WO2012066900A1 - ステアリングコラム用支持装置 - Google Patents

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三奈生 梅田
立脇 修
定方 清
瀬川 徹
藤原 健
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    • B62D1/19Steering columns yieldable or adjustable, e.g. tiltable incorporating energy-absorbing arrangements, e.g. by being yieldable or collapsible
    • B62D1/195Yieldable supports for the steering column

Abstract

【課題】二次衝突時にステアリングホイールを前方に安定して変位させるためのチューニングが容易で、しかも、小型化並びに低コスト化を図れ、さらに、離脱荷重をより低くかつ安定させることができる構造を実現する。 【解決手段】それぞれが金属板製であるコラム側ブラケット12bおよび係止カプセル53を溶接により結合固定する。この係止カプセル53の左右両端部に左右1対の庇部56を、それぞれ立ち上がり部55を介して設ける。そして、これらの庇部56の下面と、コラム側ブラケット12bの上面との間に、車体側ブラケット11を構成する金属板の一部で、係止切り欠き45の両側部分を、二次衝突時に離脱可能に係合させる。

Description

ステアリングコラム用支持装置
 この発明は、衝突事故の際に運転者の身体からステアリングホイールに加わった衝撃エネルギを吸収しつつ、ステアリングコラムを車体に対し前方への変位を可能に支持するためのステアリングコラム用支持装置に関する。
 自動車用ステアリング装置は、図21に示すように、ステアリングホイール1の回転をステアリングギアユニット2の入力軸3に伝達し、この入力軸3の回転に伴って左右1対のタイロッド4を押し引きして、操舵輪である前輪に舵角を付与するように構成されている。ステアリングホイール1は、ステアリングシャフト5の後端部に支持固定されており、このステアリングシャフト5は、円筒状のステアリングコラム6を軸方向に挿通した状態で、このステアリングコラム6に回転自在に支持されている。また、ステアリングシャフト5の前端部は、自在継手7を介して中間シャフト8の後端部に接続し、この中間シャフト8の前端部は、別の自在継手9を介して、入力軸3に接続されている。なお、中間シャフト8は、トルクを伝達可能に、かつ、衝撃荷重により全長を収縮可能に構成されており、衝突事故における自動車が他の自動車などに衝突する一次衝突の際に、ステアリングギアユニット2の後方への変位に拘らず、ステアリングシャフト5を介してステアリングホイール1が後方に向けて変位して、運転者の身体を突き上げてしまうことが防止されている。
 このような自動車用ステアリング装置において、運転者のさらなる保護のため、衝突事故の際に、衝撃エネルギを吸収しつつ、ステアリングホイールを前方に変位させる構造とすることが必要とされる。すなわち、衝突事故の際には、一次衝突に続いて、運転者の身体がステアリングホイール1に衝突する二次衝突が発生する。この二次衝突の際に、運転者の身体に加わる衝撃を緩和して、運転者の保護を図るために、ステアリングホイール1を支持したステアリングコラム6を車体に対し、二次衝突に伴う前方への衝撃荷重により前方に離脱可能に支持するとともに、このステアリングコラム6とともに前方に変位する部分と車体との間に、塑性変形することで衝撃荷重を吸収するエネルギ吸収部材を設けたステアリングコラム用支持装置の構造は知られており(特許文献1~3参照)、すでに広く実施されている。
 図22~図24は、このようなステアリング装置の1例を示している。ステアリングコラム6aの前端部に、電動式パワーステアリング装置を構成する減速機などを収納するハウジング10を固定している。また、ステアリングコラム6aの内側にステアリングシャフト5aを、回転のみ自在に支持しており、このステアリングシャフト5aの後端部でステアリングコラム6aの後端開口から突出した部分に、ステアリングホイール1(図21参照)を固定自在としている。そして、ステアリングコラム6aおよびハウジング10を、車体に固定された平板状の車体側ブラケット(図示せず)に対し、前方に向いた衝撃荷重に基づいて前方への離脱を可能に支持している。
 このため、ステアリングコラム6aの中間部に支持したコラム側ブラケット12と、ハウジング10に支持したハウジング側ブラケット13とを、いずれも前方に向いた衝撃荷重により前方に離脱するように、車体に対し支持している。これらのブラケット12、13はいずれも、1~2箇所の取付板部14a、14bを備え、これらの取付板部14a、14bに、それぞれ後端縁側に開口する切り欠き15a、15bを形成している。そして、これらの切り欠き15a、15bを覆う状態で、これらのブラケット12、13の左右両端寄り部分に、それぞれ滑り板16a、16bを組み付けている。
 これらの滑り板16a、16bはそれぞれ、表面に、ポリアミド樹脂(ナイロン)、ポリ四フッ化エチレン樹脂(PTFE)などの滑りやすい合成樹脂製の層を形成した、炭素鋼板、ステンレス鋼板などの金属薄板を曲げ成形することにより、上板部と下板部の後端縁同士を連結板部により連結した、略U字形としている。そして、それぞれの上板部と下板部の互いに整合する部分に、ボルトもしくはスタッドを挿通するための通孔を形成している。これらの滑り板16a、16bを、それぞれの取付板部14a、14bに装着した状態で、これらの通孔は、これらの取付板部14a、14bに形成した、切り欠き15a、15bに整合する。
 コラム側ブラケット12およびハウジング側ブラケット13は、取付板部14a、14bの切り欠き15a、15bおよび滑り板16a、16bの通孔を挿通した、ボルトもしくはスタッドとナットとを螺合し、さらに締め付けることにより、車体側ブラケットに支持される。二次衝突時に、ボルトもしくはスタッドが滑り板16a、16bとともに、切り欠き15a、15bから抜け出して、ステアリングコラム6aおよびハウジング10が、コラム側ブラケット12、ハウジング側ブラケット13、およびステアリングホイール1とともに、前方に変位することを許容する。
 また、図示の例では、ボルトもしくはスタッドと、コラム側支持ブラケット12との間に、エネルギ吸収部材17を設けている。そして、このコラム側ブラケット12が前方に変位するのに伴って、エネルギ吸収部材17を塑性変形させ、ステアリングホイール1から、ステアリングシャフト5aおよびステアリングコラム6aを介してコラム側ブラケット12に伝わった衝撃エネルギを吸収するようにしている。
 二次衝突時には、図23に示す通常の状態から、図24に示すように、ボルトもしくはスタッドが、切り欠き15a、15aから抜け出して、コラム側ブラケット12が前方に変位することを許容し、ステアリングコラム6aが、このコラム側ブラケット12とともに前方に変位した状態となる。この際、ハウジング側ブラケット13に関しても、車体から離脱し、このハウジング側ブラケット13が前方に変位することを許容する。そして、コラム側ブラケット12の前方への変位に伴って、エネルギ吸収部材17がそれぞれ塑性変形し、運転者の身体から、ステアリングシャフト5aおよびステアリングコラム6aを介して、コラム側ブラケット12に伝わった衝撃エネルギを吸収し、運転者の身体に加わる衝撃を緩和する。
