JP5366749B2 - かつら - Google Patents

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    • A41GARTIFICIAL FLOWERS; WIGS; MASKS; FEATHERS
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    • A41G3/0066Planting hair on bases for wigs

Description

本発明はかつらに係るものであり、さらに詳しくは、つむじと分髪の形態に関し、とくに、つむじ付近が潰れにくく、且つ、つむじから前頭部にかけて形成される髪の分け目からかつらベースが露見しにくいかつらに関する。
かつらは、ネットや人工皮膚などのかつらベースに天然毛髪や人工毛髪を植えつけたものであり、装着していることが目立たないようにすることはもちろんのこと、使用者の望むヘアスタイルに対応可能な様々なバリエーションをもつ形態が求められている。
人間の頭髪は、一般に、頭部のつむじを起点として、前額側に流れる毛髪の流れ、左右の側頭部に向けて流れる毛髪の流れ、後頭部に向けて流れる基本的な毛髪の流れが形成されている。つむじは、人の頭髪では時計又は反時計周りに渦を巻いて形成されている。この基本的な毛流に変化を加えることにより、様々なヘアスタイルが形作られている。
かつらにおいても、図6に示すように、前頭部Aの毛流は、前額側に流れの向きが形成され、左右の側頭部C,Dにおいてはそれぞれ右側あるいは左側に向けた流れが形成され、後頭部Bでは、前額側とは反対側の後方に流れる毛流が形成されている。つむじ(図6では示していない)は、かつらを実際の頭髪であるかのようにみせるための重要な構成であり、かつらの頭頂部の一部(前頭部の後頭部寄り側)に、放射線状に毛流を拡散させて構成するものや、渦巻き状の毛流とすることにより、つむじの中心をはっきりさせるものが一般に採用されている。
たとえば、特許文献1には、かつらの頭頂部の一部に、渦巻き状の毛流によって形成されたつむじを備えるかつらが示されている。また、特許文献2には、渦巻き状のつむじと前頭部及び後頭部などの部分の毛流を渦巻きの流れに沿った形態としたかつらが示されている。
また、つむじから前額側に向けて毛流を左右に分け、髪の分け目をつけたヘアスタイルのかつらも知られている。
実開平5−54509号公報 特開2009−41119号公報 特開2009−35829号公報
かつらベースに毛髪を植設するときに、毛髪はかつらベースと水平な一定方向に引っ張られ、かつらベースに結び付けられることによって、毛髪には引っ張られた方向への指向性が付与される。そして、ほぼ同一方向に指向性の整えられた毛髪が複数集まって、毛流が形成されることになる。頭部の百会付近を起点として、毛髪の指向性の方向を少しずつ変化させると、渦巻き状の毛流や放射線状の毛流が形成され、たとえば百会付近につむじが形作られる。
従来のいずれのかつらにあっても、渦巻き状や放射線状のつむじのように、毛流はほぼ同一の方向に向けて揃えて植設されるので、つむじの中心位置をはっきりとさせ、きちんとしたヘアスタイルのかつらを提供できるという利点がある。
しかし、植設された毛髪は、自毛と異なり、外部からの力に対して弾力的に追随することが難しい。図7(A)に示すように、自毛110は、皮膚111の内部にある毛包112によって固定されているが、皮膚は弾力性を有するとともに、表面付近では自毛110との間に窪み113があり、根元付近で皮膚111が自毛110の前後左右の動きに弾力的に追従できる構造となっている。したがって、自毛は、外部からの力に対して無理なく追従することができ、ブラッシング等によって毛流を揃える、あるいは変化させても復元が可能である。
