JP5153954B1 - 燃料電池セル - Google Patents

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Abstract

【課題】シール部と支持基板との接合強度を向上可能な燃料電池セルを提供する。
【解決手段】燃料電池セルは、内部に流路を有する平板状の支持基板と、支持基板上に配置され、燃料極活性層と、空気極と、燃料極活性層と空気極との間に配置される固体電解質層と、を有する発電部と、支持基板の外周を覆うシール部と、を備える。シール部は、支持基板上に形成される第1シール膜と、第1シール膜上に形成される第2シール膜と、を有する。第1シール膜は、イットリアを含有している。
【選択図】図3

Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池セルに関する。
近年、環境問題及びエネルギー資源の有効利用の観点から、燃料電池に注目が集まっている。燃料電池セルは、一般的に、支持基板と、支持基板上に配置される発電部と、を備える。発電部は、燃料極と、空気極と、燃料極および空気極の間に配置される固体電解質層と、を有する(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−200761号公報
しかしながら、このような平板状のセルにおいては、セル側端部に応力が集中する傾向がある。そのため、支持基板とシール部である固体電解質層との接合強度が低ければ、共焼成時の残留歪や還元/酸化サイクル時の膨張収縮によって、両者の接合界面に剥離が生じるおそれがある。
本発明は、上述の状況に鑑みてなされたものであり、シール部と支持基板との接合強度を向上可能な燃料電池セルを提供することを目的とする。
本発明に係る燃料電池セルは、内部に流路を有する平板状の支持基板と、支持基板上に配置され、燃料極活性層と、空気極と、燃料極活性層と空気極との間に配置される固体電解質層と、を有する発電部と、支持基板の外周を覆うシール部と、を備える。シール部は、支持基板上に形成される第1シール膜と、第1シール膜上に形成される第2シール膜と、を有する。第1シール膜は、イットリアを含有している。
本発明によれば、シール部と燃料側電極との接合強度を向上可能な燃料電池セルを提供することができる。
第1実施形態に係る縦縞型の固体酸化物型燃料電池セルの構成を示す断面図 図1の部分拡大図 支持基板と固体電解質層との界面付近におけるイットリア濃度分布を示す解析画像 支持基板と固体電解質層との界面付近におけるイットリア濃度プロファイルを示すグラフ 第2実施形態に係る横縞型の固体酸化物型燃料電池セルの構成を示す斜視図 図5のA−A断面図 図6の部分拡大図 燃料電池セルの構成を示す断面図 燃料電池セルの構成を示す断面図
次に、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なっている場合がある。従って、具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
以下の実施形態では、燃料電池セルの一例として固体酸化物型燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:SOFC)を挙げて説明する。
1.第1実施形態
第1実施形態では、いわゆる縦縞型の固体酸化物型燃料電池セルについて説明する。
《縦縞型の固体酸化物型燃料電池セル100の構成》
縦縞型の固体酸化物型燃料電池セル(以下、「セル」と略称する。)100の構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、セル100の構成を示す断面図である。
セル100は、セラミックス材料によって構成される平板である。セル100は、例えば、1mm〜10mm程度の厚みと10mm〜100mm程度の幅と、50mm〜500mm程度の長さとを有する。複数のセル100を直列に接続することによって、燃料電池を構成するセルスタックを形成することができる。
図1に示すように、セル100は、支持基板10と、インターコネクタ20と、発電部30と、を備える。発電部30は、燃料極活性層31と、固体電解質層32と、空気極33と、を有する。また、後述するように、支持基板10と固体電解質層32との間には、イットリアを含む層が配置されている(図2参照)。