 図22~図24に示した構造では、コラム側ブラケット12を左右両側2箇所位置で車体側ブラケットに対し、二次衝突時に前方への離脱を可能に支持している。したがって、二次衝突時には、左右1対の支持部の係合を同時に外れさせることが、ステアリングホイール1を前方に、二次衝突発生の瞬間の状態のまま傾斜させずに、安定して変位させるためには重要となる。しかしながら、左右1対の支持部の係合を同時に外れさせるためのチューニングは、これらの支持部を外れさせることに対する摩擦抵抗、剪断抵抗などの抵抗や、ステアリングコラム6aとともに前方に変位する部分の慣性質量に関する左右のアンバランスなどの影響があるため、手間の掛かる作業となる。
 二次衝突時にステアリングコラムの前方への離脱を安定させるためには、特許文献1に記載された構造を採用することが効果的である。図25~図27は、特許文献1に記載された従来構造を示している。この構造では、車体側に支持固定されて、二次衝突時にも前方に変位することのない車体側ブラケット11aの幅方向中央部に前端縁側が開口した係止切り欠き18を、この車体側ブラケット11aの前端縁側が開口する状態で形成している。また、ステアリングコラム6b側にコラム側ブラケット12aを支持固定して、二次衝突時にこのコラム側ブラケット12aを、ステアリングコラム6bとともに前方に変位可能としている。
 さらに、このコラム側ブラケット12aに固定した係止カプセル19の左右端部を、係止切り欠き18に係止している。すなわち、この係止カプセル19の左右側面のそれぞれに形成した係止溝20を、係止切り欠き18の左右側縁部のそれぞれに係合させている。したがって、係止カプセル19の左右端部で係止溝20の上側に存在する部分は、係止切り欠き18の両側部分で、車体側ブラケット11aの上側に位置している。車体側ブラケット11aと係止カプセル19とは、係止溝20と係止切り欠き18の左右側縁部とを係合させた状態で、これらの部材11a、20の互いに整合する部分に形成した小係止孔21a、21bに係止ピン22を圧入することで結合する。これらの係止ピン22は、アルミニウム系合金、合成樹脂などの、二次衝突時に加わる衝撃荷重で裂断する、比較的軟質の材料により形成されている。
 二次衝突時に、ステアリングコラム6bからコラム側ブラケット12aを介して、係止カプセル19に、前方に向いた衝撃荷重が加わると、係止ピン22が裂断する。そして、係止カプセル19が係止切り欠き18から前方に抜け出して、ステアリングコラム6b、さらにはステアリングシャフトを介してこのステアリングコラム6bに支持されたステアリングホイール1の前方への変位が許容される。
 図25~図27に示した構造の場合、コラム側支持ブラケット12aに固定した係止カプセル19と車体側固定ブラケット11aとの係合部が、幅方向中央部の1個所のみである。このため、二次衝突時にこの係合部の係合を解除し、ステアリングホイール1を前方に安定して変位させるためのチューニングが容易になる。
 ただし、この従来構造では、車体側ブラケット11aの形状が特殊であるため、この車体側ブラケット11aを車体に結合固定するための構造が複雑になるほか、組み付け高さが嵩むため、ステアリング装置の設計の自由度が損なわれるという問題がある。また、部品点数が多くなり、部品加工、部品管理、組立作業がいずれも面倒になって、コストが嵩む。さらには、組み立て高さ、たとえば、ステアリングコラム6bの中心から車体側の被取付面までの距離が大きくなり、このステアリングコラム6bと運転者の膝とが干渉しないようにするための設計が難しくなるなどの不利益がある。加えて、二次衝突後に、係止カプセル19が車体側ブラケット11aから完全に離脱した場合に、ステアリングコラム6aがステアリングホイール1とともに過度に下降することを防止するための構造については。考慮がなされていない。
 なお、ステアリングコラム用支持装置に関連する技術を記載した刊行物のうち、特許文献3には、二次衝突時にステアリングホイールに衝突した運転者の身体に加わる衝撃を緩和するため、ステアリングホイールとともにステアリングコラムが前方に変位するのに伴って塑性変形する、エネルギ吸収部材が記載されている。また、特許文献4および5には、ステアリングホイールの位置調節可能な構造で、このステアリングホイールを調節後の位置に保持する保持力を大きくするため、複数枚の摩擦板を重ね合わせて摩擦面積を増大させる構造が記載されている。ただし、これらの特許文献3~5にも、二次衝突時におけるステアリングホイールの前方への変位を円滑に行えて、しかも小型化並びに低コスト化を図れる構造を実現するための技術は記載されていない。
実開昭51-121929号公報 特開2005-219641号公報 特開2000-6821号公報 特開2007-69821号公報 特開2008-100597号公報
 本発明は、上述のような事情に鑑みて、二次衝突時にステアリングホイールを前方に安定して変位させるためのチューニングが容易で、しかも、小型化並びに低コスト化を図れ、かつ、設計の自由度を確保できるステアリングコラム用支持装置の構造を実現することを目的としている。
 本発明のステアリングコラム用支持装置は、ステアリングコラムの軸方向に伸長する係止孔を幅方向中央部に備え、車体側に固定されて、二次衝突時にも前方に変位することのない車体側ブラケットと、ステアリングコラム側に固定されたコラム側ブラケットと、前記コラム側ブラケットに固定されるとともに、前記車体側ブラケットの前記係止孔に係止される係止カプセルとを備え、 前記コラム側ブラケットが、前記係止カプセルを介して、前記車体側ブラケットに対して、二次衝突時に加わる衝撃荷重により、前方への離脱を可能に支持されている。
 特に、本発明のステアリングコラム用支持装置では、前記コラム側ブラケットと前記係止カプセルとは、互いに溶接可能な金属板製である。この係止カプセルは、基板部と、少なくとも左右1対の立ち上がり部と、少なくとも左右1対の庇部とを備える。このうちの基板部は、前記コラム側ブラケットの上端部に設けられた上板部の上面に、この上板部に重ね合わされた状態でこの上板部に溶接固定されている。また、前記立ち上がり部はそれぞれ、前記基板部の幅方向両端部から上方に折れ曲がって伸長している。さらに、前記庇部はそれぞれ、前記立ち上がり部の上端から互いに反対方向に折れ曲がって伸長している。そして、前記車体側ブラケットのうちで前記係止孔の両側部分が、前記コラム側ブラケットの上面と前記庇部の下面との間に、係止されている。
 好ましくは、前記基板部の前後方向に関する寸法を、前記コラム側ブラケットの上板部のうちでこの基板部を重ね合わせる部分の前後方向の寸法以下とする。そして、この基板部の前後方向端縁と前記上板部の上面もしくは前後方向端縁とを、たとえば隅肉溶接により接合する。
 あるいは、前記基板部の前後方向端部を折り返すことにより形成された折り返し部が、前記コラム側ブラケットの上板部のうちでこの基板部を重ね合わせる部分の前後方向端部を抱き込むようにする。前記上板部と前記基板部との溶接に加えて、この折り返し部と前記上板部の前後方向端部の係合により、前記係止カプセルを前記コラム側ブラケットに固定する。
 さらに好ましくは、前記基板部の一部に透孔を形成する。そして、この透孔の内周縁部の少なくとも一部と、前記上板部の上面とを溶接により接合する。
 上述のような本発明を実施する場合に好ましくは、前記係止孔の前後方向に関する長さを、前記係止カプセルの前後方向の長さよりも大きくする。具体的には、この係止孔の前後方向に関する長さを、二次衝突時に、前記ステアリングコラムとともに、この係止カプセルが前方に変位した状態でも、この係止カプセルを構成する前記庇部の少なくとも後端部が前記車体側ブラケットの前端部の上側に位置して、この係止カプセルが脱落することを防止できるだけの長さとする。
 また、本発明を実施する場合に好ましくは、前記車体側ブラケットのうちで前記係止孔の両側部分と、前記係止カプセルを構成する前記庇部との互いに整合する部分とのそれぞれに、複数ずつ小通孔を形成し、これらの整合し合う小通孔内に溶融樹脂を注入して、これらの小通孔を掛け渡すように合成樹脂製の結合ピンを形成し、これらの結合ピンにより、この係止カプセルを前記車体側ブラケットに対して結合するとともに、前記結合ピンを構成する合成樹脂の一部が、前記車体側ブラケットの上下面とそれぞれの相手面との間に存在する隙間のうちの少なくとも一部に進入しており、これらの面同士の間に存在する隙間に基づくがたつきを防止している。
