JP5367981B2 - 固形粉末化粧料の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、固形粉末化粧料の製造方法に関する。
固形粉末化粧料は、粉体に油性成分等を混合し、粉砕・圧縮成型して製造されており、塗布具へのとれや、塗布時の化粧料ののび等の使用性を改善するための検討がなされている。また、保型性を改善するための成型方法の検討もなされている。さらに、近年、アイシャドウ、頬紅、ファンデーションなどのメイクアップ化粧料は、外観の光沢感、塗布の光沢感に優れることも、強く望まれている。
特許文献1には、平均粒径が5〜40μmで、アスペクト比が35以上の合成金雲母粉末を配合し、使用時に粉が飛び散らず、塗布時の滑らかな伸び広がりに優れ、透明感が高く、自然な仕上がり効果に優れた粉末状化粧料が記載されている。
しかしながら、このような粉末を固形粉末化粧料に配合すると、塗布具へのとれが不均一になるという問題や、製品の成型強度、経時での保型性等の安定性が悪くなるという問題が生じ、多量に配合することはできなかった。
特許文献2には、ガラス粒子を基材とする透明光輝性顔料を化粧料に配合することにより、素地の色調を損なうことなく、光輝性のみが向上した化粧料が得られることが記載されている。
しかしながら、このような顔料を固形粉末化粧料に配合すると、ガラス粒子が破壊され、透明性が損なわれるという問題があった。
特許文献3には、超音波を与えながら成型すれば、粉体組成物中に取り込まれた空気がスムーズ且つ良好に抜けるため、均一で密な固形粉体化粧料が得られることが記載されている。しかしながら、粉体を多量に配合した場合には、安定性が悪くなるという問題があった。
また、従来の固形粉末化粧料は、成型された化粧料表面の光沢感や透明感が得られず、使用性及び安定性の点でも十分満足できるものではなかった。
特開2005−306846号公報 特開2003−12962号公報 特開昭63−275511号公報
本発明の目的は、成型された化粧料表面の光沢感、塗布膜の光沢感、使用性及び安定性に優れた固形粉末化粧料を製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、特定のアスペクト比の板状粉体を含有する粉体化粧料を、超音波を照射しながら成型すれば、粉体の配向が良くなり、そのことによって塗布具へのとれが均一で、塗布時ののびがなめらかでしっとり感があり、使用性に優れ、しかも保型性や耐衝撃性も良好で、さらに、成型された化粧料表面の光沢感と透明感に優れた固形粉末化粧料が得られることを見出した。
本発明は、(A)平均粒子径1〜300μm、アスペクト比が10〜400の板状粉体を10〜98質量%含む粉体成分70〜97質量%を含有する固形粉末化粧料の製造方法であって、成型時に、周波数10〜40kHz、振幅10〜100μmの振動を付与して、加圧成型する固形粉末化粧料の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、当該製造方法により得られる固形粉末化粧料を提供するものである。
本発明によれば、成型された化粧料表面の光沢感、塗布膜の光沢感、使用性及び安定性に優れたものであり、塗布具へのとれが細かく均一で、肌へのつきが均一であり、塗布時の化粧料ののびがなめらかでしっとり感があり、しかも輸送や落下時などの耐衝撃性、保型性に優れた固形粉末化粧料を得ることができる。
本発明で用いる成分(A)の粉体成分としては、通常の化粧料に用いられるものであれば特に制限されず、例えば無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、タルク、セリサイト、マイカ、合成マイカ、カオリン、窒化ホウ素、鱗片状ガラス、アルミニウム、ベンガラ、クレー、ベントナイト、オキシ塩化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化鉄、群青、酸化クロム、水酸化クロム、カルミン、カーボンブラック、鱗片状ガラス、金属酸化物を被覆した鱗片状ガラス、これらの複合体等の無機粉体;ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、シルクパウダー、セルロース、CIピグメントイエロー、CIピグメントオレンジ、長鎖アルキルリン酸金属塩、高級脂肪酸金属塩、N−モノ長鎖アルキルアシル塩基性アミノ酸、N−モノ長鎖アルキルアシル塩基性アミノ酸金属塩、シリコーン樹脂、これらの複合体等の有機粉体;さらに、上記無機粉体と有機粉体との複合体などが挙げられる。
