JP5364393B2 - 固体酸化物形燃料電池用インターコネクタとその利用 - Google Patents

固体酸化物形燃料電池用インターコネクタとその利用 Download PDF

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Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池用インターコネクタ、および該インターコネクタを備えた固体酸化物形燃料電池(スタック)に関する。
固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:以下、単に「SOFC」ということもある。)は、第三世代型燃料電池とも呼ばれており、他の燃料電池に比べて以下のような利点がある。例えば、SOFCでは作動温度(使用温度)を高くできるため反応促進剤(触媒)が不要であり、ランニングコストの低減となる。また、高温の排出ガス(排熱)を再利用することで、全体の効率(総合効率)を高めることが可能である。さらに、SOFCは出力密度が高いので小型化が可能である。これらのことから、蒸気タービン、ガスタービン等の内燃機関に代わる分散型発電装置として期待されている。
SOFCを実際に使用する場合には、典型的には、高い電圧を得るために複数個の単セルを重ね合わせて複層化した状態で運転される。この複層化された単セルの集合体をスタックという。かかるスタックにおいて、単セル同士を接続するためにインターコネクタが用いられている。インターコネクタは、単セル間を物理的且つ電気的に接続すると同時に、酸化性のガス(典型的には空気)と還元性のガス(典型的には水素やメタン等の燃料ガス)とを分離するセパレータとしての役割も担っている。
上記のようなインターコネクタとして、高導電性、還元雰囲気下での高い安定性(すなわち低い還元膨張率)、電解質材料や電極材料等のセル材料との低い反応性、およびセル材料と類似の熱膨張係数等の性質を具備した材料から形成されることが好ましい。
このようなインターコネクタ材料として、金属材料またはセラミック材料が提案されている。セラミック材料としては、特許文献1〜8に示されるように、種々のペロブスカイト型酸化物材料が提案されている。例えば、La1−pCrO(ここで、AはMg,Ca,Sr,Baからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、0≦p<1である。)等のランタンクロマイト(LaCrO)系のペロブスカイト型酸化物、あるいはそのBサイトを他の元素(例えばSi,Ti,Co,NiあるいはZr)で一部置換(ドープ)したペロブスカイト型酸化物、さらにはMTiO(ここで、MはLi,Ca,Cu,Sr,Ba,La,Ce,Pb,Biからなる群から選ばれる少なくとも1種である。)等のチタネート系のペロブスカイト型酸化物等が例示される。また、ペロブスカイト型酸化物の接合に関する従来技術としては特許文献9〜13が挙げられる。
特開平8−55629号公報 特開平8−83620号公報 特開平8−190922号公報 特開平10−125340号公報 特開平11−3720号公報 特開2003−331874号公報 特開2003−288919号公報 特開2007−39279号公報 特開昭63−256574号公報 特開平1−164772号公報 特開平8−2977号公報 特開2004−284947号公報 特許第2505802号公報
しかしながら、上記のようなセラミック系のインターコネクタ材料のうち、例えばクロム(Cr)を含む材料の場合には、該材料からなるインターコネクタを備えたSOFCを使用すると、Crが(典型的には空気極に)拡散して電池性能が次第に低下する(この現象を一般にCr被毒という。)虞がある。また、上記のインターコネクタ材料は、還元膨張率が比較的高いため、例えば、大型化した単セルからなるスタックを構成する場合には、インターコネクタの燃料極(還元雰囲気)側と空気極(酸化雰囲気)側とで膨張度合に差が生じて(すなわち、両者の応力差が増大して)クラックが生じる等、燃料電池(スタック)の耐久性が低下する虞がある。
さらに、近年では、上記セル材料の改良化や固体電解質の薄膜化に伴いSOFCの発電性能が向上した結果、従来では問題にはならなかった要素がSOFCの作動特性を左右するようになってきた。かかる要素の主たるものは、インターコネクタと単セルとの接合部における気密性不良が原因で生じ得るものである。例えば、かかる気密性不良による燃料ガスの利用効率の低下やスタックとしての安定性の低下等が挙げられる。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、電池性能を低下させる元素を含まず、また、長期にわたり高い気密性を有して単セルと接合できるインターコネクタを備えた高耐久性の固体酸化物形燃料電池を提供することである。また、そのような元素を含まずに単セルとの接合部における気密性を長期にわたって高く保持できるインターコネクタを提供することを他の目的とする。さらに、そのようなインターコネクタを備えた固体酸化物形燃料電池を製造する方法を提供することを他の目的とする。
上記目的を実現するべく、本発明により提供されるインターコネクタは、正極である空気極と、負極である燃料極と、両極間に配置された固体酸化物電解質とからなるセルを複数備える固体酸化物形燃料電池(複数のセルから構成されるスタック)において、該複数のセルを電気的に接続するために、該セル間に配置される固体酸化物形燃料電池用インターコネクタである。かかるインターコネクタは、一般式:
Ln1−xAeMO3−δ (1)
(ここで、Lnはランタノイドから選択される少なくとも1種の元素であり、Aeは、Sr、BaおよびCaからなる群から選択される1種または2種以上の元素であり、Mは、Ti,Zr,Al,Ga,Nb,Ta,Fe,Co,Ni,Cu,Mn,Mg,Rh,Pd,PtおよびAuからなる群から選択される1種または2種以上の元素であり、0≦x≦1、δは電荷中性条件を満たすように定まる値である。)
