JP5351197B2 - 中空糸膜モジュールとその製造方法および中空糸膜モジュール組立体とそれらを使用した懸濁水の浄化方法 - Google Patents

中空糸膜モジュールとその製造方法および中空糸膜モジュール組立体とそれらを使用した懸濁水の浄化方法 Download PDF

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Description

本発明は、種々の分野に使用できるが、特に河川水、湖沼水、伏流水等の除濁のごとき水処理分野に好適な外圧式中空糸膜モジュール等に関する。さらには、中空糸膜の透過に寄与する有効長さが増大し、膜面積の有効利用率が向上し、ひいては単位容積当たりの透過性能が向上した中空糸膜モジュールとその製造方法、中空糸膜モジュール組立体ならびに前記中空糸膜モジュール組立体を使用した懸濁水の浄化方法に関する。
中空糸膜モジュールは、単位容積当たりの膜面積が大きく確保可能であることから、多数の流体処理分野、例えば、逆浸透膜によるカン水や海水の脱塩、超純水の1次純水処理、ナノフィルターによる農薬や多糖類などの低分子有機物の除去、限外濾過膜による酵素の濃縮・脱塩、注射用水の製造、電着塗料の回収、超純水のファイナルフィルトレーション、廃水処理、河川水・湖沼水・伏流水の除濁、精密濾過膜による薬品精製、除菌、除濁、ガス分離膜による酸素分離、窒素分離、水素分離、炭酸ガス分離等に適用されている。
近年、河川水、伏流水等を浄水として使用する際に凝集沈殿・砂ろ過を代替する除濁方法としての適用が拡大し、新規・高性能の中空糸膜や中空糸膜モジュールの提案がなされている。
これまで、中空糸膜を介して原料水を加圧し、透過水を得る外圧式の中空糸膜モジュールとしては、モジュールの下部に位置する中空糸膜とモジュールハウジングとを液密的に区分する接着固定部に中空部は封止されると共に、接着固定部に複数の原料水導入穴を形成し、その穴から中空糸膜に対し平行に原料水を供給し、透過水はモジュール上部の中空糸膜端面の中空糸膜開口から採水し、懸濁物質を含む濃縮水をモジュール上方側面の濃縮水排出ノズルから排出する構造が、主流であった。(特許文献1、2参照)
このような外圧式中空糸膜モジュール組立体の構造例を図17に示す。図17では、多数本(ここでは簡単のため3本に省略)の中空糸膜105がモジュールケース104に収納され、ケースの上方では接着固定部106により中空糸膜とモジュールケースとが液密的に接着固定され、かつ中空糸膜の末端は開放されて通液可能になっている。そして、透過水がキャップ101内にたまり、さらには透過水採取口112から上方に採水される。
一方、ケース下方では、中空糸膜は、接着固定部107によりモジュールケースに液密的に接着固定され、かつ中空糸膜の末端は閉塞されている。また、下方接着固定部107には、原料水、圧縮エアー、原料水と圧縮エアーの混合流れのいずれかを供給可能な原料水導入穴108が複数個開口している。ここで、通常のろ過時における液の流れを説明すると、原料水は、下方のキャップ103に設けられた原料水供給口110から原料水導入穴108を経てモジュールケース内に入り、原料水の大半は中空糸膜105を透過して透過水となって、上方の中空糸膜開口から上方のキャップ101を経て透過水として透過水採取口112から採水される。また、原料水の一部は濃縮水となり、上方側面の濃縮水排出ノズル111から排出される。このとき、原料水の水質に応じて、濃縮水を連続して排出せずに、フラッシング、逆洗、エアレーションフラッシングの如き物理洗浄時のみ排出する方法も採用できる。
このような構造の中空糸膜モジュールは、膜の性能評価やろ過安定性の調査を目的としたミニチュアのモジュールであれば、有効膜長が1m程度のものを使用する場合がある。
また、実際の大規模な水除濁処理に使用する場合には、通常、膜モジュールが配置される配置ラックの設置面積を削減したり、単位容積当たりの中空糸膜面積を増大したりする目的で、中空糸膜の有効長を2m程度と長くしているが、かつては中空糸膜の透過性能が低かったために、このような有効長であっても透過水側の中空部圧力損失が軽微で実用上問題なく使用されていた。
ところが、最近、浄水用の膜ろ過モジュール適用例の増加とともに、中空糸膜の透過性能の向上が進む一方で、モジュール上部の中空糸膜開口からだけ透過水を採水する、いわゆる片側集水モジュールでは中空糸膜本来の透過性能が得られない場合も散見されるようになってきた。
そのため、中空糸膜の有効利用率を向上せしめることを目的に、一方の側から他方の側へと透過水が行き来可能な連通部を有するモジュール構造にすることで、中空糸膜モジュールの両側端部から透過水を採水可能な構造とすることが知られている(例えば、特許文献3〜6参照)。特許文献3の図4、図5、図9では、下部の空気導入穴19から圧縮エアーを導入し、中空糸膜を振動させるとの記載がある。
しかしながら、このような導入構造では、圧縮エアーの様な比較的低粘性の流体を均一かつ比較的低損失で分配することは可能であるが、懸濁物質を含有した水の様な粘性の流体となると、必要な供給に伴う圧力損失が極端に大きくなり、中空糸膜モジュール内への供給だけで100KPa以上が必要になる。これは通常原料水の供給圧力に必要な50−100KPaと同程度以上の供給圧力であるから、エアーのみの導入穴を有する構造をそのまま水の場合に適用することは非現実的である。
さらに、その製造方法は、特許文献4に記載されている様に、モジュールケース外周に複数の穴を開けると共に、穴の開いた仕切り板と中空糸膜束をまとめてモジュールケースに収納し、さらに、穴の開いた仕切り板の穴部とモジュールケースの穴部とを対向させた後に、可とう性チューブを含むボルトで固定して接着固定を行い、さらに可とう性を持つチューブを含むボルトをとり外すという、大変煩雑な組立作業が必須であり、河川水の膜ろ過処理のように安価に透過水を得る用途では適用が困難である。
特許文献5には特許文献3、4と類似の構造が示されているが、これは断面から見たエア導入穴を中心軸から対称にかつ均等間隔にて穴が開口しなければ、空気ないし水の供給が均一とならず、対称かつ均等間隔に配置するには、文献4と同様に煩雑な組立作業が必須となる。
また、特許文献6には原料水を一方の接着固定部外端面の略中央から穿孔された原料水の供給元管部に相当する部位からそのまま多数の原料水導入穴が中空糸膜に対して垂直に供給できるように他方の接着固定部まで繋がった構造が開示されているが、これは、原料水が中空糸膜束の中心部から外側に垂直に原料水が供給されるため、懸濁成分が中心側の中空糸膜と中空糸膜との間に蓄積され、結果として束外周部には原料水が供給されにくいという欠点を有する。
特開平07−171354号公報 特開平09−220446号公報 実開昭63−111901号公報 特開昭64−090005号公報 実開平03−119424号公報 特公昭53−035860号公報
本発明は、中空糸膜の長さ方向における有効利用率が向上して単位膜面積あたりの透過水量が安定し、また、圧力損失が小さくて低エネルギーで採水可能であり、さらに、製造が簡単で少ない製造工程で容易に作成できる中空糸膜モジュール、及びそれを用いた中空糸膜モジュール組立体を提供することを課題とする。
本発明によれば、高透過性能膜を適用することにより、さらに顕著な効果が得られる。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、以下の中空糸膜モジ
ュール構造とすることにより、課題を解決するに至った。すなわち、本発明は以下の通り
である。
(1)原料水、圧縮エアー又は原料水と圧縮エアーの混合流れを供給する供給元管部と、供給された原料水、圧縮エアー又は原料水と圧縮エアーの混合流れを均一に分配するための複数の原料水供給分岐部と、分配された原料水、圧縮エアー又は原料水と圧縮エアーの混合流れを導入する原料水導入穴が設けられた原料水分配供給部を形成するための中空部材。
(2)前記原料水供給分岐部における断面積が、前記原料水、圧縮エアー又は原料水と圧縮エアーの混合流れの順流れ方向に沿って大きくなっていることを特徴とする(1)に記載の中空部材。
(3)前記原料水供給分岐部は、前記長さ方向に略平行な板状の空隙であり、前記原料水分配供給部は複数の前記原料水供給分岐部が前記供給元管部を略中心軸として放射状に配置されていることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の中空部材。
(4)前記複数の原料水供給分岐部が、3から9の範囲で前記原料水供給元管部から分岐していることを特徴とする、(1)から(3)のいずれか一つに記載の中空部材。
(5)前記原料水導入穴が前記原料水供給分岐部毎に複数設けられており、当該複数の原料水導入穴の相当直径の合計が、前記複数の原料水供給分岐部の最大相当直径より小さいことを特徴とする、(1)から(4)のいずれか一つに記載の中空部材。
(6)前記原料水分岐部を中心から外側方向に1/2半径で中心側と外側を区分した時に、外側区分に設けられた原料水導入穴の相当直径の合計が、中心側区分に設けられた原料水導入穴の相当直径の合計よりも大きいことを特徴とする、(1)から(5)のいずれか一つに記載の中空部材。
(7)前記複数の原料水導入穴が等間隔で穿たれていることを特徴とする、(1)から(6)のいずれか一つに記載の中空部材。
(8)(1)から(7)のいずれか一つに記載の中空部材を備えたことを特徴とする、中空糸膜モジュール。
なお、本願中で原料流体(水)供給口、原料流体(水)分配供給部、原料流体(水)供給元管、原料流体(水)供給分岐部、原料流体(水)導入穴、濃縮水排出口等の機能を付与した名称により説明しているが、これは本発明の内容の理解を高める為に使用しているものであり、それぞれがその機能に限られた名称ではない。
本発明の中空糸膜モジュールは、中空糸膜と平行に原料水を供給、ろ過するため、安定したろ過運転が可能であると共に、物理洗浄時の懸濁成分の排出性に優れる。また、両側から透過水を採取できるので、中空糸膜の有効利用率が向上し、単位膜面積あたりの透過水を低エネルギーで安定して採水可能となる。これは、高透過性能の膜を適用すると顕著な性能が得られる。また、従来程度の性能の膜の適用であっても、運転の際の圧力損失が低い範囲に留まり、比較的小さい運転圧力で運転できる。さらに、原料水分配供給部のモジュールケース内への配置決めが簡単かつ正確に出来る等、簡便な製造工程で容易に製造することができる。しかも、現在、外圧中空糸膜ろ過による浄水処理で主流である、下方から原料水を供給し上方から透過水を採水し、上方側面から濃縮水を排出する中空糸膜モジュールが取り付けられている膜ろ過設備に、本発明の中空糸膜モジュールをそのまま取り付け可能にすることができる。