これに対し、図7(B)に示すかつらにおいて、毛髪120は、かつらベース121に結び付けられ又は固定されているだけで、自毛のように根元付近で弾力的に可動できる構造とはなっていない。したがって、外部からの力が加わると、毛髪が倒れ又は折れ癖がつきやすく、復元することが困難であり、さらに植設時に付けた毛髪の指向性の方向に簡単に戻ってしまう。
特許文献1や特許文献2に開示された毛流の方向性を揃えて形成された渦巻きつむじを備えるかつらは、ブラッシング等で手入れをする際に、毛髪が束になって毛流と同じ方向に倒れてしまいやすく、また、つむじが潰れてしまいやすいという問題がある。さらに、ブラシを入れた方向が毛流とは異なる場合、毛髪が束になって偏りやすいので、つむじの外観が不自然になりやすいという問題もある。
また、特許文献2には、渦巻き状に形成されたつむじの毛流とその他の部分とをなじませるために、前頭部と後頭部の毛流を渦巻きの毛流と同じ方向に形成することが記載されている。毛流を揃えて同じ方向に形成したかつらは、つむじ部だけでなく、前頭部と後頭部の毛髪もブラッシング等によって、毛髪が束になって毛流と同じ方向に倒れてしまいやすく、かつらのボリューム感が失われ、外観が不自然になりやすい。
さらに、従来のかつらでは、前頭部の毛流がつむじと同じ方向性を持っているため、つむじから前頭部にかけて、髪の分け目をつけることが難しい。仮に、このタイプのかつらに髪の分け目をつけるようにヘアスタイルをセットすると、毛流に沿ってブラッシングしたところでは毛髪が束になった状態で毛流と同じ方向に倒れてしまう。一方、毛流とは異なる方向にブラッシングした毛髪には折れ癖がつくため、束になって偏りが生じやすい。この結果、癖のついたかつらの分け目の部分には、線状に不自然な髪の分かれ目(以下、毛割れという)が形成されてしまう。そして、毛割れによってかつらベースが露見しやすくなるので、かつらの装着が他人に知られてしまうという問題がある。
つむじから前額部にかけての髪の流れをより自然にするため、つむじから前額側に向けて毛流を左右に分け、髪に分け目をつけたヘアスタイルのかつらがすでに知られている。このタイプのかつらは、分け目がはっきりしているので、きちんとしたヘアスタイルのかつらを提供できるという利点がある。しかし、前述したように、毛流に沿ってブラッシングすると毛髪が束になった状態で倒れやすいため、使用するにつれ、分け目付近では髪のボリューム感が失われ、分け目や毛割れが目立つようになりやすい。分け目や毛割れが目立つことにより、かつらベースが露見しやすくなるので、かつらの装着が他人に知られてしまうという問題がある。
毛割れを防ぐための技術として、特許文献3に、異なる指向性を備えて植設された4株の毛髪が規則的に配置されているかつらが開示されている。4株の毛髪は互いに支えあうため、毛割れが起こりにくい。しかし、植設する際に毛髪1本ずつの指向性を確認する作業を必要とする。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、つむじ付近が潰れにくいかつらを提供することを第一の目的とする。また、本発明はつむじから前頭部にかけて形成される髪の分け目からかつらベースが露見しにくいかつらを提供することを第二の目的とする。
本発明のかつらは、かつらベースに複数の毛髪が植設されてなり、前額部に向けた毛流を備える植毛領域と、後頭部に向けた毛流を備える植毛領域とが頭頂部の一部に規則的に配置されたことを特徴とする。
