JP6733885B2 - ポリブテンまたはポリアミド複合粒子及び化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、専ら金皿に充填される粉体化粧料に使用される複合顔料、及びその複合顔料を含有する化粧料に関する。
以下、本発明の技術的背景について説明する。
特許文献1に記載されるように、粉体成分とエタノール及び油剤を混合し、これを用いて湿式法により固形粉体化粧料を製造することは公知である。
さらに具体的な化粧料の製造方法として、特許文献2に記載されるように、粉末成分と結合剤としての油相成分を溶媒中で混合してスラリーとする工程を少なくとも含む粉末化粧料の製造工程において、粉末成分分散時に用いる溶媒に可溶な樹脂化合物を分散処理時に配合し、粉末の疎水化処理を行なう粉末化粧料の製造方法や、特許文献3に記載されるように、高柔軟性球状粉末、マイカ等のケイ酸塩系粘度鉱物を含有する化粧料基剤に溶媒を加えてスラリーとし、このスラリーを容器内に充填した後、この溶剤を除去する固形化粧料も公知である。
別法として特許文献4に記載されるように、容器内に化粧料粉体を充填し、充填された化粧料粉体の上面からエア抜き用プレスを用いてプレスすることにより、充填された化粧料粉体からエアを抜いて充填された化粧料粉体を固化する乾式法による固形粉体化粧料も知られている。
特開2013−209316号公報 特開2002−302417号公報 特開2002−241230号公報 特開2012−171934号公報
このように容器内に充填された粉体化粧料を得る方法としては、湿式法と乾式法の2種がある。
湿式法は容器内に、粉末化粧料を分散してなる分散液を充填してから、溶媒を除去する工程を必要とし、その結果、溶媒を除去する際に形成される細孔が、製品中にも残るので、固化された粉体化粧料全体が軟らかくなって、使用時に粉体化粧料の取れ性が向上でき、エラストマー粉体も配合できるが、製造工程がより複雑で、製造効率が良好ではない。加えて、粉体化粧料に配合できる成分には制限があり、場合によっては窒化ホウ素等の高価な成分を多く使用しなくてはならない。
乾式法は容器内に、溶媒を実質的に有しない粉体化粧料を充填してから、エアのみを除去するので、容器内により固くされた固形化粧料を形成することができる。しかしながら、粉体化粧料にエラストマー粉体を含有させることはより困難になり、かつ容器内にて固化された固形化粧料にヒビ等の欠陥が生じることがある。
そして、湿式法と乾式法の両方法がそれぞれ有する特性を兼ね備えた固形化粧料を得て、粉体化粧料の取れが良く、エラストマーを配合することによって、使用性や肌上での伸び等を向上させること、特に板状粉体顔料においては、その形状と配向に起因する取れの困難さを解消することが本発明の課題である。
そこで、本発明者は鋭意検討した結果、下記の事項を発明した。
1.a.顔料
b.エラストマー粒子
c.常温で固体の、ポリブテン及び/又はポリアミド樹脂
のa〜c成分を含み、
これらのa〜c成分が互いに付着してなる複合粒子。
2.a.顔料が板状粉体顔料である1に記載の複合粒子。
3.cのみが溶融又は溶液に溶解した状態で、a及びbと混合されたことにより、a及びbに対してcが均一に付着してなる1又は2に記載の複合粒子。
4.1〜3のいずれかに記載の複合粒子を含有する粉体化粧料。
5.パウダーファンデーションである4に記載の粉体化粧料。
6.アイシャドウである4に記載の粉体化粧料。
7.容器内に充填されている4に記載の粉体化粧料。
以上説明するように、本発明は、少なくとも、a.顔料、b.エラストマー粒子、c.常温で固体の、ポリブテン及び/又はポリアミド樹脂、のa〜cが互いに付着してなる複合粒子とすることによって、湿式法による容器内への粉体化粧料の充填方法を採用しても、あるいは、乾式法を採用しても、固化された粉体化粧料にヒビ等の欠陥が生じることはなく、加えて、使用時に粉体化粧料の取れ性が向上するという効果を奏することができる。
オクチルトリエトキシシランにて処理されたマイカの複合粒子の顕微鏡写真 オクチルトリエトキシシランにて処理されたタルクの複合粒子の顕微鏡写真 ポリアミド樹脂で処理されたマイカの複合粒子の顕微鏡写真 ポリアミド樹脂で処理されたマイカの複合粒子の顕微鏡写真 ポリアミド樹脂で処理されたタルクの複合粒子の顕微鏡写真 ポリアミド樹脂で処理されたタルクの複合粒子の顕微鏡写真 製造1で得られたマイカ及びタルクを用いた高重合度ポリブテン処理複合粒子の走査型電子顕微鏡写真 製造1で得られたマイカ及びタルクを用いた高重合度ポリブテン処理複合粒子の走査型電子顕微鏡写真
以下、上記本発明を詳細に説明する。
(顔料)
本発明にて使用される顔料としては、化粧料で使用可能なものであれば特に限定されず、一次粒子径が0.1μm〜100μmであるものが好ましく、その形状は球状、棒状、略球状、紡錘状、不定形状又は板状のもの等が挙げられる。中でも、無機顔料、界面活性剤金属塩粉体、有色顔料、パール顔料、金属粉末顔料等が挙げられる。
そのような無機顔料としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン、シリカ、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化セリウム等が挙げられる。
界面活性剤金属塩粉体(金属石鹸)としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム等が挙げられる。
有色顔料としては、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色系顔料、γ−酸化鉄などの無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土などの無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラックなどの無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレットなどの無機紫色系顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルトなどの無機緑色系顔料、紺青、群青などの無機青色系顔料、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの、及びこれらの粉体を複合化した合成樹脂粉体等が挙げられる。
