JP5347671B2 - 回転機の制御装置 - Google Patents

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本発明は、互いに相違する値を有する電圧を印加する複数の電圧印加手段と回転機の端子とを選択的に開閉するスイッチング素子を備える電力変換回路を操作することで前記回転機の制御量を制御する回転機の制御装置に関する。
この種の制御装置としては、3相電動機の各相に流れる電流を指令値にフィードバック制御すべく、各相の指令電圧を算出し、算出される指令電圧と三角波形状のキャリアとの大小に基づきインバータのスイッチング素子を操作する三角波比較PWM制御を行うものも提案され、実用化されている。
ただし、上記三角波比較PMW制御を、その指令電圧がインバータの入力電圧よりも大きくなるいわゆる過変調領域においても行う場合、インバータの出力電圧に大きな高調波が含まれ、これが3相電動機を流れる電流の応答性に影響を及ぼす問題がある。この問題は、インバータの出力電圧を指令電圧とすることができると仮定して電流制御系を設計していることに起因するものである。
そこで従来、例えば下記特許文献1に見られるように、インバータの操作状態を様々に設定した場合についての3相電動機を流れる電流をそれぞれ予測し、予測される電流と指令電流との偏差を最小化することのできる操作状態にてインバータを操作するいわゆるモデル予測制御を行うものも提案されている。これによれば、インバータの出力電圧に基づき予測される電流の挙動を最適化するようにインバータを操作するため、上記の問題を回避することができると考えられる。
なお、従来の3相電動機の制御装置としては、他にも例えば下記特許文献2に記載のもの等がある。
特開2008−228419号公報 特開平8−263104号公報
ところで、上記モデル予測制御によれば、インバータの実際の出力電圧を考慮しつつ電流制御を行うことができるとはいえ、これによって実現されるインバータのスイッチング状態の切替数が増大し、ひいてはサージが増大するおそれがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、モデル予測制御によって回転機の制御量を制御するに際し、電力変換回路のサージの増大を好適に抑制することのできる回転機の制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
第1の発明は、互いに相違する値を有する電圧を印加する複数の電圧印加手段と回転機の端子とを選択的に開閉するスイッチング素子を備える電力変換回路を操作することで前記回転機の制御量を制御する回転機の制御装置において、前記電力変換回路の操作状態を複数通りに設定した場合のそれぞれについての前記回転機の制御量を予測する予測手段と、前記予測された制御量に基づき、前記電力変換回路の実際の操作状態を決定し、該決定された操作状態となるように前記電力変換回路を操作する操作手段とを備え、前記操作手段は、前記スイッチング素子の温度が低い場合、前記実際の操作状態の決定に際し、前記回転機の端子のうち該実際の操作状態によって印加される電圧が同時に変更されるものの数を制限する制限手段を備えることを特徴とする。
回転機の端子に印加される電圧が不連続的に変化すると、サージが発生する。そして
このサージは、上記不連続的な変化が生じる端子数が多いほど大きくなる。一方、スイッチング素子の耐圧は、温度が低いほど低下する傾向がある。このため、スイッチング素子の温度が低い状況下にあっては、上記不連続的な変化が生じる端子数が多くなることで、スイッチング素子の信頼性の低下を招きやすい。上記発明では、この点に鑑み、スイッチング素子の温度が低い場合、上記不連続的な変化が生じる端子数を制限することで、サージを抑制することができ、ひいてはスイッチング素子の信頼性の低下を抑制することができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記操作手段は、前記予測される制御量を入力とする評価関数に基づき前記実際の操作状態を決定するものであり、前記制限手段は、前記スイッチング素子の温度が低い場合、前記印加される電圧値が同時に変更される前記端子の数が多いほど前記評価関数の評価が低くなるようにするものであることを特徴とする。
上記発明では、評価関数を利用して制限手段を構成することができる。
第3の発明は、第1の発明において、前記制限手段は、前記予測手段による前記複数通りの操作状態の設定を、前記印加される電圧値が同時に変更される前記端子の数が該端子の総数よりも小さい規定数以下となる操作状態のみに制限することを特徴とする。