 この場合、前記係止カプセルにおいて、前記基板部の下面の左右両端部と前記立ち上がり部の外側面下端部との連続部を尖った形状とすることにより、二次衝突時に前記係止カプセルおよび前記コラム側ブラケットを前方に変位させるために擁する離脱荷重が大きくなったり、不安定となったりすることを防止することが好ましい。この構造とするためには、係止カプセルを製造する工程において、まず、金属板製の素材の中間部2箇所位置を折り曲げて、中間部に設けられた基板部と、この基板部の左右両端部から前記素材の厚さ方向に関して同じ方向に直角に折れ曲がった1対の折れ曲がり板部とを備え、これらの折れ曲がり板部の外側面と前記基板部の片面との連続部を断面円弧状の凸曲面とした第1中間素材とする。その後、前記基端部の両端寄り部分を厚さ方向に押し潰して、当該部分の金属材料を前記凸曲面部分に流動させ、前記折れ曲がり板部の外側面と前記基板部の片面との連続部を尖った形状とする。次いで、これらの折れ曲がり板部の中間部基端寄り部分を互いに反対方向に直角に折り曲げて、前記庇部を形成する。
 本発明のステアリングコラム用支持装置によれば、二次衝突時にステアリングホイールを前方に安定して変位させるためのチューニングが容易で、しかも、ステアリング装置の小型・軽量化、並びに低コスト化を図れ、かつ、設計の自由度を確保できる構造を実現できる。
 まず、本発明の場合には、前記コラム側ブラケットに固定した係止カプセルと、前記車体側ブラケットに形成した係止孔との係合部が、幅方向中央部の1個所のみであるため、二次衝突時にこの係合部の係合を解除し、前記ステアリングホイールを前方に安定して変位させるためのチューニングが容易になる。
 次に、ステアリング装置の小型・軽量化、低コスト化、設計の自由度確保は、前記係止カプセルを金属板製とし、この係止カプセルと前記コラム側ブラケットとを溶接により結合固定することで図られている。すなわち、それぞれが金属板製である、これら係止カプセルとコラム側ブラケットとを溶接により固定するため、この係止カプセルの上側にボルトの先端部を突出させて、この先端部にナットを螺着する必要がなくなる。したがって、ボルトおよびナットの存在に基づく組立高さの増大を抑えられて、ステアリングコラム用支持装置の小型・軽量化を図ることができる。また、ボルトおよびナットが不要になることに基づいて装置の低コスト化を、またステアリングコラム用支持装置の小型化に基づいて、ステアリング装置を設置する部分の設計の自由度確保を、それぞれ図ることができる。
図1は、本発明の実施の形態の第1例を後上方から見た状態で示す斜視図である。 図2は、図1の中央部に相当する、要部斜視図である。 図3は、図1の構造を一部省略して後方から見た状態で示す端面図である。 図4は、図1の中央部に相当する、要部側面図である。 図5は、図1の中央部に相当する、要部平面図である。 図6は、図5の拡大A-A断面図である。 図7は、本発明の構造との対比のための別の構造の例を示す図6に相当する断面図である。 図8は、本発明の実施の形態の第2例についての要部平面図である。 図9は、図8のB-B断面図である。 図10は、本発明の実施の形態の第3例を示す、図2と同様の図である。 図11は、本発明の実施の形態の第4例を示す、図2と同様の図である。 図12は、本発明の実施の形態の第5例を示す、図2と同様の図である。 図13は、本発明の実施の形態における、結合強度向上のために設けた透孔の形状の別の2例を示す部分平面図である。 図14は、本発明の実施の形態の第8例を示す、図5のA-A断面に相当する図である。 図15は、本発明の実施の形態の第8例について、二次衝突後の状態を示す、図14の左部に相当する図である。 図16は、本発明の実施の形態の第8例に組み込む係止カプセルの製造工程を順番に示す断面図である。 図17は、本発明の実施の形態における、係止カプセルの製造方法の別の4例を示す、図16(C)に相当する断面図である。 本発明の実施の形態の第8例との対比のための、本発明の実施の形態の第1例に組み込む係止カプセルの製造工程を順番に示す断面図である。 本発明の実施の形態の第8例との対比のための、本発明の実施の形態の第1例を示す、図14に相当する図である。 本発明の実施の形態の第8例との対比のための、本発明の実施の形態の第1例について、二次衝突後の状態を示す、図19の左部に相当する図である。 図21は、従来から知られているステアリング装置の1例を示す、部分切断側面図である。 図22は、従来のステアリングコラム用支持装置の1例を、通常時の状態で示す平面図である。 図23は、図22に示した装置の同じ状態での側面図である。 図24は、従来のステアリングコラム用支持装置の1例に関して、二次衝突に伴ってステアリングコラムが前方に変位した状態を示す側面図である。 図25は、従来構造の1例を示す、ステアリングコラムの中心軸に対し直交する方向に存在する仮想平面に関する断面図である。 図26は、図25に示した構造について、車体側ブラケットとコラム側ブラケットとを結合する以前の状態で示す斜視図である。 図27は、図25に示した構造について、ステアリングコラムおよびコラム側ブラケットを省略する代わりに、結合ピンを記載した状態で示す斜視図である。
 [実施の形態の第1例]
 図1~図6は、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例では、ステアリングホイール1(図21参照)の上下位置を調節するためのチルト機構と、その前後位置を調節するためのテレスコピック機構との両方を備えた、チルト・テレスコピック式ステアリング装置に対して、本発明を適用している。
 テレスコピック機構を構成するために、前側のインナコラム23の後部を後側のアウタコラム24の前部に内嵌して全長を伸縮可能とした、テレスコープ状のステアリングコラム6cを使用している。このステアリングコラム6cの内径側にステアリングシャフト5bを、回転自在に支持しているが、このステアリングシャフト5bも、前側に配置した円杆状のインナシャフトの後部に設けた雄スプライン部と、後側に配置した円管状のアウタシャフト25の前部に設けた雌スプライン部とをスプライン係合させることにより、トルクの伝達を可能に、かつ、伸縮を可能に構成されている。アウタシャフト25は、後端部をアウタコラム24の後端開口よりも後方に突出させた状態で、このアウタコラム24の内径側に、単列深溝型の玉軸受26など、ラジアル荷重およびスラスト荷重を支承可能な軸受により、回転のみ可能に支持されている。ステアリングホイール1は、アウタシャフト25の後端部に支持固定される。ステアリングホイール1の前後位置を調節する際には、このアウタシャフト25およびアウタコラム24が前後方向に変位して、ステアリングシャフト5bおよびステアリングコラム6cが伸縮する。
 このステアリングコラム6cを構成するインナコラム23の前端部に、電動式パワーステアリング装置を構成する減速機などを収納するハウジング10aを、結合固定している。このハウジング10aの上面には、電動式パワーステアリング装置の補助動力源となる電動モータ27と、この電動モータ27への通電を制御するための制御器28とを支持固定している。そして、チルト機構を構成するために、ハウジング10aを車体に対し、横軸を中心とする揺動変位を可能に支持している。このため、本例では、ハウジング10aの上部前端に支持筒29を左右方向に設け、この支持筒29の中心孔30に挿通したボルトなどの横軸により、ステアリングコラム6cの前端部を車体に対し、このステアリングコラム6cの後部を昇降させる方向の揺動変位を可能に支持している。
