JP2015047022A - インバータ装置 - Google Patents

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励 笠原
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Abstract

【課題】モータ電圧が低い状態で三相変調から二相変調への切り替えを行うとインバータ効率を上げることができるが、モータ電流が検出できない区間が発生し、モータの制御性が悪化する。そこで、本発明の課題はモータ電圧が低い状態でモータ電流の検出精度を確保しつつ、二相変調への切り替えを行うことにある。【解決手段】三相変調は永久磁石同期モータの起動時に用い、永久磁石同期モータの駆動中に三相変調から二相変調への切り替えを行い、切り替えには、二相変調への切り替え後の電流検出精度の推定結果を使用する。【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば空気調和機や冷凍機などの冷凍装置に係り、特に、冷凍サイクルの圧縮機を駆動する永久磁石同期モータ(以下モータ)の回転数を可変するインバータ装置に関する。
冷凍サイクルの圧縮機を駆動するモータの回転数を可変する装置としてインバータ装置が一般的に用いられている。
このインバータ装置において、モータに流れる三相の交流電流(以下モータ電流)の検出手段として、直流シャント抵抗に発生する電圧からモータ電流を検出する磁極位置センサレス&電流センサレス制御(レス&レス制御)が広く用いられている。レス&レス制御は、モータの各相電圧の差が一定以上にならなければモータ電流を検出することが出来ない。この問題を解決するために、モータの相電圧の最大相および最小相をPWMパルスの搬送波の山側と谷側で加減算するパルスシフトが用いられている。また特許第3951975号に示された方法を用いてもこの問題を解決することができる。
前記のインバータ装置は直流電圧を入力とし、これを上段3つ、下段3つ、計6つのスイッチング素子で構成されたインバータ回路で変調することにより三相の交流電圧を出力しているが、この変調には三相変調と二相変調の2つの方式がある。二相変調は三相PWMパルスのうち電圧最大相をDUTY100%(全ON)もしくは電圧最小相をDUTY0%(全OFF)とする。そのため二相変調は三相変調と比較してスイッチング損失を2/3に低減することができる。しかしながらスイッチング素子の駆動用電源にブートストラップ回路を用いる場合は、定期的にスイッチングを行いブートストラップ回路内のコンデンサをチャージする必要があるため、モータの回転数が低い場合は二相変調を行うことは出来ない。そこで、モータの回転数が低い場合は三相変調を行い、モータの回転数がコンデンサのチャージを行うために充分な速さになったら二相変調に切り替える。
特許第3951975号公報
前記の二相変調への切り替えを行うと、PWMパルスを全ONもしくは全OFFとする相にはパルスシフトが適用できなくなる。そのためモータの各相電圧の差が低くパルスシフトを行い、モータ電流を検出している状態で二相変調への切り替えを行うと二相変調により全ONもしくは全OFFとする相のモータ電流については検出できない区間が発生する。
モータ電流の検出ができない区間があるとモータの制御性が悪化し最終的には脱調停止する。そのため二相変調への切り替えは、二相変調への切り替え後もモータ電流の検出精度が確保されている状態で行う必要がある。
モータ電流が検出できない区間の発生を防ぐためには、モータ電圧が充分高く二相変調後もパルスシフトを行わなくともモータ電流が検出できるようになってから二相変調への切り替えを行えばよい。しかし前述の通り、二相変調は三相変調よりもスイッチング損失が小さいため、出来る限りモータ電圧が低いうちに二相変調への切り替えを行うことが望ましい。
また前述の通り二相変調への切り替えはブートストラップ回路内のコンデンサをチャージするためにモータ回転数が一定以上になってから行う必要がある。よって二相変調への切り替えは、モータ電流の検出精度が確保され、コンデンサのチャージが充分行えるモータの回転数で行う必要がある。前述のコンデンサのチャージが充分行えるモータの回転数は、コンデンサの静電容量、PWMパルスの搬送波の周波数などから求めることができる。
しかし、モータ電流の検出精度は直流電圧、モータ特性(抵抗、インダクタンス、誘起電圧)、モータに加わる負荷トルクなどの条件によって変化する。よってこれらの条件が一定ではないインバータ装置についは、二相変調への切り替えが可能なモータ回転数も一定にならない。
そこで本発明では、モータの制御性を保つために必要な電流検出精度を確保して二相変調への切り替えを行うことを目的とする。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、
「 直流電源の母線上に配置され、母線電流を検出するためのシャント抵抗と、
上段と下段に分かれた6つのスイッチング素子を備え、前記直流電源からの直流電圧を交流電圧に変換して前記永久磁石モータに供給するインバータ回路と、
前記シャント抵抗に発生した電圧から永久磁石同期モータに流れる三相の交流電流を算出し、該算出した三相の交流電源を用いてフィードバック制御を行い、前記スイッチング素子のON/OFFを制御するPWMパルスを演算出力する制御部と、を備えたインバータ装置において、