成分(A)の粉体成分は、表面処理したものを用いることもできる。表面処理としては、例えばシリコーン処理、脂肪酸処理、アミノ酸処理、レシチン処理、金属石鹸処理、アルキル処理、フッ素化合物処理、エステル処理、これらの複合処理等が挙げられる。
具体的には、シリコーン処理としては、例えば、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルポリシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸、シリコーン樹脂等による処理;脂肪酸処理としては、ミリスチン酸、ステアリン酸等による処理;フッ素化合物処理としては、パールフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルシラン等による処理が挙げられる。
表面処理剤の使用量は、処理前の粉体質量に対して0.1〜10質量%、特に2〜9質量%であるのが好ましい。疎水化処理方法は、特に制限されず、通常の方法に従って行うことができる。
成分(A)の粉体成分には、平均粒子径が1〜300μm、好ましくは5〜300μmで、アスペクト比が20〜400、好ましくは30〜400の板状粉体が含まれる。このような板状粉体を含むことにより、塗布時のしっとり感と成型された化粧料表面の光沢感、透明感に優れた固形粉末化粧料が得られる。
なお、アスペクト比は、平均粒子径を粒子の平均厚さで割った値である。平均粒子径はレーザー回折粒子径測定装置(LA−920、ホリバ製作所)を用いて粉体をエタノールに分散させて測定したメジアン径の値である。粒子の平均厚さは、電子顕微鏡を用いて測定し、その合計値を測定個数で割った値である。
板状粉体としては、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、タルク、セリサイト、マイカ、合成マイカ、カオリン、窒化ホウ素、鱗片状ガラス、アルミニウム、オキシ塩化ビスマス、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化鉄、長鎖アルキルリン酸金属塩、N−モノ長鎖アルキルアシル塩基性アミノ酸、N−モノ長鎖アルキルアシル塩基性アミノ酸金属塩等が好ましく、特に、鱗片状ガラスや、金属酸化物を被覆した鱗片状ガラスのようなガラスを基材とする板状粉体が、成型された化粧料表面の光沢感や透明感に優れるので好ましい。
板状粉体は、1種以上を用いることができ、全粉体中に10〜98質量%、好ましくは、65〜90質量%含有される。この範囲内であれば、塗布時のしっとり感と成型された化粧料表面の光沢感、塗布膜の光沢感に優れた固形粉末化粧料が得られる。
特に、全粉体中に、平均粒子径1〜300μm、アスペクト比が30〜400の板状粉体を65〜90質量%含有するのが好ましい。
成分(A)の粉体は、前記のような板状粉体を含み、全組成中に70〜97質量%、特に80〜95質量%含有するのが、粉とれの均一さの点で好ましい。
本発明の固形粉末化粧料は、更に、(B)25℃で固体状の油剤(固体油)を含有することができる。かかる固体油は、固体/液体状態に可逆変化するもので、40℃以上の融点を有する疎水性化合物である。炭化水素系、エステル系、シリコーン系等の成分よりなるワックスが含まれ、動物性ワックス、植物性ワックス、鉱物性ワックス、合成ワックス、これらの混合物等から選ばれる。例えば、ミツロウ、鯨ロウ等の動物性ワックス;カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ライスワックス、木ロウ等の植物性ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、ペトロラタム、マイクロクリスタリンワックス等の鉱物性ワックス;ポリエチレンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、硬化ひまし油、水素添加ホホバ油、12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、シリコーンワックス等の合成ワックスなどが挙げられる。
