JP5356112B2 - 導電性または帯電防止性樹脂組成物 - Google Patents

導電性または帯電防止性樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、導電性または帯電防止性樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、耐水性、機械特性を低下させることなく導電性または帯電防止性に優れる成形品を与える導電性または帯電防止性樹脂組成物に関する。
従来、導電性樹脂組成物としては、導電性フィラーを分散させた樹脂組成物、π電子共役系導電性ポリマー組成物、窒素またはリンオニウムカチオンと含フッ素アニオンからなるイオン塩を熱可塑性樹脂等に含有させた樹脂組成物(例えば特許文献1参照)やイオン性液体を含有させた高分子固体電解質からなる導電性樹脂組成物(例えば非特許文献1参照)等が用いられていた。
また、帯電防止性樹脂組成物しては、従来、透明性、加工性、耐ブリードアウト性、耐水性が良好な成形品を与えるとして、ポリオキシアルキレン鎖を有するポリマーからなる高分子型帯電防止剤を含有する組成物が知られている(例えば、特許文献2参照)
特開2006−193704号公報 特開2002−321314号公報
「化学と工業」、第54巻(2001年)第3号、281〜285頁、日本化学会出版
しかしながら、上記導電性フィラーを分散させた樹脂組成物からなる導電性樹脂は導電性フィラーに起因する黒色または金属色を有して透明性が著しく阻害され、さらに使用中に導電性フィラーの欠落の恐れがありクリーン度を要求される用途には敬遠される。
π電子共役系導電性ポリマー組成物からなるポリマーは一般に不溶不融であるため加工性が悪く、さらにπ電子共役系に起因する黒色を呈するため透明性も低い。
また、窒素オニウムカチオンまたはリンオニウムカチオンと含フッ素有機アニオンからなるイオン塩やイオン性液体を含有する樹脂組成物の場合は、イオン塩やイオン性液体が低分子であることと、樹脂との親和性が不良であることによりイオン塩やイオン性液体が容易に成形品表面にブリードアウトし、水洗や布拭きにより導電性が低下したり耐水性が悪化するという問題があった。
また、上記帯電防止性樹脂組成物は、高分子型帯電防止剤の導電性が不足しているため、それを熱可塑性樹脂に練り込んだ場合は、十分な帯電防止性が発現しないという問題があった。
本発明の目的は、樹脂組成物中のポリマー型イオン性液体の分散性が良好であるため導電性または帯電防止性に優れ、かつ耐水性にも優れる成形品を与える導電性または帯電防止性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。 即ち、本発明は、少なくとも1個のオニウムカチオン基(a)と、対アニオン基を有するポリマー(b)からなるポリマー型イオン性液体(A)と、熱可塑性樹脂(B)を含有してなり、下記の式で定義される溶融粘度比が−0.5〜0.5であることを特徴とする導電性または帯電防止性樹脂組成物である。

溶融粘度比=log[ρ(A)/ρ(B)]

[式中、ρ(A)、ρ(B)はそれぞれ240℃における(A)と(B)の溶融粘度(単位はPa・S/せん断速度1,000秒-1。以下同じ。)を表す。]
本発明の導電性または帯電防止性樹脂組成物は、下記の効果を奏する。
(1)導電性樹脂組成物は、導電性および耐水性に優れる成形品を与える。
(2)帯電防止性樹脂組成物は、帯電防止性および耐水性に優れる成形品を与える。
[ポリマー型イオン性液体(A)]
本発明におけるポリマー型イオン性液体(A)は、少なくとも1個のオニウムカチオン基(a)と、対アニオン基を有するポリマー(b)からなる。なお、ここ、および以下において、イオン性液体とは、100℃以下の融点または室温以下のガラス転移点(以下Tgと略記)を有する溶融塩を意味するものとする。
[オニウムカチオン基(a)]
オニウムカチオン基(a)には、アミジニウムカチオン(a1)およびグアニジニウムカチオン(a2)が含まれる。
(a1)としては下記のものが挙げられる。
[1]イミダゾリニウムカチオン
炭素数(以下Cと略記)5〜15、例えば1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリニウム、1,2−ジメチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム、1−メチル−2,3,4−トリエチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリニウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−シアノメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、2−シアノメチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、4−アセチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−メチルカルボオキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−メチルカルボオキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−メトキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−ホルミル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム;
[2]イミダゾリウムカチオン
C5〜15、例えば1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリウム、1,2−ジメチル−3−エチル−イミダゾリウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−フェニルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−ベンジルイミダゾリウム、1−ベンジル−2,3−ジメチル−イミダゾリウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−シアノメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、2−シアノメチル−1,3−ジメチル−イミダゾリウム、4−アセチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−メチルカルボオキシメチル
−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−メチルカルボオキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−メトキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−ホルミル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム;
[3]テトラヒドロピリミジニウムカチオン
C6〜15、例えば1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,5−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウム、5−メチル−1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネニウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−シアノメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−シアノメチル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−アセチル−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−メチルカルボオキシメチル−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−メチルカルボオキシメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−メトキシメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−ホルミル−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム;
[4]ジヒドロピリミジニウムカチオン
C6〜20、例えば1,3−ジメチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウム、[これらを1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウムと表記し、以下同様の表記を用いる。]1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、1,2,3,5−テトラメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7,9(10)−ウンデカジエニウム、5−メチル−1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5,7(8)−ノナジエニウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−シアノメチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−シアノメチル−1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−アセチル−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−メチルカルボオキシメチル−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−メチルカルボオキシメチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−メトキシメチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−ホルミル−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−
トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチル−1,4(6)−ヒドロピリミジニウム。
(a2)としては下記のものが挙げられる。
[1]イミダゾリニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン
C8〜15、例えば2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−テトラエチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−1−エチル−3−メチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジエチルイミダゾリニウム、1,5,6,7−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]イミダゾリニウム、1,5−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]イミダゾリニウム、1,5,6,7−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]イミダゾリニウム、1,5−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]イミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−4−シアノ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−シアノメチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−4−アセチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−アセチルメチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−4−メチルカルボオキシメチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−メチルカルボオキシメチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−4−メトキシ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−メトキシメチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−4−ホルミル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−ホルミルメチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−ヒドロキシエチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム;
[2]イミダゾリウム骨格を有するグアニジニウムカチオン
C8〜15、例えば2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−テトラエチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジエチルイミダゾリウム、1,5,6,7−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]イミダゾリウム、1,5−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]イミダゾリウム、1,5,6,7−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]イミダゾリウム、1,5−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]イミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−4−シアノ−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−3−シアノメチル−1−メチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−4−アセチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−アセチルメチル−1−メチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−4−メチルカルボオキシメチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−3−メチルカルボオキシメチル−1−メチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−4−メトキシ−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−3−メトキシメチル−1−メチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−4−ホルミル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−3−ホルミルメチル−1−メチ
ルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−3−ヒドロキシエチル−1−メチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム;
[3]テトラヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン
C10〜20、例えば2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−テトラエチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−1−エチル−3−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジエチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]ピリミジニウム、1,3,4,6−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]ピリミジニウム、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]ピリミジニウム、1,3,4,6−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]ピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−シアノ−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−シアノメチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、、2−ジメチルアミノ−4−アセチル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−アセチルメチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−メチルカルボオキシメチル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−メチルカルボオキシメチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−メトキシ−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−メトキシメチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−ホルミル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−ホルミルメチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−ヒドロキシエチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム;
[4]ジヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン
C10〜20、例えば2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−テトラエチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−1−エチル−3−メチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジエチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、1,6,7,8−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]ピリミジニウム、1,6−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]ピリミジニウム、1,6,7,8−テトラヒドロ−1