なお、支持基板10と燃料極活性層31とは、本実施形態にかかる“燃料側電極”を構成する。
(支持基板10)
支持基板10は、扁平断面を有する平板である。支持基板10は、例えば、1mm〜10mm程度の厚みを有する。
支持基板10は、発電部30で発生する電流をインターコネクタに伝達させるための導電性と、燃料ガスを発電部まで透過させるためのガス透過性とを有する。支持基板10の内部には、図1に示すように、複数のガス流路11が形成されている。
支持基板10は、第1平坦面10Aと、第2平坦面10Bと、第1湾曲側面10Cと、第2湾曲側面10Dと、を有する。第1平坦面10Aと第2平坦面10Bとが互いに対向し、第1湾曲側面10Cと第2湾曲側面10Dとは互いに対向する。第1平坦面10A、第2平坦面10B、第1湾曲側面10Cおよび第2湾曲側面10Dは、互いに繋がっており、支持基板10の外周面を構成している。
支持基板10は、触媒活性金属及びその酸化物のいずれかと、触媒金属及びその酸化物との反応物を生成しない無機骨材とを含有する。触媒金属としてはFe、Co、Niなどが挙げられる。支持基板10は、酸化ニッケル(NiO)及び/又はニッケル(Ni)とイットリア(Y)とを含んでいることが特に好ましい。
(インターコネクタ20)
インターコネクタ20は、支持基板10の第1平坦面10A上に配置される。インターコネクタ20は、支持基板10を介して、発電部で発生する電流を集電する。インターコネクタ20は、例えば、10μm〜100μm程度の厚みを有する。
インターコネクタ20は、緻密質な導電性セラミックス、例えば、ランタンクロマイト系のペロブスカイト型酸化物によって構成される。ランタンクロマイト系のペロブスカイト型酸化物としては、Mg、Ca、Sr等を置換固溶したLa(CrMg)O系、(LaCa)CrO系、(LaSr)CrO等の材料が挙げられる。
(発電部30)
発電部30は、支持基板10の第2平坦面10B上に配置される。従って、発電部30は、支持基板10を介して、インターコネクタ20の反対側に配置されている。発電部30は、上述のとおり、燃料極活性層31と、固体電解質層32と、空気極33とによって構成されている。
燃料極活性層31は、支持基板10の第2平坦面10B上に形成されている。燃料極活性層31は、希土類元素が固溶するZrO(安定化ジルコニア)と、Ni及び/又はNiOとによって構成される。希土類元素が固溶するZrOとしては、イットリア安定化ジルコニア(3YSZ、8YSZ、10YSZなど)が好適に用いられる。
なお、本実施形態において、燃料極活性層31は、支持基板10の第2平坦面10B上に形成されているが、これに限られるものではない。燃料極活性層31は、支持基板10の第1湾曲側面10C及び第2湾曲側面10Dの少なくとも一方を覆うように延在されていてもよい。
固体電解質層32は、燃料極活性層31と空気極33との間に配置される。また、固体電解質層32は、燃料極活性層31上から支持基板10上に延在された第1シール部32a及び第2シール部32bを有する。第1シール部32a及び第2シール部32bは、支持基板10の第1湾曲側面10C及び第2湾曲側面10Dを覆っており、支持基板10と直接接している。固体電解質層32は、例えば、3μm〜30μm程度の厚みを有する。
固体電解質層32は、ジルコニウム(Zr)を含む。固体電解質層32は、Zrをジルコニア(ZrO2)として含んでもよいし、ジルコニアを主成分として含んでいてもよい。また、固体電解質層32は、ジルコニアの他に、イットリア(Y23)やスカンジア(Sc23)などの添加剤を含んでいてもよい。これらの添加剤は、安定化剤として機能する。固体電解質層12において、安定化剤のジルコニアに対するmol組成比(安定化剤:ジルコニア)は、3:97〜20:80程度であればよい。すなわち、固体電解質層12の材料としては、例えば、3YSZ、8YSZ及び10YSZなどのイットリア安定化ジルコニアやScSZなどのジルコニア系材料が挙げられる。
なお、固体電解質層32の詳細構成については後述する。
空気極33は、固体電解質層32上に配置される。空気極33は、例えば、30μm〜100μm程度の厚みを有する。ABO3型のペロブスカイト型酸化物の導電性セラミックスによって構成される。このようなペロブスカイト型酸化物としては、遷移金属ペロブスカイト型酸化物が挙げられ、特に、AサイトにLaを有するLaMnO3系酸化物、LaFeO3系酸化物、LaCoO3系酸化物などが好適に用いられる。また、AサイトにはLaと共にSrなどが含有されていてもよく、Bサイトには、FeとともにCoやMnが含有されていてもよい。
