JPWO2012157039A1 - 同期電動機の駆動システム - Google Patents

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Abstract

永久磁石モータの回転数・トルク制御を、インバータを用いて必要最小限のスイッチング回数による理想的な正弦波状の電流で駆動し、かつ、零速度近傍の極低速域からの駆動が可能な位置センサレス駆動方式を提供する。永久磁石モータ4の中性点電位を、インバータのPWM波形に同期させて検出する。その中性点電位の変動から、永久磁石モータ4の回転子位置を推測する。中性点電位を検出する際、PWM波形の各相のタイミングをずらすことによって、インバータの出力電圧が零ベクトルではないスイッチ状態を3または4種類作成し、そのうち少なくとも2種類のスイッチ状態における中性点電位をサンプリングし、三相同期電動機の回転子位置を推定する。

Description

本発明は、電動機駆動装置、例えばファン,ポンプ,圧縮機,スピンドルモータなどの回転速度制御や、搬送機や工作機械における位置決め装置、ならびに電動アシストなどのようにトルクを制御する用途に利用する同期電動機の駆動システムに関する。
産業,家電,自動車等の様々な分野において、小型・高効率の永久磁石モータ(三相同期電動機)が幅広く用いられている。
しかし、永久磁石モータを駆動させるには、モータの回転子の位置情報が必要であり、そのための位置センサが必要であった。近年では、この位置センサを排除し、永久磁石モータの回転数やトルク制御を行うセンサレス制御が広く普及している。
センサレス制御の実用化によって、位置センサにかかる費用(センサ自体のコスト、センサの配線にかかるコストなど)の削減、装置の小型化が実現できる。また、センサが不要となることで、劣悪な環境下での使用が可能となる等のメリットがある。
現在、永久磁石モータのセンサレス制御は、永久磁石モータの回転子が回転することによって発生する誘起電圧(速度起電圧)を直接検出し、回転子の位置情報として永久磁石モータの駆動を行う方法や、対象となるモータの数式モデルから、回転子位置を推定演算する位置推定技術などが採用されている。
これらのセンサレス制御にも大きな課題がある。それは低速運転時の位置検出方法である。現在実用化されている大半のセンサレス制御は、永久磁石モータの発生する誘起電圧に基づくものである。したがって、誘起電圧の小さい停止,低速域では、感度が低下してしまい、位置情報がノイズに埋もれる可能性がある。この問題に対しては種々の解決策が提案されている。
特許文献1に記載された発明は、高周波を永久磁石モータに通電し、その際発生する電流から、回転子位置を検出する方式である。永久磁石モータの回転子には突極性が必要であり、この突極構造による電流高調波の影響により位置検出が可能になる。
特許文献2に記載された発明は、三相固定子巻線の接続点の電位である「中性点電位」を検出して位置情報を得るものである。固定子巻線の中性点を引き回す手間はかかるが、次に述べる特許文献3に比べ、三相同時に通電状態であっても位置情報が得られるため、永久磁石モータを正弦波電流で理想的に駆動することができる。
特許文献3に記載された発明は、電動機の三相固定子巻線のうち、二相を選択して通電する120度通電方式をベースとし、非通電相に発生する起電圧(速度に伴う起電圧ではなく、インダクタンスのアンバランスによる起電圧)に基づき、回転子の位置を検出する駆動方法である。この方式では、位置に応じて発生する起電圧を利用するため、完全な停止状態であっても位置情報の取得が可能である。
特許文献4に記載された発明は、特許文献2に記載された手法と同様に、三相固定子巻線の接続点の電位である「中性点電位」を検出して、位置情報を得るものである。その際、インバータのPWM(パルス幅変調)波と同期して中性点電位を検出することで、特許文献3と同様に、インダクタンスのアンバランスによる起電圧を検出でき、結果的に回転子の位置情報を得ることができる。特許文献4の手法では、駆動波形を理想的な正弦波電流にすることが可能となる。
特開平7−245981号公報 特開2000−232797号公報 特開2009−189176号公報 特開2010−74898号公報
しかし、特許文献1記載の発明では、モータの回転子構造に突極性が必要となる。突極性のないもの、少ないものでは位置検出感度が低下してしまい、位置推定が困難となる。また、高感度に検出するには、注入する高周波成分を増加させるか、あるいは周波数を下げる必要がある。この結果、回転脈動や振動・騒音の原因となったり、モータの高調波損失を大幅に増加させることになる。
特許文献2記載の発明では、中性点電位に生じる三次高調波電圧を利用する。このため、回転子構造に突極性は不要であり、駆動電流を正弦波化することも可能である。しかし、この三次高調波の誘起電圧自体は、永久磁石モータの回転に伴う速度起電圧であるため、低速域での位置情報は得られず、零速度近傍での駆動は不可能である。
特許文献3の発明は、三相巻線の非通電相に生じる起電圧を観測する方式であり、モータが停止状態からの駆動が可能であるが、駆動電流波形が120度通電(矩形波)になるという問題がある。本来、永久磁石モータは正弦波状の電流で駆動した方が回転ムラの抑制や、高調波損失を抑制する上で有利となるが、特許文献3記載の発明では正弦波駆動は不可能である。
特許文献4記載の発明は、特許文献2と同様に三相固定子巻線の接続点の電位である「中性点電位」を検出して、位置情報を得るものである。この中性点電位を、インバータからモータへ印加されるパルス電圧と同期して検出することで、回転子位置に依存した電位変化を得ることができる。特許文献4では、モータへの印加電圧として、通常の正弦波変調によって得られるPWM(パルス幅変調)によっても、位置情報が得られる。
本発明は、特許文献4記載の発明に関係する部分があるため、詳細を述べておく。
図27に、特許文献4記載のPWM波形と、その時の中性点電位波形を示す。三相電圧指令Vu*,Vv*,Vw*と三角波キャリアを比較して、PWMパルス波形PVu,PVv,PVwを発生させている。三相電圧指令Vu*,Vv*,Vw*は、正弦波状の波形となるが、低速駆動時には三角波キャリアに比べて十分低い周波数とみなすことができるため、ある瞬間を捉えれば、実質的に図27のように直流とみなすことができる。PWMパルス波であるPVu,PVv,PVwは、それぞれ異なるタイミングでオン/オフを繰り返す。同図(c)の電圧ベクトルは、V(0,0,1)のような名称が付いているが、それらの添え字(0,0,1)は、それぞれU,V,W相のスイッチ状態を意味する。すなわち、V(0,0,1)は、U相はPVu=0,V相はPVv=0,W相はPVw=1を意味する。ここで、V(0,0,0)、ならびにV(1,1,1)は、モータへの印加電圧は零となる零ベクトルである。
これらの波形に示すように、通常のPWM波は、第1の零ベクトルV(0,0,0)と第2の零ベクトルV(1,1,1)の間において、2種類の電圧ベクトルV(0,0,1)とV(1,0,1)を発生させている。すなわち、
V(0,0,0)→V(0,0,1)→V(1,0,1)→V(1,1,1)→V(1,0,1)→V(0,0,1)→V(0,0,0)
を一つの周期として繰り返している。この零ベクトルの間で使用される電圧ベクトルは、三相電圧指令Vu*,Vv*,Vw*の大小関係が変わらない期間は、同じものが用いられる。
これらの零ベクトル以外の電圧を印加している時に、中性点電位には、回転子位置に応じた起電圧が発生する。これを利用して、回転子位置を推定する手法が、特許文献4に記載されている。
