JP5364138B2 - モータ駆動制御装置および空調機器 - Google Patents

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Description

本発明は、PWM(Pulse Width Modulation)制御による180度通電方式のインバータが位置センサレスで交流モータを駆動制御する技術に関する。
交流モータを安価かつ堅牢に駆動させるモータ駆動制御装置の技術として、PWM制御を行うインバータによる位置センサレス制御がある。この位置センサレス制御では、交流モータに流れる電流や印加される電圧に基づいて回転子位相を推定するため、位置センサを取り付ける必要がない。このような位置センサレス制御は、位置センサを付けた制御の場合と同等以上に広い駆動範囲と高い運転効率を実現できることが望まれている。
位置センサレス制御として、交流モータの誘起電圧に基づいて回転子位相を推定する手法がある。誘起電圧に基づいて回転子位相を推定する手法としては、PWM制御を行うインバータの通電方式(例えば、120度通電方式や180度通電方式)に応じて、幾つかの制御手法が提案されている。ここで、誘起電圧を利用した位置センサレス120度通電方式を誘起電圧利用型120度通電方式と呼び、誘起電圧を利用した位置センサレス180度通電方式を誘起電圧利用型180度通電方式と呼ぶことにする。これらの誘起電圧を利用した位置センサレス制御手法の問題点は、交流モータの低速域で誘起電圧が小さくなるため、回転子位相の推定誤差が生じやすいことが知られている。特に、交流モータの停止時では、誘起電圧が発生しないため、回転子位相を推定することができない。
そこで、このような問題点を解決するために、磁気飽和を利用した位置センサレス制御手法が提案されている。この手法は、磁気飽和を利用して、停止時を含めた低速域でも回転子位相を推定するものである。例えば、120度通電方式を用いる場合で、開放相に発生する磁気飽和に伴う起電圧を検出する方式(磁気飽和利用型120度通電方式と呼ぶ)が提案されている(特許文献1参照)。ここで、開放相とは、インバータ回路の上下アームのスイッチ素子を両方共停止させる相のことである。特許文献1の技術では、磁気飽和によって開放相に発生する起電圧は、回転子位相に依存して変化するため、この起電圧を検出することにより回転子位相を推定している。
しかしながら、120度通電方式は電流波形が歪んでいるため、鉄損が増加して交流モータの効率を低下させてしまう。そこで、特許文献1の技術では、低速域では磁気飽和利用型120度通電方式を用い、中高速域では誘起電圧利用型180度通電方式に切り換える方式が開示されている。後者(誘起電圧利用型180度通電方式)は正弦波駆動であるため、前者(磁気飽和利用型120度通電方式)に比べて電流歪みが小さく交流モータの効率低下を抑制することができる。それに対して、停止時を含む低速域では前者(磁気飽和利用型120度通電方式)を用いなければならないために、低速域においては電流歪みが大きくなるという問題は残る。
すなわち、誘起電圧利用型180度通電方式は、電流歪みを小さくすることはできるが、交流モータの低速域において誘起電圧が小さくなるために回転子位相の推定誤差が大きくなってしまう。また、磁気飽和利用型120度通電方式は、開放相で発生する磁気飽和による起電圧によって、交流モータの低速域においても回転子位相を高精度に推定することができるが、低速域において電流歪みが大きくなってしまう。
そこで、電流歪みが小さい誘起電圧利用型180度通電方式を用いた場合で、停止時を含む低速域で回転子位相を推定するために、中性点電位を検出する手法(中性点利用型180度通電方式と呼ぶ)が提案されている(特許文献2参照)。この手法は、検出される中性点電位が開放相の起電圧と同様に回転子位相に依存することを利用して、この中性点電位を検出することにより回転子位相を推定している。
特開2009−189176号公報 特開2010−74898号公報
しかしながら、特許文献2に記載された中性点利用型180度通電方式の場合は、電流歪みが小さく、かつ低速域から高速域まで回転子位相の推定を行うことができるが、中性点電位を検出するために検出系統が複雑になってしまう。すなわち、中性点利用型180度通電方式で中性点電位を検出するためには、交流モータの内部に検出用の配線を設ける必要があるため、交流モータの検出系統が複雑になると共に交流モータの構造が複雑になる虞がある。さらに、三相の交流モータが空調機器の圧縮機駆動用モータである場合には、圧縮機の内部に設置された圧縮機駆動用モータから4本の線を引き出す必要がある。その結果、空調機器をコストアップさせたり、空調機器の信頼性を低下させたりする虞がある。さらには、空調機器の内部において検出系統の配線変えを行わなければならないので、既存の空調機器をそのまま利用することができない等、汎用性に優れていないという問題もある。
そこで、本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、停止時を含む低速域から高速域まで回転子の位置検出ができ、電流歪みが小さく、かつ、中性点電位の検出が不要な、位置センサレス制御を行うことができるモータ駆動制御装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明のモータ駆動制御装置およびそのモータ駆動制御装置を用いた空調機器は、直流電源から供給される直流電力をPWM制御によって所望の交流電力に変換し、その交流電力を交流モータへ供給するインバータと、前記交流モータに流れるモータ電流を検出する電流検出手段と、前記交流モータの端子に印加されるモータ印加電圧を検出する電圧検出手段と、180度通電のパルス信号を出力して、前記インバータをPWM制御する制御手段と、前記パルス信号のうち、所定の相のパルス信号を所定の停止期間だけ停止させる停止手段と、前記交流モータが所定の回転速度以下のときの運転状態に応じて、前記停止手段に設定された停止期間を可変調整する調整手段とを備える。
本発明によれば、停止時を含む低速域から高速域まで回転子の位置検出ができ、電流歪みが小さく、かつ、中性点電位の検出が不要な、位置センサレス制御を行うことができる。