(固体電解質層32の詳細構成)
図2は、固体電解質層32(具体的には、第1シール部32b)の詳細構成を示す図1の部分拡大図である。図3は、支持基板10と固体電解質層32との界面P付近におけるイットリア濃度分布を示す解析画像である。図4は、界面P付近におけるイットリア濃度プロファイルを示すグラフである。
なお、図3の解析画像は、セル100の断面のSEM(Scanning Electron Microscopy)画像を用いて、原子濃度プロファイルによるライン分析、つまりEPMA(Electron Probe Micro Analyzer)による特性X線強度の比較結果を元素マッピングすることによって取得される。同様に、図4のグラフは、厚み方向に沿ってEPMAでライン分析を行うことにより取得される。
図2に示すように、固体電解質層32は、第1シール膜32Aと、第2シール膜32Bと、によって構成されている。第1シール膜32Aは、支持基板10上に形成されている。第2シール膜32Bは、第1シール膜32A上に形成されている。
図3に示すように、多孔質な支持基板10と緻密質な固体電解質層32との界面Pは、SEM画像上において明確に確認できる。固体電解質層32のうち界面P付近には、イットリアの濃度が高い領域が広がっており、この領域が第1シール膜32Aに対応している。第1シール膜32Aと第2シール膜32Bとの境界は必ずしも明確ではないが、例えば、界面Pから所定距離(例えば、4μm程度)のラインを両者の境界として定義することができる。ただし、これに限られるものではなく、図4に示されるように、イットリアの所定濃度(例えば、8mol%程度)のラインを、第1シール膜32Aと第2シール膜32Bとの境界として定義することもできる。
図4に示すように、固体電解質層32における平均イットリア濃度は、支持基板10における平均イットリア濃度よりも低い。また、第1シール膜32Aにおける平均イットリア濃度は、第2シール膜32Bにおける平均イットリア濃度よりも高い。図4に示す例では、第1シール膜32Aにおけるイットリア濃度は、8mol%以上かつ31mol%以下である。第2シール膜32Bにおけるイットリア濃度は、約8mol%である。
ここで、セル100では、支持基板10、燃料極活性層31及び固体電解質層32の焼成タイミングや焼成収縮量の違いから、共焼成後にセル側端部に歪みが残留する。そのため、セル側端部における緻密質のシール部32bと多孔質の支持基板10との界面強度の向上が望まれている。
一方で、一般的に、シール部32bの材料に比べて支持基板の材料の熱膨張係数を高くすることによって、共焼成後の降温過程においてもシール部32bに圧縮応力を負荷させ、シール部32bの破損が抑制されている。
しかしながら、シール部32b/支持基板10の界面Pには、焼成時の残留応力が負荷されているために、降温時の熱膨張差に伴う圧縮応力によって界面Pに剥離が発生する場合がある。
本実施形態において、第1シール膜32Aは、YO−ZrO−NiO/Niを主成分として構成されることが特に望ましい。この成分で第1シール膜32Aを構成することで、以下の3つの理由からシール部32bと支持基板10との界面強度の向上が実現される。
・ YOの易焼結性により欠陥を低減できる。
・ ZrOを含むことで、第2シール膜32BがYSZで構成される場合に接合性が向上する。
・ 支持基板の還元時に発生する還元収縮に伴う歪に対して、第1シール膜32AがNiOを適度に含むことで応力緩衝効果が得られ、その結果、各シール部の破損が抑制される。
《燃料電池セル100の製造方法》
次に、燃料電池セル100の製造方法について説明する。
まず、NiO粉末とY粉末を、所定の混合比(例えば、Ni換算で48体積%、Yが52体積%など)で混合し、この混合粉末に、ポアー剤、有機バインダーと、水とを混合して支持基板用坏土を形成する。
次に、支持基板用坏土を押出成形し、乾燥及び仮焼することによって、支持基板仮焼体を作製する。
次に、イットリウムが固溶したZrO粉末(8YSZ)と有機バインダーを混合して得られるスラリーを、ドクターブレード法によって固体電解質層用シートを作製する。