 また、ステアリングコラム6cの中間部ないし後部を構成する、アウタコラム24の前半部の内径を、弾性的に拡縮可能としている。このため、このアウタコラム24の下面にスリット31を、軸方向に形成している。このスリット31の前端部は、このアウタコラム24の前端縁、または、このアウタコラム24の前端寄り部分の上端部を除いた部分に形成した周方向透孔32(図4参照)に開口させている。また、スリット31を幅方向両側から挟む部分に、それぞれが厚肉平板状の1対の被支持板部33を設けている。これらの被支持板部33が、ステアリングホイール1の位置調節時に、アウタコラム24とともに変位する、変位側ブラケットとして機能する。
 本例の場合、被支持板部33をコラム側ブラケット12bに対し、上下位置および前後位置の調節を可能に支持している。このコラム側ブラケット12bは、通常時には車体に対し支持されているが、衝突事故の際には、二次衝突の衝撃に基づいて、前方に離脱し、アウタコラム24の前方への変位を許容するようにしている。このために、コラム側ブラケット12bを車体側ブラケット11に対し、二次衝突時に加わる衝撃荷重により、前方への離脱を可能に支持している。
 チルト機構およびテレスコピック機構の調節部は、被支持板部33を、コラム側ブラケット12bを構成する左右1対の支持板部34で挟持することにより構成している。これらの支持板部34には、支持筒29を車体に対し支持した横軸を中心とする部分円弧形の上下方向長孔35が形成され、被支持板部33には、アウタコラム24の軸方向に長い前後方向長孔36が形成されている。そして、これらの長孔35、36に調節ロッド37を挿通している。この調節ロッド37の基端部(図3の右端部)に設けた頭部38は、一方(図3の右方)の支持板部34に形成した上下方向長孔35に、回転を阻止した状態で、この上下方向長孔35に沿った変位のみを可能に係合させている。これに対して、調節ロッド37の先端部(図3の左端部)に螺着したナット39と他方(図3の左方)の支持板部34の外側面との間に、駆動側カム40と被駆動側カム41とからなるカム装置42を設けている。そして、このうちの駆動側カム40を、調節レバー43により回転駆動可能としている。
 ステアリングホイール1の位置調節を行う際には、調節レバー43を所定方向(下方)に回動させることにより、駆動側カム40を回転駆動し、カム装置42の軸方向寸法を縮める。そして、被駆動側カム41と頭部38との、互いに対向する内側面同士の間隔を拡げ、両側の支持板部34が被支持板部33を抑え付けている力を開放する。同時に、アウタコラム24の前部でインナコラム23の後部を内嵌した部分の内径を弾性的に拡げ、これらアウタコラム24の前部内周面とインナコラム23の後部外周面との当接部に作用している面圧を低下させる。この状態で、調節ロッド37が上下方向長孔35と前後方向長孔36との間で変位できる範囲で、ステアリングホイール1の上下位置および前後位置を調節することが可能となる。
 このステアリングホイール1を所望位置に移動させた後、調節レバー43を所定方向とは逆方向(上方)に回動させることにより、カム装置42の軸方向寸法を拡げる。そして、被駆動側カム41と頭部38との、互いに対向する内側面同士の間隔を縮め、両側の支持板部34により被支持板部33を強く抑え付ける。同時に、アウタコラム24の前部でインナコラム23の後部を内嵌した部分の内径を弾性的に縮め、これらアウタコラム24の前部内周面とインナコラム23の後部外周面との当接部に作用している面圧を高くする。この状態で、ステアリングホイール1の上下位置および前後位置が調節後の位置に保持される。
 なお、本例において、ステアリングホイール1を調節後の位置に保持するための保持力を高くするために、支持板部34の内側面と被支持板部33の外側面との間に、それぞれ摩擦板ユニット44を挟持するようにしてもよい。これらの摩擦板ユニット44は、上下方向長孔35と整合する長孔を形成した1枚ないし複数枚の第1摩擦板と、前後方向長孔36と整合する長孔を形成した1枚ないし複数枚の第2摩擦板とを交互に重ね合わせたもので、摩擦面積を増大させ、保持力を高くする役目を有する。このような摩擦板ユニット44の具体的な構造および作用については従来から知られており(特許文献4および5参照)、本発明の要旨と関係しないので、詳しい図示並びに説明は省略する。
 さらに、コラム側ブラケット12bは、車体側ブラケット11に対し、二次衝突の衝撃荷重により前方に離脱はするが、二次衝突が進行した状態でも脱落しないように支持されている。車体側ブラケット11は、車体側に支持固定されて、二次衝突時にも前方に変位することがないもので、鋼板などの十分な強度および剛性を有する金属板に、プレスによる打ち抜き加工および曲げ加工を施すことにより形成される。車体側ブラケット11は、平板状であるが、その両側端部および後端部を下方に折り曲げることによって、その剛性を向上させている。車体側ブラケット11の幅方向中央部に、ステアリングコラム6cの軸方向に伸長し、前端縁側が開口した係止孔(係止切り欠き)45を、車体側ブラケット11の後部で、この係止孔45を左右両側から挟む位置に1対の取付孔46を、それぞれ形成している。係止孔45は、係止カプセル53により覆われる、車体側ブラケット11の後端部近傍まで形成されている。このような車体側ブラケット11は、取付孔46を挿通したボルトあるいはスタッドにより、車体に対し支持固定される。なお、本例の場合、係止孔45を、前端縁側が開口した切り欠き形状としているが、係止孔45の形状はこれに限られず、ステアリングコラム6cの軸方向に伸長し、前端縁側が閉鎖された閉じた孔の形状とし、係止カプセル53の車体側ブラケット11からの脱落を防止する構造とすることも可能である。
 車体側ブラケット11に対して、コラム側ブラケット12bを、係止カプセル53を介して、二次衝突時に前方への離脱を可能に結合している。本例では、コラム側ブラケット12bと係止カプセル53とを、炭素鋼板などの互いに溶接可能で、しかも十分な強度および剛性を確保できる、同種の金属板により作製している。係止カプセル53は、基板部54と、左右1対の立ち上がり部55と、左右1対の庇部56とを備える。基板部54は、平板状である。また、立ち上がり部55はそれぞれ、この基板部54の幅方向両端部から上方にほぼ直角に折れ曲がって伸長している。さらに、庇部56はそれぞれ、立ち上がり部55の上端から互いに反対方向に、ほぼ直角に折れ曲がって伸長している。これらの庇部56の下面と基板部54の下面との間に存在する段差の高さHは、車体側ブラケット11を構成する金属板の厚さTと同じか、この厚さTよりも僅かに大きく(H≧T)している。
 このような構成を有する係止カプセル53は、基板部54を、コラム側ブラケット12bの上端部に設けた、上板部57に重ね合わせた状態で、この上板部57に、溶接58により固定されている。この上板部57は、コラム側ブラケット12bを構成する左右1対の支持板部34の上端縁同士を連続させる状態で設けられており、基板部54と同様に平板状である。本例の場合には、基板部54の前後方向に関する寸法を、上板部57のうちでこの基板部54を重ね合わせる部分の前後方向の寸法よりも小さくしている。また、この基板部54を上板部57に重ね合わせた状態で、この上板部57の前後方向端部を、この基板部54の前後方向端縁から前後方向に突出させている。そして、この基板部54の前後方向端縁と、前記上板部57の前後方向端部の上面との間に、溶接58をそれぞれ施している。本例の場合には、これらの溶接58を、隅肉溶接としている。
 係止カプセル53を、コラム側ブラケット12bの上板部57の上面中央部に溶接により固定した状態で、この上板部57の上面両端寄り部分と庇部56の下面との間に、車体側ブラケット11を構成する金属板の一部で、係止孔45の両側部分を挿入可能な1対の係止溝59が形成される。そこで、これらの係止溝59に、車体側ブラケット11のうちで係止孔45の両側部分を挿入しつつ、係止カプセル53を係止孔45の内側奥端部に組み付ける。この状態で、庇部56と、車体側ブラケット11のうちで係止孔45の両側部分とが重なり合う。
