JPH07171354A - 外圧式中空糸状膜モジュール - Google Patents

外圧式中空糸状膜モジュール

Info

Publication number
JPH07171354A
JPH07171354A JP34449193A JP34449193A JPH07171354A JP H07171354 A JPH07171354 A JP H07171354A JP 34449193 A JP34449193 A JP 34449193A JP 34449193 A JP34449193 A JP 34449193A JP H07171354 A JPH07171354 A JP H07171354A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hollow fiber
fiber membrane
raw water
module
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP34449193A
Other languages
English (en)
Inventor
Cho Taniguchi
超 谷口
Nobuhiko Suga
伸彦 菅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP34449193A priority Critical patent/JPH07171354A/ja
Publication of JPH07171354A publication Critical patent/JPH07171354A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 懸濁物質を含んだ水から、清澄水を効率よく
得るための構造を有する中空糸状膜モジュールを提供す
る。 【構成】 中空糸状膜を接着固定する樹脂隔壁自体に、
原水供給口が直接開口しており、更に濃縮水出側には、
中空糸状膜への横方向に加わる剪断力を緩和すると共に
濃縮水の偏流を防止する機能を兼ねた、整流筒を備えて
いる外圧式中空糸状膜モジュール。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は種々の分野に使用される
中空糸状膜モジュール、特に水処理分野に使用される外
圧式中空糸状膜モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】中空糸状膜モジュールは、単位体積当た
りの膜面積が大きく取れることから、逆浸透膜、限外濾
過膜、精密濾過膜、ガス分離膜等に多数使用されてい
る。通常、中空糸状膜モジュールは、長さ200ないし
3000ミリメートル、膜外径0.1ないし5ミリメー
トルの中空糸状膜を数百ないし数万本束ねてハウジング
に収納し、両側端部を熱硬化性樹脂で接着固定を行い、
端部を切断することにより中空糸状膜の中空部を開口さ
せることにより製造されている。また、熱硬化性樹脂と
しては、2液性のエポキシ樹脂が広く使用されている。
更に、中空糸状膜に対し同軸上に原料水の導入口が設け
られている外圧式中空糸状膜モジュールにおいては、中
空糸状膜束の原料水導入側端部に原料水導入の為の導入
管を埋設させ、かつ中空糸状膜の中空部に樹脂が注入さ
れるように接着固定する事により、切断後においては原
料水導入口のみが開口したモジュール端面を作成するこ
とができる。また、いわゆる『クロスフロー濾過』を行
う場合には、濃縮水のモジュール外への排出方法には、
中空糸膜束と垂直方向に濃縮水出側ノズルをモジュール
ハウジングに設置する方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、懸濁物
質を含む原料水を濾過する場合、従来は実願平4−65
218号に記載されている様に、原料水導入管を配置し
たままの状態で使用されており、そのため、原水流れの
ポテンシャルコアの長さとハウジング内部に突出してい
る導入管の長さとの和の分だけ、余分に中空糸状膜表面
及び中空糸状膜間に懸濁物質が堆積或いは蓄積すること
になり、有効な膜面積が減少するという問題点があり、
極端に懸濁物質の蓄積が進んだ場合には接着界面付近で
の中空糸状膜の破壊を招く可能性もあり、実際の使用に
関しては運転条件等の制限を受けることがあった。それ
らの問題を防止するためには、原料水導入口のモジュー
ル内への開口端面を、中空糸状膜の接着剤による接着界
面に等しくする事が最善の解決法であると考えられる
が、従来の方法により作成したモジュールでは、通常、
中空糸状膜のハウジングへの接着固定は遠心接着法が採
用されているが、この方法では接着界面が絶対的な平面