次に、NiO粉末と、イットリウムが固溶したZrO粉末(8YSZ)と、有機バインダーと溶媒とを混合したスラリーを作製し、固体電解質層用シートの一部分上にスクリーン印刷法で塗布及び乾燥することによって、燃料極層用コーティング層を形成する。
次に、燃料極層用コーティング層が形成された固体電解質層用シートを支持基板成形体上に貼り付けることによって、積層体を作製する。
次に、積層体を所定の温度(例えば、1000℃程度)で仮焼処理する。
次に、LaCrO系酸化物と、有機バインダーと溶媒を混合したスラリーを支持基板成形体の露出部分に印刷塗布し、所定の温度(1400℃)で焼成する。
次に、LSCF粉末とバインダーを添加して得られるスラリーを、固体電解質層用シート上に印刷及び乾燥し、その後所定の温度(例えば、1150℃)で焼き付けて酸素極層を形成する。
2.第2実施形態
第2実施形態では、いわゆる横縞型の固体酸化物型燃料電池セルについて説明する。
《横縞型の固体酸化物型燃料電池セル200の構成》
横縞型の固体酸化物型燃料電池セル(以下、「セル」と略称する。)200の構成について、図面を参照しながら説明する。図5は、セル100の構成を示す斜視図である。図6は、図5のA−A断面図である。
セル200は、図5に示すように、支持基板210と、複数のインターコネクタ220と、複数の発電部230と、を備える。複数の発電部230のそれぞれは、図6に示すように、燃料極231と、固体電解質層232と、空気極233と、集電層234と、を備える。なお、図5では、説明の便宜上、集電層234は図示されていない。なお、図6に示すように、複数のインターコネクタ220及び複数の発電部230は、支持基板210の両面に形成されている。
(支持基板10)
支持基板210は、扁平かつ一方向(z軸方向)に長い形状である。支持基板210は、多孔質材料によって構成されている。支持基板210は、Ni(ニッケル)を含んでいてもよく、Ni‐Y(ニッケル‐イットリア)を主成分として含有していてもよい。ニッケルは酸化物(NiO)であってもよいが、発電時には、NiOは水素ガスによってNiに還元されてもよい。
なお、本明細書において、「主成分として含有する」とは、その成分を50重量%以上含有することであってもよく、60重量%以上、80重量%以上、又は90重量%以上含有することであってもよい。また、「主成分として含有する」とは、その成分のみからなる場合も包含する。
図5及び図6に示すように、支持基板210の内部には、流路211が設けられる。流路211は、支持基板210の長手方向(z軸方向)に沿って延びる。発電時には、流路211内に流される燃料ガスが、多孔質の支持基板210を介して複数の発電部230に供給される。
支持基板210は、第1平坦面210Aと、第2平坦面210Bと、第1湾曲側面210Cと、第2湾曲側面210Dと、を有する。第1平坦面210Aと第2平坦面210Bとが互いに対向し、第1湾曲側面210Cと第2湾曲側面210Dとは互いに対向する。第1平坦面210A、第2平坦面210B、第1湾曲側面210Cおよび第2湾曲側面210Dは、互いに繋がっており、支持基板210の外周面を形成している。本実施形態では、第1平坦面210A上及び第2平坦面210B上に複数の発電部230が配置されている。
(インターコネクタ220)
インターコネクタ220は、図5に示すように、2つの発電部230に接続されている。インターコネクタ220は、クロマイト系材料を主成分として含有する。クロマイト系材料の組成は、次の一般式(1)で表すことができる。
Ln1−xCr1−y-z (1)
(式(1)において、LnはY及びランタノイド(La,Ce,Eu,Sm,Yb,Gdなど)からなる群より選択される少なくとも1種類の元素であり、AはCa,Sr及びBaからなる群より選択される少なくとも1種類の元素を含有し、Bは、Ti,V,Mn,Fe,Co,Cu,Ni,Zn,Mg及びAlからなる群より選択される少なくとも1種類の元素を含有し、0.025≦x≦0.3、0≦y≦0.22、0≦z≦0.15である。)
(発電部230)
燃料極231は、支持基板210上に配置され、アノードとして機能する。燃料極231は、燃料極集電層231aと燃料極活性層231bとを有する。
燃料極集電層231aは支持基板210上に配置される。燃料極集電層231aは、次の一般式(2)で表される酸化物を含有する。
(AE1−x)(B1−y+zCy)O (2)
