JP5429226B2 - ステアリングコラムの支持装置及びその製造方法 - Google Patents

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この発明は、運転席に設けたステアリングホイールの操作に基づいて前輪に舵角を付与する為の自動車用ステアリング装置を構成する、ステアリングコラム用支持装置の改良に関する。具体的には、車体側に固定した状態で二次衝突時にも前方に向け変位する事のない車体側ブラケットと、ステアリングコラム側に固定した状態で二次衝突時にこのステアリングコラムと共に前方に変位する係止カプセルとの結合部を改良して、高品質の結合部を安定して得られる構造及びその製造方法の実現を図るものである。
[従来技術の説明]
自動車用ステアリング装置は、図17に示す様に構成して、ステアリングホイール1の回転をステアリングギヤユニット2の入力軸3に伝達し、この入力軸3の回転に伴って左右1対のタイロッド4、4を押し引きして、前車輪に舵角を付与する様にしている。前記ステアリングホイール1は、ステアリングシャフト5の後端部に支持固定されており、このステアリングシャフト5は、円筒状のステアリングコラム6を軸方向に挿通した状態で、このステアリングコラム6に回転自在に支持されている。又、前記ステアリングシャフト5の前端部は、自在継手7を介して中間シャフト8の後端部に接続し、この中間シャフト8の前端部を、別の自在継手9を介して、前記入力軸3に接続している。尚、この中間シャフト8は、トルクを伝達可能に、且つ、衝撃荷重により全長を収縮可能に構成している。そして、衝突事故の際(次述する一次衝突の際)に、前記ステアリングギヤユニット2の後方への変位に拘らず、前記ステアリングシャフト5を介して前記ステアリングホイール1が後方に向けて変位する(運転者の身体に向けて突き上げられる)事を防止できる様に構成している。
上述の様な操舵装置を組み込んだ自動車が他の自動車等に衝突する衝突事故の際には、他の自動車等に衝突する一次衝突に続いて、運転者の身体が前記ステアリングホイール1に衝突する、二次衝突が発生する。この二次衝突の際に運転者の身体に加わる衝撃を緩和する為に、前記ステアリングコラム6を車体に固定した車体側ブラケット10に対し、前方に向いた大きな力が加わった場合に脱落する様に、左右1対の係止カプセル11及びボルト若しくはスタッド12を介して支持している。即ち、前記ステアリングコラム6の側に支持したコラム側ブラケット13の上端部から互いに反対側に曲げ形成された左右1対の取付板部14に係止切り欠きを、これら両取付板部14の後端縁側に開口する状態で形成し、これら両係止切り欠き内に前記両係止カプセル11を係止すると共に、これら両係止カプセル11と前記両取付板部14とを、合成樹脂、アルミニウム系合金等の、裂断し易い材料製の係止ピンにより結合している。尚、この部分の従来構造に関しては、例えば特許文献1に記載される等により、従来から広く知られている。
衝突事故に伴う二次衝突時に、前記ステアリングホイール1から前記ステアリングコラム6に対し、前方に向いた強い力が加わると、前記各係止ピンが裂断し、前記両係止カプセル11が前記両係止切り欠きから後方に抜け出る(実際には、これら両係止カプセル11がそのままの位置に止まったまま、前記両取付板部14が前方に変位する)。そして、前記ステアリングホイール1の前方への変位を許容して、このステアリングホイール1に衝突した運転者の身体に加わる衝撃を緩和する。
又、二次衝突時にステアリングコラムの前方への離脱を安定させる為に、車体側ブラケットと係止カプセルとの係合部を幅方向中央部の1箇所にのみ設けた構造が、特許文献2に記載されている。
[先発明の説明]
図18〜21は、前記特許文献2に記載された発明とは異なるが、先に考えた、車体側ブラケット10aと係止カプセル11aとの係合部を幅方向中央部の1箇所にのみ設けた構造の第1例を示している。この先発明に係る構造の第1例では、ステアリングホイール1(図17参照)の上下位置を調節する為のチルト機構と、同じく前後位置を調節する為のテレスコピック機構との両方を備えている。このうちのテレスコピック機構を構成する為に、ステアリングコラム6aを、前側のインナコラム15の後部を後側のアウタコラム16の前部に内嵌して全長を伸縮可能とした、テレスコープ状のものを使用している。そして、前記ステアリングコラム6aの内径側にステアリングシャフト5aを、回転自在に支持している。
前記ステアリングシャフト5aは、前側に配置した円杆状のインナシャフトの後部に設けた雄スプライン部と、後側に配置した円管状のアウタシャフト17の前部に設けた雌スプライン部とをスプライン係合させる事により、トルクの伝達を可能に、且つ、伸縮を可能に構成している。前記アウタシャフト17は、後端部を前記アウタコラム16の後端開口よりも後方に突出させた状態でこのアウタコラム16の内径側に、単列深溝型の玉軸受18等、ラジアル荷重及びスラスト荷重を支承可能な軸受により、回転のみ可能に支持している。前記ステアリングホイール1は、前記アウタシャフト17の後端部に支持固定する。このステアリングホイール1の前後位置を調節する際には、このアウタシャフト17と共に前記アウタコラム16が前後方向に変位し、前記ステアリングシャフト5a及び前記ステアリングコラム6aが伸縮する。
又、このステアリングコラム6a(を構成する前記インナコラム15)の前端部に、電動式パワーステアリング装置を構成する減速機等を収納する為のハウジング19を、結合固定している。このハウジング19の上面には、前記電動式パワーステアリング装置の補助動力源となる電動モータ20と、この電動モータ20への通電を制御する為の制御器21とを支持固定している。そして、前記チルト機構を構成する為に、前記ハウジング19を車体に対し、横軸を中心とする揺動変位を可能に支持している。この為に本例の場合には、前記ハウジング19の上部前端に支持筒22を、左右方向に設けている。そして、この支持筒22の中心孔23に挿通したボルト等の横軸により、前記ステアリングコラム6aの前端部を前記車体に対し、このステアリングコラム6aの後部を昇降させる方向の揺動変位を可能に支持している。
又、前記ステアリングコラム6aの中間部乃至後部を構成する、前記アウタコラム16の前半部の内径を、弾性的に拡縮可能としている。この為に、このアウタコラム16の下面にスリット24を、軸方向に形成している。このスリット24の前端部は、このアウタコラム16の前端縁、又は、このアウタコラム16の前端寄り部分の上端部を除いた部分に形成した周方向透孔25(後述する図24参照)に開口させている。又、前記スリット24を幅方向両側から挟む部分に、それぞれが厚肉平板状の1対の被支持板部26、26を設けている。これら両被支持板部26、26が、前記ステアリングホイール1の位置調節時に、前記アウタコラム16と共に変位する、変位側ブラケットとして機能する。
図示の先発明に係る構造の場合、前記両被支持板部26、26をコラム側ブラケット13aに対し、上下位置及び前後位置の調節を可能に支持している。このコラム側ブラケット13aは、通常時には車体に対し支持されているが、衝突事故の際には、二次衝突の衝撃に基づいて、前方に離脱し、前記アウタコラム16の前方への変位を許容する様にしている。この為に、前記コラム側ブラケット13aを車体側ブラケット10aに対し、二次衝突時に加わる衝撃荷重により、前方への離脱を可能に支持している。