パール顔料としては、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母、酸化チタン・酸化鉄被覆マイカ、酸化チタン被覆板状ガラス、酸化チタン被覆板状アルミナ、酸化チタン被覆合成マイカなどがある。
金属粉末顔料としては、アルミニウムパウダー、銅パウダー、ステンレスパウダー等が挙げられる。
(板状粉体顔料)
上記顔料の中でも、本発明の粉体化粧料では、特に板状粉体顔料を用いることが好ましい。板状粉体顔料は、一次粒子及び二次粒子のいずれでも良く、板状の一次粒子からなるものであり、公知の板状粉体顔料を採用することができる。このような板状粉体顔料としては、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、板状無水ケイ酸、板状ヒドロキシアパタイト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、板状セラミックスパウダー、板状アルミナ、板状窒化ホウ素、板状セルロース、ラウロイルリジン、板状酸化鉄、板状酸化チタン、板状硫酸バリウム、板状酸化セリウム、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン処理マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母、アルミニウム粉末、バーミキュライト、板状ガラス末等が挙げられる。
またこのような無機材料からなる板状粉体顔料の他に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、(メタ)アクリル樹脂等の各種樹脂からなるエラストマーではない板状粉体顔料を採用することもできる。
板状粉体顔料としては、平均の長径が3〜30μmが好ましく、さらに好ましくは5〜20μmである。
また、厚さに対する長径の比が、1:3〜1:100が好ましい。
本発明の複合粒子100質量部中の板状粉体顔料の含有量は、好ましくは85〜95質量部であり、さらに好ましくは90〜93質量部である。
(エラストマー粒子)
本発明にて使用できるエラストマー粒子としては、シリコーンエラストマー、オルガノポリシロキサンエラストマー、ポリスチレンエラストマー、ポリエチレンエラストマー、ポリプロピレンエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリ塩化ビニルエラストマー等の公知のエラストマーの粒子を使用することができ、好ましくはシリコーンエラストマー球状粉体を使用することができる。エラストマー粒子の平均粒子径としては好ましくは1〜20μmであり、さらに好ましくは8〜15μmである。エラストマーはその表面を他の材料で処理されていてもいなくても構わないが、特にシリコーン樹脂で被覆したシリコーンエラストマーが好ましい。また、エラストマー内部にジメチコンなどの油剤が含浸されていても構わない。シリコーンエラストマー粒子の好ましい例としては、信越化学社製のKSPシリーズが挙げられる。
本発明の複合粒子100質量部中のエラストマー粒子の含有量は、好ましくは0.5〜10質量部であり、さらに好ましくは1〜5質量部である。
(ポリブテン及び/又はポリアミド樹脂)
本発明の複合粒子に使用されるポリブテン(ポリイソブチレンを含む)及びポリアミド樹脂は、本発明の粉体化粧料を容器内に圧縮・充填する際にその流動性を利用して、ヒビ割れ等が発生することなく充填を行えるようにする作用を有する他、粉体化粧料をパフ等に取り、肌に拡げるにあたり、その使用性を向上させる機能も有する。
さらに、ポリブテン及びポリアミド樹脂はエラストマー粒子表面に板状粉体顔料を付着させる機能を有する。但し、板状粉体顔料の付着強度は、外力が加わることによって、エラストマー粒子表面から板状粉体顔料が剥がれたり、移動したりする程度の強度である。そして、ポリブテン及び/又はポリアミド樹脂は油剤の形態ではなく、常温で固体であることが必要であり、その軟化点としては40℃以上が好ましく、より好ましくは60℃、さらに好ましくは80℃以上である。
ポリブテン及び/又はポリアミド樹脂の性状としては、常温において固体ではあるものの、経時または保管温度により同じ形状を維持できるほどの固体といえるものではなく、立体形状のポリブテン及び/又はポリアミド樹脂が、経時によりその立体形状を完全に維持できない程度に軟化する性質を備えるものである。
このようなポリブテンの性質を備える範囲において、その数平均分子量は1万以上が好ましく、より好ましくは10万以上、さらに好ましくは20万以上、あるいは粘度平均分子量が1万〜10万であり、好ましくは3万〜8万、さらに好ましくは4〜6万である。具体的には、BASF社Oppanol B100、B150、B200、JX日鉱社ハイモール4H、5H、5.5H、6Hを使用することができる。
またポリアミド樹脂の質量平均分子量も、このようなポリアミド樹脂の性質を備える範囲において、3000以上が好ましく、より好ましくは4000以上、さらに好ましくは1万以上、3万以下のものである。
また、アリゾナケミカル社SYLVACLEAR 100VG、A200V、A2614V、C75V、AF1900V、WF1500V、PA1200V、PE1800V、PE400V、Croda社オレオクラフトLP−20、MP−30、HP−31、MP−32等を使用することができる。
本発明においてこのようなポリブテン及び/又はポリアミド樹脂を採用することによって、ポリブテン及び/又はポリアミド樹脂や、エラストマー粒子の周囲に板状粉体顔料が付着でき、複合粒子に力が加わったときに、エラストマー粒子が変形すると共に、ポリブテン及び/又はポリアミド樹脂により付着している板状粉体顔料が複合粒子から剥離、又はエラストマー粒子上を移動することができる。
その結果、容器内に粉体化粧料を充填した後に、ポリブテン及び/又はポリアミド樹脂の流動性に基づく変形によって、板状粉体顔料の周囲に空隙を形成でき、充填時の加圧により圧縮されたエラストマー粒子の復元を容易にすることができ、ひいては、容器内で圧縮・充填された粉体化粧料にヒビ等が発生することを防止できる。
本発明の複合粒子100質量部中のポリブテン及び/又はポリアミド樹脂の含有量は、好ましくは0.01〜10質量部であり、さらに好ましくは0.05〜5質量部である。
(複合粒子の製造方法)