第1実施形態に係るモータ駆動制御装置の回路構成を示すブロック図である。 図1に示す電圧検出手段の詳細な回路構成を示す回路図である。 図1に示すインバータにおけるU相電圧、U相電流およびパルス信号の波形図であり、(a)はU相電圧、U相電流およびパルス信号の関係を表し、(b)は部分拡大図を表す。 図3に示す波形図の通電期間Tonおよび停止期間ToffにおけるU相端子電圧Vuaを示す図である。 第1実施形態のモータ駆動制御装置によって実機を駆動した場合の、U相電圧、U相電流およびパルス信号の波形図であり、(a)はU相電圧の波形を表し、(b)はU層電流の波形を表し、(c)はパルス信号の波形を表す。 図1に示す交流モータの各相端子電圧の検出時のイメージ図である。 図1に示す交流モータの回転子位相と起電圧との関係を示す特性図である。 図1に示すインバータのパルス信号の停止期間Toffと電流歪みεとの関係を示す特性図である。 磁気飽和利用型120度通電方式のインバータにおけるスイッチング波形図である。 図1に示す交流モータの回転速度ω、電流歪みε、およびパルス信号の停止期間Toffの関係を示す特性図である。 図1に示すインバータにおける理想的なU相電流の波形図である。 巻線可変手段および磁束量可変回転子を備えた場合の交流モータの概念図である。 第2実施形態に係る、モータ駆動制御装置を用いた空調機器の構成図である。 圧縮機駆動用の交流モータのトルク脈動およびモータ電流実効値の波形図である。 図1に示すモータ駆動制御装置によって駆動される交流モータの三相交流電圧のベクトル図である。 図1に示す180度通電手段におけるフリーラン再起動時の位相推定の構成図である。
次に、発明を実施するための形態(以降、「実施形態」と称す。)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
《概要》
本実施形態に係るモータ駆動制御装置は、位置センサレス制御で交流モータに電力を供給する180度通電方式でPWM制御を行うインバータにおいて、そのインバータの上下アームのスイッチ素子を所定の停止期間だけ停止させる相(開放相)を設けた通電パターンを形成する。この開放相で発生した磁気飽和による起電圧を測定し、その測定した起電圧を用いて磁石位置(回転子位相)を検出することによって、停止時を含む低速域から高速域まで位置センサレス制御を行うことが可能となる。
180度通電方式では、一般的に、モータ電流に基づいて回転子位相を測定しているが、モータの回転速度が所定値以下の場合には、モータ電流に基づいて回転子位相を正確には測定することができない。ただし、スイッチ素子を停止していると、起電圧を正確に測定することができる。このとき、測定できる起電圧は、磁気飽和による起電圧と誘起電圧とを合計したものである。磁気飽和による起電圧は、回転子位相によって異なる。また、誘起電圧は、モータの回転速度によって異なる。したがって、モータの回転速度が分かっていれば、誘起電圧を求めることができ、測定した起電圧から誘起電圧分を減算することによって、磁気飽和による起電圧を求めることができる。このようにして、180度通電方式で開放相の停止期間を用いて、停止時を含む低速域(モータの回転速度が所定値以下)において、位置センサレス制御を行う。さらに、モータの回転速度等に応じて開放相の停止期間を調整することにより、電流歪みを低減する。
《第1実施形態》
〈モータ駆動制御装置の全体構成〉
図1は、第1実施形態に係るモータ駆動制御装置100の回路構成を表している。モータ駆動制御装置100は、直流電源2より供給される直流電力をPWM制御によって所望の交流電力に変換し、その交流電力を交流モータ1へ供給するインバータ3と、インバータ3によって駆動される交流モータ1に流れる三相交流電流Iu、Iv、Iw(モータ電流)を検出する電流検出手段4と、交流モータ1に印加される三相交流電圧Vu、Vv、Vw(モータ印加電圧)を検出する電圧検出手段5と、180度通電のパルス信号でインバータ3をPWM制御する180度通電手段(制御手段)6と、180度通電のパルス信号のうち、所定の相のパルス信号を所定の停止期間だけ停止させる停止手段7と、交流モータ1が所定の速度以下のときの運転状態に応じて、停止手段7から出力される180度通電のパルス信号の停止期間を調整する調整手段8とを備えて構成される。
〈モータ駆動制御装置の動作概要〉
図1に示すモータ駆動制御装置100において、直流電源2が、インバータ3の正極側端子3aと負極側端子3bとの間に直流電圧VDCを印加する。インバータ3は、三相にブリッジ構成されたスイッチ素子Sup、Sun、Svp、Svn、Swp、Swnを備え、直流電源2から供給された直流電圧VDCを、PWM制御によって三相交流電圧Vu、Vv、Vwに変換する。インバータ3が、三相交流電圧Vu、Vv、Vw、すなわちモータ印加電圧を交流モータ1に印加すると、交流モータ1には三相交流電流(モータ電流)Iu、Iv、Iwが流れる。そして、交流モータ1は、三相のインバータ3からPWM制御によって出力された三相交流電流(モータ電流)Iu、Iv、Iwに応じたトルクを出力する。
また、180度通電手段(制御手段)6が、180度通電でPWM制御されたパルス信号をインバータ3へ供給すると、インバータ3の各スイッチ素子Sup、Sun、Svp、Svn、Swp、SwnがPWM制御されたタイミングでスイッチングされる。これによって、インバータ3から交流モータ1へPWM制御された三相交流電流(モータ電流)Iu、Iv、Iwが供給される。
このとき、調整手段8は、インバータ3の駆動周波数や交流モータ1の運転状態(例えば、交流モータ1の回転速度、トルク、モータ電流、モータ印加電圧等)に応じて、停止手段7から出力される180度通電のパルス信号の停止期間を変化させる。これによって、停止手段7は、制御手段6からインバータ3へ供給される180度通電の所定の相のパルス信号のうち、調整手段8で設定された停止期間に相当する期間だけパルス信号の送信を停止させる。
したがって、インバータ3は、PWM制御によって180度通電される電流波形のうち、停止期間(すなわち、開放相の区間)だけ、交流モータ1へ供給すべきモータ電流の供給を停止する。これにより、交流モータ1には停止期間(開放相の区間)において磁気飽和による起電圧が発生するので、位置センサを設けなくても、この起電圧によって交流モータ1の位相検出を行うことができる。
これによって、パルス信号の停止期間(開放相の区間)に発生する磁気飽和による起電圧によって回転子位相を高精度に推定することができる。また、回転速度が所定値以下の低速域にあってはモータ電流が極めて小さいので、パルス信号の停止期間を設けたとしても電流歪みを抑制することができる。
以下、図1に示すモータ駆動制御装置100の各部要素の動作について詳細に説明する。
〈電流検出手段〉