で表わされるペロブスカイト型酸化物と、シリカとから形成されている。そして、該インターコネクタ全体のうちの上記シリカの含有率が5質量%〜14質量%である。
本発明に係るインターコネクタは、その構成成分として上記一般式(1)のペロブスカイト型酸化物と上記含有率のシリカとを含む。このことにより、以下に示す少なくとも一つの効果が奏される。すなわち、1)Crを含まないのでCr被毒による電池性能の低下が防止される。2)シリカを含むことによりペロブスカイト型酸化物の緻密化温度が低下(典型的には50℃〜100℃程度低下)するため、単セルを構成する各部材(セル構成部材)に熱的ダメージを与えない比較的低い焼成温度(例えば1350℃以下)で単セルとの間の気密性を高く有した状態でインターコネクタを形成することができる。3)SOFCの使用温度領域下(典型的には800℃〜1000℃)でも(または、SOFCを繰り返し使用することにより常温から上記使用温度への昇温と使用後の降温とを繰り返しても)、シリカの融点が高いのでインターコネクタからシリカが溶解して流出することがない。4)上記シリカがペロブスカイト型酸化物の還元膨張性を抑制するので、インターコネクタの燃料極(還元雰囲気)側と空気極(酸化雰囲気)側とで生じ得る膨張差が軽減されてクラック等の発生が防止される。5)熱膨張係数がセル構成材料に類似しているため、単セルとインターコネクタ間の熱膨張差によるクラック等の発生が防止される。6)インターコネクタとしての機能を好ましく発揮し得る程度に緻密な構造を有するため、酸化性ガスや燃料ガスの漏れ(リーク)の防止効果が高まる。
したがって、本発明によると、上記の優れた効果を発揮する好適な固体酸化物形燃料電池用インターコネクタを提供することができる。また、かかるインターコネクタを備えることにより、長期にわたり耐熱性、耐久性に優れた高性能のSOFCを実現することができる。
ここで開示されるインターコネクタの好ましい一態様では、上記シリカの含有率は8質量%〜14質量%である。
かかる態様では、より緻密な構造を有して気密性がより一層高まり、ガス漏れ防止効果がさらに向上した好適なインターコネクタを提供することができる。
ここに開示されるインターコネクタのさらに好ましい一態様では、上記ペロブスカイト型酸化物は、一般式:
La1−xSr1−yFe3−δ (2)
(ここで、Mは、Ti,Zr,Al,Ga,Nb,Ta,Fe,Co,Ni,Cu,Mn,Mg,Rh,Pd,PtおよびAuからなる群から選択される1種または2種以上の元素であり、0≦x≦1であり、0<y≦1であり、δは電荷中性条件を満たすように定まる値である。)
で表わされる。
さらに上記一般式(2)において、0.5≦y≦0.9であることがより好ましい。
かかる態様のインターコネクタでは、構成成分のペロブスカイト型酸化物のBサイトにFe(鉄)を含んでいる。このため、かかるインターコネクタは、上記効果に加えて、SOFCの使用温度領域下で導電性を有する。したがって、かかる態様のインターコネクタによると、上記単セル間に配置された該インターコネクタを電子伝導経路として機能させて上記単セル同士の導通をとることができる。
ここで開示されるインターコネクタの好ましい一態様では、上記複数のセルを相互に接合するための接合材として機能する。
かかる態様のインターコネクタによると、該インターコネクタを間に挟む単セル同士は上記効果を備えた接合部(インターコネクタ)を形成することができる。また、別途用意された接合材を用いることなく、インターコネクタの形成と同時に単セル同士の接合が実現されるので、SOFC製造時の費用および時間の効率化が実現される。
また、本発明は、別の側面として上記目的を実現するインターコネクタを備えた固体酸化物形燃料電池(スタック)の製造方法を提供する。すなわち、ここで開示される固体酸化物形燃料電池の製造方法は、正極である空気極と、負極である燃料極と、両極間に配置された固体酸化物電解質とからなる複数のセルをインターコネクタを介して電気的に接続してなる固体酸化物形燃料電池の製造方法である。この方法は、以下の工程;
1)上記複数のセルを用意すること、2)SEM観察に基づく平均粒子径が10μm以下であるペロブスカイト型酸化物の粉体とSEM観察に基づく平均粒子径が1μm以下であるシリカ粉体とから構成されるインターコネクタ材料を用意すること、ここで上記ペロブスカイト型酸化物は、一般式:
Ln1−xAeMO3−δ (1)
(ここで、Lnはランタノイドから選択される少なくとも1種の元素であり、Aeは、Sr、BaおよびCaからなる群から選択される1種または2種以上の元素であり、Mは、Ti,Zr,Al,Ga,Nb,Ta,Fe,Co,Ni,Cu,Mn,Mg,Rh,Pd,PtおよびAuからなる群から選択される1種または2種以上の元素であり、0≦x≦1、δは電荷中性条件を満たすように定まる値である。)
で表わされ、上記インターコネクタ材料全体のうちの上記シリカの含有率を5質量%〜14質量%とする、3)上記セル同士の接続部分に上記用意したインターコネクタ材料を塗布すること、および4)上記塗布されたインターコネクタ材料を焼成することにより、上記セル間にインターコネクタを形成して該セル同士を接合すること、を包含する。典型的には、上記インターコネクタ材料はペースト状に調製されて使用される。
上記構成の製造方法では、単セル同士の接続部分(すなわちその後の焼成によって接合させる部位)に、上記含有率で平均粒径1μm以下(好ましくはナノレベル、例えば300nm以下)の微細なシリカ粉末を含む上記組成のインターコネクタ材料を塗布し(典型的にはペースト状に調製された状態で塗布される。)、次いで適当な温度域、好ましくはセル構成部材の焼成温度(典型的には1400〜1600℃)より低温であり、且つSOFC使用温度(典型的には800〜1000℃)よりも高温で焼成する。
かかる構成の製造方法によると、上記インターコネクタ材料を用いることにより単セル同士の間(すなわち該単セル同士の接続部分)に上記効果を備えた好適なインターコネクタを形成できるとともに、該インターコネクタを介して上記単セル同士を強固に接合することができる。したがって、かかる構成の方法によると、SOFCの使用温度領域内で使用しても、Cr被毒等による電池性能の低下が防止され、長期使用にも耐え得る優れたSOFC(スタック)が実現される。
