JP2018183004A - インバータ制御装置 - Google Patents

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光夫 河地
Mitsuo Kawachi
光夫 河地
貴史 福榮
Takashi Fukue
貴史 福榮
晴之 宮崎
Haruyuki Miyazaki
晴之 宮崎
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Abstract

【課題】安価な構成で良質なモータ駆動が可能なインバータ制御装置を提供。
【解決手段】インバータに流れる母線電流を検出する電流検出手段と、母線電流を基にモータの相電流値を再現する相電流変換部と、モータに与える電流指令値と相電流値に基づいてモータの電圧指令値を生成する電流制御手段と、電圧指令値に基づいてインバータを制御する信号を生成するPWM信号生成部と、生成された信号のキャリア1周期中でインバータの上アーム側スイッチング素子が1つ通電している第1の期間と、上アーム側スイッチング素子が2つ通電している第2の期間が、母線電流を検出するための時間を確保するようデューティの増減のみが行われる第1のモードと、デューティの増減と次のキャリア周期にて増減量の補正が行われる第2のモードの、いずれかのモードで動作するデューティ補正手段とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、モータを任意の回転数で駆動するインバータ制御装置に関するものである。
従来、インバータの母線電流に基づいてモータ相電流を再現し、その再現した相電流値を用いてモータを駆動するインバータ制御装置において、モータが軽負荷状態で低速回転している場合に、キャリア周期毎の電流検出をキャリア周期の1/2に減らすことでPWM信号のデューティの変更量を極力少なくし、モータ電流波形に歪みを発生させないことを優先させる技術がある(例えば特許文献1を参照)。
特許文献1の方法によれば、モータ相電流を求めるためのデューティの増減によるPWM信号の操作のみが行われる第1のモードと、電流指令実行値が閾値以下の場合はデューティの増減と次のキャリア周期でデューティの増減量を差し引く補正が行われる第2のモードが、モータ機械角1回転中に存在させることで、モータ機械角1回転中にトルク脈動が存在する場合であっても、トルク脈動に対して適正なタイミングで通電させると共に、モータ電流波形を歪ませることなく駆動できる。
特許第4788416号公報
しかしながら、前記従来の構成の制御装置では、電流指令実行値の大小関係に基づいて間接的にPWM信号のデューティの大小判定を行い、キャリア周期毎の電流検出をキャリア周期の1/2に減らすことでPWM信号のデューティの変更量を極力少なくし、モータ電流波形に歪みを発生させないものであるが、モータ仕様によっては電流指令実行値が小さくてもPWM信号のデューティが大きい場合があり(例えば誘起電圧値の高いモータなど)、そのようなモータに適用する場合には電流指令実行値によるPWM信号のデューティの大小判定が困難となるばかりか、本来容易に電流検出が可能である場合にキャリア周期毎の電流検出を1/2に減らすことでモータの制御性能の低下を招く可能性がある。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、モータの回転数が低く負荷状態が軽い場合においてもモータの制御性能の低下を招くことなく相電流を再現し、良質なモータ駆動を実現すると共に、安価な構成のインバータ制御装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のインバータ制御装置は、複数相のモータと、直流電力を交流電力に変換し、モータへ電力を供給するインバータと、インバータに流れる母線電流を検出する電流検出手段と、母線電流を基にモータの相電流値を再現する相電流変換手段と、モータに与える電流指令値と相電流値に基づいてモータの電圧指令値を生成する電流制御手段と、電圧指令値に基づいてインバータを制御するPWM信号を生成するPWM信号生成部と、PWM信号のキャリア1周期中でインバータの上アーム側のスイッチング素子が1つ通電している第1の期間と、上アーム側のスイッチング素子が2つ通電している第2の期間が、母線電流を検出するための時間を確保したものとなるようデューティの増減のみが行われる第1のモードと、デューティの増減と次のキャリア周期にて増減量の補正が行われる第2のモードの、いずれかのモードで動作するデューティ補正