本発明の複合粒子の製造方法としては、上記のa.顔料、b.エラストマー粒子、及びc.常温で固体の、ポリブテン及び/又はポリアミド樹脂を混合して加熱・冷却して粉体化させる方法、あるいは、ポリブテン及び/又はポリアミド樹脂を溶解する溶媒中に、上記のa.顔料、b.エラストマー粒子、及びc.常温で固体のポリブテン及び/又はポリアミド樹脂を投入し、その後乾燥して粉体化させる方法を採用することによって、複合粒子を製造することができる。
このようにして得られる本発明の複合粒子は、好ましくはその平均粒子径が10〜300μmであり、さらに好ましくは20〜120μmである。
なお、溶媒を使用する場合にて使用できる溶媒としては、非極性溶媒及び極性溶媒のいずれでも良いが、ポリブテンには非極性溶媒を、ポリアミド樹脂には極性溶媒を使用することが好ましい。
得られた複合粒子の構造は、エラストマー粒子の表面にポリブテン及び/又はポリアミド樹脂を介して板状粉体顔料が付着した構造を基本とする。一つ一つの複合粒子がエラストマー粒子を複数有していても良く、エラストマー粒子の全面又は一部に板状粉体顔料が付着していてもよい。その結果、複合粒子自体の内部には間隙があり、そのため、板状粉体顔料が剥離や移動し易くなっているといえる。
また複合粒子同士が凝集していても良く、凝集していなくても良い。
(粉体化粧料)
本発明の複合粒子を含有する粉体化粧料としては、公知の用途の粉体化粧料でよく、ファンデーション、アイシャドウ、頬紅、白粉、コンシーラー、チーク、アイブローパウダー、ハイライト等の用途に用いることができる。
化粧料の種類によって、化粧料100質量部中の複合粒子の含有量を任意に決定できるが、好ましくは1〜99.9質量部、さらに好ましくは50〜90質量部である。
本発明の粉体化粧料は、本発明による複合粒子を含有することによって、以下のようにして容器内に充填されるものである。
乾式及び湿式のいずれの方式でもよいが、本発明の粉体化粧料を公知の手段によって、容器内に圧縮しながら充填させることができる。本発明の複合粒子と、場合により粉体化粧料として必要な他の成分とを混合し、容器内に充填する際、乾式であれば、溶媒を使用せずに容器内の粉体化粧料を圧縮して脱気する。湿式であれば容器内の溶媒含有粉体化粧料を圧縮して脱溶媒する。これらの両方式における圧縮により、粉体化粧料中の複合粒子も加圧される。
その結果、エラストマー粒子も加圧によって変形されることになる。十分に圧縮されて脱気又は脱溶媒されて、粉体化粧料が容器内に圧縮された状態で収納される。
このとき、容器内の粉体化粧料中にて脱気や脱溶媒時の空気や溶媒の通りみちが僅かな空間として残ることになる。その空間に向けて、徐々にではあるものの、変形されていたエラストマー粒子が元の形状に復元しようとし、またポリブテンやポリアミド樹脂も僅かながらの流動性又は変形性を発揮して、該空間等に拡がるようになる。
このように時間をかけた変形や流動によって、圧縮された粉体化粧料はひび割れなどの障害を発生させることがない。加えて、そのような変形や流動により新たな空間が生じることになり、この空間の存在、特にエラストマー粒子周囲に生じた空間によって、使用時に粉体化粧料をパフ等により取る際の取れ性が向上することになる。
特に、乾式方法による容器内への粉体化粧料の充填を行った場合であっても、優れた取れ性を発揮できることになる。
また粉体化粧料を肌上に塗布する場合に、必要に応じてパフ等の塗布具や肌に水分を与えておくことにより、粉体化粧料の塗布時の伸びを良好にし、塗布後に肌が乾燥することと、ポリブテンやポリアミド樹脂の作用によって、粉体化粧料を肌に着実に付着させることができる。
(複合粒子及び/又は粉体化粧料中の他の成分)
本発明の複合粒子及び/又は粉体化粧料には、上記a〜c成分の他に、その他の成分として以下の成分を含有することができる。
その他の成分として使用される粉体の例としては、通常化粧料で使用される粉体でよく、板状粉体顔料以外の粒子が好ましい。そのような粉体としては、例えば無機粉体、有機粉体、界面活性剤金属塩粉体、有色顔料、パール顔料、金属粉末顔料、天然色素等が挙げられる。具体的には、無機粉体としては、顔料級酸化チタン、酸化ジルコニウム、顔料級酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン、シリカ、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化セリウム等;有機粉体としては、ポリアミド樹脂パウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタンパウダー、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロースパウダー、シルクパウダー、12ナイロンパウダー、6ナイロン等のナイロンパウダー、シリコーンエラストマー、ポリメチルシルセスキオキサン、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂、微結晶繊維粉体、デンプン末、ラウロイルリジン等;界面活性剤金属塩粉体(金属石鹸)としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム等;有色顔料としては、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色顔料、γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの、及びこれらの粉体を複合化した合成樹脂粉体等;パール顔料としては、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等;タール色素としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等;天然色素としては、カルミン酸、ラッカイン酸、カルタミン、ブラジリン、クロシン等から選ばれる粉体が挙げられる。これらの粉体は従来公知の表面処理がされていても、いなくても構わない。例えば、無機酸化物処理、フッ素化合物処理、シリコーン樹脂処理、シリコーン処理、ペンダント処理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、油剤処理、N−アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属石鹸処理、アミノ酸処理、プラズマ処理、メカノケミカル処理などが挙げられる。