ここで開示されるインターコネクタの製造方法の好ましい一態様では、上記シリカ粉体の平均粒子径が300nm以下(さらに好ましくは100nm以下)であり、該シリカ粉体が上記インターコネクタ材料全体のうちの8質量%〜14質量%の割合で含まれる。
かかる構成の製造方法によると、より緻密な構造を有して気密性がより一層高まり、上記ガス漏れ防止効果がさらに向上した好適なインターコネクタを形成できるとともに、該インターコネクタと単セルとの接合部分におけるより一層高い気密性を実現することができる。
ここで開示されるインターコネクタの製造方法のより好ましい一態様では、上記シリカ粉体が単分散シリカ粒子で構成されている。
ここで、本明細書および特許請求の範囲において「単分散」とは、単分散度、すなわちCV値(%)が30%以下、好ましくは10%以下(例えば0.1〜10%、特に好ましくは0.1〜5%)であるものをいう。
ここでCV値(%)は以下の式から求めることができる。
CV値(%)=(粒子径の標準偏差/平均粒子径)×100
かかる構成の製造方法によると、上記シリカ粉体の原料として、1μm以下(好ましくは300nm以下、より好ましくは100nm以下)の平均粒子径を有する単分散シリカ粒子(例えばコロイダルシリカを構成する単分散シリカナノ粒子)を使用することによって、ナノレベルのシリカ粒子が均一に分散したペースト状のインターコネクタ材料を好ましく調製することができる。
さらに好ましくは、上記ペロブスカイト型酸化物は、上記一般式:
La1−xSr1−yFe3−δ (2)
(ここで、Mは、Ti,Zr,Al,Ga,Nb,Ta,Fe,Co,Ni,Cu,Mn,Mg,Rh,Pd,PtおよびAuからなる群から選択される1種または2種以上の元素であり、0≦x≦1であり、0.5≦y≦0.9であり、δは電荷中性条件を満たすように定まる値である。)
で表わされる。
かかる組成のペロブスカイト型酸化物粉末を含むインターコネクタ材料を用いることにより、上記効果に加えて、SOFCの使用温度領域下で導電性を有するインターコネクタを形成することができる。
また、本発明は、他の側面として、正極である空気極と負極である燃料極と両極間に配置された固体酸化物電解質とからなるセルを複数備える固体酸化物形燃料電池(SOFC)であって、該複数のセルを電気的に接続するために、該セル間にここで開示されるインターコネクタが配置されているSOFCを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る固体酸化物形燃料電池(SOFC)の構成を模式的に示す分解斜視図である。 サンプル1に係るインターコネクタ部分の表面を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 サンプル2に係るインターコネクタ部分の表面を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 サンプル3に係るインターコネクタ部分の表面を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 サンプル4に係るインターコネクタ部分の表面を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 サンプル5に係るインターコネクタ部分の表面を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 サンプル6に係るインターコネクタ部分の表面を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項(例えば、インターコネクタを形成する材料)以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、固体酸化物形燃料電池(単セル)の構成や構築方法)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
上述のように、本発明によって提供されるインターコネクタは、例えばCr等の電池性能を低下させる元素を含まず、還元雰囲気下での膨張(還元膨張)を抑制して長期にわたり保持される高い気密性を実現するべく、上記一般式(1)または(2)に示されるペロブスカイト型酸化物およびシリカ(好ましくは単分散のシリカ粒子)から構成されることで特徴づけられるインターコネクタであって、本発明を特徴づけない他の構成要素によって限定されない。したがって、上記目的を達成し得る限りにおいて、本発明に係るインターコネクタに含まれ得る他の副成分の内容や組成に特に制限はない。
また、本発明に係るインターコネクタは、種々の構造の固体酸化物形燃料電池(例えば、平板型(Planar)、円筒型(Tubular)、あるいは円筒の周側面を垂直に押し潰したフラットチューブラー(Flat tubular)型等)に対して好ましく適用することができ、燃料電池の形状に特に限定されない。
本発明に係るインターコネクタを形成し得るインターコネクタ材料は、ペロブスカイト型酸化物粉体とシリカ粉体とを主体とする材料である。そして、当該ペロブスカイト型酸化物粉体とシリカ粉体との合計質量(すなわちインターコネクタ材料全体)に占めるシリカ粉体の含有率は、5質量%〜14質量%であることが好ましい。より好ましくは8質量%〜14質量%(例えば8質量%〜13質量%)である。かかる含有率が8質量%よりも少なすぎると、インターコネクタの緻密化が不良となり好ましくない。一方、かかる含有率が14質量%よりも多すぎると単セルとの熱膨張率の差が大きくなり、単セルとインターコネクタとの接合部分にクラックが生じてガスリークし得るので好ましくない。
ここで開示されるインターコネクタ材料に含有されるペロブスカイト型酸化物粉体としては、一般式:
Ln1−xAeMO3−δ (1)