前記チルト機構及び前記テレスコピック機構の調節部は、前記両被支持板部26、26を、前記コラム側ブラケット13aを構成する左右1対の支持板部27、27で挟持する事により構成している。これら両支持板部27、27には、前記支持筒22を車体に対し支持した横軸を中心とする部分円弧形の上下方向長孔28を、前記両被支持板部26、26には、前記アウタコラム16の軸方向に長い前後方向長孔29を、それぞれ形成している。そして、これら各長孔28、29に調節ロッド30を挿通している。この調節ロッド30の基端部(図19の右端部)に設けた頭部31は、一方(図19の右方)の支持板部27に形成した上下方向長孔に、この上下方向長孔に沿った変位のみを可能に(回転を阻止した状態で)係合させている。これに対して、前記調節ロッド30の先端部(図19の左端部)に螺着したナット32と他方(図19の左方)の支持板部27の外側面との間に、駆動側カム33と被駆動側カム34とから成るカム装置35を設けている。そして、このうちの駆動側カム33を、調節レバー36により回転駆動可能としている。
前記ステアリングホイール1の位置調節を行う際には、前記調節レバー36を所定方向(下方)に回動させる事により前記駆動側カム33を回転駆動し、前記カム装置35の軸方向寸法を縮める。そして、前記被駆動側カム34と前記頭部31との、互いに対向する内側面同士の間隔を拡げ、前記両支持板部27、27が前記両被支持板部26、26を抑え付けている力を解放する。同時に、前記アウタコラム16の前部で前記インナコラム15の後部を内嵌した部分の内径を弾性的に拡げ、これらアウタコラム16の前部内周面とインナコラム15の後部外周面との当接部に作用している面圧を低下させる。この状態で、前記調節ロッド30が前記上下方向長孔28と前記前後方向長孔29との間で変位できる範囲で、前記ステアリングホイール1の上下位置及び前後位置を調節できる。
このステアリングホイール1を所望位置に移動させた後、前記調節レバー36を前記所定方向とは逆方向(上方)に回動させる事により、前記カム装置35の軸方向寸法を拡げる。そして、前記被駆動側カム34と前記頭部31との、互いに対向する内側面同士の間隔を縮め、前記両支持板部27、27により前記両被支持板部26、26を強く抑え付ける。同時に、前記アウタコラム16の前部で前記インナコラム15の後部を内嵌した部分の内径を弾性的に縮め、これらアウタコラム16の前部内周面とインナコラム15の後部外周面との当接部に作用している面圧を高くする。この状態で、前記ステアリングホイール1の上下位置及び前後位置が調節後の位置に保持される。
尚、本例の場合には、前記ステアリングホイール1を調節後の位置に保持する為の保持力を高くする為に、前記両支持板部27、27の内側面と前記両被支持板部26、26の外側面との間に、それぞれ摩擦板ユニット37、37を挟持している。これら両摩擦板ユニット37、37は、前記上下方向長孔28と整合する長孔を形成した1乃至複数枚の第一摩擦板と、前記前後方向長孔29と整合する長孔を形成した1乃至複数枚の第二摩擦板とを交互に重ね合わせたもので、摩擦面積を増大させ、前記保持力を高くする役目を有する。この様な摩擦板ユニット37、37の具体的な構造及び作用に就いては、例えば特許文献3、4に記載される等により従来から知られており、本発明の要旨とも関係しないので、詳しい図示並びに説明は省略する。
更に、前記コラム側ブラケット13aは、前記車体側ブラケット10aに対し、二次衝突の衝撃荷重により前方に離脱はするが、二次衝突が進行した状態でも脱落しない様に支持している。前記車体側ブラケット10aは、車体側に支持固定されて、二次衝突時にも前方に変位する事がないもので、鋼板等の十分な強度及び剛性を有する金属板に、プレスによる打ち抜き加工及び曲げ加工を施す事により造っている。この様な車体側ブラケット10aは、両側縁部及び後端縁部を下方に折り曲げる事で曲げ剛性を向上させており、幅方向中央部に前端縁側が開口した係止切り欠き38を、後部のこの係止切り欠き38を左右両側から挟む後部両側位置に1対の取付孔39、39を、それぞれ形成している。前記係止切り欠き38は、前記係止カプセル11aにより覆われた、前記車体側ブラケット10aの後端部近傍まで形成している。この様な前記車体側ブラケット10aは、前記両取付孔39、39を挿通したボルト若しくはスタッドにより、車体に対し支持固定される。
上述の様な車体側ブラケット10aに対して前記コラム側ブラケット13aを、前記係止カプセル11aを介して、二次衝突時に前方への離脱を可能に結合している。この係止カプセル11aは、軟鋼等の鉄系合金に鍛造加工等の塑性加工を施したり、アルミニウム系合金、マグネシウム系合金等の軽合金をダイキャスト成形する事により、或いは、ポリアセタール等の高強度の高機能樹脂を射出成形する事により、図21に示す様な形状に、一体に造っている。そして、左右方向に関する幅寸法、並びに、前後方向に関する長さ寸法を、下半部に比べ上半部で大きくして、前記係止カプセル11aの左右両側面及び後側面の上半部に、両側方及び後方に突出する鍔部40を設けている。この様な係止カプセル11aは、下半部を前記係止切り欠き38に係合(内嵌)した状態で、前記車体側ブラケット10aに対し、二次衝突時に加わる衝撃荷重に基づいて前方への離脱を可能に支持している。この為に、前記鍔部40と、前記車体側ブラケット10aの一部で前記係止切り欠き38の周縁部との、互いに整合する複数箇所(図示の例では8箇所ずつ)に、それぞれ小通孔41a、41bを形成している。そして、これら各小通孔41a、41b同士の間に、それぞれ係止ピン42、42を掛け渡している。これら各小通孔41a、41bのうち、前記係止カプセル11aの側に形成した小通孔41a、41aが特許請求の範囲中の変位側容積部に、車体側ブラケット10aの側に形成した小通孔41b、41bが同じく固定側容積部に、それぞれ対応する。
前記各係止ピン42、42は、前記各小通孔41a、41bを整合させた状態でこれら各小通孔41a、41b内に合成樹脂を注入する(インジェクション成形する)事により、これら各小通孔41a、41b同士の間に掛け渡す。この状態で、前記各係止ピン42、42を構成する合成樹脂材料の一部が、前記車体側ブラケット10aの上下両面と、相手面である、前記鍔部40の下面及び前記コラム側ブラケット13aの上面との間に入り込む。そして、これら各面同士の間に存在する微小隙間に拘らず、前記車体側ブラケット10aに対する前記コラム側ブラケット13aの取付部のがたつきを解消する。尚、図21には、明りょう化の為に、前記がたつきの原因となる隙間の高さを、実際よりも大きく描いている。上述の様に前記各小通孔41a、41b同士の間に前記各係止ピン42、42を掛け渡す事により、前記係止カプセル11aを前記車体側ブラケット10aに対し、二次衝突時に加わる衝撃荷重により前方への離脱を可能に支持する。尚、図18〜21に示した構造の場合には、前記鍔部40の下面と前記コラム側ブラケット13aの上板部43の上面との間部分が、前記車体側ブラケット10aの一部で前記係止切り欠き38の周縁部を係止する為の係止溝49、49となる。前記上板部43は、前記コラム側ブラケット13aを構成する左右1対の支持板部27、27の上端縁同士を連続させる状態で設けられている。
上述の様な係止カプセル11aは前記コラム側ブラケット13aに対し、複数本(図示の例では3本)のボルト44、44とナット45、45とにより、前記衝撃荷重に拘らず非分離な状態で、結合固定している。即ち、前記係止カプセル11a及び前記コラム側ブラケット13aの互いに整合する位置に形成した通孔を下方から挿通した、前記各ボルト44、44の先端部(上端部)で前記係止カプセル11aの上面から突出した部分に、前記各ナット45、45を螺合し更に締め付ける事で、前記係止カプセル11aと前記コラム側ブラケット13aとを結合固定している。従って、二次衝突時に前記アウタコラム16からこのコラム側ブラケット13aに伝わった前記衝撃荷重は、そのまま前記係止カプセル11aに伝わり、前記各係止ピン42、42の裂断に伴ってこの係止カプセル11aが前方に変位するのと同期して、前記アウタコラム16も前方に変位する。