本発明の粉体化粧料では、これらの粉体の内、特に板状の形態を有している顔料と併用することが好ましく、さらに好ましくは、ASI処理板状粉体(大東化成工業社製)、N−ラウロイル−L−リジン処理板状粉体、オクチルトリアルコキシシラン処理板状粉体、トリイソステアリン酸イソプロピルチタン処理板状粉体、パーフルオロアルキル基を有する表面処理剤にて処理した板状粉体、窒化ホウ素から選ばれる1種以上を配合していることが好ましい。
その他の成分の中の紫外線吸収剤としては、通常化粧料で使用される紫外線吸収剤で良く、例えばサリチル酸ホモメンチル、サリチル酸オクチル、サリチル酸トリエタノールアミン等のサリチル酸系;パラアミノ安息香酸、エチルジヒドロキシプロピルパラアミノ安息香酸、グリセリルパラアミノ安息香酸、オクチルジメチルパラアミノ安息香酸、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル等のPABA系;4−(2−β−グルコピラノシロキシ)プロポキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸及びその三水塩、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−N−オクトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系;ジパラメトキシケイ皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、2,5−ジイソプロピルケイ皮酸メチル、2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン、ビスエチルへキシロキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、トリス−ビスフェニルトリアジン、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物、パラメトキシケイ皮酸オクチル、パラメトキシハイドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩等のケイ皮酸系;2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−硫酸、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン等のベンゾイルメタン系;2−シアノ−3,3−ジフェニルプロパ−2−エン酸2−エチルヘキシルエステル(別名;オクトクリレン)、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、1−(3,4−ジメトキシフェニル)−4,4−ジメチル−1,3−ペンタンジオン、シノキサート、メチル−O−アミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、3−(4−メチルベンジリデン)カンフル、オクチルトリアゾン、4−(3,4−ジメトキシフェニルメチレン)−2,5−ジオキソ−1−イミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、これらの高分子誘導体、及びシラン誘導体等が挙げられる。
その他の成分の中の生理活性成分の例としては、化粧料に配合できる公知のものを使用することができ、アシタバエキス、アボカドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オオムギエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、火棘エキス、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、カルカデエキス、キウイエキス、キナエキス、キューカンバーエキス、グアノシン、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、ハスエキス、パセリエキス、蜂蜜、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス、コラーゲン分解物、エラスチン分解物、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜などの生体高分子及びその分解物;エストラジオール、エテニルエストラジオールなどのホルモン;アラニン、グリシン、ヴァリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、シスチン、システイン、メチオニン、トリプトファン等のアミノ酸、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイなどの保湿剤;ε−アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β−グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン、アラントイン、トラネキサム酸、アズレン等の抗炎症剤;ビタミンA,B2,B6,C,D,K,ビタミンC配糖体等のビタミンC誘導体などのビタミン類;ヒアルロン酸及びその塩、コンドロイチン硫酸及びその塩等のムコ多糖類;グリコール酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、及びそれらの塩等のヒドロキシ酸、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、γ−アミノ酪酸、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、メバロン酸、N−メチルセリン、4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸、セラミド、コレステロール、コレステロール誘導体などの細胞賦活剤;γ−オリザノールなどの血行促進剤;レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤;セファランチン、トウガラシチンキ、ヒノキチオール、ヨウ化ニンニクエキス、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸、ニコチン酸誘導体、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、アセチルパントテニルエチルエーテル、ビオチン、アラントイン、イソプロピルメチルフェノール、エストラジオール、エチニルエステラジオール、塩化カプロニウム、塩化ベンザルコニウム、塩酸ジフェンヒドラミン、タカナール、カンフル、サリチル酸、ノニル酸バニリルアミド、ノナン酸バニリルアミド、ピロクトンオラミン、ペンタデカン酸グリセリル;1−メントール、カンフルなどの清涼剤等が挙げられる。
