JP5357854B2 - 継手装置 - Google Patents
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継手装置は、室外の熱源機(4)から延びる一対の室外配管(40a)(40b)と室内の放熱機(41)から延びる一対の室内配管(42a)(42b)とを取り外し自在に接続するためのもので、室外配管(40a)(40b)の先端に接続される一対の雌継手と、室内配管(42a)(42b)の先端に接続される一対の雄継手とから構成されている。
一般に、雌継手として、壁(3)に添設された金属製又は合成樹脂製のボックス(32)内に収容させたプラグ接続口(5a)(5b)を具備する温水コンセント(30)が設けられてあり、雄継手として、プラグ接続口(5a)(5b)に差込可能なプラグ筒(50a)(50b)を具備する温水プラグ(31)が設けられている。
温水コンセント(30)のプラグ接続口(5a)(5b)内に、温水プラグ(31)のプラグ筒(50a)(50b)を差し込むと、プラグ筒(50a)(50b)内の弁体(51)でプラグ接続口(5a)(5b)内の弁体(43)が奥へ押されることにより両者は開弁する。これにより、温水コンセント(30)のプラグ接続口(5a)(5b)に続く室外配管(40a)(40b)と、温水プラグ(31)のプラグ筒(50a)(50b)に続く室内配管(50a)(50b)とが連通し、熱源機(4)と放熱機(41)との間に循環流路が構成される。
このため、循環流路を構成する配管を細径に設定することができず、配管システムが高額になる上に、太径な配管では流す温水も多量に必要になることから、不経済であり省エネにも反する。
又、流路内に混入した異物が弁体に付着した場合には、弁体(43)(51)を確実に閉弁させることができず、取り外しの際に液だれを生じさせてしまうといった問題もあった。
前記各平面部に各々の流路に連通する開口が形成され、
前記平面部に対して平行に重ね合わされた状態で前記平面部上を摺動可能な板状弁体が前記雄継手及び雌継手にそれぞれ設けられると共に、前記板状弁体には前記開口に対応する貫通孔が形成され、
前記雄継手と雌継手とが非接続状態にあるとき、前記平面部の開口はそれぞれの板状弁体の貫通孔非形成域によって閉塞され、
両継手の前記板状弁体の表面相互が摺擦し合うように前記雄継手と雌継手を相対的に接続方向に平行移動させることにより、前記両継手は連結されると共に、板状弁体は前記平面部上をそれぞれ摺動可能となり、
前記雄継手と前記雌継手との接続完了状態にて、前記雄継手の平面部の開口とその板状弁体の貫通孔、及び、前記雌継手の平面部の開口とその板状弁体の貫通孔の全てが一致するように設定されている』ことを特徴とする。
板状弁体の表面相互が擦れ合うように、前記雌継手と前記雄継手とを接続方向に相対的に平行移動させていくと、両継手は連結状態にセットされる構成となっており、前記平行移動に伴って各板状弁体が平面部上を摺動する。そして、両継手の開口及び板状弁体の貫通孔が全て一致したとき、両継手は接続完了状態となる。これにより、雄継手側の流路と雌継手側の流路が、これら両継手の開口及び板状弁体の貫通孔を介して連通する。
上記接続状態にある雄継手及び雌継手を取り外し方向に平行移動させると、開口相互及び前記開口と貫通孔が順にずれていき、雄継手及び雌継手各々の開口が各々の板状弁体の貫通孔非形成域で閉塞された閉弁状態にて雄継手と雌継手は離反される。
又、弁装置に付着する異物によって、雄継手と雌継手を離反させたときに閉弁が不完全となり流体が漏れるといった不都合もない。
閉弁時には、雄継手及び雌継手の平面部に設けられている開口は、板状弁体の貫通孔非形成域で遮断される態様となり、流路内に設けられる従来の弁体のように、弁体の設置位置よりも雄継手及び雌継手の先端側に空間が形成されないから、雄継手と雌継手の取り外し時に、前記空間に溜まった流体による液だれが生じる不都合もない。
