JP5363066B2 - 難燃性アクリル系熱伝導材料及びその用途 - Google Patents

難燃性アクリル系熱伝導材料及びその用途 Download PDF

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Description

本発明は難燃性を有するアクリル系熱伝導材料およびその用途に関する。
熱伝導性シートは電子機器等の発熱体に接するように配接されて用いられているため、優れた熱伝導性とともに高い難燃性が要求されている。その難燃性のレベルは、UL−94(Underwriters Laboratories, Inc. Standard No.94)「デバイス及び電気機器部品用プラスチック材料の燃焼試験(以下、「UL−94燃焼性試験」と記す)で評価され、通常V−2以上、場合によっては「V−0」に相当する難燃性を示すことが望まれる。
従来の技術では難燃性を付与するために、ハロゲン系難燃剤やリン系難燃剤を添加していたが、これらの添加剤は環境に対する影響を考慮し、できるだけ回避したい。(特許文献1、2)。
特開2003−329367号公報 特開2005−354002号公報
本発明はこのような従来技術の問題点に鑑み、その目的とするところは、ハロゲン含有難燃剤やリン系難燃剤を用いなくても優れた熱伝導性および難燃性を有するアクリル系熱伝導材料を提供することにある。
本発明者は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。
(1) 平均粒子径(50%体積径)が35μm以下かつ90%体積径(D90)が60μm以下の無機粉末70〜50体積%とアクリル系材料30〜50体積%を含有してなることを特徴とするアクリル系熱伝導材料。
(2) ハロゲン系又はりん系難燃剤を含有しないことを特徴とする前記(1)に記載のアクリル系熱伝導材料。
(3) 無機粉末中、金属水酸化物の割合が60体積%以上であることを特徴とする前記(1)または前記(2)に記載のアクリル系熱伝導材料。
(4) 無機粉末が、アルミナ及び/又は水酸化アルミニウムからなることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載のアクリル系熱伝導材料。
(5) アクリル系材料が、(a)炭素数2〜12のアルキル基を有するアクリレート若しくはメタクリレート、または(b)式(1)で表されるアクリル系モノマーであることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載のアクリル系熱伝導材料。

Figure 0005363066


ここでRは水素またはメチル基を表す。Rはエチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基を表し、Rは水素または炭素数1〜12のアルキル基または置換または非置換のフェニル基を表し、nは1〜12の整数を表す。
(6) (c)ポリチオールを含有してなることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載のアクリル系熱伝導材料。
(7) アクリル系材料99.96〜95.0体積%、ポリチオール0.04〜5.0体積%である前記(1)〜(6)のいずれか一項に記載のアクリル系熱伝導材料。
(8) アクリル系材料が光硬化することを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれか一項に記載のアクリル系熱伝導材料。
(9) 前記(1)〜(8)のいずれか一項に記載のアクリル系熱伝導材料を用いた熱伝導シート。
(10) 前記(1)〜(8)のいずれか一項に記載のアクリル系熱伝導材料を光硬化させてなる熱伝導シート。
(11) 前記(9)又は(10)に記載の熱伝導シートが組み込まれた電子部品又は電気機器。
本発明によれば、ハロゲン含有難燃剤やリン系難燃剤を含有せずとも、UL−94燃焼試験において高い難燃性を有するアクリル系熱伝導材料が得られる。
本発明で使用される無機粉末は酸化アルミニウム、二酸化チタン等の金属酸化物、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化珪素等の窒化物、炭化珪素、水酸化アルミニウム等が挙げられ、単独あるいは数種類を組み合わせて使用することができる。一般に熱伝導シートでは難燃性を要求されることもあり、難燃効果もある水酸化アルミニウム等の金属水酸化物の使用が好ましい。また、光硬化型重合方法によって作成する場合は、光の透過性を考慮すると酸化アルミニウム又は水酸化アルミニウムが好ましい。
無機粉末は、50%体積径(D50)の平均粒子径が35μm以下である。平均粒子径が35μmを超えると難燃性が十分に得られず、UL−94燃焼試験によって高い難燃性を付与できない。また、平均粒子径は20〜35μmであることが好ましい。平均粒子径が20μm未満であると、スラリーの粘度が高くなり、成形加工性が低下する可能性がある。
無機粉末は、90%体積径(D90)が60μm以下である。無機粉末の90%体積径が60μmを超えると、微粉による難燃性の付与効果が小さくなる。また、90%体積径は45〜60μmであることが好ましい。90%体積径が45μm未満であると、スラリーの粘度が高くなり、成形加工性が低下する可能性がある。
アクリル系材料と無機粉末の配合は、アクリル系材料30〜50体積%、無機粉末70〜50体積%である。無機粉末が50体積%未満では充分な難燃性が得られず、また70体積%を超える場合には成形性が低下するほか、シートが脆くなりハンドリング性が悪くなる。
ハロゲン系難燃剤を含有しないこととは、アクリル系熱伝導材料に含まれているハロゲン元素(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)の合計量の含有量が100ppm以下であることである。
りん系難燃剤を含有しないこととは、アクリル系熱伝導材料に含まれているりん元素の含有量が100ppm以下であることである。
無機粉末中の金属水酸化物の割合は60体積%以上が好ましい。水酸化アルミニウムを代表とする金属水酸化物は、吸熱し、水を放出するため、難燃特性を有する。しかし、無機粉末中の金属水酸化物の割合が60体積%未満であると、金属水酸化物の難燃特性が有効に作用しにくく、UL−94難燃試験においてV−0に相当する難燃性の付与が難しくなる。
本発明におけるアクリル系材料としては、(a)炭素数2−12のアルキル基を有するアクリレートまたはメタクリレートは炭素数が2〜12のアクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステルである。(a)の例としてはたとえばエチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、デシルアクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート等があげられる。
本発明におけるアクリル系材料とは、(b)式(1)で表されるアクリル系モノマーである。
Figure 0005363066


