JP3899206B2 - 管継手 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷熱空調機に対する冷媒ガス充填用機器、真空引き用機器、住宅用の給水・給湯などの水回り設備、ガス配管等の流体供給用設備における接続や配管に際して、相手側の管部材との接続・取外しをワンタッチで行うようにした管継手に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
各種の流体設備の接続・配管に際しては、プラグと称される部品とソケットと称される部品を夫々、接続すべき管部材の端部に固着しておき、プラグをソケット内に差し込むことで両管部材を接続する手段が用いられる。プラグのなかには広く市場に出回っている製品があり、これが一種の基準品として流通していることから、現在は、ソケットメーカーがこのプラグの形状・寸法に合わせた製品を製造している。この種のソケットの1つを図8及び図9に示す。
【0003】
プラグ1は、全体として筒状なし、外周のうち長さ方向の中央部には周方向のロック溝2が形成され、このロック溝2よりも前方領域はシール面3とされている。一方、ソケット4は、継手本体5の前端部にロックボール6を径方向に変位可能に保持し、継手本体5の前端部外周に外筒7を軸方向の移動可能に嵌装するとともに、その外筒7を前方へ付勢するバネ8とを備えており、常には、バネ8の付勢により外筒7が前方へ移動し、ロックボール6を内側へ突出させる状態に保持している。プラグ1を接続する際には、外筒7をバネ8に抗して後方へスライドさせることでロックボール6を外側へ変位可能なフリー状態としておき、その状態を保ったままプラグ1をソケット4に差し込み、外筒7から手を離す。すると、外筒7がバネ8の付勢により前方へ移動してロックボール6を内側へ押動し、このロックボール6がプラグ1のロック溝2に係合され、もってプラグ1とソケット4が接続状態にロックされる。また、プラグ1を外す際には、外筒7を後方へスライドさせれば、ロックボール6がロック溝2から退避可能なロック解除状態となるので、そのままプラグ1を引き抜けばよい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のソケット4は、プラグ1を接続する際に外筒7をバネ8の付勢に抗してスライドさせたロック解除状態に保持しておく必要があるため、操作性が悪い。
本願発明は上記事情に鑑みて創案され、接続時の操作性向上を図ることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、外周にロック溝が形成されているとともに、このロック溝よりも前方の外周がシール面とされている筒状のプラグと接続される管継手であって、筒状をなし、前端部に内周から外周に貫通する制御用保持孔が形成された継手本体と、前記継手本体の板厚寸法よりも大径であって、前記制御用保持孔内に径方向の変位可能に設けられた制御ボールと、前方からの前記プラグの差込みを可能とされ、前記継手本体に対して前後方向への変位可能に内嵌され且つ前方へ付勢された内筒と、前記内筒の外周に形成され、前記内筒が後方に位置するときには前記制御ボールと対応してその制御ボールの内側への変位を許容する外向き係止溝と、前記内筒の外周における前記外向き係止溝の後方に隣接する位置に形成され、前記内筒が前方に位置するときには前記制御ボールと対応してその制御ボールを外側へ押し出す外向き押圧面と、前記内筒における前記継手本体の前端よりも前方へ突出した前端部に形成され、その内周から外周に貫通する形態のロック用保持孔と、前記内筒の板厚寸法よりも大径であって、前記ロック用保持孔内に径方向の変位可能に設けられたロックボールと、前記内筒に形成され、前記内筒に差し込まれた前記プラグが前記ロックボールを前記ロック溝に対応させる位置へ達したときに、前記プラグを突き当てさせて前止まり状態とする規制部と、前記内筒の内周における前記ロックボールよりも後方に装着され、前記シール面に対して密着可能とされたシール部材と、前記継手本体に対して前後方向の変位可能に外嵌され且つ前方へ付勢された外筒と、前記外筒の後端部内周に形成され、前記外筒が後方に位置するときには前記制御ボールと対応してその制御ボールの外側への変位を許容する内向き係止溝と、前記外筒の内周における前記内向き係止溝の後方に隣接する位置に形成され、前記外筒が前方に位置するときには前記制御ボールと対応してその制御ボールを内側へ押し出す内向き押圧面と、前記外筒の前端部内周に形成され、前記外筒が後方に位置するときには前記ロックボールの外側への変位を許容する位置に退避し、且つ前記外筒が前方に位置するときには前記ロックボールを内側へ押し出すロック用押圧面とを備え、前記プラグの接続が完了した状態では、前記外筒が、付勢にしたがって前方変位して前記内向き押圧面により前記制御ボールを前記外向き係止溝との係合状態に保持することで、前記内筒が付勢に抗して後方位置に保持されるとともに、前記ロックボールが前記外筒の前記ロック用押圧面により前記プラグの前記ロック溝との係合状態に保持され、ロック解除状態では、前記内筒が、付勢にしたがって前方変位して前記外向き押圧面により前記制御ボールを前記内向き係止溝との係合状態に保持することで、前記外筒が付勢に抗して後方位置に保持されるとともに、前記ロックボールが前記外筒の前記ロック用押圧面による保持から解放されて前記ロック溝から外方への退避可能とされる構成とした。