この様に、二次衝突時にこのアウタコラム16と共に前方に変位する、前記係止カプセル11aを係止した、前記係止切り欠き38の前後方向に関する長さL38は、この係止カプセル11aの同方向の長さL11よりも十分に大きい(L38≫L11)。先発明に係る構造の場合には、前記係止切り欠き38の長さL38を、前記係止カプセル11aの長さL11の2倍以上(L38≧2L11)確保している。そして、二次衝突時に前記アウタコラム16と共に前記係止カプセル11aが前方に変位し切った(ステアリングホイール1から加わった衝撃荷重では、それ以上前方に変位しなくなった)状態でも、この係止カプセル11aを構成する前記鍔部40の少なくとも後端部で、前記ステアリング6a及び前記コラム側ブラケット13a等の重量を支承可能な部分が、前記係止切り欠き38から抜け切らない様にしている。即ち、二次衝突が進行した状態でも、前記係止カプセル11aの上半部の幅方向両側部分に形成した前記鍔部40のうちの後端部が、前記車体側ブラケット10aの前端部の上側に位置して、前記係止カプセル11aが脱落するのを防止できる様にしている。
上述の様に構成する先発明に係るステアリングコラム用支持装置によれば、二次衝突時に前記ステアリングホイール1を前方に安定して変位させる為のチューニングが容易で、しかも、二次衝突が進行した状態でも前記ステアリングホイール1が過度に下降する事を防止できる。
先ず、二次衝突時にステアリングホイール1を前方に安定して変位させる為のチューニングの容易化は、前記車体側ブラケット10aと前記係止カプセル11aとを、この車体側ブラケット10aの幅方向中央部のみで係合させる事により図れる。即ち、前記単一の係止カプセル11aを、前記アウタコラム16の直上部分に配置している為、二次衝突時に前記ステアリングホイール1から前記アウタシャフト17及び前記アウタコラム16を通じて前記係止カプセル11aに伝わった衝撃荷重が、この係止カプセル11aと前記車体側ブラケット10aとを結合している、前記各係止ピン42、42に、ほぼ均等に加わる。そして、前記単一の係止カプセル11aと前記車体側ブラケット10aとを結合している前記各係止ピン42、42が、実質的に同時に裂断する。この結果、前記コラム側ブラケット13a等を介して前記係止カプセル11aと結合された前記アウタコラム16の前方への変位が、中心軸の傾斜角度を過度に変化させる事無く、安定して行われる。
更に、二次衝突が進行した状態でも前記ステアリングホイール1が過度に下降するのを防止する事は、前記係止切り欠き38の前後方向長さL38を前記係止カプセル11aの前後方向の長さL11よりも十分に大きくしている事により図れる。即ち、これら両長さL38、LL11をこの様に規制している為、二次衝突が進行し、前記ステアリングホイール1と共に、前記係止カプセル11aが前方に変位し切った状態でも、この係止カプセル11a全体が前記係止切り欠き38から前方に抜け出る事はない。この為、二次衝突が進行した状態でも、前記アウタコラム16の支持力を確保して、このアウタコラム16、及び、前記アウタシャフト17を介してこのアウタコラム16に支持された、前記ステアリングホイール1が、過度に下降する事を防止できる。そして、事故の程度によっては、二次衝突後にも、前記ステアリングホイール1の操作を可能にして、事故車両を路肩に退避させる等の処置を行い易くできる。
次に、図22は、先発明に係る構造の第2例を示している。本例の構造に組み込む係止カプセル11bは、十分な強度及び剛性を有する金属板を曲げ形成して成るもので、基板部46と、左右1対の立ち上がり部47、47と、左右1対の庇部48、48とを備える。このうちの基板部46は、平板状である。又、前記両立ち上がり部47、47は、この基板部46の幅方向両端部から上方に、ほぼ直角に折れ曲がっている。更に、前記両庇部48、48は、前記両立ち上がり部47、47の上端から互いに反対方向に、ほぼ直角に折れ曲がっている。前記両庇部48、48の下面と前記基板部46の下面との間に存在する段差の高さHは、車体側ブラケット10aを構成する金属板の厚さTと同じか、この厚さTよりも僅かに大きく(H≧T)している。
この様な本例の構造の場合には、前記両庇部48、48の下面とコラム側ブラケット13aの上板部43の上面との間部分が、車体側ブラケット10aの一部で係止切り欠き38の幅方向両端縁部を係止する為の係止溝49a、49aとなる。本例の場合には、この様な係止カプセル11bをコラム側ブラケット13aの上板部43に対し、円板状の頭部50を有するボルト44a、44aとナット45、45とにより結合固定している。これら各ボルト44a、44aの頭部50、50及び前記係止カプセル11bの厚さ(上下方向寸法)が小さい分、上述した先発明に係る構造の第1例に比べ、組立高さの増大を抑えられて、小型・軽量化を図れる。
次に、図23〜26は、先発明の構造の第3例を示している。本例の構造の場合には、係止カプセル11cとコラム側ブラケット13aとを、炭素鋼板等、互いに溶接可能で、しかも十分な強度及び剛性を確保できる、同種の金属板により造っている。又、前記係止カプセル11cの形状に関しては、ボルト44a、44a(図21参照)を挿通する為の通孔を設けていない点以外は、上述した先発明に係る構造の第2例に組み込むものと同様である。
本例の場合に前記係止カプセル11cは、基板部46を前記コラム側ブラケット13aの上板部43に重ね合わせた状態で、この上板部43の上面に、溶接51、51により固定している。この様にこの上板部43の上面に前記係止カプセル11cを溶接固定した状態で、この上板部43の上面両端寄り部分とこの係止カプセル11cの幅方向両端部に設けた庇部48、48の下面との間に、車体側ブラケット10aを構成する金属板の一部で、係止切り欠き38の幅方向両端縁部を挿入可能な係止溝49b、49bが形成される。そこで、これら両係止溝49b、49bに、前記金属板のうちで前記係止切り欠き38の幅方向両端縁部を挿入し、前記両庇部48、48と、前記金属板のうちで前記係止切り欠き38の幅方向両端縁部とを重ね合わせた状態で、この重なり合った部分に互いに整合する状態で設けられた小通孔41a、41b内に合成樹脂を射出成形して係止ピン42、42を構成する。この状態で、前記係止カプセル11c及び前記コラム側ブラケット13aが前記車体側ブラケット10aに対し、二次衝突時の衝撃荷重により、前方への離脱を可能に結合される。
上述の様に構成する本例の構造の場合には、それぞれが金属板製である、前記係止カプセル11cと前記コラム側ブラケット13aとを溶接51、51により結合固定する為、前述の図22に示した先発明の第2例の構造に対して、ボルト及びナットの存在に基づく組立高さの増大を抑えられて、より一層の小型・軽量化を図れる。又、ボルト及びナットが不要になる事に基づいて低コスト化を、小型化に基づいてステアリング装置設置部分の設計の自由度確保を、それぞれ図れる。
更には、図27〜29に示した先発明に係る構造の第4〜6例の様に、係止カプセル11d、11eの基板部46aの中央部に透孔52を形成し、この透孔52の内周縁の全部又は一部と、コラム側ブラケット13aの上板部43の上面との間に、それぞれ溶接51aを施す事もできる。このうちの図27に示した第4例の場合には、前記第3例の構造と同様に、前記基板部46aの前後両端縁に溶接51、51を施す事に加えて、前記透孔52の左右両内側縁にも溶接51aを施している。又、図28に示した第5例の場合には、前記基板部46aの後端縁には溶接を施さず、この後端縁を係止切り欠き38の奥端縁に突き当てる代わりに、前記透孔52の左右両内側縁に加えて、後端部内側縁にも溶接51aを施している。更に、図29に示した第6例の場合には、左右側方及び後方に突出する庇部48aを有する係止カプセル11eを使用し、この係止カプセル11eとコラムブラケット13aの上板部43とを、左右両側辺と後端辺との3辺で、それぞれ係止ピン42、42により結合している。溶接51、51aは、基板部46aの前端縁と、前記透孔52の左右両内側縁及び後端部内側縁と前記上板部43の上面との間に施している。