ここでRは水素またはメチル基を表す。Rはエチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基を表し、Rは水素または炭素数1〜12のアルキル基または置換または非置換のフェニル基を表し、nは1〜12の整数を表す。(b)の例としては2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、ジエチレングリコールモノアクリレート、トリエチレングリコールモノアクリレート、エチレングリコールユニット繰り返し数が12以下のポリエチレングリコールモノアクリレート、エチレングリコールユニット繰り返し数が12以下のメトキシポリエチレングリコールモノアクリレート、エチレングリコールユニット繰り返し数が12以下のエトキシポリエチレングリコールモノアクリレート、エチレングリコールユニット繰り返し数が12以下のフェノキシポリエチレングリコールモノアクリレート、プロピレングリコールユニット繰り返し数が12以下のポリプロピレングリコールモノアクリレート、プロピレングリコールユニット繰り返し数が12以下のメトキシポリプロピレングリコールモノアクリレート、プロピレングリコールユニット繰り返し数が12以下のエトキシポリプロピレングリコールモノアクリレート、プロピレングリコールユニット繰り返し数が12以下のフェノキシポリプロピレングリコールモノアクリレート、ブチレングリコールユニット繰り返し数が12以下のポリブチレングリコールモノアクリレート、エチレングリコールユニット繰り返し数が12以下のポリエチレングリコールモノメタクリレート、プロピレングリコールユニット繰り返し数が12以下のポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ブチレングリコールユニット繰り返し数が12以下のポリブチレングリコールモノメタクリレート等が例示されるが、これに限られるものではない。
本発明におけるアクリル系材料とは、(c)ポリチオールのメルカプト基が2個以上のメルカプタン化合物を示し、式(2)、式(3)、式(4)、式(5)で表される平均分子量が50〜15000の物質である。
Figure 0005363066

Figure 0005363066

Figure 0005363066

式中Zはm個の官能基を有する有機残基であり、mは2−6の整数であり、pおよびqは0−3の整数である。さらに式(2)、式(3)、式(4)、式(5)の有機残基Zが式(5)、式(6)、式(7)、式(8)であるポリチオールが好ましい。
Figure 0005363066