で表わされるペロブスカイト型酸化物が好ましい。ここで、上記Lnは、Lnはランタノイドから選択される少なくとも1種の元素であり、好ましくはランタン(La)である。また、Aeは、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)およびカルシウム(Ca)からなる群から選択される1種または2種以上の元素であり、好ましくはSrである。また、Mは、チタン(Ti),ジルコニウム(Zr),アルミニウム(Al),ガリウム(Ga),ニオブ(Nb),タンタル(Ta),鉄(Fe),コバルト(Co),ニッケル(Ni),銅(Cu),マンガン(Mn),マグネシウム(Mg),ロジウム(Rh),パラジウム(Pd),白金(Pt)および金(Au)からなる群から選択される1種または2種以上の元素である。さらに、上記一般式(1)における「x」は、このペロブスカイト型構造においてLnがAeによって置き換えられた割合を示す値である。このxの取り得る範囲は0≦x≦1(好ましくは0≦x<1、例えば0.4≦x≦0.6)である。
ここで、上記δは電荷中性条件を満たすように定まる値である。上記一般式(1)における酸素原子数は、ペロブスカイト型構造の一部を置換する原子の種類および置換割合その他の条件により変動するため正確に表示することは困難である。このため、電荷中性条件を満たすように定まる値として、1を超えない正の数δ(0<δ<1)を採用し、酸素原子の数を3−δと表示するのが妥当であるが、以下では便宜的に3と表示することとする。ただし、該酸素原子の数を便宜的に3として表示しても、異なる化合物を表しているわけではない。
また、上記インターコネクタ材料に含有されるペロブスカイト型酸化物粉体として、より好ましくは、上記一般式(1)で表わされるペロブスカイト型酸化物のうち、一般式:
La1−xSr1−yFe3−δ (2)
で表わされるペロブスカイト型酸化物であって、そのBサイトにFeを含有する。また、Mは、Ti,Zr,Al,Ga,Nb,Ta,Fe,Co,Ni,Cu,Mn,Mg,Rh,Pd,PtおよびAuからなる群から選択される1種または2種以上の元素であり、好ましくはTiおよび/またはZrである。すなわち、このようなペロブスカイト型酸化物の好適例として、La1−xSrTi1−yFe3−δで表わされるペロブスカイト型酸化物(以下、「LSTF酸化物」という。)、またはLa1−xSrZr1−yFe3−δで表わされるペロブスカイト型酸化物(以下、「LSZF酸化物」という。)が挙げられる。このようにTiおよび/またはZrを含むペロブスカイト型酸化物は、該酸化物の還元膨張が抑制されて低い還元膨張率(高い耐還元膨張性)を示し得るので好ましい。
また、ZrおよびFeは、一般的なSOFCにおける単セルの構成材料として含まれ得る元素である。すなわち、代表的な電解質材料としてはイットリア安定化ジルコニア(YSZ)、もしくはその他の安定化ジルコニア(例えばスカンジア安定化ジルコニア(ScSZ))が挙げられる。また、空気極(カソード)材料としては、例えばランタンストロンチウムマンガナイト(LSM)系やランタンストロンチウムコバルタイト(LSC)系のペロブスカイト型酸化物、あるいはこれら酸化物とジルコニア系のコンポジット(複合材料)等が好ましく用いられている。さらに、燃料極(アノード)材料としては、例えばニッケルとジルコニア系のコンポジットが好ましく用いられている。このように、典型的な単セル構成材料の成分元素としてZrおよびFeが含まれている。したがって、ここで開示されるインターコネクタの構成材料として、FeおよびZrを含むペロブスカイト型酸化物粉体を適用することにより、長期間使用して該インターコネクタからZrやFeが単セルの電極(例えば空気極)側に拡散する虞があっても、SOFCの電池性能は劣化(低下)しにくい。
ただし、上記TiおよびZrは、上記一般式(2)で表わされるペロブスカイト型酸化物に耐還元膨張性を与える一方、導電性を低下させる虞がある。他方、Feは該ペロブスカイト型酸化物に導電性を与える一方、還元膨張率を増大させる虞がある。したがって、BサイトのFeとTi(および/またはZr)の含有率(モル比率)を変化させることにより、上記一般式(2)で表わされるペロブスカイト型酸化物を含むインターコネクタ材料の導電性と耐還元膨張性とをバランスよく調節することができる。
このことにより、上記耐還元膨張性と導電性とをともに与え得る構成成分として好適なペロブスカイト型酸化物として、上記一般式(2)におけるBサイトのMおよびFeのモル比率を(1−y):yとすると、yの取り得る範囲は0<y≦1であり、好ましくは0.4≦y<1であり、より好ましくは、0.5≦y≦0.9である。
また、上記ペロブスカイト型酸化物粉体の平均粒子径としては、SEM観察に基づく10μm以下(例えば0.1μm〜10μm)が好ましく、より好ましくは2μm以下(例えば0.1μm〜2μm)、特に好ましくは1μmまたはそれ以下である。かかる平均粒子径を有するペロブスカイト型酸化物粉体を用いると、所定の焼成温度(例えば1400℃前後)下で十分に緻密化した構造を備えたインターコネクタが形成されるので好ましい。かかる平均粒子径の粉体材料は、焼成された所定形状のペロブスカイト型酸化物を種々の方法(例えばボールミル)で粉砕したり、適宜篩がけすることによって得ることができる。
ここで、本明細書において、SEM観察に基づく平均粒子径とは、走査型電子顕微鏡(SEM)による顕微鏡像から計測された粒子径(一次粒子径)であって所定面積の視野中に存在するペロブスカイト型酸化物粒子(またはシリカ粒子)の各粒子径の平均値をいう。
