JP5223279B2 - 電動機付ターボチャージャ制御システム - Google Patents

電動機付ターボチャージャ制御システム Download PDF

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本発明は、電動機付ターボチャージャ制御システムに関する。
近年、エンジンの過給器として、排気エネルギーを回収してエンジンへの過給気圧を高めるターボチャージャの回転軸に電動機を連結し、エンジンの運転状態に応じて電動機(例えば永久磁石同期モータ)を駆動することによりタービンの回転をアシストする電動機付ターボチャージャが注目されている。このような電動機付ターボチャージャに関する技術については、下記特許文献1〜5を参照されたい。
特開平6−257450号公報 特開平6−257451号公報 特開平6−257452号公報 特開平6−280593号公報 特開平5−98987号公報
ところで、永久磁石同期モータによるアシストの停止後、タービン単体のみでの駆動によって最高回転数に到達するまでの期間のモータフリーラン状態において、永久磁石同期モータの誘導起電力(EMF)がインバータの直流電圧より高くなると、永久磁石同期モータからインバータへ電流が逆流するという回生現象(永久磁石同期モータが発電機として作用し、タービンの回転エネルギーを電気エネルギーに変換して電源側であるインバータに返す現象)が生じるため、タービンの回転にブレーキがかかることになる。このような回生現象は、モータアシスト回転数とアシスト停止後の最高回転数との差が大きい程顕著に発生する。
このような回生現象を防止するために、最高回転数において、永久磁石同期モータの誘導起電力がインバータの直流電圧を超えないように永久磁石同期モータを設計する必要がある。具体的には、誘導起電力はモータの鉄損とほぼ比例関係にあるので、最高回転数における誘導起電力がインバータの直流電圧以下となるように鉄損を小さくする一方、銅損を大きくして、モータ電流が大きくなるように設計する。しかしながら、このような大電流仕様で設計された永久磁石同期モータは、鉄損と銅損のバランスが崩れて銅損側にモータ損失が偏ってしまい、モータ効率が著しく低下するという問題があった。また、銅損を大きくするために巻線の巻数などを増やす必要があるので、モータ自体が大型化してしまい、コスト及び重量の増大、モータの設置スペースの確保などが大きな問題となっていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、電動機付ターボチャージャにおける電動機の回生現象を防止すると共に、電動機の高効率化及び小型化を図ることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では、電動機付ターボチャージャ制御システムに係る第1の解決手段として、エンジンに付設されたターボチャージャに、インバータによって駆動信号が供給されるアシスト用の電動機が連結された電動機付ターボチャージャの制御システムであって、前記インバータと前記電動機とを接続する駆動信号線の開閉状態を切り替える開閉切替手段と、前記電動機の回転状態を示す回転状態値を把握する回転状態把握手段と、前記回転状態把握手段によって把握された前記回転状態値が予め設定された回転状態設定値以上の値になった場合に、前記開閉切替手段を開状態に切り替わるように制御する開閉制御手段と、を具備し、前記回転状態設定値は、前記電動機の誘導起電力が前記インバータの直流電圧と一致する場合における前記電動機の回転状態値に設定されている、ことを特徴とする。
また、電動機付ターボチャージャ制御システムに係る第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記電動機の回転状態値が、前記電動機によるアシストの停止を規定するアシスト回転状態値に到達した場合に、前記電動機の誘導起電力が前記インバータの直流電圧と一致するように前記電動機は設計されており、前記回転状態設定値は前記アシスト回転状態値に設定されていることを特徴とする。