手段とを備え、デューティ補正手段は電圧指令値が所定の閾値未満の場合に第2のモードで動作するものである。
これによって、モータの回転数が低く負荷状態が軽い場合においてもモータの制御性能の低下を招くことなく相電流を再現することができるので、良質なモータ駆動を実現すると共に、安価な構成のインバータ制御装置を提供することができる。
本発明のインバータ制御装置は、いかなるモータや回転数、負荷条件においても電流検出手段から正確にモータの相電流値を得ることが可能であり、良質なモータ駆動を実現すると共に、安価な構成とすることができる。
本発明のインバータ制御装置のシステム構成図 本発明のインバータ制御装置におけるモータの相電流状態の時間的変化の一例、および電気角の各区間におけるモータの各相巻線での電流の状態を示す図 本発明のインバータ制御装置におけるPWM信号の第1の動作例を示す図 図3におけるPWM信号による駆動時のモータおよびインバータに流れる電流状態を示す図 本発明のインバータ制御装置におけるPWM信号の第2の動作例を示す図 図5におけるPWM信号による駆動時のモータおよびインバータに流れる電流状態を示す図 本発明のインバータ制御装置におけるデッドタイム期間のモータおよびインバータに流れる電流状態の第1の動作例を示す図 本発明のインバータ制御装置におけるデッドタイム期間のモータおよびインバータに流れる電流状態の第2の動作例を示す図 本発明のインバータ制御装置におけるPWM信号の第3の動作例を示す図 本発明のインバータ制御装置におけるデューティ補正部の第1の動作例を示す図 本発明のインバータ制御装置におけるデューティ補正部の第2の動作例を示す図 本発明のインバータ制御装置におけるデューティ補正部の第3の動作例を示す図 本発明のインバータ制御装置におけるデューティ補正部の第4の動作例を示す図
第1の発明は、複数相の複数相のモータと、直流電力を交流電力に変換し、モータへ電力を供給するインバータと、インバータに流れる母線電流を検出する電流検出手段と、母線電流を基にモータの相電流値を再現する相電流変換手段と、モータに与える電流指令値と相電流値に基づいてモータの電圧指令値を生成する電流制御手段と、電圧指令値に基づいてインバータを制御するPWM信号を生成するPWM信号生成部と、PWM信号のキャリア1周期中で前記インバータの上アーム側のスイッチング素子が1つ通電している第1の期間と、上アーム側のスイッチング素子が2つ通電している第2の期間が、母線電流を検出するための時間を確保したものとなるようデューティの増減のみが行われる第1のモードと、デューティの増減と次のキャリア周期にて増減量の補正が行われる第2のモードの、いずれかのモードで動作するデューティ補正手段とを備え、前記デューティ補正手段は前記電圧指令値が所定の閾値未満の場合に第2のモードで動作するものであり、モータの回転数が低く負荷状態が軽い場合においてもモータの制御性能の低下を招くことなく相電流を再現することができるので、良質なモータ駆動を実現すると共に、安価な構成のイ
ンバータ制御装置を提供することができる。
第2の発明は、特に第1の発明のインバータ制御装置において、デューティ補正手段の動作モードである第1のモードと第2のモードが、モータの電気角1周期中に存在するものであり、モータ電気角1周期中における電圧指令値が所定の閾値未満となる位相領域でも制御性の悪化を招くことなく相電流を再現することができ、安価な構成のインバータ制御装置を提供することができる。
第3の発明は、特に第1または第2の発明のインバータ制御装置において、デューティ補正手段によりデューティの増減量の補正が行われるキャリア周期では、モータの相電流値を、前回までのキャリア周期で得られる時系列変化量から推定演算するものであり、高精度なモータ相電流の再現が可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明のインバータ制御装置のシステム構成図である。このインバータ制御装置は、直流電源1、モータ3に供給する駆動電圧を生成、出力するインバータ2、およびインバータ2を制御するインバータ制御手段6を備える。また、モータ3は中性点を中心にY結線された3相巻線であるU相巻線4u、V相巻線4v、W相巻線4wが取り付けられる固定子4と、磁石が装着されている回転子5を備える。
