JP4918891B2 - 電動機付ターボチャージャ制御システム - Google Patents

電動機付ターボチャージャ制御システム Download PDF

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Description

本発明は、電動機付ターボチャージャ制御システムに関する。
近年、エンジンの過給器として、排気エネルギーを回収してエンジンへの過給気圧を高めるターボチャージャの回転軸に電動機を連結し、エンジンの運転状態に応じて電動機(例えば永久磁石同期モータ)を駆動することによりタービンの回転をアシストする電動機付ターボチャージャが注目されている。このような電動機付ターボチャージャに関する技術については、下記特許文献1〜5を参照されたい。
特開平6−257450号公報 特開平6−257451号公報 特開平6−257452号公報 特開平6−280593号公報 特開平5−98987号公報
ところで、永久磁石同期モータによるアシストの停止後、タービン単体のみでの駆動によって最高回転数に到達するまでの期間のモータフリーラン状態において、永久磁石同期モータの誘導起電力(EMF)がインバータに供給される直流電圧より高くなると、永久磁石同期モータからインバータへ電流が逆流するという回生現象(永久磁石同期モータが発電機として作用し、タービンの回転エネルギーを電気エネルギーに変換して電源側であるインバータに返す現象)が生じるため、タービンの回転にブレーキがかかることになる。このような回生現象は、モータアシスト回転数とアシスト停止後の最高回転数との差が大きい程顕著に発生する。
このような回生現象を防止するために、最高回転数において、永久磁石同期モータの誘導起電力がインバータの直流電圧を超えないように永久磁石同期モータを設計する必要がある。具体的には、誘導起電力はモータの鉄損とほぼ比例関係にあるので、最高回転数における誘導起電力がインバータの直流電圧以下となるように鉄損を小さくする一方、銅損を大きくして、モータ電流が大きくなるように設計する。しかしながら、このような大電流仕様で設計された永久磁石同期モータは、鉄損と銅損のバランスが崩れて銅損側にモータ損失が偏ってしまい、モータ効率が著しく低下するという問題があった。また、銅損を大きくするために巻線の巻数などを増やす必要があるので、モータ自体が大型化してしまい、コスト及び重量の増大、モータの設置スペースの確保などが大きな問題となっていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、電動機付ターボチャージャにおける電動機の回生現象を防止すると共に、電動機の高効率化及び小型化を図ることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では、電動機付ターボチャージャ制御システムに係る第1の解決手段として、エンジンに付設されたターボチャージャに、インバータによって駆動信号が供給されるアシスト用の電動機が連結された電動機付ターボチャージャの制御システムであって、前記電動機の回転状態を示す回転状態値を把握する回転状態把握手段と、前記回転状態把握手段によって把握された前記回転状態値が予め設定された回転状態設定値以上の値になった場合に、前記電動機の誘導起電力を弱める弱め界磁制御を行うためのインバータ制御信号を生成して前記インバータに出力する制御手段と、を具備し、
前記回転状態設定値は、前記電動機の誘導起電力が前記インバータの直流電圧と一致す
る場合における前記電動機の回転状態値に設定されている、ことを特徴とする。
また、電動機付ターボチャージャ制御システムに係る第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記電動機の回転状態値が、前記電動機によるアシストの停止を規定するアシスト回転状態値に到達した場合に、前記電動機の誘導起電力が前記インバータの直流電圧と一致するように前記電動機は設計されており、前記回転状態設定値は前記アシスト回転状態値に設定されていることを特徴とする。
また、電動機付ターボチャージャ制御システムに係る第3の解決手段として、上記第1または第2の解決手段において、前記電動機は、3相の駆動信号の供給を受けて駆動するセンサレス永久磁石同期モータであり、前記回転状態把握手段は、前記センサレス永久磁石同期モータの回転子の回転位置を検出し、当該回転位置を示す回転位置検出信号を出力する回転位置検出手段と、前記回転位置検出信号を微分処理することにより前記センサレス永久磁石同期モータの回転状態値として角速度を算出する速度算出手段と、を有し、前記制御手段は、前記速度算出手段にて算出された角速度が予め設定された角速度設定値以上の値になった場合に、前記電動機における電機子のq軸電流が零となり、且つd軸電流が前記電動機の誘導起電力を弱める方向に流れるように前記インバータ制御信号を生成して前記インバータに出力する、ことを特徴とする。
また、電動機付ターボチャージャ制御システムに係る第4の解決手段として、上記第3
の解決手段において、少なくとも2相の駆動信号線の各々に流れる電流を検出する電流検出手段を備え、前記制御手段は、上位制御装置から入力される角速度指令値と前記速度算出手段から入力される角速度算出値との差分値を基にq軸電流指令値を生成する速度制御手段と、前記q軸電流が零となるような基準q軸電流指令値を生成する基準q軸電流指令値生成手段と、前記速度制御手段が生成したq軸電流指令値と、前記基準q軸電流指令値生成手段が生成した基準q軸電流指令値とのいずれか一方を選択的に出力するスイッチと、前記電流検出手段によって検出された電流に基づいて、前記q軸電流及びd軸電流を検出する電機子軸電流検出手段と、前記速度算出手段から入力される角速度算出値が角速度設定値以上の値になった場合に、 前記基準q軸電流指令値が出力されるように前記スイッチを制御すると共に、d軸電流が前記電動機の誘導起電力を弱める方向に流れるようなd軸電流指令値を生成するd軸電流指令値生成手段と、前記d軸電流指令値生成手段にて生成されたd軸電流指令値と前記電機子軸電流検出手段から出力されるd軸電流検出値とを基に前記電機子のd軸電圧指令値を生成するd軸電流制御手段と、前記スイッチから出力されるq軸電流指令値または基準q軸電流指令値と前記電機子軸電流検出手段から出力されるq軸電流検出値とを基に前記電機子のq軸電圧指令値を生成するq軸電流制御手段と、前記d軸電圧指令値及びq軸電圧指令値を基に前記電動機の3相電圧操作量を生成する電圧操作量生成手段と、前記3相電圧操作量を基に、前記インバータ制御信号として前記インバータのスイッチングを制御するためのPWM信号を生成して前記インバータに出力するPWM信号生成手段と、を備えることを特徴とする。
また、電動機付ターボチャージャ制御システムに係る第5の解決手段として、上記第1
または第2の解決手段において、前記電動機は、3相の駆動信号の供給を受けて駆動するセンサレス永久磁石同期モータであり、前記回転状態把握手段は、少なくとも1相の駆動信号線の電圧を検出する電圧検出手段と、少なくとも2相の駆動信号線の各々に流れる電流を検出する電流検出手段と、前記電圧検出手段によって検出された電圧に基づいて前記センサレス永久磁石同期モータのアシスト停止時における回転状態値を検出する回転状態検出手段と、前記電流検出手段によって検出された電流に基づいて前記センサレス永久磁石同期モータによるアシスト時における回転状態値を推定する回転状態推定手段と、前記アシスト停止時に前記回転状態検出手段が検出した回転状態値を選択する一方、前記アシスト時には前記回転状態推定手段が推定した回転状態値を選択して出力する出力選択手段と、を有し、前記制御手段は、前記出力選択手段から出力された回転状態値が予め設定された回転状態設定値以上の値になった場合に、前記電動機における電機子のq軸電流が零となり、且つd軸電流が前記電動機の誘導起電力を弱める方向に流れるように前記インバータ制御信号を生成して前記インバータに出力する、ことを特徴とする。
また、電動機付ターボチャージャ制御システムに係る第6の解決手段として、上記第1
または第2の解決手段において、前記電動機は、3相の駆動信号の供給を受けて駆動するセンサレス永久磁石同期モータであり、前記回転状態把握手段は、少なくとも1相の駆動信号線の電圧を検出する電圧検出手段と、前記インバータに供給される電源電流を検出する電源電流検出手段と、前記電圧検出手段によって検出された電圧に基づいて前記センサレス永久磁石同期モータのアシスト停止時における回転状態値を検出する回転状態検出手段と、前記電源電流検出手段によって検出された電源電流に基づいて前記センサレス永久磁石同期モータによるアシスト時における回転状態値を推定する回転状態推定手段と、前記アシスト停止時に前記回転状態検出手段が検出した回転状態値を選択する一方、前記アシスト時には前記回転状態推定手段が推定した回転状態値を選択して出力する出力選択手段と、を有し、前記制御手段は、前記出力選択手段から出力された回転状態値が予め設定された回転状態設定値以上の値になった場合に、前記電動機における電機子のq軸電流が零となり、且つd軸電流が前記電動機の誘導起電力を弱める方向に流れるように前記インバータ制御信号を生成して前記インバータに出力する、ことを特徴とする。
また、電動機付ターボチャージャ制御システムに係る第7の解決手段として、上記第1