図1において、電流検出手段4は、インバータ3の負極側端子3bを流れる母線電流IDCを検出し、この母線電流IDCから三相交流電流(モータ電流)Iu、Iv、Iwを抽出する。ただし、出力側の三相交流電流Iu、Iv、Iwを直接検出するように、インバータ3の各相端子3c、3d、3eに電流検出手段を設けても良い。
〈電圧検出手段〉
電圧検出手段5は、U相電圧検出手段5a、V相電圧検出手段5b、およびW相電圧検出手段5cを備え、それぞれ、インバータ3の負極側端子3bを基準として、インバータ3の各相端子3c、3d、3eの端子電圧Vua、Vva、Vwa(図2参照)、すなわちモータ印加電圧を検出する。
図2は、図1に示す電圧検出手段5の詳細な回路構成を表している。図2に示すように、U相電圧検出手段5aは、第一分圧抵抗5aa、第二分圧抵抗5ab、およびスイッチ手段5acを備える。なお、検出電圧を分圧する分圧手段は、これに限定されるものではない。また、後記する磁気飽和型位相推定手段6a(図16参照)の耐圧が高い場合には、分圧抵抗を設けて分圧する必要はない。また、V相電圧検出手段5bおよびW相電圧検出手段5cは、U相電圧検出手段5aと同様の構成である。
図2では、U相電圧検出手段5aは、電圧検出手段5とインバータ3との間を切り離すスイッチ手段5acを備えることによって、電圧検出手段5の回路損失を低減させることができる。すなわち、スイッチ手段5acがONであるとき、U相端子電圧Vuaは分圧され、U相端子電圧Vuaの分圧電圧が磁気飽和型位相推定手段6aに入力される。このとき、第一分圧抵抗5aaおよび第二分圧抵抗5abにおいては損失が発生する。そこで、電圧検出をしない場合には、スイッチ手段5acをOFFにして電圧検出手段5の回路損失を低減させることができる。
つまり、図1に示すモータ駆動制御装置において、電圧検出手段5が、図2に示すように、交流モータ1の端子と切り離すためのスイッチ手段(スイッチ回路)5acを備えることにより、電圧検出が不要であって電圧検出手段5の不使用時における電力損失を低減させることができる。
〈停止期間の生成〉
ここで、図1に示すインバータ3におけるU相電圧、U相電流およびパルス信号の波形について、図3(a)を用いて説明する。なお、図3(b)は図3(a)の部分拡大図である。図3(a)において、縦軸は、交流モータ1の中性点を基準電位として表している。図3(a)の上段において、U相電圧Vuは、理想的な電圧波形として、電圧位相θvのcos関数で表している。また、図3(a)の中段、下段に示すUp、Unは、後記する180度通電手段6が出力するPWM制御のパルス信号に基づくU相のスイッチ素子Sup、Sun(図1参照)のON/OFF波形を表し、信号レベルが“1”のときはON、“0”のときはOFFを表わしている。なお、スイッチ素子Sup、Sunのスイッチング特性は理想的であるものとする。
ここで、PWM制御により、スイッチ素子Sup、Sunの両方ともOFF、または、一方のみONである場合を考える。停止期間Toffは、後記する停止手段7(図1参照)の停止信号に基づいて、U相のスイッチ素子Sup、Sunの両方を停止させる期間を示す。この停止期間Toffでは、スイッチ素子Sup、Sunは、両方ともOFFの状態で停止する。すなわち、停止期間Toffが開放相の区間となる。また、停止期間Toff以外の期間は、通常の180度通電のPWM制御によってスイッチングを行う通電期間Tonである。
次に、インバータ3のU相端子電圧Vuaの波形特性について、図3(b)および図4を用いて説明する。図4は、U相端子電圧Vuaについて、通電期間Tonおよび停止期間Toffの場合を分けて表に示したものである。図4に示すように、通電期間Tonの場合、U相端子電圧Vuaは、スイッチ素子SupがONのときはVDC/2となり、スイッチ素子SunがONのときは−VDC/2となる。
また、停止期間Toffでは、U相端子電圧Vuaは次のようになる。停止期間Toffになった直後は、図3(b)に示すように、スイッチ素子Supおよびスイッチ素子Sunとそれぞれ逆並列に接続されたダイオードに還流電流が流れる還流期間Trとなる。この還流期間Trは、U相電流Iuがスイッチ素子Supまたはスイッチ素子Sunと逆並列に接続されたダイオード素子を還流する期間である。このとき、U相端子電圧Vuaは、U相電流Iuの極性に依存する。
すなわち、図4の停止期間Toffに示すように、U相電流Iuが正(Iu>0)であるときは、還流電流によりスイッチ素子Sunに逆並列のダイオード素子が導通し、インバータ3の負極側端子3bとU相端子3cが同電位となり、U相端子電圧Vuaは−VDC/2となる。また、U相電流Iuが負(Iu<0)であるときは、還流電流によりスイッチ素子Supに逆並列のダイオード素子が導通し、インバータ3の正極側端子3aとU相端子3cが同電位となり、U相端子電圧VuaはVDC/2となる。
また、U相電流Iuがゼロ(Iu=0)となり、還流期間Trが終わると、U相端子電圧Vuaは、スイッチ素子Svp、Svn、Swp、SwnのON/OFF状態に依存する。すなわち、スイッチ素子Svpおよびスイッチ素子SwpがONとなるときは、V相端子3dおよびW相端子3eと正極側端子3aが導通し、U相端子電圧Vuaは、VDC/2となる。
同様にして、スイッチ素子Svnおよびスイッチ素子SwnがONになるときは、V相端子3dおよびW相端子3eと負極側端子3bが導通し、U相端子電圧Vuaは、−VDC/2となる。また、スイッチ素子SvpがONでスイッチ素子SwnがONのとき、磁気飽和現象によって、U相端子電圧Vuaは起電圧V0となる。また、スイッチ素子SvnがONでスイッチ素子SwpがONのときは、磁気飽和現象によって、U相端子電圧Vuaは起電圧V0a(起電圧V0が測定されるときの電圧位相に対して、180度ずらしたときの起電圧)となる。
すなわち、U相の上下アームのスイッチ素子Sup、Sunが共にOFFしている停止期間Toffにおいては、V相およびW相が二相運転しているときに、U相には磁気飽和による起電圧起電圧V0またはV0aが発生している。したがって、U相の起電圧V0またはV0aによって回転子位相を推定することができる。
〈実機による駆動時の波形〉
図5は、第1実施形態のモータ駆動制御装置100を二相変調型PWM制御方式で駆動した際、電流のゼロクロス点を含んだ近傍にU相のパルス信号の停止期間Toffを設けて、U相のパルス信号の停止期間Toffを設定して実機を駆動した場合の電圧、電流およびパルス信号の各波形を示している。横軸に電圧位相、縦軸に電圧、電流、およびパルス信号の各レベルを示している。ただし、U相電圧は、交流モータ1の中性点を基準電位としている。