前記制御部は、
前記永久磁石同期モータの起動時に前記PWMパルスを演算出力する方法として三相変調を用いるとともに、前記永久磁石同期モータの起動後、所定の条件下において前記PWMパルスを演算出力する方法として前記三相変調から二相変調に切り替えを行い、
前記所定の条件として、前記切り替え前に、二相変調への切り替え後の電流検出精度を推定し、推定した電流検出精度から、ある基準以上の割合で電流検出が可能と判定した場合に二相変調へ切り替えること」を特徴とする。
本発明によれば三相変調から二相変調への切り替えを行うことによってモータ電流の検出精度が低下することを防ぐことができ、モータの制御性の悪化、それに伴う脱調停止を防ぐことができる。
また二相変調への切り替えを最適なモータ回転数で行うことによりインバータの変換効率を向上させることができる。
インバータ装置の構成図の例である。 PWMパルスの演算方法とモータ電流を検出する方法を説明する図である。 パルスシフトの動作を説明する図である。 パルスシフトの動作を説明する図である。 三相変調と二相変調の違いを説明する図である。 ブートストラップ回路の構成図の例である。 モータ電流の検出精度を計算する構成図の例である。
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
まず本発明の背景技術となるインバータ装置について説明する。
図1は本実施例のインバータ装置の構成図である。
インバータ回路1は直流電源2によって供給される直流電圧を入力とし、インバータ回路内に構成された上段3つ、下段3つ、計6つのスイッチング素子3にて直流電圧を三相の交流電圧に変調し、三相の交流電流(Iu、Iv、Iw)を出力する。ここでスイッチング素子3aはU相上段(+)、スイッチング素子3bはU相下段(−)、スイッチング素子3cはV相上段(+)、スイッチング素子3dはV相下段(−)、スイッチング素子3eはW相上段(+)、スイッチング素子3eはW相下段(−)である。
三相の交流電流は永久磁石同期モータ4(以下モータ4)の入力であり、三相の交流電流によってモータ4は回転する。スイッチング素子3は制御器5が出力するPWMパルスによってON/OFFが制御される。また制御器5は直流電源2の母線上に配置したシャント抵抗6に母線電流Ishが流れることによって発生する電圧Vsh7を入力として、Vsh7から三相の交流電流を検出し、三相の交流電流に基づいてPWMパルスに補正を加えるフィードバック制御を行う。
図2は制御器5の出力するPWMパルスの演算方法と、Vsh7から三相の交流電流を検出する方法を示している。
一定の周期の三角波である搬送波とモータに印加する各相電圧レベルを比較する。搬送波<電圧最大相レベルとなった場合は電圧最大相PWMパルス(+)8aはON出力し、電圧最大相PWMパルス(−)8bはOFF出力する。逆に搬送波>電圧最大相レベルとなった場合は電圧最大相PWMパルス(+)8aはOFF出力し、電圧最大相PWMパルス−8bはON出力する。電圧中間相レベルと電圧最小相レベルについても、電圧最大相と同様に搬送波との大小関係からPWMパルスを出力する。また電圧最大相をU相、電圧中間相をV相、電圧最小相をW相と仮定すると、PWMパルスと入力されるスイッチング素子の組み合わせは次の通りとなる。
電圧最大相PWMパルス(+)8a → スイッチング素子3a
電圧最大相PWMパルス(−)8b → スイッチング素子3b
電圧中間相PWMパルス(+)8c → スイッチング素子3c
電圧中間相PWMパルス(−)8d → スイッチング素子3d
電圧最小相PWMパルス(+)8e → スイッチング素子3e
電圧最小相PWMパルス(−)8f → スイッチング素子3f
Vsh7aはPWMパルスのON/OFFが切り替わるタイミングで大きさが変動する。区間11のモータへの通電パターンは電圧最大相(U相)と電圧中間相(V相)から電流が流れ込み、電圧最小相(W相)から出ていく。よって区間11のVsh7aの大きさ9をシャント抵抗6の抵抗値で割った値が電圧最小相(W相)のモータ電流(Iw)となる。区間12のモータへの通電パターンは電圧最大相(U相)から電流が流れ込み、電圧中間相(V相)と電圧最小相(W相)から出ていく。よって区間12のVsh7aの大きさ10をシャント抵抗6の抵抗値で割った値が電圧最大相(U相)のモータ電流(Iu)となる。また電圧中間相(V相)のモータ電流(Iv)については3相のモータ電流の合計は0となるから、IuとIwから計算することができる。
以上の説明から制御器5はPWMパルスのON/OFFを切り替えるタイミングに合わせてVshを取り込む必要があり、Vshを取り込みタイミングがずれると誤ったモータ電流を検出してしまう。またモータ電流を正確に検出するためには、Vshはスイッチング素子3のON/OFF切り替え時にリンギングノイズが発生することと、スイッチング素子3のONディレイとOFFディレイによってPWMパルスのON/OFF切り替えタイミングとVshの変化するタイミングがずれることから、区間9と区間10にはある程度の幅、すなわち相電圧の差が必要となる。
そこで相電圧の差がモータ電流を検出するために必要なレベルに達しない場合はパルスシフトを行う。
図3と図4はパルスシフトの動作を示した図である。