しかし、この方式を用いて、極低速での中性点電位検出を行おうとすると、実用上の問題が多い。例えば、停止状態での印加電圧は、モータの巻線抵抗による電圧効果分しか印加されないため、極めて微小なパルス幅の電圧になる。PWM波形の場合、インバータのスイッチングに伴って、必ずリンギング(スイッチ直後の数100kHz〜数MHzの振動)が発生するため、実際の中性点電位は図27(f)のような波形になる。微小なパルス幅では、このリンギングによる振動が残ってしまうため、中性点電位として位置情報を得るのに必要な値が検出できなくなる。これを防止するには、パルス幅の最小値に制限を加えるしかなく、その結果、極低速の駆動は困難になる。また、特許文献4記載の位置推定アルゴリズムの問題として、基本的にはテーブルデータに頼らざるを得ない。
また、この特許文献4では、位置推定感度を向上させる方式として、零ベクトル印加期間に、強制的に位置推定用の電圧パルスを印加する方式も同時に開示している。この方式によれば、通常のPWMとは異なる方式になるものの、高感度に位置推定を行うことが可能である。しかし、通常のPWMとは全く異なるスイッチングパターンとなるため、様々な弊害が発生する。まず第一に、PWMのスイッチング回数を増加させることになるため、インバータのスイッチングロスを増加させてしまうことになる。高効率がメリットである永久磁石モータに対して、インバータの損失が増加し、大きなデメリットになる。第二に、特殊なPWMが必要となるため、汎用マイコンに備えられているPWM機能を用いることができないため、専用のコントローラが必要となる。このため、コストアップや、装置の大型化の原因となる。
本発明の目的は、零速度近傍の極低速域から正弦波状の電流によって駆動できる同期電動機の駆動システムを提供することにある。
本発明の他の目的は、永久磁石モータを、スイッチング回数を増加させることなく、高効率で駆動できる同期電動機の駆動システムを提供することにある。
本発明はその一面において、パルス幅変調インバータから三相同期電動機に給電し、同期電動機の中性点電位に基づき回転子位置を推定して前記インバータを制御する同期電動機の駆動システムにおいて、前記インバータのパルス幅変調の一周期の期間中、各相のスイッチングのタイミングをずらすことによって、インバータの出力電圧が零ベクトルではないスイッチ状態を3または4種類作成し、そのうち少なくとも2種類のスイッチ状態における前記中性点電位をサンプリングし、前記三相同期電動機の回転子位置を推定することを特徴とする。
本発明は他の一面において、前記インバータのパルス幅変調動作として,各相のスイッチ状態を正から負および負から正にスイッチングするタイミングが、各相間で所定時間幅以内に近づかないように、1または2相の出力電圧パルスを時間的にシフトさせることを特徴とする。
本発明の望ましい実施の形態に関わる三相同期電動機の駆動システムによれば、零速度近傍の極低速域から、正弦波状の電流によるセンサレス駆動を実現できる。
また、本発明の望ましい実施の形態に関わる三相同期電動機の駆動システムによれば、スイッチング回数を増加させることなく、高効率で駆動できる同期電動機の駆動システムを提供することができる。
本発明のその他の目的と特徴は、以下に述べる実施例により明らかになるであろう。
本発明の第1の実施の形態に関わるモータ駆動システムの構成を表すブロック図である。 インバータ出力電圧のスイッチング状態を表すベクトル図である。 電圧ベクトルVが印加された状態の永久磁石モータと仮想中性点回路との関係を表す概念図である。 第1の実施の形態における三角波キャリアを用いた実際のパルス幅の変調の様子と、そのときの電圧ベクトル、並びに中性点電位の変化の様子を示す図である。 電圧ベクトルとその時に検出した中性点電位の名称 第2の実施の形態における三角波キャリアを用いた実際のパルス幅の変調の様子と、そのときの電圧ベクトル、並びに中性点電位の変化の様子を示す図である。 第3の実施の形態における三角波キャリアを用いた実際のパルス幅の変調の様子と、そのときの電圧ベクトル、並びに中性点電位の変化の様子を示す図である。 第4の実施の形態に関わるモータ駆動システムの制御器の構成を表すブロック図である。 第4の実施の形態に関わるモータ駆動システムの電圧補償器の構成を表すブロック図である。 第4の実施の形態における三角波キャリアを用いた実際のパルス幅の変調の様子と、そのときの電圧ベクトル、並びに中性点電位の変化の様子を示す図である。 第5の実施の形態に関わるモータ駆動システムの位置推定器の構成を表すブロック図である。 第5の実施の形態に関わるモータ駆動システムの位置推定器の他の構成を表すブロック図である。 第5の実施の形態における中性点電位検出値VnA,VnB,VnC,VnD,VnE,VnFの回転子位置θdに対する変化を示す図である。 第5の実施の形態における中性点電位検出値の一部の符号を変えることで、三相交流とみなせることを示す図である。 第5の実施の形態に関わる位置推定を行った結果を示す図である。 第6の実施の形態に関わるモータ駆動システムの制御器の構成を表すブロック図である。 第6の実施の形態に関わるモータ駆動システムによって位置推定を行った結果を示す図である。 第7の実施の形態に関わるモータ駆動システムの制御器の構成を表すブロック図である。 第7の実施の形態に関わるモータ駆動システムのアナログ検出部の構成を表すブロック図である。 第7の実施の形態に関わるモータ駆動システムの電流検出と中性点電圧検出とを交互に行う様子を概念的に示した図である。 第8の実施の形態に関わるモータ駆動システムの制御器の構成を表すブロック図である。 第9の実施の形態に関わる一体型のモータ駆動システムの構成を表すブロック図である。 第10の実施の形態に関わる油圧ポンプシステムの構成を表すブロック図である。 第10の実施の形態に関わる油圧ポンプシステムにて、リリーフバルブを取り除いた構成を表すブロック図である。 第11の実施の形態に関わる空調システムの構成を表すブロック図である。 第12の実施の形態に関わる位置決め制御システムの構成を表すブロック図である。 従来における三角波キャリアを用いた実際のパルス幅の変調の様子と、そのときの電圧ベクトル、並びに中性点電位の変化の様子を示す図である。
以下本発明の実施の形態を図を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に関わるモータ駆動システムの構成を表すブロック図である。
このモータ駆動システムは、永久磁石モータ(三相同期電動機)4の駆動を目的とするものである。大別すると、このモータ駆動システムはIq*発生器1、制御器2、インバータ主回路32やワンシャント電流検出器35を含むインバータ3および駆動対象である永久磁石モータ4を含んで構成される。
Iq*発生器1は電動機のトルク相当の電流指令Iq*を発生する回路である。このIq*発生器1は制御器2の上位に位置する制御器である。通常、永久磁石モータ4の回転数が所定速度になるように、実速度ω1を観測しながら必要な電流指令Iq*を発生させる仕組みとなっている。Iq*発生器1の出力である電流指令Iq*は制御器2中の演算器6bに出力される。
制御器2は、電流指令Iq*に相当するトルクを永久磁石モータ4が発生するように動作する。この制御器2は、Id*発生器(d軸電流指令発生器)5、減算器6a、減算器6b、d軸電流制御器(IdACR)7、q軸電流制御器(IqACR)8、dq逆変換器9、PWM発生器10、電流再現器11、dq変換器12、中性点電位増幅器13、サンプル/ホールド回路14a,14b、位置推定器15、速度演算器16、パルスシフト器17から構成される。