(式(2)において、AEは少なくとも1種のアルカリ土類金属であり、Aサイトは、希土類,Al及びCrからなる群から選択される少なくとも1種類の元素を含有し、BサイトはTi及びZrから選択される少なくとも1種類の元素を含有し、Cサイトは、Nb,V,Mn,Cr,Fe,Co,Cu,Ni,Zn,Mg及びAlからなる群から選択される少なくとも1種類の元素を含有し、0≦x≦0.3,0≦y≦0.22,−0.1≦z≦0.1である。)
また、燃料極集電層231aは、式(2)で表される酸化物以外の成分を含有してもよく、例えばニッケルを含有していてもよい。ニッケルは、酸化物(NiO)であってもよいが、発電時には、NiOはNiに還元されてもよい。燃料極集電層231aの厚みは、50〜500μm程度とすることができる。
燃料極活性層231bは、燃料極集電層231aの上に配置される。燃料極活性層231bは、Zr(ジルコニウム)を含有してもよい。燃料極活性層231bを構成する材料として、例えば、Ni−YSZ(イットリア安定化ジルコニア)及びScSZ(スカンジア安定化ジルコニア)等が挙げられる。燃料極活性層231bの厚みは、5〜100μm程度とすることができる。
固体電解質層232は、燃料極活性層231b上に配置され、燃料極活性層231bの全面を覆うように設けられる。固体電解質層232は、ジルコニア(ZrO)を主成分として含むことができる。固体電解質層232は、例えば、3YSZ、8YSZ等のイットリア安定化ジルコニアやScSZ(スカンジア安定化ジルコニア)等のジルコニア系材料によって構成することができる。また、本実施形態において、固体電解質層232は、アルミナ(Al23)を含有していてもよい。固体電解質層232におけるアルミナの添加率は、例えば、0.05重量%〜0.5重量%に設定することができる。固体電解質層232は、燃料極活性層231bと共焼成されていることが好ましい。
ここで、固体電解質層232は、燃料極活性層231b上から支持基板210上に延在された第1シール部232a及び第2シール部232bを有する。第1シール部232a及び第2シール部232bは、互いに繋がっている。第1シール部232aは支持基板210の第1湾曲側面210Cを覆う。第2シール部232bは支持基板210の第2湾曲側面210Dを覆う。
なお、本実施形態では、支持基板210上に延在された固体電解質層232によって第1シール部232a及び第2シール部232bが構成されることとしたが、これに限られるものではない。第1シール部232a及び第2シール部232bの少なくとも一方は、固体電解質層232とは別の部材によって形成されていてもよい。
空気極233は、固体電解質層232上に配置される。空気極233は、例えば、ランタン含有ペロブスカイト型複合酸化物を主成分として含有してもよい。ランタン含有ペロブスカイト型複合酸化物としては、具体的には、LSCF(ランタンストロンチウムコバルトフェライト)、ランタンマンガナイト、ランタンコバルタイト、ランタンフェライトが挙げられる。また、ランタン含有ペロブスカイト型複合酸化物には、ストロンチウム、カルシウム、クロム、コバルト、鉄、ニッケル、アルミニウム等がドープされていてもよい。
集電層234は、空気極233上に配置され、2つの発電部を電気的に接続するように設けられている。
なお、セル200の各部の寸法は、具体的には、以下のように設定可能である。
支持基板210の幅D1 :1〜10cm
支持基板210の厚みD2 :1〜10mm
支持基板210の長さD3 :5〜50cm
支持基板210の外面から流路21までの距離D4:0.1〜4mm
インターコネクタ220の厚み :10〜100μm
固体電解質層232の厚み :3〜50μm
空気極233の厚み :10〜100μm
集電層234の厚み :50〜500μm
ただし、本発明はこれらの数値に限定されない。
(固体電解質層232の詳細構成)
図7は、固体電解質層232(具体的には、第1シール部232b)の詳細構成を示す図6の部分拡大図である。
図7に示すように、固体電解質層232は、第1シール膜232Aと、第2シール膜232Bと、によって構成されている。
第1シール膜232Aは、支持基板210上に形成されている。第2シール膜232Bは、第1シール膜232A上に形成されている。第1シール膜232Aにおける平均イットリア濃度は、第2シール膜232Bにおける平均イットリア濃度よりも高い。具体的には、第1シール膜232Aにおけるイットリア濃度は、8mol%以上かつ31mol%以下とすることができ、第2シール膜232Bにおけるイットリア濃度は、約8mol%とすることができる。
