JP5352539B2 - 動力出力装置およびその制御方法並びに車両 - Google Patents

動力出力装置およびその制御方法並びに車両 Download PDF

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Description

本発明は、動力出力装置およびその制御方法並びに車両に関し、詳しくは、駆動軸に動力を出力する動力出力装置およびその制御方法並びに動力出力装置を搭載した車両に関する。
従来、この種の動力出力装置としては、エンジンと、第1モータと、キャリアがエンジンのクランクシャフトに接続されサンギヤが第1モータの回転軸に接続されリングギヤが駆動軸に接続された遊星歯車機構と、回転軸が駆動軸に接続された第2モータと、第1モータおよび第2モータと電力をやりとりするバッテリと、を備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、エンジンが出力すべき要求パワーと略一致した出力パワーを出力するよう目標吸入空気量を補正し、エンジンの吸入空気量が補正後の目標吸入空気量となるようエンジンを運転制御することにより、エンジンから要求パワーを超えるパワーが出力されることによりバッテリに許容される最大パワーとしての入力制限を超える電力でバッテリが充電されるのを抑制できるとしている。
特開2006−327270号公報
上述の動力出力装置では、エンジンから実際に出力されるパワーが要求パワーとなるようエンジンを運転制御しているが、こうした運転制御を行なうと不都合が生じる場合がある。例えば、エンジンを始動した直後は、エンジンのフリクションの変化が大きく、加えてエンジンの始動性の向上のために燃料増量など様々な制御が行なわれているため、上述した吸入空気量の補正を実行しようとしても適正に実行できない場合がある。また、エンジンや第1モータ,第2モータに異常が生じている場合には、エンジンから実際に出力されるパワーが要求パワーとなるようエンジンを運転制御することが望ましくないことがある。特に、バッテリの充電に許容される最大パワーとしての入力制限が低温のために比較的小さいときには、低温で空気密度が高くエンジンから過剰なパワーが出やすい状態でもあるため、上述した不都合が生じやすくなる。したがって、エンジンから実際に出力されるパワーが要求パワーとなるようエンジンを運転制御する際には、こうした制御をより適正なタイミングで行なうことが望ましい。
本発明の動力出力装置およびその制御方法並びに車両は、より適正なタイミングで内燃機関から出力されるパワーが目標パワーに近づくよう内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御することを主目的とする。
本発明の動力出力装置およびその制御方法並びに車両は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の第1の動力出力装置は、
駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
内燃機関と、
動力を入出力可能な発電機と、
前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸と前記駆動軸との3軸に接続され、該3軸のうちいずれか2軸に入出力した動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、
前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、
前記発電機および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、
前記駆動軸に要求される要求駆動力に基づいて前記内燃機関から出力すべき目標パワーを設定する目標パワー設定手段と、
前記蓄電手段の充電に許容される最大パワーとしての入力制限が低温のため予め設定された所定パワー未満になったとき、前記内燃機関を始動してから経過した時間である始動経過時間が前記内燃機関を始動してから前記内燃機関の運転状態が安定するまでの時間として予め設定された所定時間に至るまでは前記内燃機関のスロットル開度が前記設定された目標パワーと前記内燃機関の回転数とに基づいて設定される目標スロットル開度となるよう前記スロットル開度をフィードフォワード制御しながら前記要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御し、前記始動経過時間が前記所定時間に至ったとき以降は前記内燃機関から出力されるパワーが前記設定された目標パワーに近づくよう前記内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御しながら前記要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の第1の動力出力装置では、蓄電手段の充電に許容される最大パワーとしての入力制限が低温のため予め設定された所定パワー未満になったとき、内燃機関を始動してから経過した時間である始動経過時間が内燃機関を始動してから内燃機関の運転状態が安定するまでの時間として予め設定された所定時間に至るまでは内燃機関のスロットル開度が設定された目標パワーと内燃機関の回転数とに基づいて設定される目標スロットル開度となるようスロットル開度をフィードフォワード制御しながら要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と発電機と電動機とを制御し、始動経過時間が所定時間に至ったとき以降は内燃機関から出力されるパワーが設定された目標パワーに近づくよう内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御しながら要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と発電機と電動機とを制御する。始動経過時間が所定時間を超えていないときに内燃機関から出力されるパワーが設定された目標パワーに近づくよう内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御すると、内燃機関の運転が不安定となるなどの不都合が生じることがある。したがって、内燃機関が始動されてから所定時間が経過していないときには上述したフィードバック制御を実行せずにフィードフォワード制御を実行することにより、こうした不都合を回避することができる。この結果、より適正なタイミングで内燃機関から出力されるパワーが設定された目標パワーに近づくよう内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御することができる。
こうした本発明の第1の動力出力装置において、前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを含む駆動系に異常が生じているか否かを判定する異常判定手段を備え、前記制御手段は、前記入力制限が低温のため前記所定パワー未満であると共に前記始動経過時間が前記所定時間に至ったとき以降でも前記異常判定手段により前記駆動系に異常が生じていると判定されているときには、前記内燃機関から出力されるパワーが前記設定された目標パワーに近づくよう前記内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御することなく前記駆動系の異常に応じて前記内燃機関を運転または運転停止しながら前記要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する手段であるものとすることもできる。駆動系に異常が生じているときに内燃機関から出力されるパワーが設定された目標パワーに近づくよう内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御すると、駆動系の駆動状態が不安定になるなどの不都合が生じることがあるが、駆動系に異常が生じていると判定されているときに内燃機関から出力されるパワーが設定された目標パワーに近づくよう内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御することなく駆動系の異常に応じて内燃機関を運転または運転停止することにより、こうした不都合を回避することができる。よって、より適正なタイミングで内燃機関から出力されるパワーが設定された目標パワーに近づくよう内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御することができる。この場合において、前記異常判定手段は、前記駆動系の異常として前記内燃機関から前記設定された目標パワーが出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御している最中に前記内燃機関から出力されているパワーと前記設定された目標パワーとの偏差が所定偏差以上となる異常を判定する手段であるものとすることもできる。内燃機関から出力されているパワーと設定された目標パワーとの偏差が所定偏差以上となる異常が生じているときには、内燃機関から出力されるパワーが設定された目標パワーに近づくよう内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御しようとしてもこうしたフィードバック制御を適正に実行できないなどの不都合が生じることがあるが、こうした異常が判定されているときには設定された目標パワーと内燃機関の回転数とに基づいて設定される目標スロットル開度となるようスロットル開度をフィードフォワード制御することにより、こうした不都合を回避することができ、より適正なタイミングで内燃機関から出力されるパワーが設定された目標パワーに近づくよう内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御することができる。また、この場合において、前記異常判定手段は、前記駆動系の異常として前記内燃機関のスロットル開度の異常を判定する手段であるものとすることもできる。内燃機関のスロットル開度の異常が生じているときには、内燃機関から出力されるパワーが設定された目標パワーに近づくよう内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御しようとしてもこうしたフィードバック制御を適正に実行できないことが考えられる。したがって、こうした異常が生じていると判定されときには、設定された目標パワーと内燃機関の回転数とに基づいて設定される目標スロットル開度となるようスロットル開度をフィードフォワード制御することにより、より適正なタイミングで内燃機関から出力されるパワーが設定された目標パワーに近づくよう内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御することができる。さらに、この場合において、前記異常判定手段は、前記駆動系の異常として前記発電機の異常を判定する手段であり、前記制御手段は、前記始動経過時間が前記所定時間に至ると共に前記異常判定手段により前記駆動系の異常として前記発電機の異常が判定されているときには、前記内燃機関のスロットル開度が前記設定された目標パワーと前記内燃機関の回転数とに基づいて設定される目標スロットル開度となるよう前記スロットル開度をフィードフォワード制御しながら前記内燃機関を自立運転させると共に前記要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する手段であるものとすることもできる。発電機の異常が判定されて内燃機関を自立運転させる際に、内燃機関から出力されるパワーが設定された目標パワーに近づくよう内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御しようとすると内燃機関を安定して自立運転できないなどの不都合が生じることがある。したがって、内燃機関のスロットル開度が設定された目標パワーと内燃機関の回転数とに基づいて設定される目標スロットル開度となるようスロットル開度をフィードフォワード制御しながら内燃機関を自立運転させることにより、より安定して内燃機関を自立運転させることができる。こうすれば、より適正なタイミングで内燃機関から出力されるパワーが設定された目標パワーに近づくよう内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御することができる。
