JP5369969B2 - 電源ノイズ測定回路および測定方法 - Google Patents
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Description
近年の高速化が進むLSI内の信号伝送において、高速化とともに小さくなるタイミングウィンドウに対して遅延変動分のマージンが拡大することは伝送実現の可否に多大なインパクトを及ぼすため、電源ノイズ量をいかに正確に把握できるかが重要なポイントとなる。
また、2003年のSymposium on VLSI Circuitsにおいて、Intel社は、図9に示すように、参照とする電源と測定対象とする電源との微小な変化分の抽出を行い、参照電圧との大小比較をした結果を見て、電源ノイズ量の測定を行う方式を提案している。
また、電源ノイズ測定回路は、動作率の高い論理回路の近傍へ配置することが望ましいが、電源ノイズ測定回路の面積が大きいと必ずしも望ましい位置に配置できるとは限らないという問題が生じる。
電源電圧の変動に応じた検出電流を生成する電圧変動検出部と、
クロックに基づいて単位期間を生成する単位期間生成部と、
前記単位期間ごとの検出電流量を計測する電流量計測部と、
前記電流量計測部にて計測された検出電流量を単位期間ごとにサンプリングするサンプリング部と、を備える
ことを特徴とする。
電源電圧の変動に応じた検出電流を生成し、
クロックに基づいて単位期間を生成し、
前記単位期間ごとの検出電流量を計測し、
前記計測された検出電流量を単位期間ごとにサンプリングする
ことを特徴とする。
(第1実施形態)
本発明の電源ノイズ測定装置に係る第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態の構成を示す図である。
電源ノイズ測定装置200は、電圧変動検出部210と、単位期間生成部220と、スイッチ手段230と、電流量計測部240と、サンプリング部250と、を備えている。
ここで、電源VDDは、LSIを構成する多数の半導体装置に動作電源を供給しているところ、半導体装置のスイッチング動作があると電源には電源ノイズが生じる。そして、電源VDDの電圧に変化があった場合、電圧変動検出部210は、電源の電圧変動に応じて変化する検出電流を出力する。
検出電流は、たとえば図2に示すように、電源電圧の変化に対して一次関数的に変化するようにしてもよい。
単位期間生成部220は、クロック信号のパルス数をカウントするカウンタであってもよく、あるいは、クロックを分周する分周回路であってもよい。
ここで、単位期間生成部220は、単位期間を計測し、一の単位期間が開始するときにスイッチ手段230を開にし、一の単位期間が終了するときにスイッチ手段230を閉にする。
また、単位期間生成部220は、一の単位期間が終了するときにサンプリング部250にセット信号を与える。
電流量計測部240は、電流蓄積部241と、蓄積量判定部242と、カウント部243と、を備える。
すなわち、スイッチ手段230が開のとき、検出電流Iは、電流蓄積部241に流入して電流蓄積部241に蓄積される(図1参照)。
一方、図3に示すように、スイッチ手段230が閉のとき、検出電流Iはスイッチ手段230を介して接地電源に流れるので電流蓄積部241には蓄積されない。
また、スイッチ手段230が閉のときには、電流蓄積部241に蓄積された電荷がスイッチ手段230を介して接地電源に流れ、電流蓄積部241の電荷蓄積がリセットされる。
ここで、カウント部243は、蓄積量判定部242からの判定信号を受信したときにクロックパルスの計数を開始する。そして、判定信号がLレベルに落ちると、カウント部243は計数値を0にリセットし、再び判定信号がHレベルになったときには0からカウントアップする。
ここで、サンプリング部250には、単位期間生成部220からセット信号が入力されており、このセット信号を受けたときにサンプリング部250はカウント部243のカウント値を取り込む。すなわち、単位期間生成部220は一の単位期間が終了するときにセット信号を出力するので、サンプリング部250は単位期間ごとにカウント部243のカウント値を取り込む。
単位期間生成部220にクロックが入力され、単位期間生成部220により単位期間が計測される。そして、単位期間の開始とともにスイッチ手段230を開にする。
電源ノイズの発生にともなって電源電圧が変動すると、電源電圧変動に応じた検出電流が電圧変動検出部210から出力される。
この検出電流は電流蓄積部241に蓄積されていく。
電流蓄積部241に電荷が蓄積されていき、蓄積電荷による電圧が蓄積量判定部242の閾値を超えると、蓄積量判定部242から判定信号が出力される。
この判定信号を受けると、カウント部243がクロックパルスのカウントを開始する。そして、一の単位期間が終了するときに単位期間生成部220からセット信号がサンプリング部250に与えられ、サンプリング部250はセット信号を受けてカウント部243のカウント値を取り込む。