また、電動機付ターボチャージャ制御システムに係る第3の解決手段として、上記第1または第2の解決手段において、前記電動機は、3相の駆動信号の供給を受けて駆動するセンサレス永久磁石同期モータであり、前記開閉切替手段は、前記インバータと前記センサレス永久磁石同期モータとを接続する全ての相の駆動信号線の開閉状態を切り替え、前記回転状態把握手段は、前記センサレス永久磁石同期モータの回転子の回転位置を検出し、当該回転位置を示す回転位置検出信号を出力する回転位置検出手段と、前記回転位置検出信号を微分処理することにより前記センサレス永久磁石同期モータの回転状態値として角速度を算出する速度算出手段と、を有し、前記開閉制御手段は、前記速度算出手段にて算出された角速度が予め設定された角速度設定値以上の値になった場合に、前記開閉切替手段を開状態に切り替わるように制御する、ことを特徴とする。
本発明によると、電動機の回転状態に応じて、インバータと電動機とを接続する駆動信号線の開閉状態を切り替える開閉切替手段を設けることにより、電動機の回転状態値が、回生現象が発生する回転状態値、つまり電動機の誘導起電力がインバータの直流電圧と一致する回転状態値(回転状態設定値)以上の値になった場合に、開閉切替手段を制御して駆動信号線を開状態に切り替えることが可能となる。これにより、駆動信号線には電流が流れないので回生現象は発生し得ず、電動機の設計自由度が増すことになる。つまり、鉄損を大きくする一方、銅損を小さくしてモータ効率の高い小電流仕様で電動機を設計することも可能である。従って、本発明によると、電動機付ターボチャージャにおける電動機の回生現象を防止すると共に、電動機の高効率化及び小型化を図ることが可能である。
さらに、電動機の回転状態値が、電動機によるアシストの停止を規定するアシスト回転状態値に到達した場合に、電動機の誘導起電力がインバータの直流電圧と一致するように電動機を設計し、回転状態設定値はアシスト回転状態値に設定することが好ましい。このように電動機を設計し、回転状態設定値をアシスト回転状態値に設定することにより、電動機の高効率化及び小型化の効果を最大限に得ることができる。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る電動機付ターボチャージャ制御システムの構成ブロック図である。この図1に示すように、本実施形態に係る電動機付ターボチャージャ制御システムは、電動機付きターボチャージャ1、モータ駆動部2、電磁開閉器3、U相電流センサ4、V相電流センサ5、W相電流センサ6、モータ制御部7、速度算出器8及び開閉制御器9から構成されている。
電動機付きターボチャージャ1は、永久磁石同期モータ1a、回転位置センサ1b、タービン1c及びコンプレッサ1dから構成されており、モータ駆動部2は、直流電源2a、昇圧回路2b及びインバータ2cから構成されている。永久磁石同期モータ(電動機)1aは、回転子の回転状態(回転位置、回転速度、回転数等)を検出するセンサを具備しないセンサレスタイプの永久磁石同期モータであり、タービン1cの回転軸と同軸上に連結され、インバータ2cから供給される3相(U相、V相、W相)のモータ駆動信号によって回転駆動し、タービン1cの回転を補助(アシスト)する。
回転位置センサ(回転位置検出手段)1bは、永久磁石同期モータ1aの回転子の回転位置を検出し、当該回転位置を示す回転位置検出信号θを速度算出器8に出力する。より詳細には、この回転位置センサ1bは、回転子の磁力をホール素子で検出し、回転子の1回転毎に1パルス(N極の位置を示すパルス)となるパルス信号を出力する。タービン1cとコンプレッサ1dは同軸上に連結されてターボチャージャを構成しており、図示しないエンジンの排気エネルギーを利用してタービン1cを回転させることにより、コンプレッサ1dを回転させて吸入空気をエンジンに過給するものである。
直流電源2aは、1あるいは複数のバッテリを直列接続したものであり、所定の直流電源電圧を昇圧回路2bに出力する。昇圧回路2bは、必要に応じて設けられるものであり、直流電源2aから供給された直流電源電圧を昇圧してインバータ2cに供給する。インバータ2cは、モータ制御部7から供給されるPWM信号に基づいて昇圧回路2bから供給された直流電源電圧をスイッチングすることにより、U相、V相及びW相からなる3相のモータ駆動信号を生成して永久磁石同期モータ1aに供給する。