,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]ピリミジニウム、1,6−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]ピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−シアノ−1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−シアノメチル−1−メチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−アセチル−1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−アセチルメチル−1−メチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−メチルカルボオキシメチル−1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−メチルカルボオキシメチル−1−メチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−メトキシ−1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−メトキシメチル−1−メチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−ホルミル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−ホルミルメチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−ヒドロキシエチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム。
これらのうち、後述する成形品の導電性または帯電防止性の観点から好ましいのは(a1)、さらに好ましいのはイミダゾリウムカチオン、特に好ましいのは1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンである。
[対アニオン基を有するポリマー(b)]
本発明におけるポリマー(b)は、付加重合物(b1)、重縮合物(b2)および重付加物(b3)からなる群から選ばれるポリマーで、しかも上記オニウムカチオン基(a)の対アニオン基を有するポリマーである。
(b)を構成するアニオン基としては、カルボン酸基、硫酸エステル基、スルホン酸基、リン酸エステル基等の有機酸基が挙げられる。
付加重合物(b1)には、エチレン性不飽和基含有モノマー(b01)の(共)重合物で、少なくとも1個の上記アニオン基を有するものが含まれる。
重縮合物(b2)には、多価カルボン酸(b021)と多価アルコール(b022)および/または多価アミン(b023)からなる重縮合物(ポリエステル、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステル、ポリエーテルエステルアミド等)で、少なくとも1個の上記アニオン基を有するものが含まれる。
重付加物(b3)には、活性水素原子含有多価化合物(b031)とポリイソシアネート(b032)からなるポリウレタンおよび/またはポリウレアで、少なくとも1個の上記アニオン基を有するものが含まれる。
付加重合物(b1)は、上記アニオン基を有するエチレン性不飽和基含有モノマー(b011)を必須構成成分とし、該アニオン基を含有しない共重合性のエチレン性不飽和基含有モノマー(b012)と共重合させることにより得られる。
(b011)としては下記のもの、およびこれらの併用系が挙げられる。
(1)カルボン酸基を有するもの
C3〜30、例えば(メタ)アクリル酸、(イソ)クロトン酸、桂皮酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、およびこれらの無水物、並びにイソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸(無水物)およびトリメリット酸(無水物)等のポリカルボン酸と水酸基含有(メタ)アクリレートとのエステル化物;
(2)硫酸エステル基を有するもの
C5〜20、例えば水酸基含有(メタ)アクリレートと硫酸とのエステル化物(2−ヒ
ドロキシエチルアクリレートの硫酸エステル、3−ヒドロキシプロピルアクリレートの硫酸エステル等);
(3)スルホン酸基を有するもの
C6〜30、例えば(メタ)アクリロイルメチルベンゼンスルホン酸、(メタ)アクリロイルオキシベンゼンスルホン酸、(メタ)アクリロイルドデシルベンゼンスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等;
(4)リン酸エステル基を有するもの
C6〜30、例えば2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシ−2−および3−ヒドロキシプロピルアシッドホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシ−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルアシッドホスフェートおよびアリルアルコールアシッドホスフェート等。
これらの(b011)のうち、成形品の導電性または帯電防止性の観点から好ましいのは(1)および(3)である。
エチレン性不飽和基含有モノマー(b012)としては下記のものが挙げられる。
(1)不飽和炭化水素
脂肪族炭化水素としては、C2〜30、例えばオレフィン[エチレン、プロピレン、
C4〜30のα−オレフィン(1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、 1−ペンテン
、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等)等]、C4〜30のジエン[アルカジエン(ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエ ンおよび1
,7−オクタジエン等)等];芳香環含有炭化水素としては、C8〜30、例えばスチレンおよびその誘導体[o−、m−およびp−アルキル(C1〜10)スチレン(α−メチルスチレン、ベンジルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレン等)、α−アルキル(C1〜10)スチレン(α−メチルスチレン等)およびハロゲン化スチレン(クロロスチレン等)等];脂環含有炭化水素としては、C4〜30、例えば(ジ)シクロアルケン、例えばシクロヘキセン、(ジ)シクロペンタジエン、ピネン、リモネン、インデン、ビニルシクロヘキセンおよびエチリデンビシクロヘプテン;
(2)(メタ)アクリロイル基含有モノマー
C3〜30、例えば(メタ)アクリル酸の誘導体〔アルキル(C1〜20)(メタ)アクリレート[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリ レート、ブチル(メ
タ)アクリレート等]、モノ−およびジアルキル(C1〜4)アミノアルキル(C2〜4)(メタ)アクリレート[メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等]、(メタ)アクリルアミド等〕;
(3)不飽和アルコールのカルボン酸エステル
不飽和アルコール[C2〜6、例えばビニルアルコール 、(メタ)アリルアルコール
]のカルボン酸(C2〜4、例えば酢酸、プロピオン酸)エステル(酢酸ビニル等);
(4)不飽和アルコールのアルキルエーテル
上記不飽和アルコールのアルキル(C1〜20)エーテル(メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等);
(5)ハロゲン含有ビニルモノマー
C2〜12、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデンおよびクロロプレン;
(6)その他のビニルモノマー
(メタ)アクリロニトリル等。
これらの(b012)のうち、導電性の観点から好ましいのは(メタ)アクリロイル基含有モノマー、不飽和アルコールのアルキルエーテルおよび(メタ)アクリロニトリルである。
(b011)と(b012)の共重合比(重量比)は、導電性および耐水性の観点から好ましくは50/50〜100/0、さらに好ましくは70/30〜100/0である。
重縮合物(b2)には、多価カルボン酸(b021)と、多価アルコール(b022)および/または多価アミン(b023)から形成される重縮合物(ポリエステル、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステル、ポリエーテルエステルアミド等)で、少なくとも1個の上記アニオン基を有するものが含まれる。
重縮合物(b2)を構成する多価カルボン酸(b021)としては、下記の2価〜4価またはそれ以上の多価カルボン酸、これらの酸の無水物、アルキル(C1〜3)エステル、スルホ基含有多価カルボン酸、硫酸基含有多価カルボン酸、スルファミン酸基含有多価カルボン酸、リン酸基含有多価カルボン酸、ホスホン酸基含有多価カルボン酸等が挙げられる。
2価のカルボン酸としては、脂肪族ジカルボン酸(C2〜20、例えばシュウ酸、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、ドデセニルコハク酸、オクチルコハク酸);芳香環含有ジカルボン酸(C8〜15、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸);脂環含有ジカルボン酸(C7〜10、例えばシクロヘキサンジカルボン酸);スルホ基含有ジカルボン酸[C8〜15、例えばスルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、5−スルホイソフタル酸ジメチル、4−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7ジカルボン酸、5(4−スルホフェノキシ)イソフタル酸];
3価のカルボン酸としては、C6〜20、例えば1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸;
4価またはそれ以上のカルボン酸としては、C9〜20、例えばテトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸、およびこれらの酸無水物、アルキル(C1〜3)エステル。
これらの(b021)のうち、導電性の観点から好ましいのはスルホ基含有ジカルボン酸、さらに好ましいのはスルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、5−スルホイソフタル酸ジメチル、および4−スルホフタル酸である。
多価アルコール(b022)としては2個以上のOH基を有し、OH当量(OH価に基づく、OH当たりの分子量)が250未満の低分子ポリオールおよびOH当量が250以上の高分子ポリオール、スルホ基含有ポリオールおよびこれらの混合物が挙げられる。
低分子多価アルコールとしては、2価アルコール(C2〜20またはそれ以上)、例えば脂肪族2価アルコール〔C2〜12、例えば(ジ)アルキレングリコール[エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−、2,3−、1,3−および1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールおよび3−メチルペンタンジオール(以下それぞれEG、DEG、PG、DPG、BD、HD、NPGおよびMPDと略記)、ドデカンジオール等]等〕、脂環含有2価アルコール[C5〜10、例えば1,3−シクロペンタンジオール、1,3−および1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等]、芳香脂肪族2価アルコール[C8〜20、例えばキシリレングリコール、ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン等];
3価〜8価もしくはそれ以上の多価アルコール、例えば(シクロ)アルカンポリオールお
よびそれらの分子内もしくは分子間脱水物[グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールおよびジペンタエリスリトール(以下それぞれGR、TMP、PE、SOおよびDPEと略記)、1,2,6−ヘキサントリオール、エリスリトール、シクロヘキサントリオール、マンニトール、キシリトール、ソルビタン、ジグリセリンその他のポリグリセリン等]、糖類およびその誘導体[ショ糖、グルコース、フラクトース、マンノース、ラクトース、グルコシド(メチルグルコシド等)等]等;
並びに、後述するポリエーテルポリオール、ポリテトラメチレングリコール(以下PTMGと略記)、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトン、ポリカーボネート、ポリブタジエン、水添ポリブタジエン、ポリイソプレンポリオールおよび水添ポリイソプレンポリオールのうち、OH当量が250未満のものが挙げられる。
高分子ポリオールには、ポリエーテルポリオール{上記2価アルコール、または3価〜8価もしくはそれ以上の多価アルコールのアルキレンオキシド(以下AOと略記)[C2〜4、例えばエチレンオキシド(以下、EOと略記)、プロピレンオキシド(以下POと略記)、1,2−および2,3−ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン(以下、THFと略記)。以下同じ。]付加物〔数平均分子量[以下Mnと略記。測定はゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法による。]500〜20,000〕、例えばポリエチレングリコール(以下PEGと略記)(Mn500〜10,000)例えばポリプロピレングリコール(以下PPGと略記)(Mn500〜10,000)、ポリテトラメチレングリコール(以下PTMGと略記)(Mn500〜10,000)等]、ポリエステルポリオール(Mn500〜20,000)、Mn500〜10,000の、ポリカプロラクトン、ポリカーボネート、ポリブタジエン、水添ポリブタジエン、ポリイソプレンポリオールおよび水添ポリイソプレンポリオール等が含まれる。
スルホ基含有ポリオールとしては、前記スルホ基含有ジカルボン酸のAO2〜10モル付加物[5−スルホ−オルト−、イソ−およびテレフタル酸のEO2モル付加物等]が挙げられる。
多価アミン(b023)としては、C2〜20のジアミン、例えば脂肪族[エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、エイコサンジアミン等]、芳香(脂肪)族[フェニレンジアミン、ナフチレンジアミン、キシリレンジアミン等]および脂環式[シクロヘキサンジアミン等]等が挙げられる。
ポリエステル化反応において、COOH基とOH基の当量比(COOH/OH)は、熱可塑性樹脂(B)との溶融粘度比および後述する成形品の耐水性の観点から好ましくは0.5〜2.0、さらに好ましくは0.8〜1.2である。
ポリアミド化反応において、COOH基とNH2基の当量比(COOH/NH2)は、上記と同様の観点から好ましくは0.5〜2.0、さらに好ましくは0.8〜1.5である。
ポリエステルアミド化反応において、COOH基、OH基およびNH2基の当量比(C
OOH/OH/NH2)は、上記と同様の観点から好ましくは0.5/0.5/0.5〜2.0/0.5/0.5、さらに好ましくは0.8/0.5/0.5〜1.2/0.5/0.5である。
ポリエーテルエステル化反応において、COOH基とOH基の当量比(COOH/OH)は、上記と同様の観点から好ましくは0.5〜2.0、さらに好ましくは0.8〜1.2である。
ポリエーテルエステルアミド化反応において、COOH基、OH基およびNH2基の当
量比(COOH/OH/NH2)は、上記と同様の観点から好ましくは0.5/0.5/0.5〜2.0/0.5/0.5、さらに好ましくは0.8/0.5/0.5〜1.2/0.5/0.5である。
重付加物(b3)には、活性水素原子含有多価化合物(b031)とポリイソシアネート(b032)とのウレタン化および/またはウレア化反応で形成されるポリウレタンおよび/またはポリウレアに多価カルボン酸(b021)を反応させたもの(b31)、および(b031)のうちの前記スルホ基含有ポリオールを必須成分とする活性水素原子含有多価化合物とポリイソシアネート(b032)とのウレタン化および/またはウレア化反応で形成されるポリウレタンおよび/またはポリウレア(b32)が含まれ、該(b31)または(b32)にさらに前記カルボン酸末端重縮合物(b2)をエステル化またはアミド化により反応させたもの(b33)も含まれる。
該(b031)としては、前記の多価アルコール(b022)および/または多価アミン(b023)が使用できる。
上記(b3)のうち、導電性の観点から好ましいのは(b32)である。
該ウレタン化および/またはウレア化反応において、NCO基とOH基および/またはNR0H(R0はHまたはC1〜3のアルキル基)基の当量比[NCO/(OH+NR0H)]は、上記(b31)の場合は、熱可塑性樹脂(B)との溶融粘度比および多価カルボン酸との反応性の観点から好ましくは0.3〜0.6、さらに好ましくは0.4〜0.5である。
また、上記(b32)の場合は、該当量比[NCO/(OH+NR0H)]は、後述する成形品の耐水性および熱可塑性樹脂(B)との溶融粘度比の観点から好ましくは0.8〜1.2、さらに好ましくは0.9〜1.1である。
前記ポリイソシアネート(b032)(以下においてPIと略記することがある。)としては、例えば下記のもの、およびこれらの2種以上の混合物が含まれる。
(1)C(NCO基中のCを除く、以下同じ)6〜20の芳香族PI
ジイソシアネート(以下、DIと略記)、例えば1,3−および/または1,4−フェ
ニレンDI、2,4−および/または2,6−トリレンDI(TDI)、4,4’−および/または2,4’−ジフェニルメタンDI(MDI)、m−およびp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンDI、およびm−およびp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート;および3官能以上のPI(トリイソシアネート等)、例えば粗製TDI、粗製MDI(ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート)および4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート
(2)C2〜18の脂肪族PI
DI、例えばエチレンDI、テトラメチレンDI、ヘキサメチレンDI(HDI)、ヘプタメチレンDI、オクタメチレンDI、ノナメチレンDI、デカメチレンDI、ドデカメチレンDI、2,2,4−および/または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンDI、リジンDI、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、2,6−ジイソシアナトエチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネートおよびトリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI);および3官能以上のPI(トリイソシアネート等)、例えば1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネートおよびリジンエステルトリイソシアネート(リジンとアルカノールアミンの反応生成物のホスゲン化物、例えば2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート、2−および/または3−イソシアナトプロピル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート)
(3)C4〜45の脂環含有PI
DI、例えばイソホロンDI(IPDI)、2,4−および/または2,6−メチルシクロヘキサンDI(水添TDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−DI(水添MDI)、シクロヘキシレンDI、メチルシクロヘキシレンDI、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキシレン−1,2−ジカルボキシレートおよび2,5−および/または2,6−ノルボルナンDI、ダイマー酸DI(DDI);および3官能以上のPI(トリイソシアネート等)、例えばビシクロヘプタントリイソシアネート
(4)C8〜15の芳香脂肪族PI
m−および/またはp−キシリレンDI(XDI)、ジエチルベンゼンDIおよびα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンDI(TMXDI)
(5)上記(1)〜(4)のヌレート化物
これらの(b032)のうち耐光性の観点から好ましいのは(2)、(3)、および(5)のうちの脂肪族および脂環含有PIのヌレート化物である。