上記発明では、予測手段を利用して制限手段を構成することができる。特に、予測対象としない操作状態を設けることで演算負荷を低減することもできる。
第4の発明は、第1第3のいずれかの発明において、前記回転機は、多相回転機を備え、前記制限手段は、前記スイッチング素子の温度が低い場合、前記印加される電圧値が同時に変更される前記多相回転機の相数を制限することを特徴とする。
第5の発明は、第1第4のいずれかの発明において前記回転機は、前記電圧印加手段を共有する複数の回転機からなり、前記電力変換回路は、前記複数の回転機のそれぞれに接続される各別の電力変換回路を備え、前記制限手段は、前記スイッチング素子の温度が低い場合、前記複数の回転機のうちの2つの回転機のそれぞれの端子に印加される電圧が同時に変更されることを禁止する。
複数の回転機によって電圧印加手段が共有される場合、1の回転機の端子に印加される電圧が変更されることで生じるサージが他の回転機に接続される電力変換回路に重畳されるおそれがある。このため、複数の回転機で同時に上記電圧の変更がなされる場合には、同時に変更がなされない場合と比較してサージが大きくなるおそれがある。この点、上記発明では、2つの回転機での電圧の同時変更を禁止することでサージの増大を抑制することができる。
第6の発明は、第1第5のいずれかの発明において、前記電圧印加手段は、直流電源の正極及び負極であり、前記電力変換回路は、前記直流電源の正極及び負極と前記回転機の端子とを選択的に接続するスイッチング素子を備えることを特徴とする。
上記発明では、電力変換回路の構成を簡素化することができる。
第7の発明は、第6の発明において、前記電力変換回路のうちの前記直流電源の正極及び負極のそれぞれに接続される電気経路間の電圧が急激に変動する場合、前記制限手段による制限を緩和することを特徴とする。
回転機の回転が急変する場合等にあっては、上記電気経路間の電圧が急激に変動することがある。こうした事態は、迅速に解消することが望まれるが、迅速に解消する上では、各端子と直流電源との接続極性を逆とすることが最も効果的である。この点、上記発明では、制限手段の制限を緩和することで、上記事態を迅速に解消することができる。
第8の発明は、互いに相違する値を有する電圧を印加する複数の電圧印加手段と回転機の端子とを選択的に開閉するスイッチング素子を備える電力変換回路を操作することで前記回転機の制御量を制御する回転機の制御装置において、前記電力変換回路の操作状態を複数通りに設定した場合のそれぞれについての前記回転機の制御量を予測する予測手段と、前記予測された制御量に基づき、前記電力変換回路の実際の操作状態を決定し、該決定された操作状態となるように前記電力変換回路を操作する操作手段とを備え、前記回転機は、前記電圧印加手段を共有する複数の回転機からなり、前記電力変換回路は、前記複数の回転機のそれぞれに接続される各別の電力変換回路を備え、前記操作手段は、前記複数の回転機のうちの2つの回転機のそれぞれの端子に印加される電圧が同時に変更されることを禁止することを特徴とする。
複数の回転機によって電圧印加手段が共有される場合、1の回転機の端子に印加される電圧が変更されることで生じるサージが他の回転機に接続される電力変換回路に重畳されるおそれがある。このため、複数の回転機で同時に上記電圧の変更がなされる場合には、同時に変更がなされない場合と比較してサージが大きくなるおそれがある。この点、上記発明では、2つの回転機での電圧の同時変更を禁止することでサージの増大を抑制することができる。
第9の発明は、互いに相違する値を有する電圧を印加する複数の電圧印加手段と回転機の端子とを選択的に開閉するスイッチング素子を備える電力変換回路を操作することで前記回転機の制御量を制御する回転機の制御装置において、前記電力変換回路の操作状態を複数通りに設定した場合のそれぞれについての前記回転機の制御量を予測する予測手段と、前記予測された制御量に基づき、前記電力変換回路の実際の操作状態を決定し、該決定された操作状態となるように前記電力変換回路を操作する操作手段とを備え、前記予測手段は、前記操作状態の複数通りの設定を、前記印加される電圧値が同時に変更される前記回転機の端子数が前記端子の総数よりも小さい規定数以下となる操作状態のみに制限することを特徴とする。
回転機の端子に印加される電圧が不連続的に変化すると、サージが発生する。そして