電磁開閉器(開閉切替手段)3は、開閉制御器9から入力される開閉制御信号に応じて、インバータ2cのU相出力端と永久磁石同期モータ1aのU相固定子巻線とを接続するU相駆動信号線、インバータ2cのV相出力端と永久磁石同期モータ1aのV相固定子巻線とを接続するV相駆動信号線、インバータ2cのW相出力端と永久磁石同期モータ1aのW相固定子巻線とを接続するW相駆動信号線の開閉状態を切り替える開閉器である。
U相電流センサ4は、U相駆動信号線に流れるモータ駆動電流Iuを検出してモータ制御部7に出力する。V相電流センサ5は、V相駆動信号線に流れるモータ駆動電流Ivを検出してモータ制御部7に出力する。W相電流センサ6は、W相駆動信号線に流れるモータ駆動電流Iwを検出してモータ制御部7に出力する。
モータ制御部7は、図示するように、減算器7a、速度制御器7b、d軸電流制御器7c、q軸電流制御器7d、3相/2相変換器7e、2相/3相変換器7f及びPWM(Pulse Width Modulation)信号発生器7gから構成されている。
減算器7aは、上位制御装置であるエンジン制御装置(ECU)から供給される角速度目標値ωと速度算出器8から出力される角速度算出値ωkとの差分を速度誤差Δωとして演算し速度制御器7bに出力する。速度制御器7bは、一種のPID制御器であり、上記速度誤差Δωに所定の比例積分・微分演算を施することにより速度誤差Δωに対応するq軸電流操作量Iqsを演算してq軸電流制御器7dに出力する。
d軸電流制御器7cは、ECUから供給されるd軸電流操作量Idsと、3相/2相変換器7eから入力されるd軸駆動電流検出量Idとに基づいてd軸電流操作量Idsに対応するd軸電圧操作量Vdを演算して2相/3相変換器7fに出力する。q軸電流制御器7dは、速度制御器7bから入力されるq軸電流操作量Iqsと、3相/2相変換器7eから入力されるq軸駆動電流検出量Iqとに基づいてq軸電流操作量Iqsに対応するq軸電圧操作量Vqを演算して2相/3相変換器7fに出力する。これらd軸電流制御器7c及びq軸電流制御器7dは、一種のPID制御器であり、各電流操作量Iqs,Idsに所定の比例積分・微分演算を各々施することにより各電圧操作量Vq,Vdを生成する。
3相/2相変換器7eは、U相電流センサ4、V相電流センサ5、W相電流センサ6によって各々検出されたU相、V相、W相のモータ駆動電流Iu、Iv、Iwに基づいて永久磁石同期モータ1aの回転子上に固定された2次元座標系(q軸とd軸とからなる座標系)上におけるq軸駆動電流検出量Iqとd軸駆動電流検出量Idを生成する。より詳細には、3相/2相変換器7eは、U相、V相及びW相からなる3次元座標系上のモータ駆動電流Iu、Iv、Iwに所定の座標変換を施すことにより上記2次元座標系上のq軸駆動電流検出量Iqとd軸駆動電流検出量Idを求める。上記q軸は、回転子の回転面上において永久磁石のS極とN極との対向方向に設定された座標軸であり、d軸は、上述したq軸に直交する座標軸である。
2相/3相変換器7fは、d軸電流制御器7cから入力された上記d軸に対応するd軸電圧操作量Vd及びq軸電流制御器7dから入力された上記q軸に対応するq軸電圧操作量Vqを、U相、V相及びW相からなる3次元座標系上の電圧操作量Vu,Vv,Vwに変換し、当該電圧操作量Vu,Vv,VwをPWM信号発生器7gに出力する。
PWM信号発生器7gは、上記電圧操作量Vu,Vv,Vwに基づいてインバータ2cをスイッチング動作させるためのPWM信号を生成してインバータ2cに出力する。モータ制御部7は正弦波通電方式に基づいて動作するものであり、したがってPWM信号発生器7gは、インバータ2cが永久磁石同期モータ1aの全回転角(360°)に亘ってモータ駆動信号を出力するようにPWM信号を出力する。
速度算出器(速度算出手段)8は、回転位置センサ1bから入力される回転位置検出信号θを微分処理することにより、永久磁石同期モータ1aの回転状態値として角速度を算出し、角速度算出値ωk(直流電圧)を減算器7a及び開閉制御器9に出力する。
