及び後方に突出する鍔部49を設けている。この様な係止カプセル48は、下半部を前記係止切り欠き46に係合(内嵌)した状態で、前記車体側ブラケット11に対し、二次衝突時に加わる衝撃荷重に基づいて前方への離脱を可能に支持している。この為に、前記鍔部49と、前記車体側ブラケット11の一部で前記係止切り欠き46の周縁部との、互いに整合する複数箇所(図示の例では8箇所ずつ)に、それぞれ小通孔50a、50bを形成している。そして、これら各小通孔50a、50b同士の間に、それぞれ係止ピン51、51を掛け渡している。
これら各係止ピン51、51は、前記各小通孔50a、50bを整合させた状態でこれら各小通孔50a、50b内に合成樹脂を注入する(インジェクション成形する)事により、或いは、予め円柱状に成形した、合成樹脂製或いは軽合金製の素ピンを前記各小通孔50a、50a内に圧入する(軸方向に大きな力で押し込む)事により、前記各小通孔50a、50b同士の間に掛け渡す。何れの場合でも、前記各係止ピン51、51を構成する合成樹脂材料或いは軽合金材料の一部が、前記車体側ブラケット11の上下両面と、相手面である、前記鍔部49の下面及び前記コラム側ブラケット34の上面との間に入り込む。そして、これら各面同士の間に存在する隙間に拘らず、前記車体側ブラケット11に対する前記コラム側ブラケット34の取付部のがたつきを解消する。従って、前記各隙間を確実に塞ぎ、このがたつきを確実に解消する為には、前記各係止ピン51、51を、合成樹脂の射出成形(インジェクション成形)により形成する事が好ましい。尚、図5には、明りょう化の為に、前記がたつきの原因となる隙間の高さを、実際よりも大きく描いている。
尚、前記各係止ピン51、51をインジェクション成形する場合には、溶融樹脂が前記各面同士の間の隙間に入り込んで冷却固化し、前記がたつきを解消する。これに対して、素ピンを圧入する場合には、この素ピンに加わる軸方向の力に基づいて、この素ピンの軸方向中間部で前記各隙間に対応する部分が径方向外方に拡がり、これら各隙間の存在に基づくがたつきを解消する。何れにしても、前記各小通孔50a、50b同士の間に前記各係止ピン51、51を掛け渡す事により、前記係止カプセル48を前記車体側ブラケット11に対し、二次衝突時に加わる衝撃荷重により前方への離脱を可能に支持する。
上述の様な係止カプセル48は前記コラム側ブラケット34に対し、複数本(図示の例では3本)のボルト52、52とナット53、53とにより、前記衝撃荷重に拘らず非分離な状態で、結合固定している。即ち、前記係止カプセル48及び前記コラム側ブラケット34の互いに整合する位置に形成した通孔を下方から挿通した、前記各ボルト52、52の先端部(上端部)で前記係止カプセル48の上面から突出した部分に、前記各ナット53、53を螺合し更に締め付ける事で、前記係止カプセル48と前記コラム側ブラケット34とを結合固定している。従って、二次衝突時に前記アウタコラム25からこのコラム側ブラケット34に伝わった前記衝撃荷重は、そのまま前記係止カプセル48に伝わり、前記各係止ピン51、51の裂断に伴ってこの係止カプセル48が前方に変位するのと同期して、前記アウタコラム25も前方に変位する。
この様に、二次衝突時にこのアウタコラム6cと共に前方に変位する、前記係止カプセル48を係止した、前記係止切り欠き46の前後方向に関する長さL46は、この係止カプセル48の同方向の長さL48よりも十分に大きい(L46≫L48)。本例の場合には、前記係止切り欠き46の長さL46を、前記係止カプセル48の長さL48の2倍以上(L46≧2L48)確保している。そして、二次衝突時に前記アウタコラム25と共に前記係止カプセル48が前方に変位し切った(ステアリングホイール1から加わった衝撃荷重では、それ以上前方に変位しなくなった)状態でも、この係止カプセル48を構成する前記鍔部49の少なくとも後端部で、前記ステアリングコラム6c及び前記コラム側ブラケット34等の重量を支承可能な部分が、前記係止切り欠き46から抜け切らない様にしている。即ち、二次衝突が進行した状態でも、前記係止カプセル48の上半部の幅方向両側部分に形成した前記鍔部49のうちの後端部が、前記車体側ブラケット11の前端部の上側に位置して、前記係止カプセル48が落下するのを防止できる様にしている。