尚、それぞれが金属板製である、コラム側ブラケット13aの上板部43と係止カプセル11b、11c、11d、11eとを結合固定する為の手段は、ボルト・ナットや溶接に限るものではない。リベットによったり(後述する本発明の実施の形態の第2例を示す図9参照)、バーリングかしめによったり(後述する本発明の実施の形態の第2例を示す図10参照)、図30に示す様にクリンチングによったり、図31に示す様にセルフピアスリベット53によったりする事もできる。
ところで、運転者にとって操作感の良好なステアリング装置を実現する為には、車体側ブラケット10aに対するコラム側ブラケット13a(例えば図18〜21参照)の支持剛性を高くする事が好ましい。この理由は、この支持剛性が低いと、運転者がステアリングホイール1(図17参照)を操作する際に、前記コラム側ブラケット10aに支持されたステアリングコラム6a(例えば図18〜20参照)が変位し易い為である。このステアリングコラム6aが変位すると、軸受及びステアリングシャフト5a(例えば図18〜19参照)を介して前記ステアリングコラム6aに支持された、前記ステアリングホイール1を操作する運転者に違和感を与える。
例えば前述の図18に示した構造で、前記車体側ブラケット10aに対する前記コラム側ブラケット13aの支持剛性を高くする為には、このコラム側ブラケット13aの上板部43の上面と前記車体側ブラケット10aの下面との間の微小隙間内に、前記各係止ピン42、42を構成する合成樹脂を確実に浸透させる事が有効である。この微小隙間を合成樹脂により塞ぎ、この微小隙間の存在により前記両ブラケット10a、13a同士が変位する事を阻止すれば、前記支持剛性を向上させる事ができる。但し、合成樹脂は弾性を有する為、合成樹脂が前記微小隙間に浸透した場合であっても、前記両ブラケット10a、13aの幅方向両端部に存在する合成樹脂のピッチ(スパン)が短いと、前記支持剛性を確保する面からは不利である。
一方、前記車体側ブラケット10aに対する前記コラム側ブラケット13aの支持剛性を高くする為に従来は、この車体側ブラケット10aの下面と、このコラム側ブラケット13aを構成する上板部43の上面とを当接させていた。これら両面同士の間に前記合成樹脂を浸透させる為、これら両面同士の間に積極的に隙間を設ける事は行われていなかった。勿論、それぞれが金属板製である、前記車体側ブラケット10aの下面と前記上板部43の上面とを隙間なく当接させる事ができれば、前記支持剛性を十分に確保できる。但し、実際の場合には、前記両面を完全な平坦面とする事は難しく、これら両面を付き合わせた状態でも、これら両面同士の間に僅かな隙間が形成され、この隙間に基づいて、前記支持剛性が低下する事がある。この隙間に前記合成樹脂が確実に浸透すれば、この支持剛性を確保できるが、この隙間は小さく、且つ、不安定である(形状及び厚さが一定しない)為、この隙間に前記合成樹脂を確実に浸透させる事が難しいだけでなく、浸透したか否かを確認する事も難しい。
更に、前記隙間の形成状態によっては、前記車体側ブラケット10aの下面と前記上板部43の上面と間に前記合成樹脂の薄膜が、ほぼ全面に亙って存在する状態になり、前記車体側ブラケット10aと前記コラム側ブラケット13aとを絶縁する可能性がある。これら両ブラケット10a、13aは、このコラム側ブラケット13a側(ステアリングホイール1部分を含む)に設ける各種スイッチ類の為のアース回路として通電状態を維持する事が、別途アース回路を設ける必要をなくす面から好ましい。この様な要求に対して従来構造の場合には、前記両ブラケット10a、13a同士が絶縁状態になる、不良品発生の可能性を否定できず、歩留り確保の面から不利であった。
特開2010−13010号公報 実開昭51−121929号公報 特開2007−69821号公報 特開2008−100597号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、車体側ブラケットに対するコラム側ブラケットの支持剛性を、安定して十分に大きくでき、しかもこれら両ブラケット同士の通電状態を確保できる構造を実現すべく発明したものである。
本発明のステアリングコラムの支持装置及びその製造方法のうち、請求項1に記載したステアリングコラムの支持装置の発明は、前述した従来若しくは先発明に係るステアリングコラムの支持装置と同様に、ステアリングコラムと、車体側ブラケットと、係止切り欠きと、コラム側ブラケットと、係止カプセルと、複数個の連結部材とを備える。そして、前記コラム側ブラケットを前記車体側ブラケットに対し、二次衝突時に前方に離脱を可能に支持している。
このうちの係止切り欠きは、前記車体側ブラケットの前端縁側が開口した切り欠き、或いは、二次衝突が進行した状態に於いても、前記係止カプセルの前端縁が、その内周縁のうちの前端側部分に接触しないだけ軸方向に長い透孔とする。
特に、本発明のステアリングコラム用支持装置に於いては、前記車体側ブラケットの下面と前記コラム側ブラケットの上面との間の、幅方向に離隔した少なくとも2箇所位置に、弾性を有する金属板製の突っ張り板を挟持している。そして、これら各突っ張り板の厚さ方向の寸法を弾性的に縮めた状態で、前記係止カプセルを前記コラム側ブラケットに対し支持固定している。
この様な本発明を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した発明の様に、幅方向に離隔した2箇所位置に配置された1対の突っ張り板同士を、少なくとも前後両端部同士で連結部により連結して、一体構造とする。
又、上述の請求項1〜2に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項3に記載した発明の様に、前記係止カプセルのうちで前記車体側ブラケットの一部と厚さ方向に重畳する部分に形成された変位側容積部と、前記車体側ブラケットのうちでこの変位側容積部に整合する部分に設けられた固定側容積部とを備える。そして、前記各連結部材を、これら変位側、固定側両容積部同士の間に掛け渡される状態で射出成形された合成樹脂製の係止ピンとする。
又、この様な請求項3に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項4に記載した発明の様に、前記係止カプセルの下面と前記コラム側ブラケットの上面との間に存在する隙間内に、前記各係止ピンを構成する合成樹脂の一部を入り込ませる。
又、この様な請求項4に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項5に記載した発明の様に、前記車体側ブラケットの下面と前記コラム側ブラケットの上面とのうちに少なくとも一方の面に、一端を前記固定側容積部に通じさせると共に、他端を前記車体側ブラケットの下面と前記コラム側ブラケットの上面とが対向している部分よりも外部空間側に開口する凹部を形成する。そして、前記連結部材を構成する合成樹脂の一部を、この凹部を通じて前記外部空間側に露出させる。
更に、この様な請求項5に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項6に記載した発明の様に、前記車体側ブラケットの複数箇所に設けた各固定側容積部のうちの少なくとも一部の固定側容積部を、前記係止切り欠きの内周縁に開口する切り欠き部とする。そして、前記連結部材を構成する為にこの切り欠き部に送り込まれた合成樹脂の一部を、前記係止切り欠きの内周縁と前記係止カプセルの一部外周縁との間に入り込ませる。
又、請求項7に記載したステアリングコラム用支持装置の製造方法の発明は、塞ぎ治具を前記車体側ブラケットの下面と前記コラム側ブラケットの上面との突き合わせ部に押し付けて、前記凹部の外部空間側開口を塞ぐと共に、このコラム側ブラケットの上面と前記車体側ブラケットの下面とを離隔させる方向に、これら両ブラケットのうちの少なくとも一方のブラケットを、前記突っ張り板を厚さ方向に弾性変形させたままの状態(この突っ張り板の上下両面と、前記コラム側ブラケットの上面及び前記車体側ブラケットの下面とが弾性的に当接したままの状態)に維持できる範囲で弾性変形させる。そして、この状態で、前記変位側、固定側両容積部に合成樹脂を射出成形した後、前記塞ぎ治具を退避させて、この合成樹脂の一部を前記車体側ブラケットの下面と前記コラム側ブラケットの上面との間で弾性的に挟持する。