前記重付加物(b31)の製造時、ポリウレタンおよび/またはポリウレアと多価カルボン酸(b021)との反応において、カルボキシル基とOH基および/またはNR0H基の当量比(COOH/(OH+NR0H)]は、特に限定されないが、熱可塑性樹脂(B)との溶融粘度比および耐水性の観点から好ましくは0.8〜1.2、さらに好ましくは0.9〜1.1である。
[熱可塑性樹脂(B)]
本発明における熱可塑性樹脂(B)としては、ポリエーテルエステル、ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステルアミド、並びにポリオレフィンのブロックと1×104〜1
×1011Ω・cmの体積固有抵抗値を有する親水性ポリマーのブロックとが繰り返し交互に結合した構造を有するブロックポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種のブロックポリマー(B1);ポリフェニレンエーテル樹脂(B2);ビニル樹脂〔ポリオレフィン樹脂(B3)[例えばポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重合樹脂]、ポリアクリル樹脂(B4)[例えばポリメタクリル酸メチル]、ポリスチレン樹脂(B5)[ビニル基含有芳香族炭化水素単独またはビニル基含有芳香族炭化水素と、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリルおよびブタジエンからなる群から選ばれる少なくとも1種とを構成単位とする共重合体、例えばポリスチレン、スチレン/アクリロニトリル共重合体(AN樹脂)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS樹脂)、メタクリル酸メチル/ブタジエン/スチレン共重合体(MBS樹脂)、スチレン/メタクリル酸メチル共重合体(MS樹脂)]等〕;ポリエステル樹脂(B6)[例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンアジペート];ポリアミド樹脂(B7)[例えばナイロン66、ナイロン69、ナイロン612、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン6/66、ナイロン6/12];ポリカーボネート樹脂(B8)[例えばポリカーボネート、ポリカーボネート/ABSアロイ樹脂];ポリアセタール樹脂(B9);生分解性樹脂(B10)、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
本発明におけるブロックポリマー(B1)は、ポリエーテルブロック構造を分子中に10〜90重量%含有するものであり、(B1)にはポリエーテルエステル、ポリエーテルアミドおよびポリエーテルエステルアミドからなる群から選ばれる1種以上のブロックポリマー(B1a)、ポリオレフィンのブロックと1×104〜1×1011Ω・cmの体積固有抵抗値を有する親水性ポリマーのブロックとが、繰り返し交互に結合した構造を有するブロックポリマー(B1b)、および(B1a)と(B1b)の混合物が含まれる。ブロックポリマー(B1a)としては、特開平14−146212号公報記載のポリエーテルエステル、ポリエーテルアミドおよびポリエーテルエステルアミドが挙げられる。(B1a)の結合構造および製造方法の具体例等は上記公報に記載のとおりである。
以下(B1)について説明する。
(B1a)は、(ポリ)オキシアルキレン基を有する、ジオール(b11)および/またはジアミン(b12)と、1分子中に少なくとも2個のカルボキシル基を有する縮合重合体(b13)から形成される。
(b11)としては、2個の活性水素原子を含有する化合物のアルキレンオキシド(以下、AOと略記)付加物が挙げられる。
2個の活性水素原子を含有する化合物としては、グリコール(b111)、2価フェノール(b112)、アミン(b113)およびジカルボン酸(b114)等が挙げられる。
(b111)としては、C2〜20の脂肪族グリコール、C5〜12の脂環含有グリコール、C8〜30の芳香脂肪族グリコールおよびC5〜10のアルカノールアミン等が挙げられる。
脂肪族グリコールとしては、EG、1,2−PG、1,2−、1,3−および1,4−BD、1,3−、1,4−、1,6−および2,5−HD、1,2−および1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール等が挙げられる。
脂環含有グリコールとしては、1−ヒドロキシメチル−1−シクロブタノール、1,2−、1,3−および1,4−シクロヘキサンジオール、1−メチル−3,4−シクロヘキサンジオール、2−および4−ヒドロキシメチルシクロヘキサノール、1,4−シクロヘキサンジメタノールおよび1,1’−ジヒドロキシ−1,1’−ジシクロヘキシル等が挙げられる。
芳香脂肪族グリコールとしては、例えば、ジヒドロキシメチルベンゼン、2−フェニル−1,3−プロパンジオール、2−フェニル−1,4−ブタンジオール、2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、トリフェニルエチレングリコール、テトラフェニルエチレングリコールおよびベンゾピナコール等が挙げられる。
アルカノールアミンとしては、N−メチルジエタノールアミン、N−メチルジプロパノールアミン、N−オクチルジエタノールアミンおよびN−ステアリルジエタノールアミン等が挙げられる。
2価フェノール(b112)としては、C6〜30のフェノール、例えば単環フェノール(カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン等)、多環フェノール(ジヒドロキシジフェニルエーテル、ジヒドロキシジフェニルチオエーテル、ビナフトール等)、ビスフェノール化合物(ビスフェノールA、−Fおよび−S等)およびこれらのアルキル(C1〜10)またはハロゲン置換体等が挙げられる。
アミン(b113)としては、C1〜20の脂肪族1級モノアミン、C4〜18の脂肪族2級ジアミン、C4〜13の複素環式1級モノアミンおよび2級ジアミン、C6〜14の脂環式2級ジアミン、C8〜14の芳香(脂肪)族2級ジアミンおよびC3〜22の2級アルカノ―ルアミン等が挙げられる。
脂肪族1級モノアミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、n−およびi−プロピルアミン、n−、sec−およびi−ブチルアミン、メチル−n−プロピルアミン、n−およびi−アミルアミン、メチル−n−ブチルアミン、エチル−n−プロピルアミン、n−ヘキシルアミン、エチル−n−ブチルアミン、ジメチル−n−ブチルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−デシルアミン、n−オクタデシルアミンおよびn−イコシルアミン等が挙げられる。
脂肪族2級ジアミンとしては、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジエ
チルエチレンジアミン、N,N’−ジブチルエチレンジアミン、、N,N’−ジメチルプロピレンジアミン、N,N’−ジエチルプロピレンジアミン、N,N’−ジブチルプロピレンジアミン、N,N’−ジメチルテトラメチレンジアミン、N,N’−ジエチルテトラメチレンジアミン、N,N’−ジブチルテトラメチレンジアミン、N,N’−ジメチルヘキサメチレンジアミン、N,N’−ジエチルヘキサメチレンジアミン、N,N’−ジブチルヘキサメチレンジアミン、N,N’−ジメチルデカメチレンジアミン、N,N’−ジエチルデカメチレンジアミンおよびN,N’−ジブチルデカメチレンジアミン等が挙げられる。
複素環式1級アミンまたは2級ジアミンとしては、ピペラジン、1−アミノピペリジン、1−アミノホモピペリジン、2−アミノチアゾール、2−アミノベンゾチアゾール、3−アミノトリアジン、3−アミノ−9−メチルカルバゾール、9−アミノフルオレンおよびこれらのアルキル(C1〜10)またはハロゲン置換体等が挙げられる。
脂環式2級ジアミンとしては、N,N’−ジメチル−、ジエチル−およびジブチル−1,2−シクロブタンジアミン、N,N’−ジメチル−、ジエチル−およびジブチル−1,4−シクロヘキサンジアミン、N,N’−ジメチル、ジエチル−およびジブチル−1,3−シクロヘキサンジアミンおよびこれらのアルキル(C1〜10)またはハロゲン置換体等が挙げられる。
芳香(脂肪)族ジアミンとしては、N,N’−ジメチル−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−キシリレンジアミン、N,N’−ジメチル−ジフェニルメタンジアミン、N,N’−ジメチル−ジフェニルエ−テルジアミン、N,N’−ジメチル−ベンジジンおよびN,N’−ジメチル−1,4−ナフタレンジアミン等が挙げられる。
2級アルカノールアミンとしては、N−メチルモノエタノールアミン、N−メチルモノプロパノールアミン、N−メチルモノブタノールアミン、N−オクチルモノエタノールアミン、N−ドデシルモノエタノールアミン、N−ステアリルモノエタノールアミン等が挙げられる。
ジカルボン酸(b114)としては、C2〜20の、脂肪族ジカルボン酸、芳香(脂肪)族ジカルボン酸および脂環含有ジカルボン酸等が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、メチルコハク酸、ジメチルマロン酸、β−メチルグルタル酸、エチルコハク酸、イソプロピルマロン酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジ酸、ドデカンジ酸、トリデカンジ酸、テトラデカンジ酸、ヘキサデカンジ酸、オクタデカンジ酸およびイコサンジ酸等が挙げられる。
芳香(脂肪)族ジカルボン酸としては、オルト−、イソ−およびテレフタル酸、フェニルマロン酸、ホモフタル酸、フェニルコハク酸、β−フェニルグルタル酸、α−およびβ−フェニルアジピン酸、ビフェニル−2,2’−および4,4’−ジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、3−スルホイソフタル酸ナトリウムおよび3−スルホイソフタル酸カリウム等が挙げられる。
脂環含有ジカルボン酸としては、1,3−および1,2−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−、1,3−および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−、1,3−および1,4−シクロヘキサンジ酢酸およびジシクロヘキシル−4,4’−ジカルボン酸等が挙げられる。
これらの活性水素原子含有化合物は、1種単独でも2種以上を併用してもいずれでもよ
い。
これらのうち耐熱性の観点から、好ましいのはグリコール(b111)、2価フェノール(b112)およびジカルボン酸(b114)、さらに好ましいのは脂肪族グリコール、(b112)および脂肪族ジカルボン酸、特に好ましいのはEG、PG、BD、ハイドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールSおよびアジピン酸、最も好ましいのはEG、PGおよびビスフェノールA、さらに最も好ましいのはビスフェノールAである。
AOとしては、C2〜4のAO[エチレンオキシド(以下、EOと略記)、プロピレンオキシド(以下、POと略記)、1,2−、1,4−、2,3−および1,3−ブチレンオキシドおよびこれらの2種以上の併用系]が用いられるが、必要により他のAOまたは置換AO、例えばC5〜12のα−オレフィン、スチレンオキシドおよびエピハロヒドリン(エピクロルヒドリン等)(以下、これらも含めてAOと総称する。)を少しの割合(例えば、全AOの重量に基づいて30%以下)で併用することもできる。
AOは、単独でも2種以上併用でもよく、後者の場合の付加形式はブロック付加(チップ型、バランス型、活性セカンダリー型等)、ランダム付加またはこれらの混合系のいずれでもよい。
これらのAOのうちで好ましいのは、導電性の観点から、EO単独、POとEOとの併用(重量比1/99〜99/1)、POおよび/またはEOとTHFとの併用(重量比1/99〜99/1)である。
活性水素原子含有化合物へのAOの付加反応は、通常の方法で行うことができ、無触媒で、または触媒[アルカリ触媒(水酸化カリウム等)、アミン触媒(トリエチルアミン等)、酸性触媒(塩酸等)]の存在下(特にAO付加の後半の段階で)、常圧または加圧下に1段階または多段階で行なわれる。
ジオール(b11)のMnは、(b11)と縮合重合体(b13)から形成されるブロックポリマーの製造時の反応性の観点から、好ましくは300〜6,000、さらに好ましくは500〜4,000、特に好ましくは700〜2,000である。
(b11)の不飽和度は副反応の観点から少ない方が好ましく、通常0.1meq/g以下、好ましくは0〜0.05meq/g、さらに好ましくは0〜0.02meq/gである。
(b11)の第1級水酸基含有率〔(第1級水酸基数)×100/(全水酸基数)(%)〕は、重合性の観点から、好ましくは30〜100%、さらに好ましくは50〜100%、特に好ましくは70〜100%である。
ポリオキシアルキレン基を有するジアミン(b12)としては、ジオール(b11)の末端水酸基をアミノ基に変性したものが使用できる。
(b11)の末端水酸基をアミノ基に変性する方法としては、公知の方法、例えば、(b11)の末端水酸基をシアノアルキル化して得られる末端シアノアルキル基を還元しアミノアルキル化する方法[(b11)とアクリロニトリルとを反応させ、得られるシアノエチル化物を水素添加する方法等]等が挙げられる。
(b12)のMnは(b12)と縮合重合体(b13)から形成されるブロックポリマーの製造時の反応性の観点から、好ましくは300〜8,000、さらに好ましくは500〜6,000、特に好ましくは700〜4,000である。
1分子中に少なくとも2個のカルボキシル基を有する縮合重合体(b13)は、1分子中に少なくとも2個(好ましくは2個)のカルボキシル基を有し、(b11)および/または(b12)と重合可能なものであれば特に限定されないが、導電性および重合性の観点から好ましいのは、両末端にカルボキシル基を有するポリアミド(イミド)(b131
)、および両末端にカルボキシル基を有するポリエステル(b132)からなる群から選ばれる少なくとも1種のジカルボン酸、さらに好ましいのは(b131)である。
両末端にカルボキシル基を有する(b131)および(b132)のMnは、導電性、重合体製造時の反応性および重合体製造後の取り扱い易さの観点から好ましくは300〜7,000、さらに好ましくは500〜5,000である。
両末端にカルボキシル基を有するポリアミド(イミド)(b131)のうちポリアミド(b1311)としては、ジカルボン酸を分子量調整剤として使用し、アミド形成性モノマーを開環重合または重縮合することにより得られるものが挙げられる。
分子量調整剤として使用するジカルボン酸としては、C2〜20のジカルボン酸、例えば前記(b114)として例示したものが挙げられる。
アミド形成性モノマーとしては、ラクタム、アミノカルボン酸およびジアミン/ジカルボン酸が挙げられる。
ラクタムとしては、C4〜20のラクタム、例えばγ−ブチロラクタム、γ−バレロラクタム、ε−カプロラクタム、γ−ピメロラクタム、γ−カプリロラクタム、γ−デカノラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタム、ウンデカノラクタム、エイコサノラクタムおよび5−フェニル−2−ピペリドン等が挙げられる。
アミノカルボン酸としては、C2〜20のアミノカルボン酸、例えばグリシン、アラニン、ω−アミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカプリル酸、ω−アミノペラルゴン酸、ω−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸および20−アミノエイコサン酸等が挙げられる。
ジアミンとしては、C2〜20のジアミン、例えば脂肪族[エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、エイコサンジアミン等]、芳香(脂肪)族[フェニレンジアミン、ナフチレンジアミン、キシリレンジアミン等]および脂環式[シクロヘキシレンジアミン等]等が挙げられる。
ジカルボン酸としては、C2〜20のジカルボン酸、例えば前記(b114)として例示したものが挙げられる。
これらのアミド形成性モノマーは、1種単独でも2種以上を併用してもいずれでもよい。
これらのうち、ブロックポリマーの製造時の反応性の観点から好ましいのはカプロラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタム、ω−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、アジピン酸/ヘキサメチレンジアミンおよびアジピン酸/キシリレンジアミン、さらに好ましいのはカプロラクタム、ラウロラクタム、ω−アミノカプロン酸および12−アミノドデカン酸、特に好ましいのはカプロラクタムおよびラウロラクタム、最も好ましいのはカプロラクタムである。
(b131)のうちのポリアミド(b1311)は、公知の方法、例えば特公平4−72855号公報記載の方法で容易に製造することができる。
(b131)のうち両末端にカルボキシル基を有するポリアミドイミド(b1312)としては、上記(b131)製造時の分子量調整剤の全部または一部を3価もしくは4価の芳香族ポリカルボン酸またはこれらの酸無水物に置き換えて上記アミド形成性モノマーとを組み合わせるか、または、アミド形成性モノマー中のジカルボン酸の全部または一部を3価もしくは4価の芳香族ポリカルボン酸またはこれらの酸無水物に置き換えて上記のアミド形成モノマーとを組み合わせて開環重合または重縮合することによって得られるものが挙げられる。
3価の芳香族ポリカルボン酸としては、C9〜20のポリカルボン酸、例えば3価のポリカルボン酸としては、1,2,4−トリメリット酸、1,2,5−ナフタレントリカルボン酸、2,6,7−ナフタレントリカルボン酸、3,3’,4−ジフェニルトリカルボン酸、ベンゾフェノン−3,3’,4−トリカルボン酸、ジフェニルスルホン−3,3’,4−トリカルボン酸およびジフェニルエーテル−3,3’,4−トリカルボン酸等が挙げられる。
4価の芳香族ポリカルボン酸としては、C10〜20のポリカルボン酸、例えばピロメリット酸、ジフェニル−2,2’,3,3’−テトラカルボン酸、ベンゾフェノン−2,2’,3,3’−テトラカルボン酸、ジフェニルスルホン−2,2’,3,3’−テトラカルボン酸およびジフェニルエーテル−2,2’,3,3’−テトラカルボン酸等が挙げられる。
これらは1種単独でも2種以上を併用してもよい。これらのうちブロックポリマーの製造時の反応性の観点から好ましいのは、1,2,4−トリメリット酸、1,2,5−ナフタレントリカルボン酸、2,6,7−ナフタレントリカルボン酸、3,3’,4−ジフェニルトリカルボン酸、ピロメリット酸、ジフェニル−2,2’,3,3’−テトラカルボン酸およびベンゾフェノン−2,2’,3,3’−テトラカルボン酸、さらに好ましいのは1,2,4−トリメリット酸およびピロメリット酸である。
(b131)のうちのポリアミドイミド(b1312)は、公知の方法、例えば、特公平7−119342号公報記載の方法で容易に製造することができる。
両末端にカルボキシル基を有するポリエステル(b132)としては、ジカルボン酸を分子量調整剤として使用し、エステル形成性モノマーを常法により重縮合またはエステル交換反応させることによって得られるものが挙げられる。
分子量調整剤として使用するジカルボン酸としては、C1〜20のジカルボン酸、例えば炭酸および前記(b114)として例示したものが挙げられる。
エステル形成性モノマーとしては、ジカルボン酸および/またはジカルボン酸低級アルキルエステルと、2価アルコールおよび/または2価フェノールとの組み合わせ、ラクトン、ヒドロキシカルボン酸並びにこれらの混合物が挙げられる。
ジカルボン酸としては、C1〜20のジカルボン酸、例えば炭酸および前記(b114)として例示したものが挙げられる。
ジカルボン酸エステル(エステルを構成するアルコール成分のC1〜10)としては、炭酸または上記ジカルボン酸(C2〜20)のエステル、例えば、メチルエステル、エチルエステル、ブチルエステル、フェニルエステル等が挙げられる。
これらは1種単独でも2種以上を併用してもよい。
これらのうち、耐熱性の観点から、好ましいのはアジピン酸、セバシン酸、イコサン酸、オルト−、イソ−およびテレフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、3−スルホイソフタル酸ナトリウム、炭酸ジメチル、炭酸ジフェニル、アジピン酸ジメチル、イソ−およびテレフタル酸ジメチル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチル、3−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウムおよび3−スルホイソフタル酸ジエチルナトリウムである。