上記のその他の成分に加えて、従来化粧料に用いられる各種の成分を配合することが可能である。例えば紫外線散乱剤、油剤、界面活性剤、フッ素化合物、樹脂、粘剤、防腐剤、香料、保湿剤、塩類、溶媒、酸化防止剤、キレート剤、中和剤、pH調整剤、昆虫忌避剤等の成分を使用することができる。
本発明の複合粒子を使用してパウダーファンデーションを得る場合には、パウダーファンデーション中に該複合粒子を好ましくは40.0〜99.0質量%、更に好ましくは50.0〜95.0質量%、より好ましくは60.0〜90.0質量%となるように配合することができる。
また該複合粒子として、セリサイト由来の複合粒子を配合することにより、より落下強度に優れた化粧料が得られるメリットがある。
またファンデーションにバインダーを配合しても良く、しなくても良い。バインダーの配合量としては、好ましくはファンデーション中20.0質量%以下でも良く、更に好ましくは15.0質量%以下、より好ましくは10.0質量%以下、最も好ましくは5.0質量%以下であり、バインダーを配合しなくても良い。バインダーを配合しない場合は、化粧料の油性感が減らせる、伸びが改善する、化粧塗膜の均一性が向上するなどの効果が得られるメリットがある。
本発明の複合粒子を使用してアイシャドウを得る場合には、アイシャドウ中に該複合粒子を好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90.0質量%以上、より好ましくは95.0質量%以上、最も好ましくは99.0質量%以上となるように配合することができる。なかでも、ポリアミド樹脂を使用してなる本発明の複合粒子を採用することが好ましい。
また該複合粒子として、パール顔料由来の複合粒子と共にタルク又はセリサイト由来の複合粒子を配合することができる。このとき、パール顔料由来の複合粒子とタルク又はセリサイト由来の複合粒子の配合する質量の比は、目的とする質感や色調等によって任意に決定できるが、好ましくはパール顔料由来の複合粒子:タルク又はセリサイト由来の複合粒子=10:0〜2:8であり、更に好ましくは3:1〜1:3、最も好ましくは1.5:1〜1:1.5である。
またアイシャドウにバインダーを配合しても良く、しなくても良い。バインダーの配合量としては、好ましくはアイシャドウ中20.0質量%以下でも良く、更に好ましくは10.0質量%以下、より好ましくは5.0質量%以下、最も好ましくは3.0質量%以下であり、バインダーを配合しなくても良い。バインダーを配合しない場合の効果は前記と同様である。
以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(ポリアミド樹脂処理複合粒子の製造A)
表1に示す各種のポリアミド樹脂について、下記製造方法に基づいて処理粉体を作成した。評価結果を表1に示す。評価は専門の評価者3名が実施し、その結果をまとめたものを示した。
表1に記載のポリアミド樹脂28質量部をイソプロピルアルコール50質量部に溶解させた後、ポリヒドロキシステアリン酸オクチル12質量部を溶解させた。次いで、平均一次粒子径12μmのシリコーンエラストマーの1種である(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー10質量部を加え、良く混合して混合液を得た。ASI処理マイカY−2300(大東化成工業社製)のそれぞれについてエタノールを加えながら混合し、飽和吸油量になったところで、前記混合液を顔料100質量部に対して、15質量部加えて良く混合した後、揮発性溶媒を除去し、粉砕、メッシュがけして目的のポリアミド樹脂処理複合粒子を得た。
上記のポリアミド樹脂処理複合粒子を肌の上で、指およびスポンジを使用して伸ばし、使用する顔料が板状粉体顔料であっても、その感触は伸び、粉のつき方、ほぐれ方、むらづきの有無等を総合的に確認した。
表1の結果から、いずれのポリアミド樹脂も複合粒子を得るための処理剤としての適正があると判断された。また、いずれのポリアミド樹脂も水に濡れやすい特性があり、バインダーオイルとの組み合わせにより、化粧落としが容易になる化粧料の開発が期待できる結果となった。
(実施例2)
次いで、上記ポリアミド樹脂処理複合粒子の製造Aに準じて、上記表1中の番号1〜6にて使用したポリアミド樹脂を使用して、ポリアミド樹脂処理複合粒子を製造し、表2に示すような各種表面処理を予めされた顔料との相性を調べた結果を以下に示す。なお、母体となる顔料として、タルクJA−46Rを用いた他は全てポリアミド樹脂処理複合粒子の製造Aに準じて、評価を実施した。また、処理顔料は全て大東化成工業社製のものを用いた。
試験の結果、オクチルトリエトキシシラン処理とASI処理(トリイソステアリン酸イソプロピルチタン、ラウロイルアスパラギン酸Na、塩化亜鉛による処理)は、いずれのポリアミド樹脂を用いた場合でも、実施例1と同様に、伸び、粉のつきが良く、感触がやわらかく優れていた。他の処理は化粧品原料として有用な特徴を有していたが、汎用性に欠ける場合があったため、汎用的に使用するには、オクチルトリエトキシシラン処理とASI処理が特に適していると判断した。
(実施例3)
(ポリブテン処理複合粒子の製造B)
表3に示す各種の高重合度ポリイソブチレン(ポリブテン)について、下記製造方法に基づいて処理粉体を作成した。評価結果を表3に示す。評価は専門の評価者3名が実施し、評価した結果をまとめて示した。