開閉制御器(開閉制御手段)9は、例えば差動アンプであり、速度算出器8から入力される角速度算出値ωkと、予め設定されている角速度設定値ωs(直流電圧)との差分信号を開閉制御信号として電磁開閉器3に出力する。詳細には、この開閉制御器9は、角速度算出値ωkが角速度設定値ωsより小さい値の場合、正の直流電圧である開閉制御信号を電磁開閉器3に出力する。この場合、電磁開閉器3は閉状態となる(つまりU相、V相、W相の駆動信号線は共に導通状態となる)。また、開閉制御器9は、角速度算出値ωkが角速度設定値ωs以上の値の場合、ゼロレベルもしくは負の直流電圧である開閉制御信号を電磁開閉器3に出力する。この場合、電磁開閉器3は開状態(オープン)となる。
ここで、角速度設定値ωsは、永久磁石同期モータ1aによるアシストの停止を規定するアシスト回転数に応じた角速度(アシスト角速度)に設定されている。そして、永久磁石同期モータ1aの角速度が、上記アシスト角速度に到達した場合に、永久磁石同期モータ1aの誘導起電力(EMF)がインバータ2cの直流電圧と一致するように、永久磁石同期モータ1aは設計されている。このように永久磁石同期モータ1aを設計することが可能になったのは、永久磁石同期モータ1aの回転状態(本実施形態では角速度)に応じてU相、V相、W相の駆動信号線の開閉状態を切り替える電磁開閉器3を設けたためであり、このように設計することにより、電動機付ターボチャージャ1における永久磁石同期モータ1aの回生現象を防止すると共に、永久磁石同期モータ1aの高効率化及び小型化を図ることが可能となる。以下、このような効果が得られる理由について、図2(a)及び図3を参照して説明する。
図2(a)において、横軸は永久磁石同期モータ1aの回転数を示し、縦軸は永久磁石同期モータ1aの誘導起電力(EMF)を示しており、また、符号100は従来技術における回転数−EMF特性を示し、符号200は、本実施形態における回転数−EMF特性を示している。図3において、横軸はモータ駆動電流を示し、縦軸はモータ損失(鉄損及び銅損)とモータ効率を示しており、符号300は鉄損−モータ駆動電流特性を示し、符号400は銅損−モータ駆動電流特性を示し、符号500はモータ効率−モータ駆動電流特性を示している。
図2(a)の符号100に示すように、従来技術では、永久磁石同期モータによるアシストの停止後、タービン単体のみでの駆動によって最高回転数に到達するまでの期間のモータフリーラン状態において、永久磁石同期モータの誘導起電力(EMF)がインバータの直流電圧より高くなると、永久磁石同期モータからインバータへ電流が逆流するという回生現象が生じるため、最高回転数において、永久磁石同期モータの誘導起電力がインバータの直流電圧を超えないように永久磁石同期モータを設計する必要がある。この場合、誘導起電力はモータの鉄損とほぼ比例関係にあるので、図3に示すように、最高回転数における誘導起電力がインバータの直流電圧以下となるように鉄損(誘導起電力)を小さくする一方、銅損を大きくして、モータ駆動電流が大きくなるように設計することになる。しかしながら、このような大電流仕様で設計された永久磁石同期モータは、鉄損と銅損のバランスが崩れて銅損側にモータ損失が偏ってしまい、モータ効率が著しく低下し、また、銅損を大きくするために巻線の巻数などを増やす必要があるので、モータ自体が大型化するという問題があった。
これに対し、本実施形態では、永久磁石同期モータ1aの回転状態(本実施形態では角速度)に応じてU相、V相、W相の駆動信号線の開閉状態を切り替える電磁開閉器3を設けることにより、永久磁石同期モータ1aの角速度が、回生現象が発生する角速度、つまり永久磁石同期モータ1aの誘導起電力がインバータ2cの直流電圧と一致する角速度(本実施形態ではこの角速度を角速度設定値とする)以上の値になった場合に、電磁開閉器3を制御してU相、V相、W相の駆動信号線を開状態に切り替えることが可能となった。これにより、U相、V相、W相の駆動信号線には電流が流れないので回生現象は発生し得ず、永久磁石同期モータ1aの設計自由度が増すことになる。