このサージは、上記不連続的な変化が生じる端子数が多いほど大きくなる。上記発明では、この点に鑑み、上記不連続的な変化が生じる端子数を制限することで、スイッチング素子の信頼性の低下を抑制することができる。特に、予測対象としない操作状態を設けることで演算負荷を低減することもできる。
第10の発明は、第1第9のいずれかの発明において、前記制御量は、前記回転機を流れる電流、前記回転機のトルク、及び前記回転機の磁束の少なくとも1つであることを特徴とする。
第1の実施形態にかかるシステム構成図。 同実施形態にかかるインバータの操作状態を表現する電圧ベクトルを示す図。 同実施形態にかかるスイッチング素子の選択手法を説明するための図。 同実施形態にかかるモデル予測制御の処理手順を示す流れ図。 同実施形態にかかる電圧ベクトルの制限処理の手順を示す流れ図。 第2の実施形態にかかるモデル予測制御の処理手順を示す流れ図。 第3の実施形態にかかるシステム構成図。 第4の実施形態にかかるシステム構成図。 第5の実施形態にかかる電圧ベクトルの切り替え可能タイミングを示すタイムチャート。 第6の実施形態にかかる電圧ベクトル制限の解除処理の手順を示す流れ図。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる回転機の制御装置をハイブリッド車の制御装置に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態にかかるモータジェネレータの制御システムの全体構成を示す。モータジェネレータ10は、3相の永久磁石同期モータである。また、モータジェネレータ10は、突極性を有する回転機(突極機)である。詳しくは、モータジェネレータ10は、埋め込み磁石同期モータ(IPMSM)である。
モータジェネレータ10は、インバータIVを介して高電圧バッテリ12に接続されている。インバータIVは、スイッチング素子Sup,Sunの直列接続体と、スイッチング素子Svp,Svnの直列接続体と、スイッチング素子Swp,Swnの直列接続体とを備えており、これら各直列接続体の接続点がモータジェネレータ10のU,V,W相にそれぞれ接続されている。これらスイッチング素子Sup,Sun,Svp,Svn,Swp,Swnとして、本実施形態では、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)が用いられている。そして、これらにはそれぞれ、ダイオードDup,Dun,Dvp,Dvn,Dwp,Dwnが逆並列に接続されている。
本実施形態では、モータジェネレータ10やインバータIVの状態を検出する検出手段として、以下のものを備えている。まずモータジェネレータ10の回転角度(電気角θ)を検出する回転角度センサ14を備えている。また、モータジェネレータ10の各相を流れる電流iu,iv,iwを検出する電流センサ16を備えている。更に、インバータIVの入力電圧(電源電圧VDC)を検出する電圧センサ18を備えている。
上記各種センサの検出値は、図示しないインターフェースを介して低圧システムを構成する制御装置20に取り込まれる。制御装置20では、これら各種センサの検出値に基づき、インバータIVを操作する操作信号を生成して出力する。ここで、インバータIVのスイッチング素子Sup,Sun,Svp,Svn,Swp,Swnを操作する信号が、操作信号gup,gun,gvp,gvn,gwp,gwnである。
上記制御装置20は、モータジェネレータ10のトルクを要求トルクTrに制御すべく、インバータIVを操作する。詳しくは、要求トルクTrを実現するための指令電流となるようにインバータIVを操作する。すなわち、本実施形態では、モータジェネレータ10のトルクが最終的な制御量となるものであるが、トルクを制御すべく、モータジェネレータ10を流れる電流を直接の制御量としてこれを指令電流に制御する。特に、本実施形態では、モータジェネレータ10を流れる電流を指令電流に制御すべく、インバータIVの操作状態を複数通りのそれぞれに設定した場合についてのモータジェネレータ10を流れる電流を予測し、上記操作状態のうち予測電流が指令電流に近くなるものをインバータIVの実際の操作状態として採用するモデル予測制御を行う。