インバータ3は、既述のインバータ主回路32やワンシャント電流検出器35のほかに、直流電源31、出力プリドライバ33、仮想中性点回路34を含む。
Id*発生器5は永久磁石モータの励磁電流に相当するd軸電流の電流指令Id*を発生する。この電流指令Id*は、減算器6aに対して出力される。
減算器6aは、Id*発生器5の出力である電流指令Id*とインバータ主回路部32の出力から導出再現されたdq変換器12の出力Idの偏差を求める減算器である。一方、減算器6bは、Iq*発生器1の出力である電流指令Iq*とインバータ主回路部32の出力から導出再現されたdq変換器12の出力Iqの偏差を求める減算器である。d軸電流制御器(IdACR)7は、減算器6aの電流偏差が零になるように、dq座標軸上の電圧指令Vd*を演算する。一方、q軸電流制御器(IqACR)8は、減算器6bの電流偏差が零になるように、dq座標軸上の電圧指令Vq*を演算する。d軸電流制御器7の出力である電圧指令Vd*及びq軸電流制御器8の出力は、dq逆変換器9に出力される。
dq逆変換器9は、dq座標(磁束軸―磁束軸直交軸)系の電圧指令Vd*,Vq*を三相交流座標上に変換する回路である。dq逆変換器9は、入力された電圧指令Vd*,Vq*及び位置推定器15の出力θdcに基づき、三相交流座標系の制御信号Vu*,Vv*,Vw*に変換する。dq逆変換器9は、PWM発生器10に対して変換結果を出力する。
PWM発生器10は、インバータ主回路32のスイッチ動作の元となるPWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)信号を出力する。PWM発生器10では、三相交流電圧指令Vu*,Vv*,Vw*に基づきPWM波形であるPVu,PVv,PVwを発生させる。また、その出力は、本実施例の特徴部分であるパルスシフト器17を介して、出力プリドライバ33と共にサンプル/ホールド回路14a、ならびに14bに入力される。
電流再現器11は、インバータ主回路部32からワンシャント電流検出器35への出力であるI0信号を受けて、U相,V相,W相の各電流を再現する回路である。再現された各相の電流(Iuc,Ivc,Iwc)は、dq変換器12に対して出力される。
dq変換器12は、モータの相電流の再現値であるIuc,Ivc,Iwcを、回転座標軸であるdq座標上のId,Iqに変換する。この変換されたId及びIqは、減算器6a、ならびに6bにて電流指令Id*及び電流指令Iq*との偏差計算に用いられる。
中性点電位増幅器13は、仮想中性点回路34の出力である仮想中性点電位Vncと永久磁石モータ4の三相巻線接続点電位Vnとの差(以降、中性点電位Vn0と呼ぶ)を検出し、増幅する回路である。この中性点電位増幅器13の増幅結果はサンプル/ホールド回路14bに入力される。
サンプル/ホールド回路14bは、中性点電位増幅器13のアナログ信号出力を標本化量子化(サンプリング)するためのA−D変換器である。サンプル/ホールド回路14bは、このVn0をPWM発生器10の出力であるPWMパルスに同期してサンプリングする。サンプル/ホールド回路14bは、このサンプリングされた結果(Vn0h)を位置推定器15に対してデジタル信号として出力する。
位置推定器15は、サンプル/ホールド回路14bによってサンプリングされた中性点電位に基づき、永久磁石モータ4の回転子位置(位相角)θdの推定値θdcを演算する。この推定結果は、速度演算器16、dq変換器12及びdq逆変換器9に対して出力される。
速度演算器16は、回転子位置の推定値θdcから、永久磁石モータの回転速度を計算する回路である。この推定された回転速度ω1は、Iq*発生器1に対して出力され、磁束軸に直交する軸の電流制御に役立てられる。
直流電源31は、インバータ3に電流を供給する直流電源である。
インバータ主回路部32は、6個のスイッチング素子Sup〜Swnで構成されるインバータ回路である。
出力プリドライバ33は、インバータ主回路部32を直接駆動するドライバである。
仮想中性点回路34は、インバータ主回路部32の出力電圧に対して仮想中性点電位を作成する回路である。
ワンシャント電流検出器35は、インバータ主回路部32への供給電流I0を検出する電流検出器である。
次に、このモータ駆動システムの基本動作について説明する。
本発明は、交流モータである同期電動機のトルクを線形化する手法として一般的に知られているベクトル制御技術を基本としている。
ベクトル制御技術の原理は、モータの回転子位置を基準とした回転座標軸(dq座標軸)上にて、トルクに寄与する電流Iqと、磁束に寄与する電流Idとを独立に制御する手法である。図1におけるd軸電流制御器7,q軸電流制御器8,dq逆変換器9,dq変換器12などは、このベクトル制御技術実現のための主要部分である。
図1のモータ駆動システムにおいては、Iq*発生器1にて、トルク電流に相当する電流指令Iq*が演算され、電流指令Iq*とPMモータ4の実際のトルク電流Iqが一致するように電流制御が行われる。
電流指令Id*は、非突極型の永久磁石モータであれば、通常「零」が与えられる。一方、突極構造の永久磁石モータや、界磁弱め制御においては、電流指令Id*として負の指令を与える場合もある。
なお、永久磁石モータの電流検出は、インバータから永久磁石モータに供給される相電流を直接検出することが望ましいが、小型永久磁石モータの電流検出では直流電流を検出して、制御器内部にて相電流を再現演算する手法が採られる場合が多い。この際の、直流電流I0から、相電流を再現演算する手法については公知の技術があり、また本発明の主要な部分ではないので省略する。
次に、本発明の特徴部分である中性点電位増幅器13,サンプル/ホールド回路14b,位置推定器15,パルスシフト器17の動作原理について説明する。
永久磁石モータ4の中性点電位Vn0は、モータの回転子位置の影響でその電位が変化する。本発明の基礎原理は、この原理を応用して、中性点電位の変化から逆に回転子位置を推定することにある。
最初に、中性点電位が変化する原理について説明する。
インバータ3の各相の出力電位は、インバータ主回路32の上側スイッチ(Sup,Svp,Swp)もしくは下側スイッチ(Sun,Svn,Swn)のオン/オフ状態によって決定する。これらのスイッチは、各相毎に上側、もしくは下側のいずれかがオンでもう一方がオフの状態に必ずなる。したがって、インバータ3の出力電圧は、全部で8通りのスイッチングパターンになる。
図2(a)は、インバータ出力電圧のスイッチング状態を表すベクトル図である。同図(b)は、回転子位置(位相)θdと電圧ベクトルの関係を示すベクトル図である。
各ベクトルにはV(1,0,0)のように名前をつけている。このベクトル表記の記載の意味は、上側スイッチがオンの状態を「1」、下側スイッチがオンの状態を「0」として表現している。また、カッコ内の数字の並びは「U相,V相,W相」の順番にスイッチング状態を表している。インバータ出力電圧は、零ベクトル2つを含む8つのベクトルとして表現できる。これらの組み合わせによって、正弦波状の電流を永久磁石モータ4に供給する。
永久磁石モータ4の回転子位置の基準をU相方向として、図2(b)のように回転子位置(位相)θdを定義する。回転座標であるdq座標軸は、d軸方向が磁石Φmの方向に一致しており、反時計回りに回転する。
θd=0度付近において、誘起電圧Emは、図2(b)に示すq軸方向となる。この条件では、主に電圧ベクトルV(1,0,1)及びV(0,0,1)を用いて永久磁石モータ4を駆動することになる。