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記シール部材は、前記規制部に前記プラグが突き当たった前止まり状態において、前記プラグの前記シール面と対応するように配置されている構成とした。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の発明において、前記ロックボールは、前記外筒が後方位置に保持されたロック解除状態において、前記内筒に対して前止まりされた前記プラグが前記内筒を後方へ押し込んで前記外向き係止溝を前記制御ボールに対応させる位置に達したときに、前記ロック用押圧面と係合するように配置されている構成とした。
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかの発明において、前記継手本体の外周に前後方向への移動可能に外嵌されたロック解除筒と、前記ロック解除筒に形成され、そのロック解除筒の内周から外周に貫通する形態のポートと、前記ロック解除筒の内周と前記継手本体の外周との間に気密を保ち、且つ前記ポートと連通するように確保されていて、前端壁が前記継手本体によって形成されるとともに後端壁が前記ロック解除筒によって形成された空気室と、前記ロック解除筒の前端内周に装着され、前記外筒の外周前端縁を後方から当接させるストッパリングとを備えており、前記ポートから前記空気室に供給された空気の圧力により前記ロック解除筒が後方へ変位されられるとともに、このロック解除筒の後方変位の際にそのロック解除筒が前記ストッパリングを介して前記外筒を後方へ押動する構成とした。
【0007】
【発明の作用及び効果】
[請求項1の発明]
プラグを接続する際には、ロック解除状態において前方からプラグを内筒に差し込むとともに内筒を継手本体に対して後方へ変位させると、外筒が制御ボールによる保持から解放されて前方変位し、その前方変位した外筒が制御ボールを径方向内側へ押動して内筒に係合させることでその内筒を後方位置に保持する。また、ロックボールが外筒により径方向内側へ押動されてロック溝との係合状態に保持され、このロックボールとロック溝との係合によりプラグが接続状態にロックされる。さらに、シール部材がシール面に密着することでプラグとの接続部分が防水される。
【0008】
プラグを外す際には、外筒を付勢に抗して後方へ変位させると、内筒が制御ボールによる保持から解放されて前方変位し、その前方変位した内筒が制御ボールを径方向外側へ押動して外筒に係合させることでその外筒を後方位置に保持する。また、ロックボールは外筒による保持から解放されてロック溝から径方向外側へ退避可能となり、プラグを抜き取ることができる。
プラグの接続に際しては、外筒を予め後方変位させてロック解除状態にしておく必要がなく、プラグを内筒に差し込んでその内筒を差込み方向と同じ後方へ変位させるだけで良いので、操作性に優れる。
【0009】
[請求項2の発明]
プラグを内筒に差し込むと、ロック溝とシール面が夫々可動ロック片とシール部材に対応する位置まで差し込まれた後は、規制部によりプラグと内筒が一体となって差込み方向即ち継手本体に対して後方向へ変位し、そのままロック状態に至る。接続動作の過程でロックボールとロック溝の位置及びシール部材とシール面との位置がずれずに済む。
[請求項3の発明]
外筒が制御ボールから解放されると付勢にしたがって勢いよく前方変位するが、この時点ではロックボールが外筒のロック用押圧面により径方向内側へ押動された状態とされているため、径方向外側へ突出しているロックボールに対して外筒が干渉することが回避される。
[請求項4の発明]
ロック解除の際には、空気室へ空気を供給するだけでよいから、手作業による操作が不要であり、作業者の負担が軽減される。
【0010】
【発明の実施の形態】
[実施形態1]
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1乃至図5を参照して説明する。