2価アルコールとしては、C2〜30のジオール、例えば、前記グリコール(b111)およびジオール(b11)として例示したものが挙げられる。
2価フェノールとしては、C6〜40の2価フェノール、例えば、前記2価フェノール(b112)として例示したものが挙げられる。
これらは1種単独でも2種以上を併用してもよい。
これらのうち、ブロックポリマーの製造時の反応性の観点から好ましいのはEG、PG、BD、NPG、1,6−HD、シクロヘキサンジオール、ビスフェノールA、PEG(Mn300〜6,000)、PPG(Mn300〜6,000)、PTMG(Mn300〜6,000)、ビスフェノールAのEO(EO2〜110モル)付加物、ビスフェノールAのPO(PO2〜110モル)付加物である。
ラクトンとしては、C4〜20のラクトン、例えば、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−ピメロラクトン、γ−カプリロラクトン、γ−デカノラクトン、エナントラクトン、ラウロラクトン、ウンデカノラクトンおよびエイコサノラクトン等が挙げられる。
ヒドロキシカルボン酸としては、C2〜20のヒドロキシカルボン酸、例えば、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ω−ヒドロキシカプロン酸、ω−ヒドロキシエナント酸、ω−ヒドロキシカプリル酸、ω−ヒドロキシペルゴン酸、ω−ヒドロキシカプリン酸、11−ヒドロキシウンデカン酸、12−ヒドロキシドデカン酸および20−ヒドロキシエイコサン酸、トロパ酸、ベンジル酸等が挙げられる。
これらのうちブロックポリマーの製造時の反応性の観点から、好ましいのはテレフタル酸(ジメチル)/EG、テレフタル酸(ジメチル)/BD、テレフタル酸(ジメチル)/シクロヘキサンジオール、イソフタル酸(ジメチル)/EG、イソフタル酸(ジメチル)/BD、アジピン酸(ジメチル)/1,6−HD、カプロラクトン、エナントラクトン、ラウロラクトン、ω−ヒドロキシカプロン酸、11−ヒドロキシウンデカン酸、12−ヒドロキシドデカン酸、さらに好ましいのは、テレフタル酸(ジメチル)/EG、テレフタル酸(ジメチル)/BD、テレフタル(ジメチル)酸/シクロヘキサンジオール、イソフタル酸(ジメチル)/EGおよびイソフタル酸(ジメチル)/BD、特に好ましいのはテレフタル酸(ジメチル)/EGおよびテレフタル酸(ジメチル)/BDである。
両末端にカルボキシル基を有するポリエステル(b132)は、公知の方法、例えば、特公昭58−19696号公報記載の方法で容易に製造することができる。
本発明におけるブロックポリマー(B1a)の製法としては、例えば、以下のものが挙げられる。
<(B1a)の製法>
分子量調整剤としてのジカルボン酸および/または3価もしくは4価のポリカルボン酸と、アミド形成性モノマーおよび/またはエステル形成性モノマーとを反応させ、両末端にカルボキシル基を有するポリアミド(b1311)、ポリアミドイミド(b1312)および/またはポリエステル(b132)を形成させる。
これらに(ポリ)オキシアルキレン基を有する、ジオール(b11)および/またはジアミン(b12)を加えて、高温(220〜245℃)、減圧下(1mmHg以下)で重合反応を行い、ブロックポリマー(B1a)を得る。
本発明の導電性樹脂組成物は、得られた(B1a)と本発明で規定される溶融粘度比を持つ(A)を溶融混練して製造することができる。
上記製法における重合反応のうち、ポリエステル化反応においては、通常エステル化触媒が使用される。
エステル化触媒としては、プロトン酸(リン酸等)、金属[アルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)、遷移金属(ニッケル、鉄、コバルト等)、IIB金属(亜鉛等)、IVB金属(チタン、ジルコニウム等)およびVB金属(バナジウム等)]の有機酸(酢酸等)塩、炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酸化物、塩化物、水酸化物およびアルコキシド等が挙げられる。
これらのうち生成物の色調の観点から好ましいのは、三酸化アンチモン、モノブチルス
ズオキシド、テトラブチルチタネート、テトラブチルジルコネート、酢酸ジルコニル、酢酸亜鉛である。
エステル化触媒の使用量は、ブロックポリマー(B1a)の重量に基づいて、通常0.005〜5%、反応性および色調の観点から好ましくは0.1〜1.0%である。
(b11)および/または(b12)と、(b131)および/または(b132)との反応における当量比は、通常80/120〜120/80、導電性および耐熱性の観点から好ましくは90/110〜110/90である。
ブロックポリマー(B1)の還元粘度(0.5重量%m−クレゾール溶液、25℃)は、重合体の取扱性および後述する熱可塑性樹脂への相溶性の観点から、好ましくは0.5〜5、さらに好ましくは0.5〜4、特に好ましくは1〜3である。
(B1a)を製造する際に、耐水性を向上させる目的で、(b11)および/または(b12)の重量に基づいて30%(好ましくは20%)の範囲内で(b11)および/または(b12)の一部をポリアルキレンジオールに代えて使用してもよい。
ポリアルキレンジオールとしては、オレフィンを重合して末端を水酸基化したものおよび含まれる二重結合をさらに水添して得られるものが挙げられる。
オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、およびC4〜20のα−オレフィン(1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等)およびC4〜20のジエン(ブタジエン等)等が挙げられる。
ポリアルキレンジオールのMnは、耐水性向上の観点から好ましくは500〜10,000、さらに好ましくは1,000〜5,000である。
[ブロックポリマー(B1b)]
ブロックポリマー(B1b)は、ポリオレフィン(b21)のブロックと1×104
1×1011Ω・cmの体積固有抵抗値を有する親水性ポリマー(b22)のブロックとが、繰り返し交互に結合した構造を有するブロックポリマーであり、該(B2)には、国際公開パンフレットWO00/47652に記載のブロックポリマーが含まれる。
該ポリオレフィン(b21)、親水性ポリマー(b22)、およびそれらの結合構造および製造方法の具体例等は上記パンフレットに記載されているとおりであり、以下(B2)について説明する。
ブロックポリマー(B1b)は、ポリオレフィン(b21)のブロックと、親水性ポリマー(b22)のブロックとが、エステル結合、アミド結合、エーテル結合、ウレタン結合およびイミド結合からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合を介して繰り返し交互に結合した構造を有する。
(b21)としては、カルボニル基(好ましくは、カルボキシル基、以下同じ。)をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(b211)、水酸基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(b212)、アミノ基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(b213)が挙げられ、さらに、カルボニル基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(b214)、水酸基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(b215)およびアミノ基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(b216)が挙げられる。
これらのうち、変性のし易さの観点から好ましいのはポリマーの末端にカルボニル基を有するポリオレフィン(b211)および(b214)である。
(b211)としては、両末端が変性可能なポリオレフィンを主成分(含量50重量%以上、好ましくは75〜100重量%)とするポリオレフィン(b210)の両末端にカルボニル基を導入したものが挙げられる。
(b212)としては、(b210)の両末端に水酸基を導入したものが挙げられる。
(b213)としては、(b210)の両末端にアミノ基を導入したものが挙げられる。
(b210)としては、C2〜30のオレフィンの1種または2種以上の混合物(好ましくはC2〜12のオレフィン、さらに好ましくはエチレンおよび/またはプロピレン)の重合によって得られるポリオレフィンおよび高分子量[Mn30,000以上、好ましくは50,000〜200,000]のポリオレフィン[好ましくはC2〜30、さらに好ましくはC2〜12のオレフィンの重合によって得られるポリオレフィン、特に好ましいのはポリエチレンおよび/またはポリプロピレン]の熱減成法によって得られる低分子量ポリオレフィンが挙げられる。該熱減成法ポリオレフィンは、例えば特開平3−62804号公報記載の方法等により容易に得ることができる。
(b210)のMnは、導電性の観点から好ましくは800〜20,000、さらに好ましくは1,000〜10,000、特に好ましくは1,200〜6,000である。
(b210)におけるC1,000個当たりの二重結合量は、帯電防止性の観点から好ましくは1〜40個、さらに好ましくは1〜30個、特に好ましくは4〜20個である。
上記熱減成法によると、Mnが800〜6,000の範囲で、1分子当たりの平均末端二重結合量が1.5〜2個の低分子量ポリオレフィンが容易に得られる〔村田勝英、牧野忠彦、日本化学会誌、192頁(1975)〕。
変性の容易さの観点から(b210)として好ましいのは、熱減成法による低分子量ポリオレフィン(特にMnが1,200〜6,000のポリエチレンおよびポリプロピレン)である。
(b214)としては、片末端が変性可能なポリオレフィンを主成分(含量50重量%以上、好ましくは75〜100重量%)とするポリオレフィン(b2100)の片末端にカルボニル基を導入したものが挙げられる。
(b215)としては、(b2100)の片末端に水酸基を導入したものが挙げられる。
(b216)としては、(b2100)の片末端にアミノ基を導入したものが挙げられる。
(b2100)は(b210)と同様にして得ることができ、(b2100)のMnは帯電防止性の観点から好ましくは2,000〜50,000、さらに好ましくは2,500〜30,000、特に好ましくは3,000〜20,000である。
(b2100)におけるC1,000個当たりの二重結合量は、導電性の観点から好ましくは0.3〜20個、さらに好ましくは0.5〜15個、特に好ましくは0.7〜10個である。
変性の容易さの観点から(b2100)として好ましいのは、熱減成法による低分子量ポリオレフィン(特にMnが2,000〜20,000のポリエチレンおよびポリプロピレン)である。
なお、(b210)および(b2100)は、通常これらの混合物として得られるが、これらの混合物をそのまま使用しても、精製分離してから使用してもいずれでもよい。
(b211)としては、(b210)の末端をα、β−不飽和カルボン酸および/またはその無水物[C3〜15、例えばモノカルボン酸[(メタ)アクリル酸等]、ジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等)、これらのアルキル(C1〜4)エステル[(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、イタコン酸ジエチル等]およびこれらの無水物が挙げられる]で変性したポリオレフィン(b2111)、(b2111)をラクタム(カプロラクタム等前記のもの)またはアミノカルボン酸(12アミノドデカン酸等前記のもの)で二次変性したポリオレフィン(b2112)、(b210)を酸素および/またはオゾンによる酸化で変性したポリオレフィン(b21
13)、(b2113)をラクタム(前記のもの)またはアミノカルボン酸(前記のもの)で二次変性したポリオレフィン(b2114)およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
(b211)の酸価(単位はmgKOH/g。以下においては数値のみを示す。)は、後述する親水性ポリマー(b22)との反応性の観点から、好ましくは4〜280、さらに好ましくは4〜100、特に好ましくは5〜50である。
(b212)としては、(b210)をC2〜10のヒドロキシルアミン(2−アミノエタノール等)で変性した末端にヒドロキシル基を有するポリオレフィンおよびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
(b212)の水酸基価(単位はmgKOH/g。以下においては数値のみを示す。)は、後述する親水性ポリマー(b22)との反応性の観点から、好ましくは4〜280、さらに好ましくは4〜100、特に好ましくは5〜50である。
(b213)としては、(b211)をC2〜10のジアミン(エチレンジアミン等)で変性した末端にアミノ基を有するポリオレフィンおよびこれらの2種以上の混合物が使用できる。
(b213)のアミン価は、後述する親水性ポリマー(b22)との反応性の観点から、好ましくは4〜280、さらに好ましくは4〜100、特に好ましくは5〜50である。
(b214)としては、(b2100)の末端をα、β−不飽和カルボン酸および/またはその無水物[前記に同じ]で変性したポリオレフィン(b2141)、(b2141)をラクタム(カプロラクタム等前記のもの)またはアミノカルボン酸(12アミノドデカン酸等前記のもの)で二次変性したポリオレフィン(b2142)、(b210)を酸素および/またはオゾンによる酸化で変性したポリオレフィン(b2143)、(b2143)をラクタム(前記のもの)またはアミノカルボン酸(前記のもの)で二次変性したポリオレフィン(b2144)およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
(b214)の酸価は、後述する親水性ポリマー(b22)との反応性の観点から、好ましくは1〜70、さらに好ましくは2〜50である。
(b215)としては、(b214)をC2〜10のヒドロキシルアミン(2−アミノエタノール等)で変性した末端にヒドロキシル基を有するポリオレフィンおよびこれらの2種以上の混合物が使用できる。
(b215)の水酸基価は、後述する親水性ポリマー(b22)との反応性の観点から、好ましくは1〜70、さらに好ましくは2〜50である。
(b216)としては、(b214)をC2〜10のジアミン(エチレンジアミン等前記のもの)で変性した末端にアミノ基を有するポリオレフィンおよびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
(b216)のアミン価は、後述する親水性ポリマー(b22)との反応性の観点から、好ましくは1〜70、さらに好ましくは2〜50である。
なお、(b211)と(b214)は、通常これらの混合物として得られるが、これらの混合物をそのまま使用してもよく、精製分離してから使用してもいずれでもよい。製造コスト等の観点から、混合物として使用するのが好ましい。
また、(b212)と(b215)および(b213)と(b216)も同様に精製分離してから使用してもよいが、製造コスト等の観点から、混合物として使用するのが好ましい。
耐熱性および後述する親水性ポリマー(b22)との反応性の観点から、(b211)、(b212)および(b213)のMnは、好ましくは800〜25,000、さらに好ましくは1,000〜20,000、特に好ましくは2,500〜10,000、(b214)、(b215)および(b216)のMnは、好ましくは800〜50,000
、さらに好ましくは1,000〜30,000、特に好ましくは2,000〜20,000である。
親水性ポリマー(b22)としては、ポリエーテル(b221)、ポリエーテル含有親水性ポリマー(b222)、カチオン性ポリマー(b223)およびアニオン性ポリマー(b224)が挙げられる。
(b221)としては、ポリエーテルジオール(b2211)、ポリエーテルジアミン(b2212)およびこれらの変性物(b2213)が挙げられる。
該親水性ポリマー(b22)の体積固有抵抗値(後述の方法で、23℃、50%RHの雰囲気下で測定される値。単位はΩ・cm)は104〜1011、好ましくは104〜109である。該体積固有抵抗値が104未満のものは存在せず、1011を超えると導電性が悪くなる。
ブロックポリマー(B1b)を構成する親水性ポリマー(b22)のブロックのポリオキシアルキレン基におけるアルキレン基は、その繰り返し単位の少なくとも一部が、下記の一般式(1)で表されるアルキレン基であり、残りはC2〜4のアルキレン基であってもよい。

−CHR−CHR’− (1)

−CH2O(A1O)sR” (2)

C2〜4のアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、1,2−、1,4−、2,3−および1,3−ブチレン基およびこれらの2種以上が挙げられる。これらのうち、導電性の観点から好ましいのはエチレン基である。
繰り返し単位がオキシ置換アルキレン基および/または1種以上のオキシアルキレン基で構成される場合の結合形式は、ブロック、ランダムまたはこれらの組合せのいずれでもよい。
上記繰り返し単位中、オキシ置換アルキレン基の割合は、オキシ置換アルキレン基と(非置換)オキシアルキレン基の合計モル数に基づいて帯電防止性の観点から好ましくは90モル%以下、さらに好ましくは0〜60モル%である。
一般式(1)中、R、R’はいずれもがHか、もしくはいずれか一方がH、他方が一般式(2)で表される基である。一般式(2)中、sは0〜10、好ましくは2〜4の整数を表す。
R”は、H、C1〜20のアルキル基(メチル基、エチル基、n−およびi−プロピル基、n−、sec−、i−およびt−ブチル基および2−エチルヘキシル基等)、アリール基(フェニル基等)、アルキルアリール基(ノニルフェニル基等)、アリールアルキル基(ベンジル基等)、アシル基(アセチル基およびベンゾイル基等)またはこれらの塩素化物等を表し、これらのうち帯電防止性の観点から好ましいのはC1〜3のアルキル基である。
1はC2〜4のアルキレン基、例えばエチレン基、プロピレン基、1,2−、1,4
−、2,3−および1,3−ブチレン基およびこれらの2種以上を表す。これらのうち、導電性の観点からエチレン基が好ましい。
1が2種以上のアルキレン基で構成される場合のオキシアルキレン基の結合形式はブ
ロック、ランダムまたはこれらの組合せのいずれでもよい。
ポリエーテル含有親水性ポリマー(b222)としては、ポリエーテルセグメント形成成分としてポリエーテルジオール(b2211)のセグメントを有するポリエーテルエステルアミド(b2221)、同じく(b2211)のセグメントを有するポリエーテルア
ミドイミド(b2222)、同じく(b2211)のセグメントを有するポリエーテルエステル(b2223)、同じくポリエーテルジアミン(b2212)のセグメントを有するポリエーテルアミド(b2224)および同じく(b2211)または(b2212)のセグメントを有するポリエーテルウレタン(b2225)が挙げられる。
ポリエーテルジオール(b2211)は、2個の活性水素原子を有する化合物にAOを付加反応させることにより得られ、前記(b11)として例示したものが挙げられる。
AOとしては、前記のものが挙げられ、AOとして好ましいのは、EO単独およびEOと他のAOとの併用(ブロックおよび/またはラダム付加)である。AOの付加モル数は、2個の活性水素原子を有する化合物の活性水素原子1個当り、通常1〜300、好ましくは2〜250、さらに好ましくは10〜100である。
これらのうち導電性の観点から好ましいのは、脂肪族2価アルコールのAO付加物およびビスフェノールのAO付加物、さらに好ましいのはEGのAO10〜100モル付加物およびビスフェノールAのAO10〜100モル付加物である。
(b2211)中のC2〜4のオキシアルキレン単位の含量は、導電性の観点から好ましくは8〜99.6%、さらに好ましくは10〜98%である。
ポリオキシアルキレン鎖中のオキシエチレン単位の含量は、導電性の観点から好ましくは10〜100重量%、さらに好ましくは50〜100重量%、特に好ましくは60〜100重量%である。
ポリエーテルジアミン(b2212)は、(b2211)の水酸基を公知の方法によりアミノ基に変えることにより得られ、例えば、(b2211)の水酸基をシアノアルキル化して得られる末端基を還元してアミノ基としたものが挙げられる。
