JP2013225979A - モータ駆動装置、及びそれを適用した圧縮機駆動装置、並びにそれを備えた熱交換器 - Google Patents

モータ駆動装置、及びそれを適用した圧縮機駆動装置、並びにそれを備えた熱交換器 Download PDF

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Abstract

【課題】コスト増加を抑えた上で位置検出性能を向上させ、零速度近傍の極低速領域からの高効率なモータ駆動が可能なセンサレス制御を実施できるモータ駆動装置を提供する。
【解決手段】このモータ駆動装置において、永久磁石モータに三相交流電圧を印加するインバータに対してPWM(パルス幅変調)信号を出力する制御器は、180度通電用PWM発生器6及び120度通電用PWM発生器10と、モータに生じる電流又は電圧を入力して回転子の位置を推定する180度通電用位置推定器7及び120度通電用位置推定器11と、各PWM発生器6、10の接続を切り替えるPWM発生器切替用制御スイッチ12と、各位置推定器7、11の接続を切り替える位置推定器切替用制御スイッチ13と、を備え、各制御スイッチ12、13がモータ運転状態に応じて各PWM発生器6、10と各位置推定器7、11とを通電方式の同じものとして段階的に切り替える。
【選択図】図2

Description

本発明は、永久磁石モータをセンサレス制御により駆動するモータ駆動装置、及びそれを適用した圧縮機駆動装置、並びにそれを備えた冷凍機器等の熱交換器に関する。
従来、冷蔵庫に代表される冷凍機器、空気調和装置(エアコン)等の熱交換器に用いられる圧縮機のシャフト(駆動軸)を回転駆動するために適用されるモータ駆動装置には、小型で高効率の三相同期電動機である永久磁石モータが幅広く用いられている。この永久磁石モータを駆動させるには、モータの回転子の位置情報を要するために位置センサが必要であったが、近頃では位置センサを排除し、永久磁石モータの回転数やトルク制御を行うセンサレス制御が広く普及している。センサレス制御の実用化により、位置センサに必要とされた費用を削減し、搭載する装置の小型化を実現できるというメリットがある。特に圧縮機においては、構造的に位置センサの取付けが困難であり、センサレス制御によって永久磁石モータを駆動する必要がある。
現在、永久磁石モータに対するセンサレス制御では、永久磁石モータの回転子が回転することによって発生する誘起電圧(速度起電圧)を直接検出し、回転子の位置情報として永久磁石モータの駆動を行う方法や、制御対象となる永久磁石モータの数式モデルから回転子位置を推定(演算)する位置推定の技術等が採用されている。ところが、これらのセンサレス制御は、永久磁石モータの発生する誘起電圧に基づくものであるため、モータ停止時や誘起電圧の小さい低速領域では検出感度が低下してしまうという課題があり、これに対しては種々の解決策が提案されている。
このようなセンサレス制御される永久磁石モータ(同期電動機)の低速領域で検出感度が低下する問題を対策した周知技術としては、例えば永久磁石モータの三相固定子巻線の接続点の電位である中性点電位の変動を観測することにより、零速度近傍の極低速領域からの正弦波駆動(180度通電方式)を実現した「同期電動機の駆動システム」(特許文献1参照)や、或いは永久磁石モータの中性点電位を用いず、120度通電方式で永久磁石モータを駆動した際のインダクタンスの変化(磁気回路特性)に基づいてインバータの非通電相に発生する誘起電圧(変圧器電圧)を観測することにより、零速度近傍の極低速領域での駆動を実現した「同期電動機の駆動システム」(特許文献2参照)が挙げられる。
特開2010−74898号公報 特開2009−189176号公報
一般に、上述したようなモータ駆動装置を適用した熱交換器(冷凍機器)用圧縮機の一例である冷蔵庫用圧縮機では、庫内の温度が低温で安定している場合に運転を停止したり、或いは低速運転することが省エネの観点で望ましいが、冷蔵庫の据付時やドアの開閉等には庫内温度が上昇するため、こうした場合には圧縮機を高速運転する必要があることにより、ワイドレンジでの速度制御が求められている。