上記のような組成のペロブスカイト型酸化物粉体は、従来と同様の方法で作製することができる。すなわち、上記一般式(1)または(2)で表わされるペロブスカイト型酸化物を構成する金属原子(すなわち、上記一般式(1)または(2)におけるLn(例えばLa)、Ae(例えばSr)、M(例えばZrまたはTi、およびFe)を含む化合物の粉末(原料粉末)を所定の配合割合(すなわち、上記ペロブスカイト型酸化物全体を1モルとして、上記各金属原子が所定の組成比でそれぞれ含まれるように決定された配合比)で混合する。この混合物を所定形状に成形し、酸化性雰囲気(例えば大気中)または不活性ガス雰囲気で適切な焼成温度下で焼成してペロブスカイト型酸化物(の成形体)を得る。ここで、上記原料粉末としては、かかるペロブスカイト型酸化物を構成する上記各金属原子を含む酸化物あるいは加熱により酸化物となり得る化合物(当該金属原子の炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、ハロゲン化物、水酸化物、オキシハロゲン化物等)の一種以上を含有するものを用いることができる。この原料粉末は、上記金属原子のうち二種以上の金属原子を含む化合物(複合金属酸化物、複合金属炭酸塩等)を含有してもよい。また、上記適切な焼成温度とは、上記ペロブスカイト型酸化物の組成等によっても異なるが、典型的には1200〜1800℃(好ましくは1400〜1600℃)である。また、この焼成工程は、一回以上の仮焼工程と、その後に行われる本焼成工程とを包含することができる。この場合、本焼成工程は上記のような焼成温度で行い、仮焼工程は本焼成工程よりも低い焼成温度(例えば800〜1500℃、好ましくは1000〜1300℃)で行うことが好ましい。
また、予め原料粉末を仮焼し、湿式ボールミル等を用いて当該仮焼原料を粉砕することにより、仮焼粉末(本焼成用原料粉末)を得ることができる。さらに原料粉末(または仮焼粉末)に、水、有機バインダ等の成形助剤、および分散剤を添加・混合してスラリー(ペースト)を調製し、スプレードライヤー等の造粒機を用いて所望する粒径(例えば平均粒径(一次粒子径)が0.1μm〜10μm)に造粒することができる。
以上のようにして、ペロブスカイト型酸化物粉体を得ることができる。なお、上記原料粉末の代わりに、所定組成比からなるペロブスカイト型酸化物粉体の市販品を使用しても良い。
ここで開示されるインターコネクタ材料に含有されるシリカ粉体としては、SEM観察に基づく平均粒子径が300nm以下であればよいが、平均粒子径が100nm以下(例えば5nm〜100nm)の球状シリカ粉末(特に単分散シリカ)が好ましい。このようなシリカ粉末の原料として単分散シリカ微粒子が好ましい。例えば、コロイダルシリカ(すなわち、シリカを水や有機溶媒等の溶媒に分散したコロイド液)が好適例として挙げられる。特に平均粒子径100nm以下(例えば5nm〜100nm、特に5〜50nm)の球状シリカ粉末(特に単分散球状シリカ粒子)が分散して成るシリカコロイド液が好ましい。例えば、シリカ粒子表面に電気二重層が形成されていることにより水等の溶媒に高度に分散したコロイダルシリカが得られる。また、シリカ粒子表面を各種シランカップリング剤の使用により種々のポリマーで修飾することによって有機溶媒に当該ポリマー修飾シリカ粒子が安定的に分散したコロイダルシリカ(オルガノゾル)が得られる。
なお、本発明の実施に適する上述したようなコロイダルシリカは市販されており、所望する粒子径およびSiO濃度(質量%)のコロイダルシリカを用意する(例えば触媒化成工業株式会社から購入できる。)ことによって、ここで開示されるインターコネクタ材料の調製に好ましく使用し得る単分散シリカナノ粒子(例えばCV値10%以下)を得ることができる。
上記のようにして用意されたペロブスカイト型酸化物粉体およびシリカ粉体(典型的にはコロイダルシリカとして用意する。)は、典型的にはペースト状(スラリー状)に調製される。例えば、上記粉末材料に適当なバインダや溶媒を混合して目的の組成、濃度のペースト状インターコネクタ材料を調製することができる。
なお、このペースト状インターコネクタ材料に用いられるバインダ、溶媒および他の成分(例えば分散剤)は、特に限定されるものではなく、ペースト製造(例えば同様の目的に使用される一般的なホウケイ酸ガラス等を主成分とする接合材の製造)において従来公知のものから適宜選択して用いることができる。
例えば、バインダの好適例としてセルロースまたはその誘導体が挙げられる。具体的には、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシエチルメチルセルロース、セルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、およびこれらの塩が挙げられる。バインダは、ペースト全体の5〜20質量%の範囲で含まれることが好ましい。
また、ペースト中に含まれ得る溶媒としては、例えば、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、または他の有機溶剤が挙げられる。好適例としてエチレングリコールおよびジエチレングリコール誘導体、トルエン、キシレン、ターピネオール等の高沸点有機溶媒またはこれらの2種以上の組み合わせが挙げられる。ペーストにおける溶媒の含有率は、特に限定されないが、ペースト全体の1〜40質量%程度が好ましい。なお、本発明に係るインターコネクタの性能(Cr被毒による電池劣化防止性、低還元膨張率による高耐久性、またはセル材料と類似の熱膨張係数による歪みやクラックの発生防止性等)を顕著に損なわない範囲で、上記ペロブスカイト酸化物およびシリカ以外の成分をインターコネクタ材料に含有させることができる。
上記のようにして得られるペースト状のインターコネクタ材料は、従来のこの種の接合材と同様に用いることができる。すなわち、かかるペースト状のインターコネクタ材料を、予め用意しておいた単セル表面の所定位置に塗布し、当該塗布部分を介して別の単セルと連結(接続)させてから適当な温度(典型的には60℃〜100℃)で乾燥させる。次いで、十分な焼結が行われる適当な温度域、好ましくは、SOFCの使用温度域(例えば800〜1000℃)よりも高い温度域であってセル構成部材に熱的ダメージを与えない比較的低い焼成温度(好ましくは1350℃以下、例えば1300℃〜1350℃)の温度域で焼成する。このことによって、複数個の単セルがインターコネクタを介して高い気密性を有して相互に接続(接合)されてなるスタックを一体的に製造することができる。