Figure 0005363066

Figure 0005363066

Figure 0005363066


ここでRはエチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基を表し、v、wは1〜6の整数でx、y、zは0〜6の整数。
本発明の熱伝導材料において、(C)ポリチオールの使用量は、炭素数2〜12のアルキル基を有するアクリレートまたはメタクリレートと式(1)で表されるアクリル系モノマーに対して、0.04〜5.0体積%であることが望ましく、0.25〜3.0体積%が更に望ましく、0.5〜1.5体積%が最も望ましい。ポリチオールが5.0体積%より多いとシートの硬度が低くなり取り扱い性が悪くなる。また0.04体積%よりも少ないとシートの硬度が高くなりすぎ取り扱い性が困難となる。
本発明のアクリル系熱伝導材料は(a)、(b)、(c)の構成成分以外に、公知の重合性化合物や公知の多官能ビニル化合物や多官能アクリレートや多官能アリル化合物等の共重合性の架橋成分を含むことができる。
本発明のアクリル系熱伝導材料は硬化時に影響がないかぎり、必要に応じて公知の添加剤を任意の添加量で添加することができる。添加剤としては例えば粘度、粘性をコントロールするための各種添加物、その他、改質剤、老化防止剤、熱安定剤、着色剤などがあげられる。
熱重合開始剤としてはアゾ化合物や有機過酸化物を使用することができる。有用なアゾ化合物としては2,2‘−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2‘−アゾビス(2−メチルブチルニトリル)等があげられる。有用な有機過酸化物としてはメチルエチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、アセチルアセトンパーオキシド、1,1,−ジ(ターシャリーブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ジ(ターシャリーブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル4,4−ジ(ターシャリーブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ジ(4,4−ジ(ターシャリーブチルパーオキシ)シクロへキシル)プロパン、p−メンタンハイドロパーオキシド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキシド、1,1,3,3,−テトラメチルブチルハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、ターシャリーブチルハイドロパーオキシド、ジ(2−ターシャリーブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャリーブチルパーオキシ)ヘキサン、ターシャリーブチルクミルパーオキシド、ジターシャリーブチルパーオキシド、ジターシャリーヘキシルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャリーブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジイソブチリルパーオキシド、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジ−n−オクタノイルパーオキシド、ジラウロイルパーオキシド、ジサクシニックアシッドパーオキシド、ジベンゾイルパーオキシド、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキシド、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(4−ターシャリーブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、クミルパーオキシネオデカノエート、ターシャリーブチルパーオキシネオデカノエート、ターシャリーブチルパーオキシピバレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、ターシャリーブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ターシャリーブチルパーオキシイソブチレート、ターシャリーブチルパーオキシマレイックアシッド、ターシャリーブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、ジ−ターシャリーブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、ターシャリーブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、ターシャリーブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)へキサン、ターシャリーブチルパーオキシアセテート、ターシャリーブチルパーオキシベンゾエート等が例示できるが、これらに限定されるものでない。
硬化促進剤は、前記熱重合開始剤と反応し、ラジカルを発生する公知の硬化促進剤であれば使用できる。代表的な硬化促進剤としては例えば、第3級アミン、チオ尿素誘導体及び遷移金属塩等が挙げられる。第3級アミンとしては例えば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン及びN,N−ジメチル−p−トルイジン等が挙げられる。チオ尿素誘導体としては例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール、メチルチオ尿素、シブチルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素及びエチレンチオ尿素等が挙げられる。遷移金属塩としては例えば、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸銅及びバナジルアセチルアセトネート等が挙げられる。