なお、第1シール膜232Aと第2シール膜232Bとの境界は必ずしも明確ではないが、例えば、第1シール膜232Aと支持基板210との界面から所定距離(例えば、4μm程度)のラインを両者の境界として定義することができる。ただし、これに限られるものではなく、イットリアの所定濃度(例えば、8mol%程度)のラインを、第1シール膜232Aと第2シール膜232Bとの境界として定義することもできる。
本実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、第1シール膜232Aは、YO−ZrO−NiO/Niを主成分として構成されることが望ましい。このような成分で第1シール膜232Aを構成することによって、以下の3つの理由から第1シール膜232Aと支持基板210との界面強度の向上が実現される。
・ YOの易焼結性により欠陥を低減できる。
・ ZrOを含むことで、第2シール膜232BがYSZで構成される場合に接合性が向上する。
・ 燃料極の還元時に発生する還元収縮に伴う歪に対して、第1シール膜232AがNiOを適度に含むことで応力緩衝効果が得られ、その結果、各シール部の破損が抑制される。
≪他の実施形態≫
本発明は以上のような実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲で種々の変形又は変更が可能である。
(A)上記実施形態において、発電部30は、燃料極活性層31、固体電解質層32および空気極33を備えることとしたが、これに限られるものではない。発電部30は、燃料極活性層31と固体電解質層32との間や固体電解質層32と空気極33との間には、他の層が介挿されていてもよい。例えば、発電部30は、固体電解質層32と空気極33との間における高抵抗層の形成を抑制するために、固体電解質層32と空気極33との間にバリア層を備えていてもよい。
(B)上記第1実施形態において、第1シール部32a及び第2シール部32bは、支持基板10の第1湾曲側面10C及び第2湾曲側面10Dを覆うこととしたが、これに限られるものではない。例えば、図8に示すように、燃料極活性層31が支持基板10の第1湾曲側面10C及び第2湾曲側面10Dを覆うように延在されている場合には、第1シール部32a及び第2シール部32bは、燃料極活性層31を覆っていればよい。この場合、燃料極活性層31の延在部分は、支持基板10の一部を構成している。
このことは、第2実施形態に係るセル200についても同様である。すなわち、燃料極集電層231a又は/及び燃料極活性層231bが支持基板210の第1湾曲側面210C及び第2湾曲側面210Dを覆うように延在されている場合、第1シール部232a及び第2シール部232bは、燃料極活性層31又は/及び燃料極活性層231bの延在部分を覆っていればよい。この場合、燃料極活性層31又は/及び燃料極活性層231bの延在部分は、支持基板210の一部を構成している。
(C)上記第1実施形態において、第1シール部32a及び第2シール部32bは、支持基板10上に延在された固体電解質層32によって構成されることとしたが、固体電解質層32とは別の部材として形成されていてもよい。具体的には、図6に示すように、ガラス素材によって構成される第1シール部32a及び第2シール部32bを備えていてもよい。このことは、第2実施形態に係る第1シール部232a及び第2シール部232bについても同様である。
(D)上記第1及び第2実施形態において、燃料電池セルは、2つのシール部を有することとしたが、いずれか一方のシール部を有していればよい。
以下において本発明に係るセルの実施例について説明するが、本発明は以下に説明する実施例に限定されるものではない。
[サンプルNo.1〜No.14の作製]
以下のようにして、燃料極集電層を支持基板とする燃料極支持型セルのサンプルNo.1〜No.14を作製した。
まず、平均粒径1μmのNiO粉末(Ni換算で45体積%)と平均粒径1μmのY粉末を混合した粉末に、平均粒径5μmのPMMA粒子を外配10重量%添加して支持基板用坏土を形成した。
次に、支持基板用坏土を押出成形し、乾燥及び仮焼することによって、支持基板仮焼体を作製した。