また、本発明のかつらは、かつらベースに複数の毛髪が植設されてなり、頭頂部の一部において、前額部に向けた毛流を備える植毛領域と、後頭部に向けた毛流を備える植毛領域とが規則的に配置されて形成されるつむじ部と、前頭部右側に向けた毛流を備える植毛領域と、前頭部左側に向けた毛流を備える植毛領域とが、つむじ部から前額部に向けて交互に配置されて形成される分髪部とを有することを特徴とする。
本発明のかつらにおいて、つむじ部は、前額部に向けた毛流を備える植毛領域と、後頭部に向けた毛流を備える植毛領域とが規則的に配置されるので、それぞれの植毛領域の毛髪がお互いに支えあうことになる。このことにより、毛髪が束になって倒れることが防止でき、つむじ部のボリューム感を維持できる。
また、いわゆる「髪の分け目」が前頭部右側に向けた毛流を備える植毛領域と、前頭部左側に向けた毛流を備える植毛領域とからなり、それぞれの植毛領域がつむじ部から前額部に向けて交互に配置されるので、それぞれの植毛領域の毛髪がお互いに支えあうことになる。このことにより、毛髪が束になって倒れることが防止でき、ボリューム感を維持できる。この結果、髪の分け目からかつらベースが露見しにくくなる。
本発明に係る第一実施形態のかつらベースの概略を示す図であり、(A)はかつらベースの全体概要、(B)は頭頂部の拡大図である。 第一実施形態において、つむじ部に毛髪を植設した状態を模式的に表す図である。 第一実施形態において、つむじ部Xに人工皮膚を使用した状態を模式的に表す図である。 第二実施形態のかつらベースの概略を示す図であり、(A)はかつらベースの全体概要、(B)は分髪部とつむじ部の拡大図である。 第三実施形態の分髪部とつむじ部の拡大図である。 従来のかつらの概要を示す図である。 自毛の生え方(A)と人工毛髪の固定(B)の違いを示す図である。
以下、本発明の幾つかの好ましい実施形態を詳細に説明する。
(第一実施形態)
図1は、かつらのかつらベース1の概略(図1(A)として示す)とその一部を拡大した図(図2(B)として示す)である。かつらベース1の前頭部I内のXは、頭部のつむじの位置を示す。図中、つむじの位置(以下、つむじ部Xという)を前頭部Iの左後方に示すが、つむじ部Xはこの図の位置に限定されるものではない。
つむじ部Xは、図1(B)に示すように、さらに複数の植毛領域2に細分化されている。この植毛領域2には毛髪(図示せず)が指向性を備えて植設されており、前額部に向けた毛流が形成された植毛領域2a(毛流の方向を矢印で示す)と、後頭部に向けた毛流を備える植毛領域2bとが交互に規則的に配置されている。隣接する植毛領域2の毛流の方向は異なっていることが望ましい。たとえば、植毛領域2aに隣接する植毛領域の毛流はすべて前頭部に向けた毛流を備えている。
なお、前額部に向けた毛流と後頭部に向けた毛流は、かつらの前後方向に対し、多少右側又は左側に角度を持って形成されていてもよい。
異なる毛流を有する植毛領域が交互に規則的に配置されることにより、植毛領域2aと植毛領域2bの毛髪がお互いに支えあうことになり、つむじ部Xの毛髪は盛り上がり、ボリューム感が生ずる。そして、つむじ部Xは、植毛領域2aと植毛領域2bの毛髪がお互いに支えあうため、ブラッシング等の外的な力に対しても、毛髪が束になって倒れにくく、潰れにくい。
前述したように、前頭部Iには、前額側に向けた流れの毛流、後頭部IIにおいては、前額側とは反対側に流れる毛流、右側頭部III及び左側頭部IVではそれぞれ左側あるいは右側に向けた流れの毛流がそれぞれ形成されている。このようにして、かつらベース1には様々な流れを備える毛髪が植設されてかつらが構成される。
したがって、つむじ部Xは、異なる毛流を有する植毛領域が交互に規則的に配置されて、毛髪は盛り上がり、前頭部1の他の毛流とも異なることから、前頭部Iの中で区別されて認識されやすくなる。そして、この盛り上がりは、つむじの位置に該当することから、渦巻きの中心や放射線状のつむじのように、流れの中心部がはっきりしていなくても、つむじとして認識される。