電圧最大相レベルと電圧中間相レベルは近い値となっており区間14はモータ電流を検出するために必要な幅がない。そこで搬送波山側17で電圧最大相レベルにパルスシフト量19aを加算し電圧最大相レベルと電圧中間相レベルの差を大きくする。これにより区間16は区間14よりも幅が大きくなりモータ電流を検出するために必要な幅が確保される。また搬送波谷側18では電圧最大相レベルからパルスシフト量19bを引く。これにより電圧最大相レベルは搬送波山側と搬送波谷側の平均でパルスシフト前と同じになる。
また電圧最小相レベルについても同様の処理を行う。電圧最小相レベルと電圧中間相レベルが近くVshに電圧最小相のモータ電流を検出するために必要な幅がない場合は、搬送波山側で電圧最小相レベルにパルスシフト量を減算し、搬送波谷側で電圧最小相レベルにパルスシフト量を加算する。
次に三相変調と二相変調の動作の違いについて説明する。
図5は三相変調時のU相電圧レベル20、V相電圧レベル21、W相電圧レベル22と二相変調時のU相電圧レベル23、V相電圧レベル24、W相電圧レベル25を表している。横軸は電圧位相でありモータの回転に同期して変化する。三相変調時の各相電圧レベルは正弦波であり互いの位相は120degずれている。二相変調時の各相電圧レベルは三相変調時の各相電圧レベルを基本波とし、基本波の振幅が最も大きい相を搬送波最大値もしくは搬送波最小値に貼り付ける。
例えば電圧位相60deg〜120degの区間26ではU相電圧レベル20の振幅が最も大きい。そのため二相変調後のU相電圧レベルは搬送波最大値に貼り付ける。このときの基本波と二相変調後のU相電圧レベルとの差を二相変調加算量28とする。V相電圧レベル24とW相電圧レベル25については基本波に二相変調加算量28を加算した値となる。
次に電圧位相120deg〜180degの区間27ではW相電圧レベル22の振幅が最も大きい。こちらは基本波が下側に振れているから二相変調後のW相電圧レベル25は搬送波最小値に貼り付ける。U相電圧レベル23とV相電圧レベル24については基本波に二相変調加算量を減算した値となる。
このように二相変調を行うと三相電圧レベルのうちのいずれか一相が搬送波最大値または搬送波最小値に張り付き、この張り付き相は電圧位相60deg毎に切り替わっていく。
ここで図2、図3、図4で述べたとおりPWMパルスは相電圧レベルと搬送波を比較して出力するから、相電圧レベルを搬送波最大値に貼り付けるとPWMパルス(+)は全ON,PWMパルス(−)は全OFFとなる。つまり張り付き相はPWMパルスのON/OFF切り替えが発生しない。よって二相変調は三相変調と比較してスイッチング素子のON/OFF切り替え時に発生するスイッチング損失を2/3に低減することができ、インバータの変換効率で三相変調よりも優位である。
しかしながら上段のスイッチング素子の駆動に図6で示すようなブートストラップ回路29を用いる場合は、定期的に下段のスイッチング素子をONしブートストラップ回路29内のコンデンサ30をチャージする必要があり、モータの回転数が低い状態では二相変調を行うことができない。そのため、モータ起動時は三相変調を行い、コンデンサ30をチャージするために充分な回転数となったら三相変調から二相変調への切り替えを行う。
以上が背景技術のインバータ装置の説明であり、次に本発明が解決する課題について説明する。
前述の通り二相変調を行った相電圧レベルからPWMパルスを出力するが、二相変調を行うと振幅が最も大きい相は、搬送波最小値または搬送波最大値に張り付いているからパルスシフトを行えなくなる。よって振幅が最も大きい相にパルスシフトを行っている状態で三相変調から二相変調への切り替えを行うと相電圧レベルの振幅が最も大きい相と相電圧レベル中間相のモータ電流が検出出来なくなるという問題が発生する。モータ電流が検出出来なければフィードバック制御が行えなくなるからモータは脱調停止する。これを防ぐためにはパルスシフトを行わなくともモータ電流が検出できるまで相電圧レベルの振幅が大きくなってから二相変調への切り替えを行う必要がある。
本発明は、この二相変調への切り替えの判定方法に関するものであり、二相変調への切り替え後にモータ電流が検出できなくなることを防ぐことを目的としている。
以降に本発明の構成を説明する。
まずモータ電流の検出については、次の3つの状態がある。
〔1〕三相のモータ電流が検出可能
〔2〕一相のモータ電流が検出可能
〔3〕一相もモータ電流は検出不可能
よって常に〔1〕の状態が維持できることがモータ電流の検出精度が最も高い状態であり、二相変調への切り替え後も〔1〕の状態が維持できればモータ電流検出精度が低下することはない。
二相変調への切り替え後も〔1〕の状態が維持できる状態について図5を用いて説明する。
まず電圧最大相はU相、電圧中間相はV相、電圧最小相はW相とし、相電圧レベルの振幅が最も大きい相はU相と仮定すると、この条件が当てはまる電圧位相は90deg〜120degとなる。
この区間でパルスシフトを行わないで電圧最大相(U相)のモータ電流が最も検出しづらくなる条件は、U相電圧レベル20とV相電圧レベル21の差が最も小さくなる場合であり、そのときの電圧位相は120degである。よって、相電圧レベルの振幅をVpとするとU相電圧レベル20とV相電圧レベル21の差(ΔVU-V)は式(1)の通りとなる。