図3(a)には、電圧ベクトルV(1,0,1)が印加された状態の永久磁石モータ4と仮想中性点回路34との関係を表す概念図を示す。同図(b)は電圧ベクトルV(0,0,1)が印加された状態の永久磁石モータ4と、仮想中性点回路34との関係を表す概念図を示す。
中性点電位Vn0は、下記式によって演算することができる。
図3(a)に示す電圧ベクトルV(1,0,1)の印加時は、
Vn0 = { Lv / (Lu//Lw + Lv) − (2/3) }×VDC………(1)
また、図3(b)に示す電圧ベクトルV(0,0,1)の印加時は、
Vn0 = { (Lu//Lv) / (Lu//Lv + Lw) − (1/3) }×VDC………(2)
となる。ここで、Lu//Lv等の表記は、インダクタンスLuとLvの並列回路の総合インダクタンス値を表しており、具体的には、(Lu・Lv)/(Lu+Lv)等である。
上記の各式において、三相のそれぞれの巻線インダクタンス(Lu,Lv,Lw)が全て等しければ、中性点電位Vn0は「零」にしかならない。しかしながら、実際の永久磁石モータは回転子の永久磁石磁束の影響を受け、少なからずインダクタンスに差が生じている。このインダクタンスの差によって、中性点電位は変動する。
図4は、本実施の形態における三角波キャリアを用いた実際のパルス幅の変調の様子と、そのときの電圧ベクトル、並びに中性点電位の変化の様子を示す図である。ここで、三角波キャリア信号とは、三相電圧指令Vu*,Vv*,Vw*の「大きさ」を、パルス幅に変換するための基準となる信号であり、この三角波キャリアと三相電圧指令Vu*,Vv*,Vw*の大小関係を比較することで、PWMパルスを作成できる。図4にて、各電圧指令Vu*,Vv*,Vw*と三角波キャリアの大小関係が変化する点にて、同図(a)のPWMパルスの立ち上がり/立下りが変化している様子が判る。
特許文献4では、図4(a)の波形から中性点電位Vn0を検出する。その場合、図27に示したような検出誤差の問題が発生することをすでに述べた。
本実施例では、この問題を解決するため、パルスシフト器17を導入して、PWMパルスPVu,PVv,PVwに修正を加える。具体的には、各相にタイマーとカウンタを用意し、それぞれの相のPWM波形を独立に遅延させることでパルスシフトを実現できる。パルスシフトを行った後の波形は、それぞれPVu1,PVv1,PVw1として図4(b)に示している。
PWMパルスのシフトによって、電圧ベクトルV(1,0,1)ならびにV(0.0.1)の出力期間が増加していることが判る。これらのシフト量の設定は、それぞれの電圧ベクトル(ここではV(1,0,1)とV(0,0,1))の出力期間に最小制限値を設け、その最小値以上になるようにすればよい。この最小制限値としては、図4(e)に示すように中性点電圧のリンギングが十分収まる時間幅に設定すれば、検出誤差のない中性点電位のサンプリングができる。
また、図4(c)の電圧ベクトルに大きく明示したように、これまで使用していなかった電圧ベクトルV(0,1,0)ならびにV(1,1,0)が出力されていることが判る。回転子の位置推定は、最低2種類の電圧ベクトルが印加されれば可能であるが、印加される電圧ベクトルの種類が増えることで、中性点電位の観測値を増やすことができるため、より精度の高い位置検出が可能になる。尚、これらの新たな電圧ベクトルに対しても、最小制限値を設けて、出力期間を確保することも可能である。
このように、インバータのパルス幅変調動作として、各相のスイッチ状態を正から負および負から正にスイッチングするタイミングが、各相間で所定時間幅(最小制限値)以内に近づかないように、2相の出力電圧パルスを時間的にシフトさせている。尚、図6を参照して後述するように、1相のみの出力電圧パルスを時間的にシフトさせることもできる。これらのパルスシフトの手法では、各相の出力電圧パルス幅を変更することなく時間的にシフトさせている。
パルスシフトの結果として、第1の零ベクトルV(0,0,0)から第2の零ベクトルV(1,1,1)を介して再び第1の零ベクトルに戻る間、4種類の電圧ベクトルが出力されていることになり、この動作が、図27に示す特許文献4の方式と大きく異なる。
また、各相のスイッチング動作を観測すると、三相それぞれのパルスがオンからオフに順番に移行した後、再びオフからオン状態に変化しているが、その変化する順番が、パルスシフトを行う前後で異なっていることが判る。すなわち、図4(a)に示すPWM波形では、
PVvがオフ→PVuがオフ→PVwがオフ→PVwがオン→PVuがオン→PVvがオン
のように、オフした順番と逆の順番でオンしいている。これに対して、パルスシフトを行った波形では、
PVvがオフ→PVuがオフ→PVwがオフ→PVvがオン→PVuがオン→PVwがオン
のように、オフした順番にオンしていくという特徴がある。パルスシフトによって、このようなパルス列を作成することで、電圧ベクトルの数を4種類に増やすことができる。
図5に、零以外の電圧ベクトル6種類と、その時に観測される中性点電位の名称を定義する。図4のようなパルスシフトを行うことで、中性点電位は、VnBとVnCが確実に検出でき、さらにパルスシフト量を増やすことで、VnEとVnFの値も観測可能となる。
このパルスシフトによる効果をまとめると以下となる。
第1に、中性点電位が検出できる電圧ベクトルV(1,0,1)ならびにV(0,0,1)の出力期間が長くなるため、図4(e)に示すように、リンギングを避けての誤差の無い検出が可能になる。第2に、電圧ベクトルとして、新たな種類のベクトルV(0,1,0)ならびにV(1,1,0)が印加されることになり、この時の中性点電位を検出することで、回転子位置情報をさらに精度よく推定することが可能になる。第3として、パルスシフトによって、各相電圧の平均電圧には変化がなく、また、スイッチング回数を増やすこともないため、モータの制御性能に対する影響や、インバータのスイッチング損失を増加させるようなことも発生しない。
よって、本実施の形態による同期電動機駆動システムを用いれば、従来実現が難しかった極低速度での位置センサレス駆動を実現できる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
第1の実施の形態では、Vn0の検出のために、パルスシフト器17を導入してPWMパルス波をシフトすることで、零ベクトル以外の電圧ベクトルの出力期間を長くし、かつ、元々のPWM波形には含まれていなかった2種類のベクトルを新たに出力でき、それによって位置推定精度を向上させるものであった。
第1の実施形態の例では、本来の電圧ベクトルV(0,0,1),V(1,0,1)に加えて、V(1,1,0),V(0,1,0)が新たに印加されている。ここで、V(0,0,1)とV(1,1,0)、ならびにV(1,0,1)とV(0,1,0)は、図2(a)から、それぞれが逆方向のベクトルであることが判る。このように、逆方向のベクトルだけでなく、例えば、V(1,0,0)のように、パルスシフト前のPWMに含まれていない方向の電圧ベクトルが加われば、回転子位置の探索の効果を生じ、さらに回転子位置情報の精度は向上する。例えば、特許文献4においては、強制的なスイッチ動作によって、そのような電圧ベクトルを印加する手法が示されている。本実施形態によれば、このような電圧ベクトルの印加が、スイッチング回数を変えずに可能である。
図6に、本来の電圧ベクトルV(0,0,1)ならびにV(1,0,1)に加えて、新たにV(1,0,0)を印加したパルスシフトの結果を示す。第1の実施形態との違いは、1相のみのパルスシフトとし、そのシフト量が異なっていることである。必要なシフト量は、元のPWM波形の条件(デューティ)によっても変わってくる。