詳しくは、電流センサ16によって検出された相電流iu,iv,iwは、dq変換部22において、回転座標系の実電流id,iqに変換される。また、角度センサ14によって検出される電気角θは、速度算出部23の入力となり、これにより、回転速度(電気角速度ω)が算出される。一方、指令電流設定部24は、要求トルクTrを入力とし、dq座標系での指令電流idr,iqrを出力する。これら指令電流idr,iqr、実電流id,iq、及び電気角θは、モデル予測制御部30の入力となる。モデル予測制御部30では、これら入力パラメータに基づき、インバータIVの操作状態を規定する電圧ベクトルViを決定し、操作部26に入力する。操作部26では、入力された電圧ベクトルViに基づき、上記操作信号を生成してインバータIVに出力する。
ここで、インバータIVの操作状態を表現する電圧ベクトルは、図2に示す8つの電圧ベクトルとなる。例えば、低電位側のスイッチング素子Sun,Svn,Swnがオン状態となる操作状態(図中、「下」と表記)を表現する電圧ベクトルが電圧ベクトルV0であり、高電位側のスイッチング素子Sup,Svp,Swpがオン状態となる操作状態(図中、「上」と表記)を表現する電圧ベクトルが電圧ベクトルV7である。これら電圧ベクトルV0,V7は、モータジェネレータ10の全相を短絡させるものであり、インバータIVからモータジェネレータ10に印加する電圧がゼロとなるものであるため、ゼロベクトルと呼ばれている。これに対し、残りの6つの電圧ベクトルV1〜V6は、上側アーム及び下側アームの双方にオン状態となるスイッチング素子が存在する操作パターンによって規定されるものであり、非ゼロベクトルと呼ばれている。なお、図2(b)に示すように、電圧ベクトルV1、V3,V5のそれぞれがU相、V相、W相の正側にそれぞれ対応している。
次に、モデル予測制御部30の処理の詳細について説明する。先の図1に示す操作状態設定部31では、インバータIVの操作状態を設定する。ここでは、先の図2に示した電圧ベクトルV0〜V7をインバータIVの操作状態として設定する。dq変換部32では、操作状態設定部31によって設定された電圧ベクトルをdq変換することで、dq座標系の電圧ベクトル(vd,vq)を算出する。こうした変換を行うべく、操作状態設定部31における電圧ベクトルV0〜V7を、例えば、先の図2において、「上」を「VDC/2」として且つ「下」を「−VDC/2」とすることで表現すればよい。この場合、例えば、電圧ベクトルV0は、(−VDC/2、−VDC/2、−VDC/2)となり、電圧ベクトルV1は、(VDC/2、−VDC/2、−VDC/2)となる。
予測部33では、電圧ベクトル(vd、vq)と、実電流id,iqと、電気角速度ωとに基づき、インバータIVの操作状態を操作状態設定部31によって設定される状態とした場合の電流id,iqを予測する。ここでは、下記(c1)、(c2)にて表現される電圧方程式を、電流の微分項について解いた下記の状態方程式(式(c3)、(c4))を離散化し、1ステップ先の電流を予測する。
vd=(R+pLd)id −ωLqiq …(c1)
vq=ωLdid (R+pLq)iq +ωφ …(c2)
pid
=−(R/Ld)id +ω(Lq/Ld)iq +vd/Ld …(c3)
piq
=−ω(Ld/Lq)id−(Rd/Lq)iq+vq/Lq−ωφ/Lq…(c4)
ちなみに、上記の式(c1)、(c2)において、抵抗R、微分演算子p、d軸インダクタンスLd,q軸インダクタンスLq及び電機子鎖交磁束定数φを用いた。
上記電流の予測は、操作状態設定部31によって設定される複数通りの操作状態のそれぞれについて行われる。
一方、操作状態決定部34では、予測部33によって予測された電流ide,iqeと、指令電流idr,iqrとを入力として、インバータIVの操作状態を決定する。ここでは、操作状態設定部31によって設定された操作状態のそれぞれを評価関数Jによって評価し、評価のもっとも高かった操作状態を選択する。この評価関数Jとして、本実施形態では、評価が低いほど値が大きくなるものを採用する。具体的には、評価関数Jを、指令電流ベクトルIdqr=(idr,iqr)と、予測電流ベクトルIdqe=(ide,iqe)との差の内積値に基づき算出する。これは、指令電流ベクトルIdqrと予測電流ベクトルIdqeとの各成分の偏差が正、負の双方の値となりえることに鑑み、値が大きいほど評価が低いことを表現するための一手法である。これにより、指令電流ベクトルIdqrと予測電流ベクトルIdqeとの各成分の差が大きいほど、評価が低くなる評価関数Jを構築することができる。