または第2の解決手段において、前記電動機は、3相の駆動信号の供給を受けて駆動するセンサレス永久磁石同期モータであり、前記回転状態把握手段は、少なくとも1相の駆動信号線の電圧を検出する電圧検出手段と、前記インバータのスイッチアームに流れるアーム電流を検出するアーム電流検出手段と、前記電圧検出手段によって検出された電圧に基づいて前記センサレス永久磁石同期モータのアシスト停止時における回転状態値を検出する回転状態検出手段と、前記アーム電流検出手段によって検出されたアーム電流に基づいて前記センサレス永久磁石同期モータによるアシスト時における回転状態値を推定する回転状態推定手段と、前記アシスト停止時に前記回転状態検出手段が検出した回転状態値を選択する一方、前記アシスト時には前記回転状態推定手段が推定した回転状態値を選択して出力する出力選択手段と、を有し、前記制御手段は、前記出力選択手段から出力された回転状態値が予め設定された回転状態設定値以上の値になった場合に、前記電動機における電機子のq軸電流が零となり、且つd軸電流が前記電動機の誘導起電力を弱める方向に流れるように前記インバータ制御信号を生成して前記インバータに出力する、ことを特徴とする。
また、電動機付ターボチャージャ制御システムに係る第8の解決手段として、上記第5
の解決手段において、前記回転状態推定手段は、前記電流検出手段によって検出された電
流に基づいて前記q軸電流及びd軸電流を検出する電機子軸電流検出手段と、前記電機子
軸電流検出手段から出力されるq軸電流検出値及びd軸電流検出値に基づいて前記回転状
態値を推定する推定手段と、を備え、前記制御手段は、上位制御装置から入力される回転
状態指令値と前記推定手段から出力される回転状態値との差分値を基にq軸電流指令値を
生成する速度制御手段と、前記q軸電流が零となるような基準q軸電流指令値を生成する
基準q軸電流指令値生成手段と、前記速度制御手段が生成したq軸電流指令値と、前記基
準q軸電流指令値生成手段が生成した基準q軸電流指令値とのいずれか一方を選択的に出
力するスイッチと、前記出力選択手段から出力される回転状態値が回転状態設定値以上の
値になった場合に、 前記基準q軸電流指令値が出力されるように前記スイッチを制御す
ると共に、d軸電流が前記電動機の誘導起電力を弱める方向に流れるようなd軸電流指令
値を生成するd軸電流指令値生成手段と、前記d軸電流指令値生成手段にて生成されたd
軸電流指令値と前記電機子軸電流検出手段から出力されるd軸電流検出値とを基に前記電
機子のd軸電圧指令値を生成するd軸電流制御手段と、前記スイッチから出力されるq軸
電流指令値または基準q軸電流指令値と前記電機子軸電流検出手段から出力されるq軸電
流検出値とを基に前記電機子のq軸電圧指令値を生成するq軸電流制御手段と、前記d軸
電圧指令値及びq軸電圧指令値を基に前記電動機の3相電圧操作量を生成する電圧操作量
生成手段と、前記3相電圧操作量を基に、前記インバータ制御信号として前記インバータ
のスイッチングを制御するためのPWM信号を生成して前記インバータに出力するPWM
信号生成手段と、を備えることを特徴とする。
また、電動機付ターボチャージャ制御システムに係る第9の解決手段として、上記第6
の解決手段において、前記回転状態推定手段は、前記電源電流検出手段によって検出され
た電源電流を少なくとも2相の駆動信号線の各々に流れる電流に変換する電流変換手段と、
前記電流変換手段によって変換された電流に基づいて前記q軸電流及びd軸電流を検出す
る電機子軸電流検出手段と、前記電機子軸電流検出手段から出力されるq軸電流検出値及
びd軸電流検出値に基づいて前記回転状態値を推定する推定手段と、を備え、前記制御手
段は、上位制御装置から入力される回転状態指令値と前記推定手段から出力される回転状
態値との差分値を基にq軸電流指令値を生成する速度制御手段と、前記q軸電流が零とな
るような基準q軸電流指令値を生成する基準q軸電流指令値生成手段と、前記速度制御手
段が生成したq軸電流指令値と、前記基準q軸電流指令値生成手段が生成した基準q軸電
流指令値とのいずれか一方を選択的に出力するスイッチと、前記出力選択手段から出力さ
れる回転状態値が回転状態設定値以上の値になった場合に、前記基準q軸電流指令値が出
力されるように前記スイッチを制御すると共に、d軸電流が前記電動機の誘導起電力を弱
める方向に流れるようなd軸電流指令値を生成するd軸電流指令値生成手段と、前記d軸
電流指令値生成手段にて生成されたd軸電流指令値と前記電機子軸電流検出手段から出力
されるd軸電流検出値とを基に前記電機子のd軸電圧指令値を生成するd軸電流制御手段
と、前記スイッチから出力されるq軸電流指令値または基準q軸電流指令値と前記電機子
軸電流検出手段から出力されるq軸電流検出値とを基に前記電機子のq軸電圧指令値を生
成するq軸電流制御手段と、前記d軸電圧指令値及びq軸電圧指令値を基に前記電動機の
3相電圧操作量を生成する電圧操作量生成手段と、前記3相電圧操作量を基に、前記イン
バータ制御信号として前記インバータのスイッチングを制御するためのPWM信号を生成
して前記インバータに出力するPWM信号生成手段と、を備えることを特徴とする。
また、電動機付ターボチャージャ制御システムに係る第10の解決手段として、上記第
7の解決手段において、前記回転状態推定手段は、前記アーム電流検出手段によって検出されたアーム電流を少なくとも2相の駆動信号線の各々に流れる電流に変換する電流変換手段と、前記電流変換手段によって変換された電流に基づいて前記q軸電流及びd軸電流を検出する電機子軸電流検出手段と、前記電機子軸電流検出手段から出力されるq軸電流検出値及びd軸電流検出値に基づいて前記回転状態値を推定する推定手段と、を備え、前記制御手段は、上位制御装置から入力される回転状態指令値と前記推定手段から出力される回転状態値との差分値を基にq軸電流指令値を生成する速度制御手段と、前記q軸電流が零となるような基準q軸電流指令値を生成する基準q軸電流指令値生成手段と、前記速度制御手段が生成したq軸電流指令値と、前記基準q軸電流指令値生成手段が生成した基準q軸電流指令値とのいずれか一方を選択的に出力するスイッチと、前記出力選択手段から出力される回転状態値が回転状態設定値以上の値になった場合に、 前記基準q軸電流指令値が出力されるように前記スイッチを制御すると共に、d軸電流が前記電動機の誘導起電力を弱める方向に流れるようなd軸電流指令値を生成するd軸電流指令値生成手段と、前記d軸電流指令値生成手段にて生成されたd軸電流指令値と前記電機子軸電流検出手段から出力されるd軸電流検出値とを基に前記電機子のd軸電圧指令値を生成するd軸電流制御手段と、前記スイッチから出力されるq軸電流指令値または基準q軸電流指令値と前記電機子軸電流検出手段から出力されるq軸電流検出値とを基に前記電機子のq軸電圧指令値を生成するq軸電流制御手段と、前記d軸電圧指令値及びq軸電圧指令値を基に前記電動機の3相電圧操作量を生成する電圧操作量生成手段と、前記3相電圧操作量を基に、前記インバータ制御信号として前記インバータのスイッチングを制御するためのPWM信号を生成して前記インバータに出力するPWM信号生成手段と、を備えることを特徴とする。
また、電動機付ターボチャージャ制御システムに係る第11の解決手段として、上記第
5〜第10の解決手段において、前記電圧検出手段は、1相の駆動信号線の電圧を検出し、前記回転状態検出手段は、前記1相の駆動信号線の電圧のゼロクロス点に基づいて前記センサレス永久磁石同期モータの回転状態値を検出する、ことを特徴とする。
また、電動機付ターボチャージャ制御システムに係る第12の解決手段として、上記第
5〜第10の解決手段において、前記電圧検出手段は、2相の駆動信号線の各々の電圧を検出し、前記回転状態検出手段は、前記2相の駆動信号線の各々の電圧の差分に基づいて前記センサレス永久磁石同期モータの回転状態値を検出する、ことを特徴とする。
本発明では、電動機の回転状態値が予め設定された回転状態設定値以上の値になった場合に、前記電動機の誘導起電力を弱める弱め界磁制御を行うためのインバータ制御信号を生成して前記インバータに出力する。これにより、電動機からインバータへの電流の逆流は発生せず、回生現象を防止することができ、電動機の設計自由度が増すことになる。つまり、鉄損を大きくする一方、銅損を小さくしてモータ効率の高い小電流仕様で電動機を設計することも可能である。従って、本発明によると、電動機付ターボチャージャにおける電動機の回生現象を防止すると共に、電動機の高効率化及び小型化を図ることが可能である。
さらに、電動機の回転状態値が、電動機によるアシストの停止を規定するアシスト回転状態値に到達した場合に、電動機の誘導起電力がインバータの直流電圧と一致するように電動機を設計し、回転状態設定値はアシスト回転状態値に設定することが好ましい。このように電動機を設計し、回転状態設定値をアシスト回転状態値に設定することにより、電動機の高効率化及び小型化の効果を最大限に得ることができる。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態に係る電動機付ターボチャージャ制御システムの構成ブロック図である。この図1に示すように、第1実施形態に係る電動機付ターボチャージャ制御システムは、電動機付きターボチャージャ1、モータ駆動部2、U相電流センサ3、V相電流センサ4、W相電流センサ5、インバータ制御部6及び速度算出器7から構成されている。