図5(a)はインバータ3のU相端子電圧Vua、図5(b)は交流モータ1に流れるU相電流Iu、図5(c)は、インバータ3のスイッチ素子Supのパルス信号Upと、インバータ3のスイッチ素子Sunのパルス信号Unを示している。
図5(c)に示すように、停止期間Toffにおいてパルス信号Up,Unが共にOFFとなっており、パルス信号Up,Unが停止した区間が設定されていることが確認できる。また、パルス信号が停止した区間が設定されているため、停止期間Toffの区間ではU相電流Iuがゼロとなることも併せて確認することができる。
〈磁気飽和による起電圧〉
ここで、磁気飽和現象について説明する。図6は、図1に示す交流モータ1の各相端子電圧の検出時のイメージ図であり、スイッチ素子Svpおよびスイッチ素子SwnがONの場合(図4参照)における各相端子電圧Vua、Vva、Vwaを示している。このモードのときは、交流モータ1の回路構成の対称性から、理想的には、V相端子電圧VvaはVDC/2、W相端子電圧Vwaは−VDC/2であって、U相端子電圧Vuaは0となるはずである。しかし、交流モータ1の各相のインダクタンスは、磁気飽和により回転子位相θの影響を受けるために均一ではない。そのため、図6に示すように、U相端子電圧Vuaとして起電圧V0が生じる。同様にして、スイッチ素子Svn,SwpがONの場合には、U相端子電圧Vuaとして起電圧V0aが生じる(図4参照)。
図7は、図1に示す交流モータ1の回転子位相と起電圧との関係を示す特性図であり、横軸に回転子位相θ、縦軸に起電圧V0を表わしている。図7に示す交流モータ1の起電圧V0は、回転子位相θの2倍の周期関数であることが知られており、その相間関係を利用すれば、図1に示すU相電圧検出手段5aの起電圧V0の検出値から、交流モータ1の回転子位相θを推定することができる。
〈180度通電手段〉
再び図1に戻って、180度通電手段6は、磁気飽和型位相推定手段6a、誘起電圧型位相推定手段6b、位相推定切換手段6c、電圧指令手段6d、PWM制御手段6e、および速度推定手段6fを備え、インバータ3における三相の各相のスイッチ素子Sup〜SwnのPWM制御信号(パルス信号)、および交流モータ1の速度推定値ωaを出力する。
磁気飽和型位相推定手段6aは、停止期間Toffにおいて、図7に示すような回転子位相θと起電圧V0との関係により、起電圧V0の検出値に基づいて回転子位相θを推定する。以下では、このような位相推定方式を磁気飽和型位相推定方式と呼ぶ。この磁気飽和型位相推定方式の長所は、交流モータ1の停止時を含む低速域において起電圧V0の検出値から回転子位相θを推定できる点である。その理由は、U相の起電圧V0は、回転速度に関係なく、V相−W相間が通電されるたびに発生するからである。それに対して、磁気飽和型位相推定方式の短所は、図3に示すように、停止期間Toffにおいて電流が流れないために電流波形が歪む点である。
誘起電圧型位相推定手段6bは、通電期間Tonにおいて、電流検出手段4から抽出した三相交流電流Iu、Iv、Iwに基づいて回転子位相θを推定する。通電期間Tonでは、一般的な180度通電によりU相電流Iuは正弦波状に流れることから、誘起電圧利用型180度通電方式と同様に回転子位相θを推定することができる。以下では、このような位相推定方式を誘起電圧型位相推定方式とよぶ。この誘起電圧型位相推定方式の長所は、停止期間Toffを必要としないため、電流歪みが小さい点である。それに対して、短所は、誘起電圧は低速になるほど小さくなるため、低速域では回転子の位相推定精度が低下する点である。
位相推定切換手段6cは、通電期間Tonまたは停止期間Toffに基づいて、磁気飽和型位相推定方式と誘起電圧型位相推定方式とを切換え、回転子位相θの位相推定値θaを出力する。例えば、交流モータ1の回転速度が所定値より大きい(中高速域の)ときは誘起電圧型位相推定方式に切換え、交流モータ1の回転速度が所定値以下(低速域)のときは磁気飽和型位相推定方式に切換える。
電圧指令手段6dは、回転子位相θの位相推定値θaに基づいて、三相交流電圧Vu、Vv、Vwの指令値Vu*、Vv*、Vw*を演算する。そして、その指令値Vu*、Vv*、Vw*をPWM制御手段6eへ送信する。
PWM制御手段6eは、PWM制御に基づいて、電圧指令手段6dから取得した電圧指令Vu*、Vv*、Vw*を180度通電用のPWM制御信号に変換する。このPWM制御信号はON/OFFデューティが制御されたパルス信号であり、インバータ3の各スイッチ素子Sup〜SwnをスイッチングしてPWM制御を行う。
速度推定手段6fは、回転子位相の推定値である位相推定値θaを擬似微分することにより、交流モータ1の回転速度ωを推定し、回転速度ωの推定値である速度推定値ωaを調整手段8へ出力する。
〈停止手段〉
図1に示す停止手段7は、PWM制御手段6eから各スイッチ素子Sup〜Swnへ出力されるPWM制御のパルス信号を停止させるための停止信号を出力する。停止手段7から出力される停止信号は、PWM制御手段6eから出力されるPWM制御のパルス信号に優先して、スイッチ素子Sup〜Swnを停止させることができる。したがって、PWM制御手段6eから180度の全区間においてパルス信号が出力されても、停止手段7で設定された停止期間Toffの間は、所定の相のパルス信号は停止される。
〈調整手段〉
次に、図1に示す調整手段8が、停止手段7から出力される停止信号の停止期間Toffを調整する方法(1)〜(5)について説明する。
各方法についての説明に入る前に、各方法に共通の前提について説明する。
はじめに、パルス信号の停止期間Toffと電流歪みεとの関係について説明する。図8は、図1に示すインバータ3のパルス信号の停止期間Toffと電流歪みεとの関係を示す特性図であり、横軸に停止期間Toff、縦軸に電流歪みεを表わしている。ただし、説明を簡単にするために、停止期間Toffのみによって電流波形は歪むものとする。
図8に示すように、停止期間Toffが電気角60度のときの電流歪みεはε1であり、停止期間Toffが電気角0度のときの電流歪みεは0である。ここで、電気角60度は、磁気飽和利用型120度通電方式を用いた場合の停止期間Toffを表す値であり、電気角0度は、誘起電圧利用型180度通電方式を用いた場合の停止期間Toffを表す値である。