ここで開示されるインターコネクタの形状およびその寸法は、適用される種々のSOFCの構造およびサイズにより適宜変えることができ、特に限定されない。例えば、かかるインターコネクタが平板型SOFC(図1参照)に適用される場合には、単セル間に上記インターコネクタ材料が塗布されて、上記単セル間に挟まれて積層された平板状(薄膜状または層状)に成形され得る。あるいは、例えばインターコネクタを介して円筒形状の単セルを並列に連結させた構成の円筒型SOFCの場合には、かかるインターコネクタは、上記ペースト状のインターコネクタ材料を単セルの周側面上の所定領域に塗布して焼成することで得られる形態であってもよい。
また、ここで開示されるインターコネクタを備えるSOFCは、上記ペースト状のインターコネクタ材料を接合材として用いる形態であってもよい。すなわち、予めインターコネクタ材料(ここで開示されるインターコネクタ材料でなくてもよい。)を用いて所定形状のインターコネクタ(部材)を作製しておき、この得られたインターコネクタ部材と単セルの各被接合部分に上記ペースト状インターコネクタ材料を塗布してから相互に接合することで得られる形態(スタック)であってもよい。
上記のようにして得られたインターコネクタは、SOFCのセル材料と類似の熱膨張係数を有し得る。例えば、電極(燃料極)材料として用いられる酸化ニッケル(NiO)とYSZのコンポジット材料の熱膨張係数(典型的には一般的な示差膨張方式(TMA)に基づく室温(25℃)〜1000℃の間の平均値)は、11×10−6/K〜13×10−6/Kであり、上記一般式(1)または(2)で表わされるペロブスカイト型酸化物のうち、特にLSZF酸化物は、その熱膨張係数が上記範囲内にあるのでより好ましい。このようなインターコネクタは、SOFCの使用時に隣り合う電極との間で熱膨張差が小さくなるため、インターコネクタと電極(単セル)との接合部に生じ得る歪みやクラック等を防止し得る。
また、上記用意される単セルとしては、従来公知の構成および形態でよく、特に制限されない。また該単セルを構成するセル構成部材についても、従来公知の構成および形態でよく、その構成材料についても従来公知の各種材料を好ましく用いることができる。かかる単セルが、例えば平板型のSOFCである場合には、図1に示されるようなSOFCが製造される。
ここで、特に限定することを意図したものではないが、以下では上記インターコネクタが平板型のSOFCに適用される場合を例として、かかるインターコネクタを備えるSOFCの好ましい一態様について、図1を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態に係る平板型の固体酸化物形燃料電池(SOFC)1の構造を模式的に示す分解斜視図である。なお、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略または簡略化することがある。
図1に示されるように、本実施形態に係る平板型SOFC1は、層状の固体電解質12と空気極14と燃料極16とを備えた多層構造の単セル10を平板状のインターコネクタ20を介して複数層積み重ねたスタックとして構成されている。単セル10は、固体電解質12の両面をそれぞれ層状の空気極14と燃料極16とで挟まれたサンドイッチ構造を備えている。
本実施形態に係るインターコネクタ20は、その両面を二つの単セル10で挟まれており、一方の面(空気極側面)22が一方の単セル10の空気極14と隣接し、他方の面(燃料極側面)24が他方の単セル10の燃料極16と隣接している。また、空気極側面22には、複数の溝が形成されており、供給された空気が流れるための空気用流路23となっている。同様に、燃料極側面24には、供給された燃料ガス(Hガス)が流れる燃料ガス用流路25としての溝が複数形成されている。かかる形態のインターコネクタ20では、図1に示されるように、空気用流路23と燃料ガス用流路25は、その流路の方向が互いに直交するように形成されている。なお、SOFC1は、典型的には、スタック内に供給されるガスが漏れないようにガラスシーリング等の封止部材で密閉された密閉構造を有している。
本実施形態に係る単セル10における固体電解質12は、従来公知の構成および形態でよく特に制限されない。また、その構成材料についても従来公知の各種の固体電解質材料を好ましく用いることができる。固体電解質12は、酸化(空気)雰囲気および還元(燃料ガス)雰囲気のいずれにおいても酸素イオン(酸化物イオン)伝導性が高く、ガス透過性の無い緻密な層を形成できる材料から構成されることが好ましい。例えば、固体電解質材料としては、イットリアやスカンジアをジルコニアに分散固溶させたYSZまたはScSZ、ランタンガレート(LaGaO)等のセラミック材料が好ましく挙げられる。
また、単セル10における空気極14は、従来公知の構成および形態でよく、特に制限されない。また、その構成材料についても従来公知の各種の空気極材料を好ましく用いることができる。空気極14は、酸化雰囲気でも高耐久性であり、ガスを効率よく透過可能な多孔質体から構成されることが好ましい。例えば、ランタンマンガナイト(LaAeMnO(ここで、AeはSrまたはCa)、ランタンコバルタイト(LaSrCoO)、ランタンフェライト(LaSrFeO)、ランタンニッケル酸化物(LaNiO)、サマリウムコバルタイト(SmSrCoO)等が好ましく挙げられる。
単セル10における燃料極16は、従来公知の構成および形態でよく、特に制限されない。また、その構成材料についても従来公知の各種の燃料極材料を好ましく用いることができる。還元雰囲気でも高耐久性であり、ガスを効率よく透過可能な多孔質体から構成されることが好ましい。例えば、NiO‐YSZ、NiO‐ScSZ等、酸化ニッケルと典型的には固体電解質材料と同様のセラミックスとのコンポジット(複合材料)が挙げられる。
なお、上記単セル10としては、上記の構成に限られず一般的なSOFCに適用可能な従来公知の構成を特に制限なく適宜選択して用いることができる。また、SOFCに適用可能なこれら以外の他の構成(例えば、空気極14と固体電解質12との間に配置される空気極中間層や、燃料極16と固体電解質12との間に配置される燃料極中間層)を備えていてもよい。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明を係る実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