変性物(b2213)としては、例えば、(b2211)または(b2212)のアミノカルボン酸変性物(末端アミノ基)、同イソシアネート変性物(末端イソシアネート基)および同エポキシ変性物(末端エポキシ基)が挙げられる。
アミノカルボン酸変性物は、(b2211)または(b2212)と、アミノカルボン酸(前記のもの)またはラクタム(前記のもの)とを反応させることにより得ることができる。
イソシアネート変性物は、(b2211)または(b2212)と、ジイソシアネート(DI)とを反応させるか、(b2212)とホスゲンとを反応させることにより得ることができる。
DIとしては、C(NCO基中の炭素を除く、以下同様)6〜20の芳香族DI、C2〜18の脂肪族DI、C4〜15の脂環含有DI、C8〜15の芳香脂肪族DI、これらのDIの変性体およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
エポキシ変性物は、(b2211)または(b2212)と、ジエポキシド[エポキシ当量85〜600、例えばジグリシジルエーテル、ジグリシジルエステル、脂環式ジエポキシド(1,2,5,6−ジエポキシクロオクタン)等]とを反応させるか、(b2211)とエピハロヒドリン(エピクロルヒドリン等)とを反応させることにより得ることができる。
(b221)のMnは、耐熱性および(b21)との反応性の観点から好ましくは150〜20,000、さらに好ましくは300〜20,000、特に好ましくは1,000〜15,000、最も好ましくは1,200〜8,000である。
ポリエーテルエステルアミド(b2221)は、末端にカルボキシル基を有するポリアミド(Q1)とポリエーテルジオール(b2211)とから構成される。
(Q1)としては、C4〜20のラクタム(Q11)(前記のもの)の開環重合体;C2〜20のアミノカルボン酸(Q12)(前記のもの)の重縮合体;ジアミン(Q13)(前記のもの)(C2〜20の脂肪族ジアミン、C6〜15の脂環式ジアミン、C8〜15の芳香脂肪族ジアミンおよびC6〜15の芳香族ジアミン等)とC2〜20のジカルボン酸(Q14)(前記のもの)〔脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、脂環含有ジカルボン酸およびこれらのエステル形成性誘導体[低級アルキル(C1〜6)エステル、無水物等]等〕とのポリアミド(Q15);およびこれらの混合物が挙げられる。
(Q1)として導電性の観点から好ましいのは、カプロラクタムの開環重合体、12−アミノドデカン酸の重縮合体およびアジピン酸とヘキサメチレンジアミンとのポリアミド、さらに好ましいのはカプロラクタムの開環重合体である。
ポリエーテルアミドイミド(b2222)としては、少なくとも1個のイミド環を有するポリアミドイミド(Q2)とポリエーテルジオール(b2211)とから構成される。
(Q2)としては、C4〜20のラクタム(Q11)と少なくとも1個のイミド環を形成しうる3価または4価の芳香族ポリカルボン酸(Q21)とからなる重合体;C2〜20のアミノカルボン酸(Q12)と(Q21)とからなる重合体;ポリアミド(Q15)と(Q21)とからなる重合体;およびこれらの混合物が挙げられる。
ポリエーテルエステル(b2223)は、ポリエステル(Q3)とポリエーテルジオール(b2211)とから構成される。
(Q3)としては、C2〜20のジカルボン酸(Q14)とグリコール[前記(b111)として例示したもの]とのポリエステル;C6〜12のラクトン(前記のもの)もしくはC2〜20のヒドロキシカルボン酸のポリエステル;およびこれらの混合物が挙げられる。
ポリエーテルアミド(b2224)は、ポリアミド(Q1)とポリエーテルジアミン(b2212)とから構成される。
ポリエーテルウレタン(b2225)は、前記有機ジイソシアネートと、ポリエーテルジオール(b2211)またはポリエーテルジアミン(b2212)および必要により鎖伸長剤[前記(b111)例示のグリコールおよびジアミン(Q31)等]とから構成される。
ポリエーテル含有親水性ポリマー(b222)中のポリエーテル(b221)セグメントの含量は、成形性の観点から好ましくは、(b222)の重量に基づいて30〜80重量%、さらに好ましくは40〜70重量%である。
(b222)中のオキシエチレン基の含量は、導電性および成形性の観点から、(b222)の重量に基づいて30〜80重量%、さらに好ましくは40〜70重量%である。
(b222)のMnは、耐熱性の観点から好ましい下限は800、さらに好ましくは1,000、ポリオレフィン(b21)との反応性の観点から好ましい上限は50,000、さらに好ましくは30,000である。
カチオン性ポリマー(b223)としては、非イオン性分子鎖(b2231)で隔てられた2〜80個、好ましくは3〜60個のカチオン性基(b2232)を分子内に有するカチオン性ポリマーが使用できる。
非イオン性分子鎖(b2231)としては、2価の炭化水素基;エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、エステル結合、イミノ結合、アミド結合、イミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、カーボネート結合および/またはシロキシ結合を有する有機基並びに窒素原子または酸素原子を含む複素環構造を有する有機基からなる群より選ばれる少なくとも1種の2価の有機基;およびこれらの2種以上の併用が挙げられる。
2価の炭化水素基としては、C1〜18(好ましくは2〜8)の直鎖もしくは分岐の飽
和または不飽和脂肪族炭化水素基(アルキレン基およびアルケニレン基等)、C6〜20の芳香(脂肪)族炭化水素基およびC4〜15の脂環式炭化水素基等が挙げられる。
エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、エステル結合、イミノ結合、アミド結合、イミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、カーボネート結合および/またはシロキシ結合を有する2価の有機基としては、(ポリ)オキシアルキレン基、例えば前記ポリエーテルジオール(b2211)またはモノエーテルジオールから水酸基を除いた残基;上記に相当する(酸素原子がイオウ原子に置き換った)ポリチオエーテルからSHを除いた残基;ポリエステルおよび/またはポリアミドからカルボキシル基またはアミノ基を除いた残基;ポリウレタンおよび/またはポリウレアから水酸基、アミノ基またはイソシアネート基を除いた残基;ポリカーボネート[前記グリコール(b111)とホスゲンとから誘導されるもの]から水酸基を除いた残基;ポリオルガノシロキサンから水酸基を除いた残基等が挙げられる。
これらの非イオン性分子鎖(b2231)のうち導電性の観点から好ましいのは、2価の炭化水素基およびエーテル結合を有する2価の有機基、さらに好ましいのはC2〜8のアルキレン基(プロピレン基、ブチレン基、ヘキサメチレン基等)、フェニレン基および(ポリ)オキシアルキレン基を有する2価の有機基、特に好ましいのは(ポリ)オキシエチレン基を有する2価の有機基、(ポリ)オキシプロピレン基を有する2価の有機基である。
非イオン性分子鎖(b2231)のMnは導電性の観点から好ましくは28〜10,000、さらに好ましくは300〜5,000である。
カチオン性基(b2232)としては、4級アンモニウム塩またはホスホニウム塩を有する基が挙げられる。4級アンモニウム塩を有する基としては、導電性の観点から2価の4級アンモニウム塩含有複素環基が好ましい。
2価の4級アンモニウム塩基含有複素環基としては、2価の3級アミノ基含有複素環基[2価のイミダゾール環基(1,4−イミダゾレン基および2−フェニル−1,4−イミダゾレン基等)、2価のピペリジン環基(2,3−、3,4−および2,6−ピペリジレン基等)および2価の芳香複素環基(2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−および3,5−ピリジレン基、2,5−ピリミジニレン基、3,6−ピリダジニレン基および2,5−ピラジニレン基等)等]が4級化剤[アルキル(C1〜12)ハライド(メチルクロライド等)、ジアルキル(アルキル基のC1〜12)硫酸(ジメチル硫酸等)等]で4級化された構造の基が挙げられる。
(b2232)の対アニオンとしては、後述する超強酸の共役塩基およびその他のアニオンが挙げられる。
その他のアニオンとしては、ハロゲンイオン(F-、Cl-、Br-およびI-)、OH-、PO4 3-、CH3OSO3 -、C25OSO3 -、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド酸イオンおよびClO4 -等が挙げられる。
これらのうち初期電導度の観点から好ましいのはアニオンのHamett酸度関数(−H0)が12〜100である、超強酸の共役塩基、超強酸の共役塩基以外のアニオンおよ
びこれらの混合物である。
カチオン性ポリマー(b223)の末端構造は、ポリオレフィン(b21)との反応性の観点から好ましいのはカルボニル基を含有する基、水酸基およびアミノ基である。
(b223)のMnは、導電性およびポリオレフィン(b21)との反応性の観点から、好ましくは500〜20,000、さらに好ましくは1,000〜15,000、特に好ましくは1,200〜8,000である。
アニオン性ポリマー(b224)としては、スルホン酸基を有するジカルボン酸と、グ
リコール(b111)またはポリエーテル(b221)とを必須構成単位とし、かつ分子内に導電性の観点から好ましくは2〜80個、さらに好ましくは3〜60個のスルホン酸基を有するアニオン性ポリマーが挙げられる。
スルホン酸基を有するジカルボン酸としては、スルホン酸基含有芳香(脂肪)族ジカルボン酸、スルホン酸基含有脂肪族ジカルボン酸およびこれらのスルホン酸基のみが塩となったものが挙げられる。
スルホン酸基含有芳香(脂肪)族ジカルボン酸としては、C8〜20、例えば2−、5−および4−スルホイソフタル酸、4−スルホ−2,6−ナフタレンジカルボン酸およびこれらのエステル形成性誘導体[低級アルキル(C1〜4)エステル(メチルエステル、エチルエステル等)、酸無水物等]が挙げられる。
スルホン酸基含有脂肪族ジカルボン酸としては、C8〜20、例えばスルホコハク酸およびそのエステル形成性誘導体が挙げられる。
これらのスルホン酸基のみが塩となったものとしては、上記ジカルボン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、ヒドロキシアルキル(C2〜4)基を有するモノ−、ジ−およびトリアルカノールアミン等のアミン塩、これらアミンの四級アンモニウム塩およびこれらの2種以上の併用が挙げられる。
これらのうち帯電防止性の観点から好ましいのは、スルホン酸基を有する芳香(脂肪)族ジカルボン酸である。
アニオン性ポリマー(b224)を構成するグリコール(b111)またはポリエーテル(b221)のうち導電性の観点から好ましいのは、C2〜10のアルカンジオール、EG、PEG(重合度2〜20)、ビスフェノール(ビスフェノールA等)のEO付加物(付加モル数2〜60)およびこれらの2種以上の混合物である。
(b224)のMnは、導電性およびポリオレフィン(b21)との反応性の観点から、好ましくは500〜20,000、さらに好ましくは1,000〜15,000、特に好ましくは1,200〜8,000である。
ブロックポリマー(B1b)の構造において、ポリオレフィン(b21)のブロックと、親水性ポリマー(b22)のブロックとの繰り返し単位の平均繰り返し数(Nn)は、通常2〜50、導電性の観点から好ましくは2.3〜30、さらに好ましくは2.7〜20、特に好ましくは3〜10である。Nnがこの範囲であると、好ましい。
Nnは、(B1b)のMnおよび1H−NMR分析から、国際公開パンフレットWO0
0/47652に記載されている方法で求めることができる。
ブロックポリマー(B1b)のMnは、導電性の観点から好ましくは、2,000〜60,000、さらに好ましくは5,000〜40,000、特に好ましくは8,000〜30,000である。
(B1b)を構成する親水性ポリマー(b22)の割合は、ポリオレフィン(b21)と親水性ポリマー(b22)の合計重量に基づいて導電性の観点から、好ましくは20〜90重量%、さらに好ましくは30〜70重量%である。
(B1b)の製法としては、例えば、以下のものが挙げられる。
<(B1b)の製法>
公知の方法、例えばカルボニル基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(b211)に、ポリエーテルジオール(b2211)を加えて減圧下(1mmHg以下)、通常200〜250℃で重合(重縮合)反応を行う方法、または、一軸もしくは二軸の押出機を用い、通常160〜250℃、滞留時間0.1〜20分で重合する方法により製造することができる。
上記の重合反応では、公知の触媒、例えばアンチモン触媒(三酸化アンチモン等);ス
ズ触媒(モノブチルスズオキシド等);チタン触媒(テトラブチルチタネート等);ジルコニウム触媒(テトラブチルジルコネート等);有機酸金属塩触媒[ジルコニウム有機酸塩(酢酸ジルコニル等)、酢酸亜鉛等];およびこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。これらのうち好ましいのは、ジルコニウム触媒およびジルコニウム有機酸塩、さらに好ましいのは酢酸ジルコニルである。
触媒の使用量は、ポリオレフィン(b211)とポリエーテルジオール(b2211)の合計重量に基づいて、通常0.001〜5重量%、好ましくは0.01〜3重量%である。
本発明の導電性樹脂組成物は得られた(B1b)と本発明で規定される溶融粘度比を持つ(A)を溶融混練して製造することができる。
ポリフェニレンエーテル樹脂(B2)としては、例えば下記一般式(3)で示されるものが挙げられる。
Figure 0005356112
一般式(3)においてpは50以上の整数、R1、R2、R3、R4は、H、ハロゲン原子、C1〜12の炭化水素基、C2〜12の置換炭化水素基、アルコキシ基、シアノ基、フェノキシ基またはニトロ基を表す。R1、R2、R3、R4はそれぞれ同じでも、異なっていてもよい。また、(B2)は一般式(3)で示される重合体の1種単独であっても、2種以上の構成単位からなる共重合体や、2種以上の重合体の配合物であってもよい。
(B2)の具体例としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2、6−ジプロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2、6−ジメトキシ−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2、6−ジクロロメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2、6−ジブロモ−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2、6−ジフェニル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2、6−ジクロロ−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2、6−ジベンジル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2、5−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル等が挙げられる。
また、これらの(B2)に前記のスチレンおよび/またはその誘導体のモノマーをグラフトしたもの(変性ポリフェニレンエーテル)も(B2)に含まれる。
(B2)の固有粘度[η]は、樹脂物性、帯電防止性の観点から好ましくは0.1〜4、さらに好ましくは0.2〜3.5、とくに好ましくは0.3〜3である。[η]はポリマーの0.5重量%クロロホルム溶液について、30℃でウベローデ1A粘度計を用いて
測定される。
(B2)のTgは、成形性の観点から好ましくは190〜240℃、さらに好ましくは210〜230℃である。Tgは示差走査熱量測定(DSC)法により測定される。
ビニル樹脂[(B3)〜(B5)]としては、以下のビニルモノマーを種々の重合法(ラジカル重合法、チーグラー触媒重合法、メタロセン触媒重合法等)により(共)重合させることにより得られるものが挙げられる。
ビニルモノマーとしては、不飽和炭化水素(脂肪族炭化水素、芳香環含有炭化水素、脂環式炭化水素等)、アクリルモノマー、その他の不飽和モノ−およびジカルボン酸およびその誘導体、不飽和アルコールのカルボン酸エステル、不飽和アルコールのアルキルエーテル、ハロゲン含有ビニルモノマー並びにこれらの2種以上の組合せ(ランダムおよび/またはブロック)等が挙げられる。
脂肪族炭化水素としては、C2〜30のオレフィン[エチレン、プロピレン、 C4〜
30のα−オレフィン(1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、 1−ペンテン、1−
オクテン、1−デセン、1−ドデセン等)等]、C4〜30のジエン[アルカジエン(ブタジエン、イソプレン等)、シクロアルカジエン(シクロペンタジエン等)等]等が挙げられる。
芳香環含有炭化水素としては、C8〜30の、スチレンおよびその誘導体 、例えばo
−、m−およびp−アルキル(C1〜10)スチレン(ビニルトルエン等)、α−アルキル(C1〜10)スチレン(α−メチルスチレン等)およびハロゲン化スチレン(クロロスチレン等)が挙げられる。
アクリルモノマーとしては、C3〜30、例えば(メタ)アクリル酸およびその誘導体が挙げられる。
(メタ)アクリル酸の誘導体としては、例えばアルキル(C1〜20)(メタ)アクリレート[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリ レート、ブチル(メタ)
アクリレート等]、モノ−およびジ−アルキル(C1〜4)アミノアルキル(C2〜4)(メタ)アクリレート[メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等]、(メタ)アクリロニトリルおよび(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
その他の不飽和モノ−およびジカルボン酸としては、C2〜30(好ましくは3〜20、さらに好ましくは4〜15)の不飽和モノ−およびジカルボン酸、例えば、クロトン酸、マレイン酸、フマール酸およびイタコン酸等が挙げられ、その誘導体としては、C5〜30、例えばモノ−およびジアルキル(C1〜20)エステル、酸無水物(無水マレイン酸等)および酸イミド(マレイン酸イミド等)等が挙げられる。
不飽和アルコールのカルボン酸エステルとしては、不飽和アルコール[C2〜6、例えばビニルアルコール 、(メタ)アリルアルコール]のカルボン酸(C2〜4、例えば酢
酸、プロピオン酸)エステル(酢酸ビニル等)が挙げられる。
不飽和アルコールのアルキルエーテルとしては、上記不飽和アルコールのアルキル(C1〜20)エーテル(メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等)が挙げられる。ハロゲン含有ビニルモノマーとしては、C2〜12、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデンおよびクロロプレンが挙げられる。
ポリオレフィン樹脂(B3)としては、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、プロピレン−エチレン共重合体[共重合比(重量比)=0.1/99.9〜99.9/0.1]
、プロピレンおよび/またはエチレンと他のα−オレフィン(C4〜12)の1種以上との共重合体(ランダムおよび/またはブロック付加)[共重合比(重量比)=99/1〜5/95]、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)[共重合比(重量比)=95/5〜60/40]、エチレン/エチルアクリレート共重合体(EEA)[共重合比(重量比)=95/5〜60/40]が挙げられる。
これらのうち好ましいのは、ポリプロピレン、ポリエチレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレンおよび/またはエチレンとC4〜12のα−オレフィンの1種以上との共重合体[共重合比(重量比)=90/10〜10/90、ランダムおよび/またはブロック付加]である。
(B3)のメルトフローレート(以下、MFRと略記)は、樹脂物性、帯電防止性付与の観点から好ましくは0.5〜150、さらに好ましくは1〜100である。ここにおけるMFRは、JIS K6758に準じて(ポリプロピレンの場合:230℃、荷重2.