インバータ2は、一対のスイッチング素子からなるハーフブリッジ回路をU相用、V相用、W相用として3相分備える。ハーフブリッジ回路の一対のスイッチング素子は、直流電源1の高圧側端と低圧側端の間に直列接続され、ハーフブリッジ回路に直流電源1から出力される直流電圧が印加される。U相用のハーフブリッジ回路は、高圧側(上アーム)のスイッチング素子21uおよび低圧側(下アーム)のスイッチング素子21xより成る。V相用のハーフブリッジ回路は、高圧側のスイッチング素子21vおよび低圧側のスイッチング素子21yより成る。W相用のハーフブリッジ回路は、高圧側のスイッチング素子21wおよび低圧側のスイッチング素子21zより成る。また、各スイッチング素子(21u〜21z)と並列に還流ダイオード(22u〜22z)が接続されている。
インバータ2に印加されている直流電圧は、上述したインバータ2内のスイッチング素子(21u〜21z)のスイッチング動作によって3相交流電圧に変換され、それによりモータ3が駆動される。また、インバータ2の母線にはシャント抵抗で構成された電流検出手段7が配されている。
インバータ制御手段6は、相電流変換部10と、回転子位置速度推定部11と、電流制御部12と、PWM信号生成部13と、デューティ補正部14と、ベースドライバ15から構成されている。
相電流変換部10では、電流検出手段7に流れるインバータ母線電流を観察し、そのインバータ母線電流をモータ3の相電流に変換する。相電流変換部10は実際にはインバータ母線電流が変化した時から所定期間の間だけ電流を検出する。
回転子位置速度推定部11では、相電流変換部10により変換されたモータ3の相電流と、デューティ補正部14で演算される出力電圧の情報により、モータ3の回転子磁極位置と回転速度を推定する(回転子位置速度推定部11の具体的な方法については例えば特開2001−37281号公報等の文献を参照されたい)。
電流制御部12では、まず回転子位置速度推定部11で推定されたモータ3の推定速度と外部から与えられる目標速度との偏差情報に基づいてモータ3の回転速度が目標速度に一致するように比例積分演算等を用いて電流指令値を導出する。次に相電流変換部10で変換されたモータ3の相電流と電流指令値との偏差情報に基づいてモータ3の電流値が電流指令値に一致するように比例積分演算等を用いて電圧指令値を導出する。
PWM信号生成部13では、電流制御部12により導出された電圧指令値よりモータ3を駆動するためのPWM信号を生成する。
前述のように求められたPWM信号はデューティ補正部14を介してベースドライバ15に出力され、インバータ2の各スイッチング素子(21u〜21z)を駆動する。
ここで、図2〜図6を用いてインバータ母線に流れる電流においてモータ3の相電流が現れる様子を説明する。
図2はモータ3の各相巻線(4u〜4w)に流れる相電流の状態と、60°毎の電気角の各区間における各相巻線(4u〜4w)に流れる電流の方向を示した図である。図2において、電気角0〜60°の区間においては、U相巻線4uとW相巻線4wには非結線端から中性点に向けて、V相巻線4vには中性点から非結線端に向けて電流が流れている。また、電気角60〜120°の区間においては、U相巻線4uには非結線端から中性点に向けて、V相巻線4vとW相巻線4wには中性点から非結線端に向けて電流が流れている。以降、電気角60°毎に各相巻線に流れる相電流の状態が変化していく様子が示されている。
例えば、図2において電気角30°の時にPWM信号生成部13で生成された半キャリア周期分のPWM信号が図3のように変化する場合を考える。ここで、図4において信号「U」は上アームのスイッチング素子21uを、信号「V」は上アームのスイッチング素子21vを、信号「W」は上アームのスイッチング素子21wを、信号「X」は下アームのスイッチング素子21xを、信号「Y」は下アームのスイッチング素子21yを、信号「Z」は下アームのスイッチング素子21zを動作させる信号を示す。