そこで、磁気飽和利用型120度通電方式を用いた場合の停止期間Toffが電気角60度となる理由について、図9を用いて説明する。図9は、磁気飽和利用型120度通電方式のインバータにおけるスイッチング波形を表している。図9に示すように、120度通電方式ではいずれか一つの相は、必ず停止期間Toffにある。例えば、図9に示すように、電気角0〜60度の範囲ではU相+側とW相−側が通電相となり、V相の上下アームが停止期間Toffとなっている。また、電気角60〜120度の範囲ではV相+側とW相−側が通電相となり、U相の上下アームが停止期間Toffとなっている。
そのため、停止期間Toffを電気角60度以上に設定すると、二相以上の通電が同時に停止されるため、交流モータ1の三相全てに電流が流れなくなるので、交流モータ1はトルクを出力することができない。そこで、このような不具合を避けるため、停止期間Toffは電気角60度以下とする。なお、各停止期間Toffを均一にしなければ、いずれかの相の停止期間Toffを電気角60度以上にすることも可能であるが、電圧・電流波形の対称性が失われるため望ましくない。つまり、磁気飽和利用型120度通電方式を用いた場合の停止期間Toffは電気角60度となる。
図8に戻って、電流歪みεを抑えるためには、単に誘起電圧利用型180度通電方式を用いれば良いことになる。しかし、誘起電圧利用型180度通電方式は低速域において誘起電圧が小さいために、この誘起電圧利用型180度通電方式によって回転子の位置検出を実現することはできない。
そこで、図8を書き換えて、図10に示すように、交流モータ1の回転速度ωを変数として加えて、電流歪みεおよびパルス信号の停止期間Toffの関係を表す。図10では、回転速度ωがω0未満の低速域Lの場合、磁気飽和利用型120度通電方式を実行し、回転速度ωがω0以上の高速域Hの場合、誘起電圧利用型180度通電方式に切り換えることが本実施形態の比較例として考えられる。この比較例の場合には、高速域Hから低速域Lへ遷移するときに、急激に、180度通電から120度通電に切り替わるために、低速域Lにおいて電流歪みεが急激に増加してしまう。
したがって、方法(1)では、電流歪みεを低減するために、図3に示したように、U相のスイッチ素子Sup,Sunが両方ともOFFの状態となる停止期間Toff、すなわち開放相の区間を設けた新たな通電方式を採用する。この新たな通電方式では、この停止期間Toffを交流モータ1の回転速度推定値ωaに基づいて調整することにする。これにより、低速域Lにおいて、図10の曲線Qで表されるように、交流モータ1の回転速度ωに応じてこまめに電流歪みεの大きさを変えることができるため、比較例の場合に比べて電流歪みεを抑制することができる。すなわち、図1に示すように、調整手段8は、速度推定手段6fから出力された回転速度推定値ωaに基づいて、停止手段7から出力される停止期間Toffを調整する。
言い換えると、調整手段8は、各位相推定方式の特性を考慮して、交流モータ1の回転速度ωが低いほど、停止手段7から出力される停止期間Toffを拡大して、磁気飽和型位相推定方式を優先的に用いる。ただし、このときの停止期間Toffは、磁気飽和利用型120度通電方式の停止期間以下、すなわち、電気角60度以下とする。すなわち、180通電方式によるパルス信号の停止期間Toffは、交流モータ1の回転速度、トルク、モータ電流、モータ印加電圧等が低くなるほど、電気角60度以下の範囲で増加させる。なお、交流モータ1の回転速度ωが高いときは誘起電圧型位相推定方式を用いる。
また、方法(2)では、調整手段8は、交流モータ1のトルク、インバータ3の三相交流電流・電圧(すなわち、モータ電流、モータ印加電圧)等が小さいほど、停止期間Toffを拡大し、磁気飽和型位相推定方式を優先的に用いても良い。その理由は、停止期間Toffを電気角60度以下に設定するという条件において、母線電流IDCの通電期間が短くて、三相交流電流Iu、Iv、Iwを正確に抽出できない場合は、誘起電圧型位相推定方式における推定精度が低下するからである。
また、方法(3)では、調整手段8は、交流モータ1の回転速度ωが高いほど、または、交流モータ1のトルク、インバータ3の三相交流電流・電圧(すなわち、モータ電流、モータ印加電圧)等が大きいほど、停止期間Toffを縮小し、誘起電圧型位相推定方式を優先的に用いる。その理由は、前記方法(2)の場合とは逆で、母線電流IDCの通電期間が長いために、三相交流電流Iu、Iv、Iwを正確に抽出することができるので、誘起電圧型位相推定方式の推定精度が低下しないためである。なお、停止期間Toffは限りなく縮小してゼロとしても良い。
すなわち、180通電方式のパルス信号の停止期間Toffは、交流モータ1の回転速度ω、トルク、モータ電流、モータ印加電圧等が高くなるほど減少させるか、またはゼロにする。これによって、電流歪みεを小さくでき、交流モータ1の効率の向上を図ることができる。
なお、方法(4)では、交流モータ1の効率の向上を図るために、調整手段8は、インバータ3の駆動周波数に応じて停止期間Toffを変化させるようにしても良い。例えば、インバータ3の駆動周波数が高くなるほど停止期間Toffを短くし、インバータ3の駆動周波数が低くなるほど停止期間Toffを長くするように変化させる。
また、方法(5)では、調整手段8は、U相電流Iuがゼロとなるタイミング(ゼロクロス点)を含むように、停止期間Toffを設定しても良い。図11は、図1に示すインバータ3における理想的なU相電流Iuaの波形図、すなわち、停止期間Toffの影響を無視した理想的なU相電流Iuaの波形図である。図11に示すように、U相電流Iuaは、電圧位相θiのcos関数であり、点P1、P2は、U相電流Iuaがゼロとなるタイミング(ゼロクロス点)を示している。したがって、このゼロクロス点P1、P2を含むように停止期間Toffを設定すれば、図3(b)において、停止期間Toffの開始時におけるU相電流Iuの絶対値Iu0は小さく(ゼロに近く)なる。
このとき、図3(b)において、還流期間Trも短くなるため、起電圧V0の検出はもちろん、停止期間Toff直後の時点においても起電圧V00の検出も可能となり、回転子位相の検出タイミングを早めた上で位相推定精度を向上させることができる。また、停止期間Toff直後の起電圧V00の検出後は、直ぐに停止期間Toffを解除することにより、停止期間Toffを狭めて、電流歪みを抑制することもできる。なお、同一相の上下のスイッチ素子の短絡防止のために設けられるデッドタイムは、停止期間Toffと同等である。よって、デッドタイム中にU相電流Iuを検出し、これが閾値以下の場合には、デッドタイムを延長し、起電圧V0を検出しても良い。