最近では、冷蔵庫用圧縮機の駆動には、モータの駆動効率や騒音の抑制、或いは速度制御可能な範囲等の観点で高性能な180度通電方式によるセンサレス制御を用いることが多くなっているが、極低速や低速領域で運転する場合には上述したように位置検出の感度が低下してしまう点が課題となる。また、圧縮機の起動時においては、圧縮機の吸入側と吐出側との圧力差や圧縮−膨張工程の負荷変動により極低速域での回転子の挙動が不安定となり、最悪の場合には起動失敗に至ってしまう。これらの点を着目すれば、圧縮機の起動性能を向上させて極低速運転を行うためには、位置検出性能を向上させることが必要となる。
このような観点に立てば、特許文献1の技術では、180度通電方式により極低速領域での位置検出を可能としているが、永久磁石モータに中性点電位を検出するための端子及び配線を取り付ける必要があり、そのために別途製造設備を変更したり、或いは部品コストを要する等の問題が発生するといったデメリット(短所)がある。
また、永久磁石モータの中性点電位を用いない特許文献2の技術では、120度通電方式のみでの駆動が前提であるため、180度通電方式で駆動する場合と比べて、高速領域の運転可能範囲が狭くなる上、モータの駆動効率が劣化したり、或いは騒音の発生を十分に抑制できないといったデメリット(短所)がある。
本発明は、このような問題点を解決すべくなされたもので、その技術的課題は、コスト増加を抑えた上で位置検出性能を向上させ、零速度近傍の極低速領域からの高効率なモータ駆動が可能なセンサレス制御を実施できるモータ駆動装置、及びそれを適用した圧縮機駆動装置、並びにそれを備えた熱交換器を提供することにある。
上記技術的課題を達成するため、本発明の第1の手段は、三相交流電圧を出力するインバータと、インバータに接続された三相同期電動機による永久磁石モータと、インバータに対してパルス幅変調信号を出力して当該インバータを制御する制御手段と、を備えたモータ駆動装置において、制御手段は、永久磁石モータのトルク及び磁束に係る電流指令値を発生する電流指令発生器と、インバータより取得したインバータ直流電流を電流再現及び変換を施して生成した電流検出値を電流指令値から差し引いた差分値を入力して電流制御値を生成する電流指令制御器と、電流制御値に基づいて電圧指令値を演算する電圧指令演算器と、電圧指令値に従ってスイッチングパルスによりパルス幅変調信号を発生すると共に、通電方式の異なる複数のパルス幅変調発生器と、永久磁石モータに生じる電流又は電圧を入力して回転子の位置を推定すると共に、通電方式の異なる複数の位置推定器と、複数のパルス幅変調発生器及び複数の位置推定器の接続を切り替える制御スイッチと、を備え、制御スイッチは、永久磁石モータの運転状態に応じて複数のパルス幅変調発生器と複数の位置推定器とを通電方式の同じものとして段階的に切り替えることを特徴とする。
本発明の第2の手段は、第1の手段において、複数のパルス幅変調発生器は、180度通電用パルス幅変調発生器と120度通電用パルス幅変調発生器とから成り、複数の位置推定器は、180度通電用位置推定器と120度通電用位置推定器とから成ることを特徴とする。
本発明の第3の手段は、第1の手段又は第2の手段において、制御手段は、永久磁石モータを駆動する際の電圧指令値を算出するための回転数指令値又は複数の位置推定器で演算される当該永久磁石モータの回転子位置から換算される実回転数推定値をトリガとして、制御スイッチによる複数のパルス幅変調発生器及び当該複数の位置推定器における切り替え選択を指示する通電モード選択器を備えたことを特徴とする。
本発明の第4の手段は、第1の手段〜第3の手段の何れか1つの手段のモータ駆動装置における永久磁石モータの回転軸を圧縮機の駆動軸に結合して成る圧縮機駆動装置であることを特徴とする。
本発明の第5の手段は、第4の手段の圧縮機駆動装置及び圧縮機を熱交換器が備えたことを特徴とする。
本発明によれば、永久磁石モータ(三相同期電動機)に三相交流電圧を印加するインバータに対してPWM(パルス幅変調)信号を出力する制御手段が通電方式の異なるPWM発生器及び位置推定器を備え、制御スイッチによりモータ運転状態に応じて各PWM発生器と各位置推定器とを通電方式の同じものとして段階的に切り替えて永久磁石モータの駆動を行わせるため、コスト増加を抑えた上で位置検出性能を向上させ、零速度近傍の極低速領域からの高効率なモータ駆動が可能なセンサレス制御を実施できるようになる。