そこで、本実施形態では、図2(a)の符号200に示すように、永久磁石同期モータ1aの回転数(角速度)が、永久磁石同期モータ1aによるアシストの停止を規定するアシスト回転数(アシスト角速度)に到達した場合に、永久磁石同期モータ1aの誘導起電力がインバータ2cの直流電圧と一致するように永久磁石同期モータ1aを設計し、角速度設定値ωsを上記アシスト角速度に設定した。つまり、従来技術(符号100)と比較すると、同じ回転数において本実施形態の方が誘導起電力を大きくする方向に設計を行うことになる。従って、図3に示すように、本実施形態では、鉄損を大きくする一方、銅損を小さくして小電流仕様で永久磁石同期モータ1aを設計することができ、永久磁石同期モータ1aの高効率化及び小型化を図ることが可能となる。
次に、このように構成された電動機付ターボチャージャ制御システムの動作について、図2(a)及び(b)を参照して詳細に説明する。
<アシスト時>
まず、図2(a)及び(b)に示すアシスト時において、モータ制御部7は、エンジン制御装置(ECU)から入力される動作指示信号Jによってアシスト指示を受けると、モータ駆動部2を動作させることによって永久磁石同期モータ1aの駆動を行う。
具体的には、モータ駆動信号が各相の駆動信号線を介してインバータ2cから永久磁石同期モータ1aに供給され、永久磁石同期モータ1aが回転駆動される。永久磁石同期モータ1aが回転すると、回転位置センサ1bから回転位置検出信号θが速度算出器8に出力され、速度算出器8から継続的に角速度算出値ωkが減算器7a及び開閉制御器9に出力される。
そして、3相/2相変換器7eは、U相電流センサ4、V相電流センサ5、W相電流センサ6によって各々検出されたU相、V相、W相のモータ駆動電流Iu、Iv、Iwに基づいてq軸駆動電流検出量Iqとd軸駆動電流検出量Idを生成し、d軸駆動電流検出量Idをq軸電流制御器7cに出力し、d軸駆動電流検出量Idをd軸電流制御器7dに出力する。
また、ECUから角速度目標値ωが減算器7aに入力されると共に、同じくECUから上記d軸駆動電流検出量Idの目標値に相当するd軸電流操作量Idsがd軸電流制御器7cに入力される。ここで、上記d軸電流操作量Idsは「0」に設定される。
減算器7aは、角速度目標値ωと速度算出器8から入力される角速度算出値ωkとの差分を速度誤差Δωとして演算し速度制御器7bに出力する。速度制御器7bは、速度誤差Δωに所定の比例積分・微分演算を施することにより速度誤差Δωに対応するq軸電流操作量Iqsを演算してq軸電流制御器7dに出力する。そして、d軸電流制御器7cは、d軸電流操作量Idsとd軸駆動電流検出量Idとに基づいてd軸電流操作量Idsに対応するd軸電圧操作量Vdを演算して2相/3相変換器7fに出力する。一方、q軸電流制御器7dは、q軸電流操作量Iqsとq軸駆動電流検出量Iqとに基づいてq軸電流操作量Iqsに対応するq軸電圧操作量Vqを演算して2相/3相変換器7fに出力する。
2相/3相変換器7fは、d軸電流制御器7cから入力された上記d軸に対応するd軸電圧操作量Vd及びq軸電流制御器7dから入力された上記q軸に対応するq軸電圧操作量Vqを、U相、V相及びW相からなる3次元座標系上の電圧操作量Vu,Vv,Vwに変換し、当該電圧操作量Vu,Vv,VwをPWM信号発生器7gに出力する。PWM信号発生器7gは、上記電圧操作量Vu,Vv,Vwに基づいてインバータ2cをスイッチング動作させるためのPWM信号を生成してインバータ2cに出力する。これにより、インバータ2cはモータ駆動信号を生成して永久磁石同期モータ1aに供給する。
開閉制御器9は、速度算出器8から継続的に入力される角速度算出値ωkと、アシスト角速度に設定された角速度設定値ωsとの差分信号を開閉制御信号として電磁開閉器3に出力する。ここで、アシスト時、つまり永久磁石同期モータ1aの角速度がアシスト角速度に到達しない期間においては、開閉制御信号は正の直流電圧信号となり、図2(b)に示すように、電磁開閉器3は閉状態(ON)となる。つまりU相、V相、W相の駆動信号線は共に導通状態となり、インバータ2cによって生成されるモータ駆動信号は正常に永久磁石同期モータ1aに供給されることになる。
<アシスト停止時>
そして、図2(a)に示すように、角速度算出値ωkがアシスト角速度に設定された角速度設定値ωsと一致した場合、開閉制御器9はゼロレベルの開閉制御信号を電磁開閉器3に出力する。この場合、図2(b)に示すように、電磁開閉器3は開状態(OFF)となる。つまりU相、V相、W相の駆動信号線は共にオープン状態となる。一方、モータ制御部7には、ECUからアシスト停止を指示する動作指示信号Jが入力され、モータ制御部7は、モータ駆動部2の動作を停止して永久磁石同期モータ1aの駆動を停止する。このようにモータ駆動部2が動作を停止した状態において、永久磁石同期モータ1aは、排気エネルギーによるタービン1cの回転によってフリーラン状態となる。