<インターコネクタ材料の作製>
表1に示すシリカ含有率となるように、平均粒子径が約1μmのLa0.6Sr0.4Ti0.3Fe0.7粉末と平均粒子径が約12nmの単分散シリカ粒子を含むコロイダルシリカ(シリカ固体分30質量%、触媒化成工業株式会社製品)とを混合した。具体的には、La0.6Sr0.4Ti0.3Fe0.7粉末100質量部に対して上記コロイダルシリカ(単分散シリカコロイド液)を10質量部〜60質量部の比率で加えた。
次いで、上記La0.6Sr0.4Ti0.3Fe0.7粉末とシリカの合計量40質量部に対して、一般的なバインダ(ここではエチルセルロースを使用した。)3質量部と、溶剤(ここではターピネオールを使用した。)47質量部を添加・混合し、表1のサンプル1〜6に対応する計6種類のペースト状のインターコネクタ材料を調製した。
また、かかる6種類のインガーコネクタ材料の一部を用いて、後述の還元膨張率測定用の試料を作製した。すなわち、上記インターコネクタ材料を所定形状(例えば円板状)にプレス成形して80℃で乾燥後、大気中で1300℃〜1350℃で1時間焼成することにより、サンプル1〜6に係る還元膨張率測定用試料をそれぞれ作製した。
<電極部材の作製>
La0.6Sr0.4FeO粉末(平均粒子径:約2μm)に一般的なバインダ(ここではメチルセルロースを使用した。)および水を添加して混練した。次いで、この混練物を成形して、直径約20mm×厚み約2mmのペレット状の成形体を得た。そして、この成形体を大気中において1000〜1400℃で焼成した。焼成後、焼成物の表面を研磨し、所望の外形寸法(直径20mm×厚み2mm)の多孔質な電極(空気極)部材を6個作製した。
また、NiOとYSZのコンポジット材料(NiO‐YSZ)の粉末(平均粒径:約2μm)を用いて、上記空気極部材と同様にして上記外形寸法(直径20mm×厚み2mm)の多孔質な電極(燃料極)部材を6個作製した。
<接合処理>
上記6種類のペースト状インターコネクタ材料を用いて接合処理を行った。すなわち、上記空気極部材と上記燃料極部材の各被接合面に上記サンプル1を塗布し、該被接合面同士を貼り合わせた(接合した)。次いで、80℃で乾燥後、大気中で1300℃〜1350℃で1時間焼成した。これにより、上記インターコネクタを介して上記空気極部材と上記燃料極部材とが接合された試供体であってスタックにおける電極とインターコネクタとの接合部を再現し得る試供体を作製した。サンプル2〜6についても、上記サンプル1と同様に試供体を作製した。このようにして、合計6種類(サンプル1〜6)の試供体を得た。
表1には、各サンプル1〜6のインターコネクタ材料(ペースト)を使用して得られるインターコネクタ部分(すなわち上記電極部材同士の接合部)の熱膨張係数(ただし室温(25℃)から1000℃の間の熱膨張平均値)を示している。なお、上記空気極部材および燃料極部材の同条件での熱膨張係数は11.8×10−6/K〜12.8×10−6/Kであった。表1に示すように、シリカ含有率が高くなるほど熱膨張係数が低下していくことがわかるが、その低下の度合いは比較的低く抑えられていた。サンプル5(シリカ含有率:約13質量%)までのシリカ含有率であれば上記電極部材の熱膨張係数との差が1×10−6/K以下であり、好ましい。
また、上記得られた計6種類の試供体のインターコネクタ部分の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察した。図2〜図7は、サンプル1〜6についてのSEM写真である。SEM観察の結果、サンプル3(シリカ含有率:約8質量%)、サンプル4(シリカ含有率:約10質量%),サンプル5(シリカ含有率:約13質量%)については、緻密性が高くクラックの無いインターコネクタ表面(図5〜図7)が観察された。他方、サンプル1(シリカ含有率:約3質量%)、サンプル6(シリカ含有率:約15質量%)については、上記焼成温度域では緻密化されなかった。特にサンプル6ではシリカが粒成長し過ぎて焼結性が悪かった。また、サンプル2(シリカ含有率:約6質量%)については上記1350℃の焼成温度では緻密化されていたがその程度は若干低かった。なお、表中の◎○×は相対評価であり、◎は緻密化が十分であったもの、○は緻密化の程度がやや低かったもの、×は緻密化しなかったものを示す。
<ガスリーク試験>
次に、上記構築した計6種類(サンプル1〜6)の試供体について、インターコネクタ部分からのガスリークの有無を確認するリーク試験を行った。すなわち、かかる試供体におけるどちらか一方(空気極)の電極部材側から空気を0.2MPa加圧した条件で供給し、反対側の電極部材(燃料極)側への空気のリークを測定した。その結果、サンプル3(シリカ含有率:約8質量%)、サンプル4(シリカ含有率:約10質量%)およびサンプル5(シリカ含有率:約13質量%)については、ガス(空気)のリークは全く観察されなかった。他方、サンプル1(シリカ含有率:約3質量%)およびサンプル6(シリカ含有率:約15質量%)では、ガス(空気)のリークが認められた。また、サンプル2(シリカ含有率:約6質量%)については、わずかなリークが認められたものの、一般的なSOFCに装備され得るインターコネクタとしては問題にならない程度のリークであった。
<還元膨張率の測定>
上記サンプル1〜6の還元膨張率測定用試料を用いて、還元膨張率の測定を行った。まず、サンプル1に係る試料を空気雰囲気(酸素分圧約200hPa(約0.2atm))下で室温から1000℃まで維持した。その温度領域における試料の体積の増加分を測定し、その増加分を室温における体積に対する百分率で表した。これを空気雰囲気下における熱膨張率Eとした。
同様にして、還元雰囲気(水素5vol%、窒素の95vol%を含有する)下における試料の熱膨張率Eを求めた。これら熱膨張率EおよびEを下式にあてはめることによりサンプル1の還元膨張率[%]を算出した。
還元膨張率[%]=[{(1+E/100)−(1+E/100)}/(1+E/100)]×100
サンプル2〜6に係る試料についても、サンプル1と同様にして還元膨張率[%]を求めた。これらの結果を表1に示す。