本発明の第2の動力出力装置は、
駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
内燃機関と、
動力を入出力可能な発電機と、
前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸と前記駆動軸との3軸に接続され、該3軸のうちいずれか2軸に入出力した動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、
前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、
前記発電機および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、
前記駆動軸に要求される要求駆動力に基づいて前記内燃機関から出力すべき目標パワーを設定する目標パワー設定手段と、
前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを含む駆動系に異常が生じている否かを判定する異常判定手段と、
前記蓄電手段の充電に許容される最大パワーとしての入力制限が低温のため予め設定された所定パワー未満になったとき、前記異常判定手段により駆動系に異常が生じていないと判定されているときには前記内燃機関から出力されるパワーが前記設定された目標パワーに近づくよう前記内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御しながら前記要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御し、前記異常判定手段により前記駆動系に異常が生じていると判定されているときには前記内燃機関から出力されるパワーが前記設定された目標パワーに近づくよう前記内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御することなく前記駆動系の異常に応じて前記内燃機関を運転または運転停止しながら前記要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の第2の動力出力装置では、蓄電手段の充電に許容される最大パワーとしての入力制限が低温のため予め設定された所定パワー未満になったとき、異常判定手段により駆動系に異常が生じていないと判定されているときには内燃機関から出力されるパワーが設定された目標パワーに近づくよう内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御しながら要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と発電機と電動機とを制御し、異常判定手段により駆動系に異常が生じていると判定されているときには内燃機関から出力されるパワーが設定された目標パワーに近づくよう内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御することなく駆動系の異常に応じて内燃機関を運転または運転停止しながら要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と発電機と電動機とを制御する。異常判定手段により駆動系に異常が生じていると判定されているときに内燃機関から出力されるパワーが目標パワーに近づくよう内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御すると、駆動系の駆動状態が不安定になるなどの不都合が生じることがあるが、駆動系に異常が生じていると判定されているときには内燃機関から出力されるパワーが設定された目標パワーに近づくよう内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御することなく駆動系の異常に応じて内燃機関を運転または運転停止することにより、こうした不都合を回避することができ、より適正なタイミングで内燃機関から出力されるパワーが目標パワーに近づくよう内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御することができる。
本発明の車両は、上述したいずれかの態様の本発明の第1または第2の動力出力装置、すなわち、基本的には、駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、内燃機関と、動力を入出力可能な発電機と、前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸と前記駆動軸との3軸に接続され、該3軸のうちいずれか2軸に入出力した動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記発電機および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、前記駆動軸に要求される要求駆動力に基づいて前記内燃機関から出力すべき目標パワーを設定する目標パワー設定手段と、前記蓄電手段の充電に許容される最大パワーとしての入力制限が低温のため予め設定された所定パワー未満になったとき、前記内燃機関を始動してから経過した時間である始動経過時間が前記内燃機関を始動してから前記内燃機関の運転状態が安定するまでの時間として予め設定された所定時間に至るまでは前記内燃機関のスロットル開度が前記設定された目標パワーと前記内燃機関の回転数とに基づいて設定される目標スロットル開度となるよう前記スロットル開度をフィードフォワード制御しながら前記要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御し、前記始動経過時間が前記所定時間に至ったとき以降は前記内燃機関から出力されるパワーが前記設定された目標パワーに近づくよう前記内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御しながら前記要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する制御手段と、を備える動力出力装置、または、駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、内燃機関と、動力を入出力可能な発電機と、前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸と前記駆動軸との3軸に接続され、該3軸のうちいずれか2軸に入出力した動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記発電機および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、前記駆動軸に要求される要求駆動力に基づいて前記内燃機関から出力すべき目標パワーを設定する目標パワー設定手段と、前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを含む駆動系に異常が生じている否かを判定する異常判定手段と、前記蓄電手段の充電に許容される最大パワーとしての入力制限が低温のため予め設定された所定パワー未満になったとき、前記異常判定手段により駆動系に異常が生じていないと判定されているときには前記内燃機関から出力されるパワーが前記設定された目標パワーに近づくよう前記内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御しながら前記要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御し、前記異常判定手段により前記駆動系に異常が生じていると判定されているときには前記内燃機関から出力されるパワーが前記目標パワーに近づくよう前記内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御することなく前記駆動系の異常に応じて前記内燃機関を運転または運転停止しながら前記要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する制御手段と、を備える動力出力装置が搭載され、車軸が前記駆動軸に連結されてなることを要旨とする。
この本発明の車両では、上述したいずれかの態様の本発明の第1または第2の動力出力装置が搭載されているから、本発明の第1または第2の動力出力装置が奏する効果、例えば、より適正なタイミングで内燃機関から出力されるパワーが設定された目標パワーに近づくよう内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御することができる効果などと同様の効果を奏することができる。
本発明の第1の動力出力装置の制御方法は、
内燃機関と、動力を入出力可能な発電機と、前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸と駆動軸との3軸に接続され該3軸のうちいずれか2軸に入出力した動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記発電機および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、を備え、前記駆動軸に動力を出力する動力出力装置の制御方法であって、
前記蓄電手段の充電に許容される最大パワーとしての入力制限が低温のため予め設定された所定パワー未満になったとき、前記内燃機関を始動してから経過した時間である始動経過時間が前記内燃機関を始動してから前記内燃機関の運転状態が安定するまでの時間として予め設定された所定時間に至るまでは前記内燃機関のスロットル開度が前記駆動軸に要求される要求駆動力に基づく目標パワーと前記内燃機関の回転数とに基づいて設定される目標スロットル開度となるよう前記スロットル開度をフィードフォワード制御しながら前記要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御し、前記始動経過時間が前記所定時間に至ったとき以降は前記内燃機関から出力されるパワーが前記目標パワーに近づくよう前記内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御しながら前記要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する