そして、角速度算出値ωkがアシスト角速度に設定された角速度設定値ωsを超えた場合、開閉制御器9は負の直流電圧信号である開閉制御信号を電磁開閉器3に出力し、電磁開閉器3は開状態(OFF)を維持する。このように、アシスト停止時には、U相、V相、W相の駆動信号線には電流が流れないので回生現象は発生しない。なお、アシスト停止時において、永久磁石同期モータ1aの角速度(角速度算出値ωk)が、角速度設定値ωsより低くなった場合、電磁開閉器3は閉状態(ON)に切り替わり、ECUから再びアシスト開始指示が出力され、インバータ2cからモータ駆動信号が永久磁石同期モータ1aに供給されてタービン1cのアシストが行われる。
以上説明したように、本実施形態に係る電動機付ターボチャージャ制御システムによると、電動機付ターボチャージャにおける永久磁石同期モータ1aの回生現象を防止すると共に、永久磁石同期モータ1aの高効率化及び小型化を図ることが可能である。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施形態では、永久磁石同期モータ1aの回転数(角速度)が、永久磁石同期モータ1aによるアシストの停止を規定するアシスト回転数(アシスト角速度)に到達した場合に、永久磁石同期モータ1aの誘導起電力がインバータ2cの直流電圧と一致するように永久磁石同期モータ1aを設計し、角速度設定値ωsを上記アシスト角速度に設定した。これは、図3からわかるように、このように設計することにより、高効率化及び小型化の効果を最大限に得ることができるためである。一方、高効率化及び小型化の効果は落ちるが、例えば、図2(a)におけるアシスト回転数から最大回転数の間の所定の回転数に応じた角速度を角速度設定値ωsに設定し、永久磁石同期モータ1aの回転数(角速度)が、上記のように設定した角速度設定値ωsに到達した場合に、永久磁石同期モータ1aの誘導起電力がインバータ2cの直流電圧と一致するように永久磁石同期モータ1aを設計しても良い。
(2)上記実施形態では、U相電流センサ4、V相電流センサ5、W相電流センサ6によって各々検出されたU相、V相、W相のモータ駆動電流Iu、Iv、Iwを検出し、このモータ駆動電流Iu、Iv、Iwをモータ制御部7(3相/2相変換器7e)に供給することにより永久磁石同期モータ1aの回転子に固有のq軸−d軸座標系におけるq軸駆動電流検出量Iq及びd軸駆動電流検出量Idを演算するが、これに代えて、図4に示すように昇圧回路2bからインバータ2cに供給される電源電流Ipを電流センサ20によって検出し、この電源電流Ipをモータ制御部7Aに供給することによりq軸駆動電流検出量Iq及びd軸駆動電流検出量Idを演算するようにしても良い。
この場合のモータ制御部7Aは、図5に示すようにモータ制御部7に相電流再現器7hを付加した構成となる。この相電流再現器7hは、PWM信号発生器7gから供給されるPWM信号に基づいて電源電流Ipを3相のモータ駆動電流Iu、Iv、Iwに変換する。なお、図4では、電流センサ20を電源の+側に設けて電源電流Ipを検出する場合を示したが、電源の−側に電流センサ20を設けて電源電流Ipを検出するようにしても良い。
(3)図6は、図4の変形例を示すブロック図である。この図に示すように、インバータ2cは、3相モータである永久磁石同期モータ1aを駆動するものなので、各相(U相,V相及びW相)に対応した3つのスイッチアーム30〜32を備えている。図4では、昇圧回路1bからインバータ2cに供給される電源電流Ipを検出したが、本変形例ではスイッチアーム30〜32に流れるアーム電流Iaを電流センサ21で検出して上述したモータ制御部7Aに供給する。なお、図6では、電流センサ21をU相のスイッチアーム30に設けているが、他の相つまりV相あるいはW相のスイッチアーム31、32に設けるようにしても良い。