 このように、係止カプセル53の基板部54を係止孔45に係合(内嵌)した状態で、庇部56と、車体側ブラケット11のうちで係止孔45の両側部分との、互いに整合する複数箇所(図示の例では6箇所ずつ)に、それぞれ小通孔49a、49bが形成されている。そして、これらの小通孔49a、49b同士の間に、それぞれ結合ピン50を掛け渡している。なお、車体側ブラケット11に設ける小通孔49bに関しては、代替的に、係止孔45の内側に向けた開口した切り欠き形状とすることもできる。また、本発明では、結合ピンを用いる構造が好適に採用されるが、結合ピン50を省略して、係止カプセル53を係止孔45内に圧入して保持する構造を採用することは妨げられない。
 これらの合成樹脂製の結合ピン50は、小通孔49a、49bを整合させた状態で、これらの整合し合う小通孔49a、49b内に、インジェクション成形を用いて、溶融した合成樹脂を注入し、固化させることにより、これらの小通孔49a、49bを掛け渡すように形成されている。ただし、結合ピン50の形成は、これに限られず、あらかじめ円柱状に成形した、合成樹脂製あるいは軽合金属製の素ピン(母材)を、これらの小通孔49a、49bに、軸方向に大きな力で押し込み、圧入させることにより、掛け渡すことにより、これらの結合ピン50を形成してもよい。いずれの場合でも、車体側ブラケット11の上下面と、この上下面とそれぞれ対向する相手面である、庇部56の下面およびコラム側ブラケット12bの上板部57の上面との間に、これらの結合ピン50を構成する合成樹脂あるいは軽合金の一部を入り込ませて、車体側ブラケット11に対するコラム側ブラケット12bの取付部のがたつきを解消することもできる。この場合、コラム側ブラケット12bに支持されたステアリングコラム6cのがたつきが防止され、このステアリングコラム6cに回転自在に支持されたステアリングシャフト5bの後端部に支持固定したステアリングホイール1の操作感を良好にできる。
 このように構成される本例の構造によれば、二次衝突時にステアリングホイールを前方に安定して変位させるためのチューニングが容易にできることに加えて、小型・軽量化並びに低コスト化を図れ、かつ、設計の自由度を確保できる構造を実現できる。
 まず、コラム側ブラケット12bに固定した係止カプセル53と、車体側ブラケット11に形成した係止孔45との係合部が、幅方向中央部の1個所のみであるため、二次衝突時に、係止カプセル53に伝わった衝撃荷重が、結合ピン50のそれぞれにほぼ均等に加わり、これらの結合ピン50が実質的に同時に裂断する。この結果、コラム側ブラケット12bに固定されたステアリングコラム6cの前方への変位を、中心軸の傾斜角度を過度に変化させることなく、安定して行わせることが可能である。よって、車体側ブラケット11と係止カプセル53の係合部の係合を解除し、ステアリングホイール1を前方に安定して変位させるためのチューニングが容易になる。
 一方、コラム側ブラケット12bを車体側ブラケット11に、二次衝突時に前方への離脱を可能に支持する構造として、本例の構造のほか、図7に示す構造のように、係止カプセルとして、軟鋼などの鉄系合金に鍛造加工などの塑性加工を施す、アルミニウム系合金、マグネシウム系合金などの軽合金をダイキャスト成形する、あるいは、ポリアセタールなどの高強度の高機能樹脂を射出成形することにより形成した係止カプセル47を用い、この係止カプセル47を、複数本のボルト51およびナット52を用いて、コラム側ブラケット12bに結合固定する構造も採用できる。この場合、係止カプセル47の上側にボルト51の先端部を突出させて、この先端部にナット52を螺着する必要がある。このような作業は、これらのボルト51とナット52を正規の位置関係に保持し、しかも、一方の部材の回り止めを図りつつ他方の部材を回転させなければならず、面倒で、部品コスト(製造コストおよび管理コスト)に加えて組立コストが嵩む原因となる。
 さらに、この構造は、図25~図27に示した従来構造との比較では、組み立て高さを抑制できるが、ナット52が、それぞれコラム側ブラケット12bの上面から突出する分だけ、コラム側ブラケット12bと係止カプセル47との結合固定部の組み立て高さが嵩むことは避けられない。そして、この組み立て高さが嵩む分、車体の一部でこの結合固定部の上方に存在する部分の形状を、たとえばナット52との干渉を防止するために凹ませるなどして、工夫したり、係止カプセル47の上面と車体の一部との距離を大きくしたりする必要がある。いずれにしても、衝撃吸収式ステアリング装置の設置する部分を設計する面からの自由度が損なわれる原因となる。
 これに対して、それぞれが金属板製である係止カプセル53とコラム側ブラケット12bとを溶接により結合固定している本例の構造では、車体側ブラケット11の上面から突出するのは、係止カプセル53のうち、左右1対の庇部56のみとなる。この庇部56を構成する金属板の厚さは、一般的な乗用車用のステアリングコラム用支持装置の場合で2~4mm程度と僅かである。しかも、上板部57の下面側には、何らの突出部(たとえばボルトの頭部)も存在しない状態となる。したがって、本例では、係止カプセル47とボルト51およびナット52を用いた構造の場合に生じる、ボルトおよびナットの存在に基づく組立高さの増大を抑えられるので、装置の小型・軽量化を図ることができる。また、ボルトおよびナットが不要になることに基づいて、装置の低コスト化を図ることができ、さらに、その小型化に基づいて、ステアリング装置を設置する部分の設計の自由度確保を図ることができる。
 なお、本例の場合、二次衝突時にアウタコラム6cとともに前方に変位する、係止カプセル53を係止した、係止孔45の前後方向に関する長さL45を、この係止カプセル53の同方向の長さL53よりも十分に大きくしている(L45≫L53)。特に、本例では、係止孔45の長さL45を、係止カプセル53の長さL53の2倍以上(L45≧2L53)確保している。そして、二次衝突時にアウタコラム24とともに係止カプセル53が前方に変位し切った状態、すなわち、ステアリングホイール1から加わった衝撃荷重では、それ以上前方に変位しなくなった状態でも、この係止カプセル53を構成する庇部56の少なくとも後端部で、ステアリングコラム6cおよびコラム側ブラケット12bなどの重量を支承可能な部分が、係止孔45から抜け切らないようにしている。すなわち、車体側ブラケット11の前後方向寸法が限られている場合でも、二次衝突時に係止カプセル53を前方に変位させられる長さ(コラプスストローク)を確保して、二次衝突が進行した状態でも、係止カプセル53の幅方向両側部分に形成した庇部56のうちの後端部が、車体側ブラケット11の前端部の上側に位置して、係止カプセル53が落下することを防止できるようにしている。ただし、車体側ブラケット11の前後方向寸法を十分に確保できる場合には、前述の通り、係止孔を閉鎖孔により構成して、係止カプセル53の車体側ブラケット11からの脱落を防止すると同時に、車体側ブラケット11の前部の剛性を高めることもできる。いずれにせよ、このような構成により、ステアリングホイール1の過度の下降を防止して、事故後もこのステアリングホイール1の操作を行いやすくして、たとえば、事故車両が自走可能である場合に、この事故車両を事故現場から路肩まで自走移動させる際の運転を行いやすくできるという効果が得られる。
 また、本例では、コラム側ブラケット12bの一部に、このコラム側ブラケット12bの左右外側面よりも幅方向外方に突出する、左右1対の張り出し部を設けて、これらの張り出し部の上端縁の一部を、車体側ブラケット11の下面の一部に、近接対向させることもできる。この場合、コラム側ブラケット12bに、軸方向周りのモーメントが加わって、このコラム側ブラケット12bが少し傾斜した状態で、一方の張り出し部の上端縁の一部と車体側ブラケット11の下面の一部とを衝合させ、コラム側ブラケット12bがそれ以上傾斜することを阻止することができる。この構成により、コラム側ブラケット12bにモーメントが加わっても、コラム側ブラケット12bと車体側ブラケット11との相対変位量が僅少に抑えられ、このコラム側ブラケット12bおよび係止カプセル53に対し、これらの部材が損傷する程の力が加わることを防止できる。