ことを特徴とする。
この本発明の第1の動力出力装置の制御方法では、蓄電手段の充電に許容される最大パワーとしての入力制限が低温のため予め設定された所定パワー未満になったとき、内燃機関を始動してから経過した時間である始動経過時間が内燃機関を始動してから内燃機関の運転状態が安定するまでの時間として予め設定された所定時間に至るまでは内燃機関のスロットル開度が駆動軸に要求される要求駆動力に基づく目標パワーと内燃機関の回転数とに基づいて設定される目標スロットル開度となるようスロットル開度をフィードフォワード制御しながら要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と発電機と電動機とを制御し、始動経過時間が所定時間に至ったとき以降は内燃機関から出力されるパワーが目標パワーに近づくよう内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御しながら要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と発電機と電動機とを制御する。始動経過時間が所定時間に至るまでに内燃機関から出力されるパワーが設定された目標パワーに近づくよう内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御すると、内燃機関の運転が不安定となるなどの不都合が生じることがある。したがって、内燃機関が始動されてから所定時間が経過していないときには上述したフィードバック制御を実行せずにフィードフォワード制御を実行することにより、こうした不都合を回避することができる。この結果、より適正なタイミングで内燃機関から出力されるパワーが設定された目標パワーに近づくよう内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御することができる。
本発明の第2の動力出力装置の制御方法は、
内燃機関と、動力を入出力可能な発電機と、前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸と駆動軸との3軸に接続され該3軸のうちいずれか2軸に入出力した動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記発電機および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、前記駆動軸に動力を出力する動力出力装置の制御方法であって、
前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを含む駆動系に異常が生じている否かを判定し、
前記蓄電手段の充電に許容される最大パワーとしての入力制限が低温のため予め設定された所定パワー未満になったとき、前記異常判定手段により駆動系に異常が生じていないと判定されているときには前記内燃機関から出力されるパワーが前記駆動軸に要求される要求駆動力に基づく目標パワーに近づくよう前記内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御しながら前記要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御し、前記異常判定手段により前記駆動系に異常が生じていると判定されているときには前記内燃機関から出力されるパワーが前記目標パワーに近づくよう前記内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御することなく前記駆動系の異常に応じて前記内燃機関を運転または運転停止しながら前記要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する、
ことを要旨とする。
この本発明の第2の動力出力装置の制御方法では、蓄電手段の充電に許容される最大パワーとしての入力制限が低温のため予め設定された所定パワー未満になったとき、異常判定手段により駆動系に異常が生じていないと判定されているときには内燃機関から出力されるパワーが駆動軸に要求される要求駆動力に基づく目標パワーに近づくよう内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御しながら要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と発電機と電動機とを制御し、異常判定手段により駆動系に異常が生じていると判定されているときには内燃機関から出力されるパワーが目標パワーに近づくよう内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御することなく駆動系の異常に応じて内燃機関を運転または運転停止しながら要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と発電機と電動機とを制御する。異常判定手段により駆動系に異常が生じていると判定されているときに内燃機関から出力されるパワーが目標パワーに近づくよう内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御すると、駆動系の駆動状態が不安定になるなどの不都合が生じることがあるが、駆動系に異常が生じていると判定されているときには内燃機関から出力されるパワーが目標パワーに近づくよう内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御することなく駆動系の異常に応じて内燃機関を運転または運転停止しすることにより、こうした不都合を回避することができ、より適正なタイミングで内燃機関から出力されるパワーが目標パワーに近づくよう内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御することができる。
本発明の一実施例である動力出力装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 エンジン22の構成の概略を示す構成図である。 バッテリ50における電池温度Tbと入出力制限Win,Woutとの関係の一例を示す説明図である。 バッテリ50の残容量SOCと入出力制限Win,Woutの補正係数との関係の一例を示す説明図である。 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される低入力制限時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を示す説明図である。 エンジン22からパワーを出力している状態で走行しているときの動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例である動力出力装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、この減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、動力出力装置全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、例えばガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力可能な内燃機関として構成されており、図2に示すように、エアクリーナ122により清浄された空気をスロットルバルブ124を介して吸入すると共に燃料噴射弁126からガソリンを噴射して吸入された空気とガソリンとを混合し、この混合気を吸気バルブ128を介して燃料室に吸入し、点火プラグ130による電気火花によって爆発燃焼させて、そのエネルギにより押し下げられるピストン132の往復運動をクランクシャフト26の回転運動に変換する。エンジン22からの排気は、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC),窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する浄化装置(三元触媒)134を介して外気へ排出される。
エンジン22は、エンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により制御されている。エンジンECU24は、CPU24aを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU24aの他に処理プログラムを記憶するROM24bと、データを一時的に記憶するRAM24cと、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。エンジンECU24には、エンジン22の状態を検出する種々のセンサからの信号、クランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサ140からのクランクポジションやエンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサ142からの冷却水温,燃焼室内に取り付けられた圧力センサ143からの筒内圧力,燃焼室へ吸排気を行なう吸気バルブ128や排気バルブを開閉するカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサ144からのカムポジション,スロットルバルブ124のポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサ146からのスロットルポジション,吸気管に取り付けられたエアフローメータ148からのエアフローメータ信号,同じく吸気管に取り付けられた温度センサ149からの吸気温,空燃比センサ135aからの空燃比,酸素センサ135bからの酸素信号などが入力ポートを介して入力されている。また、エンジンECU24からは、エンジン22を駆動するための種々の制御信号、例えば、燃料噴射弁126への駆動信号や、スロットルバルブ124の開度を調節するスロットルモータ136への駆動信号、イグナイタと一体化されたイグニッションコイル138への制御信号、吸気バルブ128の開閉タイミングの変更可能な可変バルブタイミング機構150への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。なお、エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータを出力する。なお、エンジンECU24は、クランクポジションセンサ140からのクランクポジションに基づいてクランクシャフト26の回転数、すなわち、エンジン22の回転数Neも演算している。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の駆動輪63a,63bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からの信号に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2も演算している。