電動機付きターボチャージャ1は、永久磁石同期モータ1a、回転位置センサ1b、タービン1c及びコンプレッサ1dから構成されており、モータ駆動部2は、直流電源2a、昇圧回路2b、平滑コンデンサ2c及びインバータ2dから構成されている。永久磁石同期モータ(電動機)1aは、電機子の回転状態(回転位置、回転速度、回転数等)を検出するセンサを具備しないセンサレスタイプの永久磁石同期モータであり、タービン1cの回転軸と同軸上に連結され、インバータ2dから供給される3相(U相、V相、W相)のモータ駆動信号によって回転駆動し、タービン1cの回転を補助(アシスト)する。
回転位置センサ(回転位置検出手段)1bは、永久磁石同期モータ1aの電機子の回転位置を検出し、当該回転位置を示す回転位置検出信号θを速度算出器7に出力する。より詳細には、この回転位置センサ1bは、電機子の磁力をホール素子で検出し、電機子の1回転毎に1パルス(N極の位置を示すパルス)となるパルス信号を出力する。タービン1cとコンプレッサ1dは同軸上に連結されてターボチャージャを構成しており、図示しないエンジンの排気エネルギーを利用してタービン1cを回転させることにより、コンプレッサ1dを回転させて吸入空気をエンジンに過給するものである。
直流電源2aは、1あるいは複数のバッテリを直列接続したものであり、所定の直流電源電圧を昇圧回路2bに出力する。昇圧回路2bは、例えばDC/DCコンバータであり、直流電源2aから供給された直流電源電圧を昇圧してインバータ2dに供給する。平滑コンデンサ2cは、インバータ2dに供給される直流電圧を平滑化させるために設けられたものである。インバータ2dは、インバータ制御部6から供給されるPWM信号に基づいて昇圧回路2bから供給された直流電圧をスイッチングすることにより、U相、V相及びW相からなる3相のモータ駆動信号を生成して永久磁石同期モータ1aに供給する。
U相電流センサ(電流検出手段)3は、U相駆動信号線に流れるモータ駆動電流Iuを検出してインバータ制御部6に出力する。V相電流センサ(電流検出手段)4は、V相駆動信号線に流れるモータ駆動電流Ivを検出してインバータ制御部6に出力する。W相電流センサ(電流検出手段)5は、W相駆動信号線に流れるモータ駆動電流Iwを検出してインバータ制御部6に出力する。
インバータ制御部6は、図示するように、減算器6a、速度制御器6b、基準q軸電流指令値生成部6c、スイッチ6d、d軸電流指令値生成部6e、d軸電流制御器6f、q軸電流制御器6g、3相/2相変換器6h、2相/3相変換器6i及びPWM(Pulse Width Modulation)信号発生器6jから構成されている。
減算器6aは、上位制御装置であるエンジン制御装置(ECU)から供給される角速度指
令値ωと速度算出器7から出力される角速度算出値ωkとの差分を速度誤差Δωとし
て演算し速度制御器6bに出力する。速度制御器(速度制御手段)6bは、一種のPID
制御器であり、上記速度誤差Δωに所定の比例積分・微分演算を施すことにより速度
誤差Δωに対応するq軸電流指令値Iqsを演算してスイッチ6dに出力する。
基準q軸電流指令値生成部(基準q軸電流指令値生成手段)6cは、永久磁石同期モー
タ1aにおける電機子のq軸電流が零となるような基準q軸電流指令値Iqoを生成してスイッチ6dに出力する。スイッチ6dは、d軸電流指令値生成部6eの制御の下、上記q軸電流指令値Iqsと基準q軸電流指令値Iqoとのいずれか一方を選択的にq軸電流制御器6gに出力する。
d軸電流指令値生成部(d軸電流指令値生成手段)6eは、速度算出器7から出力され
る角速度算出値ωkを入力とし、上記角速度算出値ωkが予め設定された角速度設定値ωs以上の値になった場合、永久磁石同期モータ1aの弱め界磁制御を行うために、基準q軸電流指令値Iqoが出力されるようにスイッチ6dを制御すると共に、所定の演算式を基に永久磁石同期モータ1aにおける電機子のd軸電流が永久磁石同期モータ1aの誘導起電力(EMF)を弱める方向に流れるようなd軸電流指令値Idsを算出してd軸電流制御器6fに出力する。また、このd軸電流指令値生成部6eは、上記角速度算出値ωkが予め設定された角速度設定値未満の値である場合、弱め界磁制御を行わず、q軸電流指令値Iqsが出力されるようにスイッチ6dを制御すると共に、角速度算出値ωk、つまり永久磁石同期モータ1aの回転状態に応じたd軸電流指令値Idsをd軸電流制御器6fに出力する。
d軸電流制御器(d軸電流制御手段)6fは、d軸電流指令値生成部6eから入力されるd軸電流指令値Idsと、3相/2相変換器6hから入力されるd軸電流検出値Idとに基づいてd軸電流指令値Idsに対応するd軸電圧指令値Vdを演算して2相/3相変換器6iに出力する。q軸電流制御器(q軸電流制御手段)6gは、スイッチ6dから入力されるq軸電流指令値Iqsまたは基準q軸電流指令値Iqoと、3相/2相変換器6hから入力されるq軸電流検出値Iqとに基づいて、q軸電流指令値Iqsまたは基準q軸電流指令値Iqoに対応するq軸電圧指令値Vqを演算して2相/3相変換器6iに出力する。これらd軸電流制御器6f及びq軸電流制御器6gは、一種のPID制御器であり、各電流指令値Iqs,Idsに所定の比例積分・微分演算を各々施すことにより各電圧指令値Vq,Vdを生成する。
3相/2相変換器(電機子軸電流検出手段)6hは、U相電流センサ3、V相電流センサ4、W相電流センサ5によって各々検出されたU相、V相、W相のモータ駆動電流Iu、Iv、Iwに基づいて永久磁石同期モータ1aの電機子上に設定された2次元座標系(q軸とd軸とからなる座標系)におけるq軸電流検出値Iqとd軸電流検出値Idを生成し、
q軸電流検出値Iqをq軸電流制御器6gに出力し、d軸電流検出値Idをd軸電流制御器6fに出力する。より詳細には、3相/2相変換器6hは、U相、V相及びW相からなる3次元座標系上のモータ駆動電流Iu、Iv、Iwに所定の座標変換を施すことにより上記2次元座標系上のq軸電流検出値Iqとd軸電流検出値Idを求める。上記q軸は、電機子の回転面上において永久磁石のS極とN極との対向方向に設定された座標軸であり、d軸は、上述したq軸に直交する座標軸である。
2相/3相変換器(電圧操作量生成手段)6iは、d軸電流制御器6fから入力された上記d軸に対応するd軸電圧指令値Vd及びq軸電流制御器6gから入力された上記q軸に対応するq軸電圧指令値Vqを、U相、V相及びW相からなる3次元座標系上の3相電圧操作量Vu,Vv,Vwに変換し、当該3相電圧操作量Vu,Vv,VwをPWM信号発生器6jに出力する。
PWM信号発生器(PWM信号生成手段)6jは、上記3相電圧操作量Vu,Vv,Vwに基づいてインバータ2dをスイッチング動作させるためのPWM信号(インバータ制御信号)を生成してインバータ2dに出力する。インバータ制御部6は正弦波通電方式に基づいて動作するものであり、したがってPWM信号発生器6jは、インバータ2dが永久磁石同期モータ1aの全回転角(360°)に亘ってモータ駆動信号を出力するようにPWM信号を出力する。
速度算出器(速度算出手段)7は、回転位置センサ1bから入力される回転位置検出信号θを微分処理することにより、永久磁石同期モータ1aの回転状態値として角速度を算出し、角速度算出値ωk(直流電圧)を減算器6a、d軸電流指令値生成部6e及びECUに出力する。なお、この速度算出器7と回転位置センサ1bは、本発明における回転状態把握手段を構成するものである。
ここで、角速度設定値ωsは、永久磁石同期モータ1aによるアシストの停止を規定す
るアシスト回転数に応じた角速度(アシスト角速度)に設定されている。そして、永久磁石同期モータ1aの角速度が、上記アシスト角速度に到達した場合に、永久磁石同期モータ1aの誘導起電力(EMF)がインバータ2dの直流電圧と一致するように、永久磁石同期モータ1aは設計されている。このように永久磁石同期モータ1aを設計することが可能になったのは、永久磁石同期モータ1aの回転状態(本実施形態では角速度)に応じて永久磁石同期モータ1aの誘導起電力を弱める弱め界磁制御を行うためのPWM信号を生成してインバータ2dに出力するインバータ制御部6を設けたためであり、このように設計することにより、電動機付ターボチャージャ1における永久磁石同期モータ1aの回生現象を防止すると共に、永久磁石同期モータ1aの高効率化及び小型化を図ることが可能となる。以下、このような効果が得られる理由について、図2及び図3を参照して説明する。
図2において、横軸は永久磁石同期モータ1aのモータ回転数を示し、縦軸は永久磁石同期モータ1aの誘導起電力(EMF)を示しており、また、符号100は従来技術におけるモータ回転数−EMF特性を示し、符号200は、本実施形態におけるモータ回転数−EMF特性を示している。また、図3において、横軸はモータ駆動電流を示し、縦軸はモータ損失(鉄損及び銅損)とモータ効率を示しており、符号300は鉄損−モータ駆動電流特性を示し、符号400は銅損−モータ駆動電流特性を示し、符号500はモータ効率−モータ駆動電流特性を示している。
