JP5327186B2 - ステアリングコラム用支持装置 - Google Patents
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自動車用ステアリング装置は、図3に示す様に構成して、ステアリングホイール1の回転をステアリングギヤユニット2の入力軸3に伝達し、この入力軸3の回転に伴って左右1対のタイロッド4、4を押し引きして、前車輪に舵角を付与する様にしている。前記ステアリングホイール1は、ステアリングシャフト5の後端部に支持固定されており、このステアリングシャフト5は、円筒状のステアリングコラム6を軸方向に挿通した状態で、このステアリングコラム6に回転自在に支持されている。又、前記ステアリングシャフト5の前端部は、自在継手7を介して中間シャフト8の後端部に接続し、この中間シャフト8の前端部を、別の自在継手9を介して、前記入力軸3に接続している。尚、前記中間シャフト8は、トルクを伝達可能に、且つ、衝撃荷重により全長を収縮可能に構成している。そして、衝突事故の際(次述する一次衝突の際)に、前記ステアリングギヤユニット2の後方への変位に拘らず、前記ステアリングシャフト5を介して前記ステアリングホイール1が後方に向けて変位する(運転者の身体に向けて突き上げられる)事を防止できる様に構成している。
又、図10〜13は、上述の図7〜9に示した従来構造と同様、車体側ブラケットとコラム側ブラケットとを、幅方向中央部のみで結合する事により、二次衝突時にこのコラム側ブラケットの前方への変位を円滑に行わせる様にした、先発明に係る構造の1例を示している。図示の例は、ステアリングホイール1(図3参照)の上下位置を調節する為のチルト機構と、同じく前後位置を調節する為のテレスコピック機構との両方を備えている。このうちのテレスコピック機構を構成する為に、ステアリングコラム6cを、前側のインナコラム23の後部を後側のアウタコラム24の前部に内嵌して全長を伸縮可能とした、テレスコープ状のものを使用している。そして、前記ステアリングコラム6cの内径側にステアリングシャフト5bを、回転自在に支持している。
このうちのステアリングコラムは、例えば円筒状に造られている。
又、前記ステアリングシャフトは、前記ステアリングコラムの内側に回転自在に支持されており、このステアリングコラムの後端部から後方に突出した後端部にステアリングホイールを支持固定する。
又、前記車体側ブラケットは、車体側に支持固定されて、二次衝突時にも前方に変位する事がない。
又、前記係止切り欠きは、前記車体側ブラケットの幅方向中央部に形成されたもので、この車体側ブラケットの前端縁側が開口している。
又、前記コラム側ブラケットは、前記ステアリングコラム側に支持されており、二次衝突時にこのステアリングコラムと共に前方に変位する。
又、前記係止カプセルは、前記コラム側ブラケットに固定された状態で、両端部を前記係止切り欠きに係止すると共に、上端両側部をこの係止切り欠きの両側部分で前記車体側ブラケットの上側に位置させている。
更に、前記係止カプセルの一部を前記係止切り欠きの内側に位置させた状態で、この係止カプセルと前記車体側ブラケットとを、前記二次衝突時に加わる衝撃荷重に基づいて裂断する結合部材で結合している。そして、前記コラム側ブラケットを前記車体側ブラケットに対し、二次衝突時に加わる衝撃荷重により前方への離脱を可能に支持している。
この様な本発明を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した発明の様に、前記各ボルトの頭部の上面と前記コラム側ブラケットの下面との間に、これら各頭部の外接円の直径及び前記各通孔の内径よりも大きな外径を有する間座を挟持する。
特に、この剛性の向上は、前記各通孔及び前記各ねじ孔の、幅方向に関するピッチ(間隔)を大きくするほど大きくできるが、請求項2に記載した発明の様に、大きな外径を有する間座を使用すれば、前記ピッチを大きくした場合と同様、前記モーメントを向上させる効果を得られる。
図1は、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例の構造及び作用の特徴は、係止カプセル46bとコラム側ブラケット12bとの結合部の構造を簡略化すべく、この係止カプセル46bに直接ねじ孔54、54を形成して、ナット51、51(前述の図10〜13参照)を省略した点にある。その他の部分の構造及び作用に就いては、基本的には、前述の図10〜13に示した先発明に係る構造と同様であるから、同等部分に関する説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
又、前記車体側ブラケット11と前記係止カプセル44とを結合する係止ピン49、49を構成する合成樹脂を、この車体側ブラケット11の上下両面と、相手面である、前記係止カプセル44の鍔部47の下面又は前記コラム側ブラケット12bの上面との間に存在する隙間(少なくとも一方の隙間)に進入させれば、前記車体側ブラケット11と前記コラム側ブラケット12bとの結合部のがたつきを防止できる。そして、このコラム側ブラケット12bに支持されたステアリングコラムのがたつきを防止して、このステアリングコラムに回転自在に支持されたステアリングシャフトの後端部に支持固定したステアリングホイールの操作感を良好にできる。