バッテリ50は、リチウムイオン二次電池により構成され、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。また、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいてバッテリが満充電であるときの蓄電量に対するバッテリに蓄電されている蓄電量の割合としての残容量SOCを演算したり、演算した残容量SOCと電池温度Tbとに基づいてバッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算している。なお、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、電池温度Tbに基づいて入出力制限Win,Woutの基本値を設定し、バッテリ50の残容量SOCに基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Win,Woutの基本値に補正係数を乗じることにより設定することができる。図3に電池温度Tbと入出力制限Win,Woutとの関係の一例を示し、図4にバッテリ50の残容量SOCと入出力制限Win,Woutの補正係数との関係の一例を示す。図3に示すように、電池温度Tbが所定温度Tref(例えば、−35℃,−30℃,−25℃など)未満であるときには、入力制限Winが比較的小さい値Win1となっている。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。なお、ハイブリッド用電子制御ユニット70は、イグニッションスイッチ80がオンされてハイブリッド自動車20のシステムが起動された後にエンジン22が始動される度に値が1ずつ増加すると共にイグニッションスイッチ80がオフされたときに値0にリセットされるエンジン始動回数Nseを計数している。また、ハイブリッド用電子制御ユニット70は、エンジン22が始動されて運転を開始すると計時を開始すると共に始動されたエンジン22が運転停止されると計時をリセットするタイマにより、エンジン22が始動されてからの始動後経過時間tseを計時している。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20では、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*を計算し、この要求トルクTr*に対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力をエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。なお、トルク変換運転モードと充放電運転モードは、いずれもエンジン22の運転を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようエンジン22とモータMG1,MG2とを制御するモードであり、実質的な制御における差異はないため、以下、両者を合わせてエンジン運転モードという。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータ運転モードで走行している最中に要求トルクTr*に対応する要求動力を用いて設定されるエンジン22に要求される要求パワーPe*がエンジン22を始動するパワーとして予め設定された始動パワーPref(例えば、0.6kW,0.7kW,0.8kWなど)を超えたときやバッテリ50の残容量SOCがバッテリ50の充電が要求される残容量の上限としての所定残容量(例えば、20%,25%,30%など)未満になったときには、モータMG1によりエンジン22の回転数Neがエンジン22を始動する回転数として予め定められた始動回転数Nref(例えば、900rpm,1000rpm,1100rpmなど)までエンジン22をモータリングしてエンジン22が始動されるようエンジン22とモータMG1とモータMG2とを制御することにより、モータ運転モードからエンジン運転モードに移行する制御を行なっている。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に、低温によりバッテリ50の入力制限Winの絶対値|Win|が小さくなっているときの動作について説明する。図5はハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される低入力制限時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、電池温度Tbが所定温度Tref未満になっていてバッテリ50の入力制限Winの絶対値|Win|が所定電力Wref未満であるときに、所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。
低入力制限時駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,バッテリ50の入出力制限Win,Woutなど制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されたモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて演算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。また、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、バッテリ50の電池温度Tbとバッテリ50の残容量(SOC)とに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動輪63a,63bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*とエンジン22に要求される要求パワーPe*とを設定する(ステップS110)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図6に要求トルク設定用マップの一例を示す。要求パワーPe*は、設定した要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものとバッテリ50が要求する充放電要求パワーPb*とロスLossとの和として計算することができる。なお、リングギヤ軸32aの回転数Nrは、車速Vに換算係数kを乗じること(Nr=k・V)によって求めたり、モータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで割ること(Nr=Nm2/Gr)によって求めることができる。
続いて、システムが起動された後にエンジン22が始動された回数であるエンジン始動回数Nseを調べ(ステップS120)、エンジン始動回数Nseが1回であるときにはハイブリッド自動車20のシステムが起動されて最初にエンジン22が始動されてからエンジン22の運転が安定するまでに要する時間として予め実験や解析などにより求めた始動後安定時間t1(例えば、9秒,10秒,11秒など)を判定用閾値trefに設定し(ステップS120,S130)、エンジン始動回数Nseが2回以上であるときにはシステムが起動されて2回目以降にエンジン22が始動されてからエンジン22の運転が安定するまでに要する時間として予め実験や解析などにより求めた始動後安定時間t2(例えば、1秒,2秒,3秒など)を判定用閾値trefに設定し(ステップS120,S140)、エンジン22が始動されてからの経過時間である始動後経過時間tseと判定用閾値trefとを比較する(ステップS150)。始動後経過時間tseと判定用閾値trefとを比較するのは、エンジン22が始動された直後は、モータMG1でエンジン22の回転数が上昇するようエンジン22をモータリングするためエンジン22のフリクションの変化が大きく、また、エンジン22の始動性の向上のために吸入空気量を増加させたり燃料を増量させる制御などが行なわれるため、エンジン22を始動した後にエンジン22の運転状態が安定するまである程度の時間を要するからである。したがって、ステップS150の処理は、エンジン22の運転状態が安定しているか否かを調べる処理になる。なお、ステップS120〜S140の処理で、エンジン始動回数Nseが1回であるときと2回以上であるときとで判定用閾値trefを異なる値に設定するのは、システム起動後に2回目以降にエンジン22を始動するときにはエンジン22の温度がある程度上昇しているため、2回目以降にエンジン22を始動する際には最初にエンジン22を始動したときに比してエンジン22が始動されてから運転状態が安定するまでに要する時間が短いと考えられるためである。
始動後経過時間tseが判定用閾値trefに至るまでは(ステップS150)、エンジン22を始動した後に未だエンジン22の運転が安定していないため、エンジン22から実際に出力されるパワーが要求パワーPe*に近づくようスロットルバルブ124の開度をフィードバック制御すると却ってエンジン22の運転が不安定になるなどの不都合が生じると判断して、設定した要求パワーPe*に基づいてエンジン22を運転すべき運転ポイントとしての目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する(ステップS160)。この設定は、エンジン22を効率よく動作させる動作ラインと要求パワーPe*とに基づいて行なわれる。エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を図7に示す。図示するように、目標回転数Ne*と目標トルクTe*は、動作ラインと要求パワーPe*(Ne*×Te*)が一定の曲線との交点により求めることができる。
次に、エンジン22の目標回転数Ne*とモータMG2の回転数Nm2と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いて次式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と入力したモータMG1の回転数Nm1とに基づいて式(2)によりモータMG1のトルク指令Tm1*を計算する(ステップS230)。ここで、式(1)は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。エンジン22からパワーを出力している状態で走行しているときの動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図を図8に示す。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はモータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで除したリングギヤ32の回転数Nrを示す。式(1)は、この共線図を用いれば容易に導くことができる。なお、R軸上の2つの太線矢印は、モータMG1から出力されたトルクTm1がリングギヤ軸32aに作用するトルクと、モータMG2から出力されるトルクTm2が減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。また、式(2)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(2)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ-Nm2/(Gr・ρ) (1)