図2の符号100に示すように、従来技術では、永久磁石同期モータによるアシストの停止後、タービン単体のみでの駆動によって最高回転数に到達するまでの期間のモータフリーラン状態において、永久磁石同期モータの誘導起電力(EMF)がインバータの直流電圧より高くなると、永久磁石同期モータからインバータへ電流が逆流するという回生現象が生じるため、最高回転数において、永久磁石同期モータの誘導起電力がインバータの直流電圧を超えないように永久磁石同期モータを設計する必要がある。この場合、誘導起電力はモータの鉄損とほぼ比例関係にあるので、図3に示すように、最高回転数における誘導起電力がインバータの直流電圧以下となるように鉄損(誘導起電力)を小さくする一方、銅損を大きくして、モータ駆動電流が大きくなるように設計することになる。しかしながら、このような大電流仕様で設計された永久磁石同期モータは、鉄損と銅損のバランスが崩れて銅損側にモータ損失が偏ってしまい、モータ効率が著しく低下し、また、銅損を大きくするために巻線の巻数などを増やす必要があるので、モータ自体が大型化するという問題があった。
これに対し、本実施形態では、永久磁石同期モータ1aの回転数(角速度)に応じて弱め界磁制御を行うことのできるインバータ制御部6を設けたことにより、永久磁石同期モータ1aの角速度が、回生現象が発生する角速度、つまり永久磁石同期モータ1aの誘導起電力がインバータ2dの直流電圧と一致する角速度(角速度設定値ωs)以上の値になった場合に、永久磁石同期モータ1aの誘導起電力を弱める弱め界磁制御を行うためのPWM信号を生成してインバータ2dに出力することが可能となった。これにより、インバータ2dから永久磁石同期モータ1aの誘導起電力を弱めるモータ駆動信号が供給されるので、永久磁石同期モータ1aの回生現象は発生せず、永久磁石同期モータ1aの設計自由度が増すことになる。
そこで、本実施形態では、図2の符号200に示すように、永久磁石同期モータ1aの回転数(角速度)が、永久磁石同期モータ1aによるアシストの停止を規定するアシスト回転数(アシスト角速度)に到達した場合に、永久磁石同期モータ1aの誘導起電力がインバータ2dの直流電圧と一致するように永久磁石同期モータ1aを設計し、角速度設定値ωsを上記アシスト角速度に設定した。つまり、従来技術(符号100)と比較すると、同じ回転数において本実施形態の方が誘導起電力を大きくする方向に設計を行うことになる。従って、図3に示すように、本実施形態では、鉄損を大きくする一方、銅損を小さくして小電流仕様で永久磁石同期モータ1aを設計することができ、永久磁石同期モータ1aの高効率化及び小型化を図ることが可能となる。
次に、このように構成された第1実施形態に係る電動機付ターボチャージャ制御システムの動作について図2を参照して説明する。
<アシスト時>
まず、図2に示すアシスト時において、インバータ制御部6は、エンジン制御装置(ECU)から入力される動作指示信号Jによってアシスト指示を受けると、モータ駆動部2を動作させることによって永久磁石同期モータ1aの駆動を行う。
具体的には、モータ駆動信号が各相の駆動信号線を介してインバータ2dから永久磁石同期モータ1aに供給され、永久磁石同期モータ1aが回転駆動される。永久磁石同期モータ1aが回転すると、回転位置センサ1bから回転位置検出信号θが速度算出器7に出力され、速度算出器7から継続的に角速度算出値ωkが減算器6a、d軸電流指令値生成部6e及びECUに出力される。
そして、3相/2相変換器6hは、U相電流センサ3、V相電流センサ4、W相電流センサ5によって各々検出されたU相、V相、W相のモータ駆動電流Iu、Iv、Iwに基づいてq軸電流検出値Iqとd軸電流検出値Idを生成し、d軸電流検出値Idをd軸電流制御器6fに出力し、q軸電流検出値Iqをq軸電流制御器6gに出力する。
この時、d軸電流指令値生成部6eは、上記角速度算出値ωkが予め設定された角速度設定値未満の値であるので、弱め界磁制御を行わず、q軸電流指令値Iqsが出力されるようにスイッチ6dを制御すると共に、角速度算出値ωkに応じたd軸電流指令値Idsをd軸電流制御器6fに出力する。ここで、上記d軸電流指令値Idsは「0」に設定される。
減算器6aは、ECUから入力される角速度指令値ωと速度算出器7から入力される角速度算出値ωkとの差分を速度誤差Δωとして演算し速度制御器6bに出力する。速度制御器6bは、速度誤差Δωに所定の比例積分・微分演算を施すことにより速度誤差Δωに対応するq軸電流指令値Iqsを演算してスイッチ6dに出力する。スイッチ6dは、q軸電流指令値Iqsをq軸電流制御器6gに出力する。そして、d軸電流制御器6fは、d軸電流指令値Idsとd軸電流検出値Idとに基づいてd軸電流指令値Idsに対応するd軸電圧指令値Vdを演算して2相/3相変換器6iに出力する。一方、q軸電流制御器6gは、q軸電流指令値Iqsとq軸電流検出値Iqとに基づいてq軸電流指令値Iqsに対応するq軸電圧指令値Vqを演算して2相/3相変換器6iに出力する。
2相/3相変換器6iは、d軸電流制御器6fから入力された上記d軸に対応するd軸電圧指令値Vd及びq軸電流制御器6gから入力された上記q軸に対応するq軸電圧指令値Vqを、U相、V相及びW相からなる3次元座標系上の3相電圧操作量Vu,Vv,Vwに変換し、当該3相電圧操作量Vu,Vv,VwをPWM信号発生器6jに出力する。PWM信号発生器6jは、上記3相電圧操作量Vu,Vv,Vwに基づいてインバータ2dをスイッチング動作させるためのPWM信号を生成してインバータ2dに出力する。これにより、インバータ2dはモータ駆動信号を生成して永久磁石同期モータ1aに供給し、永久磁石同期モータ1aのモータ回転数は時間経過に伴い増加していくことになる。
<アシスト停止時>
そして、図2に示すように、角速度算出値ωkがアシスト角速度に設定された角速度設定値ωs以上の値になった場合、d軸電流指令値生成部6eは、弱め界磁制御を行うために、基準q軸電流指令値Iqoが出力されるようにスイッチ6dを制御すると共に、下記演算式(1)を用いて永久磁石同期モータ1aにおける電機子のd軸電流が永久磁石同期モータ1aの誘導起電力(EMF)を弱める方向に流れるようなd軸電流指令値Idsを算出してd軸電流制御器6fに出力する。なお、下記演算式(1)において、φmは永久磁石による電機子鎖交磁束数、Ldはd軸インダクタンス、Vomは最大誘導起電力であり、これらは定数である。
Ids=(−φm+Vom/ωk)/Ld ・・・・・・・・(1)
d軸電流制御器6fは、上記演算式(1)を用いて算出されたd軸電流指令値Idsと d軸電流検出値Idとに基づいてd軸電流指令値Idsに対応するd軸電圧指令値Vdを演算して2相/3相変換器6iに出力する。一方、q軸電流制御器6gは、基準q軸電流指令値Iqoとq軸電流検出値Iqとに基づいて基準q軸電流指令値Iqo(つまり零)に対応するq軸電圧指令値Vqを演算して2相/3相変換器6iに出力する。
2相/3相変換器6iは、d軸電流制御器6fから入力された上記d軸に対応するd軸電圧指令値Vd及びq軸電流制御器6gから入力された上記q軸に対応するq軸電圧指令値Vqを、U相、V相及びW相からなる3次元座標系上の3相電圧操作量Vu,Vv,Vwに変換し、当該3相電圧操作量Vu,Vv,VwをPWM信号発生器6jに出力する。PWM信号発生器6jは、上記3相電圧操作量Vu,Vv,Vwに基づいてインバータ2dをスイッチング動作させるためのPWM信号を生成してインバータ2dに出力する。
インバータ2dは、PWM信号に基づいて、永久磁石同期モータ1aの電機子においてq軸電流は流れず、d軸電流のみが誘導起電力(EMF)を弱める方向に流れるようなモータ駆動信号を生成して永久磁石同期モータ1aに供給する。ここで、インバータ2dは永久磁石同期モータ1aに対して無効電力のみを供給することになるので、永久磁石同期モータ1aは回転を停止する(アシスト停止)。これにより、アシスト停止時において、永久磁石同期モータ1aは弱め界磁制御されることになり、永久磁石同期モータ1aの誘導起電力はインバータ2dの直流電圧以上の値とはならず、その結果、回生現象は発生しない。
以上説明したように、第1実施形態に係る電動機付ターボチャージャ制御システムによると、電動機付ターボチャージャにおける永久磁石同期モータ1aの回生現象を防止すると共に、永久磁石同期モータ1aの高効率化及び小型化を図ることが可能である。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図4は、第2実施形態に係る電動機付ターボチャージャ制御システムの構成ブロック図である。なお、図4において、図1と同様の構成要素には同一符号を付している。
図4に示すように、第2実施形態に係る電動機付ターボチャージャ制御システムは、第1実施形態と比較して、回転位置センサ1b、W相電流センサ5及び速度算出器7を削除し、インバータ制御部6を構成が異なるインバータ制御部8と置き換え、回転状態推定部9、電圧センサ10、速度検出部11、出力スイッチ12を新たに設けた構成となっている。
インバータ制御部8は、減算器8a、速度制御器8b、基準q軸電流指令値生成部8c、スイッチ8d、d軸電流指令値生成部8e、d軸電流制御器8f、q軸電流制御器8g、2相/3相変換器8h及びPWM信号発生器8iから構成されている。
減算器8aは、上位制御装置であるエンジン制御装置(ECU)から供給される角速度指
令値ωと、回転状態推定部9のロータ位置・速度推定器9bから出力される角速度推定
値ωeとの差分を速度誤差Δωとして演算し速度制御器8bに出力する。速度制御器8
bは、一種のPID制御器であり、上記速度誤差Δωに所定の比例積分・微分演算を施