下記番号1〜6に示す高重合度ポリブテン12質量部とシリコーンエラストマーの1種であるジメチコン/(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー6質量部をn−ヘキサン82質量部に溶解、分散させた溶液を得た。オクチルトリエトキシシラン処理マイカY−2300(大東化成工業社製、平均粒子径19μm)100質量部に、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー5質量部を加えて混合したものに、n−ヘキサンを飽和吸油量より若干少なくなる量を加え、ここに上記溶液を20質量部加えて良く混合した後、揮発性溶媒を除去し、粉砕、メッシュがけして目的の処理粉体を得た。
上記のポリブテン処理複合粒子を肌の上で、指およびスポンジを使用して伸ばし、その感触、伸び、粉のつき方、ほぐれ方、むらづきの有無等を総合的に確認した。
表3の結果から、使用する顔料が板状粉体顔料であっても、いずれの高重合度ポリブテンも処理剤としての適正があると判断された。特に、番号1と2のポリブテンは優れた特性が認められた。また、いずれも撥水性はややある程度の特性であり、バインダーオイルとの組み合わせにより、化粧落としが容易になる化粧料の開発が期待できる結果となった。なお、番号1の高重合度ポリブテンを用いた処理粉体は特徴があり、品質が良いものの、常温でのn−ヘキサンに対する溶解度が16%程度であり、工業化時に多量の溶媒を必要とする場合がある。
(実施例4)
1.高重合度ポリブテン溶液の作成
表3中の番号2の高重合度ポリブテンを用いて、表4の組成となるように均一に溶解して高重合度ポリブテン溶液Aを下記の製造方法にて作成した。
2.高重合度ポリブテン処理複合粒子の製造1
オクチルシリル化処理されたタルク、セリサイト、マイカ、雲母チタン(大東化成工業社製)100質量部とシリコーンエラストマー粒子の1種である(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー5質量部を良く混合した後、n−ヘキサンを飽和吸油量よりやや少ない量追加し、良く混合した後、表4により得られた高重合度ポリブテン溶液Aを10質量部加え、さらに良く混合した。次いで、溶媒を減圧下に加熱して除去した。得られた粉体を粉砕し、メッシュを通して整粒して複合粒子を得た。
(実施例5)
3.高重合度ポリブテン処理複合粒子の製造2
オクチルシリル化処理された合成金雲母 (PDM-5L大東化成工業社製)100質量部とシリコーンエラストマー粒子の1種である(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー1質量部を良く混合した後、n−ヘキサン200質量部を追加し、良く混合した後、高重合度ポリブテン溶液Aを30質量部加え、さらに良く混合した。次いで、溶媒を減圧下に加熱して除去した。得られた粉体を粉砕し、メッシュを通して整粒し、複合粒子を得た。
(実施例6)
4.高重合度ポリブテン処理複合粒子の製造3
オクチルシリル化処理された合成金雲母 (PDM-10L大東化成工業社製)100質量部とシリコーンエラストマー粒子の1種である(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー5質量部を良く混合した後、水添ポリイソブテン2質量部をn−ヘキサン100質量部に溶解した溶液を追加し、良く混合した後、高重合度ポリブテン溶液Aを15質量部加え、さらに良く混合した。次いで、溶媒を減圧下に加熱して除去した。得られた粉体を粉砕し、メッシュを通して整粒して複合粒子を得た。
(実施例7)
5.高重合度ポリブテン処理複合粒子の製造4(金属石鹸様顔料)
表3中の番号2の高重合度ポリブテンを用いて、表5の組成となるように均一に溶解して高重合度ポリブテン溶液Bを下記の製造方法にて作成した。
オクチルシリル化処理されたタルクJA-46R (大東化成工業社製)100質量部とシリコーンエラストマー粒子の1種である(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー0.5質量部を良く混合した後、ジメチコン/(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー20質量部をn−ヘキサン100質量部に溶解・分散させた溶液を追加し、良く混合した後、高重合度ポリブテン溶液Bを2質量部加え、さらに良く混合した。次いで、溶媒を減圧下に加熱して除去した。得られた粉体を粉砕し、メッシュを通して整粒して、処理複合粒子を得た。
(比較例1)
リップワックス(合成炭化水素ワックスとエチレンプロピレンコポリマーの混合物、常温で固形状のワックス、日本ナチュラルプロダクツ社製)を用いて、検討を行った。
リップワックスはエタノール、イソプロピルアルコールに不溶であり、常温でのn−ヘキサンにも僅かしか溶解せず、加熱されたn−ヘキサンを用いる必要があった。加熱されたヘキサンを用いて、オクチルトリエトキシシラン処理タルクに対して処理した場合、処理が不均一となった。
(比較例2)
(高重合度ポリブテンに代えて、分子量の低い非固体状ポリブテンを用いた場合の例)
オクチルシリル化処理されたタルクとマイカを用い、表4の高重合度ポリブテンを水添ポリイソブテン(分子量2700)に置換した以外は全て実施例2と同様にして複合処理粉体を得た。
(比較例3)
(高重合度ポリブテンに代えて、白色ワセリンに置換した場合の例)
オクチルシリル化処理されたタルクとマイカを用い、表4の水添ポリイソブテン(分子量2700)を白色ワセリンに置換した以外は全て高重合度ポリブテン処理複合粒子の製造1と同様にして複合処理粉体を得た。
(比較例4)
(固体状材料ではあるが、素材がシリコーン系で異なる成分を用いた場合の例)
オクチルシリル化処理されたタルクとマイカを用い、表4の水添ポリイソブテン(分子量2700)をトリメチルシロキシケイ酸/ジメチコン溶液に置換した以外は全て高重合度ポリブテン処理複合粒子の製造1と同様にして複合処理粉体を得た。
(比較例5)
(シリコーンエラストマー粒子を用いなかった場合の例)
オクチルシリル化処理されたタルクとマイカを用い、シリコーンエラストマー粒子をジメチルポリシロキサン(6cs)に置換した以外は全て高重合度ポリブテン処理複合粒子の製造1と同様にして複合処理粉体を得た。
(実施例8)
(複合粒子の製造)
ポリアミド樹脂(アリゾナケミカル社製Polyamide−3、分子量20000)を用いて、表6の組成による成分A〜Cを用いて、下記の製造方法にて作成した。
成分Aを均一に溶解させ、そこに成分Bを投入し溶解させた後、成分Cを加えて良く分散させて溶解液を得た。