16kgf、ポリエチレンの場合:190℃、荷重2.16kgf)測定される。
(B3)の結晶化度は、帯電防止性の観点から好ましくは0〜98%、さらに好ましくは0〜80%、とくに好ましくは0〜70%である。
ここにおける結晶化度は、X線回折、赤外線吸収スペクトル等の方法によって測定される〔「高分子の固体構造−高分子実験学講座2」(南篠初五郎)、42頁、共立出版1958年刊参照〕。
ポリアクリル樹脂(B4)としては、例えば前記アクリルモノマー〔アルキル(C1〜20)(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル等〕の1種以上の(共)重合体[ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル等]およびこれらのモノマーの1種以上と共重合可能な前記ビニルモノマーの1種以上との共重合体[アクリルモノマー/ビニルモノマー共重合比(重量比)は樹脂物性の観点から好ましくは5/95〜95/5、さらに好ましくは50/50〜90/10][但し、(B3)に含まれるものは除く]が含まれる。
(B4)のMFRは、樹脂物性の観点から好ましくは0.5〜150、さらに好ましくは1〜100である。MFRは、JIS K7210(1994年)に準じて(ポリアクリル樹脂の場合は230℃、荷重1.2kgf)測定される。
ポリスチレン樹脂(B5)としては、ビニル基含有芳香族炭化水素単独またはビニル基含有芳香族炭化水素と、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリルおよびブタジエンからなる群から選ばれる少なくとも1種とを構成単位とする共重合体が挙げられる。
ビニル基含有芳香族炭化水素としては、C8〜30の、スチレンおよびその誘導体 、
例えばo−、m−およびp−アルキル(C1〜10)スチレン(ビニルトルエン等)、α−アルキル(C1〜10)スチレン(α−メチルスチレン等)およびハロゲン化スチレン(クロロスチレン等)が挙げられる。
(B5)の具体例としては、ポリスチレン、ポリビニルトルエン、スチレン/アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)[共重合比(重量比)=70/30〜80/20]、スチレン/メタクリル酸メチル共重合体(MS樹脂)[共重合比(重量比)=60/40〜90/10]、スチレン/ブタジエン共重合体[共重合比(重量比)=60/40〜95/5]、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS樹脂)[共重合比(重量比)=(20〜30)/(5〜40)/(40〜70)]、メタクリル酸メチル/ブタジエン/スチレン共重合体(MBS樹脂)[共重合比(重量比)=(20〜30)/(5〜40)/(40〜70)]等が挙げられる。
(B5)のMFRは、樹脂物性、帯電防止性の観点から好ましくは0.5〜150、さ
らに好ましくは1〜100である。MFRは、JIS K6871(1994年)に準じて(ポリスチレン樹脂の場合は230℃、荷重1.2kgf)測定される。
ポリエステル樹脂(B6)としては、芳香環含有ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート等)および脂肪族ポリエステル(ポリブチレンアジペート、ポリエチレンアジペート、ポリ−ε−カプロラクトン等)が挙げられる。
(B6)の固有粘度[η]は、樹脂物性、帯電防止性の観点から好ましくは0.1〜4、さらに好ましくは0.2〜3.5、とくに好ましくは0.3〜3である。[η]はポリマーの0.5重量%オルトクロロフェノール溶液について、25℃でウベローデ1A粘度計を用いて測定される。
ポリアミド樹脂(B7)としては、ラクタム開環重合体(B71)、ジアミンとジカルボン酸の脱水重縮合体(B72)、アミノカルボン酸の自己重縮合体(B73)およびこれらの重(縮)合体を構成するモノマー単位が2種類以上である共重合ナイロン等が挙げられる。
(B71)におけるラクタムとしては、C4〜20のラクタム、例えばγ−ブチロラクタム、γ−バレロラクタム、ε−カプロラクタム、γ−ピメロラクタム、γ−カプリロラクタム、γ−デカノラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタム、ウンデカノラクタム、エイコサノラクタムおよび5−フェニル−2−ピペリドン等が挙げられ、(B71)としては、ナイロン4、ナイロン5、ナイロン6、ナイロン8、ナイロン12等が挙げられる。
(B72)におけるジアミンとしては、C2〜20のジアミン、例えば脂肪族[エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、エイコサンジアミン等]、芳香(脂肪)族[フェニレンジアミン、ナフチレンジアミン、キシリレンジアミン等]および脂環式[シクロヘキシレンジアミン等]等が挙げられる。
ジカルボン酸としては、C2〜20のジカルボン酸、例えば前記ジカルボン酸(b114)として例示したものが挙げられる。
(B72)としては、ヘキサンメチレンジアミンとアジピン酸の縮重合によるナイロン66、ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸の重縮合によるナイロン610等が挙げられる。
(B73)におけるアミノカルボン酸としては、C2〜20のアミノカルボン酸、例えばグリシン、アラニン、ω−アミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカプリル酸、ω−アミノペラルゴン酸、ω−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸および20−アミノエイコサン酸等が挙げられ、(B73)としては、アミノエナント酸の重縮合によるナイロン7、ω−アミノウンデカン酸の重縮合によるナイロン11、12−アミノドデカン酸の重縮合によるナイロン12等が挙げられる。
(B7)の製造に際しては、分子量調整剤を使用してもよく、分子量調整剤としては、上記に示したジカルボン酸および/またはジアミンが挙げられる。
分子量調整剤としてのジカルボン酸のうち、好ましいのは脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸および3−スルホイソフタル酸アルカリ金属塩であり、さらに好ましいのはアジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸および3−スルホイソフタル酸ナトリウムである。また、分子量調整剤としてのジアミンのうち、好ましいのはヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミンである。
(B7)のMFRは、樹脂物性、帯電防止性の観点から好ましくは0.5〜150、さらに好ましくは1〜100である。MFRは、JIS K7210(1994年)に準じ
て(ポリアミド樹脂の場合は、230℃、荷重0.325kgf)測定される。
ポリカーボネート樹脂(B8)としては、ビスフェノール(C12〜20、例えばビスフェノールA、−Fおよび−S、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ブタン)系およびジヒドロキシビフェニル系ポリカーボネート、例えば上記ビスフェノールとホスゲンまたは炭酸ジエステルとの縮合物が挙げられる。上記ビスフェノールのうち(A)の分散性の観点から好ましいのはビスフェノールAである。
(B8)のMFRは、樹脂物性、帯電防止性の観点から好ましくは0.5〜150、さらに好ましくは1〜100である。MFRは、JIS K7210(1994年)に準じ
て(ポリカーボネート樹脂の場合は280℃、荷重2.16kgf)測定される。
ポリアセタール樹脂(B9)としては、ホルムアルデヒドまたはトリオキサンのホモポリマー(ポリオキシメチレンホモポリマー)、およびホルムアルデヒドまたはトリオキサンと環状エーテル[前記AO(EO、PO、ジオキソラン等)等]との共重合体(ポリオキシメチレン/ポリオキシエチレンコポリマー[ポリオキシメチレン/ポリオキシエチレン(重量比)=90/10〜99/1のブロック共重合体等]等が挙げられる。
(B9)のMFRは、樹脂物性、帯電防止性の観点から好ましくは0.5〜150、さらに好ましくは1〜100である。MFRは、JIS K7210(1994年)に準じ
て(ポリアセタール樹脂の場合は190℃、荷重2.16kgf)測定される。
(B9)の固有粘度[η]は、樹脂物性、帯電防止性の観点から好ましくは0.1〜4、さらに好ましくは0.2〜3.5、とくに好ましくは0.3〜3である。
生分解性樹脂(B10)としては、ポリヒドロキシブチレート、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、アジペート変性ポリブチレンサクシネート、カーボネート変性ポリブチレンサクシネート、テレフタレート変性ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネートおよびポリビニルアルコールが含まれる。
(B10)のうち、ポリヒドロキシブチレートとしては、例えばビオグリーン[三菱ガス化学(株)製)];ポリ乳酸としては、例えばレイシア[三井化学(株)製)];ポリカプロラクトンとしては、例えばセルグリーン[ダイセル化学工業(株)製];ポリブチレンサクシネートとしては、例えばビオノーレ[昭和高分子(株)製)];ポリエチレンサクシネートとしては、例えばルナーレSE[日本触媒(株)製)];ポリビニルアルコールとしては、例えばポバール[クラレ(株)製)]が挙げられる。
[導電性樹脂組成物または帯電防止性樹脂組成物]
本発明の導電性樹脂組成物または帯電防止性樹脂組成物は、上記熱可塑性樹脂(B)と前記ポリマー型イオン性液体(A)を含有してなり、これらを溶融混練することにより得られる。
このうち該導電性樹脂組成物は、上記熱可塑性樹脂(B)のうち(B1)と(A)を含有してなり、これらを溶融混練することにより得られる。該導電性樹脂組成物を成形してなる成形品は、好ましくは1×104〜1×107Ω、さらに好ましくは1×104〜1×106Ωの表面固有抵抗値を有する。
また、該帯電防止性樹脂組成物は、上記熱可塑性樹脂(B)のうち(B2)〜(B10)からなる群の少なくとも1種または2種以上と(A)を含有するか、または、(B2)〜(B10)からなる群の少なくとも1種または2種以上と、(A)および(B1)を含有してなり、それぞれこれらを溶融混練することによって得ることができる。該帯電防止性樹脂組成物を成形してなる成形品は、好ましくは1×107〜1×1013Ω、さらに好ましくは1×107〜1×1011Ωの表面固有抵抗値を有する。
本発明の導電性または帯電防止性樹脂組成物を構成するポリマー型イオン性液体(A)と熱可塑性樹脂(B)は、下記の式で定義される240℃における溶融粘度比が−0.5〜0.5(好ましくは−0.4〜0.2、さらに好ましくは−0.3〜0.1)であることを満足する。
該溶融粘度比が−0.5未満の場合または0.5を超える場合は(B)中の(A)の分散性が悪くなり、該樹脂組成物を成形してなる成形品の導電性または帯電防止性が悪くなる。

溶融粘度比=log[ρ(A)/ρ(B)]

[式中、ρ(A)、ρ(B)はそれぞれ240℃における(A)と(B)の溶融粘度(単位はPa・S/せん断速度1,000秒-1、以下同じ。)を表す。]
(A)の240℃における溶融粘度は、導電性、帯電防止性および(B)との溶融粘度比の観点から好ましくは1×100〜5×103、さらに好ましくは1×101〜1×103、また、(B)の240℃における溶融粘度は、機械特性および(A)との溶融粘度比の観点から好ましくは2×100〜1×104、さらに好ましくは2×101〜3×103である。
また、(A)と(B)の重量比は、導電性または帯電防止性、並びに成形品の機械特性の観点から好ましくは1/99〜50/50、さらに好ましくは5/95〜40/60、とくに好ましくは10/90〜30/70である。
本発明の導電性または帯電防止性樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要によりさらに、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩(C1)、界面活性剤(C2)、(A)以外のイオン性液体(C3)、相溶化剤(C4)およびその他の樹脂用添加剤(C5)からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤(C)を含有させてもよい。
アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩(C1)としては、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム等)および/またはアルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム等)の有機酸(C1〜12のモノ−およびジ−カルボン酸、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、コハク酸;C1〜20のスルホン酸、例えばメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸;チオシアン酸)の塩、および無機酸(ハロゲン化水素酸、例えば塩酸、臭化水素酸;過塩素酸;硫酸;硝酸;リン酸)の塩が使用できる。
(C1)の具体例としては、ハライド[フッ化物(フッ化リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウムおよび−カルシウム等)、塩化物(塩化リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウムおよび−カルシウム等)、臭化物(臭化リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウムおよび−カルシウム等)およびヨウ化物(ヨウ化リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウムおよび−カルシウム等)等]、過塩素酸塩(過塩素酸リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウムおよび−カルシウム等)、フッ化スルホン酸塩(フルオロスルホン酸リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウムおよび−カルシウム等)、メタンスルホン酸塩(メタンスルホン酸リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウムおよび−カルシウム等)、トリフルオロメタンスルホン酸塩(トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウムおよび−カルシウム等)、ペンタフルオロエタンスルホン酸塩(ペンタフルオロエタンスルホン酸リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウムおよび−カルシウム等)、ノナフルオロブタンスルホン酸塩(ノナフルオロブタンスルホン酸リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウムおよび−カルシウム等)、ウンデカフルオロペンタンスルホン酸塩(ウンデカフルオロペンタンスルホン酸リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウムおよび−カルシウム等)、トリデカフルオロヘキサンスルホン酸塩(トリデカフルオロヘキサンスルホン酸リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウムおよび−カルシウム等)、酢酸塩(酢酸リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウムおよび−カルシウム等)、硫酸塩(硫酸ナトリウム、−カリウム、−マグネシウムおよび−カルシウム等)、燐酸塩(燐酸ナトリウム、−カリウム、−マグネシウムおよび−カルシウム等)、チオシアン酸塩(チオシアン酸カリウム等)等が挙げられる。
これらのうち導電性の観点から好ましいのは、ハライド、過塩素酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、酢酸塩、さらに好ましいのは塩化リチウム、−カリウムおよび−ナトリウム、過塩素酸リチウム、−カリウムおよび−ナトリウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、−カリウムおよび−ナトリウム、酢酸カリウムである。
(C1)の使用量は、(A)と(B)の合計重量に基づいて通常10%以下、成形品の導電性または帯電防止性、並びに成形品表面に析出せず良好な外観の成形品を与えるとの観点から好ましくは0.001〜5%、さらに好ましくは0.01〜4%、特に好ましくは0.1〜2%、最も好ましくは0.15〜1%である。
(C1)を含有させる方法については特に限定はないが、組成物中への効果的な分散のさせ易さから、熱可塑性樹脂(B)中に予め分散させておくことが好ましい。
また、(B)中に(C1)を分散させる場合、(B)の製造(重合)時に予め(C1)を含有、分散させておくのが特に好ましい。(C1)を(B)の製造時に含有させるタイミングは特に制限なく、重合前、重合中および重合直後のいずれでもよい。
界面活性剤(C2)としては、非イオン性、アニオン性、カチオン性および両性の界面活性剤、並びにこれらの混合物が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、例えばEO付加型非イオン性界面活性剤[例えば高級アルコール(C8〜18、以下同じ)、高級脂肪酸(C8〜24、以下同じ)または高級アルキルアミン(C8〜24)のEO付加物(分子量158以上かつMn200,000以下);グリコールのEO付加物であるポリアルキレングリコール(分子量150以上かつMn6,000以下)の高級脂肪酸エステル;多価アルコール(C2〜18の2価〜8価またはそれ以上、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトールおよびソルビタン)高級脂肪酸エステルのEO付加物(分子量250以上かつMn30,000以下);高級脂肪酸アミドのEO付加物(分子量200以上かつMn30,000以下);および多価アルコール(前記のもの)アルキル(C3〜60)エーテルのEO付加物(分子量120以上かつMn30,000以下)]、および多価アルコール(C3〜60)型非イオン性界面活性剤[例えば多価アルコールの脂肪酸(C3〜60)エステル、多価アルコールのアルキル(C3〜60)エーテルおよび脂肪酸(C3〜60)アルカノールアミド]が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、上記(C1)を除く化合物が使用でき、例えば、高級脂肪酸塩等のカルボン酸塩;高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩等の硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩;高級アルコールリン酸エステル塩等のリン酸エステル塩等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩型[例えばテトラアルキル(C4〜100)アンモニウム塩(例えばラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムブロマイドおよびステアリルトリメチルアンモニウムブロマイド)、トリアルキル(C3〜80)ベンジルアンモニウム塩(例えばラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(塩化ベンザルコニウム)、アルキル(C2〜60)ピリジニウム塩(例えばセチルピリジニウムクロライド)、ポリオキシアルキレン(C2〜4)トリアルキルアンモニウム塩(例えばポリオキシエチレントリメチルアンモニウムクロライド)およびサパミン型第4級アンモニウム塩(例えばステアラミドエチルジエチルメチルアンモニウムメトサルフェート)];およびアミン塩型[例えば高級脂肪族アミン(C12〜60、例えばラウリルアミン、ステアリルアミン、セチルアミン、硬化牛脂アミンおよびロジンアミン)の無機酸(例えば塩酸、硫酸、硝酸およびリン酸)塩または有機酸(C2〜22、例えば酢酸、プロピオン酸、ラウリル酸、オレイン酸、安息香酸、コハク酸、アジピン酸およびアゼライン酸)塩
、脂肪族アミン(C1〜30)のエチレンオキシド付加物等の無機酸(上記のもの)塩または有機酸(上記のもの)塩および3級アミン(C3〜30、例えばトリエタノールアミンモノステアレートおよびステアラミドエチルジエチルメチルエタノールアミン)の無機酸(上記のもの)塩または有機酸(上記のもの)塩]が挙げられる。