本実施形態の管継手Sは、冷熱空調機の製造工程においてその空調機の熱交換器に対する冷媒ガス充填用機器・真空引き用機器・耐圧検査用機器・気密検査用機器の接続、空調機内の冷媒用パイプなどの配管、住宅において給水元管や給湯器からパイプを通して台所・浴室・洗面所などへ水や湯を供給したり、床暖房用に張り巡らした温水パイプに温水を供給したりするための水回りの配管設備などに用いられ、相手側の管部材との着脱をワンタッチで行うことができるようにしたものである。
【0011】
まず、本実施形態の管継手Sの接続相手であるプラグPについて説明する。このプラグPは、広く市場に出回り、一種の基準品として流通しているものである。プラグPは、全体として筒状なし、その外周のうち長さ方向の中央部には、前後両側面をテーパ状に傾斜させた台形断面をなす周方向のロック溝10が形成されている。また、外周のうちロック溝10よりも前方(図1〜図4における右方)の領域は、ロック溝10の溝底の外径とほぼ同じ外径寸法で且つその外径がプラグPの前端まで一定となったシール面11となっている。尚、外周のうちロック溝10よりも後方領域は六角頭部12とされている。一方、プラグPの内周の後端部には、図示しないパイプを接続するための雌ネジ孔13が形成されている。内周の前半領域には常閉式の開閉弁14が設けられており、この開閉弁14は、本実施形態の管継手Sに設けた開閉弁32と突き当たることで開弁状態とされる。
【0012】
次に、本実施形態の管継手Sについて説明する。円筒状をなす継手本体20の後端部(図1〜図4における右端部)には、図示しないパイプを接続するための雌ネジ部20Aが形成され、継手本体20の前端部の周方向に間隔を空けた複数位置には、夫々、継手本体20の内周面から外周面に貫通する制御用保持孔21が形成され、各制御用保持孔21には、継手本体20の板厚寸法よりも大径の球形をなす制御ボール22が径方向の変位可能に収容されている。
【0013】
継手本体20の内周には、円筒形をなす内筒23が軸方向(前後方向)の相対移動可能に、且つ圧縮コイルバネ24により前方へ付勢された状態で嵌装されている。尚、内筒23の外周面と継手本体20の内周面との隙間はOリング25によってシールされている。内筒23の外周には、前後両側面をテーパ状に傾斜させた台形断面をなす周方向の外向き係止溝26が形成されているとともに、この外向き係止溝26の後方に隣接する周方向領域は外向き押圧面27とされている。内筒23が付勢に抗して前方に位置すると、図1及び図4に示すように、外向き押圧面27が制御ボール22と対応してこの制御ボール22を外側へ押し出すようになり、内筒23が後方位置にあるときには、図2及び図3に示すように、外向き係止溝26が制御ボール22と対応して制御ボール22の内側への変位を許容するようになっている。
【0014】
内筒23の前端部は継手本体20の前端の開口から前方へ突出されており、この突出部分における周方向に間隔を空けた複数位置には、夫々、内筒23の内周面から外周面へ貫通するロック用保持孔28が形成されているとともに、各ロック用保持孔28には内筒23の板厚寸法よりも大径の球形をなすロックボール29が径方向の変位可能に収容されている。このロック用保持孔28の内周面側の開口はロックボール29よりも小径とされ、これにより、ロックボール29が内周側へ離脱することが阻止されている。また、ロックボール29よりも後方(奥方)の内周には、リング状のシール部材30が装着されている。
【0015】
内筒23には前方からプラグPが差し込まれるようになっており、差し込まれたプラグPは、その前端面周縁部を内筒23の段差状のストッパ31(本発明の構成要件である規制部)に突き当てるか、若しくは六角頭部12の前端を内筒23の前端面23A(本発明の構成要件である規制部)に突き当てることで前止まり状態とされる。内筒23の前端部内周は、前止まり位置まで差し込まれたときのプラグPの外周形状と対応する形状に成形されて、プラグPが前止まりの状態では、ロック用保持孔28とロックボール29がロック溝10と対応するとともに、シール面11の後端部にはシール部材30が密着状態で対応するようになっている。
【0016】
尚、内筒23には常閉式の開閉弁32が設けられており、プラグPが内筒23に差し込まれると、プラグP側と内筒23側の双方の開閉弁14,32が互いに突き当たることによって開弁状態となる。
継手本体20の前端部には、円筒形をなす外筒33が軸方向(前後方向)の相対移動可能に、且つ圧縮コイルバネ34により前方へ付勢された状態で嵌装されている。外筒33の後端部内周には、前後両側面をテーパ状に傾斜させた台形断面をなす周方向の内向き係止溝35が形成されているとともに、この内向き係止溝35の後方に隣接する周方向領域は内向き押圧面36とされ、また、外筒33の前端部内周にはロック用押圧面37が形成されている。
【0017】