これらの信号はアクティブ・ハイで動作する。この場合、インバータ母線にはタイミング(1)では図4(a)に示すように電流が現れず、タイミング(2)では図4(b)に示すようにW相巻線4wに流れる電流(W相電流)が現れ、タイミング(3)では図
4(c)に示すようにV相巻線4vに流れる電流(V相電流)が現れる。
別の例として、図2において電気角30°の時に、PWM信号生成部13で生成された半キャリア周期のPWM信号が図5のように変化する場合を考える。この場合は、図6(a)に示すようにインバータ母線にはタイミング(1)では電流が現れず、図6(b)に示すようにタイミング(2)ではU相巻線4uに流れる電流(U相電流)が現れ、図6(c)に示すようにタイミング(3)ではV相巻線4vに流れる電流が現れる。
以上のように、インバータ母線上にインバータ2のスイッチング素子(21u〜21z)の状態に応じてモータ3の相電流が現れることが分かる。
上述のようにキャリア周期内の近接したタイミングで2相分の電流を判断することができれば、次式の関係から3相それぞれの電流iu、iv、iwが求められることは明らかである。
iu+iv+iw=0 ・・・(1)
なお、タイミング(4)とタイミング(5)はスイッチング素子(21u〜21z)動作遅れによりインバータ上下アームが短絡するのを防止するためのデッドタイム期間であり、この期間にインバータ母線に流れる電流は、各相電流の流れる向きによって不定である。
例えば、タイミング(5)において図7のような各相巻線(4u〜4w)に流れる電流の方向であればインバータ母線にはU相巻線4uに流れる電流(U相電流)が現れ、図8のような各相巻線(4u〜4w)に流れる電流の方向であればインバータ母線にはV相巻線4vに流れる電流(V相電流)が現れることになる。
次に、デューティ補正部14の動作について説明する。
まず、図2において電気角30°付近の時にPWM信号生成部13で生成される半キャリア周期分のPWM信号が図9のように変化する場合を考えると、図3で示したタイミング(2)が存在せず、タイミング(3)ではV相電流のみが現れる。つまり、この場合はキャリア周期において1相分の電流しか確定できない。したがって、このように変化するPWM信号が繰り返されると三相それぞれの電流を求めることができず、回転子位置速度推定部11で回転子磁極位置、回転速度の推定が不能となり、モータ3の駆動ができなくなる。
デューティ補正部14は上記のような不具合を回避すべく、PWM信号生成部13で生成されるPWM信号をチェックし、万が一、図9のような信号変化だった場合、例えばU相のデューティを増やし、W相のデューティを減らすことによって図5に示したようなPWM信号とし、タイミング(2)(3)とも電流検出手段7でインバータ母線に流れる電流を検出する時間を確保している。
しかしながら、このようなデューティの増減によるPWM信号の操作が頻繁に行われると、本来正規のモータ相電流から逸脱した波形で駆動することになり、振動や異音の原因になりかねない。
このデューティの増減によるPWM信号の操作は、モータ3への電圧指令値が大きい場合には頻度が少なく、電圧指令値が小さい場合に頻度が多くなる。これは、電圧指令値が大きければPWM信号のデューティも大きくなり、かつモータ3が高速で回転することから電気周期も短くなりPWM信号のキャリア周期毎のデューティ変化量が多くなるためであり、逆に電圧指令値が小さければPWM信号のデューティも小さくなり、かつモータ3が低速で回転することから電気周期も長くなりPWM信号のキャリア周期毎のデューティ変化量が少なくなるためである。
よって、デューティ補正部14では、相電流変換部10で3相それぞれの電流を求めるためのデューティの増減によるPWM信号の操作のみが行われる第1のモードと、デューティの増減と次のキャリア周期でデューティの増減量を差し引く補正が行われる第2のモードの、いずれかのモードで動作させ、電流制御部12により導出される電圧指令値の振幅値が所定の閾値未満の場合に第2のモードで動作するようにしたものである。
ここで、電圧指令値の動作波形の一例を図12に示しており、図12(a)はモータ3が高速で回転して電圧指令値の振幅値が所定の閾値以上となる場合であり、デューティ補正部14は相電流変換部10で3相それぞれの電流を求めるためのデューティの増減によるPWM信号の操作のみが行われる第1のモードで動作する。また、図12(b)はモータ3が低速で回転して電圧指令値の振幅値が所定の閾値未満となる場合であり、デューテ