毛髪が植設されるかつらベース1の素材は、人工皮膚、ネット部材の何れであってもよい。または、つむじ部Xの植毛領域をのみを人工皮膚とし、それ以外の植毛領域をネット部材としてもよい。
毛髪は、直毛又はカールを付した天然毛髪あるいは人工毛髪である。毛髪は、中央部を二つ折りにした折れ部をかつらベースの人工皮膚又はネット部材の縦糸もしくは横糸に結び付けることにより植設される。植設する際、毛髪はかつらベース1に対しほぼ垂直方向に引っ張られるが、同時に水平方向への力が加えられる。これを毛髪の指向性といい、植毛領域2aでは、前額部に向けた指向性を持たせて毛髪は植設される。一方、植毛領域2bでは毛髪は、指向性を後頭部に向けて植設される。
植毛領域2の形状は特に限定されるものではないが、図1の(B)に示したような、仮想線で示す四角形の組み合わせの他、四角形をさらに2つに分割して三角形の組み合わせとしてもよい。四角形又は三角形は小さいほうが好ましく、かつらベースの素材、植毛密度や植毛作業に応じて適宜設計してよい。なお、四角形の一辺又は三角形の底辺の長さは、0.5〜1.5mmの範囲が好ましい。基本的には、仮想線で囲まれた上記四角形又は三角形の一領域内に、同一の指向性を有する毛流で所定本数の毛髪が植設される。
つむじ部Xに毛髪を植設した状態を図2に模式的に示す。この例では、四角形からなるブロック目を複数併せて、植毛領域2a、2bとしている。かつらベースが人工皮膚の場合、定められた領域に定められた指向性を持たせて毛髪を植設すればよく、ネット部材の場合は、それぞれの植毛領域を構成するネットの縦糸及び横糸に、毛髪3をそれぞれに定められた指向性を備えて植設すればよい。このとき、植毛領域の境界糸には、前額部に向けた指向性を有する毛髪と後頭部に向けた指向性を有する毛髪とを交互に植設することが好ましい。このように植設することで、毛髪の倒伏抑制を補強することが可能になる。
このように、つむじ部Xを複数の植毛領域に細分化して、面積を小さくすることにより、植毛領域内における毛割れが起きにくくなる。また、植毛領域2a、2bにおいて、それぞれの毛髪の指向性を同一の方向とするため、植設する際に毛髪1本ずつの指向性を確認することもなく、作業性がよい。図1(B)に示すように、つむじ部Xにおいて、植毛領域2aでは、毛髪の指向性が前頭部方向の毛流となるように植設し、植毛領域2bでは、毛髪の指向性が後頭部方向の毛流となるように植設している。そして、左側から順に1列目、3列目、5列目・・・の奇数列は前頭部方向の毛流となる植毛領域2aを、2列目、4列目、6列目・・・の偶数列では後頭部方向の毛流となる植毛領域2bを、それぞれ形成して、各植毛領域2a,2bを互い違いに反対方向に整列させている。これを、前方側から後方側への配置態様として観察すると、図1(B)に示すように、1段目、3段目、5段目・・・の奇数段では前頭部方向への毛流に、2段目、4段目、6段目・・・の偶数段では後頭部方向への毛流になるように互い違いに整列させている。
つむじ部Xの植毛領域2を二等辺三角形にした状態を図3に模式的に示す。植設面積を少なくし、さらに植毛領域の形状を工夫することにより、さらに毛割れを生じにくくすることが可能となる。ブラッシング等の外的な力に対しても、毛髪が束になって倒れることを防止でき、つむじを潰れにくくすることができる。図3では、植毛領域2a、2bを二等辺三角形の組み合わせとし、お互いの底辺部で毛流が対抗するようにして、毛髪が束になって倒伏することや毛割れが生ずることを少なくしている。なお、添付図面において、毛流の向きを表す矢印について、便宜上、すべての領域2において示すことを省略していることもある。