本発明のアクリル系熱伝導材料は、光重合開始剤による光重合によって重合されることが、硬化反応制御の面から好ましい。光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、4,4−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、キサントン、チオキサントン、クロロチオキサントン、m−クロルアセトン、プロピオフェノン、アンスラキノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンジル、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2,2−ジメチルアセトフェノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン1−[4−(2−ヒドロキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オンなどが挙げられるが、これらに限定されるものでない。但し、可視光に吸収波長を有する光開始剤は塗料の貯蔵安定性に欠けることから、可視光に吸収を持たないベンゾフェノン、1-ヒドロキシ‐シクロへキシル‐フェニルケトンを用いることが好ましい。これらの光開始剤は単独で用いても、混合して用いてもよい。
各構成材料の混合方法は、特に限定されるのもではないが、少量の場合は手混合も可能であるが、万能混合機、プラネタリーミキサー、ハイブリッドミキサー、ヘンシェルミキサー、ニーダー、ボールミル、ミキシングロール等の一般的な混合機が用いられる。
混合に際して、各成形方法に適する混合物とするため、水、トルエン、アルコール等の各種溶剤を添加することもできる。
本発明のアクリル系熱伝導材料のシートへの加工方法としては、従来公知の方法、例えば、コーター法、ドクターブレード法、押出成形法、射出成形法、プレス成形法等の各種成形法を用いることができる。なお、基材補強方法としては、本発明のシートが両面粘着性を有している場合には、シートと基材を通常のラミネート法、プレス法など公知の積層方法を用いて積層させることが可能であるが、コーター法などで使用する基材としてこれら補強用基材を使用し、直接作製しても良い。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下の実施例及び比較例に用いたポリチオールはトリエチレングリコールジメルカプタン(以下DMDOとする)である。
(実施例1〜12、参考例1〜3
表1及び表2の実施例1〜12、参考例1〜3に記載の各成分を自公転式ミキサーで混合し、スラリー状の混合物を作製した。そのスラリーを2枚の紫外線透過型PET(Polyethylene Telephthalate)ライナー(以下「PETライナー」と記す)で挟持し、ラミネート成形後、紫外線を照射し硬化させ、シート状成形体を得た。
(比較例1〜4)
の比較例1〜4に記載の各成分を自公転式ミキサーで混合し、スラリー状の混合物を作製した。そのスラリーを2枚の紫外線透過型PET(Polyethylene Telephthalate)ライナー(以下「PETライナー」と記す)で挟持し、ラミネート成形後、紫外線を照射し硬化させ、シート状成形体を得た。
実施例1〜12、比較例1〜4、参考例1〜3で得られたシート状成型体を「難燃性試験(UL−94燃焼性試験)」:UL耐炎性試験規格UL−94「デバイス及び電気機器部品用プラスチック材料の燃焼試験」に準じて、難燃性を評価した。
なお、実施例1のシート状成型体のハロゲン元素(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)の合計量の含有量は60ppm、りん元素の含有量は80ppmであった。
本発明における平均粒子径(50%体積径)および90%体積径は、島津製作所製「レーザー回折式粒度分布測定装置SALD−2200」を用いて測定を行った。評価サンプルは、ガラスビーカーに50ccの純水と測定する熱伝導性粉末を5g添加して、スパチュラを用いて撹拌し、その後超音波洗浄機で10分間、分散処理を行った。分散処理を行った熱伝導性材料の粉末の溶液をスポイドを用いて、装置のサンプラ部に一滴ずつ添加して、吸光度が測定可能になるまで安定するのを待った。このようにして吸光度が安定になった時点で測定を行う。レーザー回折式粒度分布測定装置では、センサで検出した粒子による回折/散乱光の光強度分布のデータから粒度分布を計算する。粒子径(体積径)は測定される粒子径の値に相対粒子量(差分%)を掛けて、相対粒子量の合計(100%)で割って求められる。
「UL−94燃焼性試験」の内容について説明する。まず、試験対象となる熱伝導シートについて、13mm×125mmのサンプルをそれぞれ用意する。このサンプルを、その一の短辺の短部を保持区クランプで保持し、下方に垂らして配置する。一辺、サンプルの下方30cmの位置には木綿を配置する。次に、サンプルの他の短辺の短部(自由端)をバーナーの火炎で10秒炙る。(第一の適用)。サンプルに移った火炎が消えた後に、更にバーナーの火炎で10秒炙る(第二の適用)。各熱伝導シートの5サンプルについて、第一および第二の適用を1セットとする2セットの試験を実施し、各サンプルについて以下に示す(1)〜(5)の測定。評価を行う。
(1)第一の適用後に、サンプルに移った火炎が保持される時間
(2)第二の適用後に、サンプルに移った火炎が保持される時間
(3)第二の適用後に、グロー燃焼する時間
(4)火炎ドリップによって、サンプルの下方に配置された木綿が着火するか否か
(5)サンプルが保持クランプまで燃焼するか否か
上記(1)〜(5)の測定・評価の結果、以下に示す、(イ)〜(ホ)すべての条件を満たす場合に、その熱伝導シートは「V−0」に相当する難燃性を示す、と評価することができる。
(イ)各サンプル毎の合計火炎維持時間が10秒以下である。
(ロ)1のセットにおけるすべてのサンプルの合計火炎維持時間が、すべてのセットについて50秒以下である。
(ハ)第二の適用後の各サンプルの火炎維持時間およびグロー燃焼時間の合計が30秒以下である。
(ニ)火炎ドリップによって木綿が着火しない。
(ホ)すべてのサンプルについて、保持クランプまでグロー燃焼又は火炎維持燃焼が到達しない。
取り扱い性の評価方法について説明する。 PETライナーで挟持された状態の熱伝導性シートを、PETライナーごとに20mm×100mmにカットして評価用サンプルを作成した、作成した評価用サンプルの両面のPETライナーを剥離させる際に、剥離させる前後における熱伝導性シートの寸法を測定し、変形の有無(寸法変化の有無)をノギスで確認して評価した。評価基準は変形量が±1.0mm以内は変形なしとし、評価結果を表1〜3に記す。なお、PETライナーの剥離の前後で、変形が少ないほど(寸法変化が小さいほど)取り扱い性が良好であると評価できる。
○:変形なし。または変形後元に戻った。
×:変形あり。または復元しない
成型加工性の評価方法について説明する。実施例または比較例に記載の各成分を混合したスラリーをPETライナーに挟持し、ラミネート成形を行った際にシート化した熱伝導性シート中の気泡の有無を目視で確認して評価した。気泡については、直径1mm以上の気泡または気泡の最大長が1mm以上の気泡がある場合には、気泡が混入していると評価した。評価結果を表1〜3に記す。また、スラリーの粘度が大きい場合にはラミネート成形自体が困難である。
○:気泡混入なし
△:気泡混入あり
成形加工不可:ラミネート成形不可
Figure 0005363066