上述の様に構成する本発明のステアリングコラムの支持装置及びその製造方法によれば、車体側ブラケットに対するコラム側ブラケットの支持剛性を、安定して十分に大きくでき、しかもこれら両ブラケット同士の通電状態を確保できる構造を実現できる。即ち、本発明のステアリングコラムの支持装置の場合には、幅方向に離隔した少なくとも2箇所位置に挟持した突っ張り板の存在により、前記車体側ブラケットの下面と前記コラム側ブラケットの下面との間に存在する隙間に拘らず、これら両ブラケット部同士の結合部の剛性を十分に確保できる。又、金属板製である前記突っ張り板が、これら両ブラケットの上下面に弾性的に確実に当接する事により、これら両ブラケット同士の間の通電状態を確実に維持できる。幅方向に離隔した2箇所位置に設置する前記突っ張り板は、互いに独立したものを1対設けても良いが、請求項2に記載した発明の様に一体構造とすれば、前記突っ張り板の取り扱い性を向上させて、ステアリングコラムの支持装置の組立作業性を良好にできる。
又、本発明を実施する場合、請求項3に記載した発明の様に、各連結部材を合成樹脂製の係止ピンとし、更に請求項4に記載した発明の様に、この合成樹脂を前記係止カプセルの下面と前記コラム側ブラケットの上面との間の隙間内に入り込ませれば、前記両ブラケット同士の結合部の剛性をより高くできる。この場合に於いて、請求項5に記載した発明の様に、前記各係止ピンを構成する合成樹脂の一部を、凹部を通じて外部空間側に露出させれば、前記合成樹脂の一部が、前記凹部を通じて外部空間側に露出しているか否かを、目視等で確認する事により、前記合成樹脂が前記隙間に浸透したか否かを確認して、前記支持剛性の確保を安定させる事ができる。又、前記凹部を設ける事により、前記両ブラケットの幅方向両端部に存在する合成樹脂のスパンを長くできるので、前記支持剛性を確保し易い。又、請求項6に記載した発明によれば、前記車体側ブラケットに形成した係止切り欠きの内側縁と前記係止カプセルの外側縁とが直接擦れ合う事を防止できて、二次衝突時に於ける、前記コラム側ブラケットの前方への離脱を安定させて行える。
更に、本発明のステアリングコラムの支持装置の製造方法によれば、前記隙間に前記合成樹脂をより確実に、且つ、十分に浸透させる事ができる。そして、塞ぎ治具を退避させて前記合成樹脂の一部を前記車体側ブラケットの下面と前記コラム側ブラケットの上面との間で弾性的に挟持した状態では、前記合成樹脂による、これら両ブラケット同士の結合部の剛性(変位しにくさ)を十分に高くできる。
本発明の実施の形態の第1例を示す、図21と同様の断面図。 図1のa−a断面図。 組立途中の状態を示す、図2と同様の図。 突っ張り板構造体を示す、斜め上方から見た斜視図(A)と、平面図(B)と、(B)の側方から見た端面図(C)。 本発明の実施の形態の第2例を示す、車体側ブラケットとコラム側ブラケットとを係止カプセルを介して組み合わせた状態で、図8のb−b線に沿った断面で示す図。 車体側ブラケットのみを取り出して小通孔に合成樹脂を射出成形する以前の状態で示す、図5の右部拡大断面図。 図8のc−c線に沿った断面で示す、図5と同様の図。 車体側ブラケットの幅方向中央部を下方から見た図。 車体側ブラケットとコラム側ブラケットとに形成した小通孔に合成樹脂を射出成形して係止ピンとする状態の2例を示す、図5の右半部に相当する断面図。 本発明の実施の形態の第3例を示す、図1と同様の断面図。 同第4例を示す、図1の右部に相当する断面図。 同第5例を示す、図1と同様の断面図。 図12のd−d断面図。 組立途中の状態を示す、図13と同様の図。 本発明の実施の形態の第6例を示す、図1と同様の断面図。 突っ張り板構造体を示す、斜め上方から見た斜視図(A)と、平面図(B)と、(B)の側方から見た端面図(C)。 従来から知られているステアリングコラム用支持装置の1例を示す、部分切断側面図。 先発明に係る構造の第1例を、後上方から見た状態で示す斜視図。 同じく、一部を省略して後方から見た状態で示す正投影図。 同じく、図19の上方から見た状態で示す平面図。 図20の拡大e−e断面図。 先発明に係る構造の第2例を示す、図21と同様の図。 同第3例を示す、図18の中央部に相当する斜視図。 同じく側面図。 同じく平面図。 図25の拡大f−f断面図。 先発明に係る構造の第4例を示す、図23と同様の図。 同第5例を示す、図23と同様の図。 同第6例を示す、図23と同様の図。 クリンチングにより係止カプセルとコラム側ブラケットとを結合固定する状況を工程順に示す部分断面図(A)〜(D)と、(D)の要部拡大断面図(E)。 同じくセルフピアスリベットにより結合固定する状況を工程順に示す部分断面図。
[実施の形態の第1例]
図1〜4は、請求項1〜4に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例の特徴は、ステアリングコラムを支持する為のコラム側ブラケット13aに、係止カプセル11fを固定し、これらコラム側ブラケット13a及び係止カプセル11fを車体側ブラケット10aに対し、二次衝突時に前方への離脱を可能に支持する構造を前提として、これら車体側ブラケット10aとコラム側ブラケット13aとの結合部の剛性を高くする点にある。その他の部分の構造に関しては、前述の図22に示した先発明に係る構造の第2例と同様であるから、同等部分に関する説明は省略若しくは簡略にし、以下、本例の構造の特徴部分を中心に説明する。尚、本例の構造に組み込む、前記係止カプセル11fは、前述の図29に示した先発明構造の第6例に組み込む係止カプセル11eと同様に、左右側方及び後方に突出する庇部48aを有する。但し、基板部46には透孔52(図29参照)は設けず、後述するボルト44a、44aを挿通する為に、複数(本例の場合には3箇所)の通孔を形成している。
特に、本例の構造の場合には、前記コラム側ブラケット13aを構成する上板部43の上面と、前記係止カプセル11fを構成する基板部46及び前記車体側ブラケット10aの下面との間に、図4に示す様な突っ張り板構造体54を挟持している。この突っ張り板構造体54は、ステンレスのばね鋼板や燐青銅板の如く、耐食性及び弾性を有する、厚さが0.5mm以下(例えば0.2〜0.5mm程度)の金属薄板製で、それぞれが特許請求の範囲に記載した突っ張り板に相当する1対の突っ張り板部55、55と、取付板部56とを備える。これら両突っ張り板部55、55は、前後方向に亙り屈曲した波形で、厚さ方向に関する厚さtを大きくする方向の弾力を有する。又、前記取付板部56は平板状で、前記コラム側ブラケット13aと前記係止カプセル11fとを結合固定する為のボルト44a、44aを挿通する為、複数箇所(本例の場合には3箇所)に、通孔57、57を形成している。この様な取付板部56の左右両側縁部と前記両突っ張り板部55、55との間には、前後両端部を除き、スリット58、58を形成している。即ち、これら取付板部56と両突っ張り板部55、55とは、前後両端部でのみ連続している。更に、これら両突っ張り板部55、55の前後両端部は、それぞれ下方に向けほぼ直角に折り曲げて、それぞれ折り曲げ係止部59、59としている。