以上のように、制御構成を変更することなく、パルスシフトの量を調整することで、モータに印加される電圧ベクトルの種類を変えることができ、より、高精度な位置推定が可能となる。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について、図7を用いて説明する。
第1,2の実施の形態では、パルスシフト器17を導入することで、モータに印加する電圧ベクトルを2種類から3または4種類に増やすことができることを示した。これらの実施形態では、三相すべてのスイッチが、三角波キャリアと同じ周波数でスイッチングを行うものであった。これに対し、第3の実施形態では、三相のスイッチング周波数が異なる場合(二相スイッチング)の例について説明する。
図7(a)に、三角波キャリアを用いた二相スイッチング方式を示す。図4と異なり、三相電圧指令Vu*,Vv*,Vw*が三角波キャリアの上側ピークに接していることが判る。この例では、三相電圧指令の中で最も大きな値のVw*が三角波キャリアの上側ピーク値に一致している。このようにすべての電圧指令に等しいバイアス値を設けることで、線間電圧の関係は変えずに、一つの相(この条件ではW相)のスイッチング回数を低減することができる。図7の条件では、W相は全くスイッチングを行わずに、上側のスイッチ(図1のSwp)がオン状態を継続することになる。どの相がスイッチングを停止するかは、三相電圧指令の大小関係で決定されるが、結果的には、図4のPWM方式に比べて、スイッチング回数が1/3になり、インバータのスイッチング損失を低減できる。
二相スイッチングの特徴は、零ベクトルとして、同一のものが繰り返し使用される点にある。図7では、第2の零ベクトルV(1,1,1)の間に、V(1,0,1),V(0,0,1)が出力され、さらにパルスシフトを行うことで、同図(e)の電圧ベクトルに大きく明示したような新たな電圧ベクトルV(0,1,1)の出力が可能である。この結果、検出できる中性点電位は、パルスシフト前のVnB,VnCに加えて、VnDが加わり3種類に増やすことができる。
このように、本実施形態によれば、インバータ損失の少ない二相スイッチングにおいても電圧ベクトルの種類を増やすことができるため、回転子位置の探索の効果を発揮させ、効率のよいシステムでの位置推定精度の向上を実現できる。
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態について、図8〜10を用いて説明する。
実施形態1〜3では、いずれもパルスシフト器17によって、PWMパルス波形の位相をずらして、零以外の電圧ベクトルの期間を延ばしたり、あるいは電圧ベクトルの種類を増やすというものであった。
パルスシフトは、前述したようにタイマーとカウンタ等のハードロジックで簡単に実現できるが、これと同じ効果は、三相電圧指令を補正することでも実現可能である。本実施形態にてその方式について説明する。
図8は、制御器2Bの構成図を示したものである。図において、部品番号5〜16までは、実施形態1における制御器2(図1)のものと同一のものである。図1と異なる点は、パルスシフト器17が削除され、代わりに電圧補償器18が追加されている点である。
この電圧補償器18では、三相電圧指令Vu*,Vv*,Vw*に対して補償動作を行い、新たな電圧指令Vu**,Vv**,Vw**を作成し、これらの値に基づき、PWM発生器10にて、PWM動作を行う。
電圧補償器18の構成を図9に示す。図に示すように、電圧補償器18は、加算器6c〜6e、補償量演算器181から構成されており、元の三相電圧指令にそれぞれ補償量0,ΔV,−ΔVのいずれかを加算する。電圧補償の様子を図10に示す。補償なしの場合には、狭いパルス幅の電圧ベクトルV(1,0,1)とV(0,0,1)が出力されているが、電圧補償を行うことで、三相電圧指令が補正され、電圧ベクトルV(1,0,1)とV(0,0,1)に加えてV(0,1,0)ならびにV(1,1,0)が新たに出力されていることが判る。電圧の補償量は、三角波キャリアの半周期ごとに切り替える必要があるが、このような補償動作を行うことで、実施形態1〜3と全く同様な効果を得ることが可能である。
本実施形態によれば、電圧指令の修正によって、パルスシフトを実現可能であり、PWM機能を備えた汎用マイコンにて実現することが可能である。
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態について、図11〜15を用いて説明する。
実施形態1〜4は、PWMパルスを修正することで,モータに印加される電圧ベクトルの種類を増加させて、位置検出精度を向上させるというものであり、これらの実施形態は、位置推定精度を向上させることが可能である。しかし、さらに位置検出精度を向上させる形態を、新たに第5の実施形態として説明する。
図11、ならびに図12は、位置推定器15C、ならびに位置推定器15Dの構成図である。これらの位置推定器を、図1の制御器2、あるいは図8の制御器2B内の位置推定器15の代わりに用いることで、第5の実施形態を実現できる。
図11の位置推定器15Cは、切り替えスイッチ154,メモリー155,位置演算器157から構成されている。また、図12の位置推定器15Dは、切り替えスイッチ154D,メモリー155D,位置推定器157Dからなる。図11と図12の違いは、中性点電位のホールド値であるVn0hの値を、2つだけ記憶させるか(図11)、あるいは4つの値を記憶させるか(図12)の違いによる。位置推定を行う上では、最低2つの値があればよいので、図11が最低限必要な構成となる。これまでの実施形態で説明した通り、中性点電位の数は多いほど精度が向上する。これまでの実施例で示したように、スイッチング回数を変えずに電圧ベクトルを増やすと、3または4種類の電圧ベクトルの印加が可能であり、その場合は、図12に示す構成で中性点電位を保存すればよい。3つの中性点電位を用いる場合には、図12の4つのメモリーの一つを使用しなければよい。
位置推定器15C,Dでは、中性点電位を量子化した値であるVn0hを、スイッチ154(154D)で切り替えて、どの電圧ベクトルの時の値であるかが判るように、メモリーに記憶する。それらのメモリーの値に基づいて、位置演算器157(157D)にて、モータ4の回転子位置θdの演算を行う。
次に、位置演算器157(157D)での具体的な演算方法について説明する。
まず初めに、回転子位置θdと、中性点電位Vnの関係を説明する。中性点電位Vnは、式(1),(2)に示したように、各相のインダクタンスLu,Lv,Lwの値が磁石磁束の影響で、磁気飽和によって変わることで発生する。ここで、インダクタンスが下記の仮定で変化するものとする。
Lu = L0 - Kf・|Φu|
Lv = L0 - Kf・|Φv|
Lw = L0 - Kf・|Φw|………………(3)
上式において、L0:非飽和時のインダクタンス、Φu,Φv,Φw:各相の磁束量、Kf:係数、である。式(3)のように、インダクタンスを表現することで、磁束量に応じたインダクタンス変化を表現できる。また、各相の磁束量は、下記のように表すことができる。
Φu = Φm・cos(θd)+ Φi・cos(θi)
Φv = Φm・cos(θd−2π/3)+ Φi・cos(θi−2π/3)
Φw = Φm・cos(θd+2π/3)+ Φi・cos(θi+2π/3)………(4)
上式において、Φm:永久磁石磁束、θd:d軸位相、Φi:電流によって生じる磁束、θi:電流位相、である。式(4)を式(3)に代入し、式(1),(2)のように各電圧ベクトルにおける中性点電位の変化を計算すると、図13のようになる。尚、簡略化のため、式(4)におけるΦiは零とおいて計算した。