Tm1*=-ρ・Te*/(1+ρ)+k1(Nm1*-Nm1)+k2∫(Nm1*-Nm1)dt (2)
続いて、要求トルクTr*に設定したトルク指令Tm1*を動力分配統合機構30のギヤ比ρで除したものを加えて更に減速ギヤ35のギヤ比Grで除してモータMG2から出力すべきトルクの仮の値である仮トルクTm2tmpを次式(3)により計算すると共に(ステップS240)、バッテリ50の入出力制限Win,Woutと設定したトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との偏差をモータMG2の回転数Nm2で割ることによりモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tm2min,Tm2maxを次式(4)および式(5)により計算すると共に(ステップS250)、設定した仮トルクTm2tmpを式(6)によりトルク制限Tm2min,Tm2maxで制限してモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS260)。ここで、式(3)は、図8の共線図から容易に導くことができる。
Tm2tmp=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr (3)
Tm2min=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2 (4)
Tm2max=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 (5)
Tm2*=max(min(Tm2tmp,Tm2max),Tm2min) (6)
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,目標スロットル開度TH*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信し(ステップS270)、低入力制限時駆動制御ルーチンを終了する。目標回転数Ne*,目標トルクTe*を受信したエンジンECU24は、エンジン22を目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転するよう燃料噴射制御,点火制御などの各種制御を行ない、目標回転数Ne*および目標トルクTe*でエンジン22を運転するために予め定められたスロットル開度にスロットルバルブ124の開度がフィードフォワード制御されるようスロットルモータ136を駆動する。こうした制御により、始動後経過時間tseが判定用閾値trefに至っていないときには、エンジン22を安定して運転しながら駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求トルクTr*を出力して走行することができる。
始動後経過時間tseが判定用閾値trefに至ったとき以降は(ステップS150)、エンジン22の運転状態が比較的安定していると判断して、さらに、エンジン22から要求パワーPe*を出力しながら走行するようエンジン22とモータMG1とモータMG2とを制御してもエンジン22から要求パワーPe*の2割程度の動力しか出力されないエンジン出力異常が生じているか否かと(ステップS170)、例えばエンジン22のスロットルモータ136に異常が生じていてスロットルバルブ124の開度が変更されるようスロットルモータ136を制御しても実際にはスロットルバルブ124の開度が変更されないスロットルバルブ異常が生じているか否かと(ステップS180)、例えばモータMG1に異常が生じているときなどモータMG1の駆動を停止してエンジン22を自立運転しながらモータMG2の動力により走行する退避走行を実行している最中であるか否か、すなわち、モータMG1に異常が判定されたときであるか否かを(ステップS190)判定する。エンジン出力異常,スロットルバルブ異常のいずれも発生しておらず(ステップS170,S180)且つ退避走行が実行されていないとき(ステップS190)、すなわち、システムが正常であるときには、続いて、ステップS160の処理と同様に、設定した要求パワーPe*に基づいてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定し(ステップS200)、エンジン22から実際に出力されている実エンジントルクTrealを計算する(ステップS210)。実エンジントルクTrealは、前回本ルーチンを実行したときに設定されたモータMG1のトルク指令Tm1*(前回Tm1*)と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いて次式(7)により計算されたものを用いるものとした。ここで、式(7)は、動力分配統合機構30の回転要素における力学的な関係から求めたものである。式(7)は、図8の共線図を用いれば容易に導くことができる。
Treal=(1+ρ)・前回Tm1*/ρ (7)
こうして実エンジントルクTrealを計算したら、設定した目標回転数Ne*および目標トルクTe*に基づいて設定される基準開度THbと計算した実エンジントルクTrelと前回本ルーチンを実行したときに設定された目標トルクTe*(前回Te*)とに基づいて次式(8)によりスロットルバルブ124の目標スロットル開度TH*を設定する(ステップS210)。式(8)は、スロットル開度をエンジン22から実際に目標トルクTe*を出力する開度にするためのフィードバック制御における関係式であり、式(8)中、右辺第2項の「kth」は比例項のゲインである。基準開度THbは、実施例では、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*と基準開度THbとの関係を予め定めてスロットル開度設定用マップとしてROM74に記憶しておき、目標回転数Ne*と目標トルクTe*とが与えられると記憶したマップから対応する基準開度THbを導出して設定するものとした。すなわち、目標スロットル開度TH*は、エンジン22のトルクが目標トルクTe*に近づくよう設定される。エンジン22のトルクにエンジン22の回転数Neを乗じたものがエンジン22から出力されるパワーであるから、目標スロットル開度TH*は、エンジン22から実際に出力されるパワーが要求パワーPe*に近づく開度として設定されることになる。今、入力制限Winの絶対値|Win|が所定電力未満であるときを考えているが、こうした場合、予期せずにエンジン22から要求パワーPe*を超える過剰なパワーが出力されるとバッテリ50が入力制限Winを超える過大な電力で充電されることがある。実施例では、上述したように目標スロットル開度TH*を設定することにより、エンジン22から実際に出力されるパワーを要求パワーPe*に近づけることができ、バッテリ50が過大な電力で充電されるのと抑制することができる。
TH*=THb(Ne*,Te*)- kth・(Treal-前回Te*) (8)
続いて、エンジン22の目標回転数Ne*とモータMG2の回転数Nm2と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いてモータMG1の目標回転数Nm1*とモータMG1のトルク指令Tm1*を計算し(ステップS230)、要求トルクTr*とトルク指令Tm1*と動力分配統合機構30のギヤ比ρと減速ギヤ35のギヤ比Grとを用いて仮トルクTm2tmpを計算し(ステップS240)、バッテリ50の入出力制限Win,Woutと設定したトルク指令Tm1*とモータMG2の回転数Nm2とを用いてトルク制限Tm2min,Tm2maxを計算すると共に(ステップS250)、設定した仮トルクTm2tmpをトルク制限Tm2min,Tm2maxで制限してモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し(ステップS260)、設定したエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,目標スロットル開度TH*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*をそれぞれエンジンECU24やモータECU40に送信して(ステップS270)、低入力制限時駆動制御ルーチンを終了する。目標回転数Ne*,目標トルクTe*,目標スロットル開度TH*を受信したエンジンECU24は、エンジン22を目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転するよう燃料噴射制御,点火制御などの各種制御を行なうが、スロットルバルブ124の開度については受信した目標スロットル開度TH*になるようスロットルモータ136を駆動制御する。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。こうした制御により、始動後経過時間tseが判定用閾値trefに至ったとき以降は、エンジン22から実際に出力されるパワーが要求パワーPe*に近づくようスロットルバルブ124の開度をフィードバック制御するから、エンジン22から要求パワーPe*を超えるパワーが出力されるのを抑制することができ、バッテリ50が過大な電力で充電されるのを抑制することができる。もとより、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求トルクTr*を出力して走行することができる。上述したように、始動後経過時間tseが判定用閾値trefに至るまではエンジン22の運転状態が不安定であるため、エンジン22から実際に出力されるパワーが要求パワーPe*に近づくようスロットルバルブ124の開度をフィードバック制御すると、エンジン22の運転状態が不安定になることがある。したがって、始動後経過時間tseが判定用閾値trefに至るまでは目標回転数Ne*および目標トルクTe*でエンジン22を運転するために予め定められたスロットル開度になるようスロットルバルブ124の開度をフィードフォワード制御し、始動後経過時間tseが判定用閾値trefに至ったとき以降にエンジン22から実際に出力されるパワーが要求パワーPe*に近づくようスロットルバルブ124の開度をフィードバック制御することにより、より適正なタイミングでエンジン22から実際に出力されるパワーが要求パワーPe*に近づくようスロットルバルブ124の開度をフィードバック制御することができる。