中空糸膜モジュール組立体の断面構造例を示した模式断面図である。 (1)前方角の説明図、(2)中空糸膜モジュールのA−A’断面図である。 中空部材例を模式的に示した(1)上面図、(2)C−C’断面図、(3)正面図、(4)D−D’断面図、(5)下面図である。 中空部材の他の例を模式的に示した(1)上面図、(2)正面図、(3)F−F’断面図、(4)下面図である。 第1のキャップ例を模式的に示した(1)上面図、(2)正面図、(3)G−G’断面図、(4)下面図である。 第1のキャップの他の例を模式的に示した(1)上面図、(2)正面図、(3)H−H’断面図、(4)下面図である。 中空糸膜モジュール組立体を用いた通常ろ過時における液流れを示した模式図である。 中空糸膜モジュール組立体を用いた逆流洗浄時における液流れを示した模式図である。 逆流洗浄時に原料水供給口43から排出する場合の液流れを示した模式図である。 中空糸膜モジュール組立体を用いたエアレーション逆洗時の液流れを示した模式図である。 モジュールケースとして異形二重管を用いた場合の、通常ろ過時の液流れを示した模式図である。 接着端面と内側端面との高さを揃えることができる製造方法を説明するための一連の図である。 実験例1〜4で使用した試験部材の模式図である。 実験例7で使用した部材80の模式図である。 実施例1と比較例1のろ過安定性試験結果を示したグラフである。 比較例1で使用した中空状物の模式断面図である。 従来の比較モジュール組立体の構造をあらわした模式断面図である。 実施例3と比較例2のろ過安定性試験結果を示したグラフである。 実験例4と比較例3のろ過安定性試験結果を示したグラフである。 実験例8で使用した部材130の模式図である。 異形二重管の一例を表した断面図である。 異形二重管の一例を表した断面図である。 異形二重管の一例を表した断面図である。 異形二重管の一例を表した断面図である。 異形二重管の一例を表した断面図である。 原料水供給分岐部の内断面積拡大状況と原料水導入穴を説明した模式図である。図中、(1)上面図、(2)正面図、(3)J−J’断面図、(4)K−K’断面図である。
以下、本発明を実施するうえで最良の形態について、図面も使用して具体的に説明する。なお、以下の説明では中空糸膜モジュール組立体を縦に配置し、原料水又は圧縮エアーを下方から供給する形態を例に用いる。従って、通常の膜処理時における原料水の順流れ方向としては下から上向きになる。しかし、中空糸膜モジュール組立体を横置きにしたり、あるいは斜めに配置したりして使用してもよいことはいうまでもない。また、ここでは、容器内に多数の中空糸膜が装填されて膜両端部が接着剤で固定されてかつ通液可能な状態のものを中空糸膜モジュールと称し、中空糸膜モジュールの両端に、さらに透過水を保持・採水するあるいは原料水を供給するためのキャップを取り付けた状態のものを中空糸膜モジュール組立体と称する。
以下では、透過水連通部としてモジュール内の直管を適用した場合の外圧式中空糸膜モジュールの例を用いてモジュール構造を説明する。そのような中空糸膜モジュールの組立体の構造例の断面図を図1に示す(わかりやすくするため、一部の線を省略している。)。
中空糸膜モジュール20には、上下面が開放された筒状でその側面上部に横向きの濃縮水又はエアー排出口22(以降、排出口22と称する。)を有するモジュールケース21を用いている。モジュールケース21は、典型的には、直径が30mm〜800mmで、長さが300mm〜3000mmの範囲から選ばれるのが好ましく、材質としては、ポリ四弗化エチレン、四弗化エチレン−六弗化プロピレン共重合体樹脂、エチレン−四弗化エチレン共重合体樹脂、ポリ弗化ビニリデン等の弗素樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)樹脂、AS(アクリロニトリルスチレン)樹脂、ポリエステル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル等の各種高分子化合物や、ステンレス鋼、アルミニウム合金等の金属類が使用可能である。なお、モジュールケース21の濃縮水排出口22を有する部分は、別途成形してその他のパイプ状部分と組み合わせる場合もあるので、濃縮水排出口22を有する部分を特にヘッド部と呼ぶことがある。
モジュールケース内には多数本の中空糸膜24(図面では簡単のため1本だけを図示)の束が収納される。ここでいう中空糸膜は、流体処理に使用することができれば特に限定されないが、素材としては、例えば、ポリアクリロニトリル、ポリスルホン、ポリエーテルケトン類、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリ弗化ビニリデン、セルロース類、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリイミド、スルホン化ポリフェニレンエーテル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ4−メチルペンテン、ポリオルガノシロキサン、ポリ四弗化エチレン、エチレン−四弗化エチレン共重合体等の単独あるいは混合さらには複合化したものが挙げられる。また、膜の種類としては、分画分子量が1,000〜500,000ダルトンである限外濾過膜、孔径が0.01〜1μmである精密濾過膜が挙げられる。さらに、中空糸膜の形状としては、内径50〜3000μmで内/外径比が0.3〜0.8の範囲の膜が使用できる。
この中空糸膜の束の両側端部は、中空糸膜内に通液可能な状態を維持しながら、モジュールケース内で接着固定部26、27により固定されている。また、接着固定部26、27はモジュール内外を液密的に分離している。接着固定には接着剤を用いればよく、用い得る接着剤の種類は、モジュールケースと中空糸膜や後述の連通管や原料水分配供給部の材質を考慮して適宜選択すればよい。接着剤は例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン等の熱硬化性の高分子材料を用いることができる。接着固定方法としては、遠心接着法などの公知の方法を用いることができる。接着剤の硬化収縮や強度が改善される場合もあるので、上記接着剤中にさらにガラスファイバー、カーボンファイバー等の繊維状物、カーボンブラック、アルミナ、シリカ等の微粉体を含有させてもよい。
中空糸膜モジュール20は、接着固定部26、27の両外側端面間を通液可能に接続する透過水連通部を備える。この透過水連通部は上記の中空糸膜24よりも相当直径が大きくて流路抵抗が小さい管である。このような透過水連通部を備えることにより、中空糸膜の長さが例えば2m程度と長い場合であっても、原料水供給口に比較的近い部分から膜透過した透過水が透過水連通部を介して低い圧力損失で採水できるようになるため、膜利用率が著しく向上する。なお、相当直径は、原料水または圧縮エアーが流れる流路内周の浸辺長から流体力学に基づいて算出すればよいが、念のため以下に算出方法を記載する。
ここでいう相当直径をDeとすると、透過水連通部の内断面積Sの4倍をその内周囲辺長(内断面で流体が接する長さ)Lで割り返したものであり、式で表すと、
De=4×S/L
となる。
透過水連通部としては、直管をモジュール内に配置する方法や、モジュールケース自体を異形二重管にする方法等が挙げられる。前者の例を図1に示す。この例では、中空糸膜24と平行になるように中空糸膜24と一緒の束に含めて、中空糸膜24よりも相当直径が大きくて透過水を下方から上方へ連通させる直管の連通管25を用いている。このような連通管は1本以上用いればよく、中空糸膜モジュールの膜利用効率を上げられる範囲で適宜本数を定めればよい。この場合、連通管25は、上方接着固定部26及び下方接着固定部27のいずれ側においても、中空糸膜24と同様に内部に通液可能に開口した状態で、モジュールケース内部に接着固定されており、透過水等が上方から下方、下方から上方に容易に通液可能となっている。
このような連通管としては、押し出し成形した高分子材料製のものが好適に使用できる。使用可能な高分子材料を挙げると、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ABS樹脂、AS樹脂等が使用可能である。直管を使用する場合、その断面形状は円形、楕円形、半円形、紡錘形等のいずれでもよいが、相当直径が中空糸膜より大きくて流路抵抗が小さいことを要する。
また、モジュールケース自体を異形二重管にする方法としては、モジュールケースを、比較的大きな内断面積を有する第1の部分と比較的小さな内断面積を有する第2の部分とからなる異形二重管とし、第1の部分には、中空糸膜の束を収納し、第2の部分には、透過水連通部を設ける方法が挙げられる。異形二重管としては、例えば、全体形状が円筒で、その長さ方向に垂直の断面において円の一部の弧の両端を直線で結んで蒲鉾断面型(図21参照)の断面とその他の断面とに区分されるように、円筒の内部体積が長さ方向に平行の平板で二つに分離されているものが例示される。この場合、蒲鉾型断面部分を連通部とし、その他の部分を中空糸膜の収納に用いる。このような中空糸膜モジュールは、異形二重ノズルから押し出し成形した異形二重管とその区分された内部空間に対応して二重構造になっているヘッド部とを接合する方法により製作可能である。また、押し出し成形した異形二重管の上方側面周囲の一部に開口を設け、側面開口部を覆うようにノズル付き継手を設置する方法も可能である。この方法では、特許第3713343号公報に記載の方法が採用できる。異形二重管を用いる場合の透過水連通部の材質はモジュールケースと同一材料となる。透過水連通部の断面形状としては、上記以外に楕円形、半円形、紡錘形等が使用でき、設置箇所は1箇所でもよいし2箇所以上でもよい。前記に挙げた形状及びそれ以外の形状の異形二重管の例を図21〜25に断面図で挙げる。