図13に示すように、各電圧ベクトルにおける中性点電位VnA〜VnFは、それぞれ回転子の位置θdに依存して変化することが判る。一つの電圧ベクトルにおける中性点電位では、位相(回転子位置)θdの特定は不可能であるが、最低2つあれば位相を特定できることが判る。ただし、回転子位相の一周期間に対して、中性点電位は2倍の周期で変化するため、位置の推定範囲は±90度の範囲となるが、これは原理上やむを得ない。
このような中性点電位の変化から、回転子位置θdを特定する方法を説明する。
図13において、中性点電位は、電圧ベクトル毎に複雑な変化を示しているが、6種類の中性点電位のうち、VnB,VnD,VnFの符号を反転すると、図14のような波形が得られる。これらの波形を見れば明らかなように、対称性のある三相交流波形となっていることが判る。この三相対称である特徴を活かして、回転子位置の位置推定を行う。
三相交流量Xu,Xv,Xwを三相二相変換(αβ変換)することを考える。三相二相変換式は、
Xa = (2/3)・{ Xu −(1/2)・Xv−(1/2)・Xw }
Xb = (2/3)・{ (√(3)/2)・Xv −(√(3)/2)・Xw } ……………(5)
で表すことができる。
例えば、3つの中性点電位VnA,VnB,VnCが得られた場合、図14より、
Xu = VnA、Xv = −VnB、Xw = VnC ……………(6)
として、式(5)に代入し、XaならびにXbを導出する。その結果より、
θdc = (1/2) arctan ( Xb / Xa ) ……………(7)
として、θdの演算値θdcを求めればよい。尚、式(7)中における“arctan”は、アークタンジェントの意味である。
また、中性点電位を2つのみ用いる場合は、三相交流と同様にして、1相分を演算で求めればよい。例えば、式(6)でVnAを用いない場合は、
Xv = −VnB、 Xw = VnC
Xu = −( Xv + Xw ) = VnB −VnC ……………(8)
として求めればよい。図15は、式(8)ならびに式(7)を用いて位相角θdcを演算した結果である。ほぼ正確に、回転子位置θdを演算できていることが判る。しかしながら、やや曲線的な変化となっているが、前もって、データテーブルを用意していけば、これらを補正することは可能である。
また、中性点電位を4つ(例えば、VnB,VnC,VnE,VnFの4つ)用いる場合は、
Xv = ( −VnB + VnE ) / 2
Xw = ( VnC − VnF ) / 2
Xu = −( Xv + Xw ) ……………(9)
として、求めればよい。上式にて、XvならびにXwは平均値を求めていることになる。実際の検出データは、中性点電位をある一瞬のタイミングの値として1点でサンプリングしているため、検出誤差の影響を受けやすい。それに対して、このように異なる電圧ベクトルで検出した値の平均値を採ることで、検出誤差の影響を排除することができる。平均化によって、中性点電位の検出誤差を低減することができるため、検出精度の向上が期待できる。
以上のような演算を、位置演算器157(157D)内部で行い、回転子位置を求めている。この結果、従来にない高精度での位置検出を実現できる。また、特許文献4における位置推定のためのテーブルデータは不要であり、どの瞬間のPWM条件であっても、回転子位置の推定演算が可能である。
(第6の実施の形態)
次に、本発明の第6の実施の形態について、図16〜17を用いて説明する。
実施形態5において、位置推定の詳細を説明した。その際、モータ内部の磁束として、巻線電流によって発生する磁束Φiを零という仮定(式(4)におけるΦiを零)としたが、実際には電流を流すことでΦiが発生し、それぞれの磁束量は変化する。その対策を施したのが、本実施形態である。
図16において、制御器2Eが本実施形態における制御器であり、この制御器2Eを、例えば、図1の実施形態における制御器2の代わりに用いることで、第6の実施形態を実現できる。
図16において、部品番号5,6a,6b,7〜17のものは、図1における制御器2のものと同じものである。図16の制御器2Eでは、加算器6f、ならびに位相補償器19が追加されている。
前述のように、モータに電流を流して位置推定器15にてθdcを演算すると、電流磁束の影響によって誤差が発生する。図17において、細線で示すのが、Id=0、Iq=100%の電流を流した条件で位相演算を行った例である。例えば、実際のθdが零度の時に、θdcは約30度となっている。しかし、この位相のずれは、電流値に依存するものであるため、位相補償器19を導入して、電流指令Id*,Iq*から予め補償位相δθiをデータテーブルとして用意しておけば補正が可能である。あるいは、Id*,Iq*の関数として、δθiを算出してもよい。位相補償器19よりδθiを出力し、それをθdcに加算器6fによって加算することで、位相のずれを補償することができる。その結果を図17に太線で示す。
このように、電流磁束による影響は、簡単な補償ブロックによって補正することが可能である。尚、位相補償量の演算には、電流指令だけでなく、電流の検出値を用いてもよいし、条件によってはトルク指令やトルク検出値を用いても問題ない。
(第7の実施の形態)
次に、本発明の第7の実施の形態について、図18〜20を用いて説明する。
これまでの実施形態の説明で、モータの中性点電位を用いての回転子位置の推定演算方法を明らかにした。実際の同期電動機の駆動システムでは、モータのトルクや回転数を制御する必要があるため、回転子位置情報以外にもモータの電流情報が必要になる。
モータの電流情報は、三相巻線に取り付けられた電流センサで検出するのが一般的であるが、装置の小型化、低コスト化、高信頼化のためには、相電流の検出を行わずに直流母線に備えたワンシャント電流検出器35(図1)から検出する手法がある。
ワンシャント電流検出器35には、瞬間的にモータの相電流が流れるため、サンプリングのタイミングを予めプログラミングすることで、モータの相電流の検出が可能である。これらの電流検出においても、電圧ベクトルの印加期間が重要となる。
第1〜6の実施形態では、これらの電流検出と、位置推定のための中性点電位検出とは、それぞれ独立したサンプル/ホールド回路(AD変換器)を備えて実施することを前提としていたが、制御器を実現するコントローラによっては、サンプル/ホールドの制約や、AD変換器の数が限られているものが殆どである。
本実施形態では、サンプル/ホールド回路を1個(ADコンバータも1個)という前提で、電流検出と中性点電位検出を交互に実施する方式について述べる。
図18において、制御器2Fが本実施形態における制御器であり、この制御器2Fを、例えば、図1の実施形態における制御器2の代わりに用いることで、第7の実施形態を実現できる。
図18において、部品番号5〜13、15〜17のものは、図1における制御器2のものと同じものである。図18の制御器2Fでは、アナログ検出部20が新たに加えられている。
アナログ検出部20の構成は、図19のようになっている。図において、アナログ検出部20は、アナログスイッチ201,サンプル/ホールド回路14c,ADコンバータ202,スイッチ203からなる。制御器2Fを具現化するマイコンとして、例えば、ADコンバータやサンプル/ホールド回路が1つずつしかないものを仮定している。