また、単位期間生成部220は、一の単位期間が終了すると、スイッチ手段230を閉にする。すると、検出電流はスイッチ手段230を介して接地電源に流れるとともに、電流蓄積部241に蓄積された電荷も接地電源に流れる。
これにより、電流量計測部240がリセットされる。
このような単位期間ごとの計測動作を続け、サンプリング部250によって取得されたデータを並べると、たとえば図4のようになる。
たとえば、ある単位期間において電源電圧が基準より高くなるように電源ノイズが発生したとする。すると、検出電流が多くながれるので、電流蓄積部241に早く電荷がたまる。
電荷が早く蓄積すると、それだけカウント部243のカウント開始が早くなるので、カウント値が大きくなる。
電荷の蓄積が遅いと、それだけカウント部243のカウント開始が遅くなるので、カウント値が小さくなる。
このように、単位期間ごとのカウント値を取得していくことで電源ノイズの発生を測定することができる。
これらの解析値は、以後の回路設計時に有益な情報となる。
すなわち、図5において、コンパレータ回路310の一方の入力端子に電源ノイズ測定装置200による測定結果を入力する。
また、コンパレータ回路310の他方の入力端子には所定の閾値を入力する。そして、コンパレータ回路310は、電源ノイズのカウント値が前記閾値を超えた場合、制御回路(ステートマシン)320に比較結果を出力する。そして、制御回路320は、コンパレータ回路310による比較結果に応じて制御ステータスを変更し、たとえば、電源ノイズが多い場合には、命令発行制御部330からの命令発行をスローダウンさせる。
あるいは、負荷分散処理部340により負荷分散処理を実行させるようにする。
このようにすれば、電源ノイズの増減に応じて回路の動作速度を変更し、誤動作を防止することができる。
本第1実施形態の電源ノイズ測定装置200では、電源ノイズをセンスする部分である電圧変動検出部210は、そもそも電源の揺れを検知する箇所である。
また、他の回路部分はディジタル回路で構成できるので電源変動の影響を受けてもロジック動作への影響が小さい。すなわち、本実施形態の回路構成は電源ノイズの影響を受けにくい。したがって、本実施形態では従来例に見られるような大きなデカップリング容量やフィルタは必要ない。
その結果、本実施形態の電源ノイズ測定装置200の回路面積を小さくできる。
このように回路面積を小さくできることから、配置制約を受けなくなる。
これにより、ノイズ動作が大きいと予測される場所に本電源ノイズ測定装置200を配置するなど、所望の配置が可能になる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
第2実施形態の基本的構成は第1実施形態と同じであるが、より具体的な回路構成としたものである。
図6は、第2実施形態の構成を示す図である。
第2実施形態において、電圧変動検出部210はソースおよびゲートが電源に接続されたpMOSトランジスタPM1である。
電源電圧の変動に応じてpMOSトランジスタPM1からはリーク電流が流れる。
このリーク電流が検出電流となる。
単位期間生成部220は、クロックを分周する分周回路221と、分周回路221の出力信号を反転させるインバータ回路IV1と、を備える。
このインバータ回路IV1の出力がスイッチ手段230およびサンプリング部250に出力される。
電流蓄積部241は、nMOSトランジスタNM2で構成されるNウェル容量である。すなわち、nMOSトランジスタNM2のソースとドレインとが接続され、その接続点がアース(低電位側)に接続されている。また、nMOSトランジスタNM2のゲートは前記nod1に接続されている。
インバータ回路IV2の論理閾値が、前記の電圧閾値となる。
リーク電流は、Nウェル容量NM2へ蓄電されるが、スイッチトランジスタNM1がONの時は、GNDへ電流が流れるため、Nウェル容量NM2へは電荷が蓄積されない。
スイッチトランジスタNM1がOFFになると、Nウェル容量NM2に電荷が蓄積される。
Nウェル容量NM2が十分に充電されると、次段に配置されたインバーター回路IV2の論理閾値を超えた時点で、インバーター回路IV2の出力が反転する。すると、次段のインバーター回路IV3の出力が同様に変化し、最終的にカウント部243の入力にHigh入力が行われる。
カウント部243は入力がHighになると、カウント動作を開始し、入力がLowに落ちるまでカウント動作を継続する。すなわち、スイッチトランジスタNM1がONになるとカウント動作は停止する。
分周回路221からの分周クロック信号がLowからHighへと変化すると、インバータ回路IV1の出力がHighからLowへ変化する。
したがって、スイッチトランジスタNM1がOFFになり、リーク電流源PM1からNウェル容量NM2への充電が開始される。