表1に示されるように、サンプル1〜6のいずれのサンプルにおいても還元膨張率は0.1%未満であった。またシリカの含有率が大きくなるにつれて(すなわちサンプル1から6に向けて)還元膨張率が低下した。ここで、シリカを含まずLa0.6Sr0.4Ti0.3Fe0.7粉末のみを用いてサンプル1〜6と同条件で作製した還元膨張率測定用の試料では、還元膨張率が0.1%であった。このことにより、シリカを含有するインターコネクタは耐還元膨張性を有することが確認された。
また、上記コロイダルシリカに代えてシリカの凝集体を粉砕して得られる平均粒径1.5μmのシリカ粉末を採用し、該シリカ粉末を上記と同じ含有率でLa0.6Sr0.4Ti0.3Fe0.7粉末と混合して6種類のインターコネクタ材料を作製した。これらのインターコネクタ材料に対して上記と同じ評価を実施した。この結果、上記いずれの含有率でシリカを含むインターコネクタ材料を用いても、1350℃の焼成温度条件下ではガスリークが防止された好ましいインターコネクタを作製できなかった。また、かかるインターコネクタ材料の還元膨張率を測定すると、いずれのシリカ含有率においても0.08%〜0.09%となり、コロイダルシリカを含む場合に比べて少なくとも0.01%上昇した。
上述のように、本発明によると、典型的にはSOFC使用温度(例えば800〜1000℃)より高温で且つペロブスカイト型酸化物の緻密化温度(例えば1400℃以上、例えば1400〜1600℃)より低温(50℃〜100℃程度低い温度)で焼成することによって、一方の単セルの空気極側と他方の単セルの燃料極側との間をガスリークを生じさせることのない十分な気密性を確保しつつ接合するとともに、かかる接合部をインターコネクタとして機能させることができる。本発明に係るインターコネクタは、シリカを含むことによりペロブスカイト型酸化物の還元膨張性を抑制し得るので、燃料極(還元雰囲気)側と空気極(酸化雰囲気)側とで生じ得る膨張差が軽減されてクラック等の発生が防止され、長期使用に耐え得るインターコネクタの形成が実現される。また、かかるインターコネクタはCr等を含まないので電池性能の劣化が防止される。したがって、このようなインターコネクタを備えることにより、長期にわたり高い気密性を保持し、且つ耐熱性、耐久性に優れた高性能のSOFCの構築が実現される。
以上、本発明を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、本発明は、さらに別の態様でも実施でき、その主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加えうるものである。
1 固体酸化物形燃料電池(SOFC)
10 単セル
12 固体電解質
14 空気極
16 燃料極
20 インターコネクタ
22 空気極側面
23 空気用流路
24 燃料極側面
25 燃料ガス用流路

Claims (8)

  1. 正極である空気極と、負極である燃料極と、両極間に配置された固体酸化物電解質とからなるセルを複数備える固体酸化物形燃料電池において、該複数のセルを電気的に接続するために、該セル間に配置される固体酸化物形燃料電池用インターコネクタであって、
    一般式:
    La 1−x Sr Ti 1−y Fe 3−δ (2)
    (ここで、0.4≦x≦0.6であり、0<y≦1であり、δは電荷中性条件を満たすように定まる値である。)
    で表わされるペロブスカイト型酸化物と、
    シリカとから形成されており、
    インターコネクタ全体のうちの前記シリカの含有率が5質量%〜14質量%である、固体酸化物形燃料電池用インターコネクタ。
  2. 前記シリカの含有率は8質量%〜14質量%である、請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池用インターコネクタ。
  3. 前記一般式(2)において、0.5≦y≦0.9である、請求項1または2に記載の固体酸化物形燃料電池用インターコネクタ。
  4. 前記複数のセルを相互に接合するための接合材として機能する、請求項1〜のいずれかに記載の固体酸化物形燃料電池用インターコネクタ。
  5. 正極である空気極と、負極である燃料極と、両極間に配置された固体酸化物電解質とからなる複数のセルをインターコネクタを介して電気的に接続してなる固体酸化物形燃料電池を製造する方法であって、以下の工程:
    前記複数のセルを用意すること;
    SEM観察に基づく平均粒子径が10μm以下であるペロブスカイト型酸化物の粉体とSEM観察に基づく平均粒子径が1μm以下であるシリカ粉体とから構成されるインターコネクタ材料を用意すること、ここで前記ペロブスカイト型酸化物は、
    一般式:
    La 1−x Sr Ti 1−y Fe 3−δ (2)
    (ここで、0.4≦x≦0.6であり、0<y≦1であり、δは電荷中性条件を満たすように定まる値である。)
    で表わされ、前記インターコネクタ材料全体のうちの前記シリカの含有率を5質量%〜14質量%とする;
    前記セル同士の接続部分に前記用意したインターコネクタ材料を塗布すること;および
    前記塗布されたインターコネクタ材料を焼成することにより、前記セル間にインターコネクタを形成して該セル同士を接合すること;
    を包含する、固体酸化物形燃料電池の製造方法。
  6. 前記シリカ粉体の平均粒子径が300nm以下であり、該シリカ粉体が前記インターコネクタ材料全体のうちの8質量%〜14質量%の割合で含まれる、請求項に記載の製造方法。
  7. 前記シリカ粉体が単分散シリカ粒子で構成されている、請求項またはに記載の製造方法。
  8. 正極である空気極と負極である燃料極と両極間に配置された固体酸化物電解質とからなるセルを複数備える固体酸化物形燃料電池であって、該複数のセルを電気的に接続するために、該セル間に請求項1〜のいずれかに記載のインターコネクタが配置されている固体酸化物形燃料電池。
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