とはならず、先の接着界面と原料水導入口の開口端面と
を同一面とするには原料水導入管の埋設には細部にわた
る微調整が必要となってくるために、生産上、開口端面
を接着界面に等しくする事が極めて困難である。
【0004】また、クロスフロー濾過を行う場合には、
濃縮水出側ノズルを中空糸状膜束に対して垂直方向に排
出ノズルを設置するのであるが、そうすると、濃縮水流
れに偏流が発生し、濃縮水出側ノズルの反対側に濃縮水
の滞留が発生し、そのため、滞留部に懸濁物質の蓄積が
発生し、有効膜面積が減少することとなり、また、中空
糸状膜に横方向に剪断力が働き膜の破壊を招く可能性が
高くなる等によりモジュールが性能上不利益を被る。な
お、このような現象はクロスフロー濾過以外の場合でも
起こっており、当分野において問題となっていた。
【0005】
【課題を解決する為の手段】本発明者らは、上記問題に
対し鋭意検討した結果、中空糸状膜束とハウジングを接
着固定する樹脂との剥離性の良好な柱状物或いは板状物
を埋設した後に遠心接着を行い、不要な樹脂部を切断後
にその柱状物或いは板状物を剥離して取り外すことによ
り、接着界面と同一面に開口した原料水導入口を形成す
ること、及び濃縮水出側ノズル側の中空糸状膜束端部に
整流筒を設置することにより、整流筒の外部に液流のあ
る液室を設け、濃縮水の滞留を防止し、なおかつ、中空
糸状膜の接着界面付近の横方向に加わる剪断力を緩和
し、それによって上記課題を解決した。
【0006】即ち、本発明は、多数本の中空糸状膜を束
ね、ハウジングに接着固定してなる外圧式中空糸状膜モ
ジュールに於いて、中空糸状膜を接着固定した樹脂隔壁
に開口した空間自体を原水の供給口となし、なおかつ原
水供給口とは異なる端部に整流筒が配置されている事を
特徴とする外圧式中空糸状膜モジュール、である。ま
た、本発明の好ましい態様としては、上記の特徴を有す
るクロスフロー濾過形式の外圧式中空糸状膜モジュー
ル、である。ここでいう「クロスフロー濾過形式」と
は、濃縮水出側ノズルを中空糸状膜束に対して垂直方向
に排出ノズルを設置する形式をいう。以下、本発明を詳
細に説明する。
【0007】配置される整流筒の材質としては、ポリテ
トラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキ
サフルオロプロピレン共重合体樹脂,テトラフルオロエ
チレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体
樹脂,エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体樹
脂,ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂、ポリエチレ
ン,ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリエステル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ン、ポリフェニレンエーテル等が使用可能である。ま
た、原料水導入口を形成させるための柱状物或いは板状
物としては、接着剤との剥離性が良好なものであればど
の様な樹脂でも使用可能であり、例えば、ポリテトラフ
ルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフル
オロプロピレン共重合体樹脂,テトラフルオロエチレン
−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂,
エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体樹脂,ポリ
フッ化ビニリデン等のフッ素樹脂、ポリエチレン,ポリ
プロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ
エステル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ
フェニレンエーテル等があげられ、また、その表面が平
滑な樹脂製の形状は、三角形,四角形,六角形等の多角
形、円形、楕円形、扇形、C字形、星形の断面形状を有
する柱状、板状或いは内部が空洞になっている前記形状
ものが使用可能である。上記原料水導入口の開口断面は
何れの場合も効果があるが、特に円形或いは楕円形の断
面形状を有している場合が、空間内の流体の圧力損失が
最も小さくなることから、最も有利である。
【0008】本発明で使用される中空糸状膜としては、
スルホン化ポリフェニンエーテル、酢酸セルロース、セ