ΔVU-V = Vp{sin(2π/3)−sin(2π/3−2π/3)}
= Vp × √3/2 (1)

ΔVU-Vを搬送波と比較してPWMパルスの幅、すなわち時間軸に変換した値をΔTVmax-midとし、モータ電流を検出するために必要なパルス幅を(Tmin)とする。
ΔTVmax-mid>Tmin となってから二相変調への切り替えを行うことで、二相変調への切り替え後も電圧最大相(U相)のモータ電流を検出することができる。またVsh7は制御器5の出力するPWMパルスに対して時間遅れがあり、この時間遅れのばらつきによりモータ電流を検出するために必要なパルス幅(Tmin)が決定される。具体的にはTminは、式(2)の通りとなる。

Tmin= Tondelay - Toffdelay + Tringing + TADdelay + Tdeadtime (2)

Tondelay:スイッチング素子のONディレイ
Toffdelay:スイッチング素子のOFFディレイ
Tringing:リンギング時間
TADdelay:Vshを制御器に取り込む際の時間遅れ
Tdeadtime:デッドタイム
なおTADdelayについてはマイコンを用いて制御器を実現する場合はA/D検出の時間遅れとなる。
次に区間90deg〜120degについて電圧最小相(W相)のモータ電流が最も検出しづらくなる条件を考える。電圧最小相(W相)はパルスシフト量が最も大きくなる条件でパルスシフトが可能であればモータ電流の検出が可能である。
パルスシフトが可能となる条件は、電圧最大相(U相)と電圧最小相(W相)の差(ΔVU-W)を時間に変換した値をΔTmax-minとすると、ΔTVmax-min>Tminとなる。ここでパルスシフト量が最も大きくなる条件は電圧最小相(W相)と電圧中間相(V相)が一致する電圧位相90degの場合であるから、ΔVU-Wは式(3)となる。