すなわち、調整手段8は、180度通電パルス信号の停止期間Toffを、交流モータ1のモータ電流がゼロとなる期間を含むように設定することが好適である。これにより、図3に示す還流期間Trを短くして、停止期間Toff直後の起電圧V00によって回転子位相の検出タイミングを早めることができるので、停止期間Toffを狭めることができる。その結果、電流歪みをさらに小さくすることが可能となる。
〈交流モータの巻線可変手段〉
さらに、調整手段8は、交流モータ1の回転子の磁束量または固定子の巻線の巻数に基づいて、停止期間Toffを調整しても良い。図12は、交流モータ1が巻線可変手段および磁束量可変回転子を備えた場合における交流モータ1の概念を示している。すなわち、図12に示すように、交流モータ1は、U相巻線可変手段1a、V相巻線可変手段1b、およびW相巻線可変手段1cを備え、これらの巻線可変手段1a、1b、1cによって、交流モータ1の各相の巻線の巻数を変化させて磁束量可変回転子1dに接続しても良い。
図1に示す180度通電手段6は、運転状態に応じて、交流モータ1の誘起電圧係数またはインダクタンスを変化できることが知られている。これは、交流モータ1の運転範囲を拡大するためであり、例えば、自動車や洗濯機等の低速時において大トルクが要求される用途等において一般的に用いられている。したがって、この技術を応用すれば、図12に示すような、U相、V相、W相巻線可変手段1a、1b、1cと磁束量可変回転子1dを備えた構成を実現することができる。
このとき、誘起電圧係数またはインダクタンスを増加させると、磁気飽和現象が強まるため、磁気飽和型位相推定方式の位相推定精度が向上する。これによって、調整手段8は、停止期間Toffを狭めることが可能となり、その結果、電流歪みを小さく抑えることができる。また、誘起電圧係数を増加させると、同じトルクを出力するのに必要な電流値が小さくなるため、結果的に電流歪みの絶対値を抑えることができる。さらには、インダクタンスを増加させると、電流歪みの高調波成分が抑えられるため、交流モータ1の鉄損を減少させることができる。
すなわち、交流モータ1の回転子の磁束量が自由に変化できる場合は、調整手段8が、交流モータ1の磁束量に応じて、180度通電方式のパルス信号の停止期間Toffを変化することで、その交流モータ1を安定して駆動させることができる。
また、交流モータ1の固定子の巻線の巻数が切り替えられる場合は、調整手段8が、交流モータの巻線の巻数に応じて、180度通電方式のパルス信号の停止期間Toffを変化することで、その交流モータ1を安定して駆動させることができる。
以上説明したように、PWM制御を行うインバータ3の制御系として、電流検出手段5、180度通電手段6、停止手段7、および調整手段8を備えた第1実施形態のモータ駆動制御装置100の構成により、所定の回転速度より大きい(中高速回転域)では誘起電圧利用型180度通電方式を用いて回転子位相の推定を行い、所定の回転速度以下(低速域)では交流モータ1の運転条件に応じた停止期間Toffを設けて、磁気飽和による起電力によって回転子位相の推定を行う。これにより、電流歪みを最小限に抑えながら、交流モータ1の停止時を含む低速域から高速域に至るまで位置センサレス制御を実行することができる。
《第2実施形態》
次に、第2実施形態として、第1実施形態のモータ駆動制御装置100を用いた空調機器10について、図13および図14を用いて説明する。なお、第1実施形態と同様な内容については説明を省略する。図13は、第1実施形態に記載したモータ駆動制御装置100を空調機器10の圧縮機9を駆動する交流モータ1の制御に適用した場合の構成図を示している。
なお、図13において、圧縮機9は、空調機器10における熱サイクルの駆動源として用いられるものである。また、図13における符号3〜8は、図1におけるインバータ3、電流検出手段4、電圧検出手段5、180度通電手段6、停止手段7および調整手段8のことである。
また、図14は、圧縮機9を駆動する交流モータ1のトルク脈動およびモータ電流実効値の波形を表しており、横軸に時間、縦軸に圧縮機9の負荷トルクτおよび交流モータ1の電流実効値I1の波形を示している。図14に示すように、圧縮機9の負荷トルクτが周期性を有するトルク脈動となっているのは、圧縮機9の運転行程が定期的な圧縮および膨張を繰り返えすからである。このとき、交流モータ1の回転速度ωを安定化させる手法は、例えば、特開2006−180605号公報に記載されている、トルクリプル(脈動成分)に対して逆位相となるトルク電流を交流モータ1に流すことによりトルクの脈動成分を打ち消すトルク脈動抑制制御を用いることによって実現することができる。
このトルク脈動抑制制御を用いると、図14に示すように、交流モータ1の電流実効値I1も負荷トルクτに同期して脈動する。これは、負荷トルクτの脈動を、交流モータ1のトルク脈動で打ち消すためである。図14において、点P1〜P3は、交流モータ1の電流実効値I1の各脈動周期における極小値である。ただし、脈動周期ごとに交流モータ1の電流実効値I1の極小値が2つ以上ある場合(不図示)には、その極小値ごとに開放相(停止期間Toff)を設けても良い。
すなわち、第2実施形態では、調整手段8は、複数の停止期間Toffがモータ電流実効値I1の極小点P1〜P3をそれぞれ含むように設定しても良い。このような設定により、モータ電流実効値I1が小さいときに限り電流歪みが発生するが、電流歪みによるトルクの変化を抑えることができ、トルク脈動抑制制御への干渉を抑えることができる。これによって、圧縮機9を低速域から安定に駆動することができる。この結果、このような制御を行うモータ駆動制御装置100を用いる空調機器10は、出力の広範囲化および高効率化を達成することができる。
また、空調機器10に使用されている圧縮機9はトルク脈動が大きいため、モータ電流実効値I1は脈動するが、この場合は、180度通電のパルス信号の停止期間Toffを、交流モータの電流実効値が極小となる期間を含むように設けることもできる。なお、交流モータの電流実効値の極小値が2つ以上ある場合には、それぞれの極小値に対応して停止期間Toffを設けても良い。
なお、調整手段8は、空調機器10の機械系の1周期と交流モータ1の電気角の1周期とが異なるときには、停止期間Toffを、電気角の1周期ごとにモータ電流の実効値の最小値が存在する期間を含むように設定すると好適である。
《第3実施形態》