することにより速度誤差Δωに対応するq軸電流指令値Iqsを演算してスイッチ8dに
出力する。
基準q軸電流指令値生成部8cは、永久磁石同期モータ1aにおける電機子のq軸電流
が零となるような基準q軸電流指令値Iqoを生成してスイッチ8dに出力する。スイッチ8dは、d軸電流指令値生成部8eの制御の下、上記q軸電流指令値Iqsと基準q軸電流指令値Iqoとのいずれか一方を選択的にq軸電流制御器8gに出力する。
d軸電流指令値生成部8eは、出力スイッチ12から出力される角速度信号ωを入力
とし、上記角速度信号ωが予め設定された角速度設定値ωs以上の値になった場合、弱め界磁制御を行うために、基準q軸電流指令値Iqoが出力されるようにスイッチ8dを制御すると共に、上記演算式(1)を基に永久磁石同期モータ1aにおける電機子のd軸電流が永久磁石同期モータ1aの誘導起電力(EMF)を弱める方向に流れるようなd軸電流指令値Idsを算出してd軸電流制御器8fに出力する。また、このd軸電流指令値生成部8eは、上記角速度信号ωが予め設定された角速度設定値未満の値である場合、弱め界磁制御を行わず、q軸電流指令値Iqsが出力されるようにスイッチ8dを制御すると共に、角速度信号ω、つまり永久磁石同期モータ1aの回転状態に応じたd軸電流指令値Idsをd軸電流制御器8fに出力する。
d軸電流制御器8fは、d軸電流指令値生成部8eから入力されるd軸電流指令値Idsと、回転状態推定部9の座標変換器9aから入力されるd軸電流検出値Idとに基づいてd軸電流指令値Idsに対応するd軸電圧指令値Vdを演算して2相/3相変換器8h及び回転状態推定部9のロータ位置・速度推定器9bに出力する。q軸電流制御器8gは、スイッチ8dから入力されるq軸電流指令値Iqsまたは基準q軸電流指令値Iqoと、座標変換器9aから入力されるq軸電流検出値Iqとに基づいて、q軸電流指令値Iqsまたは基準q軸電流指令値Iqoに対応するq軸電圧指令値Vqを演算して2相/3相変換器8h及びロータ位置・速度推定器9bに出力する。これらd軸電流制御器8f及びq軸電流制御器8gは、一種のPID制御器であり、各電流指令値Iqs,Idsに所定の比例積分・微分演算を各々施すことにより各電圧指令値Vq,Vdを生成する。
2相/3相変換器8hは、ロータ位置・速度推定器9bから出力される回転角推定値θeと、d軸電流制御器8fから出力されるd軸電圧指令値Vdと、q軸電流制御器8gから出力されるq軸電圧指令値Vqとを入力とし、上記回転角推定値θeに基づいてd軸電圧指令値Vd及びq軸電圧指令値VqをU相、V相及びW相からなる3次元座標系上の3相電圧操作量Vu,Vv,Vwに変換し、当該3相電圧操作量Vu,Vv,VwをPWM信号発生器8iに出力する。PWM信号発生器8iは、上記3相電圧操作量Vu,Vv,Vwに基づいてインバータ2dをスイッチング動作させるためのPWM信号を生成してインバータ2dに出力する。
回転状態推定部(回転状態推定手段)9は、座標変換器(電機子軸電流検出手段)9a及びロータ位置・速度推定器(推定手段)9bから構成されている。座標変換器9aは、U相電流センサ3、V相電流センサ4によって各々検出されたU相及びV相のモータ駆動電流Iu、Ivと、ロータ位置・速度推定器9bから入力される回転角推定値θeとに基づいて永久磁石同期モータ1aの電機子上に設定された2次元座標系(q軸とd軸とからなる座標系)上におけるq軸電流検出値Iqとd軸電流検出値Idを生成し、d軸電流検出値Idをd軸電流制御器8fに出力し、q軸電流検出値Iqをq軸電流制御器8gに出力すると共に、d軸電流検出値Id及びq軸電流検出値Iqをロータ位置・速度推定器9bに出力する。より詳細には、この座標変換器9aは、上記モータ駆動電流Iu,Ivに基づく内部演算によってW相のモータ駆動電流Iwを求め、U相、V相及びW相からなる3次元座標系上のモータ駆動電流Iu,Iv,Iwに所定の座標変換を施すことにより各電流検出値Iq,Idを求める。
ロータ位置・速度推定器9bは、座標変換器9aから入力されるd軸電流検出値Id及びq軸電流検出値Iqと、d軸電流制御器8fから入力されるd軸電圧指令値Vdと、q軸電流制御器8gから入力されるq軸電圧指令値Vqとに基づいて、永久磁石同期モータ1aの回転状態を推定するものである。このロータ位置・速度推定器9bは、例えば、内部に永久磁石同期モータ1aを模擬したモータモデルを備えており、このモータモデルに電圧指令値Vq,Vd及び電流検出値Iq,Idを入力信号として角速度推定値ωe及び回転角推定値θeを演算する。ロータ位置・速度推定器9bは、このような手法で推定した回転角推定値θeを座標変換器9a及び2相/3相変換器8hにそれぞれ出力すると共に角速度推定値ωeを上記減算器8a及び出力スイッチ12に出力する。
なお、センサレスタイプの永久磁石同期モータの回転制御では、一般的にモータの角速度及び回転角等を何らかの方法で推定し、その推定値に基づいて永久磁石同期モータをベクトル制御あるいはV/f制御する。ロータ位置・速度推定器9bにおける角速度推定値ωe及び回転角推定値θeの推定手法は、非特許文献(竹下隆晴他:「電流推定誤差に基づくセンサレスブラシレスDCモータ制御」,平成7年電気学会全国大会講演論文集)に記載されている手法と同等なものであるが、他の非特許文献(市川真土:「回転座標系で拡張誘起電圧推定によるIPMSMのセンサレス制御」,平成13年電気学会全国大会講演論文集)、(大沢博:「埋込磁石形PMモータの高性能V/f制御」,テクノフロンティアシンポジウム2004 モータ技術シンポジウム,(社)日本能率協会)や、特許文献(特開2005-137106号公報)に記載されているような推定手法を用いても良い。
電圧センサ(電圧検出手段)10は、U相駆動信号線の電圧を検出し、電圧検出値として速度検出部11に出力する。アシスト停止時において、インバータ2dがモータ駆動信号を永久磁石同期モータ1aに供給しない状態にある場合、U相駆動信号線にはU相固定子巻線と永久磁石からなる回転子との電磁誘導によって正弦波状の誘起電圧が発生する。電圧センサ10は、このような誘起電圧を電圧検出値として速度検出部11に出力する。
速度検出部(回転状態検出手段)11は、図示するようにコンパレータ11aとF/V変換器11bとから構成されている。コンパレータ11aは、電圧センサ10から入力された電圧検出値を接地電圧と比較することにより誘起電圧のゼロクロス点で状態遷移するパルス信号を生成してF/V変換器11bに出力する。F/V変換器11bは、上記パルス信号をその周波数に応じた直流電圧に変換し、角速度検出値ωkとして出力スイッチ12に出力する。
出力スイッチ(出力選択手段)12は、ECUから供給される動作指示信号Jに基づいてロータ位置・速度推定器9bから入力された角速度推定値ωeと速度検出部11から入力された角速度検出値ωkとを択一的に選択し、角速度信号ωとしてd軸電流指令値生成部8e及びECUに出力する。上記動作指示信号Jは、インバータ制御部8に永久磁石同期モータ1aによるアシストを指示すると共に、出力スイッチ12に角速度推定値ωeと角速度検出値ωkとの出力切り替えを指示するためのものである。
なお、上記のU相電流センサ3、V相電流センサ4、回転状態推定部9、電圧センサ10、速度検出部11及び出力スイッチ12は、本発明における回転状態把握手段を構成するものである。
次に、このように構成された第2実施形態に係る電動機付ターボチャージャ制御システムの動作について説明する。
<アシスト時>
まず、図2に示すアシスト時において、インバータ制御部8は、エンジン制御装置(ECU)から入力される動作指示信号Jによってアシスト指示を受けると、モータ駆動部2を動作させることによって永久磁石同期モータ1aの駆動を行う。
具体的には、モータ駆動信号が各相の駆動信号線を介してインバータ2dから永久磁石同期モータ1aに供給され、永久磁石同期モータ1aが回転駆動される。ここで、インバータ制御部8は正弦波通電方式を採用しているので、アシスト時にはモータ駆動信号がインバータ2dから永久磁石同期モータ1aに常時出力され、この結果、各相の駆動信号線には誘起電圧が発生しない。従って、アシスト時には、角速度検出値ωkが速度検出部11から出力されず、出力スイッチ12は、回転状態推定部9から入力された角速度推定値ωeを角速度信号ωとしてECU及びd軸電流指令値生成部8eに出力する。
U相電流センサ3、V相電流センサ4から出力されたU相及びV相のモータ駆動電流Iu,Ivは座標変換器9aに入力される。座標変換器9aは、もう1相つまりW相のモータ駆動電流IwをU相及びV相のモータ駆動電流Iu,Ivから算出し、3相(U相,V相及びW相)のモータ駆動電流Iu,Iv,Iwに回転角推定値θeに応じた要素からなる変換マトリクスを用いて座標変換処理を施すことにより、永久磁石同期モータ1aに固有のq軸−d軸座標系におけるq軸電流検出値Iqとd軸電流検出値Idを生成する。
この時、d軸電流指令値生成部8eは、上記角速度信号ωが予め設定された角速度設定値未満の値であるので、弱め界磁制御を行わず、q軸電流指令値Iqsが出力されるようにスイッチ8dを制御すると共に、角速度信号ωに応じたd軸電流指令値Idsをd軸電流制御器8fに出力する。ここで、上記d軸電流指令値Idsは「0」に設定される。