中空糸膜モジュールの一方の接着固定部は、その内部に、原料水をモジュールケース内に供給し得る原料水分配供給部を備えている。原料水分配供給部は原料水供給口から供給される原料水を中空糸膜に対して平行かつ均等に、過大な圧力損失を伴うことなく分配供給できるものであり、透過水(中空糸膜の下方部分から膜透過してモジュールの下方端面外側に設けられた透過水循環空間から連通管を通じて透過水採取口へと向かう透過水)から液密的に分離して、原料水を中空糸膜モジュール内の中空糸膜の周囲に供給する機能を有する。また、原料水分配供給部は、原料水と圧縮エアーの混合流れや圧縮エアーだけの供給にも使用される。さらに、逆流洗浄、エアレーション等の物理洗浄排水の排出やドレン排出にも使用される。その際、後述のごとき特定の構造を有することで低い圧力損失で原料水を供給でき、さらに比較的簡単な製造工程で中空糸膜モジュールを製造することが可能になる。
原料水分配供給部が備える特定の構造について図1(図3)を用いて説明する。原料水分配供給部は、原料水等を供給する供給元管部34、供給された原料水等を中空糸膜モジュールの断面方向に均一に分配するための原料水供給分岐部33、分配された原料水等をモジュール内で中空糸膜の外側に導入する原料水導入穴32とからなる。
まず、供給元管部34は、原料水分配供給部が設けられた側の接着固定部27の外側端面29において、その略中央からモジュールケースの長さ方向に略平行に穿孔された1つの筒状の空隙である。なお、ここで略中央または略平行としているのは、幾何学的に厳密な中央や平行である必要はなく、求められる機能を発揮し得る範囲内で中央や平行であればよいことを意味する。以下、略を冠した他の用語に関しても同様である。この供給元管部には、後に説明する第1のキャップのノズルを、O−リングシール等のシール手段を用いて液密的に結合する。
ちなみに、モジュールの外周部に複数の供給元管部を設けて、モジュール断面の中心方向へと原料水を供給する方法では、後に記載する実験例7でもわかるように、原料水である液体、エアレーション洗浄に使用する圧縮エアー、それらの混相流のような粘性の異なった流体を供給する必要がある場合に、いずれの流体をも均等かつ圧力損失を小さい範囲内で供給できるようにすることは困難である。しかし、1つの供給元管部34を設けることにより、原料水等を比較的低い圧力損失でモジュール内に供給することが可能になる。なお、供給元管部34の外側端面29における位置は、必ずしも中央でなくともよく外周に近い部分でも可能ではあるが、原料水をモジュール内により偏り無くかつ均一に分配するためには、中央にできるだけ近い位置に配置するのが好ましい。中央に配置することで、後述の第1のキャップをモジュールの外側端面29に結合することも容易になる。
次に、供給元管部34に続いて設けられている原料水供給分岐部33について説明する。原料水供給分岐部33は、供給元管部34からモジュールの長さ方向に沿って進んだ場合の前方角が鋭角をなす面30を有していて、モジュールの長さ方向に略平行の板状をなす空隙である。このような空隙を設けることにより、原料水をモジュール断面方向に均一に分配することが可能になる。なお、ここでいう前方角とは、図2(1)に記載したように、ある進行方向から分岐点で分岐した場合に、分岐点を中心として進行方向と分岐方向とが生じる角度のうち、分岐点から進行方向前方側を基準線として分岐方向がなす角度を言う。原料水供給分岐部33は、図1において、断面がロート形状の原料水分配供給部の一部として図示されている。
原料水供給分岐部は、上記の鋭角をなす面を有することの方が、供給元管側(中心側)から外周側に向かうにつれてモジュール長さ方向の空隙長さが縮小して、原料水等がモジュールの中心軸から外周方向に均等に供給することが可能になるので好ましい。この結果、前記複数の原料水供給分岐部を合わせた場合の、モジュールの長さ方向に対する断面積は、原料水の順流れ方向に沿って大きくなる。また、板状空隙の厚みをモジュール中心から外周に向けて変化させるようにしてもよい。原料水供給分岐部における上記鋭角の角度は、中空糸膜又は中空糸膜モジュールの透水能力にもよるが、以下に説明する原料水導入穴の穴径、形状等を勘案して適宜選択すればよい。
ここで、原料水供給分岐部の断面積の拡大状況を図26を用いて説明する。図26(2)のJ−J’断面における断面積S1を現したものが、図26(3)であり、K−K’断面における断面積S2を表したものが図26(4)である。図26から判るように原料水の供給側に近いK−K’断面から順流れ方向であるJ−J’断面にいくにつれて断面積がS2からS1へと大きくなることが判る。
原料水供給分岐部33は供給元管部34を略中心軸として放射状に複数設けるのが好ましく、具体的には3〜9個にするのが、原料水やエアーの分配均一性と、モジュール製作の容易さ及びモジュールに充填可能な中空糸膜本数等のバランスの観点から好ましい。より好ましくは4〜6個である。複数の原料水供給分岐部の間の角度は、いずれも等角度で分岐してもよいが、例えば、透過水連通部を取り付けた部分は分岐角度を大きめにする等、若干の差異を持たせてもよい。なお、中空糸膜は原料水供給分岐部の間に配置される(図2(2)参照)。また、連通管としてモジュールケース内に直管を用いる場合は、連通管も原料水供給分岐部の間に配置される。原料水供給分岐部33の作成方法は後述する。
次に、原料水供給分岐部33から続いて接着固定部27の内側端面31まで、原料水導入穴32が穿たれている。この原料水導入穴32から原料水がモジュール内部23に供給される。原料水導入穴32は、原料水供給分岐部33の内側端面31の全体に穿たれていてもよいが、原料水供給分岐部の製作を容易にする観点と原料水の分配を均一にする観点とから、複数の穴の集合とすることが望ましい。複数の穴とする場合、複数の原料水導入穴の相当直径の合計が、複数の原料水供給分岐部のモジュール長さ方向に対する相当直径より小さくなる。ここで、原料水供給分岐部の相当直径の算出方法を図26(3)で説明すると、原料水供給分岐部の相当直径De(a)は断面積S1の4倍を内周囲辺長L1(太線部)で割り返したものであり、
De(a)=4×S1/L1
となる。
また、n箇所の方向に分岐した原料水供給分岐部の一つの分岐部あたりに、異なる断面で、かつ異なる浸辺長を有するm個の原料水導入穴:d1、d2、d3、・・・dmが穿たれているとき、それぞれの原料水導入穴の開口断面積をs1、s2、s3、・・・sm、浸辺長をa1、a2、a3、・・・amとすると、各穴の相当直径の合計した値De(b)は、
De=n×4×{(s1/a1)+(s2/a2)+(s3/a3)+・・・+(sm/am)}
となる。
具体的に、図26(1)で説明すると、4方向に分岐した原料水供給分岐部の一つの分岐部に、d1、d2、d3の3種類の穴をそれぞれ一箇所ずつ合計3ヶ所穿った場合では、d1、d2、d3のそれぞれの開口断面積をs1、s2、s3、浸辺長をa1、a2、a3とした時、全部で12個ある各穴の相当直径を合計した値De(b)は、
De(b)=4×4×{(s1/a1)+(s2/a2)+(s3/a3)}
となる。
各穴の形状は円形、楕円形、半円形、四角形等のいずれでもよいが、製作を容易にする観点から円形とするのが好ましい。原料水導入穴の穴径は、供給水量や穴数にもよるが5〜12mmの範囲が好ましい範囲である。さらに、穴径は、モジュールの長さ方向に直角の断面において、モジュールの中心から外周側へと向かうにつれて原料水導入穴の相当直径が大きくなるようにすることが好ましい。これにより原料水等をより均等にモジュール内へと導入できるため好適である。この場合、原料水分配の均一性を確保したまま、上記の鋭角をより直角に近い角度に設定できるようになり、その結果、接着固定部27のモジュール長さ方向の必要長さを短縮できる。ここで、モジュールの中心から外周側に向かうにつれて原料水導入穴の相当直径が大きくなるとは、導入穴の穴径自体を外側に移るにつれて順次大きくなるように配置してもよいし、また、中心から外周にかけて2ないし3ヶ所に区分けして、それぞれの区分け部位毎に内断面積の異なる複数の穴を穿つと共に、中心側から外周側へと区分けされた部位毎の相当直径ないし断面積の総和を大きくする方法でもよい。また、原料流体分岐部を中心から外側方向に1/2半径で中心側と外側を区分した時に、外側区分に設けられた原料流体導入穴の相当直径の合計が、中心側区分に設けられた原料流体導入穴の相当直径の合計よりも大きくしてもよい。
また、穴どうしの間隔は等間隔でもよいし、穴の位置により異なるようにしてもよいが、外周側の穴径を大きくする場合は、作成を簡単化する観点から等間隔とするのが好ましい。逆に、穴径を一定にして間隔を外周に行くほど短くするようにしてもよい。また、原料水導入穴の内側端面31における配置は、それぞれの原料水供給分岐部に対し、一直線に並んでいてもよいし、千鳥配置でもよい。さらに、二列以上が並んでいてもよい。また、該導入穴は原料水供給分岐部の内側端面に対して垂直に開口してもよいし、斜め方向に開口させてもよい。
ここで、図1の中空糸膜モジュールのA−A’断面から下方(矢印方向)を見た図を図2(2)に示す。円筒状のモジュールケース21内に、四つの原料水供給分岐部が、互いの間の角度を90°に設定した十字状に配置され、そのモジュール内側端面31の表面には複数の原料水導入穴32が、各原料水供給分岐部に対して一列に配置されている。また、原料水導入穴の相当直径は、モジュール断面の中心から外周側に向かうにつれて大きくなっている。
また、四つの原料水供給分岐部の間には、多数本の中空糸膜24と連通管25が配置されている。つまり、原料水導入穴は中空糸膜間の間隙に穿たれていることがわかり、連通管が含まれている場合は、その間隙でもあることがわかる。このようにモジュール断面において、原料水を供給する原料水導入穴32と、中空糸膜24及び連通管25とが適切に分離して配置された構造になっている。なお、図1の断面は、図2(2)におけるB−B’断面から見た状態にあたる。