両性界面活性剤としては、高級アルキルアミノプロピオン酸塩等のアミノ酸型両性界面活性剤、高級アルキルジメチルベタイン、高級アルキルジヒドロキシエチルベタイン等のベタイン型両性界面活性剤等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アミノ酸型両性界面活性剤[例えば高級アルキルアミン(C8〜24)のプロピオン酸塩]、ベタイン型両性界面活性剤[例えば高級アルキル(C12〜18)ジメチルベタイン、高級アルキルジヒドロキシエチルベタイン]、硫酸エステル塩型両性界面活性剤[例えば高級アルキルアミン(C8〜24)の硫酸エステル塩およびヒドロキシエチルイミダゾリン硫酸エステル塩]、スルホン酸塩型両性界面活性剤(例えばペンタデシルスルホタウリン塩およびイミダゾリンスルホン酸塩)およびリン酸エステル塩型両性界面活性剤[例えばグリセリン高級脂肪酸(C8〜24)エステル化物のリン酸エステル塩]が挙げられる。
これらは単独でも2種以上を併用してもよい。
上記のアニオン性および両性界面活性剤における塩には、金属塩、例えばアルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)およびIIB族金属(亜鉛等)の塩;アンモニウム塩;並びに、アミン塩[アルキルアミン(C1〜20)塩およびアルカノールアミン(C2〜12、例えばモノ−、ジ−およびトリエタノールアミン)塩等]および4級アンモニウム塩が含まれる。
これらのうち、導電性の観点から好ましいのはアニオン性界面活性剤、さらに好ましいのはスルホン酸塩、特に好ましいのはアルキルベンゼンスルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等)、アルキルスルホン酸塩およびパラフィンスルホン酸塩である。
(C2)の使用量は、(A)と(B)の合計重量に基づいて通常10%以下、成形品の導電性または帯電防止性、並びに耐水性の観点から好ましくは0.001〜5%、さらに好ましくは0.01〜3%、特に好ましくは0.1〜2.5%である。
(C2)を含有させる方法については特に限定はないが、樹脂組成物中へ効果的に分散させるためには、(B)中に予め分散させておくことが好ましい。また、(B)中に(C2)を分散させる場合、(B)の製造(重合)時に該(C2)を予め含有、分散させておくのが特に好ましい。(C2)を(B)の製造時に含有させるタイミングは特に制限なく、重合前、重合中および重合直後の何れでもよい。
(A)以外のイオン性液体(C3)は、上記(C1)および(C2)を除く低分子化合物で、100℃以下の融点または室温以下のTgを有し、(C3)を構成するカチオンまたはアニオンのうち少なくとも一つが有機物イオンである。(C3)を構成するカチオンとしては、前記アミジニウムカチオン(a1)およびグアニジニウムカチオン(a2)が挙げられる。
上記の(a1)および(a2)は1種単独でも、また2種以上を併用してもいずれでもよい。これらのうち、(C3)の導電性の観点から好ましいのは(a1)、さらに好ましいのはイミダゾリウムカチオン、特に好ましいのは1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンである。
(C3)において、アニオンを構成する有機酸または無機酸としては下記のものが挙げられる。
有機酸としては、例えばカルボン酸、硫酸エステル、スルホン酸およびリン酸エステルが挙げられる。
無機酸としては、例えば超強酸(例えばホウフッ素酸、四フッ化ホウ素酸、過塩素酸、六フッ化リン酸、六フッ化アンチモン酸および六フッ化ヒ素酸)、リン酸およびホウ酸が挙げられる。
上記有機酸および無機酸は1種単独でも2種以上の併用でもいずれでもよい。
上記有機酸および無機酸のうち、(C3)の導電性の観点から好ましいのは(C3)を構成するアニオンのHamett酸度関数(−H0)が12〜100である、超強酸の共
役塩基、超強酸の共役塩基以外のアニオンを形成する酸およびこれらの混合物である。
超強酸の共役塩基以外のアニオンとしては、例えばハロゲン(例えばフッ素、塩素および臭素)イオン、アルキル(C1〜12)ベンゼンスルホン酸(例えばp−トルエンスルホン酸およびドデシルベンゼンスルホン酸)イオンおよびポリ(n=1〜25)フルオロアルカンスルホン酸(例えばウンデカフルオロペンタンスルホン酸)イオンが挙げられる。
超強酸としては、プロトン酸およびプロトン酸とルイス酸との組み合わせから誘導されるもの、およびこれらの混合物が挙げられる。
超強酸としてのプロトン酸としては、例えばビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド酸、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド酸、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メタン、過塩素酸、フルオロスルホン酸、アルカン(C1〜30)スルホン酸[例えばメタンスルホン酸、ドデカンスルホン酸等)、ポリ(n=1〜30)フルオロアルカン(C1〜30)スルホン酸(例えばトリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸、ウンデカフルオロペンタンスルホン酸およびトリデカフルオロヘキサンスルホン酸)、ホウフッ素酸および四フッ化ホウ素酸が挙げられる。
これらのうち合成の容易さの観点から好ましいのはホウフッ素酸、トリフルオロメタンスルホン酸およびビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド酸である。
ルイス酸と組合せて用いられるプロトン酸としては、例えばハロゲン化水素(例えばフッ化水素、塩化水素、臭化水素およびヨウ化水素)、過塩素酸、フルオロスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸、ウンデカフルオロペンタンスルホン酸、トリデカフルオロヘキサンスルホン酸およびこれらの混合物が挙げられる。
これらのうち(C3)の初期電導度の観点から好ましいのはフッ化水素である。
ルイス酸としては、例えば三フッ化ホウ素、五フッ化リン、五フッ化アンチモン、五フッ化ヒ素、五フッ化タンタルおよびこれらの混合物が挙げられる。これらのうちで、(DC3)の初期電導度の観点から好ましいのは三フッ化ホウ素および五フッ化リンである。
プロトン酸とルイス酸の組み合わせは任意であるが、これらの組み合わせからなる超強酸としては、例えばテトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、六フッ化タンタル酸、六フッ化アンチモン酸、六フッ化タンタルスルホン酸、四フッ化ホウ素酸、六フッ化リン酸、塩化三フッ化ホウ素酸、六フッ化ヒ素酸およびこれらの混合物が挙げられる。
上記のアニオンのうち、(C3)の導電性の観点から好ましいのは超強酸の共役塩基(プロトン酸からなる超強酸およびプロトン酸とルイス酸との組合せからなる超強酸)、さらに好ましいのはプロトン酸からなる超強酸およびプロトン酸と、三フッ化ホウ素および/または五フッ化リンとからなる超強酸の共役塩基である。
(C3)の使用量は、(A)と(B)の合計重量に基づいて通常10%以下、成形品の
導電性または帯電防止性、並びに機械特性の観点から好ましくは0.001〜5%、さらに好ましくは0.01〜3%である。
(C3)を添加する方法については特に限定はないが、樹脂中への効果的な分散の観点から、(B)中に予め分散させておくことが好ましい。また、(B)中に(C3)を分散させる場合、(B)の製造(重合)時に予め(C3)を含有、分散させておくのが特に好ましい。(C3)を(B)の製造時に含有させるタイミングは特に制限なく、重合前、重合中および重合直後のいずれでもよい。
(C3)の製造法としては、例えばジメチルカーボネート等で4級化して得られるアミジニウムカチオンおよび/またはグアニジニウムカチオンのジメチルカーボネート塩に、酸[(C3)においてアニオンを構成する前記の有機酸または無機酸]を加えて酸交換を行う方法、または、アミジニウムカチオンおよび/またはグアニジニウムカチオンを一旦加水分解してモノアミドアミンを生成した後、そのモノアミドアミンを酸で中和する方法が挙げられる。
相溶化剤(C4)としては、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、ヒドロキシル基およびポリオキシアルキレン基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基(極性基)を有する変性ビニル重合体等が使用でき、例えば、特開平3−258850号公報に記載の重合体が挙げられる。また、例えば、特開平6−345927号公報に記載のスルホニル基を有する変性ビニル重合体、ポリオレフィン部分と芳香族ビニル重合体部分とを有するブロック重合体等も使用できる。
(C4)の使用量は、(A)と(B)の合計重量に基づいて、通常20%以下、成形品の導電性または帯電防止性、並びに機械特性の観点から好ましくは0.01〜15%、さらに好ましくは0.1〜10%、特に好ましくは1〜8%である。
(C4)を含有させる方法については特に限定はないが、組成物中への効果的な分散もしくは溶解のさせ易さから、親水性基含有ポリマー(B)中に予め分散させておくことが好ましい。また、(B)中に(C4)を分散もしくは溶解させる場合、(B)の製造(重合)時に予め(C4)を含有させておくのが特に好ましい。(C4)を(B)の製造時に含有させるタイミングは特に制限なく、重合前、重合中および重合直後のいずれでもよい。
また、本発明の樹脂組成物には、種々の用途に応じ、本発明の効果を阻害しない範囲でその他の樹脂用添加剤(C5)を任意に添加することができる。
(C5)としては、核剤(C51)、滑剤(C52)、顔料(C53)、染料(C54)、離型剤(C55)、酸化防止剤(C56)、難燃剤(C57)、紫外線吸収剤(C5)、抗菌剤(C59)、分散剤(C510)、導電性物質(C511)および充填剤(C512)からなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
核剤(C51)としては、有機核剤[例えば1,3,2,4−ジ−ベンジリデン−ソルビトール、アルミニウム−モノ−ヒドロキシ−ジ−p−t−ブチルベンゾエート、ソジウム−ビス(4−t−ブチルフェニル)ホスフェートおよび安息香酸ナトリウム]および無機核剤(例えばグラファイト、カーボンブラック、酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酸化亜鉛、アルミナ、硫酸バリウムおよび硫酸カルシウム)が挙げられる。
滑剤(C52)としては、ワックス(例えばカルナバロウワックス、パラフィンワックスおよびポリオレフィンワックス)、高級脂肪酸(C8〜24、例えばステアリン酸、オレイン酸、リノール酸およびリノレン酸)、高級アルコール(C8〜18、例えばステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコールおよびベヘニルアルコール)および高級脂肪酸アミド(C8〜24
、例えばステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、リノール酸アミドおよびリノレン酸アミド)が挙げられる。
顔料(C53)としては、無機顔料[白色顔料(酸化チタン、リトポン、鉛白、亜鉛華等)、コバルト化合物(オーレオリン、コバルトグリーン等)、鉄化合物(酸化鉄、紺青等)、クロム化合物(酸化クロム、クロム酸鉛等)および硫化物(硫化カドミウム、ウルトラマリン等)等]、有機顔料[アゾ顔料(アゾレーキ系、モノアゾ系、ジスアゾ系、キレートアゾ系等)、多環式顔料(ベンゾイミダゾロン系、フタロシアニン系、イソインドリノン系、アンスラキノン系等)等が挙げられる。
染料(C54)としては、アゾ系、インジゴイド系、硫化系、アリザリン系、アクリジン系、チアゾール系、ニトロ系、アニリン系等が挙げられる。
離型剤(C55)としては、高級脂肪酸(上記のもの)の低級(C1〜4)アルコールエステル(例えばステアリン酸ブチル)、脂肪酸(C2〜18)の多価(2価〜4価またはそれ以上)アルコールエステル(例えば硬化ヒマシ油)、脂肪酸(C2〜18)のグリコール(C2〜8)エステル(例えばエチレングリコールモノステアレート)および流動パラフィンが挙げられる。
酸化防止剤(C56)としては、フェノール系{例えば単環フェノール[例えば2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールおよびブチル化ヒドロキシアニソール]、ビスフェノール[例えば2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル)−6−t−ブチルフェノールおよび4,4’−チオビス(3−メチル)−6−t−ブチルフェノール]および多環フェノール〔例えば1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、テトラキス[メチレン−3−(3’、5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン〕};硫黄系〔例えばジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルβ,β’−チオジブチレートおよびジラウリルサルファイド〕;リン系〔例えばトリフェニルホスファイト、トリイソデシルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニルジトリデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシルホスファイト)、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトおよびジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト〕;およびアミン系〔例えばオクチル化ジフェニルアミン、N−n−ブチル−p−アミノフェノール、N,N−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−α−ナフチルアミン、フェニル−β−ナフチルアミンおよびフェノチアジン〕が挙げられる。
難燃剤(C57)には、ハロゲン含有難燃剤(C571)、窒素含有難燃剤(C572)、硫黄含有難燃剤(C573)、珪素含有難燃剤(C574)およびリン含有難燃剤(C575)からなる群から選ばれる1種または2種以上の難燃剤が含まれる。
ハロゲン含有難燃剤(C571)としては、ヘキサクロロペンタジエン、ヘキサブロモジフェニル、オクタブロモジフェニルオキシド、トリブロモフェノキシメタン、デカブロモジフェニル、デカブロモジフェニルオキシド、テトラブロモビスフェノールA、テトラ
ブルモフタルイミド、ヘキサブロモブテン、ヘキサブロモシクロドデカン等;
窒素含有難燃剤(C572)としては、尿素化合物、グアニジン化合物またはトリアジン化合物(メラミン、グアナミン等)と、シアヌール酸またはイソシアヌル酸との塩等;硫黄含有難燃剤(C573)としては、硫酸エステル、有機スルホン酸、スルファミン酸、有機スルファミン酸、およびそれらの、塩、エステルおよびアミド等;
珪素含有難燃剤(C574)としては、ポリオルガノシロキサン等;
リン含有難燃剤(C575)としては、リン含有の酸およびそのエステル(C2〜20)、例えばリン酸、ホスフェート、ハロゲン含有ホスフェート、亜リン酸、ホスホネート、ハロゲン含有ホスホネート、およびリン酸アンモニウム塩等が挙げられる。
上記ホスフェートとしては、ホスフェートおよび縮合ホスフェート(ジ−およびポリホスフェート)が挙げられる。
ホスフェートとしては、トリアルキル(アルキル基はC1〜12)ホスフェート[トリメチル−、トリエチル−、トリブチル−およびトリオクチルホスフェート等]、トリアルコキシ(アルコキシ基はC1〜6)ホスフェート[トリエトキシ−およびトリブトキシホスフェート等]、トリアリールホスフェート[トリフェニルホスフェート等]、アルキル(アルキル基はC1〜10)アリールホスフェート[トリクレジル−、クレジルジフェニル−、オクチルジフェニル−、ジイソプロピルフェニル−およびレゾルシノール−ビス(ジ−2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート等]等が挙げられる。
縮合ホスフェートとしては、トリアルキル(アルキル基はC1〜12)ポリ(n=2〜30)ホスフェート、フェニルレゾルシンポリ(n=2〜30)ホスフェート、レゾルシンポリ(n=2〜30)ホスフェート[レゾルシンビスホスフェート、クレジルレゾルシンポリホスフェート等]、ヒドロキノンポリ(n=2〜30)ホスフェート[ヒドロキノンビスホスフェート、ヒドロキノンポリホスフェート等]、ビスフェノールAビスホスフェート、トリオキシベンゼントリホスフェート等が挙げられる。
上記ハロゲン含有ホスフェートとしては、トリスハロゲン化アルキル(アルキル基はC2〜4)ホスフェート[トリスクロロエチルホスフェート、トリスジクロロプロピルホスフェート、トリス−β−クロロプロピルホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート等]、トリスハロゲン化アリールホスフェート[トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(ジブロモフェニル)ホスフェート等]等が挙げられる。
上記ホスホネートとしては、ホスホネートおよび縮合ホスホネートが挙げられる。
ホスホネートとしては、トリアルキル(アルキル基はC1〜12)ホスホネート[トリメチルホスホネート、トリエチルホスホネート、トリブチルホスホネート、トリオクチルホスホネート等]、トリアルコキシ(アルコキシ基はC1〜6)ホスホネート[トリエトキシホスホネート、トリブトキシホスホネート等]、トリアリールホスホネート[トリフェニルホスホネート等]、アルキル(アルキル基はC1〜10)アリールホスホネート[トリクレジルホスホネート、クレジルジフェニルホスホネート、オクチルジフェニルホスホネート、ジイソプロピルフェニルホスホネート、レゾルシノール−ビス(ジ−2,6−ジメチルフェニル)ホスホネート等]等が挙げられる。
縮合ホスホネートとしては、トリアルキル(アルキル基はC1〜12)ポリ(n=2〜30)ホスホネート、フェニルレゾルシンポリ(n=2〜30)ホスホネート、レゾルシンポリ(n=2〜30)ホスホネート[レゾルシンビスホスフェート、クレジルレゾルシンポリホスホネート等]、ヒドロキノンポリ(n=2〜30)ホスホネート[ヒドロキノンビスホスホネート、ヒドロキノンポリホスホネート等]、ビスフェノールAビスホスホ
ネート、トリオキシベンゼントリホスホネート等が挙げられる。
上記ハロゲン含有ホスホネートとしては、トリスハロゲン化アルキル(アルキル基はC2〜4)ホスホネート[トリスクロロエチルホスホネート、トリスジクロロプロピルホスホネート、トリス−β−クロロプロピルホスホネート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスホネート等]、トリスハロゲン化アリールホスホネート[トリス(トリブロモフェニル)ホスホネート、トリス(ジブロモフェニル)ホスホネート等]等が挙げられる。
上記リン酸アンモニウム塩としては通常難燃剤用に市販されているものを用いることができる。これらは、必要に応じてメラミン化合物(例えばメラミン単体)、ペンタエリスリトール化合物(例えばペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール)、アミド(例えばナイロン6、ナイロン66)等を併用してもよい。
これらの難燃剤は、必要に応じて難燃助剤[ドリップ防止剤(例えばポリテトラフルオロエチレン)、金属酸化物(例えば酸化亜鉛)等]を併用してもよい。
これらの難燃剤のうち難燃性、および焼却時におけるダイオキシン発生等の環境汚染がないとの観点から好ましいのは窒素含有難燃剤(C572)である。
紫外線吸収剤(C58)としては、ベンゾトリアゾール系[例えば2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールおよび2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール]、ベンゾフェノン系[例えば2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンおよび2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン]、サリチレート系[例えばフェニルサリチレートおよびエチレングリコールモノサリチレート]およびアクリレート系[例えば2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’1−ジフェニルアクリレート]が挙げられる。