ルロース、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、スル
ホン化ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテ
トラフルオロエチレン、パーフルオロスルホン酸樹脂、
ポリビニルアルコール等の単独或いは共重合体を使用し
た限外濾過膜、精密濾過膜が挙げられる。また、本発明
で使用される接着剤としては、ウレタン樹脂、エポキシ
樹脂、エポキシアクリレート樹脂、シリコン系樹脂が挙
げられる。更に、本発明で使用されるモジュールのハウ
ジングとしては、ポリテトラフルオロエチレン、テトラ
フルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体
樹脂、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン
−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂等
のフッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエー
テルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエー
テルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ステンレス等
が挙げられる。
【0009】
【実施例】以下に実施例により本発明を、更に詳細に説
明する。 (実施例1)旭化成工業(株)製のポリアクリロニトリ
ル系中空糸状限外濾過膜(内径0.8ミリメートル,長
さ1200ミリメートル,公称分画分子量13000)
の多数本を束ね、その膜束を外径89ミリメートル,長
さ1000ミリメートルの透明ポリスルホン製のモジュ
ールハウジングに収納した。次にその片側に長さ100
ミリメートル,内径75ミリメートルの図1記載の形状
のポリエチレン製整流筒を中空糸状膜束とモジュールハ
ウジングの間に設置し、更に他端に長さ150ミリメー
トル,外径12ミリメートルのポリエチレン製のチュー
ブ状物を図2に示した様な配置に従って埋設し、エポキ
シ樹脂を用いて、遠心接着法により、中空糸状膜束とモ
ジュールハウジング、整流筒及びチューブ状物を接着し
た。樹脂が充分硬化した後、一方端は中空糸状膜を開口
させるために、他方端は、中空糸状膜はエポキシ樹脂に
より閉塞された状態とし、また、ポリエチレン製のチュ
ーブ状物を剥離して取り出すために接着端面を切断し、
5本のチューブ状物を取り除いた。それにより、今まで
チューブ状物が配置されていた空間が原水供給口とな
り、本発明による外圧式モジュールが作成された。
【0010】以上の様に作成した中空糸状膜モジュール
を2本用いて濁度3から18の河川水を原水として、原
水入側圧力150キロパスカル,原水出側圧力50キロ
パスカルでの定圧循環濾過運転を1か月間継続した。そ
の結果、1か月後の透過水量は運転開始直後の54パー
セントに低下していた。また原水供給側でけん濁物質の
蓄積が約50ミリメートルの高さまで堆積している箇所
が4箇所観察され、また、整流筒内には懸濁物質の堆積
が確認できた。2本のモジュールのうち1本のモジュー
ルをそのまま解体し、糸束内部のけん濁物質の蓄積を調
べてみたところ、原水入側から最大で75ミリメートル
の長さに渡って蓄積している箇所がみつかった。更に濃
縮水出側の糸束の汚染状況を調べたところ、図6の様に
整流筒内では接着界面から38から40ミリメートルの
高さでほぼ均一に懸濁物質の蓄積が確認され、整流筒外
部ではほとんど懸濁物質の蓄積は確認されなかった。
【0011】もう1本のモジュールに対し逆洗,フラッ
シングを施したところ、原水供給側の糸束表面の懸濁物
質がほぼ無くなった。また、濃縮水出側の整流筒内の懸
濁物質も、前述の逆洗,フラッシングを実施しなかった
モジュールの場合よりもみかけの懸濁物質の量が少なく
なっていた。このモジュールを解体し、内部の汚染状況
を調べたところ、原水入側から最大で25ミリメートル
の長さに渡って蓄積している箇所がみつかった。更に濃
縮水出側の糸束の汚染状況を調べたところ、整流筒内で
は接着界面から22から24ミリメートルの高さでほぼ
均一に懸濁物質の蓄積が確認され、整流筒の外部ではほ
とんど懸濁物質の蓄積は確認されなかった。
【0012】(実施例2)旭化成工業(株)製のポリエ
チレン中空糸状精密濾過膜(内径0.7ミリメートル,
長さ1200ミリメートル,公称孔径0.2マイクロメ
ートル)の多数本を束ね、その膜束を外径89ミリメー
トル,長さ1000ミリメートルの一部透明のポリ塩化
ビニル製のモジュールハウジングに収納した。次にその