上記のごとき構造を有する中空糸モジュールは、原料水又は圧縮エアーを均等にかつ低い圧力損失で供給できる。これは、原料水導入穴に至るまでの空間を出来る限り大きく確保し、供給損失を増大させずに原料水を供給すると共に、原料水導入穴にて所定の穴径に絞込み、若干の圧力損失を与えることによりモジュール内に均等に供給できることによる。また、原料水導入穴からの原料水または圧縮エアーのモジュール内部への供給流れは、中空糸膜の長さ方向に対して略平行であることが、中空糸膜への水流等による負荷を減ずることができるため好適である。なお、ここでいう略平行とは、中空糸膜に対して45度未満の角度で原料水または圧縮エアーが分配供給されることを意味する。
中空糸膜モジュールは、その両端の端面外側に、所定のキャップを液密的に取り付けることにより中空糸膜モジュール組立体となる。中空糸膜モジュールの原料水分配供給部が設けられている側の外側端面には、原料水供給口を備えたカップ形状をなし、そのカップ形状の内側には透過水保持空間を有する第1のキャップが取り付けられる。図1では、中空糸膜モジュール20の下端に位置しているキャップ50が第1のキャップに該当する。このキャップ50は、中空糸膜モジュールの下部端面29を覆って上に凹の曲面を有するカップ41を主体とし、これに下部端面29と接するカップ41の周端面にO−リング25及びそのための溝が設けられて液密的に結合している。
また、カップ41の中央下部には原料水供給口43が開口しており、原料水供給口43から液密的に連続するノズル42が、カップ41の内側空間に突出して、中空糸膜モジュールの供給元管部34に液密的に結合している。また、カップ41とノズル42と下部端面29とに囲まれたカップ41の内側空間は、透過水保持室44となる。このようなキャップを取り付けることで、原料水を圧力損失少なくモジュール内に供給でき、さらに中空糸膜の利用効率を高く維持することが可能になる。
第1のキャップの具体例を図5に示す。図5(1)は上面図、(2)は正面図、(3)はG−G’断面図、(4)は下面図である。図5のキャップは、中央が凹んで浅いカップ状または深い皿状(簡単にカップ状という)をなす円盤41を備え、円盤41の外周全体には肉厚の円環部45が設けられ、円環部の周端辺には、キャップをモジュールの外側端面に液密的に固定するためのO−リングを保持する溝46が周回して設けられている。また、円盤41の中央には比較的短いパイプ48が、その端部外周にフランジ40を有して、円盤41の凸面側に設けられて原料水供給口43を形成している。また円盤41の内側である凹面側にはノズル42が突出し、原料水供給口43はノズル先端まで液密的に連続している。なお、円盤41の凹面内の空間は、中空糸膜モジュール組み立て体を構成した場合に、中空糸膜モジュールの外側端面との間に透過水保持室を形成する。
また、図6に他の形状の第1のキャップの例を示した。このキャップでは、原料水供給口を形成するパイプ48’の長さが図5の例より長くなり、かつパイプの下端40’近傍の外周には、フランジではなく滑り止めの溝が設けられている。第1のキャップの機能としては、原料水供給口からノズルを介して中空糸膜モジュールの供給元管部に液密的に原料水を供給できること、中空糸膜モジュールの下側端面との間に液密的に透過水保持室を形成できることの2点であり、この2点が満たされれば図5や図6の形状に限定されない。
第2のキャップの例としては、図1で中空糸膜モジュール20の上側端面にO−リング15を介して結合しているキャップ10が該当する。このキャップ10は、フランジ11を外周端に有する透過水採取口13をキャップ中央に有し、透過水採取口13はキャップ内部空間14とつながっている。
第1または第2のキャップの外周端と中空糸膜モジュールの外側端面との液密的な結合や、第1のキャップのノズルと中空糸膜モジュールの供給元管部との液密的な結合は、上記のようなO−リングによるものでもよいが、パッキンによるシール方式や、接着剤を塗布して接着する方式でもよい。図1の例では、金属製のキャップ締結治具52により第2のキャップが中空糸膜モジュールの下部端面29に取り外し可能に固定され、また、同様な治具51により第1のキャップがモジュールの上部端面に取り外し可能に固定されている。
これらのキャップは、ステンレス鋼やアルミニウム合金等の金属製であってもよいし、高分子材料による物でもよい。金属、例えば、ステンレス鋼で製作する場合には、切削加工による製作でもよいが、鋳造、特にロストワックスやミム等の精度の高い鋳造方法により製作することが部品精度を向上できるので望ましい。また高分子材料の場合では、部品精度を確保するために射出成形法により製作することが好ましい。高分子材料として使用可能な素材の例を挙げると、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ABS樹脂、AS樹脂等があげられる。
これらのキャップは、原料水の供給や透過水の採取又は透過水保持室を形成するためだけではなく、上記原料水分配供給部と同様に、圧縮エアーや圧縮エアーを混入した原料水の供給時、逆流洗浄やエアレーション等の物理洗浄時、さらにはドレン排水時にも使用される。第1のキャップの原料水供給口や第2のキャップの透過水採取口には、膜分離装置の配管と接続可能な継手、例えば、図5のフランジや図6の下端40’近傍の溝が設けられていることが好ましい。
次に、図1の中空糸膜モジュール組立体を用いた通常のろ過時における液流れを図7を用いて説明する。まず原料水は、下部の第1のキャップ50の原料水供給口43からノズル42、供給元管部34、原料水供給分岐部33、原料水導入穴32を通り、モジュール内で中空糸膜24の周囲の空間23に供給される。供給された原料水は、中空糸膜24の外表面から内表面側へと透過して透過水となって、中空糸膜24の上下両方向に開口した中空糸膜中空部開口から上下のキャップ内空間14、44にそれぞれ移動する。ここで、比較的上方の中空糸膜部分から採水された透過水は、上方の第2のキャップ10を介してそのまま透過水採取口13から採水されるが、下方の開口からキャップ50内に移動した透過水は、透過水保持室44に一旦保持され、連通管25の下方開口から連通管を介して上方のキャップ10の内部空間に移動して採水される。また、原料水から透過水が除去された濃縮水や原料水中に混在するエアーは、モジュール上部側面の排出口22から排出される。
以上により、透過水が中空糸膜24の両側から採水されるため、中空糸膜の内表面側の透過水流れによる圧力損失が平準化され、中空糸膜モジュール内における下方半分の中空糸膜のろ過への寄与率が高まり、結果として、膜面積当たりの処理流量が膜のモジュール内位置に対して平坦化される。この結果、必要以上にろ過圧力を高める必要が無くなり、加圧に使用する原料水送液ポンプの送液圧力を低減することが可能となるので、透過水の所定採水量当たりの消費電力が低減される。
同様に図1の中空糸膜モジュール組立体を用いた場合の、逆流洗浄時における液流れを図8を用いて説明する。採水された透過水の一部を上方のキャップ10の透過水採取口13から供給する。すると供給水の一部はそのまま上方に開口した中空糸膜24の中空部開口から逆流洗浄水として供給されるが、残部は連通管25を経て下方の透過水保持室44を介して、中空糸膜24の下側開口から逆流洗浄水として中空糸膜内に供給される。これにより中空糸膜の中空部の圧力分布が平坦化され、中空糸膜下方における逆流洗浄の効果が高くなる。逆流洗浄時の洗浄排水は、上方側面の濃縮水排出口22から排出してもよいし、図9に示したように、中空糸膜下方への連通管を介した透過水の循環供給を維持しながら原料水供給口43だけから排出するようにしてもよい。又は、これら両方から排水してもよい。
フラッシング時には、原料水を下方の原料水供給口43から原料水分配供給部を介してモジュール内空間23に供給し、その大部分を濃縮水排出ノズル22から排出することにより、中空糸膜24の外表面や中空糸膜間の隙間に堆積した懸濁物質を、高流速の水流れによりモジュール内から排出する。エアレーションフラッシングでは、下方の原料水供給口43からモジュール内空間23に圧縮エアー等の圧縮性気体を混合した原料水を導入し、エアレーションにより中空糸膜24を揺り動かしながら、懸濁物質と共に濃縮水排出ノズル22から排出する。
図1の中空糸膜モジュール組立体を用いた場合の、エアレーション逆洗時の液流れを図10に示す。上方の透過水採取口13から透過水を供給して逆洗すると共に、下方の原料水供給口43から圧縮エアーを供給し、逆洗に使用された水と圧縮エアーとを濃縮水排出ノズル22より排出する。この際、逆洗に使用される透過水は中空糸膜24の内表面側に圧力をかけるが、連通管25を介して中空糸膜24の上下両側端面開口から加圧されることになるので内表面の加圧圧力が膜の上方下方によらずに均等になり、エアレーション逆洗の効果が高くなる。
次に、透過水連通部が、異形二重管であるモジュールケースを使用することで形成される場合について図11を用いて説明する。図1の場合では1本以上の直管を連通管25として使用したが、図11の中空糸膜モジュールは、図1で連通管として使用した直管の代わりに、異形二重管であるモジュールケースを使用して、その異形部の開口断面積の小さい部分を透過水連通部(以降、異形連通部と略す)として使用している。それ以外は、図1の中空糸膜モジュールと構造はほぼ同じである。
ここでいう異形二重管とは、管の長さ方向に直角の断面の形状が、図1のモジュールケースのような一重の円形ではなく、一重の管の内部を壁により仕切られた構造や、又は二つ以上の管の外側が接している構造などにより、断面が二つの部分にあらかじめ分かれている管を言う。この異形二重管は異形連通部を複数もっていてもよいが、1箇所でも充分機能を発揮し得るので、押し出し成型時の成形性を考慮すると1箇所とするのが好ましい。中空糸膜と異形連通部は、上方の接着固定部と下方の接着固定部とのいずれの側においても開口しており、透過水が上方から下方、下方から上方へと通液可能である。
下方の接着固定部内には原料水分配供給部がほぼ埋設された状態で接着固定されており、原料水分配供給部の原料水供給元管部と下方の第1のキャップとが液密的に接合されている。この液密的な接合は、図1の場合と同様にO−リング等のシール部材を介したシール方法でも構わないし、接着剤を塗布して接着したものであってもよい。図11では、O−リングによる液密的なシールを用いた例が示されている。なお、上下のキャップはクランプを用いて中空糸膜モジュールに固定されている。