第3実施形態では、空転している交流モータ1を再起動させる場合について、図15、図16を用いて説明する。図15は、図1に示すモータ駆動制御装置によって駆動される交流モータの三相交流電圧のベクトルの関係を表している。また、図16は、図1に示す180度通電手段6におけるフリーラン再起動時の位相推定の構成例を表している。なお、第1実施形態と重複する内容については説明を省略する。ただし、何らかの外力がなければ、インバータ3の全てのスイッチ素子Sup〜Swnを停止させている限り、交流モータ1は停止している。
交流モータ1に外力が加わった場合、インバータ3を停止させたままでも交流モータ1は回転(空転)を始める。そして、図15に示すように、交流モータ1には、回転速度ωに応じた誘起電圧Vωが発生する。このときの誘起電圧VωのU相、V相、W相の成分は、それぞれ、Vωu、Vωv、Vωwである。また、誘起電圧位相θωは、誘起電圧VωとU相方向が成す角度である。d軸は、回転子方向を表し、誘起電圧位相θωと回転子位相θの位相差は90度である。
ここで、交流モータ1が回転(空転)している状態から安定に起動する状態をフリーラン再起動と呼ぶ。このフリーラン再起動では、起動ショックを防止するため、回転子位相θを起動前に推定する必要がある。
そこで、図16に示す構成を用いて、交流モータ1の起動前に回転子位相θを推定する方法について説明する。フリーラン再起動の前までは、通電相が存在しない。このため、母線電流IDCは流れず、180度通電手段6の誘起電圧型位相推定手段6bは、位相推定に適用することができない。また、電圧検出手段5から得る起電圧は、W相の誘起電圧Vωのみであることから、磁気飽和利型位相推定手段6aも適用することができない。そこで、フリーラン型位相推定手段6gを用いて、W相の誘起電圧Vωより回転子位相θを推定する。
このフリーラン型位相推定手段6gは、前記したように、図15の誘起電圧位相θωと回転子位相θとの位相差が90度であることから、回転子位相θを推定することができる。すなわち、特開2005−137106号公報に開示されているように、磁気飽和による誘起電圧位相から回転子位相を検出する技術を用いることにより、交流モータ1の回転子位相θを推定することができる。そして、回転子位相θの推定後、誘起電圧利用型180度通電方式を開始する。
すなわち、位相推定切換手段6cは、位相推定方式をフリーラン型位相推定手段6gから誘起電圧型位相推定手段6aへ切換える。しかし、回転速度が低いと誘起電圧Vωが小さいため、誘起電圧位相から回転子位相を推定する方式では推定精度が小さため、回転子位相の検出誤差によって起動ショックを生じたり、フリーラン再起動に失敗したりする虞がある。
そこで、第3実施形態では、フリーラン型位相推定手段6gを用いて回転子位相θを推定した後、位相推定方式を磁気飽和型位相推定手段6bへ切り換える。同時に、電圧検出値の絶対値が最小である相を停止期間Toffとして、磁気飽和型180度通電方式を開始することにより、起動ショックを抑えながら確実にフリーラン再起動させる。
図15において、例えば、電圧位相θωが、0≦θω≦π/3であるならば、|Vωu|>|Vωv|、かつ、|Vωw|>|Vωv|が成り立つ。
つまり、V相誘起電圧Vωvの絶対値は、U相、V相、W相の三相の中で最小である。
そこで、停止手段7は、V相に停止期間Toffを設けて、U相とW相間の通電を開始する。このことによって、最も電圧値の絶対値が最小である相を停止させることで、最初に印加するモータ電圧V1と誘起電圧Vωの位相差Δθωを抑え、交流モータ1の起動ショックを抑えることができる。
すなわち、交流モータ1が空転しているときには、停止手段7は、電圧検出手段5の検出した電圧検出値の絶対値が最小値となる相のパルス信号を所定の停止期間Toffだけ停止させる。これによって、180度通電手段(制御手段)6は、停止期間Toffに該当しない相のパルス信号によってインバータ3をPWM制御し、交流モータ1を始動させることができる。これによって、交流モータ1の始動時の変動がなく、スムーズな始動を行うことができる。
以上、本実施形態のモータ駆動制御装置100およびそのモータ駆動制御装置100を用いた空調機器10は、直流電源2から供給される直流電力をPWM制御によって所望の交流電力に変換し、その交流電力を交流モータ1へ供給するインバータ3と、前記交流モータ1に流れるモータ電流を検出する電流検出手段4と、前記交流モータ1の端子に印加されるモータ印加電圧を検出する電圧検出手段5と、180度通電のパルス信号を出力して、前記インバータをPWM制御する制御手段8と、前記パルス信号のうち、所定の相のパルス信号を所定の停止期間だけ停止させる停止手段7と、前記交流モータ1が所定の回転速度以下のときの運転状態に応じて、前記停止手段7に設定された停止期間を可変調整する調整手段8とを備える。このような構成を備えているので、モータ駆動制御装置100および空調機器10は、停止時を含む低速域から高速域まで回転子の位置検出ができ、電流歪みが小さく、かつ、中性点電位の検出が不要な、位置センサレス制御を行うことができる。
なお、本発明に係るモータ駆動制御装置100および空調機器10の実施形態について具体的に説明したが、本発明は前記した各実施形態の内容に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
すなわち、本発明は、上述した第1実施形態ないし第3実施形態の内容に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。言い換えると、上述した各実施形態は、本発明の内容を分かりやすく説明するために詳細に例示したものであり、必ずしも前記で説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることも可能であり、さらに、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。
また、各実施形態の構成の一部について、他の実施形態の構成を追加・削除・置換をすることも可能である。さらに、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現しても良い。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈して実行することにより、ソフトウェアで実現しても良い。なお、各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、IC(integrated circuit)カード、SDカード、DVD(Digital Versatile Disc)等の記録媒体に置くことができる。また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えても良い。