上述の様に構成する本例のステアリングコラム用支持装置によれば、二次衝突時に前記ステアリングホイール1を前方に安定して変位させる為のチューニングが容易で、しかも、二次衝突が進行した状態でも前記ステアリングホイール1が過度に下方に変位する事を防止できる。
先ず、二次衝突時にステアリングホイール1を前方に安定して変位させる為のチューニングの容易化は、前記車体側ブラケット11と前記係止カプセル48とを、この車体側ブラケット11の幅方向中央部のみで係合させる事により図れる。
即ち、前記単一の係止カプセル48を、前記アウタコラム25の直上部分に配置している為、二次衝突時に前記ステアリングホイール1から前記アウタシャフト26及び前記アウタコラム25を通じて前記係止カプセル48に伝わった衝撃荷重が、この係止カプセル48と前記車体側ブラケット11とを結合している、前記各係止ピン51、51に、ほぼ均等に加わる。要するに、前記衝撃荷重は、ほぼ前記係止カプセル48の中央部に、前記アウタコラム25の軸方向に作用する。そして、この単一の係止カプセル48が、前記係止切り欠き46から前方に抜け出る方向の力が加わる。この為、この係止カプセル48と前記車体側ブラケット11とを結合している前記各係止ピン51、51が、実質的に同時に裂断する。この結果、前記コラム側ブラケット34等を介して前記係止カプセル48と結合された前記アウタコラム25の前方への変位が、中心軸を過度に傾斜させたりする事無く、安定して行われる。
特に、本例の場合には、前記ステアリングホイール1の上下位置及び前後位置を調節する為のチルト・テレスコピック機構を設けると共に、このステアリングホイール1を調節後の位置に保持する保持力を高める為の摩擦板ユニット45、45を設置している。これらチルト・テレスコピック機構や摩擦板ユニット45、45を設ける事は、製作誤差の蓄積等により、前記ステアリングホイール1の上下位置及び前後位置を調節する際(チルト・テレスコ調整時)に於ける作動の円滑さに影響する(円滑さを阻害する)だけでなく、二次衝突時の離脱荷重のばらつきを大きくする原因となり易い。これに対して本例の場合には、前記単一の係止カプセル48と前記車体側ブラケット11とを係合させる構造を採用している為、前記車体側ブラケット11の形状精度等の影響を受けにくく、この車体側ブラケット11の形状精度等が多少悪くても、チルト・テレスコ調整時の作動を円滑にし、且つ、前記車体側ブラケット11の前記離脱荷重のばらつきを抑えられる。この結果、二次衝突時に前記ステアリングホイール1に衝突した運転者の身体に加わる衝撃を緩和する為のチューニングを適正に行って、この運転者の保護充実を図り易くなる。又、二次衝突時にも変位しない部分(例えば車体側ブラケット11)と、二次衝突に伴って前方に変位する部分(例えばアウタコラム25)との間には、この前方への変位に伴って塑性変形しつつ衝撃エネルギを吸収する、エネルギ吸収部材を設ける。このエネルギ吸収部材に関しても、前記アウタコラム25の幅方向中央部に設置して、このアウタコラム25の前方への変位に基づいて効果的に塑性変形する様にする。尚、この様なエネルギ吸収部材は、特許文献3に記載される等により従来から各種構造のものが知られており、本発明の要旨とも関係しない為、図示並びに詳しい説明は省略する。
又、二次衝突が進行した状態でも前記ステアリングホイール1が過度に下方に変位するのを防止する事は、前記係止切り欠き46の前後方向長さL46を前記係止カプセル48の前後方向の長さL48よりも十分に大きくしている事により図れる。即ち、これら各長さL46、L48をこの様に規制している為、二次衝突が進行し、前記ステアリングホイール1と共に、前記係止カプセル48が前方に変位し切った状態でも、この係止カプセル48全体が前記係止切り欠き46から前方に抜け出る事はない。この為、二次衝突が進行した状態でも、前記アウタコラム25の支持力を確保して、このアウタコラム25及び前記アウタシャフト26を介してこのアウタコラム25に支持された、前記ステアリングホイール1が、過度に下降する事を防止できる。そして、このステアリングホイール1と運転者の身体との位置関係を適正に保って、事故後にこのステアリングホイール1の操作が行いにくくなる事を防止できる。