これらのうち、ASTM D−1321に記載の方法により測定される針入度が、25℃において15以下のものが、成型された表面の光沢感と耐衝撃性の点で好ましく、さらに10以下のものがより好ましい。25℃で固体状の油剤としては、針入度が15以下のものと、それ以外のものを併用することができる。併用する場合には、25℃で固体状の油剤全体の25℃における針入度が15以下であることが好ましい。針入度が15以下のものとしては、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ライスワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、ポリエチレンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、硬化ひまし油、水素添加ホホバ油、12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、シリコーンワックス等が挙げられる。
従来の高圧プレスによる成型では、針入度の低いワックスは、粉体間の結合が十分ではなかった。しかし、振動を付与することにより、粉体間の結合を飛躍的に高めることを見出した。
成分(B)の固体油は、1種以上を用いることができ、全組成中に0.3〜12質量%、特に0.5〜5質量%含有するのが、耐衝撃性と成型された化粧料表面の光沢感、透明感に優れるので好ましい。
本発明の固形粉末化粧料は、更に、(C)25℃で液状の油剤(液状油)を含有することができる。かかる液状油としては、通常の化粧料に用いられるものであれば特に制限されない。例えば、カカオ脂、ヒマシ油、ホホバ油、オリーブ油、ヒマワリ油、マカデミアナッツ油等の油脂類;イソノナン酸、イソステアリン酸等の高級脂肪酸類;ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソプロピル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル等の脂肪酸エステル類;流動パラフィン、流動イソパラフィン、スクワラン等の炭化水素油;シリコーン油、フッ素油などが挙げられる。
成分(C)の液状油は、1種以上を用いることができ、全組成中に1.8〜27質量%、特に5〜20質量%含有するのが、塗布時のしっとり感と成型された化粧料表面の光沢感、透明感に優れるので好ましい。
また、成分(B)の固体油と成分(C)の液状油の質量割合は、(B):(C)=3:7〜1:9、特に2:8〜1:9であるのが好ましい。成分(B)の質量割合が大きい場合は塗布時のしっとり感の点で劣り、小さい場合は耐衝撃性の点で劣る。
本発明の固形粉末化粧料には、前記成分以外に、通常の化粧料に用いられる成分、例えば界面活性剤、防腐剤、酸化防止剤、色素、香料、紫外線吸収剤、保湿剤、殺菌剤、消炎剤、皮膚賦活剤等を、適宜含有することができる。
本発明においては、例えば、(B)固体油と(C)液状油を加熱混合し、更に(A)粉体を加えた混合物に、周波数10〜40kHz、振幅10〜100μmの振動を付与し、加圧成型することにより、固形粉末化粧料を製造することができる。特に、(B)固体油と(C)液状油が融解する温度で、これらと(A)粉体を均一に混合することにより製造するのが好ましい。
より具体的には、(B)固体油と(C)液状油を加熱溶解したものを油性成分とし、予めその温度で混合した(A)粉体に添加して、均一に混合するのが好ましい。油性成分の添加方法としては、スプレーで噴霧することもできる。得られた混合物は、そのまま圧縮成型することができるが、混合物を室温に冷却した後、粉砕して加圧成型するのが好ましい。粉砕された成分(A)、(B)及び(C)の混合物は、3mm以下の篩いにかけられ、所定の成型する容器内に集められる。振動の付与は、成分(A)、(B)及び(C)の混合物に約10g以上、好ましくは100g以上の加重がかけられた状態で行うことが好ましい。
振動の付与時間は、0.1〜2秒、特に0.5〜1.5秒が好ましく、振動の付与後、加圧された状態で0.1〜5秒、特に0.5〜2秒保持されることが、耐衝撃性に優れるので好ましい。