減算器8aは、ECUから入力された角速度指令値ωとロータ位置・速度推定器9bから入力された角速度推定値ωeとの差分を演算することにより速度誤差Δωを生成し、速度制御器8bは、速度誤差Δωに比例積分・微分処理を施すことにより速度誤差Δωに対応するq軸電流指令値Iqsを演算してスイッチ8dに出力する。スイッチ8dは、q軸電流指令値Iqsをq軸電流制御器8gに出力する。そして、d軸電流制御器8fは、d軸電流指令値Idsとd軸電流検出値Idとに基づいてd軸電流指令値Idsに対応するd軸電圧指令値Vdを演算して2相/3相変換器8h及びロータ位置・速度推定器9bに出力する。一方、q軸電流制御器8gは、q軸電流指令値Iqsとq軸電流検出値Iqとに基づいてq軸電流指令値Iqsに対応するq軸電圧指令値Vqを演算して2相/3相変換器8h及びロータ位置・速度推定器9bに出力する。
2相/3相変換器8hは、d軸電流制御器8fから入力された上記d軸に対応するd軸電圧指令値Vd及びq軸電流制御器8gから入力された上記q軸に対応するq軸電圧指令値Vqを、U相、V相及びW相からなる3次元座標系上の3相電圧操作量Vu,Vv,Vwに変換し、当該3相電圧操作量Vu,Vv,VwをPWM信号発生器8iに出力する。PWM信号発生器8iは、上記3相電圧操作量Vu,Vv,Vwに基づいてインバータ2dをスイッチング動作させるためのPWM信号を生成してインバータ2dに出力する。これにより、インバータ2dはモータ駆動信号を生成して永久磁石同期モータ1aに供給し、永久磁石同期モータ1aのモータ回転数は時間経過に伴い増加していくことになる。
<アシスト停止時>
そして、図2に示すように、永久磁石同期モータ1aの回転数(角速度推定値ωe)がアシスト回転数と一致した場合、ECUからアシスト停止を指示する動作指示信号Jが入力され、インバータ制御部8は、インバータ2dの運転を停止して永久磁石同期モータ1aの駆動を停止する。このようにアシスト停止時において、永久磁石同期モータ1aは、排気エネルギーによるタービン1cの回転によってフリーラン状態となる。
この場合、各相の駆動信号線は高インピーダンス状態となり、永久磁石同期モータ1a
との間の各駆動信号線には固定子巻線と電機子との電磁誘導によって正弦波状の誘起電圧
が発生する。この誘起電圧は、永久磁石同期モータ1aの固定子巻線と電機子との電磁誘
導によって誘起されるので、接地電位(ゼロ電位)を中心電位とすると共に電機子の回転
周期(角速度)に対応する角周波数の交流電圧である。
電圧センサ10は、U相駆動信号線の誘起電圧を検出して、電圧検出値として速度検出
部11のコンパレータ11aに出力する。この電圧検出値は、コンパレータ11aによっ
て接地電位と比較されることによりゼロクロス点(接地電位と交差する点)で状態遷移す
るパルス信号に変換される。このパルス信号は、電機子の回転周期に同期した信号であり、
F/V変換器11bによって電機子の角速度に対応した直流電圧に変換され、角速度検出
値ωkとして出力スイッチ12に出力される。出力スイッチ12は、アシスト停止時の場
合、角速度検出値ωkを角速度信号ωとしてECU及びd軸電流指令値生成部8eに出
力する。
このように、アシスト停止時においては、永久磁石同期モータ1aの誘起電圧のゼロク
ロス点で状態遷移するパルス信号に基づいて角速度検出値ωkを生成することにより、温度変動等に起因して誘起電圧の振幅が変動した場合であっても、その変動に影響されることなく高精度の角速度を検出することができる。
そして、角速度信号ωがアシスト角速度に設定された角速度設定値ωs以上の値になっているため、d軸電流指令値生成部8eは、弱め界磁制御を行うために、基準q軸電流指令値Iqoが出力されるようにスイッチ8dを制御すると共に、第1実施形態と同様に、上記演算式(1)を用いて永久磁石同期モータ1aにおける電機子のd軸電流が永久磁石同期モータ1aの誘導起電力(EMF)を弱める方向に流れるようなd軸電流指令値Idsを算出してd軸電流制御器8fに出力する。
d軸電流制御器8fは、上記演算式(1)を用いて算出されたd軸電流指令値Idsとd軸電流検出値Idとに基づいてd軸電流指令値Idsに対応するd軸電圧指令値Vdを演算して2相/3相変換器8hに出力する。一方、q軸電流制御器8gは、基準q軸電流指令値Iqoとq軸電流検出値Iqとに基づいて基準q軸電流指令値Iqo(つまり零)に対応するq軸電圧指令値Vqを演算して2相/3相変換器8hに出力する。
2相/3相変換器8hは、d軸電流制御器8fから入力された上記d軸に対応するd軸電圧指令値Vd及びq軸電流制御器8gから入力された上記q軸に対応するq軸電圧指令値Vqを、U相、V相及びW相からなる3次元座標系上の3相電圧操作量Vu,Vv,Vwに変換し、当該3相電圧操作量Vu,Vv,VwをPWM信号発生器8iに出力する。PWM信号発生器8iは、上記3相電圧操作量Vu,Vv,Vwに基づいてインバータ2dをスイッチング動作させるためのPWM信号を生成してインバータ2dに出力する。
これにより、第1実施形態と同様に、アシスト停止時において、永久磁石同期モータ1aは弱め界磁制御されることになり、永久磁石同期モータ1aの誘導起電力はインバータ2dの直流電圧以上の値とはならず、その結果、回生現象は発生しない。
以上説明したように、第2実施形態に係る電動機付ターボチャージャ制御システムは、第1実施形態とは永久磁石同期モータ1aの回転状態を把握する手段が異なるものであり、
電動機付ターボチャージャにおける永久磁石同期モータ1aの回生現象を防止すると共に、永久磁石同期モータ1aの高効率化及び小型化を図ることが可能である。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形例が考えられる。
(1)上記第1及び第2実施形態では、永久磁石同期モータ1aの回転数(角速度)が、永久磁石同期モータ1aによるアシストの停止を規定するアシスト角速度に到達した場合に、永久磁石同期モータ1aの誘導起電力がインバータ2dの直流電圧と一致するように永久磁石同期モータ1aを設計し、角速度設定値ωsを上記アシスト角速度に設定した。これは、図3からわかるように、このように設計することにより、高効率化及び小型化の効果を最大限に得ることができるためである。一方、高効率化及び小型化の効果は落ちるが、例えば、図2におけるアシスト回転数から最大回転数の間の所定の回転数に応じた角速度を角速度設定値ωsとして設定し、永久磁石同期モータ1aの回転数(角速度)が、このように設定した角速度設定値ωsに到達した場合に、永久磁石同期モータ1aの誘導起電力がインバータ2dの直流電圧と一致するように永久磁石同期モータ1aを設計しても良い。
(2)上記第1実施形態では、U相電流センサ3、V相電流センサ4、W相電流センサ5によって各々検出されたU相、V相、W相のモータ駆動電流Iu、Iv、Iwを検出し、このモータ駆動電流Iu、Iv、Iwをインバータ制御部6(3相/2相変換器6h)に供給することにより永久磁石同期モータ1aの電機子に固有のq軸−d軸座標系におけるq軸電流検出値Iq及びd軸電流検出値Idを演算するが、これに代えて、図5に示すように昇圧回路2bからインバータ2dに供給される電源電流Ipを電流センサ(電源電流検出手段)20によって検出し、この電源電流Ipをインバータ制御部6Aに供給することによりq軸電流検出値Iq及びd軸電流検出値Idを演算するようにしても良い。
この場合のインバータ制御部6Aは、図6に示すようにインバータ制御部6に相電流再現器(電流変換手段)6kを付加した構成となる。この相電流再現器6kは、PWM信号発生器6jから供給されるPWM信号に基づいて電源電流Ipを3相のモータ駆動電流Iu、Iv、Iwに変換する。なお、図5では、電流センサ20を電源の+側に設けて電源電流Ipを検出する場合を示したが、電源の−側に電流センサ20を設けて電源電流Ipを検出するようにしても良い。なお、このような電流検出手法は、第2実施形態でも同様に用いることができる。
(3)図7は、図5の変形例を示すブロック図である。この図に示すように、インバータ2dは、3相モータである永久磁石同期モータ1aを駆動するものなので、各相(U相,V相及びW相)に対応した3つのスイッチアーム30〜32を備えている。図5では、昇圧回路2bからインバータ2dに供給される電源電流Ipを検出したが、本変形例ではスイッチアーム30〜32に流れるアーム電流Iaを電流センサ(アーム電流検出手段)21で検出して上述したインバータ制御部6Aに供給する。なお、図7では、電流センサ21をU相のスイッチアーム30に設けているが、他の相つまりV相あるいはW相のスイッチアーム31、32に設けるようにしても良い。なお、このような電流検出手法は、第2実施形態でも同様に用いることができる。
(4)上記第2実施形態において、例えば、図8に示すように電圧センサ10に加えてV相駆動信号線の電圧を検出する電圧センサ10Aを設け、U相及びV相駆動信号線の電圧を速度検出部11Aに供給し、両電圧をコンパレータで比較することによって両電圧の大小関係が逆転するタイミングで状態遷移するパルス信号を生成するようにしても良い。両電圧は、120°の位相差を有しているので、1周期の間に2回大小関係が逆転する。なお、速度検出部11Aに供給する電圧は、U相及びV相の駆動信号線に限定されず、3相(U相,V相及びW相)のうちいずれか2相を選択すれば良い。
(5)上記第1及び第2実施形態では、直流電源2aを用いているため昇圧回路2bをDC/DCコンバータとしたが、これに限定されず、交流電源を用いた場合は昇圧回路2bとしてAC/DCコンバータを用いても良い。