ここで、異形二重管を用いた中空糸膜モジュール組立体による通常ろ過時の液流れを、図11を従って説明する。原料水は、下方の第1のキャップを通りモジュール内に供給される。供給された原料水は、中空糸膜の外表面から内表面側へと透過し、透過水となって、中空糸膜の上下両方向に開口した中空糸膜開口から上下のキャップ内空間に移動する。ここで、上方から採水された透過水は第2のキャップを介して採水されるが、下方のキャップ内空間(透過水保持室)に移動した透過水は、異形連通部の下方開口から上方開口へと移動し、上方のキャップから採水される。以下、逆流洗浄、エアレーションフラッシング、エアレーション逆洗も図1と透過水連通部が異なるだけで水の流れは同様であるので説明は省略する。
なお、図11の中空糸膜モジュール構造例では、側面から排出する濃縮水ノズルを含む濃縮水保持室はO−リングを介して異形二重管の外側パイプ側面にシールされている。具体的には特許第3713343号公報に記載の方法が使用可能であるが、モジュールケースを製作する際に該当部位を事前に溶接又は接着により液密的にシール固定したものを用いても良いし、あるいは、濃縮水保持室を含めて連通部とするようにパイプを接合したものを使用してもよい。
次に、中空糸膜モジュールの製造方法を、原料水分配供給部の作成方法を中心に説明する。その他の点は、従来の中空糸膜モジュールと同様の製造方法を用いればよい。まず、図3に示すごとき中空の部材を用意する。図3(1)は、中空部材の上面図、(2)はC−C’断面図、(3)は正面図、(4)はD−D’断面図、(5)は下面図である。部材は、供給元管部となるパイプ部35と、パイプ部35を中心軸として放射状に、かつ互いに直角となるように十字に設けられた四つの中空板37、38(原料水供給分岐部になる)と、中空板の上面に沿って各一列に設けられた複数の穴32(原料水導入穴になる)とを備えている。また、中空板37、38の下端にはモジュールケース内で位置あわせ(センタリング)するためのリブ39が設けられており、さらに中空板の内部空隙の下面30は、中心軸に対して角度θの鋭角をなしたテーパー面となっている。特に図示していないが、E−E’断面は四角形であり、リブ39の先端(外周側)に近い断面ほど縦の長さが短くなる。なお、パイプ部35の下端は、接着固定の際に接着剤が内部に入り込まないように面36で封鎖されている。また、別の中空部材の例を図4に示す。この部材では、上面に設けられた穴32’(原料水導入穴になる)の数が図3の例より多く、またより中心に近い位置まで穴が設けられている。
これらの中空部材の材質としては、ステンレス鋼、アルミニウム合金等の金属製でも構わないが、部材の生産性やコスト等の観点から、高分子材料製であることが好ましい。具体的に使用できる素材を例示すると、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、AS樹脂、ABS樹脂等が挙げられる。この中空部材が高分子材料製であるときには、射出成形で製作される成型品を用いることが、原料水導入穴の相当直径の寸法精度やO−リングによるシール精度を高くするという点から好ましい。その際、接着剤との接着強さを増す目的で、中空部材のうち接着剤により接着される表面部分にシボ加工を施すことが好ましい。
これらの中空部材を用いて原料水分配供給部を形成するには、モジュールケース内に多数本の中空糸膜の束と必要により連通管とを挿入し、さらにモジュールケースの下端とする側に中空部材を方向を合わせて挿入し、この状態でモジュールケースの両側端部から接着剤を充填して固化させる。その際、両端部のうち中空部材を挿入した側では、中空部材の穴32が塞がれないように接着剤量を少なめに調整して充填する。接着剤が固化したら、両側端部をモジュール長さ方向の適切な位置で、モジュール長さ方向に対して直角の面で切断して中空糸膜の中空部、連通管及びパイプ部35を開口させて原料水分配供給部の供給元管部とする。これで中空糸膜モジュールが得られる。
なお、この製造方法によると、中空部材の上部平面31は中空糸膜モジュールの接着固定部27の内側端面31になるが、固化した接着剤が形成する内側端面28とは異なる高さの面となる。
一方、中空部材の上部平面31と接着剤の内側端面28とを同じ高さにそろえることも、以下の第二の方法として、挙げられる。この方法では上部平面31と接着剤の内側端面28とが同一面となるため、デッドスペースがなくなるという利点がある。これら2面の高さを揃えることができる製造方法を図12を用いて次に説明する。
接着剤の内側端面28と内側端面31とを同じ高さに揃えるためには、例えば、以下のようにすればよい。まず、中空糸膜モジュール組立体を構成する部材に影響を与えない水・熱水・有機溶媒等の液体を用意し、これらにより容易に溶解または吸液分散しうる素材を用いて原料水導入穴を一時的に塞ぐための栓部材60を成形する。そして、図12(1)に示した上記と同様の中空部材の原料水導入穴となる穴に、図12(2)に示したように、成形した栓部材を挿入して一時的に塞いだ状態にする。その際、中空部材の上面から突出した栓部材の高さが接着固定部となる面より突出するように挿入する。
この状態の中空部材を、中空糸膜及び必要により連通管と一緒にモジュールケース21内の所定の位置に収納し、図12(3)に示したように、中空部材が接着剤27に全部埋設されるが、栓部材60の上部は埋設されないように接着剤27を充填・固化して接着固定を行なう。内側端面の接着剤が固まった後で、切断線に沿ってモジュールケースの端部を切断し、中空部材の下部を開口すると共に、中空糸膜や連通管を開口する。ここで接着固定部の内側端面を栓部材60の上部が埋設されないようにする一つの方法として、以下に一例をあげる。
下部ヘッダーを上部ヘッダーと同様の排出口22が取り付けられたモジュールケースを用い、栓部材60が排出口22よりも内側になるように配置した後に、遠心接着を行い、液状の熱硬化性樹脂の不要分を排出口22から除去しながら接着固定することにより、栓部材60が埋まらないように製作できる。
次に、図12(4)に示したように、中空糸膜モジュールに下方のキャップ50を取り付ける。また、上方のキャップも同様に取り付けて中空糸膜モジュール組立体とする。そして、図12(5)に示したように、上記で用意した水・熱水・有機溶媒等の液体43を、下方のキャップの原料水供給口からモジュール内に供給すると、原料水導入穴を塞いでいた栓部材が溶解または吸液分散して消滅する。この方法によれば接着剤の内側端面と接着固定部の内側端面との間の段差が生じないから、デッドスペースも生じない良好な中空糸膜モジュールまたはその組立体が得られる。
中空糸膜その他の中空糸膜モジュール組立体構成部材に溶解などの影響を与えず、水、熱水や有機溶媒等の液体で溶解または吸液分散する素材の例を挙げると、でんぷん、酢酸セルロース、エチルセルロース等の多糖類やセルロース類、及びその混合物、ナトリウムやカリウムの炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、酢酸塩等が挙げられる。多糖類やセルロース類で中空部材を形成するには、カロボキシセルロース等のバインダーとなるものを混入して形成することが望ましく、炭酸塩等を使用する場合には、塩を加熱溶解して鋳型に流し込む方法、湿潤状態に押し固めたのち乾燥固化する方法が望ましい。
さらに、これらの素材を使用して栓部材を形成するだけではなく、中空部材のうち、原料水供給元管部となるパイプ部分のみ金属あるいは高分子材料で形成し、原料水供給分岐部を溶解可能な素材により形成した後、組み立てて原料水分配供給部としてもよい。また、原料水分配供給部を形成するための中空部材全体をこれらの素材で形成してもよいし、また、栓部材をあらかじめ挿入した中空部材を形成するようにしてもよい。いずれでも上記の方法により圧力損失が小さい好適な中空糸膜モジュールが得られる。
本発明で使用する原料流体は水とするのが好ましく、この原料水の濁度とTOC(Total Organic Carbon)との積が100,000度×mg/リットル以内であり、かつ濁度が100度以下、TOCが100mg/リットル以下であるのが好ましい。
次に、実験例、実施例及び比較例によって本発明を説明する。なお、従来使用されている中空糸膜モジュール組立体との性能比較は、原料水供給ポンプ及び逆洗水供給ポンプが独立しており、原料水タンク、透過水タンク(逆洗水タンクを兼ねる)は共通である、多系列評価装置を使用して行った。なお、この評価装置は、各系列の原料水供給ポンプをインバータによる制御とし、消費電力をモニタリングできるものである。また、原料水は実施例4、比較例3を除き、河川表流水を使用した。(実施例4と比較例3はモデル液を使用した閉鎖系での評価である。)
原料水中の濁度とTOCは以下の方法により測定した。
濁度:測定装置は、島津製作所製のUV−160A、50mmセルを使用し、JIS K0101 9.2に準拠して測定した。(50度以上の場合は蒸留水で希釈して測定した)
TOC:測定装置は、島津製作所製のTOC−5000Aを使用し、JIS K0101 20.1に準拠して測定した。
[実験例1]
まず、原料水導入穴の適切な穴径や穴の位置、数について実験した。図13(1)に示すように、側面に5mmの円形穴73を10mm間隔で6ヶ所、1列に開けたJIS K6742で示される呼び径20mm(外径26mm、近似内径20mm)のポリ塩化ビニル製パイプ72を用意し、その一方にはエンドキャップ71を取り付け、他方にはチーズ74を取り付けた試験部材を用意した。チーズの直角の分岐には圧力計を取り付け、他の分岐には水又は圧縮エアーが供給できるように継手を取り付けた(以下、このような構成の物をまとめて供給管と称する)。この供給管を使用して、大気圧下にて27[L/分]の水を供給したところ、各穴からの水排出は均一であった。このとき、27[L/分]の水を供給するためには圧力計における水の供給圧力を19[KPa]必要とした。次に、同じ供給管を使用して水中約30cm下にて圧力200[KPa]の圧縮エアーを1.2[Nm/Hr]供給したところ、いずれの穴からも均一にエアーが排出された。
[実験例2]