外筒33が付勢に抗して後方に位置すると、図4に示すように、内向き係止溝35が制御ボール22と対応して制御ボール22の外側への変位を許容するようになり、外筒33が前方位置にあるときには、図3に示すように、内向き押圧面36が制御ボール22と対応してこの制御ボール22を内側へ押し出すようになる。また、外筒33が後方に位置し且つ内筒23が前方に位置するときには、図4に示すように、外向き押圧面27が制御ボール22を外側へ押動して内向き係止溝35との係合状態に保持するとともに、ロック用押圧面37がロックボール29よりも後方に退避してロックボール29の外側への径方向の変位を許容する。また、外筒33が前方に位置し且つ内筒23が後方に位置するときには、図3に示すように、内向き押圧面36が制御ボール22を内側へ押動して外向き係止溝26との係合状態に保持するとともに、ロック用押圧面37がロックボール29を内側へ押動してロック溝10との係合状態に保持するようになる。
【0018】
次に、本実施形態の作用を説明する。
プラグPを外した状態では管継手Sは、図1に示すロック解除状態となっている。このロック解除状態では、内筒23が前方に位置し、その外向き押圧面27が制御ボール22を外側へ押動して内向き係止溝35との係合状態に保持することで、外筒33が後方位置に保持され、これにより、ロックボール29はロック用押圧面37から解放されて径方向外側への変位を許容されている。この状態で、プラグPを内筒23に差し込むと、プラグPが前止まり状態となってシール面11にシール部材30が密着するとともにロックボール29がロック溝10と対応する。この状態からさらに内筒23の差込みを続けると、内筒23がプラグPと一体となって付勢に抗して後方へ押し込まれ、これに伴って外向き係止溝26が制御ボール22と対応する状態に変位し、その過程では図2に示すように、前方に付勢されている外筒33が、その内向き係止溝35のテーパ面で制御ボール22を内側へ押動しつつ前方へずれる。
【0019】
ここで、外筒33の内向き係止溝35が制御ボール22から完全に外れると、外筒33は圧接コネクタ34の付勢により勢い良く前方へ移動するのであるが、それよりも前の段階では、内筒23が僅かに後方変位すると同時に外筒33が僅かに前方変位することで、ロック用押圧面37がロックボール29に係合してそのロックボール29の外側への径方向の変位を阻止する状態となる(図2を参照)。これにより、ロックボール29はロック溝10と係合し、プラグPと内筒23とが離脱規制状態にロックされることになる。
【0020】
さて、内筒23の押し込みを続けると、内向き係止溝35が制御ボール22から完全に外れる状態となり、これと同時に外筒33が付勢にしたがって前方へ勢い良く移動し、内筒23の前端外周の係止リング38に突き当たって前方変位を規制され、外筒33のロック用押圧面37がロックボール29を押してロック溝10との係合状態にロックする。また、外筒33の後端の内向き押圧面36が制御ボール22に係合して内筒23の外向き係止溝26との係合状態にロックし、もって内筒23が後方位置にロックされる(図3を参照)。以上により、プラグPの接続作業が完了する。尚、プラグPと内筒23との隙間は、シール部材30のシール面11への密着によりシールされる。
【0021】
プラグPを外す際には、外筒33を付勢に抗して後方へ変位させる。すると、制御ボール22が内向き押圧面36による係合から解放されて外側への径方向の変位を許容されるため、内筒23は制御ボール22による前方変位規制状態から解放される。すると、内筒23は付勢にしたがって前方へ勢い良く変位し、この内筒23の外向き押圧面27が制御ボール22を外側へ押圧して外筒33の内向き係止溝35との係合状態に保持するので、外筒33は後方位置にロックされる。また、ロックボール29は、ロック用押圧面37による押圧状態から解放され、径方向外側への変位、即ちロック溝10との係合を解除する方向への変位を許容されるので、プラグPを内筒23から抜き取ることができる。
【0022】
上述のように本実施形態においては、プラグPを接続する際に、外筒33を予め後方位置に変位させてロック解除状態にしておく必要がなく、プラグPを内筒23に差し込んでその内筒23を差込み方向と同じ後方へ押し込むというワンアクション操作だけで良いので、操作性に優れている。
また、プラグPを内筒23に差し込んで内筒23を後方変位させる過程では、外筒33が制御ボール22による前方変位規制から解放されて勢い良く前方へ変位するよりも前に、ロックボール29が外筒33のロック用押圧面37によってロック溝10との係合状態に保持されるようになっているので、外筒33が付勢により勢いよく前方変位するときには、ロック用押圧面37がロックボール29に対して摺接するだけとなる。したがって、ロックボール29が内筒23の外側に突出してその突出部分に外筒33の前端が当接する、ということがなく、外筒33の前方変位動作が円滑に行われる。