以上に説明した、二次衝突時にステアリングホイール1を前方に安定して変位させ、且つ、二次衝突の終段状態でも、このステアリングホイール1が過度に下降するのを防止する機能を持たせる為に、本例の構造の場合には、前記車体側ブラケット11のうちで前記係止カプセル48を支持する部分を、前方が開いた係止切り欠き46としている。前記二次衝突時には、この係止カプセル48に対して、前記コラム側ブラケット34を介して結合した前記アウタコラム25が、この係止カプセル48と共に前方に変位する。この際にこのアウタコラム25は、前記インナコラム24に案内されつつ、前方に変位する。又、このインナコラム24の前端部を結合固定した、前記ハウジング10aは、前記支持筒29の中心孔30を挿通したボルト等の横軸により、車体に対し支持されている。従って、前記二次衝突の際に前記アウタコラム25は、姿勢を安定させた状態のまま、前方に変位する。言い換えれば、二次衝突時に前方に変位する前記アウタコラム25の、その中心軸を傾斜させる方向に作用する力に対する支持剛性を高くできる。この為、二次衝突時に、前記アウタコラム25と共に前記ステアリングホイール1を、姿勢を安定させた状態のまま前方に変位させられる。この結果、運転者の保護を充実させ易くできる。
次に、図5の(B)に示した構造に就いて説明する。上述した図5の(A)に示した構造は、前記係止カプセル48の形状が単純で、この係止カプセル48の製造コストを抑えられる他、この係止カプセル48を設置した部分の組み立て高さを低く抑えられる。この様な構造は、ステアリングコラム用支持装置の低コスト化及び小型・軽量化を図ったり、衝撃荷重が作用する位置である、前記アウタコラム25の中心軸と、二次衝突時に離脱する部分である、前記車体側ブラケット11と前記係止カプセル48との係合部との距離を短くして、この係合部の離脱荷重を安定させる(この距離が長くなる事に伴う捩れを抑える)面から有利である。
これに対して、図5の(B)に示した構造は、係止ピン51、51の射出成形の容易化を図る面から有利である。即ち、図5の(A)に示した構造の場合には、前記係止ピン51、51を射出成形する際に、前記車体側ブラケット11と前記係止カプセル48と前記コラム側ブラケット34とを、前記各ボルト52、52と前記各ナット53、53とにより結合した状態で行う。これに対して図5の(B)に示した構造の場合には、前記係止ピン51、51を射出成形する為の金型に、車体側ブラケット11及び係止カプセル48aのみをセットすれば済む為、金型の小型化を図り易い。即ち、この係止カプセル48aは、左右両側面にそれぞれ係止溝54、54を形成し、これら両係止溝54、54に、車体側ブラケット11の係止切り欠き46の両側縁部を係合させている。この為、前記車体側ブラケット11と前記係止カプセル48aとを前記各係止ピン51、51により結合してから、この係止カプセル48aをコラム側ブラケット34に対し、各ボルト52、52と各ナット53、53とにより結合固定する事ができる。
上述した実施の形態は、本発明を、ステアリングホイールの上下位置を調節する為のチルト機構と、同じく前後位置を調節する為のテレスコピック機構との両方を備えたステアリングコラム用支持装置に適用した場合に就いて説明した。但し、本発明は、テレスコピック機構のみを備えたステアリングコラム用支持装置で実施する事もできる。
1 ステアリングホイール
2 ステアリングギヤユニット
3 入力軸
4 タイロッド
5、5a、5b ステアリングシャフト
6、6a、6b、6c ステアリングコラム
7 自在継手
8 中間シャフト
9 自在継手
10、10a ハウジング