(6)上記第1実施形態では永久磁石同期モータ1aの1回転で1パルスのパルス信号を出力する回転位置センサ1bを用いたが、本発明はこれに限定されない。1回転で複数のパルスを出力する回転位置センサを用い、当該回転位置センサの出力を速度算出器7に入力しても良い。
(7)上記第1実施形態における回転位置センサ1bはホール素子を検出素子として用いるものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。回転位置センサ1bは、ホール素子以外の検出素子(例えば磁気抵抗素子)を用いたものであっても良い。
(8)さらに、上記第1及び第2実施形態では、アシスト時において、d軸電流指令値Idsを「0」に設定したが、これはベクトル制御において一般的に行われることである。しかし、本発明はこれに限定されない。必要に応じてd軸電流指令値Idsに「0」以外の定数を設定しても良い。
(9)また、上記第2実施形態ではコンパレータ11aとF/V変換器11bとからなる速度検出部11を用いるが、速度検出部11の構成はこれに限定されるものではない。電圧センサ10によって検出される電圧の変動周期を直流電圧に変換するものであれば他の構成でも良い。他の構成例としては、例えばPLL(Phas Locked Loop)回路を用いるものやマイコンを用いたソフトウエア処理によるもの等が考えられる。
(10)上記第2実施形態では、ECUから供給される動作指示信号Jに基づいて角速度推定値ωeと角速度検出値ωkとを切り替え角速度信号ωとしてECUに出力するようにしたが、これに代えて動作指示信号Jをインバータ制御部8内で生成するようにしても良い。角速度指令値ωはアシスト時にのみECUからインバータ制御部8に供給されるので、インバータ制御部8は、角速度指令値ωの供給/非供給を判断し、この判断結果に基づいて動作指示信号Jを生成する。
(11)上記第1及び第2実施形態では永久磁石同期モータ1aの回転状態を示す回転状態値として角速度を用いたが、これに限らず、回転状態値として回転数などを用いても良い。
本発明の第1実施形態に係る電動機付ターボチャージャ制御システムの構成ブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る電動機付ターボチャージャ制御システムの動作に関する説明図である。 本発明の第1実施形態に係る電動機付ターボチャージャ制御システムにおける永久磁石同期モータ1aの設計手法に関する説明図である。 本発明の第2実施形態に係る電動機付ターボチャージャ制御システムの構成ブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る電動機付ターボチャージャ制御システムの第1変形例である。 本発明の第1実施形態に係る電動機付ターボチャージャ制御システムの第1変形例に関する詳細説明図である。 本発明の第1実施形態に係る電動機付ターボチャージャ制御システムの第2変形例である。 本発明の第2実施形態に係る電動機付ターボチャージャ制御システムの変形例である。
符号の説明
1…電動機付きターボチャージャ、1a…永久磁石同期モータ、1b…回転位置センサ、1c…タービン、1d…コンプレッサ、2…モータ駆動部、2a…直流電源、2b…昇圧回路、2c…平滑コンデンサ、2d…インバータ、3…U相電流センサ、4…V相電流センサ、5…W相電流センサ、6、8…インバータ制御部、7…速度算出器、9…回転状態推定部、10…電圧センサ、11…速度検出部、12…出力スイッチ

Claims (11)

  1. エンジンに付設されたターボチャージャに、インバータによって駆動信号が供給されるアシスト用の電動機が連結された電動機付ターボチャージャの制御システムであって、
    前記電動機の回転状態を示す回転状態値を把握する回転状態把握手段と、
    前記回転状態把握手段によって把握された前記回転状態値が予め設定された回転状態設定値以上の値になった場合に、前記電動機の誘導起電力を弱める弱め界磁制御を行うためのインバータ制御信号を生成して前記インバータに出力する制御手段と、
    を具備し、
    前記回転状態設定値は、前記電動機の誘導起電力が前記インバータの直流電圧と一致する場合における前記電動機の回転状態値に設定されており、
    前記電動機の回転状態値が、前記電動機によるアシストの停止を規定するアシスト回転状態値に到達した場合に、前記電動機の誘導起電力が前記インバータの直流電圧と一致するように前記電動機は設計されており、前記回転状態設定値は前記アシスト回転状態値に設定されている、
    ことを特徴とする電動機付ターボチャージャ制御システム。
  2. 前記電動機は、3相の駆動信号の供給を受けて駆動するセンサレス永久磁石同期モータであり、
    前記回転状態把握手段は、
    前記センサレス永久磁石同期モータの回転子の回転位置を検出し、当該回転位置を示す回転位置検出信号を出力する回転位置検出手段と、
    前記回転位置検出信号を微分処理することにより前記センサレス永久磁石同期モータの回転状態値として角速度を算出する速度算出手段と、を有し、
    前記制御手段は、
    前記速度算出手段にて算出された角速度が予め設定された角速度設定値以上の値になった場合に、前記電動機における電機子のq軸電流が零となり、且つd軸電流が前記電動機の誘導起電力を弱める方向に流れるように前記インバータ制御信号を生成して前記インバータに出力する、
    ことを特徴とする請求項1記載の電動機付ターボチャージャ制御システム。
  3. 少なくとも2相の駆動信号線の各々に流れる電流を検出する電流検出手段を備え、
    前記制御手段は、
    上位制御装置から入力される角速度指令値と前記速度算出手段から入力される角速度算出値との差分値を基にq軸電流指令値を生成する速度制御手段と、
    前記q軸電流が零となるような基準q軸電流指令値を生成する基準q軸電流指令値生成手段と、
    前記速度制御手段が生成したq軸電流指令値と、前記基準q軸電流指令値生成手段が生成した基準q軸電流指令値とのいずれか一方を選択的に出力するスイッチと、
    前記電流検出手段によって検出された電流に基づいて、前記q軸電流及びd軸電流を検出する電機子軸電流検出手段と、
    前記速度算出手段から入力される角速度算出値が角速度設定値以上の値になった場合に、前記基準q軸電流指令値が出力されるように前記スイッチを制御すると共に、d軸電流が前記電動機の誘導起電力を弱める方向に流れるようなd軸電流指令値を生成するd軸電流指令値生成手段と、
    前記d軸電流指令値生成手段にて生成されたd軸電流指令値と前記電機子軸電流検出手段から出力されるd軸電流検出値とを基に前記電機子のd軸電圧指令値を生成するd軸電流制御手段と、
    前記スイッチから出力されるq軸電流指令値または基準q軸電流指令値と前記電機子軸電流検出手段から出力されるq軸電流検出値とを基に前記電機子のq軸電圧指令値を生成するq軸電流制御手段と、
    前記d軸電圧指令値及びq軸電圧指令値を基に前記電動機の3相電圧操作量を生成する電圧操作量生成手段と、
    前記3相電圧操作量を基に、前記インバータ制御信号として前記インバータのスイッチングを制御するためのPWM信号を生成して前記インバータに出力するPWM信号生成手段と、
    を備えることを特徴とする請求項2記載の電動機付ターボチャージャ制御システム。
  4. 前記電動機は、3相の駆動信号の供給を受けて駆動するセンサレス永久磁石同期モータであり、
    前記回転状態把握手段は、
    少なくとも1相の駆動信号線の電圧を検出する電圧検出手段と、
    少なくとも2相の駆動信号線の各々に流れる電流を検出する電流検出手段と、
    前記電圧検出手段によって検出された電圧に基づいて前記センサレス永久磁石同期モータのアシスト停止時における回転状態値を検出する回転状態検出手段と、
    前記電流検出手段によって検出された電流に基づいて前記センサレス永久磁石同期モータによるアシスト時における回転状態値を推定する回転状態推定手段と、
    前記アシスト停止時に前記回転状態検出手段が検出した回転状態値を選択する一方、前記アシスト時には前記回転状態推定手段が推定した回転状態値を選択して出力する出力選択手段と、を有し、
    前記制御手段は、
    前記出力選択手段から出力された回転状態値が予め設定された回転状態設定値以上の値になった場合に、前記電動機における電機子のq軸電流が零となり、且つd軸電流が前記電動機の誘導起電力を弱める方向に流れるように前記インバータ制御信号を生成して前記インバータに出力する、
    ことを特徴とする請求項記載の電動機付ターボチャージャ制御システム。
  5. 前記電動機は、3相の駆動信号の供給を受けて駆動するセンサレス永久磁石同期モータであり、
    前記回転状態把握手段は、
    少なくとも1相の駆動信号線の電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記インバータに供給される電源電流を検出する電源電流検出手段と、
    前記電圧検出手段によって検出された電圧に基づいて前記センサレス永久磁石同期モータのアシスト停止時における回転状態値を検出する回転状態検出手段と、