本発明の実施例1に係るモータ駆動装置の基本構成を示した回路ブロック図である。 図1に示すモータ駆動装置に備えられる制御器における細部構成を制御機能に係る制御ブロックとして示した図である。 図1に示すモータ駆動装置に備えられる永久磁石モータの回転数についての停止領域から高速運転領域に至る段階別な運転速度推移を説明するために示した概略図である。 図3で説明した永久磁石モータに対する異なる通電方式による通電制御切替を実施した場合の回転数についての停止領域から高速運転領域に至る運転速度推移とモータ相電流との関係を示した概略図である。
以下に、本発明のモータ駆動装置、及びそれを適用した圧縮機駆動装置、並びにそれを備えた熱交換器について、実施例を挙げ、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例1に係るモータ駆動装置の基本構成を示した回路ブロック図である。このモータ駆動装置は、三相交流電圧を出力するインバータ1と、インバータ1に接続された三相同期電動機による永久磁石モータ2と、インバータ1に対してパルス幅変調(PWM)信号を出力してインバータ1を制御する制御器3と、を備えて構成される。但し、ここでの制御器3は、インバータ1からシャント抵抗器4を用いて検出されるインバータ直流電流Idcと電圧検出用分圧抵抗器5を用いて検出されるインバータ1の非通電相に発生する誘起電圧Vu_in、Vv_in、Vw_inとを入力し、これらの入力に応じてPWM制御を行うことによりインバータ1に備えられる複数のスイッチング素子を駆動する。
図2は、上述したモータ駆動装置に備えられる制御器3における細部構成を制御機能に係る制御ブロックとして示した図である。図2を参照すれば、この制御器3は、技術的な構成上の概要として、永久磁石モータ2のトルク及び磁束に係る電流指令値を発生する電流指令発生器(後述するd軸電流指令発生器、q軸電流指令発生器)と、インバータ1より取得したインバータ直流電流Idcを電流再現及び変換を施して生成した電流検出値を電流指令値から差し引いた差分値を入力して電流制御値を生成する電流指令制御器(後述するd軸電流指令制御器、q軸電流指令制御器)と、電流制御値に基づいて電圧指令値を演算する電圧指令演算器(後述するVdVq電圧指令演算器)と、電圧指令値に従ってスイッチングパルスによりPWM信号を発生すると共に、通電方式の異なる複数のPWM発生器(後述する180度通電用PWM発生器6、120度通電用PWM発生器10)と、永久磁石モータ2に生じる電流又は電圧を入力して回転子の位置を推定すると共に、通電方式の異なる複数の位置推定器(後述する180度通電用位置推定器7、120度通電用位置推定器11)と、各PWM発生器及び各位置推定器の接続を切り替える制御スイッチ(後述するPWM発生器切替用制御スイッチ12、位置推定器切替用制御スイッチ13)と、を備えるもので、制御スイッチが永久磁石モータ2の運転状態に応じて各PWM発生器と各位置推定器とを通電方式の同じものとして段階的に切り替える機能を有するものである。
具体的に云えば、制御器3は、180度通電用PWM発生器(PWM発生器1)6と、それに対応した180度通電用位置推定器(位置推定器1)7と、を有する。180度通電用位置推定器7は、インバータ直流電流Idcを電流再現器8とdq変換器9とを用いてd軸電流検出値Idfbとq軸電流検出値Iqfbとにそれぞれ変換したものを入力して永久磁石モータ2の回転子位置θdcを推定する。また、制御器3は、120度通電用PWM発生器(PWM発生器2)10とそれに対応した120度通電用位置推定器(位置推定器2)11と、を有する。120度通電用位置推定器11は、120度通電駆動時に永久磁石モータ2の回転子位置によるインダクタンスの変化によって各非通電相に発生する誘起電圧Vu_in、Vv_in、Vw_inを入力して永久磁石モータ2の回転子位置θdcを推定する。但し、ここでの非通電相の誘起電圧Vu_in、Vv_in、Vw_inは、120度通電用PWM発生器10にも入力され、120度通電用PWM発生器10で120度通電方式の通電相切替えのタイミングを判定するためにも用いられる。因みに、この非通電相の誘起電圧Vu_in、Vv_in、Vw_inを用いた120度通電の駆動方式(120度通電方式)については、特許文献2に開示された内容をそのまま適用できるため、その説明については省略する。
更に、制御器3は、180度通電用PWM発生器6及び120度通電用PWM発生器10の接続を切替えるためのPWM発生器切替用制御スイッチ12と、180度通電用位置推定器7及び120度通電用位置推定器11の接続を切替えるための位置推定器切替用制御スイッチ13と、を備え、通電モード選択器14によりPWM発生器切替用制御スイッチ12及び位置推定器切替用制御スイッチ13をそれぞれの一方の接点A側或いは他方の接点B側へ切り替える。