本発明によれば、空調機器に用いられる交流モータを駆動制御するモータ駆動制御装置に限らず、冷蔵庫、洗濯機、電気掃除機等の家電機器に用いられる交流モータを駆動するモータ駆動制御装置としても有効に利用することができる。
1 交流モータ
1a U相巻線可変手段
1b V相巻線可変手段
1c W相巻線可変手段
1d 磁束量可変回転子
2 直流電源
3 インバータ
3a 正極側端子
3b 負極側端子
3c U相端子
3d V相端子
3e W相端子
4 電流検出手段
5 電圧検出手段
5a U相電圧検出手段
5aa 第一分圧抵抗
5ab 第二分圧抵抗
5ac スイッチ手段
5b V相電圧検出手段
5c W相電圧検出手段
6 180度通電手段(制御手段)
6a 磁気飽和型位相推定手段
6b 誘起電圧型位相推定手段
6c 位相推定切換手段
6d 電圧指令手段
6e PWM制御手段
6f 速度推定手段
6g フリーラン型位相推定手段
7 停止手段
8 調整手段
9 圧縮機
10 空調機器
100 モータ駆動制御装置
VDC 直流電圧
IDC 母線電流
Sup、Sun、Svp、Svn、Swp、Swn スイッチ素子
Vu、Vv、Vw U相電圧、V相電圧、W相電圧
Vua、Vva、Vwa U相端子電圧、V相端子電圧、W相端子電圧
V1 モータ電圧
Iu、Iv、Iw U相電流、V相電流、W相電流
I1 モータ電流
Vω 誘起電圧
Vωu、Vωv、Vωw 誘起電圧のU相成分、V相成分、W相成分
Ton 通電期間
Toff 停止期間
Tr 還流期間
V0、V00、V0a 起電圧
θ 回転子位相
θa 位相推定値
θv 電圧位相
θi 電流位相
θω 誘起電圧位相
ω 回転速度
ωa 速度推定値
τ 負荷トルク

Claims (13)

  1. 直流電源から供給される直流電力をPWM制御によって所望の交流電力に変換し、その交流電力を交流モータへ供給するインバータと、
    前記交流モータに流れるモータ電流を検出する電流検出手段と、
    前記交流モータの端子に印加されるモータ印加電圧を検出する電圧検出手段と、
    180度通電のパルス信号を出力して、前記インバータをPWM制御する制御手段と、
    前記パルス信号のうち、所定の相のパルス信号を所定の停止期間だけ停止させる停止手段と、
    前記交流モータが所定の回転速度以下のときの運転状態に応じて、前記停止手段に設定された停止期間を可変調整する調整手段と
    を備えることを特徴とするモータ駆動制御装置。
  2. 前記調整手段は、電気角1周期において前記モータ電流がゼロとなる期間を含むように前記停止期間を可変調整し、その停止期間を前記停止手段に設定することを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動制御装置。
  3. 前記調整手段は、電気角1周期において前記モータ電流の実効値が極小値となる期間を含むように前記停止期間を可変調整し、その停止期間を前記停止手段に設定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のモータ駆動制御装置。
  4. 前記調整手段は、電気角1周期において前記モータ電流の実効値の極小値が複数存在するときは、それぞれの前記極小値に対応して、複数の停止期間を前記停止手段に設定することを特徴とする請求項3に記載のモータ駆動制御装置。
  5. 前記調整手段は、前記交流モータの回転速度、トルク、前記モータ電流、前記モータ印加電圧の少なくとも一つが低くなるほど、前記停止期間を電気角60度以下の範囲で増加させて、その停止期間を前記停止手段に設定することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のモータ駆動制御装置。
  6. 前記調整手段は、前記交流モータの回転速度、トルク、前記モータ電流、前記モータ印加電圧の少なくとも一つが高くなるほど、前記停止期間を減少させるかまたはゼロにして、その停止期間を前記停止手段に設定することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のモータ駆動制御装置。
  7. 前記調整手段は、前記インバータの駆動周波数に応じて前記停止期間を可変調整し、その停止期間を前記停止手段に設定することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のモータ駆動制御装置。
  8. 前記電圧検出手段は、前記交流モータの端子と該電圧検出手段との接続状態をON/OFFさせるスイッチ手段を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載のモータ駆動制御装置。
  9. 前記交流モータが空転しているとき、
    前記停止手段は、前記電圧検出手段の検出した電圧検出値の絶対値が最小値となる相の前記パルス信号を所定の停止期間だけ停止させ、
    前記制御手段は、前記停止期間に該当しない相のパルス信号によって前記インバータをPWM制御し、前記交流モータを始動させることを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動制御装置。
  10. 前記交流モータが磁束量を任意に可変可能であるとき、
    前記調整手段は、前記磁束量に応じて前記停止期間を可変調整し、その停止期間を前記停止手段に設定することを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載のモータ駆動制御装置。
  11. 前記調整手段は、前記巻線の巻数に応じて前記停止期間を可変調整し、その停止期間を前記停止手段に設定することを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載のモータ駆動制御装置。
  12. 請求項1ないし請求項11のいずれか一項に記載のモータ駆動制御装置によって駆動されることを特徴とする空調機器。
  13. 前記調整手段は、前記空調機器の機械系の1周期と前記交流モータの電気角の1周期とが異なるときには、前記停止期間を、電気角の1周期ごとに前記モータ電流の実効値の最小値が存在する期間を含むように可変調整し、その停止期間を前記停止手段に設定することを特徴とする請求項12に記載の空調機器。
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