また、加圧成型時に加えられる圧力は10kg/cm2以下、特に1〜5kg/cm2であるのが、使用時の塗布具へのとれや、肌へのつき、塗布時のしっとり感の点で好ましい。更に、成型された化粧料の表面の光沢感、塗布膜の光沢感が優れている点で好ましい。これまで使用されてきた高圧型のプレス成型では、粒子径が大きく、アスペクト比の大きい粉体は、成型後、破損し小さい粒子径に変化していた。しかし、本発明では加圧成型時の圧力が低く抑えられるため、成型前後の粉体の粒子径分布、特に成分(A)の粒子径分布が成型前後で変化がない。そのため、成型された化粧料の表面の光沢感、塗布膜の光沢が非常に高いものが得られる。
本発明により得られる固形粉末化粧料は、例えばファンデーション、フェイスパウダー、固形白粉、アイシャドウ、アイブロウ、頬紅等のメイクアップ化粧料や、ボディパウダーなどとして好適である。
実施例において行った評価方法は以下のとおりである。
(1)耐衝撃性:
縦14mm、横26mmの中皿に充填加圧成型した固形粉末化粧料を容器にセットし、30cmの高さから厚さ25mmのSUS板上に繰返し落下させた。かけや割れなどの異常が生じるまでの回数により、以下の基準で評価した。
A;15回以上。
B:10〜14回。
C:5〜9回。
D:1〜4回。
(2)使用性:
10人の専門パネラーにより、各固形粉末化粧料を用いたときの、塗布具へのとれの均一さ、肌へのつきの均一さ、塗布時のしっとり感、なめらかさ、成型された化粧料表面の光沢感、透明感、塗布膜の光沢感、透明感を官能評価し、下記基準により判定した。
A;7人以上が良いと評価した。
B:4〜6人が良いと評価した。
C:2〜3人が良いと評価した。
D:1人以下が良いと評価した。
実施例1〜12及び比較例1〜3
表1及び表2に示す組成の固形粉末化粧料を製造し、耐衝撃性、塗布具へのとれの均一さ、肌へのつきの均一さ、しっとり感、なめらかさ、成型された化粧料表面の光沢感と透明感を評価した。結果を表1及び表2に併せて示す。
(製法)
粉体成分を混合して80〜90℃に加熱したものに、別途液状油と固体油とを80〜90℃に加熱して融解したものを添加し、均一に混合した。冷却した後に粉砕し、中皿に充填し、表1及び表2に示す条件で加圧成型して、固形粉末化粧料を得た。
Figure 0005367981
Figure 0005367981
実施例13(ファンデーション)
以下に示す組成のファンデーションを製造した。
(製法)
成分(1)〜(10)を混合して80〜90℃に加熱したものに、成分(11)〜(12)を80〜90℃に加熱して融解混合したものを添加し、均一に混合した。冷却した後に粉砕し、中皿に充填して加圧成型し、ファンデーションを得た。加圧成型は、周波数20kHz、振幅20μm、照射時間1秒、保持時間0.5秒、プレス成型圧4.2kg/cm2の条件で行った。
(成分) (質量%)
(1)シリコーン処理タルク(平均粒子径7μm、アスペクト比15) 9.5
(2)シリコーン処理マイカ(平均粒子径18μm、アスペクト比60) 40
(3)シリコーン処理合成マイカ(平均粒子径20μm、アスペクト比70)
20
(4)シリコーン処理ガラス末(平均粒子径10μm、アスペクト比25) 5
(5)球状シリコーン樹脂 2
(6)シリコーン処理酸化チタン 10
(7)シリコーン処理黄酸化鉄 0.8
(8)シリコーン処理黒酸化鉄 0.1
(9)シリコーン処理ベンガラ 2.5
(10)防腐剤 0.1
(11)流動イソパラフィン 8
(12)ポリエチレンワックス 2
実施例14(アイシャドウ)
以下に示す組成のアイシャドウを製造した。
(製法)
成分(1)〜(11)を混合して80〜90℃に加熱したものに、成分(12)〜(13)を80〜90℃に加熱して融解混合したものを添加し、均一に混合した。冷却した後に粉砕し、中皿に充填して加圧成型し、アイシャドウを得た。加圧成型は、周波数20kHz、振幅20μm、照射時間1秒、保持時間0.5秒、プレス成型圧4.2kg/cm2の条件で行った。
(成分) (質量%)
(1)シリコーン処理タルク(平均粒子径7μm、アスペクト比15) 24.15
(2)シリコーン処理合成マイカ(平均粒子径10μm、アスペクト比60)
25
(3)球状ナイロンパウダー(平均粒子径5μm) 2