ワンシャント電流検出器35を流れる電流I0と、中性点電位Vn0をスイッチ201に入力し、どちらかを選択して、サンプル/ホールドし、ADコンバータ202にて量子化を行う。この結果をそれぞれ電流再現器11、あるいは位置推定器15へ出力する。これら電流I0と、中性点電位Vn0の処理は、時系列的に交互に行うものとする。例えば、図20に示すように、三角波キャリアの1周期間毎に、電流I0の検出、中性点電位Vn0の検出を交互に繰り返すようにしてもよい。また、それぞれの制御系の設定応答時間に応じて、これらの切り替える割合を変えてもよい。
尚、実際のマイコンの機能として、キャリアの半周期内で、アナログ値を2回、異なったタイミングで検出するのはかなり難しい。その場合は、複数個のサンプル/ホールド回路や、ADコンバータを併用する場合もある。よって、複数個のサンプル/ホールド回路とADコンバータを用いて、電流検出と位置情報の検出に交互に割り当てる方式としても問題ない。
このように、本発明の第7の実施形態を用いることで、機能が限定されたマイコンにおいても電流制御と位置推定の両立が可能であり、より低コストで、かつ、精度の高い同期電動機駆動システムを実現できる。
(第8の実施の形態)
次に、本発明の第8の実施の形態について、図21を用いて説明する。
本発明は、モータの中性点電位を用いての位置推定演算を行うものであり、それによって零速度から位置センサレス駆動が可能になるものである。この中性点電位を利用する方式は、高速駆動においても原理的には実現可能である。しかし、速度増加に伴って、中性点電位に高調波成分が発生する恐れがあり、それに起因した位置推定誤差が懸念される。中性点電位の速度誘起電圧には、モータ構造によっては多大な高調波が含まれる場合がある。そのようなモータの場合には、高速域に限って従来の速度誘起電圧を利用した手法を導入した方が、推定誤差の少ない位置センサレス駆動を実現できる。本実施形態は、それを具現化するものである。
図21において、制御器2Gが本実施形態における制御器であり、この制御器2Gを、例えば、図1の実施形態における制御器2の代わりに用いることで、第8の実施形態を実現できる。
図21において、部品番号5〜17のものは、図1における制御器2のものと同じものである。図21の制御器2Gでは、中高速位置推定器21、ならびに推定位相切り替えスイッチ22が新たに加えられている。
中高速位置推定器21では、モータ4への電圧指令であるVd*,Vq*ならびに電流検出値であるId,Iqに基づいて、モータ4の定数(インダクタンスや巻線抵抗)から、回転子位置θdを推定演算する。この具体的な手法は、これまで数多くの報告がなされているが、いずれの手法でも適用可能である。中高速位置推定器21からの出力θdc2と、中性点電位から計算した位相θdcとを、推定位相切り替えスイッチ22にて、速度に応じて切り替えを行う。両者を図のようにスイッチで切り替えることで、低速時は中性点電位に基づく方式、中高速は誘起電圧に基づく方式と、位置推定アルゴリズムを変更することが可能である。尚、図のようにスイッチで切り替えるのではなく、θdcとθdc2に重み付けをして、徐々に切り替えていくことも可能である。
以上のように、本実施形態によれば、低速域から中高速域までの広範囲に亘って、精度よく回転子位置の検出が可能となり、安定した動機電動機の駆動システムが実現できる。
(第9の実施の形態)
次に、本発明の第9の実施の形態について説明する。
図22は、本実施の形態に関わる同期電動機の駆動システムの実態図である。この図においては、同期電動機駆動システム23が一つのシステムとして、モータ4の内部にパッケージしている。このようにすべてを一体化することで、モータとインバータ間の配線をなくすことができる。図23に示すように、一体化された駆動システムの配線は、インバータ3への電源線と、回転数指令や動作状態を戻すなどの通信線のみとなる。
本発明では、モータ4の中性点電位を引き出す必要があるが、このようにモータと駆動回路部分を一体化することで、中性点電位の配線は容易となる。また、位置センサレスを実現できるために、一体化したシステムは極めてコンパクトにまとめ上げることができ、小型化を実現できる。
(第10の実施の形態)
次に、本発明の第10の実施の形態について説明する。
図23は、油圧駆動システムであり、自動車内部のトランスミッション油圧や、ブレーキ油圧などに用いられるものである。図23において、部品番号23は、図22における同期電動機駆動システムであり、モータにオイルポンプ24が取り付けられている。オイルポンプ24によって、油圧回路50の油圧を制御する。油圧回路50は、油を貯蔵するタンク51、油圧を設定値以下に保つリリーフバルブ52、油圧回路を切り替えるソレノイドバルブ53、油圧アクチュエータとして動作するシリンダ54で構成される。
オイルポンプ24は、同期電動機駆動システム23によって油圧を生成し、油圧アクチュエータであるシリンダ54を駆動する。油圧回路では、ソレノイドバルブ53により回路が切り替わることで、オイルポンプ24の負荷が変化し、同期電動機駆動システム23に負荷外乱が発生する。油圧回路では、定常状態の圧力に対し、数倍以上の負荷が加わることもあり、モータは停止してしまうことがある。しかし、本実施形態による同期電動機駆動システムでは、停止状態であっても回転子位置を推定可能であるため、何ら問題が生じない。これまでのセンサレスでは、中高速域以上でしか適用が難しかったため、リリーフバルブ52によってモータの多大な負荷となる油圧を逃がすことが必須であったが、本実施形態によれば、図24のように、リリーフバルブ52を排除することも可能である。すなわち、モータへの過大負荷を避けるための機械的な保護装置であるリリーフバルブなしで、油圧のコントロールが可能となる。
(第11の実施の形態)
次に、本発明の第11の実施の形態について説明する。
図25は、ルームエアコンやパッケージエアコンの空調システムであり、その室外機60を示したものである。空調システムの室外機60は、これまで説明した同期電動機の駆動システム(部品番号1〜4)を含み、圧縮機61やファンなどの部品から構成されている。この中で、圧縮機の動力源がモータであり、圧縮機内部に組み込まれている。
空調システムでは、年々効率の向上が進んでおり、定常状態においては、極低速で駆動して省エネを達成する必要がある。しかし、従来のセンサレス駆動では、中高速域に限られているため、極低速での駆動は困難であった。本実施形態による同期電動機駆動システムを用いることで、零速度からの正弦波駆動が実現可能であるため、空調機の高効率化(省エネ化)を実現できる。
(第12の実施の形態)
最後に、本発明の第12の実施の形態について説明する。
図26は、モータを用いた位置決め装置であり、その全体ブロック構成を示したものである。図26において、位置決め装置70がモータ4の負荷として接続されている。Iq*発生器1Hは、ここでは速度制御器として機能している。また、速度指令ωr*は、上位の制御ブロックである位置制御器71の出力として与えられている。減算器6gにて、実際の速度ωrとの比較を行い、その偏差が零になるように、Iq*が演算される。位置決め装置70は、例えばボールねじなどを利用した装置であり、所定の位置θ*に位置が制御されるように、位置制御器71によって調整される。位置センサとしては、位置決め装置70には取り付けられておらず、制御器2における位置推定値θdcをそのまま用いる。これによって、位置決め装置に位置センサを取り付ける必要はなく、位置制御を行うことが可能となる。
以上、本発明の実施の形態を具体的に説明したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは言うまでもない。