始動後経過時間tseが判定用閾値trefに至ったとき以降でも(ステップS150)、エンジン出力異常が生じていたり(ステップS170)、スロットルバルブ異常が生じているときには(ステップS180)、エンジン22から実際に出力されるパワーが要求パワーPe*に近づくようスロットルバルブ124の開度を適正にフィードバック制御でないためこうしたフィードバック制御をすべきではないと判断して、エンジン22から実際に出力されるパワーが要求パワーPe*に近づくようスロットルバルブ124の開度をフィードバック制御せずに、異常に応じた走行が行なわれるようエンジン22やモータMG1,MG2を制御する異常時制御を実行して(ステップS280)、低入力制限時駆動制御ルーチンを終了する。この場合、異常時制御としては、例えば、エンジン22の運転を停止してモータMG2から要求トルクTr*に基づくトルクを出力して走行するモータ運転モードにより走行する制御などを行なうものとした。また、始動後経過時間tseが判定用閾値trefに至ったとき以降でも(ステップS150)、モータMG1の駆動を停止して目標回転数Ne*(例えば、700rpm、800rpm,900rpmなどエンジン22を自立運転する回転数であるアイドル回転数Nidl)および目標トルクTe*(例えば、値0など)でエンジン22を運転するために予め定められたスロットル開度になるようスロットルバルブ124の開度をフィードフォワード制御してエンジン22を自立運転しながらモータMG2の動力により走行する退避走行を実行している最中であるとき、すなわち、モータMG1に異常が生じているときには(ステップS190)、エンジン22から実際に出力されるパワーが要求パワーPe*に近づくようスロットルバルブ124の開度をフィードバック制御するとエンジン22を安定して自立運転できなくなると判断して、エンジン22から実際に出力されるパワーが要求パワーPe*に近づくようスロットルバルブ124の開度をフィードバック制御せずに、異常時制御としてモータMG1の駆動を停止して目標回転数Ne*(アイドル回転数Nidl)および目標トルクTe*(値0)でエンジン22を運転するために予め定められたスロットル開度になるようスロットルバルブ124の開度をフィードフォワード制御してエンジン22を自立運転しながらモータMG2の動力により走行する退避走行が継続するようエンジン22やモータMG1,MG2を制御して(ステップS280)、低入力制限時駆動制御ルーチンを終了する。こうした制御により、始動後経過時間tseが判定用閾値trefに至ったとき以降であってもエンジン22やモータMG1に異常が生じているときには、エンジン22から実際に出力されるパワーが要求パワーPe*に近づくようスロットルバルブ124の開度をフィードバック制御する制御を行なわずに、異常に応じた制御を行なうことができる。すなわち、始動後経過時間tseが判定用閾値trefに至ったとき以降であり且つエンジン22やモータMG1が正常であるときにエンジン22から実際に出力されるパワーが要求パワーPe*に近づくようスロットルバルブ124の開度をフィードバック制御するから、始動後経過時間tseやエンジン22,モータMG1に異常が生じているか否かを考慮することなく入力制限Winの絶対値|Win|が小さいときに常時エンジン22から出力されるパワーが要求パワーPe*に近づくようスロットルバルブ124の開度をフィードバック制御するものに比して、より適正なタイミングでエンジン22から実際に出力されるパワーが要求パワーPe*に近づくようスロットルバルブ124の開度をフィードバック制御することができる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、始動後経過時間tseが判定用閾値trefに至るまでは目標回転数Ne*および目標トルクTe*でエンジン22を運転するために予め定められたスロットル開度になるようスロットルバルブ124の開度をフィードフォワード制御し、始動後経過時間tseが判定用閾値trefに至ったとき以降にエンジン22から実際に出力されるパワーが要求パワーPe*に近づくようスロットルバルブ124の開度をフィードバック制御することにより、より適正なタイミングでエンジン22から実際に出力されるパワーが要求パワーPe*に近づくようスロットルバルブ124の開度をフィードバック制御することができる。また、始動後経過時間tseが判定用閾値trefに至ったとき以降でも、エンジン22やモータMG1が異常であるときには異常に応じた制御を実行し、正常であるときにエンジン22から実際に出力されるパワーが要求パワーPe*に近づくようスロットルバルブ124の開度をフィードバック制御するから、こうしたスロットルバルブ124のフィードバック制御をより適正なタイミングで行なうことができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、ステップS120〜S140の処理において、始動回数Nseに応じて判定用閾値trefを設定するものとしたが、始動回数Nseに拘わらず始動回数Nseが2回以上である場合の始動後安定時間t2を判定用閾値Nseに設定するものなど、判定用閾値trefを始動回数Nseに拘わらず一定の値として設定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、ステップS150,S170〜S190の処理において、始動経過時間tseと判定用閾値trefとを比較したり、エンジン22に異常が生じていないか否かを判定したり、退避走行中であるか否かを判定するものとしたが、ステップS150,S170〜S190の処理の少なくとも1つを実行するものでもよく、ステップS150の処理を実行せずにステップS170〜S190の処理を実行するものとして、エンジン22が正常で退避走行中でもないときにはステップS200〜S270の処理を実行し、エンジン22に異常が生じていたり退避走行中であるときにはステップS280の処理を実行するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、ステップS170,S180の処理でエンジン出力異常とスロットルバルブ異常を判定するものとしたが、例えば、エンジン22の吸気バルブ128や排気バルブ,酸素センサ135bの異常などエンジン22の異常を検出するものであれば如何なるものとしても構わない。また、実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の異常を判定するものとしたが、例えば、モータMG1の異常やモータMG2の異常を判定するものなど、エンジン22とモータMG1とモータMG2とを含む駆動系の何らかの異常を判定するものであれば如何なるものとしても構わない。また、駆動系の異常に加えて、バッテリ50やインバータ41,42の異常を判定するものなどバッテリ50とインバータ41,42とを含む電力供給系の異常を判定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、実施例のハイブリッド自動車20では、図5の低入力制限時駆動制御ルーチンは、バッテリ温度Tbが所定温度Tref未満になっていてバッテリ50の入力制限Winの絶対値|Win|が所定電力Wref未満であるときに実行されるものとしたが、この条件に加えて、バッテリ50の残容量SOCが充電要求残容量未満である条件およびエンジン22の吸気管に取り付けられた温度センサ149により検出される吸気温Taが所定吸気温(例えば、0℃,5℃,10℃など)未満である条件の2つのうち少なくとも1つの条件が成立したときに実行されるものとしてもよい。なお、この場合、所定吸気温は、エンジン22から設定された要求パワーPe*が出力されるようエンジン22とモータMG1,MG2を制御したときに、エンジン22から設定された目標パワーを超える動力が出力されると推定される吸気温の上限として設定されるものを用いるものとする。
実施例のハイブリッド自動車20では、バッテリ50がリチウムイオン二次電池により構成されるものとしたが、例えば、ニッケル水素二次電池など、他の種類の二次電池により構成されるものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2の動力を減速ギヤ35により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図9の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪63a,63bが接続された車軸)とは異なる車軸(図9における車輪64a,64bに接続された車軸)に接続するものとしてもよい。
また、こうしたハイブリッド自動車に適用するものに限定されるものではなく、自動車以外の列車などの車両や船舶,航空機などの移動体に搭載される動力出力装置の形態や建設設備などの移動しない設備に組み込まれた動力出力装置の形態としても構わない。さらに、こうした動力出力装置の制御方法の形態としてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「内燃機関」に相当し、モータMG1が「発電機」に相当し、動力分配統合機構30が「3軸式動力入出力手段」に相当し、モータMG2が「電動機」に相当し、バッテリ50が「蓄電手段」に相当し、要求トルクTr*を用いてエンジン22に要求される要求パワーPe*を設定する図5の低入力制限時駆動制御ルーチンのステップS110の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70が「目標パワー設定手段」に相当し、バッテリ温度Tbが所定温度Tref未満になっていてバッテリ50の入力制限Winの絶対値|Win|が所定電力Wref未満であるとき、始動経過時間tseが判定用閾値trefに至るまでは要求トルクTr*を出力して走行するようエンジン22の目標回転数Ne*,目標トルクTe*とモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*とを設定してエンジンECU24やモータECU40に送信する図5の低入力制限時駆動制御ルーチンのステップS160,S230〜S270の処理や始動経過時間tseが判定用閾値trefに至ったとき以降はエンジン22から出力されるパワーが要求パワーPe*となるよう目標スロットル開度TH*を設定すると共に要求トルクTr*を出力して走行するようエンジン22の目標回転数Ne*,目標トルクTe*とモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*とを設定してエンジンECU24やモータECU40に送信するステップS200〜S270の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70とスロットルバルブ124の開度が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とに基づいて設定されるスロットル開度となるようスロットルモータ136を駆動したりスロットルバルブ124の開度が目標スロットル開度TH*となるようスロットルモータ136を駆動するエンジンECU24とトルク指令Tm1*,Tm2*に基づいてモータMG1,MG2を制御するモータECU40とが「制御手段」に相当する。