植毛領域の境界では、前額部に向けた指向性を有する毛髪と後頭部に向けた指向性を有する毛髪とを交互に植設することが好ましい。
つむじ部Xの形状は、人の頭髪のつむじに倣い、円形あるいは楕円形が好ましく、大きさは半径1〜3cmの範囲が好ましい。
以上述べたように、本実施形態のかつらは、百会付近で、異なる毛流を有する植毛領域が交互に規則的に配置されるため、毛髪は盛り上がり、さらに前頭部1内の他の毛流とも異なることから、前頭部Iの中でつむじと認識されることを利用したものである。これは、これまでの渦巻き状又は放射線状のつむじと異なり、新しいタイプのかつらである。そして、毛髪が互いに支えあうため、ブラッシング等の力に対しても耐えられ、潰れにくいので安定した髪型を保つことができる。
(第二実施形態)
図4は、かつらのかつらベース11の概略((A)として示す)とその一部を拡大した図((B)として示す)である。かつら1の前頭部I内のXは頭部のつむじの位置を、YはXから前額部に向けて形成される分髪部を示す。
第一実施形態同様、つむじ部Xは、前額部に向けた毛流を備える植毛領域2aと、後頭部に向けた毛流を備える植毛領域2bとが規則的に配置されて形成される。なお、かつらベースにおけるつむじ部Xの位置は図4に限定されるものではない。
分髪部Yは、つむじ部Xから前額部に向かって位置する領域であって、いわゆる髪の分け目に該当する領域である。分髪部Yは、さらに、細分化された植毛領域4(以下、分髪領域4という)に細分化されている。分髪領域4には、つむじ部Xから前頭部右側に向けた毛流を備える植毛領域4a(以下、分髪植毛領域4aという)と、つむじ部Xから前頭部左側に向けた毛流を備える植毛領域4b(以下、分髪植毛領域4bという)とがあり、これらが規則的に配置されて分髪部Yが構成されている。なお、本明細書において、つむじ部Xから前頭部右又は左側に向けた毛流とは、つむじ部を起点として前頭部右又は左側に向けて毛髪が植設されているという意味ではなく、毛髪の指向性(流れの向き)を意味するものである。
すなわち、第二実施形態のかつらは、かつらベース11に複数の毛髪が植設されてなり、
(1)頭頂部の一部において、前額部に向けた毛流を備える植毛領域2aと、後頭部に向けた毛流を備える植毛領域2bとが規則的に配置されて形成されるつむじ部Xと、
(2)分髪植毛領域4aと、分髪植毛領域4bとが、つむじ部Xから前額部に向けて交互に配置されて形成される分髪部Yとを備えてなる。
かつらベース11は、人工皮膚あるいはネット部材であってもよい。または、つむじ部Xから分髪部Yのみを人工皮膚とし、それ以外の植毛領域をネット部材としてもよい。
毛髪は、直毛又はカールを付した天然毛髪あるいは人工毛髪である。毛髪は、中央部を二つ折にした折れ部をかつらベースの人工皮膚又はネット部材の縦糸もしくは横糸に結び付けることにより植設される。毛髪は、指向性を備えてかつらベース11に植設される。
つむじ部Xの構成は、第一実施形態の構成と同じである。
分髪部Yは、つむじ部Xの直径とほぼ同じ幅か、やや狭い幅を持って、つむじ部Xから前額部に延びて構成される、頭髪の分け目に該当する領域であり、図4の(B)に示すように、さらに複数の分髪植毛領域4に細分化されている。これらの領域には毛髪(図示せず)が指向性を備えて植設されている。
分髪植毛領域4の形状は特に限定されるものではないが、図4の(B)に示したような四角形の組み合わせの他、四角形をさらに2つに分割して三角形の組み合わせとしてもよい。四角形又は三角形は小さいほうが好ましく、かつらベースの素材、植毛密度や植毛作業に応じて適宜設計すればよい。なお、四角形の一辺又は三角形の底辺の長さは、0.5〜15mmの範囲が好ましい。好ましくは5〜10mmである。
このように、分髪部Yを複数の分髪植毛領域4に細分化して、面積を小さくすることにより、分髪植毛領域内における毛割れを起きにくくすることが可能である。