片側に長さ100ミリメートル,内径75ミリメートル
の図1記載の形状のポリエチレン製整流筒を中空糸状膜
束とモジュールハウジングの間に設置し、更に他端には
長さ100ミリメートル,外径9ミリメートルのテトラ
フルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテ
ル共重合体樹脂製の円柱状物を図3に示す様に埋設し、
エポキシ樹脂を用いて、遠心接着法により、中空糸状膜
束とモジュールハウジング及び円柱状物を接着した。樹
脂が充分硬化した後、一方端は中空糸状膜を開口させる
ために、他方端は、円柱状物を剥離して取り出すために
接着端面を切断し、更に、円柱状物を取り除き形成され
た空間を原水供給口とした。
【0013】以上の様に作成した中空糸状膜モジュール
を1本用いて濁度2から13の河川水を原水として、原
水入側圧力50キロパスカル,原水出側圧力20キロパ
スカルでの定圧循環濾過を1か月間継続した。その結果
1か月後の透過水量は運転開始直後の48パーセントに
低下していた。このモジュールを解体し、糸束の汚れ具
合を見たところ、原水供給側では接着界面から約20ミ
リメートルの高さまで懸濁物質が堆積している箇所が8
か所存在し、糸束内部をさらに観察すると、原水入側か
ら最大で62ミリメートルの長さに渡って蓄積している
箇所がみつかった。また、濃縮水出側近傍の糸束内部を
観察したところ、図6に示す様に、整流筒内では接着界
面から44から47ミリメートルの高さでほぼ均一に懸
濁物質が蓄積していることが確認できた。
【0014】(実施例3)旭化成工業(株)製のポリフ
ッ化ビニリデン中空糸状精密濾過膜(内径1.0ミリメ
ートル,長さ250ミリメートル,公称孔径0.45マ
イクロメートル)の多数本を束ねた。次に、長さ200
ミリメートル,外径35ミリメートルのステンレス製モ
ジュールハウジングに収納し、長さ35ミリメートル,
内径30ミリメートルのステンレス製の図4に示す形状
の整流筒を配置した。更に、長さ60ミリメートル,厚
み3ミリメートル,幅10ミリメートルのポリテトラフ
ルオロエチレン製の板状物を図5に示す様に埋設し、シ
リコン系の熱硬化性樹脂を用いて遠心接着法により、中
空糸状膜束とモジュールハウジング、整流筒及び板状物
を接着した。樹脂が充分硬化した後、一方端は中空糸状
膜を開口させさせるために、他方端は板状物を取り出す
為に接着端部を切断し、板状物を剥離して取り除いた。
【0015】以上の様に作成したモジュールを濁度15
のモデル原水を使用して、原水入側圧力40キロパスカ
ル,原水出側圧力20キロパスカルでの定圧循環濾過運
転を4週間継続した。その結果、4週間後の透過水量
は、運転開始直後の42%に低下した。このモジュール
の懸濁物質の蓄積状況をみるため解体し、観察したとこ
ろ、糸束内部の原水供給側に4ヵ所の蓄積が確認され、
各々の蓄積物の高さは原水供給側樹脂隔壁からそれぞれ
22ミリメートル,23ミリメートル,25ミリメート
ル,30ミリメートルであった。また、整流筒の糸束内
部の懸濁物質の蓄積状態を観察したところ、図6に示す
様に、17から20ミリメートルの高さでほぼ均一な蓄
積が観察された。
【0016】(比較例1)旭化成工業(株)製のポリア
クリロニトリル系中空糸状限外濾過膜(内径0.8ミリ
メートル,長さ1200ミリメートル,公称分画分子量
13000)の多数本を束ね、その膜束を外径89ミリ
メートル,長さ1000ミリメートルの透明ポリスルホ
ン製のモジュールハウジングに収納した。次にその片側
に長さ150ミリメートル,外径12ミリメートルのポ
リチレン製のチューブ状物を図2に示した様な配置に従
って埋設し、エポキシ樹脂を用いて、遠心接着法によ
り、中空糸状膜束とモジュールハウジング及びチューブ
状物を接着固定した。樹脂が充分硬化した後、一方端は
中空糸状膜を開口させるために、他方端は、中空糸状膜
はエポキシ樹脂により閉塞された状態とし、ポリエチレ
ン製のチューブ状物による原水供給口を開口させるため
に、両側接着端面を切断した。チューブ状物の中空部が
原水供給口となり、接着界面から約75ミリメートル突
出した原水供給口を複数持つ外圧式モジュールを作成し
た。
【0017】以上の様に作成した中空糸状膜モジュール
を用いて実施例1と同時に同条件で定圧循環濾過運転を
1か月間継続した。その結果、1か月後の透過水量は運
転開始直後の34パーセントまで低下していた。また原
水供給側での懸濁物質の蓄積が158ミリメートルの高
さまで堆積している箇所が4箇所、観察された。このモ
ジュールに物理洗浄を施した後解体し、糸束内部の懸濁
物質の蓄積を調べてみたところ、原水入側から最大で1
82ミリメートルの長さに渡って蓄積している箇所がみ