11、11a 車体側ブラケット
12、12a コラム側ブラケット
13 ハウジング側ブラケット
14a、14b 取付板部
15a、15b 切り欠き
16a、16b 滑り板
17 エネルギ吸収部材
18、18a 電動モータ
19 係止切り欠き
20 係止カプセル
21 係止溝
22a、22b 係止孔
23 係止ピン
24 インナコラム
25 アウタコラム
26 アウタシャフト
27 玉軸受
28 制御器
29 支持筒
30 中心孔
31 スリット
32 周方向透孔
33 被支持板部
34 コラム側ブラケット
35 支持板部
36 上下方向長孔
37 前後方向長孔
38 調節ロッド
39 頭部
40 ナット
41 駆動側カム
42 被駆動側カム
43 カム装置
44 調節レバー
45 摩擦板ユニット
46 係止切り欠き
47 取付孔
48、48a 係止カプセル
49 鍔部
50a、50b 小通孔
51 係止ピン
52 ボルト
53 ナット
54 係止溝

Claims (3)

  1. 車体側に支持固定されて、二次衝突時にも前方に変位する事のない車体側ブラケットと、この車体側ブラケットの幅方向中央部に形成された、この車体側ブラケットの前端縁側が開口した係止切り欠きと、ステアリングコラム側に支持されて、二次衝突時にこのステアリングコラムと共に前方に変位するコラム側ブラケットと、このコラム側ブラケットに固定された状態で、両端部を前記係止切り欠きに係止すると共に、上端両側部をこの係止切り欠きの両側部分で前記車体側ブラケットの上側に位置させた係止カプセルとを備え、この係止カプセルと前記車体側ブラケットとを、前記二次衝突時に加わる衝撃荷重に基づいて裂断する結合部材で結合する事により、前記コラム側ブラケットを前記車体側ブラケットに対し、二次衝突時に加わる衝撃荷重により前方への離脱を可能に支持したステアリングコラム用支持装置に於いて、前記ステアリングコラムは、前側に配置されたインナコラムの後部と後側に配置されたアウタコラムの前部とを軸方向の相対変位を可能に嵌合したテレスコープ構造であり、このうちのインナコラムの前端部が、車体に支持されたハウジングに対し固定されており、前記アウタコラムの前部で前記インナコラムの後部と嵌合した部分は、内径を弾性的に拡縮可能とされていて、前記コラム側ブラケットを構成する左右1対の支持板部同士の間に挟持されており、これら両支持板部の内側面同士の間隔は調節レバーの操作に基づいて拡縮可能とされていて、前記ステアリングコラムを含んで構成するステアリング装置が、このステアリングコラムの内側に回転自在に支持したステアリングシャフトの後端部でこのステアリングコラムの後端部から突出した部分に固定するステアリングホイールの前後位置を調節する為のテレスコピック機構を構成しており、前記係止切り欠きの前後方向に関する長さは、前記係止カプセルの同方向の長さよりも大きく、且つ、二次衝突時にこの係止カプセルが、前記コラム側ブラケットと共に前方に変位した状態でも、この係止カプセルの少なくとも一部が前記車体側ブラケットの前端部の上側に位置して、この係止カプセルが脱落するのを防止できるだけの長さを有する事を特徴とするステアリングコラム用支持装置。
  2. 前記ハウジングが前記車体に対し、横軸を中心とする揺動変位を可能に支持されており、前記ステアリングコラムを含んで構成するステアリング装置が、前記テレスコピック機構に加えて、前記ステアリングホイールの上下位置を調節する為のチルト機構を備えたものである、請求項1に記載したステアリングコラム用支持装置。
  3. 前記車体側ブラケットの上下両面と相手面との間に前記結合部材を構成する材料の一部を進入させる事により、前記車体側ブラケットに対する前記コラム側ブラケットの取付部のがたつき防止を図っている、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載したステアリングコラム用支持装置。
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