(4)上記実施形態では永久磁石同期モータ1aの1回転で1パルスのパルス信号を出力する回転位置センサ1bを用いたが、本発明はこれに限定されない。1回転で複数のパルスを出力する回転位置センサを用い、当該回転位置センサの出力を速度算出器8に入力しても良い。
(5)上記実施形態における回転位置センサ1bはホール素子を検出素子として用いるものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。回転位置センサ1bは、ホール素子以外の検出素子(例えば磁気抵抗素子)を用いたものであっても良い。
(6)さらに、上記実施形態ではd軸電流操作量Idsを「0」に設定したが、これはベクトル制御において一般的に行われることである。しかし、本発明はこれに限定されない。必要に応じてd軸電流操作量Idsに「0」以外の定数を設定しても良い。また、このd軸電流操作量Idsについては、モータ制御部7自身が生成しても良い。
(7)上記実施形態では永久磁石同期モータ1aの回転状態を示す回転状態値として角速度を用いたが、これに限らず、回転状態値として回転数などを用いても良い。
本発明の一実施形態に係る電動機付ターボチャージャ制御システムの構成ブロック図である。 本発明の一実施形態に係る電動機付ターボチャージャ制御システムの動作に関する説明図である 本発明の一実施形態に係る電動機付ターボチャージャ制御システムにおける永久磁石同期モータ1aの設計手法に関する説明図である。 本発明の一実施形態に係る電動機付ターボチャージャ制御システムの第1変形例である。 本発明の一実施形態に係る電動機付ターボチャージャ制御システムの第1変形例に関する詳細説明図である。 本発明の一実施形態に係る電動機付ターボチャージャ制御システムの第2変形例である。
符号の説明
1…電動機付きターボチャージャ、1a…永久磁石同期モータ、1b…回転位置センサ、1c…タービン、1d…コンプレッサ、2…モータ駆動部、2a…直流電源、2b…昇圧回路、2c…インバータ、3…電磁開閉器、4…U相電流センサ、5…V相電流センサ、6…W相電流センサ、7…モータ制御部、8…速度算出器、9…開閉制御器、7a…減算器、7b…速度制御器、7c…d軸電流制御器、7d…q軸電流制御器、7e…3相/2相変換器、7f…2相/3相変換器、7g…PWM信号発生器




Claims (1)

  1. エンジンに付設されたターボチャージャに、インバータによって駆動信号が供給されるアシスト用の電動機が連結された電動機付ターボチャージャの制御システムであって、
    前記インバータと電動機とを接続する駆動信号線の開閉状態を切り替える開閉切替手段と、
    前記電動機の回転状態を示す回転状態値を把握する回転状態把握手段と、
    前記回転状態把握手段によって把握された前記回転状態値が予め設定された回転状態設定値以上の値になった場合に、前記開閉切替手段を開状態に切り替わるように制御する開閉制御手段と、を具備し、
    前前記電動機の回転状態値が、前記電動機によるアシストの停止を規定するアシスト回転状態値に到達した場合に、前記電動機の誘導起電力が前記インバータの直流電圧と一致するように前記電動機は設計されており、前記回転状態設定値は前記アシスト回転状態値に設定されており、
    前記電動機は、3相の駆動信号の供給を受けて駆動するセンサレス永久磁石同期モータであり、
    前記開閉切替手段は、前記インバータと前記センサレス永久磁石同期モータとを接続する全ての相の駆動信号線の開閉状態を切り替え、
    前記回転状態把握手段は、
    前記センサレス永久磁石同期モータの回転子の回転位置を検出し、当該回転位置を示す回転位置検出信号を出力する回転位置検出手段と、
    前記回転位置検出信号を微分処理することにより前記センサレス永久磁石同期モータの回転状態値として角速度を算出する速度算出手段と、を有し、
    前記開閉制御手段は、前記速度算出手段にて算出された角速度が予め設定された角速度設定値以上の値になった場合に、前記開閉切替手段を開状態に切り替わるように制御する、
    ことを特徴とする電動機付ターボチャージャ制御システム。
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