抗菌剤(C59)としては、安息香酸、パラオキシ安息香酸エステル、ソルビン酸、ハロゲン化フェノール(例えば2,4,6−トリブロモフェノールナトリウム塩)、有機ヨウ素(例えば4−クロロフェニル−3−ヨードプロパギルホルマール)、ニトリル(例えば2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル)、チオシアノ(例えばメチレンビスチアノシアネート)、N−ハロアルキルチオイミド(例えばN−テトラクロロエチル−チオ−テトラヒドロフタルイミド)、銅剤(例えば8−オキシキノリン銅)、ベンズイミダゾール(例えば2−4−チアゾリルベンズイミダゾール)、ベンゾチアゾール(例えば2−チオシアノメチルチオベンゾチアゾール)、トリハロアリル(例えば3−ブロモ−2,3−ジヨード−2−プロペニルエチルカルボナート)、トリアゾール(例えばアザコナゾール)、有機窒素硫黄化合物(例えばスラオフ39)、4級アンモニウム化合物(例えばトリメトキシシリル−プロピルオクタデシルアンモニウムクロライド)およびピリジン系化合物[例えば2,3,5,6−チトクロロ−4−(メチルスルホニル)−ピリジン]が挙げられる。
分散剤(C510)としては、Mn1,000〜100,000の分散剤、例えばナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物(Mn1,000〜10,000)、ポリスチレンスルホン酸金属[例えばアルカリ金属(例えばナトリウムおよびカリウム)]塩(Mn1,000〜100,000)、ポリアクリル酸金属[例えばアルカリ金属(上記に同じ)]塩(Mn2,000〜50,000)、カルボキシメチルセルロースおよびポリビニルアルコールが挙げられる。
導電性物質(C511)としては、前記(C1)および(C3)を除く化合物で、例えばカーボンナノチューブ、カーボンブラックおよびホワイトカーボンが挙げられる。
充填剤(C512)としては、例えば無機充填剤(例えば炭酸カルシウム、タルク、クレー、けい酸、けい酸塩、アスベスト、マイカ、ガラス繊維、ガラスバルーン、カーボン繊維、金属繊維、セラミックウィスカおよびチタンウィスカ)および有機充填剤[例えば尿素、ステアリン酸カルシウムおよび有機架橋微粒子(例えばエポキシ系およびウレタン系)]が挙げられる。
(C5)の合計の使用量は、(A)と(B)の合計重量に基づいて、通常45%以下、各添加剤の添加効果および成形品の機械特性の観点から好ましくは0.001〜40%、さらに好ましくは0.01〜35%、とくに好ましくは0.05〜30%である。
(C5)のうち、(C51)、(C52)、(C53)、(C54)、(C55)、(C510)および(C512)はそれぞれ通常10%以下、好ましくは1〜5%;(C57)は通常20%以下、好ましくは1〜10%;(C56)、(C58)および(C511)は通常5%以下、好ましくは0.1〜3%;(C59)は通常3%以下、好ましくは0.05〜1%である。
本発明の導電性または帯電防止性樹脂組成物は、(A)と(B)および必要により(C)を溶融混練することにより得られる。
溶融混練する方法としては、通常の方法が用いられ、(A)と、一般的にはペレット状または粉体状の(B)を適切な混合機、例えばヘンシェルミキサー等で混合した後、押出機で溶融混練してペレット化する方法が適用できる。
本発明の樹脂組成物(導電性樹脂組成物または帯電防止性樹脂組成物、以下同じ。)の成形方法としては、射出成形、圧縮成形、カレンダ成形、スラッシュ成形、回転成形、押出成形、ブロー成形、フィルム成形(キャスト法、テンター法、インフレーション法等)等が挙げられ、目的に応じて任意の方法で成形できる。
本発明の樹脂組成物からなる成形品は、優れた機械特性および導電性または帯電防止性を有すると共に、良好な塗装性および印刷性を有し、成形品に塗装および/または印刷を施すことにより成形物品が得られる。
該成形品を塗装する方法としては、例えばエアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、静電スプレー塗装、浸漬塗装、ローラー塗装、刷毛塗り等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
塗料としては、例えば、ポリエステルメラミン樹脂塗料、エポキシメラミン樹脂塗料、アクリルメラミン樹脂塗料、アクリルウレタン樹脂塗料等のプラスチックの塗装に一般に用いられる塗料が挙げられる。
塗装膜厚(乾燥膜厚)は、目的に応じて適宜選択することができるが通常10〜50μmである。
また、該成形品または成形品に塗装を施した上に印刷する方法としては、一般的にプラスチックの印刷に用いられている印刷法であればいずれも用いることができ、例えばグラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、パッド印刷、ドライオフセット印刷およびオフセット印刷等が挙げられる。
印刷インキとしてはプラスチックの印刷に通常用いられるもの、例えばグラビアインキ、フレキソインキ、スクリーンインキ、パッドインキ、ドライオフセットインキおよびオフセットインキが使用できる。
さらに、本発明の樹脂組成物は、公知の塗料に添加したり、溶剤(例えばキシレン、トルエン)を加えて帯電防止用の塗料としても用いることができる。
公知の塗料としては、前記の塗料等が挙げられる。
公知の塗料に本発明の樹脂組成物を添加する場合の(A)と(B)の合計の割合は、公知の塗料の固形分重量に基づいて導電性または帯電防止性、並びに耐水性の観点から好ま
しくは5〜60%、さらに好ましくは5〜50%、とくに好ましくは5〜40%である。
また、本発明の樹脂組成物に溶剤を加えて塗料とした場合の(A)と(B)の合計の割合は、塗料の固形分重量に基づいて、導電性または帯電防止性、並びに耐水性の観点から好ましくは5〜60%、さらに好ましくは5〜50%、とくに好ましくは5〜40%である。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものでない。実施例中の「部」は重量部、「%」は重量%を示す。
製造例1 [ポリマー型イオン性液体(A−1)]
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた耐圧反応容器にイオン交換水2,700部、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸300部を仕込み、ついで常圧下、100℃まで昇温した後、アゾビスシアノ吉草酸3.5部を約1分で滴下して3時間重合させ、さらに3時間熟成した。次いで減圧下で脱水を行い、乾燥後ポリ2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を得た。収率は98%、Mnは130,000であった。
次に、得られたポリ2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸250部を別の上記と同様の耐圧反応容器に仕込み、イオン交換水1,644部を加えて室温にて溶解させ、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩(合成方法は特開2001−316372記載の方法に従った)のメタノール溶液(濃度48%)427部を混合した。反応による炭酸ガスを発生させながら反応させ、炭酸ガスの発生がおさまった後、減圧下、約5時間かけて温度60〜80℃で溶媒および水を全量除去することによって、ポリ(1−エチル−3−メチルイミダゾリウム)2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸塩[ポリマー型イオン性液体(A−1)]を得た。収率は95%であった。(A−1)の240℃における溶融粘度は2.6×10(単位はPa・S/せん断速度1,000秒-1。以下においては数値のみを示す。)であった。
製造例2 [ポリマー型イオン性液体(A−2)の製造]
製造例1と同様の耐圧反応容器に5−スルホイソフタル酸300部およびメタノール500部を仕込み均一溶解させ、さらに1−エチル−3−メチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩のメタノール溶液(濃度48%)674部を混合し反応させた。反応終了後減圧下、約5時間かけて60〜80℃で溶媒を全量除去することによって1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−5−スルホイソフタル酸塩を得た。収率は95%であった。
次に 別の耐圧反応容器に、得られた1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−5−スルホイソフタル酸塩200部、イソフタル酸200部、ヘキサメチレンジアミン230部、酸化防止剤[商品名「イルガノックス1010」、チバガイギー(株)製、以下同じ。]0.1部を仕込み、窒素置換後、220℃で加圧密閉下6時間加熱撹拌して、側鎖に1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩基を有するポリアミド[ポリマー型イオン性液体(A−2)]を得た。(A−2)の240℃における溶融粘度は1.5×102であった
製造例3 [ポリマー型イオン性液体(A−3)の製造]
製造例1と同様の耐圧反応容器に5−スルホイソフタル酸のEO2モル付加物300部およびメタノール500部を仕込み均一溶解させ、さらに1−エチル−3−メチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩のメタノール溶液(濃度48%)674部を混合し反応させた。反応終了後減圧下、約5時間かけて60〜80℃で溶媒を全量除去することによって1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−5−スルホイソフタル酸EO2モル付加物の塩を得た。収率は95%であった。
次に、別の耐圧反応容器に、得られた1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−5−スルホイソフタル酸EO2モル付加物の塩100部、イソフタル酸EO2モル付加物100
部、HDI 145部、を仕込み、100℃で6時間反応させることによって、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムポリウレタン[ポリマー型イオン性液体(A−3)]を得た。(A−3)の240℃における溶融粘度は8.2×10であった。
製造例4 [ブロックポリマー(B1a−1)の製造]
製造例1と同様の耐圧反応容器に、イソフタル酸40部、ビスフェノールAのEO2モル付加物97部、酸化防止剤0.2部および酢酸ジルコニル0.4部を仕込み、窒素置換後、245℃、1mmHg以下の減圧下の条件で5時間重合させ、Mn4,000、酸価28の両末端にカルボキシル基を有するポリエステルオリゴマー118部を得た。次に、Mn3,300のPEG(b2211−1)(体積固有抵抗値1×107Ω・cm)97部を加え、245℃、1mmHg以下の減圧下の条件で5時間重合させ、粘稠なポリマーを得た。このポリマーをベルト上にストランド状で取り出し、ペレット化してポリエーテルエステルからなるブロックポリマー(B1a−1)を得た。(B1a−1)の240℃における溶融粘度は2.6×10であった。
製造例5 [ブロックポリマー(B1a−2)の製造]
製造例1と同様の耐圧反応容器に、ε−カプロラクタム105部、テレフタル酸3.5部、酸化防止剤0.3部、および水6部を仕込み、窒素置換後、220℃で加圧密閉下4時間加熱撹拌し、Mn5,000、酸価22の両末端にカルボキシル基を有するポリアミドオリゴマー98部を得た。次に、PEG(Mn3,600)の両末端水酸基をアミノ基に変性したポリエーテルジアミン(b2212−1)136部を仕込み、窒素置換後、200℃、10mmHg以下の減圧下の条件で5時間重合させ、粘稠なポリマーを得た。このポリマーをベルト上にストランド状で取り出し、ペレット化してポリエーテルアミドからなるブロックポリマー(B1a−2)を得た。(B1a−2)の240℃における溶融粘度は8.0×10であった。
製造例6 [ブロックポリマー(B1a−3)の製造]
製造例1と同様の耐圧反応容器に、ε−カプロラクタム105部、テレフタル酸19.4部、酸化防止剤0.3部、および水6部を仕込み、窒素置換後、220℃で加圧密閉下4時間加熱撹拌し、Mn1,000、酸価110の両末端にカルボキシル基を有するポリアミドオリゴマー115部を得た。次に、ビスフェノールAのEO付加物(Mn2,000)230部および酢酸ジルコニル0.5部を加え、245℃、1mmHg以下の減圧下の条件で5時間重合させ、粘稠なポリマーを得た。このポリマーをベルト上にストランド状で取り出し、ペレット化してブロックポリマー(B1a−3)を得た。(B1a−3)の還元粘度は2.05(0.5重量%m−クレゾール溶液、25℃)であった。(B1a−3)の240℃における溶融粘度は5.1×10であった。
[ブロックポリマー(B1b−1)の製造]
製造例7
製造例1と同様の耐圧反応容器に、熱減成法で得られたポリプロピレン(Mn2,500、密度0.89、C1,000個当たりの二重結合量10.5個、1分子当たりの二重結合の平均数1.90)85部と無水マレイン酸15部とを仕込み、窒素ガス雰囲気下、200℃で溶融し、200℃で20時間反応させた。その後、未反応の無水マレイン酸を減圧下留去して、酸変性ポリプロピレン(b211−1)を得た。(b211−1)の酸価は39.8、Mnは2,800であった。
製造例8
ステンレス製オートクレーブに、(b211−1)87部と12−アミノドデカン酸13部を仕込み、200℃で溶融させ、200℃、2時間、10mmHg以下の条件で反応させ、酸変性ポリプロピレン(b2112−1)を得た。(b2112−1)の酸価は32.1、Mnは3,100であった。
製造例9
ステンレス製オートクレーブに、(b2112−1)51部、Mn3,300のPEG(b2211−1)(体積固有抵抗値1×107Ω・cm)49部、酸化防止剤0.3部
および酢酸亜鉛0.5部を仕込み、230℃、1mmHg以下の減圧下の条件で4時間重合させ、粘稠なポリマーを得た。以下、製造例4と同様の操作を行いブロックポリマー(B1b−1)を得た。(B1b−1)のMnは26,000であった。(B1b−1)の240℃における溶融粘度は3.2×10であった。
実施例1〜15、比較例1〜11
表1に示す配合組成(部)に従って、(A)と(B)をヘンシェルミキサーで3分間ブレンドした後、ベント付き2軸押出機にて、100rpm、滞留時間5分の条件で溶融混練して、導電性樹脂組成物(実施例1〜10、比較例1〜6)および帯電防止性樹脂組成物(実施例11〜15、比較例7〜11)を得た。
表1中、溶融粘度比の評価は、下記に従った。
[溶融粘度比評価]
前記得られたポリマー型イオン性液体(A)と熱可塑性樹脂(B)の各溶融粘度(Pa・s)はキャピラリーレオメーター[型番「キャピラリーレオメーターPD−C型」、(株)東洋精機製作所製]を用いて、せん断速度1,000秒-1、240℃で測定し、下記式により溶融粘度比を求めた。

溶融粘度比=log[ρ(A)/ρ(B)]

式中、ρ(A)、ρ(B)はそれぞれ240℃における(A)と(B)の溶融粘度(単位はPa・S/せん断速度1,000秒-1)を表す。
Figure 0005356112
(注)表中の記号は次のとおりである。
B−1 :ブロックポリマー(B1a−1)、
B−1の240℃における溶融粘度は2.6×10。
B−2 :ブロックポリマー(B1a−2)、
B−2の240℃における溶融粘度は8.0×10。
B−3 :ブロックポリマー(B1a−3)、
B−3の240℃における溶融粘度は5.1×10。
B−4 :ブロックポリマー(B1b−1)、
B−4の240℃における溶融粘度は3.2×10。
B−5 :ポリプロピレン[商品名「ノバテックMA3H」、日本ポリプロ(株)製]、
B−5の240℃における溶融粘度は4.6×10。
B−6 :変性ポリフェニレンエーテル樹脂[商品名「ノリルV095」、サビックイノ
ベーティブプラスチックス(株)製]、
B−6の240℃における溶融粘度は3.6×102
B−7 :ABS樹脂[商品名「セビアン320SF」、ダイセルポリマー(株)製]、
B−7の240℃における溶融粘度は9.3×10。
C2−1:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
C3−1:1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート
C3−2:1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホニルイミドC4−1:エポキシ化ポリスチレン系エラストマー[商品名「エポフレンドAT501」
、ダイセル化学工業(株)製]
C5−1:酸化防止剤[商品名「イルガノックス1010」、チバ・スペシャルティ・ケ
ミカルズ(株)製、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチ
ル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン
<性能評価>
上記で得られた樹脂組成物を射出成形機[型番「PS40E5ASE」、日精樹脂工業
(株)製]を用い、溶融混練温度と同じシリンダー温度、および所定の金型温度[(B−1)、(B−2)、(B−3)、(B−4)含有樹脂組成物は50℃、(B−5)、(B−6)、(B−7)含有樹脂組成物は80℃]で成形して試験片を作成し、引張強度、引張破壊伸び、曲げ弾性率、表面固有抵抗値、水洗後の表面固有抵抗値の評価に用いた。
これらの試験片について、下記の試験法に基づいて機械強度(引張強度、引張破壊伸び、曲げ弾性率)、導電性または帯電防止性(表面固有抵抗値)および耐水性(水洗後の表面固有抵抗値)を評価した。結果を表2に示す。
(1)引張強度、引張破壊伸び
JIS K7113に準拠。
(2)曲げ弾性率
ASTM D790に準拠。試験片(10×4×100mm)、支点間距離60mm。
(3)表面固有抵抗値(実施例1〜10、比較例1〜6の導電性樹脂組成物)
試験片(射出成形:100×100×2mm)を用い、抵抗率測定器[型番「ロレスタGP、MCP−T600」、(株)ダイアインスツルメンツ製]を用い、23℃、湿度50%RHの雰囲気下で測定した。
(4)表面固有抵抗値(実施例11〜15、比較例7〜11の帯電防止性樹脂組成物)
ASTM D257(1984年)に準拠。試験片(射出成形:100×100×2mm)を用い、超絶縁計[型番「DSM−8103」、東亜電波(株)製]により23℃、湿度50%RHの雰囲気下で測定した。
(5)水洗後の表面固有抵抗値(実施例1〜10、比較例1〜6の導電性樹脂組成物)
縦30cm、横40cm、高さ5cmのポリプロピレン製の蓋付き容器に深さ3cmまでイオン交換水を入れて25℃に温度調整し、その中に試験片(100×100×2mm)を水平に沈めた状態で24時間保持後、取り出してイオン交換水100mlで水洗し、循風乾燥機内80℃で5時間乾燥させる。乾燥後の試験片について、(3)と同様に測定した。
(6)水洗後の表面固有抵抗値(実施例11〜15、比較例7〜11の帯電防止性樹脂組成物)
上記(5)と同様に水洗、乾燥を行った試験片について(4)と同様に測定した。
Figure 0005356112
本発明の導電性樹脂組成物または帯電防止性樹脂組成物を成形してなる成形品は、導電性または帯電防止性、およびそれらの耐水性に優れ、並びに機械特性に優れることから、導電性または高度な帯電防止性が要求される電子部品、電子部品搬送用部材、工程管理用ラベル、クリーンルーム用床材、除電シート、除電マット、リストバンド、人工芝、自動車部品等の各種成形材料用組成物として幅広く使用できることから極めて有用である。

Claims (6)

  1. 少なくとも1個のオニウムカチオン基(a)と、対アニオン基を有するポリマー(b)からなるポリマー型イオン性液体(A)と、熱可塑性樹脂(B)を含有してなり、(B)が、ポリエーテルエステル、ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステルアミド、並びにポリオレフィンのブロックと1×10 4 〜1×10 11 Ω・cmの体積固有抵抗値を有する親水性ポリマーのブロックとが繰り返し交互に結合した構造を有するブロックポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種のブロックポリマー(B1)を含有する熱可塑性樹脂であり、下記の式で定義される溶融粘度比が−0.5〜0.5であることを特徴とする導電性または帯電防止性樹脂組成物。
    溶融粘度比=log[ρ(A)/ρ(B)]
    [式中、ρ(A)、ρ(B)はそれぞれ240℃における(A)と(B)の溶融粘度(単位はPa・S/せん断速度1,000秒-1)を表す。]
  2. (b)が、付加重合物、重縮合物および重付加物からなる群から選ばれるポリマーである請求項1記載の組成物。
  3. (A)と(B)の重量比が、1/99〜50/50である請求項1または2に記載の組成物。
  4. さらに、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩、界面活性剤、(A)以外のイオン性液体、相溶化剤およびその他の樹脂用添加剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤(C)を含有させてなる請求項1〜のいずれか記載の組成物。
  5. 請求項1〜のいずれか記載の組成物を成形してなる成形品。
  6. 請求項記載の成形品に塗装および/または印刷を施してなる成形物品。
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