請求項3に係る発明のように、ロック手段を設けておけば、接続中に板状弁体が不用意にずれたり、雄継手と雌継手とが外れたりする不都合がなく、さらに、請求項4に係る発明のように、環状パッキンを設けることによって、流路内の流体が平面部と板状弁体との間から漏れる不都合もない。
又、請求項5に係る発明のように、温水循環暖房装置の温水プラグや温水コンセントに利用することができる。
本発明の実施の形態の継手装置は、図1に示すように、室外の熱源機(4)から延びる一対の室外配管(40a)(40b)の先端にそれぞれ接続され且つ壁(3)(図4参照)に固定される温水コンセント(30)内に収容される一対の金属製の雌継手(1a)(1b)と、図2に示すように、屋内設置型の温水循環暖房機器等の放熱機(41)から延びる一対の屋内配管(42a)(42b)にそれぞれ接続されて温水プラグ(31)を構成する一対の金属製の雄継手(2a)(2b)とから構成されている。
雌継手(1a)(1b)は、図1又は図3に示すように、それぞれ略長方形状の平面部(11)の長辺に沿った両側辺から一対の連結ガイド(12)が上方へ延長形成された、上方開放の断面略コ字状体であり、平面部(11)の所定位置には開口(10)が貫通していると共に、その開口(10)の下面周縁から、室外配管(40a)(40b)に接続する接続筒部(13)が下方へ連設されている。
又、平面部(11)上には、開口(10)に対応する貫通孔(100)が形成された板状弁体(110)が、開口(10)内に収容される筒体(14)やバネ(16)、さらには、複数の環状パッキン(15a)〜(15d)等と共に装着される。
この装着状態にて、筒体(14)はバネ(16)によって板状弁体(110)側へ押圧され、板状弁体(110)と筒体(14)との間は環状パッキン(15c)によってシールされていると共に、板状弁体(110)と平面部(11)との間は環状パッキン(15b)によってシールされている。又、筒体(14)と開口(10)の内面とは環状パッキン(15d)によってシールされている。
尚、環状パッキン(15a)は板状弁体(110)の貫通孔(100)の周囲の上面に嵌め込まれている。
尚、上記初期位置における板状弁体(110)は、図3に示すように、貫通孔(100)が平面部の開口(10)に対応しない、言い換えれば、板状弁体(110)の貫通孔(100)の非形成域で平面部の開口(10)が閉塞される態様となっている。
第1揺動片(18)は、図3及び図6に示すように、初期位置にて、平面部の手前側へ開放する溝部(118)内に嵌まり込む態様で、板状弁体(110)にバネを介して前後方向に揺動可能に軸支されてあり、第2揺動片(19)は、図6に示すように、板状弁体(110)の一側辺寄りの外側端(19a)が下方へ押されることによって、中央寄りの内側端(19b)が上方へ突出するように、バネを介して板状弁体(110)に揺動可能に軸支されている。
さらに、板状弁体(110)の奥側寄りの中央域には、係止ピン(112)が上方へ突出している。
雄継手(2a)(2b)は、図2に示すように、それぞれ、雌継手(1a)(1b)の連結ガイド(12)間に挿入可能な一対の矩形筒体(22)であり、温水循環暖房機器等の放熱機(41)から延長する室内配管(42a)(42b)がそれぞれ接続される接続筒部(23)を突出させた連結主体(230)の両側に連結されているもので、雄継手(2a)(2b)間に位置し且つ雄継手(2a)(2b)の下面の凹部(220)にそれぞれ嵌まり込んで雄継手(2a)(2b)を支持する支持突片(37)が軸(38)の両側に突設された形状の支持部材(39)と共に、カバー(36)内に収容されて、温水プラグ(31)が構成されている。