ィ補正部14はデューティの増減と次のキャリア周期でデューティの増減量を差し引く補正が行われる第2のモードで動作する。
なお、電圧指令値の振幅値をデューティ補正部14の動作モードの判定に用いているが、振幅値の代わりに実効値等の振幅相当値を用いても同様の動作を実現できることは言うまでもない。
この動作について図10で説明する。例えば、PWM信号生成部13で図10(a)に示したようなPWM出力をするような演算結果がなされた場合、上アームのスイッチング素子が2つ通電しているタイミング(3)の期間がADサンプリング時間16よりも短い状態になっていて、図4に示すようにこの期間インバータ母線に現れるV相の電流を正確に検出することができない。ここで、デューティ補正部14では、各相のデューティが主にマイコン(図示せず)のADサンプリング時間で決められる値よりも大きくなるようにデューティを補正する。図10(a)のような場合はU相デューティが補正され、図10(b)の1回目キャリア1周期のように上アームのスイッチング素子が2つ通電しているタイミング(3)の期間がADサンプリング時間よりも長くしている。また、2回目のキャリア1周期においては、U相デューティについて1回目のキャリア1周期に大きくしたデューティ分を減らしている(結果的にスイッチングなし)。
次に、図11を用いて本実施の形態におけるデューティ補正部14での別の動作について説明する。例えば、PWM信号生成部13で図11(a)に示したようなPWM出力をするような演算結果がなされた場合、上アームのスイッチング素子が1つ通電しているタイミング(2)の期間がADサンプリング時間16よりも短い状態になっていて、インバータ母線に現れるW相の電流を正確に検出することができない。ここで、デューティ補正部14では、U相デューティとW相デューティのそれぞれが補正され、図11(b)の1回目キャリア1周期のように上アームのスイッチング素子が1つ通電しているタイミング(2)の期間がADサンプリング時間よりも長くなっている。ここではタイミング(2)に必要な期間に対して不足している分の1/2の期間をU相デューティについては減算、W相デューティについては加算の補正を行うことによってタイミング(2)期間を確保している。また、2回目のキャリア1周期においては、U相デューティについて1回目のキャリア1周期に小さくしたデューティ分を増やし、W相デューティについては1回目のキャリア1周期に大きくなったデューティ分を減らしている。
この動作によれば、デューティの増減を行った次のキャリア1周期では、デューティの増減量を差し引く補正が行われるため、PWM信号のキャリア2周期における変更量を極力なくすことができ、相電流の乱れをなくせる。
なお、2回目のキャリア周期においても回転子磁極位置、回転速度を推定するアルゴリズムを処理する場合は、1回目のキャリア周期で検出される相電流値によって演算することが可能である。
このように、デューティの増減によるPWM信号の操作が頻繁に行われる場合(電流制御部12により導出される電圧指令値の振幅値が所定の閾値未満の場合)には、キャリア周期毎の電流検出をキャリア周期の1/2に減らすことで、PWM信号のデューティの変更量を極力少なくし、モータ電流波形に歪みを発生させないことを優先させるものであり、モータ仕様に依存せず電圧指令値の大小関係に基づいてPWM信号の大小判定を適切に行うことで、モータの回転数が低く負荷状態が軽い場合においてもモータの制御性能の低下を招くことなく相電流を再現することができるので、良質なモータ駆動を実現すると共に、安価な構成のインバータ制御装置を提供することができる。
(実施の形態2)
図13は本発明の第2の実施の形態におけるインバータ制御装置のデューティ補正部14の動作説明図である。なお、上記第1の実施の形態におけるインバータ制御装置と同一部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態は、上記第1の実施の形態に示した動作において、相電流変換部10で3相それぞれの電流を求めるためのデューティの増減によるPWM信号の操作のみが行われる第1のモードと、電流制御部12により導出される電圧指令値の瞬時値が、所定の閾値未満の場合はデューティの増減と次のキャリア周期でデューティの増減量を差し引く補正が行われる第2のモードが、モータ3の電気角1回転中に存在させるようにしたものである。