本例のステアリングコラムの支持装置は、上述の様な突っ張り板構造体54を、前記上板部43の上面と、前記基板部46及び前記車体側ブラケット10aの下面との間に挟持した状態で組み立てる。即ち、図3に示す様に、前記各ボルト44a、44aを設置した前記上板部43の上面に、前記突っ張り板構造体54と、前記車体側ブラケット10aと、前記係止カプセル11fとを下側から順番に重ね合わせる。この際、前記突っ張り板構造体54に形成した各通孔57、57、及び、前記係止カプセル11fの基板部46に形成した複数(本例の場合には3箇所)通孔に、前記各ボルト44a、44aを挿通する。又、この係止カプセル11fの庇部48a側に設けた小通孔41a、41aと、前記車体側ブラケット10a側に設けた小通孔41b、41bとを整合させる。更に、前記各折り曲げ係止部59、59を、前記上板部43の前後両端縁部に係合(当接乃至は近接対向)させる。そして、前記上板部43と、前記突っ張り板構造体54と、前記車体側ブラケット10aと、前記係止カプセル11fとを、上述の様に重ね合わせた後、前記各ボルト44a、44aの上端部にそれぞれナット45、45を螺合し、更に締め付ける。
前記各ナット45、45の締め付けに伴って、前記突っ張り板構造体54の幅方向両端部に設けた前記両突っ張り板部55、55が、前記上板部43の幅方向両端部上面と前記車体側ブラケット10aの下面との間で弾性的に押し潰される。この状態で、前記各小通孔41a、41bに合成樹脂を注入し固化させて(インジェクション成形して)、前記車体側ブラケット10aと前記係止カプセル11fとを結合する各係止ピン42、42を形成する。これら各係止ピン42、42を形成する際に、前記合成樹脂の一部が、前記両ブラケット10a、13a及び前記係止カプセル11f同士の間に存在する微小隙間内に入り込んで固化する。この状態で、本例のステアリングコラムの支持装置の組立が完了し、前記両突っ張り板部55、55が、前記上板部43の幅方向両端部上面と前記車体側ブラケット10aの下面との間で突っ張る。又、前記微小隙間内で固化した合成樹脂が、この微小隙間に基づく剛性の低下を抑える。この結果、前記車体側ブラケット10aと前記コラム側ブラケット13aとの結合部の剛性、特にモーメント剛性が向上する。
上述の様に本例のステアリングコラムの支持装置によれば、前記車体側ブラケット10aに対する前記コラム側ブラケット13aの支持剛性を、安定して十分に大きくでき、しかもこれら両ブラケット10a、13a同士の通電状態を確保できる。即ち、本例のステアリングコラムの支持装置の場合には、前記両突っ張り板部55、55が、幅方向に関して十分に離隔した、前記コラム側ブラケット13aを構成する上板部43の上面の両端部と前記車体側ブラケット10aの下面との間で突っ張る。しかも、これら両ブラケット13a、10a同士の間に存在する隙間のうちの相当部分は前記合成樹脂により塞がれており、この隙間の存在に基づく、前記両ブラケット13a、10a同士の結合部の剛性低下を抑えられる。この為、前記支持剛性を安定して十分に大きくできる。
又、金属板製である前記突っ張り板構造体54の幅方向両端部に設けた1対の突っ張り板部55、55が、前記両ブラケット13a、10aの上下面に対し、弾性的に確実に当接する。即ち、これら両突っ張り板部55、55の波形の頂部は、これら上下面に強く押し付けられた状態にある為、前記各係止ピン42、42の射出成形時に前記微小隙間に入り込んだ合成樹脂により、前記上下面から離隔する事はなく、前記両ブラケット13a、10aと電気的に導通した状態のままとなり、これら両ブラケット13a、10a同士の間の通電状態を確実に維持できる。
[実施の形態の第2例]
図5〜9は、全請求項に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。上述した実施の形態の第1例の構造と本例の構造との相違は、コラム側ブラケット13aに固定した係止カプセル11fと車体側ブラケット10bとの間に係止ピン42、42を掛け渡すべく、この車体側ブラケット10bに設ける固定側容積部として、小通孔41b、41bに加えて切り欠き部60、60を設けた点と、前記車体側ブラケット10bの下面に、それぞれの一端を前記各小通孔41b、41b又は前記各切り欠き部60、60に通じさせた凹部61a、61bを形成した点にある。
本例の場合、前記車体側ブラケット10bの幅方向中央部に、前方(図8の下方)が開口した状態で形成した係止切り欠き38aの周囲部分乃至は内周縁部に、それぞれが固定側容積部である、前記各小通孔41b、41bと前記各切り欠き部60、60とを形成している。このうちの小通孔41b、41bは、前記車体側ブラケット10bの後端寄り部分の複数箇所(図示の例では4箇所)に、それぞれ前記係止切り欠き38aと独立した(前記車体側ブラケット10bを構成する金属板の一部により隔てられて、互いに通じていない)状態で形成している。一方、前記各切り欠き部60、60は、前記係止切り欠き38aの幅方向両端縁部に、それぞれ前後方向に離隔した複数箇所ずつ(図示の例では2箇所ずつ合計4箇所)に、それぞれ前記係止切り欠き38a側に開口する状態で形成している。
又、前記車体側ブラケット10bの下面に、前記各小通孔41b、41bと前記各切り欠き部60、60とを合計した数と同数(図示の例では8箇所)の凹部61a、61bを形成している。これら各凹部61a、61bは、それぞれの一端を、それぞれが固定側容積部である、前記各小通孔41b、41b又は前記各切り欠き部60、60に通じさせている。又、前記各凹部61a、61bの他端は、前記車体側ブラケット10bの下面と、前記コラム側ブラケット13aを構成する上板部43の上面とが対向している部分よりも外部空間側に開口する。このコラム側ブラケット13aは、左右1対の支持板部27、27の上端縁と前記上板部43の左右両端縁とを、断面円弧形の湾曲部62、62により連続させている。そして、前記両ブラケット10b、13a同士を組み合わせた状態で、前記両湾曲部62、62の上面は、このうちの車体側ブラケット10bの下面から離隔する。前記各凹部61a、61bの他端部は、前記両湾曲部62、62の上面に対向する部分に位置する事で、前記外部空間に露出している。この様に、前記各凹部61a、61bの他端部をこの外部空間に露出させる程度は、前記各係止ピン42a、42aを射出成形する際の注入圧、合成樹脂の粘度(温度)等の成形条件、この合成樹脂を前記外部空間に露出させようとする程度(突出量)等に応じて設計的に定める。尚、図8の鎖線αは、前記上板部43のうちで、前記両湾曲部62、62を除いた平坦部分、即ち、前記車体側ブラケット10bの下面に当接し得る部分の範囲を表している。
前記コラム側ブラケット13a及び前記係止カプセル11fは、前記上板部43の上面と、この係止カプセル11fの基板部46及び前記車体側ブラケット10bの下面との間に、前述の第1例の場合と同様、図4に示す様な突っ張り板構造体54を挟持した状態に組み合わせる。そして、この状態で複数本(図示の例の場合には3本)のボルト44a、44aとナット45、45とにより、前記コラム側ブラケット13aと前記係止カプセル11fとを結合固定する。更に、この状態で、この係止カプセル11fと前記車体側ブラケット10bとを、前記各係止ピン42、42により結合する。
これら各係止ピン42、42を形成するには、前記係止カプセル11fの庇部48aに形成した小通孔41a、41aと、前記車体側ブラケット10b側に形成した小通孔41b、41b及び前記各切り欠き部60、60とを整合させる。そして、前記庇部48aに形成した小通孔41a、41aの側から、これら各小通孔41a、41b及び切り欠き部60、60に、熱可塑性の合成樹脂を、加熱溶融した状態で注入(射出成形)する。この合成樹脂は、前記各通孔41a、41b及び前記各切り欠き部60、60内で固化して前記各係止ピン42、42を形成する他、前記突っ張り板構造体54の上下両面と前記車体側ブラケット10bの下面又は前記上板部43の上面との間に存在する微小隙間内に進入して固化し、この微小隙間のうちの多くの部分を塞ぐ。