ΔVU-W = Vp{sin(π/2)−sin(π/2−4π/3)}
= Vp × 3/2 (3)

また式(1)(3)は電圧位相が90deg〜120degの区間について考えたが、各相電圧は電圧位相が120degずれているから、電圧最大相を相電圧レベルの振幅が最も大きい相と置換え、電圧最小相を相電圧レベルの振幅が2番目に大きい相と置換えて考えれば、全電圧位相の区間において同じ条件が成り立つ。
以上の通り、本実施例のインバータ装置は、直流電源2の母線上に配置され、母線電流を検出するためのシャント抵抗6と、上段と下段に分かれた6つのスイッチング素子3を備え、直流電源2からの直流電圧を交流電圧に変換して前記永久磁石モータに供給するインバータ回路1と、シャント抵抗6に発生した電圧から永久磁石同期モータ4に流れる三相の交流電流を算出し、算出した三相の交流電源を用いてフィードバック制御を行い、スイッチング素子のON/OFFを制御するPWMパルスを演算出力する制御部(制御器5)と、を備えている。
そして制御部(制御器5)は、永久磁石同期モータ4の起動時にPWMパルスを演算出力する方法として三相変調を用いるとともに、永久磁石同期モータ4の起動後、所定の条件下においてPWMパルスを演算出力する方法として三相変調から二相変調に切り替えを行う。そして、所定の条件下としては、切り替え前に、二相変調への切り替え後の電流検出精度を推定し、推定した電流検出精度から、ある基準以上の割合で電流検出が可能と判定した場合に二相変調へ切り替えるものである。
このようにΔTVmax-min>Tmin となった状態で二相変調への切り替えを行えば、二相変調への切り替え後も全電圧位相の区間において三相のモータ電流が検出可能でありモータ電流検出精度が低下することがない。
またΔTVmax-mid>Tmin となった状態で二相変調への切り替えを行えば、二相変調への切り替え後も全電圧位相の区間において少なくとも一相のモータ電流が検出可能である。この条件で二相変調への切り替えを行えばモータの制御性は若干劣るものの、インバータの変換効率は高くなる。
実施例1は相電圧レベルの振幅とモータ電流を検出するために必要なパルス幅の2つを入力として二相変調への切り替え判定を行っている。そのためシンプルな構成で実現できるというメリットがある。しかし、相電圧レベルが正弦波となることを前提としているため、突極性モータやモータに加わる負荷トルクに変動があるなど相電圧レベルが正弦波とならない場合においては、二相変調への切り替え後にモータ電流の検出精度が低下する可能性がある。
本実施例ではこの問題を解決するために、実施例1で示した図1〜図6の構成に図7の制御構成を追加する。
図7は制御器5の中に構成される。三相電圧レベル(U相電圧レベル、V相電圧レベル、W相電圧レベル)を入力とし、これらに二相変調を行う。2つのパルスシフト部31、32を持ち、パルスシフト部31には二相変調前の三相電圧レベルを、パルスシフト部32には二相変調後の三相電圧レベルを入力する。パルスシフト部31、32の出力は切替判定部33に入力され、どちらか一方を選択し出力する。この選択には二相変調部から出力される二相変調貼り付け相情報34とパルスシフト部32から出力される有効電流検出相情報35を使用する。二相変調貼り付け相情報34は三相電圧レベルのうち搬送波最小値または搬送波最大値に張り付けを行った相である。有効電流検出相情報35は三相のモータ電流のうち検出が可能な相である。よって有効電流検出相情報35の中に二相変調貼り付け相情報34が含まれていれば、搬送波最小値または搬送波最大値に張り付けを行った相が検出可能と判断できる。切替判定部33では、この2つの入力を相電圧レベル1周期分監視し、常に搬送波最小値または搬送波最大値に張り付けを行った相が検出可能であれば二相変調への切り替えを行う。これによれば二相変調への切り替え後も常に少なくとも一相のモータ電流は検出可能となる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置き換えをすることが可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1 インバータ回路
2 直流電源
3 スイッチング素子
4 永久磁石同期モータ
5 制御器
6 シャント抵抗
7 Vsh
8 PWMパルス
9 Vshの大きさ
10 Vshの大きさ
11 区間
12 区間
13 パルスシフト前のPWMパルス
14 区間
15 パルスシフト後のPWMパルス
16 区間
17 搬送波山側
18 搬送波谷側
19 パルスシフト量
20 U相電圧レベル
21 V相電圧レベル
22 W相電圧レベル
23 二相変調時のU相電圧レベル
24 二相変調時のV相電圧レベル
25 二相変調時のW相電圧レベル
26 区間
27 区間
28 二相変調加算量
29 ブートストラップ回路
30 コンデンサ
31 パルスシフト部
32 パルスシフト部
33 切替判定部
34 二相変調貼り付け相情報
35 有効電流検出相情報