つかった。また、濃縮水出側付近の汚染状況を観察した
ところ、図7に示す様に、懸濁物質の蓄積に大きな偏り
が観察され、最大120ミリメートル、最小15ミリメ
ートルの高さに蓄積していた。
【0018】(比較例2)旭化成工業(株)製のポリエ
チレン中空糸状精密濾過膜(内径0.7ミリメートル,
長さ1200ミリメートル,公称孔径0.2マイクロメ
ートル)の多数本を束ね、その膜束を外径89ミリメー
トル,長さ1000ミリメートルの一部透明のポリ塩化
ビニル製のモジュールハウジングに収納した。次にその
一方端に長さ150ミリメートル,外径9ミリメートル
のテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニ
ルエーテル共重合体樹脂製のチューブ状物を図3に示す
様に埋設し、エポキシ樹脂を用いて、遠心接着法によ
り、中空糸状膜束とモジュールハウジング及びチューブ
状物を接着固定した。樹脂が充分硬化した後、一方端は
中空糸状膜を開口させるために、他方端は、チューブ状
物を開口させるために切断した。チューブ状物の中空部
が原水供給口となり、接着界面から約75ミリメートル
突出した原水供給口を複数持つ外圧式モジュールを作成
した。
【0019】以上の様に作成した中空糸状膜モジュール
を2本用いて実施例2と同条件で同時に1ヵ月の循環濾
過運転を実施した。その結果、1ヵ月後の透過水量は運
転開始直後の値の約31パーセントまで低下していた。
また原水供給側でけん濁物質の蓄積が120ミリメート
ルの高さまで体積している箇所が8箇所、観察され、ま
た、図7に示す様に、濃縮水出側ノズル近傍には懸濁物
質の蓄積は見られないものの、ノズルの反対側には約1
50ミリメートルに高さまで懸濁物質の蓄積が観察され
た。このモジュールの内1本を解体し糸束内部のけん濁
物質の蓄積を調べてみたところ、原水入側から最大で1
56ミリメートルの長さに渡って蓄積している箇所がみ
つかり、さらに濃縮水出側近傍では最大152ミリメー
トル、最小22ミリメートルの高さまで、懸濁物質の堆
積が観察された。次に残りの1本に物理洗浄を施した後
に解体した。原水供給側では、102ミリメートルの高
さまで懸濁物質の蓄積が観察され、更に糸束内部を見た
ところ約130ミリメートルの高さまで懸濁物質の蓄積
が確認できた。また、濃縮水出側近傍では、最大143
ミリメートル、最小20ミリメートルの高さで懸濁物質
が偏って蓄積していた。
【0020】(比較例3)旭化成工業(株)製のポリフ
ッ化ビニリデン中空糸状精密濾過膜(内径1.0ミリメ
ートル,長さ250ミリメートル,公称孔径0.45マ
イクロメートル)の多数本を束ね、その膜束を外径35
ミリメートル,長さ200ミリメートルのステンレス製
モジュールハウジングに収納した。次に、その一方端に
長さ60ミリメートル,厚み3ミリメートル,幅10ミ
リメートルのポリプロピレン製の袋状になった板状物を
図5に示す様に埋設し、シリコン系樹脂を用いて遠心接
着法により、中空糸状膜束とモジュールハウジング及び
板状物を接着固定した。樹脂が充分硬化した後、一方端
は中空糸状膜を開口させるために、他方端は板状物の空
洞部を開口させるために接着端部を切断した。袋状の板
状物の内部が原水供給口となり、接着界面から、約20
ミリメートル突出した原水供給口を複数個持つ外圧式モ
ジュールを作成した。
【0021】以上の様に作成した中空糸状膜モジュール
を使用して実施例3と同条件で同一のモデル液を使用し
て4週間の定圧濾過運転を実施した。その結果、4週間
後の透過水量は運転開始直後の値の22パーセントまで
低下していた。このモジュールの懸濁物質の蓄積状況を
みるため解体し、観察したところ、糸束内部の原水供給
側に4か所の蓄積が確認され、各々の蓄積物の高さは原
水供給側樹脂隔壁からそれぞれ35ミリメートル,38
ミリメートル,39ミリメートル,55ミリメートルで
あった。また、濃縮水出側近傍の糸束への懸濁物質の蓄
積状況を観察したところ、図7に示す様に、ノズルの反
対側で最大となり36ミリメートル、ノズル側で最小と
なり12ミリメートルの蓄積が観察された。また、この
部分は、懸濁物質が粘土状になっており、中空糸状膜同
士が固着し、濾過に寄与していなかった。
【0022】
【発明の効果】以上の様に、本発明により、けん濁物質
を含んだ水、例えば河川水,湖沼水,海水から清澄な水
を得る為に透過水量が安定して長期間得られるモジュー
ルを提供することが可能となり、本発明の意義は大き
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1及び2で用いた整流筒の模式図。
【図2】実施例1及び比較例1で用いた中空糸状膜モジ