変形例では、エンジン22が「内燃機関」に相当し、モータMG1が「発電機」に相当し、動力分配統合機構30が「3軸式動力入出力手段」に相当し、モータMG2が「電動機」に相当し、バッテリ50が「蓄電手段」に相当し、要求トルクTr*を用いてエンジン22に要求される要求パワーPe*を設定する図5の低入力制限時駆動制御ルーチンのステップS110の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70が「目標パワー設定手段」に相当し、エンジン22に異常が生じているか否かを判定する図5の低入力制限時駆動制御ルーチンのステップS170の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70が「異常判定手段」に相当し、バッテリ温度Tbが所定温度Tref未満になっていてバッテリ50の入力制限Winの絶対値|Win|が所定電力Wref未満であるとき、エンジン22の出力に異常が生じていないときにはエンジン22から出力されるパワーが要求パワーPe*となるよう目標スロットル開度TH*を設定すると共に要求トルクTr*を出力して走行するようエンジン22の目標回転数Ne*,目標トルクTe*とモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*とを設定してエンジンECU24やモータECU40に送信する図5の低入力制限時駆動制御ルーチンのステップS200〜S270の処理を実行したりエンジン22の出力に異常が生じているときには異常時制御を実行するステップS280の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70とエンジン22やモータMG1が正常であるときにエンジン22から実際に出力されるパワーが要求パワーPe*に近づくようスロットルバルブ124の開度をフィードバック制御しながら要求トルクTr*を出力して走行するようエンジン22の目標回転数Ne*,目標トルクTe*とモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*とを設定してエンジンECU24やモータECU40に送信するステップS200〜S270の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70とスロットルバルブ124の開度が目標スロットル開度TH*となるようスロットルモータ136を駆動するエンジンECU24とトルク指令Tm1*,Tm2*に基づいてモータMG1,MG2を制御するモータECU40とが「制御手段」に相当する。
ここで、第1の動力出力装置において、「内燃機関」としては、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関に限定されるものではなく、水素エンジンなど如何なるタイプの内燃機関であっても構わない「発電機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの電動機であっても構わない。3軸式動力入出力手段」としては、上述の動力分配統合機構30に限定されるものではなく、ダブルピニオン式の遊星歯車機構を用いるものや複数の遊星歯車機構を組み合わせたものやデファレンシャルギヤのように遊星歯車とは異なる差動作用を有するものなど、内燃機関の出力軸と発電機の回転軸と駆動軸との3軸に接続され3軸のうちいずれか2軸に入出力した動力に基づいて残余の軸に動力を入出力するものであれば如何なるものとしても構わない。「電動機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、駆動軸に動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの電動機であっても構わない。「蓄電手段」としては、二次電池としてのバッテリ50に限定されるものではなく、キャパシタなど、発電機および電動機と電力のやりとりが可能なものであれば如何なるものとしても構わない。「目標パワー設定手段」としては、要求トルクTr*を用いてエンジン22に要求される要求パワーPe*を設定するものに限定されるものではなく、駆動軸に要求される要求駆動力に基づいて内燃機関から出力すべき目標パワーを設定するものであれば如何なるものとしても構わない。「制御手段」としては、ハイブリッド用電子制御ユニット70とエンジンECU24とモータECU40とからなる組み合わせに限定されるものではなく単一の電子制御ユニットにより構成されるなどとしてもよい。また、「制御手段」としては、バッテリ温度Tbが所定温度Tref未満になっていてバッテリ50の入力制限Winの絶対値|Win|が所定電力Wref未満であるとき、始動経過時間tseが判定用閾値trefに至るまでは要求トルクTr*を出力して走行するようエンジン22の目標回転数Ne*,目標トルクTe*とモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*とを設定してスロットルバルブ124の開度が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とに基づいて設定されるスロットル開度となるようスロットルモータ136を駆動すると共にトルク指令Tm1*,Tm2*に基づいてモータMG1,MG2を制御したり始動経過時間tseが判定用閾値trefに至ったとき以降はエンジン22から出力されるパワーが要求パワーPe*となるよう目標スロットル開度TH*を設定すると共に要求トルクTr*を出力して走行するようエンジン22の目標回転数Ne*,目標トルクTe*とモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*とを設定してスロットルバルブ124の開度が目標スロットル開度TH*となるようスロットルモータ136を駆動すると共にトルク指令Tm1*,Tm2*に基づいてモータMG1,MG2を制御するものに限定されるものではなく、蓄電手段の充電に許容される最大パワーとしての入力制限が低温のため予め設定された所定パワー未満になったとき、内燃機関を始動してから経過した時間である始動経過時間が内燃機関を始動してから内燃機関の運転状態が安定するまでの時間として予め設定された所定時間に至るまでは内燃機関のスロットル開度が設定された目標パワーと内燃機関の回転数とに基づいて設定される目標スロットル開度となるようスロットル開度をフィードフォワード制御しながら要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と発電機と電動機とを制御し、始動経過時間が所定時間に至ったとき以降は内燃機関から出力されるパワーが設定された目標パワーに近づくよう内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御しながら要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と発電機と電動機とを制御するもので如何なるものとしても構わない。
第2の動力出力装置において、「内燃機関」としては、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関に限定されるものではなく、水素エンジンなど如何なるタイプの内燃機関であっても構わない「発電機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの電動機であっても構わない。3軸式動力入出力手段」としては、上述の動力分配統合機構30に限定されるものではなく、ダブルピニオン式の遊星歯車機構を用いるものや複数の遊星歯車機構を組み合わせたものやデファレンシャルギヤのように遊星歯車とは異なる差動作用を有するものなど、内燃機関の出力軸と発電機の回転軸と駆動軸との3軸に接続され3軸のうちいずれか2軸に入出力した動力に基づいて残余の軸に動力を入出力するものであれば如何なるものとしても構わない。「電動機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、駆動軸に動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの電動機であっても構わない。「蓄電手段」としては、二次電池としてのバッテリ50に限定されるものではなく、キャパシタなど、発電機および電動機と電力のやりとりが可能なものであれば如何なるものとしても構わない。「目標パワー設定手段」としては、要求トルクTr*を用いてエンジン22に要求される要求パワーPe*を設定するものに限定されるものではなく、駆動軸に要求される要求駆動力に基づいて内燃機関から出力すべき目標パワーを設定するものであれば如何なるものとしても構わない。「異常判定手段」としては、エンジン22に異常が生じているか否かを判定するものに限定されるものではなく、内燃機関と発電機と電動機とを含む駆動系に異常が生じている否かを判定するものであれば如何なるものとしても構わない。「制御手段」としては、ハイブリッド用電子制御ユニット70とエンジンECU24とモータECU40とからなる組み合わせに限定されるものではなく単一の電子制御ユニットにより構成されるなどとしてもよい。また、「制御手段」としては、バッテリ温度Tbが所定温度Tref未満になっていてバッテリ50の入力制限Winの絶対値|Win|が所定電力Wref未満であるとき、エンジン22から出力されるパワーが要求パワーPe*となるよう目標スロットル開度TH*を設定すると共に要求トルクTr*を出力して走行するようエンジン22の目標回転数Ne*,目標トルクTe*とモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*とを設定して目標スロットル開度TH*と目標回転数Ne*,目標トルクTe*でエンジン22を制御すると共にトルク指令Tm1,Tm2でモータMG1,MG2を駆動したり、エンジン22の出力に異常が生じているときには異常時制御を実行するものに限定されるものではなく、蓄電手段の充電に許容される最大パワーとしての入力制限が低温のため予め設定された所定パワー未満になったとき、異常判定手段により駆動系に異常が生じていないと判定されているときには内燃機関から出力されるパワーが設定された目標パワーに近づくよう内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御しながら要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と発電機と電動機とを制御し、異常判定手段により駆動系に異常が生じていると判定されているときには内燃機関から出力されるパワーが設定された目標パワーに近づくよう内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御することなく駆動系の異常に応じて内燃機関を運転または運転停止しながら要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と発電機と電動機とを制御するものであれば如何なるものとしても構わない。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、動力出力装置や車両の製造産業などに利用可能である。