側面に5.5mm、6.0mm、6.5mm、7.0mmの円形穴が15mm間隔で開いている以外は実験例1と同様の、図13(2)に示すような呼び径20mmのポリ塩化ビニル管を用意して供給管とした。次に、大気圧下にて27[L/分]の水を供給したところ、各穴からの水排出は均一であった。このとき、27[L/分]の水を供給する為には圧力計における水の供給圧力を17[KPa]必要とした。次に同じ供給管を使用して水中約30cm下にて圧力200[KPa]の圧縮エアーを1.2[Nm/Hr]供給したところ、いずれの穴からも均一にエアーが排出された。
[実験例3]
円形穴の穴径、開口間隔は実験例1と同一で、パイプ径のみ呼び径13mm(外径18mm、近似内径13mm)とした図13(3)に示すような供給管を用意した。実験例1と同様に水、圧縮エアーを供給したところ、水は均一に供給され、必要供給圧力は25[KPa]であったが、エアー供給の場合、チーズから一番離れた穴からはエアーが時折排出されないこともあった。
[実験例4]
円形穴の穴径、開口間隔は実験例2と同一で、パイプ径のみ呼び径13mmとした図13(4)に示すような供給管を用意した。実験例1と同様に水、圧縮エアーを供給したところ、水は均一に供給され、必要供給圧力は23[KPa]であったが、エアー供給の場合、チーズから一番離れた穴からはエアーが時折排出されないこともあった。
[実験例5]
図3に示した中空部材において底面36が開いている以外は同様の中空部材(ポリ塩化ビニル製)を作成し、パイプ部35にチーズを取り付け、さらにチーズに圧力計と水または圧縮エアーを供給できるように継手を取り付けた。この中空部材は、パイプ部35の内径が26mmの直管であり、また、四つの中空板は十字状に組み合わされ、それぞれの中空番の上面31には、中心側からそれぞれ5.5mm、6.0mm、6.5mm、7.0mmの円形である穴32が15mm間隔で開いている。また、中空板内部の中空部分は、E−E’断面において矩形であり、その相当直径と開口断面積は、もっとも中心軸に近い部分の矩形断面で約20mm、610mmであり、もっとも中心軸から遠い末端で約13mm、200mmである。
この中空部材を使用して、大気圧下にて5[m/Hr]の水を供給したところいずれの穴からも均一に水が排出された。このとき、5.0[m/Hr]の水を供給するためには圧力計における水の供給圧力を4[KPa]必要とした。次に同じ中空部材を使用して、水中約50cm下にて、圧力200[KPa]の圧縮エアーを7[Nm/Hr]供給したところ、いずれの穴からも均一にエアーが排出された。また、圧縮エアー流量を5[Nm/Hr]、3[Nm/Hr]に減じても同様に均一にエアーが排出された。
[実験例6]
パイプ部下面が開口している以外は図4に示したものと同様の中空部材(ポリ塩化ビニル製)を作成し、そのパイプ部にチーズを取り付け、圧力計と水又は圧縮エアーが供給できるように継手を取り付けた。この中空部材のパイプ部は内径が26mmの直管であり、また、中空板は十字状であり、それぞれの中空板の上面31’には5mmの円形穴32が10mm間隔で6ヶ所開いている、また、この中空板の内部は、図3の部材同様にE−E’方向の断面が矩形の空隙になっており、その相当直径と開口断面積はそれぞれ、中心側で約22mm、600mmであり、外周側末端で約13mm、200mmである。
この原料水分配供給部を使用して、大気圧下にて4.8[m/Hr]の水を供給したところいずれの穴からも均一に水が排出された。このとき、4.8[m/Hr]の水を供給する為には圧力計における水の供給圧力を3[KPa]必要とした。次に同じ原料水分配供給部を使用して、水中約50cm下にて、圧力200[KPa]の圧縮エアーを5[Nm/Hr]供給したところ、いずれの穴からも均一にエアーが排出された。また、圧縮エアー流量を3[Nm/Hr]に減じても同様に均一にエアーが排出された。
[実験例7]
実開昭63−111901号公報の第5図に示されものと同様なエアー導入構造を有する、図14に示したごとき部材80を用意した。ここで、実開昭63−111901ではエアー導入構造であるが、これを原料水及びエアー導入部材として用いた。部材80は、互いに直角に組み合わされた4枚の原料水導入板82、83と、原料水導入板内において互いに直角になるように穿たれたパイプ状の空隙である原料水導入路84、86と、原料水導入路にパイプ部87から原料水を通液するスリットを確保するための外側円環81を有する。パイプ部87にチーズを取り付け、さらにチーズに圧力計と水または圧縮エアーが供給できる継手とを取り付けた。この部材80は、外側円環81の内部直径が149mmであり、スリット幅は3mmである。また、原料水導入路の直径は8mmである。
なお、本来は、接着固定部85の下部には透過水を保持する保持室があるべきであるが、この実験例では不要であるので、省略した部材とした。
この部材を使用して、大気圧下にて3.3[m/Hr]の水を供給したところ、4ヶ所の導入穴から均等に水が排出された。このとき、3.3[m/Hr]の水を供給する為に72[KPa]の供給圧力を必要とすることがわかった。実験例5、6の様に5[m/Hr]前後の水が排出されるようにするためには、150〜165[KPa]程度と過大な供給圧力が必要と予想され、それ以上の水供給実験を中止した。なお、実験例5、6と同程度の供給圧力である4[KPa]とした時の供給流量は0.8[m/Hr]であり、4ヶ所のうち1ヶ所は水が排出されない状況であった。また、同じ部材を使用して水中約50cm下にて、圧力200[KPa]の圧縮エアーを5[Nm/Hr]供給したところ、いずれの穴からも均一にエアーが排出された。また、圧縮エアー流量を3[Nm/Hr]に減じても同様に均一にエアーが排出された。
[実験例8]
実開平03−119424号公報の第2図、第3図に示されたものと同様なエアー導入構造を有する、図20に示したごとき部材130を用意した。ここで、実開平03−119424号ではエアー導入構造であるが、これを原料水及びエアー導入部材として用いた。部材130は接着固定部133内に中心から直径96mmの円周上に直径10.5mmの穴が120度間隔で6箇所穿たれ、下方端面には第2のキャップをO−リングを介してキャップ締結冶具132にて締結している。第2のキャップ端にあるフランジ部134にフランジ付チーズを取り付け、さらにチーズに圧力計と水又は圧縮エアーが供給できる継手とを取りつけた。ここで、水又は圧縮エアーは、フランジ部134から原料水供給口を介して第2のキャップ内に供給され、原料水導入路131を経てモジュール内に至る。
なお、本来は、接着固定部133内には透過水を保持する保持室があるべきであるが、この実験例では不要であるので、省略した部材とした。
この部材を使用して、大気圧下にて、4.8[m/Hr]の水を供給したところ、6箇所の導入穴から均一に水が排出され、その際に供給に必要な圧力は5[kPa]と実験例5、6と同様に低い供給圧力が確保された。次に同じ部材130を使用して、水中50cm下にて、圧力200[kPa]の圧縮エアーを7[Nm/Hr]供給したところ、いずれの穴からもエアーが排出されたが時折排出されない穴が見受けられた。また圧縮エアー流量を5[Nm/Hr]に減じたところ、エアーの排出されない穴の発生状況が顕著になり、3[Nm/Hr]まで減じると、エアーの全く排出されない穴が発生した。
[実施例1]
WO02/070115号公報の実施例3に記載の中空糸精密ろ過膜を6000本用意し、両端の開口を封止して束とした。また、外径22mmで近似内径が16mmであり中空糸膜と同じ長さの、両側が封止されたポリ塩化ビニル製パイプ2本を用意した。このパイプは連通管として用いる。これら中空糸膜束とパイプ2本とをまとめて、外径165mmで近似内径が153mmの円筒製パイプからなるモジュールケースに収納した。このモジュールケースはABS樹脂製である。次に、モジュールケースの一方の端部付近に図3に示し、実験例5で使用したものと同じ中空部材を挿入し、他方の端部はそのままとし、両側端部に遠心注型のための接着冶具を取り付けた。
次に、遠心注型を行い、片方側では中空糸膜とパイプと中空部材とモジュールケースとを、他方側では中空糸膜とパイプとモジュールケースとを、二液性ウレタン樹脂を充填して接着固定した。その際、中空部材の上面の穴が樹脂で塞がれないように充填樹脂量を調整した。樹脂が充分硬化した後に、両側の接着冶具を取り外し、両側端部を適切な位置で切断し、片方側では、中空糸膜の中空部、連通管、原料水分配供給部の供給元管部が開口している端面を、他方では中空糸膜の中空部と連通管とが開口している端面を露出させて、中空糸膜モジュールを得た。前者の端面には、図5に示したものと同様の第1のキャップをO−リングを介して取り付け、さらに金属製のキャップ締結治具を装着してナット締めすることにより、モジュール端面とキャップとの液密的なシールを行った。また、後者の端面には図1に示したキャップ10と同様の第2のキャップをO−リングを介して取り付け、同様に金属製のキャップ締結治具を用いてナット締めすることにより液密的なシールを行った。これで中空糸膜モジュール組立体が得られた。
この中空糸膜モジュール組立体は、モジュールケース内の中空糸膜の充填率(連通管の外径基準断面積を除いたパイプ内断面積に対する中空糸膜の外径基準断面積の割合)は、40%であり、外表面基準の膜面積が46m、有効膜長さ2mである。この中空糸膜モジュールを水透過性能を、イオン交換水を公称分画分子量6,000ダルトンの限外ろ過膜モジュールに透過せしめた水を原料水として用いて測定した。その結果を表1に記載した。
次に、この中空糸膜モジュール組立体を評価装置に取り付け、濁度が0.4−3.1度であり、平均濁度1.2度、TOCが0.32〜1.65mg/Lであり平均0.55mg/Lである河川表流水を原料水とするろ過安定性評価を行った。まず、設定採水量を2.2m/日{設定採水量(m/日)は濾過流量(m/日)を膜外表面積(m)で割った値}で29分濾過した後、エアレーション逆洗を60秒間行った。逆洗の流量は設定濾水採水量と同じ2.2m/日(膜外表面積基準)、モジュール下方の原料水分配供給部からのエアー量は5Nm/Hrとした。このサイクルを続けたところ、10日以上、約40KPaという低膜間差圧で安定した運転結果が得られた。10日間以上安定ろ過が可能であったので、設定採水量及び逆洗時の流量を2.7m/日に増して、続けてサイクルを継続したところ、膜間差圧は50−60KPaに増加したものの、さらに10日以上安定した運転が可能であった。その後いったん評価を中断し、設定採水量と逆洗時の流量を2.7m/日のままで評価を再開したが、引き続き、膜間差圧50−60KPaで10日以上の安定運転が可能であった。結果を図15に示した。