上述の様に前記各係止ピン42、42を射出成形する際には、必要に応じて、前記車体側ブラケット10bの下面と前記湾曲部62の上面との間に存在する隙間の、外部空間側の開口を塞ぎ、前記各凹部61a、61bを通じてこの外部空間側に、過剰の合成樹脂が流失しない様にする。この為に、例えば図9の(A)に示す様に、先端部に直角な角部を備えた突っ張り板構造体63を、前記車体側ブラケット10bの下面と前記コラム側ブラケット13aの支持板部27の上端部外側面とに突き当てる事により、前記隙間の外部空間側の開口を塞ぐ。この状態で前記各小通孔41a、41b及び前記各切り欠き部60、60に合成樹脂を注入すれば、この合成樹脂が前記外部空間側に過剰に流失する事を防止して、材料の歩留り悪化を図れる。又、図9の(B)に示す様に、先端部を断面円弧状の曲面部とした塞ぎ治具63aを、前記車体側ブラケット10bの下面と前記コラム側ブラケット13aのうちで前記湾曲部62の上面との突き合わせ部に押し付ける事もできる。
何れの塞ぎ治具63、63aを使用した場合でも、上述の様にして、前記各小通孔41a、41b及び切り欠き部60、60に注入された合成樹脂は、これら各小通孔41a、41b及び切り欠き部60、60内で冷却・固化されて、前記各係止ピン42、42となる。この状態で、前記コラム側ブラケット13a及び前記係止カプセル11fが前記車体側ブラケット10bに対し、二次衝突時に加わる衝撃荷重に基づいて、前方への離脱を可能に支持される。又、前記各係止ピン42、42を構成する合成樹脂の一部が、前記各凹部61a、61b内に進入し、これら各凹部61a、61bを通じて、外部空間側に露出する。又、前記各切り欠き部60、60内に進入した合成樹脂の一部は、図7に示す様に、これら各切り欠き部60、60の開口端にまで達し、更に、前記係止カプセル11fを構成する左右1対の立ち上がり部47、47の外側面と、前記車体側ブラケット10bの係止切り欠き38a(図5、8、9参照)の内側縁との間の隙間内にまで進入する。
上述の様に本例のステアリングコラムの支持装置の場合には、前記各係止ピン42、42を構成する合成樹脂の一部が、前記各凹部61a、61bを通じて外部空間側に露出する。そして、この様に外部空間側に露出した合成樹脂の存在の有無は、目視、或いは接触式、非接触式のセンサ等により容易に確認できる。そして、この様な外部空間側に露出した合成樹脂の存在を確認できれば、前記各係止ピン42、42を構成する合成樹脂が、少なくとも前記各凹部61a、61b及びその近傍部分で、前記車体側ブラケット10bの下面と、前記コラム側ブラケット13aの上板部43の上面との間に浸透した状態である事が分かる。そして、この状態では、これら両ブラケット10b、13aが、互いに対向する面同士の間に存在する微小隙間に基づいて変位する事を抑えられる。従って、前記合成樹脂の一部が、前記各凹部61a、61bを通じて外部空間側に露出しているか否かを確認し、合成樹脂が外部空間に露出していない組み合わせを不良品として廃棄すれば、前記車体側ブラケット10bに対する前記コラム側ブラケット13aの支持剛性の確保を安定させる事ができる。
又、前記各凹部61a、61bのうち、前記庇部48aの幅方向両端部下面に対向する部分に設けられた凹部61a、61bは、前記各小通孔41b、41b及び前記各切り欠き部60、60から前記コラム側ブラケット13aの上板部43の幅方向端縁に向かう方向に形成している。従って、前記幅方向両端の凹部61a、61b内に形成された各係止ピン42、42を構成する合成樹脂が、前記上板部43の平坦部分の幅方向端縁にまで存在し、且つ、当該部分で、この上板部43の上面と前記車体側ブラケット10bの下面との間で挟持された状態となる。この為、この車体側ブラケット10bの下面と前記コラム側ブラケット13aの上面との間に存在する合成樹脂の、幅方向に関するスパンを長くできて、前記支持剛性を確保し易い。
又、前記塞ぎ治具63、63aを使用して前記各係止ピン42、42を射出成形する際に、この塞ぎ治具63、63aにより前記車体側ブラケット10bを押圧する力を適切に(或る程度大きく)する事により、この車体側ブラケット10bに対する前記コラム側ブラケット13aの支持剛性を、より一層高くできる。即ち、このコラム側ブラケット13aには、ステアリングコラム、ステアリングシャフト、ステアリングホイール、電動式パワーステアリング装置の構成部品等の重量が、図9の(A)(B)に矢印イで示す様に、下向きに加わる。そして、この重量に基づいて前記コラム側ブラケット13aが前記車体側ブラケット10bに対し、下方に変位する傾向になり、これら両ブラケット13a、10bの当接部の面圧、延いてはこれら両ブラケット13a、10bの結合部の剛性が低下し、走行時に加わる振動により、このうちのコラム側ブラケット13aが振動し、ステアリングホイールを操作する運転者に違和感を与え易くなる。そこで、前記各係止ピン42、42を射出成形する際に、前記コラム側ブラケット13aの変位を抑えた状態で、前記塞ぎ治具63、63aにより前記車体側ブラケット10bを、図9の(A)(B)の矢印ロで示す方向に押圧し、この車体側ブラケット10bと前記コラム側ブラケット13aとを、前記重量に基づく、前記矢印イ方向の変位に見合う変位以上に相対変位させた状態で、前記各係止ピン42、42の射出成形を行う。射出成形後、前記矢印ロ方向の力を解除すれば、前記両ブラケット13a、10bの弾性的復元に基づいてこれら両ブラケット13a、10bの結合部の剛性が、前記矢印イ方向の力に拘らず、十分に確保できる程度に向上する。
更に、本例の構造の場合には、前記各切り欠き部60、60から前記両立ち上がり部47、47の外側面と前記係止切り欠き38aの内側縁との間の隙間内にまで進入し固化した合成樹脂が、前記係止カプセル11fと前記車体側ブラケット10bとの結合部の、幅方向に関する剛性を向上させる。更に、前記隙間内で固化した合成樹脂が、前記外側面と前記係止切り欠き38aの内側縁とが直接擦れ合う事を防止する。この為、この内側縁が裂断面の如く、粗く、摩擦係数が大きい面であっても、二次衝突時に、前記係止カプセル11fが前記係止切り欠き38aから前方に抜け出易くできる。
[実施の形態の第3例]
図10は、請求項1〜5に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、複数本のリベット64、64により、係止カプセル11aとコラム側ブラケット13aとを結合している。この様な本例の構造を実現する為に好ましくは、このコラム側ブラケット13aを構成する上板部43を、自由状態で前記係止カプセル11aの下面中央部との間に隙間を生じる形状のものを使用する。そして、前記上板部43を上方に弾性変形させた状態で、前記各リベット64、64のかしめ付け作業を行う。この様にすれば、前記上板部43の弾性が、これら各リベット64、64のかしめ付け部の隙間をなくし、前記係止カプセル11aと前記コラム側ブラケット13aとの結合部のがたつきをなくせる。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例乃至は上述した実施の形態の第2例と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第4例]
図11は、請求項1〜5に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合には、塑性変形可能な金属材料製の係止カプセル11gの一部に、バーリング加工により形成した円筒部65(図11の鎖線βの左側部分)の先端寄り部分を径方向外方に塑性変形させて成るかしめ部66(この鎖線βの右側部分)により、前記係止カプセル11gとコラム側ブラケット13aとを結合固定している。
その他の部分の構成及び作用は、上述した実施の形態の第2例と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第5例]