(4)シリコーン処理酸化チタン 0.1
(5)シリコーン処理黒酸化鉄 0.05
(6)シリコーン処理群青 0.3
(7)赤色226号 0.3
(8)シリコーン処理雲母チタン(平均粒子径20μm、アスペクト比40)
20
(9)シリコーン処理ベンガラ被覆雲母チタン
(平均粒子径20μm、アスペクト比40) 8
(10)シリコーン処理酸化チタン被覆ガラスフレーク
(平均粒子径80μm、アスペクト比80) 10
(11)防腐剤 0.1
(12)流動イソパラフィン 8
(13)ポリエチレンワックス 2
実施例15(固形白粉)
以下に示す組成の固形白粉を製造した。
(製法)
成分(1)〜(10)を混合して80〜90℃に加熱したものに、成分(11)〜(12)を80〜90℃に加熱して融解混合したものを添加し、均一に混合した。冷却した後に粉砕し、中皿に充填して加圧成型し、固形白粉を得た。加圧成型は、周波数20kHz、振幅20μm、照射時間1秒、保持時間0.5秒、プレス成型圧4.2kg/cm2の条件で行った。
(成分) (質量%)
(1)フッ素化合物処理タルク(平均粒子径7μm、アスペクト比15) 24.19
(2)フッ素化合物処理合成マイカ
(平均粒子径10μm、アスペクト比60) 50
(3)フッ素化合物処理セリサイト(平均粒子径8μm、アスペクト比40) 5
(4)ガラス末(平均粒子径25μm、アスペクト比60) 10
(5)フッ素化合物処理球状ポリメチルメタクリレート粉末
(平均粒子径12μm) 2
(6)フッ素化合物処理酸化チタン 0.5
(7)フッ素化合物処理黄酸化鉄 0.1
(8)フッ素化合物処理黒酸化鉄 0.01
(9)フッ素化合物処理ベンガラ 0.1
(10)防腐剤 0.1
(11)流動イソパラフィン 6.4
(12)ポリエチレンワックス 1.6
実施例16(頬紅)
以下に示す組成の頬紅を製造した。
(製法)
成分(1)〜(13)を混合して80〜90℃に加熱したものに、成分(14)〜(15)を80〜90℃に加熱して融解混合したものを添加し、均一に混合した。冷却した後に粉砕し、中皿に充填し加圧成型して、頬紅を得た。加圧成型は、周波数20kHz、振幅20μm、照射時間1秒、保持時間0.5秒、プレス成型圧4.2kg/cm2の条件で行った。
(成分) (質量%)
(1)フッ素化合物処理タルク(平均粒子径7μm、アスペクト比15) 18.8
(2)フッ素化合物処理合成マイカ
(平均粒子径10μm、アスペクト比30) 20
(3)フッ素化合物処理セリサイト(平均粒子径8μm、アスペクト比40)13
(4)ガラス末(平均粒子径25μm、アスペクト比60) 20
(5)フッ素化合物処理球状シリコーン樹脂(平均粒子径5μm) 2
(6)フッ素化合物処理酸化チタン 0.5
(7)フッ素化合物処理黄酸化鉄 0.3
(8)フッ素化合物処理黒酸化鉄 0.1
(9)フッ素化合物処理青色404号 1.2
(10)雲母チタン(平均粒子径20μm、アスペクト比40) 10
(11)ベンガラ被覆雲母チタン(平均粒子径20μm、アスペクト比40) 2
(12)酸化チタン被覆ガラス末(平均粒子径40μm、アスペクト比40) 4
(13)防腐剤 0.1
(14)流動イソパラフィン 6.4
(15)ポリエチレンワックス 1.6
実施例17(アイブロウ)
以下に示す組成のアイブロウを製造した。
(製法)
成分(1)〜(11)を混合して80〜90℃に加熱したものに、成分(12)〜(13)を80〜90℃に加熱して融解混合したものを添加し、均一に混合した。冷却した後に粉砕し、中皿に充填し加圧成型して、アイブロウを得た。加圧成型は、周波数20kHz、振幅20μm、照射時間1秒、保持時間0.5秒、プレス成型圧4.2kg/cm2の条件で行った。
(成分) (質量%)
(1)フッ素化合物処理タルク(平均粒子径7μm、アスペクト比15) 2.7
(2)フッ素化合物処理合成マイカ
(平均粒子径10μm、アスペクト比30) 22
(3)フッ素化合物処理セリサイト(平均粒子径8μm、アスペクト比40)20
(4)ガラス末(平均粒子径10μm、アスペクト比25) 10
(5)ベンガラ被覆雲母チタン(平均粒子径20μm、アスペクト比40) 20
(6)フッ素化合物処理球状ナイロン末(平均粒子径5μm) 5
(7)フッ素化合物処理酸化チタン 0.5
(8)フッ素化合物処理黄酸化鉄 0.2