平面部(21)の長辺に沿った長手方向には、所定高さの側壁(222)がそれぞれ下方へ向って延長形成されてあり、これら両側壁(222)間の平面部(21)に、開口(20)に対応する貫通孔(200)が形成された板状弁体(210)が、開口(20)内に収容される筒体(24)やバネ(26)、さらには、開口(20)の開放端と平面部(21)に装着される2つの環状パッキン(25a)(25b)を介して摺動可能に取り付けられる。
この装着状態にて、板状弁体(210)と筒体(24)との間は、バネ(26)の付勢力によって板状弁体(210)側へ押圧されている筒体(24)に具備させた環状パッキン(25a)によってシールされていると共に、板状弁体(210)と平面部(21)との間は環状パッキン(25b)によってシールされている。
尚、上記初期位置における板状弁体(210)は、貫通孔(200)が平面部(21)の開口(20)に対応しない、言い換えれば、板状弁体(210)における貫通孔(200)の非形成域で平面部(21)の開口(20)が閉塞される態様となっている。
ロックピン(27)は、軸部(27b)の両端に頭部(27a)と係止板(27c)とを具備する形状を呈し、軸部(27b)の周囲に介在されているバネ(28)の付勢力によって、頭部(27a)の先端が矩形筒体(22)の側壁から外方へ突出する態様に付勢されている。このとき、係止板(27c)は、矩形筒体(22)の側壁(222)を貫通して側壁(222)よりも内方に突出し、係止板(27c)が対応する板状弁体(210)の側部に形成された切欠(29)に係合している。係止板(27c)が切欠(29)に係合している限り、板状弁体(210)は、雄継手(2a)(2b)に移動阻止状態にロックされた状態が維持され、頭部(27a)が奥へ押込まれることによって、係止板(27c)が切欠(29)から脱出すると、ロックピン(27)によるロック状態が解除され、板状弁体(210)は平面部(21)を摺動可能となる。
壁(3)に設置されている温水コンセント(30)の化粧板(35)の窓部(35a)に、温水プラグ(31)をカバー(36)ごと差し込むと、温水コンセント(30)の雌継手(1a)(1b)に、温水プラグ(31)の雄継手(2a)(2b)がそれぞれ対応し、図7の(A)に示すように、雌継手(1a)(1b)の板状弁体(110)に、雄継手(2a)(2b)の板状弁体(210)が擦れ合うと同時に、雌継手(1a)(1b)の両側の連結ガイド(12)に、雄継手(2a)(2b)の両側壁(222)が上方へ抜け止め状態に嵌まり込み、雄継手(2a)(2b)は雌継手(1a)(1b)にそれぞれ、すすみ対遇状態に連結される。このとき、ロックピン(27)の頭部(27a)は、図5に示すように、連結ガイド(12)の溝(122)に対応する。
尚、この状態にて、板状弁体(110)の貫通孔(100)に板状弁体(210)の貫通孔(200)が一致し、又、ロックピン(27)の頭部(27a)は溝(122)の終点(122a)に到達している。
又、このとき、図5及び図9に示すように、矩形筒体(22)の下面の平面部(21)の周囲に突設されている凸壁の一部である第2係止部(9)によって、第2揺動片(19)の外側端(19a)が押されて第2揺動片(19)が揺動し、内側端(19b)が板状弁体(210)の後端に当接する。
このとき、前記凸壁の他の一部が第1係止部(8)として板状弁体(210)の後端に達すると共に、ロックピン(17)は板状弁体(210)の先端によって下方へ押されて非突出状態となる。
さらに、球状突起(61)に代えて、図10(d)に示すように、係合凹部(60)の前後に、操作部(62a)と係合突起(62b)とを突設させた形状の係合体(62)をバネ(46d)で上方突出状態に付勢させる構成としても良い。このものでは、軸(38)の下面に、係合突起(62b)がワンウェイ係合する係合凹部(38a)と、係合凹部(60)にちょうど嵌まり込む係合端(38b)が設けられている。このものでは、両者を係合させた後に、係合体(62)の操作部(62a)を下方へ押せば、係合突起(62b)と係合凹部(38a)との係合、係合端(38b)と係合凹部(60)との係合を同時に解除することができる。