同時に、このインバータ回路IV1からのHigh信号はサンプリング部250にセット信号として与えられる。すると、カウント部243の後段にあるサンプリング部250により、カウント部243のカウント値がサンプリングされる。
このとき、電圧変動検出部210、スイッチ手段230、電流蓄積部241は、MOSトランジスタで構成でき、構成要素が極めて少なく、かつ、小型にできる。
また、蓄積量判定部242としては、インバータ回路IV2の論理閾値を電圧閾値とするので、たとえば、別途参照値の入力を必要とするコンパレータに比べて回路面積を小さくすることができる。
すなわち、このような第2実施形態によれば、回路面積が小さく、かつ、十分な測定精度をもった電源ノイズ測定装置200とすることができる。
さらに測定精度を上げるためには、最初に行うLSIテストもしくは装置立ち上げ時のカウンタ値を初期値とし、この初期値を基準としてロジック動作時の電源ノイズ量を評価するようにすることが好ましい。
たとえば、半導体集積回路(LSI)内に図7のように初期値記憶部としてのeFUSE回路を設ける。
このeFUSE回路は、一度だけ書き込みが可能な記憶素子である。そして、最初に行うLSIテストもしくは装置立ち上げ時(初期化シーケンス)に、カウンタ値の初期値を読み込み、このeFUSE回路410へ記憶しておく。
図7に示した例では、カウント値はおおむね"8"であることから、eFUSE回路410には初期値として"8"を記録する。
この初期値は、ノイズ量がゼロであって、正味の電源電圧に相当するカウント値と考えられる。
なお、このような初期値を求めるに当たっては、最初に行うLSIテストもしくは装置立ち上げ時に取得したカウンタ値の平均としてもよく、最頻値としてもよく、中間値としてもよく、代表値として使用できるものから適宜選択すればよい。
この差分を記録していくことにより、具体的なノイズ量、すなわち、電源電圧の変動量そのものを測定することができる。
たとえば、電圧変動検出部をpMOSトランジスタによるリーク電流源で構成する場合を例示したが、この他、たとえば、高抵抗値の抵抗によって電圧変動検出部を構成してもよい。
Claims (9)
- 電源電圧の変動に応じた検出電流を生成する電圧変動検出部と、
クロックに基づいて単位期間を生成する単位期間生成部と、
前記単位期間ごとの検出電流量を計測する電流量計測部と、
前記電流量計測部にて計測された検出電流量を単位期間ごとにサンプリングするサンプリング部と、
初期化シーケンス時にサンプリングされたサンプリング値を初期値として記憶する初期値記憶部と、を有し、
通常動作時にサンプリングされたサンプリング値と前記初期値との差分を電源ノイズ量として求める
ことを特徴とする電源ノイズ測定装置。 - 請求項1に記載の電源ノイズ測定装置において、
前記単位期間生成部は、
クロックを分周して単位期間を生成する分周回路を備える
ことを特徴とする電源ノイズ測定装置。 - 請求項1に記載の電源ノイズ測定装置において、
単位期間ごとに前記電流量計測部が計測した電流量はリセットされる
ことを特徴とする電源ノイズ測定装置。 - 請求項3に記載の電源ノイズ測定装置において、
前記電流量計測部と接地電位との間に配置され、前記単位期間ごとに開閉を切り替えるスイッチ手段をさらに備える
ことを特徴とする電源ノイズ測定装置。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の電源ノイズ測定装置において、
前記電流量計測部は、
前記検出電流を蓄積する電流蓄積部と、
前記電流蓄積部に蓄積された電荷量が所定の閾値を超えたことを判定して判定信号を出力する蓄積量判定部と、
前記判定信号の出力に応じてクロックパルスの計数を開始するカウント部と、を備える
ことを特徴とする電源ノイズ測定装置。 - 請求項5に記載の電源ノイズ測定装置において、
前記電流蓄積部は、nMOSトランジスタで構成されるNウェル容量である
ことを特徴とする電源ノイズ測定装置。 - 請求項5または請求項6に記載の電源ノイズ測定装置において、
前記蓄積量判定部はインバータ回路を有し、
前記所定の閾値は、前記インバータ回路の論理閾値である
ことを特徴とする電源ノイズ測定装置。 - 請求項1から請求項7のいずれかに記載の電源ノイズ測定装置において、
前記電圧変動検出部は、ソースおよびゲートが電源に接続されたpMOSトランジスタであり、
前記検出電流は、前記pMOSトランジスタからのリーク電流である
ことを特徴とする電源ノイズ測定装置。 - 電源電圧の変動に応じた検出電流を生成し、
クロックに基づいて単位期間を生成し、
前記単位期間ごとの検出電流量を計測し、
前記計測された検出電流量を単位期間ごとにサンプリングし、
初期化シーケンス時にサンプリングされたサンプリング値を初期値として記憶し、
通常動作時にサンプリングされたサンプリング値と前記初期値との差分を電源ノイズ量として求める
ことを特徴とする電源ノイズ測定方法。
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