ュールの原水供給側の模式図。
【図3】実施例2及び比較例2で用いた中空糸状膜モジ
ュールの原水供給側の模式図。
【図4】実施例3で用いた整流筒の模式図。
【図5】実施例3及び比較例3で用いた中空糸状膜モジ
ュールの原水供給側の模式図。
【図6】実施例1〜3の中空糸状膜モジュールの濃縮水
出側の懸濁物質の蓄積状態を示す模式図。
【図7】比較例1〜3の中空糸状膜モジュールの濃縮水
出側の懸濁物質の蓄積状態を示す模式図。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数本の中空糸状膜を束ね、ハウジング
    に接着固定してなる外圧式中空糸状膜モジュールに於い
    て、中空糸状膜を接着固定した樹脂隔壁に開口した空間
    自体を原水の供給口となし、なおかつ原水供給口とは異
    なる端部に整流筒が配置されている事を特徴とする外圧
    式中空糸状膜モジュール。
JP34449193A 1993-12-20 1993-12-20 外圧式中空糸状膜モジュール Withdrawn JPH07171354A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34449193A JPH07171354A (ja) 1993-12-20 1993-12-20 外圧式中空糸状膜モジュール

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34449193A JPH07171354A (ja) 1993-12-20 1993-12-20 外圧式中空糸状膜モジュール

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07171354A true JPH07171354A (ja) 1995-07-11

Family

ID=18369682

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34449193A Withdrawn JPH07171354A (ja) 1993-12-20 1993-12-20 外圧式中空糸状膜モジュール

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07171354A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6322703B1 (en) 1999-04-20 2001-11-27 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Method for purifying aqueous suspension
JP2005088008A (ja) * 2004-11-26 2005-04-07 Asahi Kasei Chemicals Corp エアレーションフラッシング用外圧式中空糸膜モジュールのろ過方法
JP2006198495A (ja) * 2005-01-19 2006-08-03 Daicen Membrane Systems Ltd 中空糸膜モジュール
JP2007144349A (ja) * 2005-11-29 2007-06-14 Ebara Corp 中空糸膜モジュール
WO2008035593A1 (fr) * 2006-09-19 2008-03-27 Toray Industries, Inc. Module de membranes à fibres creuses
WO2008143292A1 (ja) 2007-05-22 2008-11-27 Asahi Kasei Chemicals Corporation 中空糸膜モジュールとその製造方法および中空糸膜モジュール組立体とそれらを使用した懸濁水の浄化方法

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6322703B1 (en) 1999-04-20 2001-11-27 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Method for purifying aqueous suspension
US6495041B2 (en) 1999-04-20 2002-12-17 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha Method for purifying aqueous suspension