 また、本例では、チルト・テレスコピック機構の採用に伴い、ステアリングホイール1を調節後の位置に保持する保持力を高めるための摩擦板ユニット44を設置することもできるが、この場合、製作誤差の蓄積などにより、二次衝突時の離脱荷重のばらつきを大きくする原因となりやすい。これに対して、本例では、単一の係止カプセル53と車体側ブラケット11との係合により、離脱荷重のばらつきを抑えることができる。このため、二次衝突時にステアリングホイール1に衝突した運転者の身体に加わる衝撃を緩和するためのチューニングを適正に行うことを可能とし、この運転者の保護充実を図ることができる。
 さらに、本例では、二次衝突時にも変位しない部分(たとえば車体側ブラケット11)と、二次衝突に伴って前方に変位する部分(たとえばアウタコラム24)との間に、この前方への変位に伴って塑性変形しつつ衝撃エネルギを吸収する、エネルギ吸収部材を設けることもできる。このエネルギ吸収部材も、アウタコラム24の幅方向中央部に設置して、このアウタコラム24の前方への変位に基づいて効果的に塑性変形するようにする。なお、このようなエネルギ吸収部材は、特許文献3などに記載されているように、従来から各種構造のものが知られているため、図示並びに詳しい説明は省略する。
 [実施の形態の第2例]
 図8および9は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、係止カプセル53aを構成する基板部54aの前後方向寸法を、立ち上がり部55および庇部56の前後方向の寸法よりも大きくしている。また、コラム側ブラケット12cの上板部57aの前後方向両端縁部の幅方向中央部に切り欠き60を形成して、この上板部57aの幅方向中央部の前後方向寸法を、上板部57aの左右両端部の前後方向寸法よりも小さくしている。この幅方向中央部の前後方向寸法は、立ち上がり部55および庇部56の前後方向寸法以上としている。また、基板部54aの左右方向の幅寸法は、切り欠き60の幅寸法よりも僅かに小さくしている。
 このような係止カプセル53aとコラム側ブラケット12cとを結合固定するには、まず、立ち上がり部55および庇部56を前後方向に関し、切り欠き60同士の間部分に位置させた状態で、基板部54aの下面と上板部57aの上面とを当接させる。次いで、この基板部54aの前後方向両端部で、この上板部57aの幅方向中央部で前後方向両端縁から突出した部分を、下方に向け180度折り返して、それぞれ断面U字形の折り返し部61を形成する。そして、これらの折り返し部61により、上板部57aの幅方向中央部の前後方向端部のそれぞれを抱き込む。さらに、これらの折り返し部61の左右両端縁部および立ち上がり部55の前後方向端縁部と、上板部57aとの間に溶接58aを施して、係止カプセル53aとコラム側ブラケット12cとをがたつきなく結合固定している。なお、これら係止カプセル53aとコラム側ブラケット12cとを溶接固定するには、図示の隅肉溶接に代えて、あるいは隅肉溶接とともに、スポット溶接を採用することもできる。
 上述のように構成する本例の構造によれば、溶接58aにより、係止カプセル53aとコラム側ブラケット12cとをがたつきなく結合固定できることに加えて、折り返し部61が上板部57aの幅方向中央部の前後方向端部のそれぞれを抱き込むことにより構成した、前後1対の抱き込み部分の機械的係合によっても、係止カプセル53aとコラム側ブラケット12cとが結合される。したがって、万一、溶接58aが不良であった場合にも、係止カプセル53aとコラム側ブラケット12cとが分離することを防止できる。そして、このコラム側ブラケット12cに支持されたステアリングコラム6cが脱落することを防止できる。なお、このような構造を前後方向の一方のみで採用し、他方を第1例と同様の溶接により部材間を接合するようにしてもよい。なお、その他の部分の構成および作用は、実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分に関する説明は省略する。
 [実施の形態の第3例]
 図10は、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、係止カプセル53bを構成する基板部54bの中央部に、ほぼ正方形の透孔62を形成している。そして、この透孔62の内周縁のうちの左右両側縁と、コラム側ブラケット12bを構成する上板部57の上面との間に、溶接58bを施している。また、この上板部57の前後方向両端部の上面と基板部54bの前後方向両端縁との間にも、実施の形態の第1例の場合と同様に、溶接58を施している。なお、透孔62の形状は、必ずしも正方形である必要はなく、長方形、台形などの他の四角形、もしくは四角形以外の多角形でもよい。
 このような本例の構造の場合、透孔62の左右両側縁に施した溶接58bの分だけ、係止カプセル53bの基板部54bと、コラム側ブラケット12bの上板部57との溶接長さを長くできる。透孔62を形成することによる基板部54bの強度および剛性の低下は、基板部54bと上板部57との結合強度確保の面を含め、ステアリングコラム用支持装置の強度確保の面から、全く問題とはならない。この理由は、透孔62の左右両側縁に施した溶接58bにより、基板部54bが上板部57に対し、強固に結合固定されるためである。
 以上の通りであるから、本例の構造によれば、係止カプセル53bとコラム側ブラケット12bとの結合強度を、より高くできる。また、この結合強度の向上と、透孔62を設けることによる軽量化との両立も可能になる。その他の部分の構成および作用は、実施の形態の第1例の場合と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
 [実施の形態の第4例]
 図11は、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合には、係止カプセル53bを構成する基板部54bの中央部に形成した透孔62の内周縁のうちの左右両側縁および後端縁と、コラム側ブラケット12bを構成する上板部57の上面との間に、溶接58bを施している。また、この上板部57の前端部の上面と基板部54bの前端縁との間にも、実施の形態の第1例の場合と同様に、溶接58を施している。ただし、基端部54bの後端縁と上板部57の上面との間には溶接を施さず、この後端縁を、車体側ブラケット11に形成した係止孔45の奥端縁に突き当てている。このような本例の構造の場合、基端部54bの後端縁と上板部57の上面との間に溶接を施さない分、係止カプセル53bとコラム側ブラケット12bとを溶接する過程で、溶接トーチの方向を大きく変える必要がなくなり、生産性が向上する。その他の部分の構成および作用は、基板部54bと上板部57との溶接部の構造を含め、実施の形態の第3例と同様であるから、重複する説明は省略する。
 [実施の形態の第5例]
 図12は、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例の場合には、係止カプセル53cの庇部56aを、基板部54cの幅方向両端部に加えて後端部にも設けている。そして、この庇部56aのうちの軸方向両端部に加えて、後端部と車体側ブラケット11との間にも、合成樹脂製の結合ピン50を掛け渡している。このような本例の構造の場合には、係止カプセル53cを車体側ブラケット11に対し、3辺で結合しているため、結合支持力のバランスを保ちやすい。その他の部分の構成および作用は、実施の形態の第4例と同様であるから、重複する説明は省略する。
 [実施の形態の第6~7例]