Claims (4)

  1. 直流電源の母線上に配置され、母線電流を検出するためのシャント抵抗と、
    上段と下段に分かれた6つのスイッチング素子を備え、前記直流電源からの直流電圧を交流電圧に変換して前記永久磁石モータに供給するインバータ回路と、
    前記シャント抵抗に発生した電圧から永久磁石同期モータに流れる三相の交流電流を算出し、該算出した三相の交流電源を用いてフィードバック制御を行い、前記スイッチング素子のON/OFFを制御するPWMパルスを演算出力する制御部と、を備えたインバータ装置において、
    前記制御部は、
    前記永久磁石同期モータの起動時に前記PWMパルスを演算出力する方法として三相変調を用いるとともに、前記永久磁石同期モータの起動後、所定の条件下において前記PWMパルスを演算出力する方法として前記三相変調から二相変調に切り替えを行い、
    前記所定の条件として、前記切り替え前に、二相変調への切り替え後の電流検出精度を推定し、推定した電流検出精度から、ある基準以上の割合で電流検出が可能と判定した場合に二相変調へ切り替えることを特徴とするインバータ装置。
  2. 請求項1に記載のインバータ装置において、
    前記制御部は、前記電流検出精度の推定方法として、前記永久磁石同期モータの電圧振幅と、前記三相の交流電流を検出するために必要なPWMパルスのパルス幅を用い、下式の関係が成立したら二相変調への切り替え後に三相の交流電流のうち少なくとも一相は検出が可能と判断し、二相変調への切り替えを行うことを特徴とするインバータ装置。
    (ΔTVp×√3/2) > Tmin

    (ΔTVp:電圧振幅をPWMパルスの幅に変換した値、
    Tmin:電流を検出するために必要なPWMパルスの幅))
  3. 請求項1に記載のインバータ装置において、
    前記制御部は、前記電流検出精度の推定方法として、前記永久磁石同期モータの電圧振幅と、前記三相の交流電流を検出するために必要なPWMパルスのパルス幅を用い、下式の関係が成立したら二相変調への切り替え後に三相の交流電流のうち三相全ての検出が可能と判断し、二相変調への切り替えを行うことを特徴とするインバータ装置。
    (ΔTVp×3/2) > Tmin

    (ΔTVp:電圧振幅をPWMパルスの幅に変換した値、
    Tmin:電流を検出するために必要なPWMパルスの幅))
  4. 請求項1に記載のインバータ装置において、
    前記制御部は、PWMパルスのパルス幅最大相とパルス幅中間相のパルス幅の差、もしくはパルス幅最小相とパルス幅中間相のパルス幅の差が所定値以下であり三相の交流電流が検出できない場合は、パルス幅最大相のパルス幅、もしくはパルス幅最小相のパルス幅を広げることで三相の交流電流を検出できるようにするパルスシフト演算を行い、二相変調への切り替え前にも擬似的に二相変調への切り替え後のPWMパルスの演算を行い、前期PWMパルスの演算結果にも前記のパルスシフト演算を行い、二相変調の演算結果と前期パルスシフトの演算結果から二相変調への切り替え後に三相の交流電流のうちいずれか一相が常に検出できることを確認し、二相変調への切り替えを行うことを特徴とするインバータ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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