次に、第1シール膜と第2シール膜とによって構成される固体電解質層用シートを作製した。具体的には、YO-ZrO-NiOの混合組成を有する5μm厚の第1シール膜上に、平均粒径0.7μmの8YSZで構成される30μm厚の第2シール膜を積層した。この際、サンプルNo.1〜No.6では、表1に示すように、YO-ZrO-NiOの混合組成が異なるように調整した。ただし、表1に示される各成分の濃度は、平均値である。サンプルNo.8〜No.14では、サンプルNo.3の混合組成を用いつつ、表2に示すように、第1シール膜の厚みが異なるように調整した。なお、サンプルNo.7には、8YSZで構成される30μm厚の固体電解質層用シートを作製した。
次に、平均粒径1μmのNiO粉末(Ni換算で40体積%)と平均粒径1μmの8YSZ粉末と有機バインダーと溶媒とを混合したスラリーを作製し、第1シール膜上にスクリーン印刷法で塗布及び乾燥することによって、10μm厚の燃料極層用コーティング層を形成した。
次に、燃料極層用コーティング層が形成された固体電解質層用シートを支持基板成形体上に貼り付けて、1000℃で仮焼処理した。
次に、LaCrO系酸化物と有機バインダーと溶媒を混合したスラリーを支持基板成形体の露出部分に印刷塗布し、1450℃で5時間焼成することによってインターコネクタを形成した。
次に、LSCF粉末とバインダーを添加して得られるスラリーを、固体電解質層用シート上に印刷及び乾燥し、1000℃で3時間焼き付けて空気極層を形成した。
[還元後のクラックの有無]
サンプルNo.1〜No.14を800℃で水素雰囲気に5時間暴露し、常温まで降温させた後、セルの断面を顕微鏡で観察することによって第2シール膜におけるクラックの有無を確認した。観察結果を表1及び表2に示す。なお、表1及び表2では、各サンプル(n=10個)のいずれにもクラックが無いものを○、いずれか1つにでもクラックあれば×と評価した。
表1に示すように、イットリアを含有する第1シール膜を備えるサンプルNo.1〜6では、第1シール膜を備えないサンプルNo.7に比べて、シール部内におけるクラックの発生を抑制できることが確認された。
また、表1に示すように、イットリアの平均濃度が12mol%以上かつ31mol%以下の場合に、特にクラックの発生を抑制できることが確認された。
さらに、表2に示すように、第1シール膜の膜厚は、1μm以上、20μm以下が好ましいことが確認された。
100 燃料電池セル
10 支持基板
20 インターコネクタ
30 発電部
31 燃料極
32 固体電解質層
32A 第1シール膜
32B 第2シール膜
33 空気極

Claims (5)

  1. 酸化ニッケル及び/又はニッケルとイットリアによって構成され、内部に流路を有する平板状の支持基板と、
    前記支持基板上に配置され、燃料極活性層と、空気極と、前記燃料極活性層と前記空気極との間に配置される固体電解質層と、を有する発電部と、
    前記発電部に接続され、前記支持基板の少なくとも側面を覆うシール部と、
    を備え、
    前記シール部は、前記支持基板上に形成される第1シール膜と、前記第1シール膜上に形成される第2シール膜と、を有し、
    前記第1シール膜は、酸化ニッケル及び/又はニッケルとイットリアとジルコニアによって構成され
    前記第2シール膜は、イットリア安定化ジルコニアによって構成されており、
    前記支持基板は、ガス透過性であり、
    前記第1シール膜及び前記第2シール膜それぞれは、ガス遮断性である、
    燃料電池セル。
  2. 前記第1シール膜における平均イットリア濃度は、前記第2シール膜における平均イットリア濃度よりも高い、
    請求項1に記載の燃料電池セル。
  3. 前記第1シール膜におけるイットリア濃度の平均値は、12mol%以上かつ31mol%以下である、
    請求項2に記載の燃料電池セル。
  4. 前記第1シール膜の厚みは、1μm以上20μm以下である、
    請求項1乃至のいずれかに記載の燃料電池セル。
  5. 前記固体電解質層は、イットリア安定化ジルコニアを含
    前記シール部は、前記固体電解質層と一体的に連結される、
    請求項1乃至のいずれかに記載の燃料電池セル。
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