[実施例2]
WO02/070115号公報の実施例3に記載の中空糸精密ろ過膜を6000本束ね、両側の中空部開口を封止した。次に、外径が165mmで近似内径が153mmの円筒形であり、内部に、長さ方向に直角の断面が長径56mmで短径11mmの紡錘形開口を有する透過水連通部を備えた、ポリ塩化ビニル製の異形二重管を用意した。この二重管の両側端部外周には6.5Sのヘルール継手が設けられている。この二重管に中空糸膜束をまとめて収納した。この異形二重管の一方の端部のヘッド部側面には、側面外部から中空糸膜が収納された空間につながる直径6mmの穴が120箇所開口している。また、他方の端部に実験例6で用いたものと同じ中空部材を挿入し、両側端部に遠心注型のための接着冶具を取り付けた。
次に、遠心注型により、片方の端部では中空糸膜とモジュールケースを、他方の端部では中空糸膜とモジュールケースと中空部材とを、それぞれ二液性ウレタン樹脂を充填し固化させることで接着固定した。樹脂が充分硬化した後に、両側の接着冶具を取り外し、両側端部を適切な位置で切断し、一方の側では、中空糸膜の中空部、透過水連通部、供給元管部が開口している端面を、他方では中空糸膜の中空部と透過水連通部とが開口している端面を露出させて、中空糸膜モジュールを得た。該中空糸膜モジュールの一方の端部には図6に示す第1のキャップを、O−リングを介して取り付けてクランプ止めすることにより、モジュール端面とキャップとの液密的なシールを行った。また、他方端面には図1に示すキャップ10と同様なキャップをO−リングを介して取り付け、同様にクランプ締めした。またそれとは別に、図11に示す濃縮水排出ノズルを含む濃縮水保持室12を、O−リングを介して固定することにより中空糸膜モジュール組立体を得た。
この中空糸膜モジュール組立体は、中空糸膜の充填率(透過水連通部の外径基準断面積を除いたパイプ内断面積に対する中空糸膜の外径基準断面積の割合)は40%であり、外表面基準の膜面積が46m、有効膜長さ2mである。また、紡錘形である透過水連通部の内断面積は約400mmである。イオン交換水を公称分画分子量6,000ダルトンの限外ろ過膜モジュールに通して得た透過水を原料水として用い、この中空糸膜モジュールの水透過性能を測定した。その結果を表1に記載する。
[実施例3]
WO07/043553号公報実施例2に記載の中空糸精密ろ過膜を5800本用意し、両端の開口を封止して束とした。中空糸精密ろ過膜の種類膜内/外径と充填本数が異なる以外は実施例1と同一構造の中空糸膜モジュールを作成し、一方には第1のキャップを、他方には第2のキャップを取り付け、中空糸膜モジュール組立体を得た。
この中空糸膜モジュール組立体は、モジュールケース内の中空糸膜の充填率が40%であり外表面基準の膜面積が46m、有効膜長さ2mである。この中空糸膜モジュールの水透過性能を、イオン交換水を公称分画分子量6,000ダルトンの限外ろ過膜モジュールに透過せしめた水を原料水として用いて測定した。その結果を表1に記載した。
次に、この中空糸膜モジュール組立体を評価装置に取り付け、濁度が0.5−9.7度であり、平均濁度1.5度、TOCが0.35−1.83mg/L、平均0.58mg/Lの河川水を原料水とするろ過安定性評価を行った。まず、設定採水量を2.7m/日{設定採水量(m/日)は濾過流量(m/日)を膜外表面積(m)で割った値}で29分濾過した後、エアレーション逆洗を60秒間行った。逆洗の流量は設定濾水採水量と同じ2.7m/日(膜外表面積基準)、モジュール下方の原料水分配供給部からのエアー量は5Nm/Hrとした。このサイクルを続けたところ、20日の間、約50KPaという低膜間差圧で安定した運転結果が得られた。20日間の安定ろ過が可能であったので、設定採水量及び逆洗時の流量を3.3m/日に増して、続けてサイクルを継続したところ、膜間差圧は60−70KPaに増加したものの、さらに20日以上安定した運転が可能であった。その結果を図18に示した。
[実施例4]
WO07/043553号公報実施例2に記載の中空糸精密ろ過膜を1700本用意し、両端の開口を封止して束とした。また、外径が18mmで近似内径が13mmであり中空糸膜と同じ長さの、両端が封止されたポリ塩化ビニル製パイプを1本用意した。このパイプは連通管として用いる。これら中空糸膜束とパイプ1本をまとめて、外径89mmで近似内径が83mmの円筒製パイプからなるモジュールケースに収納した。このモジュールケースはポリ塩化ビニル製である。次に、モジュールケースの一方の端部付近に(実施例1、3とは大きさは異なるが)図3に示し、実験例5で使用したものと同じ中空部材を挿入し、他方の端部はそのままとし、両側端部に遠心注型のための接着冶具を取り付けた。
次に、遠心注型を行い、片方側では中空糸膜とパイプと中空部材とモジュールケースとを、他方側では中空糸膜とパイプとモジュールケースとを、二液性ウレタン樹脂を充填して接着固定した。その際、中空部材の原料水導入穴には市販の紙粘土とエチルセルロースとを等量(体積比)混合したものを円柱状に成型し、該導入穴に差し込んだ状態で接着固定した。
樹脂が充分硬化した後に、両側の接着冶具を取外し、両側端部を適切な位置で切断し、片方側では、中空糸膜の中空部、連通管、原料水分配供給部の供給元管部が開口している端面を、他方では中空糸膜の中空部と連通管とが開口している端面を露出させて中空糸膜モジュールが得られた。前者の端面には、図5に示したものと同様の第1のキャップをO−リングを介して取り付け、さらに金属製のキャップ締結治具を装着してナット締めすることにより、モジュール端面とキャップとの液密的なシールを行った。また、後者の端面には図1に示したキャップ10と同様の第2のキャップをO−リングを介して取り付け、同様に金属製のキャップ締結治具を用いてナット締めすることにより液密的なシールを行った。この中空糸膜モジュール組立体の濃縮水排出ノズルから50質量%エタノール水溶液を充填したまま一晩放置することにより、原料水分配供給部の導入穴を塞いだ紙粘土とエチルセルロースの混合成型物のうちエチルセルロース成分を溶解させた。一晩放置後に第1のキャップ側からのイオン交換水を圧力100KPaで逆洗を行い、残留している紙粘土成分を分散、排出することにより、原料水供給元管から供給分岐部を経て導入穴にいたる原料水の供給経路が確保された。
この中空糸膜モジュール組立体は、モジュールケース内の中空糸膜の充填率(連通管の外径基準断面積を除いたパイプ内断面積に対する中空糸膜の外径基準断面積の割合)は、40%であり、外表面基準の膜面積が13m、有効膜長さ2mである。この中空糸膜モジュールの水透過性能を、イオン交換水を公称分画分子量6,000ダルトンの限外ろ過膜モジュールに透過せしめた水を原料水として用いて測定した。その結果を表1に記載した。
次に、この中空糸膜モジュール組立体をラボ評価装置(ろ過水タンクのオーバーフロー分と逆洗等の物理洗浄排水を原料水タンクに戻す閉鎖系評価装置)に取り付け、原料水として、モデル液(フミン酸、ベントナイトの混合溶液{調製時、フミン酸濃度:TOCとして、100mg/リットル、ベントナイト濃度:濁度として、100度})を用いた。なお、中空糸膜束内に濁度成分やTOC成分が捕捉され、原料水中の濁度、TOC濃度が低下するので、定期的に原料水タンク濁度とTOCを測定し、それぞれ初期値の70%を下回った時にフミン酸成分及び/またはベントナイトを追加して評価した。設定採水量を2.8m/日で9分ろ過した後、エアレーション逆洗を60秒間行った。逆洗の流量は設定採水量と同じ2.8m/日、モジュール下方の原料水分配供給部からのエアー流量は1.5Nm/Hrとした。このサイクルを続けたところ、40〜60kPaの膜間差圧で安定運転が可能であった。その結果を図19に示した。
[比較例1]
中空糸精密ろ過膜の充填本数を6300本とし、一方の側は、固化後に端部を適切な位置で切断した場合に中空部が切断面に開口しないようにするために中空糸膜の中空部への封止を行わない状態で用いたこと、中空部材に代えて図16に示す外径11mmのポリエチレン製の中空状物24本を中空糸膜束内に配置して接着固化を行ったこと、連通部を設けていないこと以外は、実施例1と同様にして接着固定処理までを行った。他方は中空糸膜の中空部を封止処理した後、接着冶具を取り付けた。
次に、遠心注型により、モジュール片方側端部では中空糸膜とモジュールケースと中空状物とを、他方側端部では中空糸膜とモジュールケースとを、二液性ウレタン樹脂を充填し固化することで接着固定した。その際、中空状物の先端付近が樹脂に埋設されないように樹脂の充填量を調整した。樹脂が充分硬化した後に、両側の接着冶具を取外し、両側端部を適切な位置で切断して開口面を露出し、さらに片方側端部から24本の中空状物を取り除いた。こうして、一方の端部には中空糸膜の中空部、原料水供給のための24箇所の原料水またはエアー導入口が開口した端面を、他方では中空糸膜の中空部が開口した端面を得て、比較モジュールとした。この比較モジュールの両側端面のそれぞれに、図1に示す第2のキャップ10と同様のキャップをO−リングを介して取り付け、実施例1と同様にナット締めして、比較モジュール組立体を得た。
この比較モジュール組立体は、透過水を中空糸膜の片側だけから採水するものである。中空糸膜の充填率は40%であった。イオン交換水を分画分子量6,000ダルトンの限外ろ過膜モジュールで濾過した水を原料水として用い、この比較モジュール組立体を用いて透過性能を測定した。その結果を表1に記載する。
得られた比較モジュール組立体を実施例1と同じ評価装置に取り付け、同時並列にてろ過安定性試験を行った。まず、設定採水量を2.2m/日{設定採水量(m/日)は濾過流量(m/日)を膜外表面積(m)で割った値}で29分濾過した後、エアレーション逆洗を60秒間行った。逆洗の流量は設定濾水採水量と同じ2.2m/日(膜外表面積基準)、モジュール下部の原料水及びエアーの導入口からのエアー量は5Nm/Hrとした。このサイクルを続けたところ、10日以上、安定して運転が可能であったが、膜間差圧は約80KPaと実施例1の2倍の差圧を必要とした。膜間差圧が約80KPaと高めではあるものの、安定した運転結果が得られたので、設定採水量及び逆洗時の流量を2.7m/日に増して再度サイクルを継続したところ、10日以上安定した運転が可能であったが、膜間差圧は80−100KPaと実施例1の場合と比べ1.6倍の膜間差圧を必要とした。