図2は、本発明の実施の形態の第2例を示している。上述の実施の形態の第1例が、本発明を、前述の図13の(A)に示した構造に適用したのに対して、本例は、本発明を同図の(B)に示した構造に適用した場合に就いて示している。これに合わせて本例の場合には、係止カプセル46cの肉厚を上述した実施の形態の第1例の場合よりも大きくしている。又、これに合わせて、各ボルト50b、50bのねじ杆部57a、57aの長さ寸法も大きくしている。従って、本例の構造の場合には、これら各ねじ杆部57a、57aとねじ孔54a、54aとの螺合部の長さ寸法を大きくできる為、前記係止カプセル46cの材質として、鉄系合金以外の軽合金、高機能樹脂等の採用も可能になる。
前記係止カプセル46cの形状を図13の(B)と同様にした事による利点は、前述の先発明の場合と同様であり、その他の部分の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分に関する説明は省略する。
2 ステアリングギヤユニット
3 入力軸
4 タイロッド
5、5a、5b ステアリングシャフト
6、6a、6b、6c ステアリングコラム
7 自在継手
8 中間シャフト
9 自在継手
10、10a ハウジング
11、11a、11b 車体側ブラケット
12、12a、12b コラム側ブラケット
13 ハウジング側ブラケット
14a、14b 取付板部
15a、15b 切り欠き
16a、16b 滑り板
17 エネルギ吸収部材
18 係止切り欠き
19 係止カプセル
20 係止溝
21a、21b 係止孔
22 係止ピン
23 インナコラム
24 アウタコラム
25 アウタシャフト
26 玉軸受
27 電動モータ
28 制御器
29 支持筒
30 中心孔
31 スリット
32 被支持板部
33、33a 支持板部
34 上下方向長孔
35 前後方向長孔
36 調節ロッド
37 頭部
38 ナット
39 駆動側カム
40 被駆動側カム
41 カム装置
42 調節レバー
43 摩擦板ユニット
44 係止切り欠き
45 取付孔
46、46a、46b、46c 係止カプセル
47 鍔部
48a、48b 小通孔
49 係止ピン
50、50a、50b ボルト
51 ナット
52 係止溝
53 通孔
54、54a ねじ孔
55 頭部
56 間座部
57、57a ねじ杆部
Claims (4)
- ステアリングコラムと、このステアリングコラムの内側に回転自在に支持されて、このステアリングコラムの後端部から後方に突出した後端部にステアリングホイールを支持固定するステアリングシャフトと、車体側に支持固定されて、二次衝突時にも前方に変位する事のない車体側ブラケットと、この車体側ブラケットの幅方向中央部に形成された、この車体側ブラケットの前端縁側が開口した係止切り欠きと、前記ステアリングコラム側に支持されて、二次衝突時にこのステアリングコラムと共に前方に変位するコラム側ブラケットと、このコラム側ブラケットに固定された状態で、両端部を前記係止切り欠きに係止すると共に、上端両側部をこの係止切り欠きの両側部分で前記車体側ブラケットの上側に位置させた係止カプセルとを備え、この係止カプセルの一部を前記係止切り欠きの内側に位置させた状態で、この係止カプセルと前記車体側ブラケットとを、前記二次衝突時に加わる衝撃荷重に基づいて裂断する結合部材で結合する事により、前記コラム側ブラケットを前記車体側ブラケットに対し、二次衝突時に加わる衝撃荷重により前方への離脱を可能に支持したステアリングコラム用支持装置に於いて、前記コラム側ブラケットのうちで前記係止カプセルと重ね合わされる部分の、少なくとも幅方向に離隔した複数箇所に通孔を、この係止カプセルのうちでこれら各通孔と整合する部分にねじ孔を、それぞれ形成し、これら各通孔を下方から挿通したボルトをこれら各ねじ孔に螺合し更に締め付ける事により、前記係止カプセルと前記コラム側ブラケットとを結合固定している事を特徴とするステアリングコラム用支持装置。
- 前記各ボルトの頭部の上面と前記コラム側ブラケットの下面との間に、これら各頭部の外接円の直径及び前記各通孔の内径よりも大きな外径を有する間座を挟持している、請求項1に記載したステアリングコラム用支持装置。
- 前記係止切り欠きの前後方向に関する長さが前記係止カプセルの同方向の長さよりも大きく、前記二次衝突時に前記ステアリングコラムと共にこの係止カプセルが前方に変位した状態でも、この係止カプセルの少なくとも一部が前記車体側ブラケットの前端部の上側に位置して、この係止カプセルが脱落するのを防止できるだけの長さを有する、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載したステアリングコラム用支持装置。
- 前記結合部材が、前記係止カプセルと前記車体側ブラケットとの互いに整合する部分に形成した、それぞれ複数ずつの小通孔内に溶融樹脂を注入するインジェクション成形により造られた、合成樹脂製の係止ピンであり、これら各係止ピンを構成する合成樹脂の一部が、前記車体側ブラケットの上下両面と相手面との間に存在する隙間のうちの少なくとも一部に進入して、これら各面同士の間に存在する隙間に基づくがたつきを防止している、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載したステアリングコラム用支持装置。
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