Figure 0005363066
Figure 0005363066

本発明のアクリル系熱伝導シートは、電子部品のみならず放熱性が求められるあらゆる分野での応用が期待される。

Claims (5)

  1. 無機粉末が水酸化アルミニウム、又は水酸化アルミニウム及びアルミナであり、無機粉末中の水酸化アルミニウムの割合が60体積%以上であり、平均粒子径(50%体積径)が20〜35μmかつ90%体積径(D90)が45〜60μmの無機粉末70〜50体積%と下記に示されるアクリル系モノマー材料とポリチオールを合計で30〜50体積%を含有してなる組成物を光硬化してなることを特徴とするアクリル系熱伝導材料。
    アクリル系モノマー材料は、(a)炭素数2〜12のアルキル基を有するアクリレート若しくはメタクリレート、または(b)式(1)で表されるアクリル系モノマーである。
    Figure 0005363066

    ここでR1は水素またはメチル基を表す。R2はエチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基を表し、R3は水素または炭素数1〜12のアルキル基または置換または非置換のフェニル基を表し、nは1〜12の整数を表す。
  2. ハロゲン系又はりん系難燃剤を含有しないことを特徴とする請求項1に記載のアクリル系熱伝導材料。
  3. アクリル系モノマー材料とポリチオールの配合量がアクリル系モノマー材料99.96〜95.0体積%、ポリチオール0.04〜5.0体積%である請求項1又は請求項2に記載のアクリル系熱伝導材料。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載のアクリル系熱伝導材料を用いた熱伝導シート。
  5. 請求項4に記載の熱伝導シートが組み込まれた電子部品又は電気機器。
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