毛髪の指向性は、分髪植毛領域4の中で、つむじ部から前頭部右側又は左側に向けて備えられていればよい。好ましくは、分髪部Yの中心線に対して前額部右側又は左側に向けて、中心線近傍は中心線と毛髪の指向性とがなす角度を小さくし、中心線から遠ざかる領域においては徐々に角度が大きくなるように指向性を変化させるほうがよい。このようにして、前頭部右側への毛流を有する分髪植毛領域4a及び前頭部左側への毛流を有する分髪植毛領域4bが分髪部Yに形成される。
分髪植毛領域4aと分髪植毛領域4bは、交互に組み合わされて配置され、分髪部Yを構成する。隣接する分髪植毛領域4の毛流の方向は異なっていることが望ましい。図4中、毛流の方向を矢印で示す。
なお、分髪植毛領域4の境界では、前額部右側に向けた指向性を有する毛髪と前額部左側に向けた指向性を有する毛髪とを交互に植設することが好ましい。
このように、分髪植毛領域4a及び4bにおいて、それぞれの毛髪の指向性を同一の方向とするため、植設する際に毛髪1本ずつの指向性を確認することもなく、作業性がよい。
分髪部Yでは、異なる毛流を有する分髪植毛領域が交互に規則的に配置されるため、つむじ部Xと同様、毛髪は盛り上がることになる。しかし、つむじ部Xの毛流が前額部側と後頭部側の流れ方向であるのに対し、分髪部Yの毛流は、主に前額部側への流れであるため、分髪部Yはつむじ部Xとは区別して識別される。
また、前頭部Iの他の部分に比べ、分髪部Yは毛髪が盛り上がっているので、つむじ部Xから前額部にかけての形成された線状又は線状を含んだ領域が認識されやすくなる。この線状領域は、盛り上がっているため、髪の分け目のような境界線とはやや異なる形態となるが、つむじ部Xから前額部に向かって延びるため、ややぼやけた髪の分け目として認識されることになる。つまり、本発明では、毛髪が完全に左右に分離して、頭皮、つまりかつらのベースが前後方向に延びる線状に露出するような分け目として現れるものではなく、分髪部が幅状の領域を有していてこの領域では斜め左方向と斜め右方向とに指向する毛髪が互いに絡み合って支えあうため、上記のように外観がぼやけた分け目として出現するものである。
このように構成された分髪部Yは、お互いの分髪植毛領域が支えあうので、ブラッシングしても、毛流が束になって倒伏しにくく、偏りも形成されることが少ない。したがって、従来のかつらの髪の分け目に生じやすかった毛割れも発生することなく、髪の分け目からかつらベースが視認されにくくなる。
以上述べたように、本実施形態のかつらは、
(1)つむじ部に相当する付近で、毛髪が盛り上がり、前頭部1の他の毛流とも異なることから、前頭部Iの中でつむじと認識されること、
(2)百会付近から前額部にかけて毛髪が盛り上がり、他の領域と異なる毛流が延びていること、からややぼやけた髪の分け目として認識されることを利用したこれまでにない新しいタイプのかつらである。
さらに、これらの領域では、毛髪が互いに支えあうため、ブラッシング等の力に対しても耐えられ、つむじや分け目が潰れにくいので安定した髪型を保つとともに、かつらを装着していることがわかりないようにすることができる。
(第三実施形態)
本実施形態は、つむじ部Xから前頭部右側に向けた毛流を備える植毛領域と、つむじ部Xから部左側に向けた毛流を備える植毛領域の配置が第二実施形態と異なる分髪部の構成で成る。
図5に示す分髪部は、つむじ部Xから前頭部右側に向けた毛流を備える植毛領域から形成される列と、つむじ部Xから前頭部左側に向けた毛流を備える植毛領域とから形成される列とが、つむじ部Xから前額部に向けて交互に配置されている。
すなわち、つむじ部Xから前額部に向けて配置される分髪植毛領域4a又は4bが、分髪部Yの長軸方向中心線にほぼ直交する状態で列を形成するように、分髪部Yの右端から左端にかけて配置されている。