    前記電源電流検出手段によって検出された電源電流に基づいて前記センサレス永久磁石同期モータによるアシスト時における回転状態値を推定する回転状態推定手段と、
    前記アシスト停止時に前記回転状態検出手段が検出した回転状態値を選択する一方、前記アシスト時には前記回転状態推定手段が推定した回転状態値を選択して出力する出力選択手段と、を有し、
    前記制御手段は、
    前記出力選択手段から出力された回転状態値が予め設定された回転状態設定値以上の値になった場合に、前記電動機における電機子のq軸電流が零となり、且つd軸電流が前記電動機の誘導起電力を弱める方向に流れるように前記インバータ制御信号を生成して前記インバータに出力する、
    ことを特徴とする請求項1記載の電動機付ターボチャージャ制御システム。
  6. 前記電動機は、3相の駆動信号の供給を受けて駆動するセンサレス永久磁石同期モータであり、
    前記回転状態把握手段は、
    少なくとも1相の駆動信号線の電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記インバータのスイッチアームに流れるアーム電流を検出するアーム電流検出手段と、
    前記電圧検出手段によって検出された電圧に基づいて前記センサレス永久磁石同期モータのアシスト停止時における回転状態値を検出する回転状態検出手段と、
    前記アーム電流検出手段によって検出されたアーム電流に基づいて前記センサレス永久磁石同期モータによるアシスト時における回転状態値を推定する回転状態推定手段と、
    前記アシスト停止時に前記回転状態検出手段が検出した回転状態値を選択する一方、前記アシスト時には前記回転状態推定手段が推定した回転状態値を選択して出力する出力選択手段と、を有し、
    前記制御手段は、
    前記出力選択手段から出力された回転状態値が予め設定された回転状態設定値以上の値になった場合に、前記電動機における電機子のq軸電流が零となり、且つd軸電流が前記電動機の誘導起電力を弱める方向に流れるように前記インバータ制御信号を生成して前記インバータに出力する、
    ことを特徴とする請求項1記載の電動機付ターボチャージャ制御システム。
  7. 前記回転状態推定手段は、
    前記電流検出手段によって検出された電流に基づいて前記q軸電流及びd軸電流を検出する電機子軸電流検出手段と、
    前記電機子軸電流検出手段から出力されるq軸電流検出値及びd軸電流検出値に基づいて前記回転状態値を推定する推定手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    上位制御装置から入力される回転状態指令値と前記推定手段から出力される回転状態値との差分値を基にq軸電流指令値を生成する速度制御手段と、
    前記q軸電流が零となるような基準q軸電流指令値を生成する基準q軸電流指令値生成手段と、
    前記速度制御手段が生成したq軸電流指令値と、前記基準q軸電流指令値生成手段が生成した基準q軸電流指令値とのいずれか一方を選択的に出力するスイッチと、
    前記出力選択手段から出力される回転状態値が回転状態設定値以上の値になった場合に、前記基準q軸電流指令値が出力されるように前記スイッチを制御すると共に、d軸電流が前記電動機の誘導起電力を弱める方向に流れるようなd軸電流指令値を生成するd軸電流指令値生成手段と、
    前記d軸電流指令値生成手段にて生成されたd軸電流指令値と前記電機子軸電流検出手段から出力されるd軸電流検出値とを基に前記電機子のd軸電圧指令値を生成するd軸電流制御手段と、
    前記スイッチから出力されるq軸電流指令値または基準q軸電流指令値と前記電機子軸電流検出手段から出力されるq軸電流検出値とを基に前記電機子のq軸電圧指令値を生成するq軸電流制御手段と、
    前記d軸電圧指令値及びq軸電圧指令値を基に前記電動機の3相電圧操作量を生成する電圧操作量生成手段と、
    前記3相電圧操作量を基に、前記インバータ制御信号として前記インバータのスイッチングを制御するためのPWM信号を生成して前記インバータに出力するPWM信号生成手段と、
    を備えることを特徴とする請求項記載の電動機付ターボチャージャ制御システム。
  8. 前記回転状態推定手段は、
    前記電源電流検出手段によって検出された電源電流を少なくとも2相の駆動信号線の各々に流れる電流に変換する電流変換手段と、
    前記電流変換手段によって変換された電流に基づいて前記q軸電流及びd軸電流を検出する電機子軸電流検出手段と、
    前記電機子軸電流検出手段から出力されるq軸電流検出値及びd軸電流検出値に基づいて前記回転状態値を推定する推定手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    上位制御装置から入力される回転状態指令値と前記推定手段から出力される回転状態値との差分値を基にq軸電流指令値を生成する速度制御手段と、
    前記q軸電流が零となるような基準q軸電流指令値を生成する基準q軸電流指令値生成手段と、
    前記速度制御手段が生成したq軸電流指令値と、前記基準q軸電流指令値生成手段が生成した基準q軸電流指令値とのいずれか一方を選択的に出力するスイッチと、
    前記出力選択手段から出力される回転状態値が回転状態設定値以上の値になった場合に、前記基準q軸電流指令値が出力されるように前記スイッチを制御すると共に、d軸電流が前記電動機の誘導起電力を弱める方向に流れるようなd軸電流指令値を生成するd軸電流指令値生成手段と、
    前記d軸電流指令値生成手段にて生成されたd軸電流指令値と前記電機子軸電流検出手段から出力されるd軸電流検出値とを基に前記電機子のd軸電圧指令値を生成するd軸電流制御手段と、
    前記スイッチから出力されるq軸電流指令値または基準q軸電流指令値と前記電機子軸電流検出手段から出力されるq軸電流検出値とを基に前記電機子のq軸電圧指令値を生成するq軸電流制御手段と、
    前記d軸電圧指令値及びq軸電圧指令値を基に前記電動機の3相電圧操作量を生成する電圧操作量生成手段と、
    前記3相電圧操作量を基に、前記インバータ制御信号として前記インバータのスイッチングを制御するためのPWM信号を生成して前記インバータに出力するPWM信号生成手段と、
    を備えることを特徴とする請求項5記載の電動機付ターボチャージャ制御システム。
  9. 前記回転状態推定手段は、
    前記アーム電流検出手段によって検出されたアーム電流を少なくとも2相の駆動信号線の各々に流れる電流に変換する電流変換手段と、
    前記電流変換手段によって変換された電流に基づいて前記q軸電流及びd軸電流を検出する電機子軸電流検出手段と、
    前記電機子軸電流検出手段から出力されるq軸電流検出値及びd軸電流検出値に基づいて前記回転状態値を推定する推定手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    上位制御装置から入力される回転状態指令値と前記推定手段から出力される回転状態値との差分値を基にq軸電流指令値を生成する速度制御手段と、
    前記q軸電流が零となるような基準q軸電流指令値を生成する基準q軸電流指令値生成手段と、
    前記速度制御手段が生成したq軸電流指令値と、前記基準q軸電流指令値生成手段が生成した基準q軸電流指令値とのいずれか一方を選択的に出力するスイッチと、
    前記出力選択手段から出力される回転状態値が回転状態設定値以上の値になった場合に、前記基準q軸電流指令値が出力されるように前記スイッチを制御すると共に、d軸電流が前記電動機の誘導起電力を弱める方向に流れるようなd軸電流指令値を生成するd軸電流指令値生成手段と、
    前記d軸電流指令値生成手段にて生成されたd軸電流指令値と前記電機子軸電流検出手段から出力されるd軸電流検出値とを基に前記電機子のd軸電圧指令値を生成するd軸電流制御手段と、
    前記スイッチから出力されるq軸電流指令値または基準q軸電流指令値と前記電機子軸電流検出手段から出力されるq軸電流検出値とを基に前記電機子のq軸電圧指令値を生成するq軸電流制御手段と、
    前記d軸電圧指令値及びq軸電圧指令値を基に前記電動機の3相電圧操作量を生成する電圧操作量生成手段と、
    前記3相電圧操作量を基に、前記インバータ制御信号として前記インバータのスイッチングを制御するためのPWM信号を生成して前記インバータに出力するPWM信号生成手段と、
    を備えることを特徴とする請求項6記載の電動機付ターボチャージャ制御システム。
  10. 前記電圧検出手段は、1相の駆動信号線の電圧を検出し、
    前記回転状態検出手段は、前記1相の駆動信号線の電圧のゼロクロス点に基づいて前記センサレス永久磁石同期モータの回転状態値を検出する、
    ことを特徴とする請求項4〜9のいずれか一項に記載の電動機付ターボチャージャ制御システム。
  11. 前記電圧検出手段は、相の駆動信号線の各々の電圧を検出し、
    前記回転状態検出手段は、前記相の駆動信号線の各々の電圧の差分に基づいて前記センサレス永久磁石同期モータの回転状態値を検出する、
    ことを特徴とする請求項4〜9のいずれか一項に記載の電動機付ターボチャージャ制御システム。
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