JP2005088008A (ja) * 2004-11-26 2005-04-07 Asahi Kasei Chemicals Corp エアレーションフラッシング用外圧式中空糸膜モジュールのろ過方法
JP2006198495A (ja) * 2005-01-19 2006-08-03 Daicen Membrane Systems Ltd 中空糸膜モジュール
JP2007144349A (ja) * 2005-11-29 2007-06-14 Ebara Corp 中空糸膜モジュール
WO2008035593A1 (fr) * 2006-09-19 2008-03-27 Toray Industries, Inc. Module de membranes à fibres creuses
AU2007298338B2 (en) * 2006-09-19 2012-03-15 Toray Industries, Inc. Hollow fiber membrane module
US8307991B2 (en) 2006-09-19 2012-11-13 Toray Industries Inc. Hollow fiber membrane module
JP5262111B2 (ja) * 2006-09-19 2013-08-14 東レ株式会社 中空糸膜モジュール
WO2008143292A1 (ja) 2007-05-22 2008-11-27 Asahi Kasei Chemicals Corporation 中空糸膜モジュールとその製造方法および中空糸膜モジュール組立体とそれらを使用した懸濁水の浄化方法
EP2263782A1 (en) 2007-05-22 2010-12-22 Asahi Kasei Chemicals Corporation Device for fluid distribution in hollow fiber membrane modules
US8257590B2 (en) 2007-05-22 2012-09-04 Asahi Kasei Chemicals Corporation Hollow fiber membrane module, process for manufacturing the same, hollow fiber membrane module assembly and method of purifying suspended water with use thereof

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4932492B2 (ja) 中空糸膜カートリッジ
JP4012640B2 (ja) 中空糸膜モジュール
KR100382012B1 (ko) 중공사막 카트리지
US8070947B2 (en) Permselective membrane module and method for manufacturing the same
JPH11290660A (ja) 異物が混合する流動媒体を分離するための分離装置
JP2003024751A (ja) 中空糸膜カートリッジ
JPH0729029B2 (ja) 中空糸型膜分離装置
JPH06165923A (ja) 中空繊維薄膜ウエーファーのカートリッジと積み重ねたカートリッジを有するモジュール
JP2006247540A (ja) 中空糸膜モジュールおよびその運転方法
JP5353693B2 (ja) 濾過膜装置
JP5359872B2 (ja) 浸漬型中空糸膜モジュール
JPH07171354A (ja) 外圧式中空糸状膜モジュール
WO2004112944A1 (ja) 膜カートリッジ、膜分離装置及び膜分離方法
JPH09220446A (ja) 外圧式中空糸膜モジュール
JPH10230145A (ja) スパイラル型膜エレメント
JP4269171B2 (ja) エアレーションフラッシング用外圧式中空糸膜モジュールのろ過方法
JP2000271457A (ja) スパイラル型膜エレメントおよびスパイラル型膜モジュールの運転方法ならびにスパイラル型膜モジュール
JP4437527B2 (ja) 膜ろ過モジュール
JP2006082036A (ja) 中空糸膜モジュール
WO2017159516A1 (ja) 外圧式中空糸膜モジュール
JPWO2012133068A1 (ja) 中空糸膜モジュール
JP2005262206A (ja) 中空糸膜モジュール
JPH10230140A (ja) スパイラル型膜エレメント
JP3994294B2 (ja) 中空糸膜モジュールおよびその製造方法
JP2951189B2 (ja) 中空糸膜モジュール

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20010306