 図13は、本発明の実施の形態の第6~7例に用いられる係止カプセル53d、53eを示している。実施の形態の第3~5例の場合、係止カプセル53b、53cの基板部に形成する透孔62の形状をほぼ正方形とした。これに対して、図10(A)(B)に示した実施の形態の第6~7例の場合には、係止カプセル53d、53eの基板部54d、54eに、それぞれ長方形の透孔62a、62bを、それぞれ2箇所ずつ形成している。このうち、図10(A)に示した第6例の構造の係止カプセル53dに関しては、第5例の構造と同様の庇部56aを有する。そして、基板部54dの幅方向に離隔した2箇所位置に、それぞれが前後方向に長い透孔62aを形成している。また、図10(B)に示した第7例の構造の係止カプセル53eに関しては、第1例の構造と同様の庇部56を有する。そして、基板部54eの前後方向に離隔した2箇所位置に、それぞれが幅方向に長い透孔62bを形成している。さらに、いずれの構造の場合も、長孔62a、62bの前後両端部と、コラム側ブラケット12bの上板部57との間に、溶接58c、58dを施している。なお、これらの溶接58c、58dの位置は、図示の部分には限定されない。長孔62a、62bの左右両側縁に施したり、その側縁の全周にわたって施したりすることもできる。その他の部分の構成および作用は、実施の形態の第3~5例の場合と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
 [実施の形態の第8例]
 図14~図16は、本発明の実施の形態の第8例を示している。なお、本例の構造および作用の特徴は、それぞれが金属板製である係止カプセル53fとコラム側ブラケット12cとを溶接などにより接合固定する構造で、この係止カプセル53fを構成する左右1対の立ち上がり部55の外側面と、コラム側ブラケット12cの上板部57の上面との間に、実施の形態の第1例に関する図6に示したような、合成樹脂67が入り込むくさび状の隙間を存在させないようにする点にある。その他の部分の構造および作用については、実施の形態の第1例と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
 実施の形態の第1例の場合、結合ピン50を合成樹脂の射出成形により形成しているが、この合成樹脂の一部を、車体側ブラケット11の上下面と、庇部56の下面および上板部57の上面との間の隙間に入り込ませている。このこと自体は、車体側ブラケット11に対するコラム側ブラケット12bの取付部のがたつきを防止する面から好ましい。ただし、合成樹脂の一部が、二次衝突が進行する際に、係止カプセル53およびコラム側ブラケット12bが車体側ブラケット11に対し前方に変位することに対する抵抗になる可能性がある。
 実施の形態の第1例の係止カプセル53を製造する場合、図18(A)に示した素材となる金属板63に、図18(A)→(B)→(C)に示した曲げ加工を順次施して、図18(C)に示した係止カプセル53とする。すなわち、図18(A)に示した金属板63の中間部2箇所位置を折り曲げて、図18(B)に示した、中間部に設けられた基板部54と、この基板部54の両端部から素材の厚さ方向に関して同方向に直角に折れ曲がった1対の折れ曲がり板部64とを備えた第1中間素材65とする。次いで、これらの折れ曲がり板部64の中間部基端寄り部分を互いに反対方向に直角に折り曲げて、それぞれ庇部56とし、図18(C)に示した係止カプセル53とする。このようにして得られた係止カプセル53のうち、基板部54の下面と立ち上がり部55の外側面との連続部には、断面形状が4分の1円弧状である、凸曲面66が形成される。
 係止カプセル53の基板部54と、コラム側ブラケット12bの上板部57とを溶接固定した状態では、図19および図20に示すように、この上板部57の上面と凸曲面66との間に、くさび状の隙間が形成される。そして、係止カプセル53およびコラム側ブラケット12bと車体側ブラケット11とを結合するための係止ピン50を合成樹脂67の射出成形により形成すると、この合成樹脂67の一部がこのくさび状の隙間に入り込んで、この隙間内で固化する。
 合成樹脂67の一部がくさび状の隙間内で固化すること自体は、係止カプセル53およびコラム側ブラケット12bと車体側ブラケット11との結合部のがたつき防止の面からは好ましい。ただし、くさび状の隙間を形成する上板部57の上面および凸曲面66と、この隙間内で固化した合成樹脂67とは、広い面積で当接する。この合成樹脂67と、それぞれが金属製である係止カプセル53の凸曲面66およびコラム側ブラケット12bの上板部57との擦れ合い部の摩擦係数は小さいが、擦れ合い面積が広いため、二次衝突時にこれら係止カプセル53およびコラム側ブラケット12bを前方に変位させるために要する荷重(離脱荷重)を少しでも低くする面からは好ましくない。すなわち、前記隙間内で固化した、先端が尖った形状を有する合成樹脂67は、二次衝突時に、図20に示すように、車体側ブラケット11側に付着したままその位置に留まるのに対して、係止カプセル53およびコラム側ブラケット12bは、前方に変位する。先端が尖った合成樹脂67が、くさび状の隙間内に存在した状態のまま、係止カプセル53およびコラム側ブラケット12bが前方に変位すると、擦れ合い部の摩擦が大きくなる。そして、離脱荷重を低く、かつ、安定させて、運転者の保護充実を図る面からは不利になる。
 これに対して、本例では、係止カプセル53fを構成する基板部54fの下面左右両端部と、立ち上がり部55の外側面下端部との連続部は、直角に尖った形状を有する。言い換えれば、この連続部の角部の曲率を可及的に大きく(曲率半径を可及的僅少に)している。このように、連続部を尖らせた係止カプセル53fは、図16に示すようにして作製する。
 まず、図16(A)に示した、素材である金属板63の中間部2箇所位置を折り曲げて、図16(B)に示すように、中間部に設けられた基板部54fと、この基板部54fの左右両端部から素材の厚さ方向に関して同方向に直角に折れ曲がった1対の折れ曲がり板部64とを備えた、第1中間素材65とする。この時点では、この第1中間素材65のうち、折れ曲がり板部64の外側面と基板部54fの下面との連続部には、断面形状が4分の1円弧状である、部分円筒面状の凸曲面66が存在する。
 これらの凸曲面66を消滅させるため、図16(C)に示すように、基板部54fの両端寄り部分を厚さ方向に押し潰す。具体的には、第1中間素材65を、上下方向に遠近動する1対の金型同士の間で強く押圧して、基板部54fの下面の両端寄り部分に、図16の表裏方向に連続する1対の凹溝68を形成する。そして、これらの凹溝68部分から押し出された金属材料を、凸曲面66部分に流動させて、折れ曲がり板部61の外側面と基板部54fの下面との連続部を、直角に尖らせる。次いで、これらの折れ曲がり板部61の中間部基端寄り部分を互いに反対方向に直角に折り曲げて、左右1対ずつの立ち上がり部55および庇部56を形成する。本例の場合には、これらの立ち上がり部55および庇部56を形成するための折り曲げ加工を、2段階に分けて行っている。すなわち、最初に、図16(D)に示すように、折れ曲がり板部61の中間部基端寄り部分をおよそ半分(45度)程度折り曲げてから、さらに残りの半分を折り曲げて左右1対の庇部56とし、図16(E)に示した係止カプセル53fとする。以上の工程により、基板部54fの下面左右両端部と立ち上がり部55の外側面下端部との連続部が尖っている係止カプセル53fを、金属板を素材とし、工業的手法により実施可能な曲げ成形により、容易に得られる。
 本例の場合、係止カプセル53fを構成する基板部54fの下面左右両端部と、立ち上がり部55の外側面下端部との連続部が尖っている。したがって、係止カプセル53fとコラム側ブラケット12cとを、結合固定した状態でも、これらの連続部に対応する部分に、図19および図20に示したような、くさび状の隙間が形成されない。したがって、くさび状の隙間に合成樹脂67が入り込む事で、二次衝突時に係止カプセル53fおよびコラム側ブラケット12cを前方に変位させるために要する離脱荷重が大きくなったり、不安定になったりすることがない。このため、車体側ブラケット11と係止カプセル53fとの接合部のがたつき防止を図るため、図14および図15に示すように、この車体側ブラケット11の上下両面と、係止カプセル53fを構成する庇部56の下面およびコラム側ブラケット12cを構成する上板部57の上面との間に合成樹脂67を入り込ませた場合でも、離脱荷重を、低く、かつ、安定させることができる。