通電モード選択器14では、PWM発生器切替用制御スイッチ12及び位置推定器切替用制御スイッチ13を切り替えるための条件として、永久磁石モータ2の回転数を用いる。例えば永久磁石モータ2の起動時及びシャント抵抗4に流れるインバータ直流電流Idcの検出が実質上不可能な極低速領域では、PWM発生器切替用制御スイッチ12及び位置推定器切替用制御スイッチ13を他方の接点B側とし、インバータ直流電流Idcの検出が可能な中速領域及び高速領域では、PWM発生器切替用制御スイッチ12及び位置推定器切替用制御スイッチ13を一方の接点A側とする。このとき、通電方式の同じ120度通電用PWM発生器10及び120度通電用位置推定器11と180度通電用PWM発生器6及び180度通電用位置推定器7とが順次選択されることになる。
PWM発生器切替用制御スイッチ12及び位置推定器切替用制御スイッチ13が他方の接点B側にある場合、制御器3は120度通電用位置推定器11の出力(回転子位置θdc)を速度演算器15へ入力させ、速度演算器15により永久磁石モータ2の回転速度ω1を演算する。この演算結果に応じてq軸電流指令発生器で発生する永久磁石モータ2のトルクに係る電流指令値Iq*からdq変換器9より出力されるq軸電流検出値Iqfbを差し引いた差分値を入力したq軸電流指令制御器でq軸電流制御値Iq**を生成する。同様に、d軸電流指令発生器で発生する永久磁石モータ2の磁束に係る電流指令値Id*からdq変換器9より出力されるd軸電流検出値Idfbを差し引いた差分値を入力したd軸電流指令制御器でd軸電流制御値Id**を生成する。そこで、VdVq電圧指令演算器では、これらのd軸電流制御値Id**、q軸電流制御値Iq**に基づいてd軸電圧指令値Vd*、q軸電圧指令値Vq*を算出してdq逆変換器へ送出し、dq逆変換器ではd軸電圧指令値Vd*、q軸電圧指令値Vq*をdq逆変換することにより生成した永久磁石モータ2に印加する3相電圧指令値Vu、Vv、VwをPWM発生器切替用制御スイッチ12の他方の接点Bを介して120度通電用PWM発生器10へ送出する。そこで、120度通電用PWM発生器10では、3相電圧指令値Vu、Vv、Vwをパルス幅変調(PWM)して正負の極分けした3相所定の電圧U+、U−、V+、V−、W+、W−をインバータ1へ印加し、インバータ1の各スイッチング素子により生成した3相交流電圧を印加して永久磁石モータ2を駆動する。
また、PWM発生器切替用制御スイッチ12及び位置推定器切替用制御スイッチ13が一方の接点A側にある場合、制御器3は180度通電用位置推定器7の出力(回転子位置θdc)を速度演算器15へ入力させ、速度演算器15により永久磁石モータ2の回転速度ω1を演算する。ここでも同様に、演算結果に応じてq軸電流指令発生器で発生する永久磁石モータ2のトルクに係る電流指令値Iq*からdq変換器9より出力されるq軸電流検出値Iqfbを差し引いた差分値を入力したq軸電流指令制御器でq軸電流制御値Iq**を生成する。同様に、d軸電流指令発生器で発生する永久磁石モータ2の磁束に係る電流指令値Id*からdq変換器9より出力されるd軸電流検出値Idfbを差し引いた差分値を入力したd軸電流指令制御器でd軸電流制御値Id**を生成する。そこで、VdVq電圧指令演算器では、これらのd軸電流制御値Id**、q軸電流制御値Iq**に基づいてd軸電圧指令値Vd*、q軸電圧指令値Vq*を算出してdq逆変換器へ送出し、dq逆変換器ではd軸電圧指令値Vd*、q軸電圧指令値Vq*をdq逆変換することにより生成した永久磁石モータ2に印加する3相電圧指令値Vu、Vv、VwをPWM発生器切替用制御スイッチ12の一方の接点Aを介して180度通電用PWM発生器6へ送出する。そこで、180度通電用PWM発生器6では、3相電圧指令値Vu、Vv、Vwをパルス幅変調(PWM)して正負の極分けした3相所定の電圧U+、U−、V+、V−、W+、W−をインバータ1へ印加し、インバータ1の各スイッチング素子により生成した3相交流電圧を印加して永久磁石モータ2を駆動する。