【0023】
尚、本実施形態と同様にロックボールと制御ボールを備えた2ボールタイプの管継手であっても、その2つのボールの両方が共に継手本体に設けられた構造のものでは、接続時にプラグがロックボールと係合する前に外筒がスライドを開始するためにロックボールと擦れ合うように干渉する場合があり、また、ロック解除時には、ロックボールが外筒から完全に解放される前にプラグが内筒に押されて移動するためプラグとロックボールが擦れ合うように干渉する場合もある。これに対し、本実施形態の管継手Sは、ロックボール29を内筒23に、制御ボール22を継手本体20に設けたので、プラグPの接続動作及びロック解除動作のあいだは、プラグPと内筒23が相対的に移動せず、ロックボール29とロック溝10とは常に対応する位置関係を保つことができる。したがって、ロックボール29と外筒33との間、及びロックボール29とプラグPとの間で擦れ合うような干渉を生じる虞はない。
【0024】
[実施形態2]
次に、本発明を具体化した実施形態2を図6及び図7を参照して説明する。本実施形態2は、ロック解除の手段を上記実施形態1とは異なる構成としたものである。その他の構成については上記実施形態1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
継手本体20の外周においては、外筒33よりも後方に位置して前後2つのシール部材40,41が装着されているとともに、これらのシール部材40,41に内周面を密着させたロック解除筒42が前後方向の変位可能に外嵌されている。ロック解除筒42における両シール部材40,41の間には、その内周から外周に連通する雌ネジ状のポート43が形成され、このポート43には、図示しない加圧空気供給源からの供給管が接続されるようになっている。また、このポート43が形成されている領域においては、ロック解除筒42の内周と継手本体20の外周との間に空気室44が形成されている。この空気室44の前端壁は継手本体20側に形成され、後端壁がロック解除筒42側に形成されている。また、空気室44の内部は上記2つのシール部材40,41によって気密状態が保たれている。さらに、ロック解除筒42の前端内周には、Cリングからなるストッパリング45が装着されており、このストッパリング45には外筒33の外周前端縁が後方から当接されている。
【0025】
プラグPが接続された状態において、ポート43から空気室44に加圧空気を供給すると、その空気室44内の圧力上昇によりロック解除筒42が継手本体20に対して後方へ移動されると同時に、このロック解除筒42がストッパリング45を介して外筒33を後方へ一体的に押動させる。この外筒33の後方変位により、上記実施形態1と同じく、ロックが解除されてプラグPを抜き取ることができるようになる。このように、本実施形態2では、ロックを解除する操作を手動で行わずに済むので、作業者の負担が軽減される。
【0026】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では管継手とプラグとの開閉弁機構を備えた場合について説明したが、本発明によれば、開閉弁機構を備えない構造としてもよい。
【0027】
(2)上記実施形態ではプラグの差込みに伴う内筒の後方変位の過程で外筒が制御ボールから解放されて勢いよく前方変位するより前に、ロックボールが外筒によりロック溝との係合状態に保持されるようにしたが、本発明によれば、ロックボールがロック溝との係合状態に保持されないうちに外筒が勢いよく前方変位するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1においてプラグを外した状態を示す断面図
【図2】プラグの接続途中の状態を示す断面図
【図3】プラグを接続した状態を示す断面図
【図4】プラグを接続した状態においてロックを解除した状態を示す断面図
【図5】分解斜視図
【図6】実施形態2においてプラグを接続した状態においてロックを解除した状態を示す断面図
【図7】実施形態2においてプラグを接続した状態を示す断面図
【図8】従来例においてプラグを接続した状態を示す断面図
【図9】従来例においてプラグを接続する前の状態を示す断面図
【符号の説明】
P…プラグ
S…管継手
10…ロック溝
11…シール面
20…継手本体
22…制御ボール
23…内筒
23A…内筒の前端面(規制部)
29…ロックボール
30…シール部材
31…ストッパ(規制部)
33…外筒
42…ロック解除筒
43…ポート
44…空気室
Claims (4)
- 外周にロック溝が形成されているとともに、このロック溝よりも前方の外周がシール面とされている筒状のプラグと接続される管継手であって、