 [実施の形態の第9~12例]
 図17(A)~(D)は、本発明の実施の形態の第9~12例を示している。これらの例は、係止カプセル53fを構成する基板部54fの下面左右両端部と左右1対の立ち上がり部55の外側面下端部との連続部を直角に尖った形状にするため、基板部54fの両端寄り部分を押し潰す形状を、実施の形態の第8例の場合と異ならせている。
 まず、図17(A)に示した第9例の構造の場合には、基板部54fの下面の両端寄り部分に、それぞれ断面形状が直角三角形の凹溝68aを形成している。また、図17(B)に示した第10例の構造の場合には、基板部54fの下面の両端寄り部分に、それぞれ断面形状が台形の凹溝68bを形成している。さらに、図17(C)に示した第11例の構造の場合には、基板部54fの上下両面の両端寄り部分に、それぞれ断面形状が台形の凹溝68b、68cを形成している。最後に、図17(D)に示した第12例の構造の場合には、基板部54fの下面の両端寄り部分に、それぞれ断面形状が矩形の凹溝68dを形成している。その他の部分の構成および作用は、実施の形態の第8例と同様であるから、同等部分に関する説明は省略する。
 本発明に関して、ステアリングホイールの上下位置を調節するためのチルト機構と、その前後位置を調節するためのテレスコピック機構との両方を備えたステアリングコラム用支持装置に適用した場合について、説明した。ただし、本発明は、チルト機構のみ、あるいは、テレスコピック機構のみを備えたステアリングコラム用支持装置、さらには、これらの機構をいずれも備えていない、ステアリングホイールの位置固定式のステアリングコラム用支持装置で実施することも可能である。
  1  ステアリングホイール
  2  ステアリングギアユニット
  3  入力軸
  4  タイロッド
  5、5a、5b ステアリングシャフト
  6、6a、6b、6c ステアリングコラム
  7  自在継手
  8  中間シャフト
  9  自在継手
 10、10a ハウジング
 11、11a 車体側ブラケット
 12、12a、12b、12c コラム側ブラケット
 13  ハウジング側ブラケット
 14a、14b 取付板部
 15a、15b 切り欠き
 16a、16b 滑り板
 17  エネルギ吸収部材
 18  係止切り欠き
 19  係止カプセル
 20  係止溝
 21a、21b 係止孔
 22  係止ピン
 23  インナコラム
 24  アウタコラム
 25  アウタシャフト
 26  玉軸受
 27  電動モータ
 28  制御器
 29  支持筒
 30  中心孔
 31  スリット
 32  周方向透孔
 33  被支持板部
 34  支持板部
 35  上下方向長孔
 36  前後方向長孔
 37  調節ロッド
 38  頭部
 39  ナット
 40  駆動側カム
 41  被駆動側カム
 42  カム装置
 43  調節レバー
 44  摩擦板ユニット
 45  係止孔
 46  取付孔
 47  係止カプセル
 48  鍔部
 49a、49b 小通孔
 50  結合ピン
 51  ボルト
 52  ナット
 53、53a、53b、53c、53d、53e、53f 係止カプセル
 54、54a、54b、54c、54d、54e、54f 基板部
 55  立ち上がり部
 56、56a 庇部
 57、57a 上板部
 58、58a、58b、58c、58d 溶接
 59、59a 係止溝
 60  切り欠き
 61  折り返し部
 62、62a、62b 透孔
 63  金属板
 64  折れ曲がり板部
 65  第1中間素材
 66  凸曲面
 67  合成樹脂
 68、68a、68b、68c、68d 凹溝

Claims (7)

  1.  ステアリングコラムの軸方向に伸長する係止孔を幅方向中央部に備え、車体側に固定されて、二次衝突時にも前方に変位することのない車体側ブラケットと、
     ステアリングコラム側に固定されたコラム側ブラケットと、
     前記コラム側ブラケットに固定されるとともに、前記車体側ブラケットの前記係止孔に係止される係止カプセルとを備え、
     前記コラム側ブラケットが、前記係止カプセルを介して、前記車体側ブラケットに対して、二次衝突時に加わる衝撃荷重により、前方への離脱を可能に支持されているステアリングコラム用支持装置であって、
     前記コラム側ブラケットと前記係止カプセルとは、互いに溶接可能な金属板製であり、
     この係止カプセルは、前記コラム側ブラケットの上端部に設けられた上板部の上面に、この上板部に重ね合わされた状態でこの上板部に溶接により固定された基板部と、この基板部の幅方向両端部から上方に折れ曲がって伸長する少なくとも1対の立ち上がり部と、この立ち上がり部の上端から互いに反対方向に折れ曲がって伸長する少なくとも1対の庇部とを備え、
     前記車体側ブラケットのうちで前記係止孔の両側部分が、前記コラム側ブラケットの上面と前記庇部の下面との間に係合されている、
    ことを特徴とする、ステアリングコラム用支持装置。
  2.  前記基板部の前後方向に関する寸法が、前記コラム側ブラケットの前記上板部のうちでこの基板部を重ね合わせる部分の前後方向の寸法以下となっており、この基板部の前後方向端縁と前記上板部の上面もしくは前後方向端縁とが溶接により接合されている、請求項1に記載のステアリングコラム用支持装置。
  3.  前記基板部の前後方向端部を折り返すことにより形成された折り返し部が、前記コラム側ブラケットの前記上板部のうちでこの基板部を重ね合わせる部分の前後方向端部を抱き込んでおり、前記上板部と前記基板部との溶接に加えて、この折り返し部と前記上板部の前後方向端部の係合により、前記係止カプセルが前記コラム側ブラケットに固定されている、請求項1に記載のステアリングコラム用支持装置。
  4.  前記基板部の一部に透孔が形成されており、この透孔の内周縁部の少なくとも一部と、前記上板部の上面とが溶接により接合されている、請求項1に記載のステアリングコラム用支持装置。
  5.  前記係止孔の前後方向に関する長さを、前記係止カプセルの前後方向の長さよりも大きく、二次衝突時に、前記ステアリングコラムとともに、この係止カプセルが前方に変位した状態でも、この係止カプセルを構成する前記庇部の少なくとも後端部が前記車体側ブラケットの前端部の上側に位置して、この係止カプセルが脱落することを防止できるだけの長さとしている、請求項1に記載のステアリングコラム用支持装置。
  6.  前記車体側ブラケットのうちで前記係止孔の両側部分と、前記係止カプセルを構成する前記庇部との互いに整合する部分とのそれぞれに、複数ずつ小通孔が形成されており、これらの整合し合う小通孔内に溶融樹脂を注入するインジェクション成形により、これらの小通孔を掛け渡すように合成樹脂製の結合ピンが形成されており、これらの結合ピンにより、この係止カプセルを前記車体側ブラケットに対して結合するとともに、前記結合ピンを構成する合成樹脂の一部が、前記車体側ブラケットの上下面とそれぞれの相手面との間に存在する隙間のうちの少なくとも一部に進入しており、これらの面同士の間に存在する隙間に基づくがたつきが防止されている、請求項1に記載のステアリングコラム用支持装置。
  7.  前記基板部の下面の左右両端部と前記立ち上がり部の外側面下端部との連続部が尖った形状となっている、請求項6に記載のステアリングコラム用支持装置。
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