一例を挙げる。本発明では永久磁石モータ4の三相巻線接続点電位Vnを検出することが大前提となる。上述の説明では,中性点電位の検出のし易さから、仮想中性点回路34を基準電位を作成するために導入し、これと三相巻線接続点電位Vnとの差を導出している。しかし、永久磁石モータ4の三相巻線の接続点電位が検出できれば、基準電位はどこであっても問題ない。たとえば、直流電源31を等分圧した電位を基準としてもよいし、直流電源のグランド側を基準電位としても良い。その場合、オフセット分を差し引くことで同じ結果が得られる。
既述の通り、本発明は位置センサレスを前提としたモータ駆動システムを構築するための技術である。このモータの適用範囲は、ファン,ポンプ(油圧ポンプ,水ポンプ),圧縮機,スピンドルモータや,冷暖房機器,ディスクドライバなどの回転速度制御を初め、工作機械・産業機械における位置決め用途としても利用可能である。
1…Iq*発生器、2…制御器、3…インバータ、4…永久磁石モータ、5…Id*発生器、6a,6b…減算器、7…d軸電流制御器、8…q軸電流制御器、9…dq逆変換器、10…PWM発生器、11…電流再現器、12…dq変換器、13…中性点電位増幅器、14a,14b…サンプル/ホールド回路、15…位置推定器、16…速度演算器、17…パルスシフト器、31…直流電源、32…インバータ主回路、33…出力プリドライバ、34…仮想中性点回路、35…ワンシャント電流検出器。

Claims (17)

  1. 連続した正弦波状の交流電流を出力するインバータと,前記インバータに接続された三相同期電動機と,前記三相同期電動機の中性点電位に基づいて回転子位置情報を検出し、前記インバータに対してパルス幅変調信号を出力して前記インバータを制御する制御器を有する同期電動機の駆動システムにおいて,
    前記インバータのパルス幅変調動作として,各相のスイッチ状態が,すべて負,あるいはすべて正となる零ベクトル状態からスイッチ動作を行い,元の零ベクトル状態となるまでのキャリア周期中に,各相のスイッチ動作のタイミングをずらすことによって,前記零ベクトル以外のスイッチ状態を3または4種類作成し,これら3または4種類のスイッチ状態のうち少なくとも2種類のスイッチ状態における前記中性点電位をサンプリングし,
    前記制御器は,前記サンプリング値に基づき,前記三相同期電動機の回転子位置を推定することを特徴とする同期電動機の駆動システム。
  2. 請求項1において,前記キャリア周期内の各相のスイッチ動作が,第1の前記零ベクトル状態から,1相ずつ順に正のスイッチ状態に推移して,第2の前記零ベクトル状態に移行し,その後,正のスイッチ状態に移行した相から順番に負のスイッチ状態に移行することによって,前記キャリア周期内に4種類のスイッチ状態を作成し,再び元の前記第1の零ベクトルに移行することを特徴とする同期電動機の駆動システム。
  3. 請求項1において,前記インバータのパルス幅変調動作として,三相のうちのいずれか一相が常に正,あるいは常に負の状態を維持する期間を設け,この期間に残りの二相によってパルス幅変調を行い、これら2相のスイッチ動作のタイミングをずらすことによって,前記零ベクトル以外のスイッチ状態を3種類作成し,これら3種類のスイッチ状態のうち少なくとも2種類のスイッチ状態における前記中性点電位をサンプリングすることを特徴とする同期電動機の駆動システム。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて,前記キャリア周期内のスイッチ状態として,前記零ベクトル以外の3または4種類のスイッチ状態のうち,少なくとも2種類のスイッチ状態の期間に対して最小制限値を設け,該最小制限値を,前記中性点電位の変化時における初期変動が実質的に収束する期間以上に設定することを特徴とする同期電動機の駆動システム。
  5. 請求項1〜4のいずれかにおいて,前記パルス幅変調の方式は,前記三相同期電動機へ印加する三相電圧指令を演算し,これらの三相電圧指令に基づいてパルス幅変調動作を行うものであり,該パルス幅変調を行う際,前記三相電圧指令に電圧補償を加えて,前記各相のスイッチ動作のタイミングをずらすことを特徴とする同期電動機の駆動システム。
  6. 請求項1〜5のいずれかにおいて,前記中性点電位の少なくとも2種類以上のサンプリング値を三相交流信号として扱うことによって、前記回転子位置を推定することを特徴とする同期電動機の駆動システム。
  7. 請求項1〜6のいずれかにおいて,前記インバータの直流母線電流を検出する手段を備え,該直流母線電流のサンプリングを,前記中性点電位をサンプリングするタイミングと同様に,前記零ベクトル以外のスイッチ状態においてサンプリングし,前記中性点電位のサンプリングと,前記直流母線電流のサンプリングを,前記キャリアの一周期毎もしくは数周期毎に交互に実行し,前記回転子位置の推定とともに,前記直流母線電流を検出し,前記同期電動機の制御を行うことを特徴とする同期電動機の駆動システム。
  8. 前記同期電動機の停止状態を含む低速域において、請求項1〜7のいずれかによる前記中性点電位のサンプリングに基づく回転子位置を推定し,前記同期電動機の中高速領域では,前記同期電動機の誘導起電圧に基づき回転子位置を推定することを特徴とする同期電動機の駆動システム。
  9. 請求項1〜8のいずれかにおいて,前記同期電動機と,前記インバータと,前記制御器を一体化し,前記インバータと前記制御器の電源線および前記制御器への信号線を外部に引き出したことを特徴とする同期電動機の駆動システム。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の同期電動機の負荷として,水ポンプまたは油圧ポンプを備えたことを特徴とする同期電動機を用いたポンプ駆動システム。
  11. 請求項1〜9のいずれかに記載の同期電動機の負荷として,圧縮機を備えたことを特徴とする同期電動機を用いた圧縮機駆動システム。
  12. 請求項1〜9のいずれかに記載の同期電動機によって,物体を移動させ,該物体の位置を制御することを特徴とする位置決めシステム。
  13. 連続した正弦波状の交流電流を出力するインバータと、前記インバータに接続された三相同期電動機と、前記三相同期電動機の中性点電位に基づいて回転子位置情報を検出し、前記インバータに対してパルス幅変調信号を出力して前記インバータを制御する制御器を有する同期電動機の駆動システムにおいて、
    前記インバータのパルス幅変調動作として、各相のスイッチ状態を正から負および負から正にスイッチングするタイミングが、各相間で所定時間幅以内に近づかないように、1または2相の出力電圧パルスを時間的にシフトさせることを特徴とする同期電動機の駆動システム。
  14. 請求項13において、各相の出力電圧パルス幅を変更することなく各相の出力電圧パルスを時間的にシフトさせることを特徴とする同期電動機の駆動システム。
  15. 請求項13または14において、3相のうち2相の出力電圧パルスを時間的にシフトさせることを特徴とする同期電動機の駆動システム。
  16. 請求項13または14において、3相のうち1相の出力電圧パルスを時間的にシフトさせることを特徴とする同期電動機の駆動システム。
  17. 請求項13〜16のいずれかにおいて、三角波キャリアと三相電圧指令の比較によりPWMパルスを発生させるPWMパルス発生部を備え、前記三相電圧指令に、前記三角波キャリアの半周期毎に逆方向にバイアスをかけることにより、出力電圧パルスをシフトさせることを特徴とする同期電動機の駆動システム。
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