(9)フッ素化合物処理黒酸化鉄 12
(10)フッ素化合物処理ベンガラ 1.5
(11)防腐剤 0.1
(12)流動イソパラフィン 4.8
(13)ポリエチレンワックス 1.2
実施例18(ボディパウダー)
以下に示す組成のボディパウダーを製造した。
(製法)
成分(1)〜(11)を混合して80〜90℃に加熱したものに、成分(12)〜(14)を80〜90℃に加熱して融解混合したものを添加し、均一に混合した。冷却した後に粉砕し、中皿に充填し加圧成型して、ボディパウダーを得た。加圧成型は、周波数20kHz、振幅20μm、照射時間1秒、保持時間0.5秒、プレス成型圧4.2kg/cm2の条件で行った。
(成分) (質量%)
(1)フッ素化合物処理タルク(平均粒子径7μm、アスペクト比15) 15.09
(2)フッ素化合物処理マイカ(平均粒子径10μm、アスペクト比30) 10
(3)フッ素化合物処理セリサイト(平均粒子径8μm、アスペクト比40)30
(4)ガラス末(平均粒子径25μm、アスペクト比60) 20
(5)雲母チタン(平均粒子径20μm、アスペクト比40) 10
(6)フッ素化合物処理球状シリコーン樹脂(平均粒子径5μm) 6
(7)フッ素化合物処理酸化チタン 0.5
(8)フッ素化合物処理黄酸化鉄 0.1
(9)フッ素化合物処理黒酸化鉄 0.01
(10)フッ素化合物処理ベンガラ 0.1
(11)防腐剤 0.1
(12)流動イソパラフィン 6.4
(13)ポリエチレンワックス 1.6
(14)消炎剤 0.1
実施例13〜18で得られた固形粉末化粧料はいずれも、耐衝撃性、塗布具へのとれの均一さ、肌へのつきの均一さ、塗布時のしっとり感、成型された化粧料表面の光沢感、透明感に優れたものであった。
試験例1
実施例12及び比較例3で得られた固形粉末化粧料について、化粧料に含まれる全粉体成分の粒度分布を、レーザー回折粒子径測定装置(LA−920、ホリバ製作所)を用い、粉体をエタノールに分散させて測定した。結果を図1に示す。
図1の結果より、同じ組成の化粧料であっても、本発明の固形粉末化粧料は、加圧成型する際に超音波を照射することにより、粒径100μm程度の粉体も破壊されずに含有されていることが確認された。これにより、特に、成型された表面の光沢感に優れた固形粉末化粧料が得られるものである。
実施例12と比較例3で得られた固形粉末化粧料に含まれる全粉体成分の粒度分布を示す図である。

Claims (10)

  1. (A)平均粒子径1〜300μm、アスペクト比が10〜400の板状粉体を10〜98質量%含む粉体成分70〜97質量%を含有し、全粉体中に、平均粒子径1〜300μm、アスペクト比が20〜400の板状粉体を65〜90質量%含有する固形粉末化粧料の製造方法であって、成型時に、周波数10〜40kHz、振幅10〜100μmの振動を付与して、加圧成型する固形粉末化粧料の製造方法。
  2. 固形粉末化粧料が、(B)25℃で固体状の油剤を含有する請求項記載の固形粉末化粧料の製造方法。
  3. 成分(B)が、25℃における針入度が15以下のものである請求項2記載の固形粉末化粧料の製造方法。
  4. 成分(B)を、全組成中に0.3〜12質量%含有する請求項2又は3記載の固形粉末化粧料の製造方法。
  5. 固形粉末化粧料が、更に、(C)25℃で液体状の油剤を含有し、成分(B)と成分(C)の質量割合が、(B):(C)=3:7〜1:9である請求項2〜4のいずれか1項記載の固形粉末化粧料の製造方法。
  6. 成分(C)を、全組成中に1.8〜27質量%含有する請求項5記載の固形粉末化粧料の製造方法。
  7. 成分(A)に含まれる板状粉体が、ガラス及び/又はガラスを基材とする板状粉体である請求項1〜のいずれか1項記載の固形粉末化粧料の製造方法。
  8. 成型時に加えられる圧力が、10kg/cm2以下である請求項1〜のいずれか1項記載の固形粉末化粧料の製造方法。
  9. 振動の付与時間が0.1〜2秒であり、振動の付与後、0.1〜5秒保持される請求項1〜8のいずれか1項記載の固形粉末化粧料の製造方法。
  10. 請求項1〜のいずれか1項記載の製造方法により得られる固形粉末化粧料。
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