20,120 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、24a CPU、24b ROM、24c RAM、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 減速ギヤ、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b 駆動輪、64a,64b 車輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、122 エアクリーナ、124 スロットルバルブ、126 燃料噴射弁、128 吸気バルブ、130 点火プラグ、132 ピストン、134 浄化装置、136,スロットルモータ、138 イグニッションコイル、140 クランクポジションセンサ、142 水温センサ、143 圧力センサ、144 カムポジションセンサ、146 スロットルバルブポジションセンサ、148 エアフローメータ、149 温度センサ、150 可変バルブタイミング機構。

Claims (9)

  1. 駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
    内燃機関と、
    動力を入出力可能な発電機と、
    前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸と前記駆動軸との3軸に接続され、該3軸のうちいずれか2軸に入出力した動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、
    前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、
    前記発電機および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、
    前記駆動軸に要求される要求駆動力に基づいて前記内燃機関から出力すべき目標パワーを設定する目標パワー設定手段と、
    前記蓄電手段の充電に許容される最大パワーとしての入力制限が低温のため予め設定された所定パワー未満になったとき、前記内燃機関を始動してから経過した時間である始動経過時間が前記内燃機関を始動してから前記内燃機関の運転状態が安定するまでの時間として予め設定された所定時間に至るまでは前記内燃機関のスロットル開度が前記設定された目標パワーと前記内燃機関の回転数とに基づいて設定される目標スロットル開度となるよう前記スロットル開度をフィードフォワード制御しながら前記要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御し、前記始動経過時間が前記所定時間に至ったとき以降は前記内燃機関から出力されるパワーが前記設定された目標パワーに近づくよう前記内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御しながら前記要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する制御手段と、
    を備える動力出力装置。
  2. 請求項1記載の動力出力装置であって、
    前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを含む駆動系に異常が生じているか否かを判定する異常判定手段を備え、
    前記制御手段は、前記入力制限が低温のため前記所定パワー未満であると共に前記始動経過時間が前記所定時間に至ったとき以降でも前記異常判定手段により前記駆動系に異常が生じていると判定されているときには、前記内燃機関から出力されるパワーが前記設定された目標パワーに近づくよう前記内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御することなく前記駆動系の異常に応じて前記内燃機関を運転または運転停止しながら前記要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する手段である
    動力出力装置。
  3. 請求項2記載の動力出力装置であって、
    前記異常判定手段は、前記駆動系の異常として前記内燃機関から前記設定された目標パワーが出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御している最中に前記内燃機関から出力されているパワーと前記設定された目標パワーとの偏差が所定偏差以上となる異常を判定する手段である
    動力出力装置。
  4. 請求項2記載の動力出力装置であって、
    前記異常判定手段は、前記駆動系の異常として前記内燃機関のスロットル開度の異常を判定する手段である
    動力出力装置。
  5. 請求項2記載の動力出力装置であって、
    前記異常判定手段は、前記駆動系の異常として前記発電機の異常を判定する手段であり、
    前記制御手段は、前記始動経過時間が前記所定時間に至ると共に前記異常判定手段により前記駆動系の異常として前記発電機の異常が判定されているときには、前記内燃機関のスロットル開度が前記設定された目標パワーと前記内燃機関の回転数とに基づいて設定される目標スロットル開度となるよう前記スロットル開度をフィードフォワード制御しながら前記内燃機関を自立運転させると共に前記要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する手段である
    動力出力装置。
  6. 駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
    内燃機関と、
    動力を入出力可能な発電機と、
    前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸と前記駆動軸との3軸に接続され、該3軸のうちいずれか2軸に入出力した動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、
    前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、
    前記発電機および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、
    前記駆動軸に要求される要求駆動力に基づいて前記内燃機関から出力すべき目標パワーを設定する目標パワー設定手段と、
    前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを含む駆動系に異常が生じている否かを判定する異常判定手段と、
    前記蓄電手段の充電に許容される最大パワーとしての入力制限が低温のため予め設定された所定パワー未満になったとき、前記異常判定手段により駆動系に異常が生じていないと判定されているときには前記内燃機関から出力されるパワーが前記設定された目標パワーに近づくよう前記内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御しながら前記要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御し、前記異常判定手段により前記駆動系に異常が生じていると判定されているときには前記内燃機関から出力されるパワーが前記設定された目標パワーに近づくよう前記内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御することなく前記駆動系の異常に応じて前記内燃機関を運転または運転停止しながら前記要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する制御手段と、
    を備える動力出力装置。
  7. 請求項1ないし6いずれか1つの請求項に記載の動力出力装置が搭載され、車軸が前記駆動軸に連結されてなる車両。
  8. 内燃機関と、動力を入出力可能な発電機と、前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸と駆動軸との3軸に接続され該3軸のうちいずれか2軸に入出力した動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記発電機および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、を備え、前記駆動軸に動力を出力する動力出力装置の制御方法であって、
    前記蓄電手段の充電に許容される最大パワーとしての入力制限が低温のため予め設定された所定パワー未満になったとき、前記内燃機関を始動してから経過した時間である始動経過時間が前記内燃機関を始動してから前記内燃機関の運転状態が安定するまでの時間として予め設定された所定時間に至るまでは前記内燃機関のスロットル開度が前記駆動軸に要求される要求駆動力に基づく目標パワーと前記内燃機関の回転数とに基づいて設定される目標スロットル開度となるよう前記スロットル開度をフィードフォワード制御しながら前記要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御し、前記始動経過時間が前記所定時間に至ったとき以降は前記内燃機関から出力されるパワーが前記目標パワーに近づくよう前記内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御しながら前記要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する
    ことを特徴とする動力出力装置の制御方法。
  9. 内燃機関と、動力を入出力可能な発電機と、前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸と駆動軸との3軸に接続され該3軸のうちいずれか2軸に入出力した動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記発電機および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、前記駆動軸に動力を出力する動力出力装置の制御方法であって、
    前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを含む駆動系に異常が生じている否かを判定し、
    前記蓄電手段の充電に許容される最大パワーとしての入力制限が低温のため予め設定された所定パワー未満になったとき、前記異常判定手段により駆動系に異常が生じていないと判定されているときには前記内燃機関から出力されるパワーが前記駆動軸に要求される要求駆動力に基づく目標パワーに近づくよう前記内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御しながら前記要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御し、前記異常判定手段により前記駆動系に異常が生じていると判定されているときには前記内燃機関から出力されるパワーが前記目標パワーに近づくよう前記内燃機関のスロットル開度をフィードバック制御することなく前記駆動系の異常に応じて前記内燃機関を運転または運転停止しながら前記要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する、
    動力出力装置の制御方法。
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