図5を参照して説明すれば、分髪部Yにおいて、つむじ部Xより1段目、3段目、5段目・・・の奇数段では前頭部右方向への毛流に、2段目、4段目、6段目・・・の偶数段では前頭部左方向への毛流になるように互い違いに整列させている。
すなわち、第三実施形態のかつらは、かつらベースに複数の毛髪が植設されてなるかつらであって、
頭頂部の一部において、前額部に向けた毛流を備える植毛領域と、後頭部に向けた毛流を備える植毛領域とが規則的に配置されて形成されるつむじ部と、
つむじ部の直径とほぼ同じ幅か、やや狭い幅を持って、つむじ部から前額部に延びて構成される分髪部とを有し、
分髪部は、つむじ部から前頭部右側に向けた毛流を備える複数の植毛領域が分髪部の右端から左端にかけて整列され形成される列と、つむじ部から前頭部左側に向けた毛流を備える複数の植毛領域が分髪部の右端から左端にかけて整列され形成される列とから構成され、それぞれの列がつむじ部から前額部に向けて交互に配列されている。
第二実施形態同様、分髪部Yは、お互いの分髪植毛領域が支えあうので、ブラッシングしても、毛流が束になって倒伏しにくく、偏りも形成されることが少ない。したがって、従来のかつらの髪の分け目に生じやすかった毛割れも発生することなく、髪の分け目からかつらベースが視認されにくくなる。
1、11 :かつらベース
2、2a、4b:植毛領域
3 :毛髪
4、4a、4b:分髪植毛領域
I :前頭部
II :後頭部
III :側頭部(右)
IV :側頭部(左)
X :つむじ部
Y :分髪部

Claims (8)

  1. かつらベースに複数の毛髪が植設されてなるかつらであって、
    前額部に向けた毛流を備える植毛領域と、後頭部に向けた毛流を備える植毛領域とが頭頂部の一部に規則的に配置された、かつら。
  2. 前記前額部に向けた毛流を有する植毛領域と、前記後頭部に向けた毛流を有する植毛領域とが交互に複数個配置された、請求項1記載のかつら。
  3. 前記前額部に向けた毛流を有する植毛領域には、前記後頭部に向けた毛流を有する植毛領域が隣接されている、請求項2記載のかつら。
  4. 前記前額部に向けた毛流を有する植毛領域と前記後頭部に向けた毛流を有する植毛領域とが三角形と逆三角形との組合せによって配置された、請求項2記載のかつら。
  5. 前記頭頂部の一部が百会付近に該当する、請求項1〜4のいずれかに記載のかつら。
  6. かつらベースに複数の毛髪が植設されてなるかつらであって、
    頭頂部の一部において、前額部に向けた毛流を備える植毛領域と、後頭部に向けた毛流を備える植毛領域とが規則的に配置されて形成されるつむじ部と、
    該つむじ部から前頭部右側に向けた毛流を備える植毛領域と、上記つむじ部から前頭部左側に向けた毛流を備える植毛領域とが、上記つむじ部から上記前額部に向けて規則的に配置されてなる分髪部と、を有するかつら。
  7. 前記つむじ部から前頭部右側に向けた毛流を備える植毛領域と、前記つむじ部から前頭部左側に向けた毛流を備える植毛領域とが、前記つむじ部から前記前額部に向けて交互に配置された、請求項6記載のかつら。
  8. 前記つむじ部から前頭部右側に向けた毛流を備える植毛領域から形成される列と、前記つむじ部から前頭部左側に向けた毛流を備える植毛領域とから形成される列とが、前記つむじ部から前記前額部に向けて交互に配置された、請求項6記載のかつら。
JP2009229086A 2009-09-30 2009-09-30 かつら Active JP5366749B2 (ja)

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