筒状をなし、前端部に内周から外周に貫通する制御用保持孔が形成された継手本体と、
前記継手本体の板厚寸法よりも大径であって、前記制御用保持孔内に径方向の変位可能に設けられた制御ボールと、
前方からの前記プラグの差込みを可能とされ、前記継手本体に対して前後方向への変位可能に内嵌され且つ前方へ付勢された内筒と、
前記内筒の外周に形成され、前記内筒が後方に位置するときには前記制御ボールと対応してその制御ボールの内側への変位を許容する外向き係止溝と、
前記内筒の外周における前記外向き係止溝の後方に隣接する位置に形成され、前記内筒が前方に位置するときには前記制御ボールと対応してその制御ボールを外側へ押し出す外向き押圧面と、
前記内筒における前記継手本体の前端よりも前方へ突出した前端部に形成され、その内周から外周に貫通する形態のロック用保持孔と、
前記内筒の板厚寸法よりも大径であって、前記ロック用保持孔内に径方向の変位可能に設けられたロックボールと、
前記内筒に形成され、前記内筒に差し込まれた前記プラグが前記ロックボールを前記ロック溝に対応させる位置へ達したときに、前記プラグを突き当てさせて前止まり状態とする規制部と、
前記内筒の内周における前記ロックボールよりも後方に装着され、前記シール面に対して密着可能とされたシール部材と、
前記継手本体に対して前後方向の変位可能に外嵌され且つ前方へ付勢された外筒と、
前記外筒の後端部内周に形成され、前記外筒が後方に位置するときには前記制御ボールと対応してその制御ボールの外側への変位を許容する内向き係止溝と、
前記外筒の内周における前記内向き係止溝の後方に隣接する位置に形成され、前記外筒が前方に位置するときには前記制御ボールと対応してその制御ボールを内側へ押し出す内向き押圧面と、
前記外筒の前端部内周に形成され、前記外筒が後方に位置するときには前記ロックボールの外側への変位を許容する位置に退避し、且つ前記外筒が前方に位置するときには前記ロックボールを内側へ押し出すロック用押圧面とを備え、
前記プラグの接続が完了した状態では、前記外筒が、付勢にしたがって前方変位して前記内向き押圧面により前記制御ボールを前記外向き係止溝との係合状態に保持することで、前記内筒が付勢に抗して後方位置に保持されるとともに、前記ロックボールが前記外筒の前記ロック用押圧面により前記プラグの前記ロック溝との係合状態に保持され、
ロック解除状態では、前記内筒が、付勢にしたがって前方変位して前記外向き押圧面により前記制御ボールを前記内向き係止溝との係合状態に保持することで、前記外筒が付勢に抗して後方位置に保持されるとともに、前記ロックボールが前記外筒の前記ロック用押圧面による保持から解放されて前記ロック溝から外方への退避可能とされるようになっていることを特徴とする管継手。 - 前記シール部材は、前記規制部に前記プラグが突き当たった前止まり状態において、前記プラグの前記シール面と対応するように配置されていることを特徴とする請求項1記載の管継手。
- 前記ロックボールは、前記外筒が後方位置に保持されたロック解除状態において、前記内筒に対して前止まりされた前記プラグが前記内筒を後方へ押し込んで前記外向き係止溝を前記制御ボールに対応させる位置に達したときに、前記ロック用押圧面と係合するように配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の管継手。
- 前記継手本体の外周に前後方向への移動可能に外嵌されたロック解除筒と、
前記ロック解除筒に形成され、そのロック解除筒の内周から外周に貫通する形態のポートと、
前記ロック解除筒の内周と前記継手本体の外周との間に気密を保ち、且つ前記ポートと連通するように確保されていて、前端壁が前記継手本体によって形成されるとともに後端壁が前記ロック解除筒によって形成された空気室と、
前記ロック解除筒の前端内周に装着され、前記外筒の外周前端縁を後方から当接させるストッパリングとを備えており、
前記ポートから前記空気室に供給された空気の圧力により前記ロック解除筒が後方へ変位されられるとともに、このロック解除筒の後方変位の際にそのロック解除筒が前記ストッパリングを介して前記外筒を後方へ押動するようになっていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の管継手。
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JP16603399A JP3899206B2 (ja) | 1999-06-11 | 1999-06-11 | 管継手 |
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-
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