因みに、上述した通電モード選択器14によるPWM発生器切替用制御スイッチ12における180度通電用PWM発生器6及び120度通電用PWM発生器10の切り替え選択の指示と、位置推定器切替用制御スイッチ13における180度通電用位置推定器7及び120度通電用位置推定器11の切り替え選択の指示とは、永久磁石モータ2を駆動する際の電圧指令値(d軸電圧指令値Vd*、q軸電圧指令値Vq*)を算出するための回転数指令値をトリガとして行う他、180度通電用位置推定器7及び120度通電用位置推定器11で演算される永久磁石モータ2の回転子位置θdcから換算される実回転数推定値をトリガとして行うようにすることもできる。
図3は、上述したモータ駆動装置に備えられる永久磁石モータ2の回転数についての停止領域から高速運転領域に至る段階別な運転速度推移を説明するために示した概略図である。但し、図3では、永久磁石モータ2の回転軸を略図する圧縮機のシャフト(駆動軸)に結合して成る圧縮機駆動装置であって、係る圧縮機駆動装置及び圧縮機を備えた熱交換器の一例である冷蔵庫用圧縮機(零速度近傍の極低速領域からの高効率なモータ駆動が要求される)のシャフトに適用した場合の段階別な運転領域を示すものとする。具体的に云えば、冷蔵庫用圧縮機のシャフトに対する回転数は、運転領域が回転数零の停止領域から極低速領域(0〜500/min)、低速領域(500〜1500/min)、中速領域(1500〜3000/min)、高速領域(3000〜5000/min)へと段階的に分けられて推移するようになっている。
図4は、永久磁石モータ2に対する異なる通電方式による通電制御切替を実施した場合の回転数についての停止領域から高速運転領域に至る運転速度推移とモータ相電流との関係を示した概略図である。図4においても、永久磁石モータ2に結合された冷蔵庫用圧縮機のシャフトを図3で説明したように停止領域から回転数を変化させて駆動した場合のモータ相電流の波形を示している。
図4を参照すれば、ここでは、停止領域〜低速領域において、PWM発生器切替用制御スイッチ12及び位置推定器切替用制御スイッチ13を他方の接点B側とし、120度通電用PWM発生器10での120度通電方式によりインバータ1を駆動する120度通電駆動区間とすると共に、中速領域〜高速領域において、PWM発生器切替用制御スイッチ12及び位置推定器切替用制御スイッチ13を一方の接点A側とし、180度通電用PWM発生器6での180度通電方式によりインバータ1を駆動する180度通電駆動区間としている。
120度通電駆動区間における永久磁石モータ2の停止領域では、120度通電用PWM発生器10がインバータ1を駆動しないため、モータ相電流が発生しない。これに対し、極低速領域及び低速領域では、120度通電用PWM発生器10が120度通電方式によりインバータ1を駆動するため、電気角でそれぞれ120度の期間は正及び負の方向にモータ相電流が発生し、60度の期間では非通電となるためにモータ相電流が発生しない。
また、180度通電駆動区間における永久磁石モータ2の中速領域及び高速領域では、180度通電用PWM発生器6が180度通電方式によりインバータ1を駆動するため、正弦波状のモータ相電流が発生する。尚、通電モード選択器14によりPWM発生器切替用制御スイッチ12及び位置推定器切替用制御スイッチ13を切り替える回転数の閾値については、通電モードでの切替チャタリングが発生しないように、適切なヒステリシスを確保することが望ましい。
実施例1に係るモータ駆動装置によれば、周知の特許文献1に開示された180度通電方式と特許文献2に開示された零速近傍からのセンサレス制御が可能な120度通電方式とを組み合わせて切り替え制御して運転することができるため、従来よりも低速領域を拡大させつつ、中速領域〜高速領域においては従来と同等レベルの効率で永久磁石モータ2を駆動させることが可能になる。即ち、図4を参照して説明したように、永久磁石モータ2の起動時や零速度近傍の極低速領域においては120度通電方式、モータ電圧又はモータ電流による回転子の位置推定が可能な中速領域〜高速領域では180度通電方式を用いることにより、従来よりも低速領域を拡大させつつ、中速領域〜高速領域においては従来と同等レベルの効率で永久磁石モータ2を駆動させることが可能になる。しかも実施例1に係る構成で必要な追加コストは、インバータ1の非通電相に発生する誘起電圧Vu_in、Vv_in、Vw_inを検出するための電圧検出用分圧抵抗器5のみで良いため、特許文献1のように三相同期モータ(永久磁石モータ2)の中性点電位を検出する場合に比べて大幅にコストを抑えることが可能である。