いったん評価を中断し、設定採水量と逆洗時の流量を2.7m/日のままで評価を再開した。引き続き、10日以上の安定した運転が可能であったが、膜間差圧は中断前と同様に70−90KPaと、実施例1の場合の1.6倍程度の膜間差圧を必要とした。結果を図15に示す。
また、設定採水量を2.2m/Dとした時の比較例1の電力消費量を100とすると、実施例1では59であり、また、設定採水量を2.7m/Dとしたときでは、比較例1の電力消費量を100とすると、実施例1では71であった。よって、それぞれの設定採水量のときに、実施例1では、従来の59%または71%の消費電力でほぼ同一量の透過水が採水できたことになる。
[比較例2]
直径2mmである多数の円形穴が穿孔された外径32mm、近似内径25mmであり長さ2mのポリ塩化ビニル製管の片側を封止したものを1本用意した。このパイプは原料水供給管として用いる。また、実施例1と同様に、外径22mmで近似内径が16mmであり中空糸膜と同じ長さの、両側が封止されたポリ塩化ビニル製パイプ2本を用意した。このパイプは連通管として用いる。上記3本のパイプと実施例3に使用した、WO07/043553号公報実施例2に記載の中空糸精密ろ過膜を5600本用意し、両端の開口を封止して束としたものをまとめて実施例1、3と同じように中空糸膜モジュールを製作した。この際、外径32mmの原料水供給管として用いるパイプについては、モジュールケースの中心に配置して製作している。以上により得られた中空糸膜モジュールの原料水供給管が開口している側端面には第1のキャップを、後者の原料水供給管が封止されている側端面には第2のキャップをそれぞれO−リングを介して取りつけ、それぞれを金属製のキャップ締結冶具により締め付けた。以上により、本比較例の中空糸膜モジュール組立体を得た。
この比較モジュール組立体は、透過水を中空糸膜の両側から採水するが、原料水はその原料水供給管から、中空糸膜束長手方向全体に渡って開口した無数の穴より、束中心から束外周へと中空糸膜及び中空糸膜束に対して垂直に供給するものである。
中空糸膜の充填率は41%、であった。実施例3と同様にイオン交換水を分画分子量6,000ダルトンの限外ろ過膜モジュールに透過せしめた水を原料水として用いて水透過性能を測定した。その結果を表1に記載した。
次に、実施例3と同じ評価装置に取りつけ、同時並列にてろ過安定性試験を行った。まず、設定採水量を2.7m/日{設定採水量(m/日)は濾過流量(m/日)を膜外表面積(m)で割った値}で29分濾過した後、エアレーション逆洗を60秒間行った。逆洗の流量は設定濾水採水量と同じ2.7m/日(膜外表面積基準)、モジュール下部の原料水及びエアーの導入口からのエアー量は5Nm/Hrとした。このサイクルを続けたところ、評価5日目までは膜間差圧55KPaで安定するかにみえたが、そのまま膜間札が上昇し続け、20日経過後には110KPaまでとなった為に実施例3では行った、設定採水量3.3m/日の評価を中止した。この比較中空糸膜モジュールを解体して、中空糸膜束内の濁質成分の蓄積状況を確認したところ、中空糸膜束の束外周部ではあまり濁質成分の蓄積は認められず、逆に、原料水供給側である束中心付近では、びっしりと濁質成分が堆積していた。
[比較例3]
中空糸精密ろ過膜の充填本数を1800本とし、一方の側は、固化後に端部を適切な位置で切断した場合に中空部が切断面に開口しないようにするために中空糸膜の中空部への封止を行わない状態で用いたこと、中空部材に代えて図16に示す外径11mmのポリエチレン製の中空状物5本を中空糸膜束内に配置して接着固化を行ったこと、連通部を設置していないこと以外は、実施例4と同様にして接着固定処理までを行った。他方は中空糸膜の中空部を封止処理した後、接着冶具を取り付けた。
次に、遠心注型により、モジュール片方側端部では中空糸膜とモジュールケースと中空状物とを、他方側端部では中空糸膜とモジュールケースとを、二液性ウレタン樹脂を充填し固化することで接着固定した。その際、中空状物の先端付近が樹脂に埋設されないように樹脂の充填量を調整した。樹脂が充分硬化した後に、両側の接着冶具を取外し、両側端部を適切な位置で切断して開口面を露出し、さらに片方側端部から5本の中空状物を取り除いた。こうして、一方の端部には中空糸膜の中空部、原料水供給のための5箇所の原料水又はエアー導入口が開口した端面を、他方では中空糸膜の中空部が開口した端面を得て、比較モジュールとした。この比較モジュールの両側端面のそれぞれに、図1に示す第2のキャップ10と同様のキャップをO−リングを介して取り付け、実施例4と同様にナット締めして、比較モジュール組立体を得た。
この比較モジュール組立体は、透過水を中空糸膜の片側だけから採水するものである。中空糸膜の充填率は41%であった。イオン交換水を分画分子量6,000ダルトンの限外ろ過モジュールでろ過した水を原料水として用い、この比較モジュール組立体を用いて透過性能を測定した。その結果を表1に記載する。
次にこの比較中空糸膜モジュール組立体をラボ評価装置に実施例4の中空糸膜モジュール組立体と同時に並列して取り付け、ろ過の安定性評価運転を行ったところ、60〜100kPaの膜間差圧で安定運転が可能であった。これは、実施例4の場合に比べておよそ1.5倍高い膜間差圧でろ過運転が行われたことを示す。
Figure 0005351197
本発明の中空糸膜モジュール及びその組立体は種々の分野に使用できるが、特に河川水、湖沼水、伏流水等の除濁のような水処理の分野に好適に用いられる。
1 中空糸膜モジュール組立体
10 第2のキャップ
11 フランジ
12 カップ
13 透過水採取口
14 キャップ内部空間
15 O−リング
20 中空糸膜モジュール
21 モジュールケース
22 濃縮水又はエアー排出口
23 モジュール内空間
24 中空糸膜
25 連通管
26 接着固定部(上方)
27 接着固定部(下方)
28 接着端面
29 外側端面
30 テーパー面
31、31’ 内側端面または中空板の上面
32、32’ 原料水導入穴
33 原料水供給分岐部
34 供給元管部となる空間
35 パイプ部
36 下面
37、38 中空板
39 センタリング用リブ
40 フランジ
40’ 下端
41 カップ
42 供給元管部に接合する突出部
43 原料水供給口
44 透過水保持室
45 円環部
46 O−リング溝
48、48’ パイプ
50 第1のキャップ
51、52 キャップ締結治具
60 栓部材
70 試験部材
71 エンドキャップ
72 パイプ
73 円形穴
74 チーズ
80 部材
81 外側円環状空間
82、83 原料水導入板
84、86 原料水導入路
85 接着固定部
87 パイプ部
88 原料水供給口
90 中空状物
100 比較モジュール組立体
101、103 第2のキャップ
102 比較モジュール
104 モジュールケース
105 中空糸膜
106、107 接着固定部
108 原料水導入穴
110 原料水供給口
111 濃縮水又はエアー排出口
112 透過水採取口
120、121 キャップ締結治具
130 部材
131 原料水導入路
132 キャップ締結冶具
133 接着固定部
134 フランジ部
135 原料水供給口
141 中空糸膜が入る第1の部分
142 透過水連通部となる第2の部分

Claims (7)

  1. 中空糸膜の束の両側端部が接着固定部に固定された中空糸膜モジュールにおいて、
    原料水、圧縮エアー又は原料水と圧縮エアーの混合流れを供給する供給元管部と、
    供給された原料水、圧縮エアー又は原料水と圧縮エアーの混合流れを均一に分配するための複数の原料水供給分岐部と、
    分配された原料水、圧縮エアー又は原料水と圧縮エアーの混合流れを導入する原料水導入穴と
    が設けられた原料水分配供給部が、少なくとも一方の前記接着固定部の内部に埋設されており、
    前記接着固定部の両側端面間を通液可能にする透過流体連通管が配置され、
    前記原料水分配供給部にある前記原料水供給分岐部は、前記供給元管部から前記中空糸膜の長さ方向に沿って進んだ場合の前方角が鋭角をなす面を有することを特徴とする、中空糸膜モジュール。
  2. 前記原料水供給分岐部における断面積が、前記原料水、圧縮エアー又は原料水と圧縮エアーの混合流れの順流れ方向に沿って大きくなっていることを特徴とする請求項1に記載の中空糸膜モジュール
  3. 前記原料水供給分岐部は、前記長さ方向に略平行な板状の空隙であり、前記原料水分配供給部は複数の前記原料水供給分岐部が前記供給元管部を略中心軸として放射状に配置されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の中空糸膜モジュール
  4. 前記複数の原料水供給分岐部が、3から9の範囲で前記原料水供給元管部から分岐していることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の中空糸膜モジュール
  5. 前記原料水導入穴が前記原料水供給分岐部毎に複数設けられており、当該複数の原料水導入穴の相当直径の合計が、前記複数の原料水供給分岐部の最大相当直径より小さいことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の中空糸膜モジュール
  6. 前記原料水供給分岐部を中心から外側方向に1/2半径で中心側と外側を区分した時に、外側区分に設けられた原料水導入穴の相当直径の合計が、中心側区分に設けられた原料水導入穴の相当直径の合計よりも大きいことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の中空糸膜モジュール
  7. 前記複数の原料水導入穴が等間隔で穿たれていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の中空糸膜モジュール
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