この溶解液を用いてポリアミド樹脂処理顔料を作成した。オクチルシリル化処理されたタルク、セリサイト、マイカ、雲母チタン(大東化成工業社製)をそれぞれエチルアルコールに分散させた。それぞれに溶解液Aを顔料の質量に対して15質量%となる量を加え、均一になるまで良く混合した。次いで、溶媒を減圧下に加熱して除去した。得られた粉体を粉砕し、メッシュを通して整粒し、複合粒子を得た。
(実施例9)
(複合粒子の製造)
ポリアミド樹脂(Croda社製Polyamide-8、分子量4500)を用いて、表7の組成による成分A〜Cを用いて、下記の製造方法にて作成した。
均一に溶解させてなる成分A76.0質量部と成分B24.0質量部と追加的にイソプロピルアルコールからなる溶液を作成し、この溶液15質量部とオクチルシリル化されたタルク、セリサイト、マイカ、雲母チタン(大東化成工業製)100質量部とシリコーンエラストマー球状粉体1.5質量部をよく混合して分散させた。次いで、溶媒を減圧下に加熱して除去した。得られた球体を粉砕し、メッシュを通して整粒して、複合粒子を得た。
なお、イソプロピルアルコールの量は、顔料のイソプロピルアルコールに対する吸油量により変化するため、混合物を5分静置した場合でもイソプロピルアルコールが相分離して2層にならない量を顔料ごとに実験的に定めた。追加するイソプロピルアルコールの量の例としては、例えば顔料100質量部に対して、タルク、60〜90質量部、セリサイト65質量部、マイカ40〜100質量部、雲母チタン50〜120質量部が挙げられる。
高重合度ポリブテン処理複合粒子の製造1で得られた複合処理粉体、ポリアミド樹脂処理複合粒子と、比較例2〜5について、のび、つき、なめらかさについて、専門パネラーによる評価を実施した結果を表8に示す。この結果、本発明に沿った例である製造1で得られた複合処理粉体(高分子量ポリブテン使用)とポリアミド樹脂処理複合粒子を使用すると、使用する顔料が板状粉体顔料であっても、のび及び粉つきの良さ、なめらかさに関して、比較例2〜5による結果よりも優れていた。
評価方法
専門パネラー5名により、それぞれの評価項目について、官能評価を実施した。各パネラーの持ち点を5点とし、評価が悪い場合を1点、評価が良い場合を5点として回答し、パネラーの評価点の平均値を以て評価結果とした。従って、点数が高い程、その項目の評価が高いことを示す。
外観上の特徴を走査型電子顕微鏡写真に基づき示す。
図1と図2に、本発明の実施例8にて使用したオクチルトリエトキシシランにて処理されたマイカ(図1)およびタルク(図2)を示す。本来、マイカとタルクは共に板状の顔料であるが、粉砕などの操作により、やや小さい粒子径の成分を含んだ混合体であることが判る。合成物も含めて、板状の顔料を表面処理した後は、一般的にはこのような形態をとっていることが多い。
図3、図4に本発明の実施例8のポリアミド樹脂処理複合粒子の内、マイカを処理した例を示す。図3は、ポリアミド樹脂処理複合粒子に何ら力をかけていない時の例であり、図4は電子顕微鏡の試料を作成する際に粉体を引き延ばす方向に力をかけてから撮影したものである。球状の粉体はシリコーンエラストマー粒子であるが、力をかけていない場合、図3によれば、シリコーンエラストマー表面はマイカによって被覆されたような状態であるため、シリコーンエラストマー粉体は写真上ほとんど確認できない。
これに対し、粉体を引き延ばす方向に力をかけた場合では、シリコーンエラストマー粒子を被覆するように付着していたマイカが剥離や移動することによって、図4の例えば中央部右よりの位置にシリコーンエラストマーを確認することができる。
このようにして、シリコーンエラストマー粒子は、複合粒子の内部に存在していることが推定される。
次に、ポリアミド樹脂処理複合粒子の内、タルクの場合を図5、図6に示す。タルクの場合もマイカと全く同様の特性が見られ、力をかけていない場合、図5のようにマイカと同様の多くのタルクの集合体が観察され、かつシリコーンエラストマー粒子をほとんど確認できないのに対して、力をかけた場合では、図6のように図の中央部にシリコーンエラストマー粒子が観察された。
図7、図8はそれぞれ製造1で得られた高重合度ポリブテン処理複合マイカ及び高重合度ポリブテン処理複合タルクの走査型電子顕微鏡の観察像である。ポリブテンの場合は、ポリアミド樹脂同様に顔料の集合体を形成しているが、ポリアミド樹脂処理複合粒子の場合と異なり、集合体の外側にも多少シリコーンエラストマー粒子が観察されている。但し、大きな複合粒子を形成しており、内部にシリコーンエラストマーが含まれていること、力をかけると容易に構造が崩れて内部の粒子が現れるという特性は共通していた。
また、ポリアミド樹脂処理複合粒子、高重合度ポリブテン処理複合粒子共に粒子の形状が複雑で、集合体としては、粒子間に空隙の多い構造を形成することが判った。さらに、複合粒子は板状粒子と球状粒子からなるので、粒子内部にも空隙が形成されていることが推定される。
(実施例10〜13)
表9の処方と製造方法に基づいて、下記の方法により、化粧料(パウダーファンデーション)を作成した。
成分AとBをそれぞれミキサーにて良く混合した。次いで、成分Aと成分Bを混合し、さらに良く混合した。ここに事前に良く混合させた成分Cを加えて混合した後、粉砕、メッシュをかけてベース粉体を得た。次いで、実施例10、11は、金型を用いて金皿に打型して乾式充填して製品を得た。
実施例12、13は、ここにイソドデカンをベース粉体の質量に対して70質量部加え、スラリー化した後、金皿に湿式充填し、溶媒を吸引除去した後、打型し、余分な溶媒の残留がなくなったことを確認して製品とした。
(比較例6〜9)
実施例10〜13で用いたポリアミド樹脂処理複合顔料およびポリブテン処理複合顔料をそれぞれ対応するオクチルトリエトキシシラン処理顔料に置換した以外は全て実施例10〜13と同様にして製品とした。
(比較例10〜13)
実施例10〜13で用いたポリアミド樹脂処理複合顔料およびポリブテン処理複合顔料の代わりに、複合化時にシリコーンエラストマー粒子を用いずに製造した複合処理顔料を用いた以外は、全て実施例10〜13と同様にして製品とした。
(比較例14〜17)
実施例10〜13で用いたポリアミド樹脂処理複合顔料およびポリブテン処理複合顔料の代わりに、複合化時にシリコーンエラストマー粒子を用いずに製造した複合処理顔料を用い、該シリコーンエラストマーを複合化せずに後添加した以外は、全て実施例10〜13と同様にして製品とした。
評価方法