図13は電圧指令値の動作波形の一例であり、図13(a)はモータ3が高速で回転している場合、図13(b)はモータ3が低速で回転している場合である。いずれにおいても電圧指令値の瞬時値が所定の閾値未満となる場合(デューティの増減によるPWM信号の操作が頻繁に行われる電気角の位相領域)にのみ第2のモードで動作させ、それ以外は第1のモードで動作させるようにしている。
このように、デューティ補正部14によりデューティの増減のみが行われる第1のモードと、デューティの増減と次のキャリア周期にて増減量の補正が行われる第2のモードが、モータの電気角1周期中に存在するものであり、モータ電気角1周期中における電圧指令値の瞬時値が所定の閾値未満となる位相領域でも制御性の悪化を招くことなく相電流を再現することができ、安価な構成のインバータ制御装置を提供することができる。
また、第2のモードでの動作を必要最小限とすることで、本来容易に電流検出が可能である場合にキャリア周期毎の電流検出を1/2に減らすことなくモータの制御性能の低下を招くことがないという効果も奏する。
(実施の形態3)
本発明の第3の実施の形態は、上記第1、第2の実施の形態におけるインバータ制御装置において、デューティの増減量を差し引く補正が行われるキャリア周期では、各相の電流値は、前回までのキャリア周期で得られる時系列変化量から推定演算するようにしたものである。
この推定演算式は、
Iu(n)=Iu(n−1)+[Iu(n−1)−Iu(n−2)] ・・・(2)で表されるような非常に簡単なものでもよく、これによって回転子位置速度推定部11での演算結果の精度を向上させることが可能となるものである。
以上のように、本発明にかかるインバータ制御装置は、いかなるモータや回転数、負荷条件においても電流検出手段から正確にモータの相電流値を得ることが可能であり、良質なモータ駆動を実現すると共に、安価な構成とすることができるため、空気調和機、冷蔵庫、冷凍庫、ヒートポンプ給湯機等のモータを駆動する用途に適用できる。
1 直流電源
2 インバータ
21u〜21z スイッチング素子
22u〜22z 還流ダイオード
3 モータ
4 固定子
4u〜4w 固定子巻線
5 回転子
6 インバータ制御手段
7 電流検出手段
10 相電流変換部
11 回転子位置速度推定部
12 電流制御部
13 PWM信号生成部
14 デューティ補正部
15 ベースドライバ
16 ADサンプリング時間

Claims (3)

  1. 複数相のモータと、直流電力を交流電力に変換し、前記モータへ電力を供給するインバータと、前記インバータに流れる母線電流を検出する電流検出手段と、前記母線電流を基に前記モータの相電流値を再現する相電流変換手段と、前記モータに与える電流指令値と前記相電流値に基づいて前記モータの電圧指令値を生成する電流制御手段と、前記電圧指令値に基づいて前記インバータを制御するPWM信号を生成するPWM信号生成部と、前記PWM信号のキャリア1周期中で前記インバータの上アーム側のスイッチング素子が1つ通電している第1の期間と、上アーム側のスイッチング素子が2つ通電している第2の期間が、母線電流を検出するための時間を確保したものとなるようデューティの増減のみが行われる第1のモードと、デューティの増減と次のキャリア周期にて増減量の補正が行われる第2のモードの、いずれかのモードで動作するデューティ補正手段とを備え、前記デューティ補正手段は前記電圧指令値が所定の閾値未満の場合に第2のモードで動作することを特徴とするインバータ制御装置。
  2. 前記デューティ補正手段の動作モードである第1のモードと第2のモードが、前記モータの電気角1周期中に存在することを特徴とする請求項1に記載のインバータ制御装置。
  3. 前記デューティ補正手段によりデューティの増減量の補正が行われるキャリア周期では、前記モータの相電流値を、前回までのキャリア周期で得られる時系列変化量から推定演算することを特徴とする請求項1または2に記載のインバータ制御装置。
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