具体的には、図7の(D)の状態から矩形筒体(22)を引き抜く方向(図面の右方向)に強制的に移動させると、矩形筒体(22)の第1係止部(8)で第1揺動片(18)が押されることにより、板状弁体(110)も同方向に移動し、板状弁体(110)の移動に伴って、板状弁体(110)の係止ピン(112)に押されて板状弁体(210)も移動する。このように、矩形筒体(22)、板状弁体(210)及び板状弁体(110)が移動した状態が図7の(C)の状態である。このとき、雌継手(1a)(1b)は板状弁体(110)によって閉弁される。
よって、矩形筒体(22)を引き抜くと、板状弁体(210)は板状弁体(110)上を摺動し、図3に示すように、矩形筒体(22)と共に引き抜かれていく。
さらに、平面部(11)(21)と板状弁体(110)(210)との間及び接続時における板状弁体(110)(210)間は、環状パッキン(15a)〜(15d)(25a)(25b)によってシールされているから、異物が付着することもなく、板状弁体(110)(210)の開閉に支障を来たすこともない。
(2a)(2b)・・・・・雄継手
(10)(20)・・・・・開口
(11)(21)・・・・・平面部
(110)(210)・・・・板状弁体
(100)(200)・・・・貫通孔
Claims (5)
- 流路内に設けられ且つ取り外し自在に接続される雄継手と雌継手とからなり、前記雄継手と前記雌継手との接続時に開弁し、取外し時に閉弁する弁装置がそれぞれ設けられている継手装置において、
前記雄継手及び雌継手に、両者の接続時に相互に平行に対峙する平面部がそれぞれ設けられ、
前記各平面部に各々の流路に連通する開口が形成され、
前記平面部に対して平行に重ね合わされた状態で前記平面部上を摺動可能な板状弁体が前記雄継手及び雌継手にそれぞれ設けられると共に、前記板状弁体には前記開口に対応する貫通孔が形成され、
前記雄継手と雌継手とが非接続状態にあるとき、前記平面部の開口はそれぞれの板状弁体の貫通孔非形成域によって閉塞され、
両継手の前記板状弁体の表面相互が摺擦し合うように前記雄継手と雌継手を相対的に接続方向に平行移動させることにより、前記両継手は連結されると共に、板状弁体は前記平面部上をそれぞれ摺動可能となり、
前記雄継手と前記雌継手との接続完了状態にて、前記雄継手の平面部の開口とその板状弁体の貫通孔、及び、前記雌継手の平面部の開口とその板状弁体の貫通孔の全てが一致するように設定されている継手装置。 - 請求項1に記載の継手装置において、
前記平面部は、前記雄継手の下面及び前記雌継手の上面にそれぞれ設けられ、両継手の移動方向に沿った前記平面部の両側に、両継手をすすみ対偶状態に連結させる連結ガイドが設けられている継手装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の継手装置において、前記接続完了状態にある前記雄継手及び雌継手を移動阻止状態にロックするロック手段が設けられた継手装置。
- 請求項1から請求項3のいずれかに記載の継手装置において、前記平面部の開口内に筒体が同心状に嵌め込まれ、前記筒体は前記筒体よりも奥に設けられたばねによって前記板状弁体を押圧する方向に付勢されており、前記筒体と前記板状弁体との間及び前記筒体と前記開口との間を水密状態にシールする環状パッキンが設けられている継手装置。
- 請求項1から請求項4のいずれかに記載の継手装置において、
前記雄継手及び雌継手は、それぞれ、循環流路を構成する往路復路の二流路からなる継手装置。
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