前記評価方法と同様に専門パネラー5名による官能評価を実施した。
評価項目1:取れが良いか
評価項目2:伸びが良いか
評価項目3:つきが良いか
評価項目4:保湿感に優れるか
評価項目5:化粧持ちに優れるか
の5項目にて実施した。
落下試験の結果、打型した粉体化粧料にヒビや割れが発生しないものを合格とし、ヒビや割れが発生したものを不合格とした。落下試験の条件は、水平落下、高さ50cm、落下回数3回にて実施した。
試験は乾式打型品と湿式打型品に分けてそれぞれ実施した。
結果を表10(乾式打型)および表11(湿式打型)に示す。
表10の結果から、乾式打型で比較した場合の本発明の実施例10及び11は、各比較例に対して、使用する顔料が板状粉体顔料であっても、各評価項目に対して優れた性能を有していることが判る。
表11の結果から、湿式打型で比較した場合の本発明の実施例12及び13は、各比較例に対して、各評価項目に対して優れた性能を有していることが判る。
(実施例14〜17)
表12及び表13の処方に基づいて、下記の方法により、化粧料(パウダーファンデーション)を作成した。
顔料組成物をミキサーにて良く混合した。得られた顔料組成物を96質量部又は100質量部となるようにとり、顔料組成物96質量部の場合にはバインダーをさらに4質量部加えた。尚、バインダーはジメチコン(粘度20mm2/s)20質量部、ジメチコン(粘度350mm2/s)20質量部、マレイン酸ジイソステアリル10.3質量部、トリエチルヘキサノイン48.7質量部、ステアリン酸ソルビタン1質量部からなる混合物を用いた。
顔料組成物のための成分をそれぞれミキサーにて良く混合した。次いで、必要に応じて顔料組成物とバインダーを混合した後、粉砕、メッシュをかけてベース粉体を得た。次いで、金型を用いて金皿に打型して乾式充填して製品を得た。
実施例14〜17の結果によれば、金皿に乾式充填されたなる製品を50cmの高さから自然落下を3回行った結果、いずれの実施例も充填されているパウダーファンデーションに欠けは生じなかった。またいずれの実施例もパフに取ったときに、使用する顔料が板状粉体顔料であっても、とれは良好で、取った後の充填されたパウダーファンデーション表面はなめらかであった。また特に実施例15及び17によるとパウダーファンデーションはさらさらしていた。
実施例18〜20は、実施例17のカプリルトリエトキシシラン処理顔料に代えて、パーフルオロオクチルトリエトキシシラン処理顔料を採用した点、及びタルクとシリカの含有量を変更した点をはじめとして組成を変更した例である。それらの結果によれば、金皿に乾式充填されたなる製品を50cmの高さから自然落下を3回行った結果、いずれの実施例も充填されているパウダーファンデーションに少し欠けは生じた。
しかしながら、いずれの実施例もパフに取ったときに、使用する顔料が板状粉体顔料であっても、取れは良好で、取った後の充填されたパウダーファンデーション表面はほぼなめらかであった。また特に実施例19によるとパウダーファンデーションをパフで取るときのとれやすさは適切であった。
(実施例21〜23、比較例18)
表14の処方に基づいて、下記の方法により、化粧料(パウダーアイシャドウ)を作成した。
顔料組成物をミキサーにて良く混合した。得られた顔料組成物を92質量部、96質量部又は100質量部となるようにとり、さらに100質量部となるようにバインダーを加えた。バインダーは表12、13で用いたものと同じものを使用した。
顔料組成物のための成分をそれぞれミキサーにて良く混合した。次いで、必要に応じて顔料組成物とバインダーを混合した後、粉砕、メッシュをかけてベース粉体を得た。次いで、金型を用いて金皿に打型して乾式充填して製品を得た。
比較例18は本発明の複合粒子を使用せずに、顔料成分としてカプリルトリエトキシシラン処理してなる顔料のみを使用した例である。この比較例18によれば、金皿に乾式充填されたなる製品を50cmの高さから自然落下を3回行った結果、充填されているアイシャドウが欠けた。
実施例21〜23によれば、このような落下試験によってもアイシャドウが割れず、さらにアイシャドウをブラシに取るときには、なめらかな感触で、ブラシに適切な量のアイシャドウを取ることができた。
また特にバインダーを使用しないアイシャドウを使用すると、グラデーションを極めて容易に描くことができた。
(実施例24)
(ポリアミド樹脂処理複合酸化チタン粒子の製造)
下記製造方法に基づいてポリアミド樹脂処理複合酸化チタン粒子を作成した。ポリアミド樹脂16.7質量部をイソプロピルアルコール83.3質量部に溶解させてなる溶液1を得た。その溶液11.64質量部、ポリブテン0.32質量部、スクワラン0.12質量部、イソステアリン酸イソプロピル0.12質量部、ヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル0.20質量部をイソプロピルアルコール32.0質量部に溶解させてなる溶液2を得た。
別にトリエトキシカプリリルシラン処理酸化チタン100.0質量部と(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー6.3質量部の混合物を得た。
該溶液2を34.4質量部と、該混合物106.3質量部を混合した後、揮発性溶媒を除去し、粉砕、メッシュがけして目的のポリアミド樹脂処理複合酸化チタン粒子を得た。
専門の評価者3名によると、得られたポリアミド樹脂処理複合酸化チタン粒子を、肌の上で、指およびスポンジを使用して伸ばしたときに、その感触、伸び、粉のつき方、ほぐれ方はいずれも良好であり、むらは無かった。

Claims (3)

  1. a.顔料
    b.エラストマー粒子
    c.常温で固体の、ポリブテン及び/又はポリアミド樹脂
    のa〜c成分を含み、
    b.エラストマー粒子の表面に形成されたポリブテン及び/又はポリアミド樹脂からなる層を介してa.顔料が付着してなる粉体化粧料用複合粒子。
  2. a.顔料が板状粉体顔料である請求項1に記載の粉体化粧料用複合粒子。
  3. 粉体化粧料用複合粒子100質量部中、a.顔料の含有量は85〜95質量部、b.エラストマー粒子の含有量は0.5〜10質量部、c.常温で固体の、ポリブテン及び/又はポリアミド樹脂の含有量は0.01〜10質量部である請求項1又は2に記載の粉体化粧料用複合粒子。
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