図12〜16は、請求項1〜5に対応する、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例は、前述の図23〜25に示した先発明の第3例の構造に、本発明を適用した場合に就いて示している。この為に本例の場合には、弾性金属板製の突っ張り板構造体54aとして、図16に示す様に、左右1対の突っ張り板部55、55の前後両端部同士を、これら両突っ張り板部55、55に対し下方に向けほぼ直角に折れ曲がった前後1対の連結部67、67により連結した、四角枠状のものを使用している。
本例の構造の組み立てる場合には、図14に示す様に、コラム側ブラケット13aを構成する上板部43の上面に、前記突っ張り板構造体54aと、車体側ブラケット10aと、係止カプセル11cとを、下側から順番に重ね合わせる。この状態で、前記両連結部67、67を、前記上板部43の前後両端縁に係合(当接若しくは近接対向)させる。そして、前記両突っ張り板部55、55を押し潰しつつ、前記係止カプセル11cを前記上板部43に向け押し付けた状態のまま、これら係止カプセル11cの基板部46aと上板部43とを、溶接51、51により接合固定する。その後、この係止カプセル11cの庇部48、48と前記車体側ブラケット10aとの互いに整合する部分に形成した小通孔41a、41b同士の間に合成樹脂を送り込んで、係止ピン42、42を形成する。この状態で、前記コラム側ブラケット13aが前記車体側ブラケット10aに対し、二次衝突時の衝撃荷重により前方への離脱を可能に結合される。
コラム側ブラケット13aと係止カプセル11cとの結合部の構造が異なり、それに伴って前記突っ張り板構造体54aの形状を異ならせた点以外の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分に関する図示説明は省略する。
以上の説明は、車体側ブラケットとコラム側ブラケットとを、これら両ブラケットの中央部の1箇所にのみ設けた係止カプセルを介して結合する構造に本発明を適用した場合に就いて説明した。但し、本発明は、車体側ブラケットとコラム側ブラケットとを、これら両ブラケットの幅方向両端寄り部分の2箇所位置に設けた、1対の係止カプセルを介して結合する構造に適用する事もできる。又、各係止ピンを外部空間側に流出させる為の凹部を形成する面は、前記車体側ブラケットの下面に代えて、或いは、この車体側ブラケットの下面と共に、前記コラム側ブラケット(を構成する上板部)の上面とする事もできる。
1 ステアリングホイール
2 ステアリングギヤユニット
3 入力軸
4 タイロッド
5、5a ステアリングシャフト
6、6a ステアリングコラム
7 自在継手
8 中間シャフト
9 自在継手
10、10a、10b 車体側ブラケット
11、11a、11b、11c、11d、11e、11f、11g 係止カプセル
12 ボルト若しくはスタッド
13、13a コラム側ブラケット
14 取付板部
15 インナコラム
16 アウタコラム
17 アウタシャフト
18 玉軸受
19 ハウジング
20 電動モータ
21 制御器
22 支持筒
23 中心孔
24 スリット
25 周方向長孔
26 被支持板部
27 支持板部
28 上下方向長孔
29 前後方向長孔
30 調節ロッド
31 頭部
32 ナット
33 駆動側カム
34 被駆動側カム
35 カム装置
36 調節レバー
37 摩擦板ユニット
38、38a 係止切り欠き
39 取付孔
40 鍔部
41a、41b 小通孔
42 係止ピン
43 上板部
44、44a ボルト
45 ナット
46、46a 基板部
47 立ち上がり部
48、48a 庇部
49、49a、49b 係止溝
50 頭部
51、51a 溶接
52 透孔
53 セルフピアシングリベット
54、54a 突っ張り板構造体
55 突っ張り板部
56 取付板部
57 通孔
58 スリット
59 折り曲げ係止部
60 切り欠き部
61a、61b 凹部
62 湾曲部
63、63a 塞ぎ治具
64 リベット
65 円筒部
66 かしめ部
67 連結部

Claims (7)

  1. 内側にステアリングシャフトを回転自在に支持する為のステアリングコラムと、車体側に支持固定されて、二次衝突時にも前方に変位する事のない車体側ブラケットと、この車体側ブラケットの一部に形成された、この車体側ブラケットの軸方向に長い係止切り欠きと、前記ステアリングコラム側に支持されて、二次衝突時にこのステアリングコラムと共に前方に変位するコラム側ブラケットと、このコラム側ブラケットに固定された状態で、幅方向両端部を前記係止切り欠きに係止すると共に、幅方向両端部をこの係止切り欠きの幅方向両周縁部で前記車体側ブラケットの上側に位置させた係止カプセルと、これら車体側ブラケットと係止カプセルとの互いに厚さ方向に重畳する部分同士の間に掛け渡された、二次衝突時に加わる衝撃荷重により裂断する複数個の連結部材とを備え、前記コラム側ブラケットを前記車体側ブラケットに対し、二次衝突時に前方に離脱を可能に支持したステアリングコラム用支持装置に於いて、前記車体側ブラケットの下面と前記コラム側ブラケットの上面との間の、幅方向に離隔した少なくとも2箇所位置に、弾性を有する金属板製の突っ張り板を挟持し、これら各突っ張り板の厚さ方向の寸法を弾性的に縮めた状態で、前記係止カプセルを前記コラム側ブラケットに対し支持固定している事を特徴とするステアリングコラム用支持装置。
  2. 幅方向に離隔した2箇所位置に配置された1対の突っ張り板同士が、少なくとも前後両端部同士で連結部により連結されて、一体構造となっている、請求項1に記載したステアリングコラム用支持装置。
  3. 前記係止カプセルのうちで前記車体側ブラケットの一部と厚さ方向に重畳する部分に形成された変位側容積部と、前記車体側ブラケットのうちでこの変位側容積部に整合する部分に設けられた固定側容積部とを備え、前記各連結部材が、これら変位側、固定側両容積部同士の間に掛け渡される状態で射出成形された合成樹脂製の係止ピンである、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載したステアリングコラム用支持装置。
  4. 前記係止カプセルの下面と前記コラム側ブラケットの上面との間に隙間が存在しており、前記各係止ピンを構成する合成樹脂の一部がこの隙間内に入り込んでいる、請求項3に記載したステアリングコラム用支持装置。
  5. 前記車体側ブラケットの下面と前記コラム側ブラケットの上面とのうちに少なくとも一方の面に、一端を前記固定側容積部に通じさせると共に、他端を前記車体側ブラケットの下面と前記コラム側ブラケットの上面とが対向している部分よりも外部空間側に開口する凹部を形成し、前記各係止ピンを構成する合成樹脂の一部を、この凹部を通じて前記外部空間側に露出させた、請求項4記載したステアリングコラム用支持装置。
  6. 前記車体側ブラケットの複数箇所に設けた各固定側容積部のうちの少なくとも一部の固定側容積部が、前記係止切り欠きの内周縁に開口する切り欠き部であり、前記連結部材を構成する為にこの切り欠き部に送り込まれた合成樹脂の一部が、前記係止切り欠きの内周縁と前記係止カプセルの一部外周縁との間に入り込んでいる、請求項5に記載したステアリングコラム用支持装置。
  7. 請求項4〜6のうちの何れか1項に記載したステアリングコラム用支持装置の製造方法であって、塞ぎ治具を前記車体側ブラケットの下面と前記コラム側ブラケットの上面との突き合わせ部に押し付けて、前記凹部の外部空間側開口を塞ぐと共に、このコラム側ブラケットの上面と前記車体側ブラケットの下面とを離隔させる方向に、これら両ブラケットのうちの少なくとも一方のブラケットを、前記突っ張り板を厚さ方向に弾性変形させたままの状態に維持できる範囲で弾性変形させた状態で、前記変位側、固定側両容積部に合成樹脂を射出成形した後、前記塞ぎ治具を退避させて、この合成樹脂の一部を前記車体側ブラケットの下面と前記コラム側ブラケットの上面との間で弾性的に挟持する事を特徴とするステアリングコラム用支持装置の製造方法。
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