なお、上述した実施例1に係るモータ駆動装置の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現しても良い。また、上記実施例1に係るモータ駆動装置の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現しても良い。更に、上記実施例1に係るモータ駆動装置に具備される永久磁石モータ2は、零速度近傍の極低速領域からの高効率なモータ駆動が可能な機能を持つため、その回転軸を一般的な熱交換器が備える圧縮機のシャフト(駆動軸)に結合した場合に圧縮機駆動装置として構成される他、係る圧縮機駆動装置を備える冷凍機器等の熱交換器においても技術的な適用範囲となるものであり、殊に冷凍機器としての一例である冷蔵庫用圧縮機への適用が好適であり、それを備えた冷蔵庫についても技術的範疇に入る。
何れにせよ、実施例1に係るモータ駆動装置によれば、技術的概要として、永久磁石モータ2に三相交流電圧を印加するインバータ1に対してPWM信号を出力する制御器3が通電方式の異なる各PWM発生器6、10及び各位置推定器7、11を備え、各制御スイッチ12、13により永久磁石モータ2の運転状態に応じて各PWM発生器6、10と各位置推定器7、11とを通電方式の同じもので切り替えるため、コスト増加を抑えた上で位置検出性能を向上させ、零速度近傍の極低速領域からの高効率なモータ駆動が可能なセンサレス制御を実施できるようになる。
1 インバータ
2 永久磁石モータ(三相同期電動機)
3 制御器
4 シャント抵抗器
5 電圧検出用分圧抵抗器
6 180度通電用PWM発生器(PWM発生器1)
7 180度通電用位置推定器(位置推定器1)
8 電流再現器
9 dq変換器
10 120度通電用PWM発生器(PWM発生器2)
11 120度通電用位置推定器(位置推定器1)
12 PWM発生器切替用制御スイッチ
13 位置推定器切替用制御スイッチ
14 通電モード選択器
15 速度演算器

Claims (5)

  1. 三相交流電圧を出力するインバータと、前記インバータに接続された三相同期電動機による永久磁石モータと、前記インバータに対してパルス幅変調信号を出力して当該インバータを制御する制御手段と、を備えたモータ駆動装置において、
    前記制御手段は、前記永久磁石モータのトルク及び磁束に係る電流指令値を発生する電流指令発生器と、前記インバータより取得したインバータ直流電流を電流再現及び変換を施して生成した電流検出値を前記電流指令値から差し引いた差分値を入力して電流制御値を生成する電流指令制御器と、前記電流制御値に基づいて電圧指令値を演算する電圧指令演算器と、前記電圧指令値に従ってスイッチングパルスにより前記パルス幅変調信号を発生すると共に、通電方式の異なる複数のパルス幅変調発生器と、前記永久磁石モータに生じる電流又は電圧を入力して回転子の位置を推定すると共に、通電方式の異なる複数の位置推定器と、前記複数のパルス幅変調発生器及び前記複数の位置推定器の接続を切り替える制御スイッチと、を備え、
    前記制御スイッチは、前記永久磁石モータの運転状態に応じて前記複数のパルス幅変調発生器と前記複数の位置推定器とを通電方式の同じものとして段階的に切り替えることを特徴とするモータ駆動装置。
  2. 請求項1記載のモータ駆動装置において、前記複数のパルス幅変調発生器は、180度通電用パルス幅変調発生器と120度通電用パルス幅変調発生器とから成り、前記複数の位置推定器は、180度通電用位置推定器と120度通電用位置推定器とから成ることを特徴とするモータ駆動装置。
  3. 請求項1又は2記載のモータ駆動装置において、前記制御手段は、前記永久磁石モータを駆動する際の前記電圧指令値を算出するための回転数指令値又は前記複数の位置推定器で演算される当該永久磁石モータの回転子位置から換算される実回転数推定値をトリガとして、前記制御スイッチによる前記複数のパルス幅変調発生器及び当該複数の位置推定器における切り替え選択を指示する通電モード選択器を備えたことを特徴とするモータ駆動装置。
  4. 請求項1〜3の何れか1項記載のモータ駆動装置における前記永久磁石モータの回転軸に圧縮機の駆動軸が結合されて成ることを特徴とする圧縮機駆動装置。
  5. 請求項4記載の圧縮機駆動装置及び前記圧縮機を備えたことを特徴とする熱交換器。
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