こうして設定された操作状態が、操作部26に出力される。操作部26では、操作状態決定部34によって決定された状態に基づき、インバータIVを操作する。ここで、インバータIVの操作状態が変更される際には、上側アームと下側アームとのいずれか一方においてスイッチング状態がオン状態からオフ状態に切り替えられて且つ、いずれか他方においてオフ状態からオン状態に切り替えられる。この際、スイッチング素子を流れる電流が遮断されたり、新たにスイッチング素子に電流が流れるようになったりするため、電流の流通経路における電流量の急激な変化が生じる。この変化は、電流の流通経路のインダクタンス成分のために、電圧の変動(サージ)を生じさせる。このため、インバータIVを構成する上記各スイッチング素子の耐圧は、このサージを考慮して選択されることとなる。
図3(a)に、IGBTの素子温度と耐圧との関係を示す。図示されるように、低温であるほど、耐圧が低い。このため、低温時においてIGBTに印加されると想定される電圧の最大値に応じて、スイッチング素子を選択することとなる。ここで、印加される電圧の最大値は、スイッチング状態が同時に切り替えられる数に依存する。図3(b)には、スイッチング状態の切り替え数が1つである場合のサージによる電圧変動分ΔV1、2つである場合の変動分ΔV1+ΔV2、3つである場合の変動分ΔV1+ΔV2+ΔV3を示す。このように、例えば「電圧ベクトルV1から電圧ベクトルV4へ」というようにスイッチング状態の切り替え数が「3」となる場合、「電圧ベクトルV1から電圧ベクトルV2へ」というようにスイッチング状態の切り替え数が「1」となる場合よりもサージが大きくなる。このため、図3(c)に示すように、スイッチング素子の耐圧Vthは、インバータIVの入力電圧(電源電圧VDCの最大値:図中、システム電圧)と、インバータIVの回路誤差と、サージによる変動量の最大値との和によって定まることとなる。
ただし、この耐圧Vthを低温時において満たす場合には、スイッチング素子の大型化を招く等の問題が生じる。
そこで本実施形態では、スイッチング素子の温度Tsが低い場合、スイッチング状態が同時に切り替えられる数を制限する。すなわち、先の図1に示す温度センサ19によって検出される温度Tsが低い場合、操作状態決定部34によって決定される最終的な電圧ベクトルと前回の電圧ベクトルとのスイッチング状態の切り替え数を制限する。
図4に、本実施形態にかかるモデル予測制御の処理手順を示す。この処理は、所定周期ΔT毎に繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS10において、dq座標系の実電流id(n),iq(n)を検出する。これは、上記電流センサ16によって検出された相電流iu,iv,iwに基づき、dq軸上の実電流id(n),iq(n)を算出する処理である。続くステップS12では、電圧ベクトルVjを指定する。そして、ステップS14では、今回設定する電圧ベクトルV(n)を電圧ベクトルVjとする。続くステップS16では、電圧ベクトルV(n)としてから制御周期ΔT経過時における電流(予測電流ide(n+1),iqe(n+1))を予測する。ここでは、上記の式(c3)、(c4)を前進差分法によって離散化した式を用いればよい。
ステップS16の処理が完了する場合、ステップS18において、電圧ベクトルVjの変更が可能であるか否かを判断する。ここでは、後述する処理によって規定される選択可能な電圧ベクトルの全てについて上記ステップS16の処理がなされた場合には、変更が不可能と判断し、なされていない場合には変更が可能と判断する。そして、変更が可能な場合、ステップS12に戻り、電圧ベクトルVjを変更する。これに対し、ステップS18において変更が不可能と判断される場合、ステップS20において、各電圧ベクトルV(n)のうち、対応する評価関数Jの評価が最も高くなるものを、最終的な電圧ベクトルV(n)に決定する。すなわち、ステップS18において肯定判断される時点で、設定可能な電圧ベクトルのそれぞれについての予測電流ide(n+1),iqe(n+1)が算出されている。このため、これらに対応する予測電流ide(n+1),iqe(n+1)を用いて、評価関数Jの値を複数算出することができる。ステップS20では、これらのうち値が最も小さくなるものに対応する電圧ベクトルを評価の最も高い電圧ベクトルとして選択する。続くステップS22においては、サンプリングパラメータnを「n−1」として、この一連の処理を一旦終了する。
図5に、モデル予測制御において選択可能な電圧ベクトルの設定処理の手順を示す。この処理は、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS30において、スイッチング素子の温度Tsを検出する。続くステップS32においては、温度Tsが閾値温度Tthよりも低いか否かを判断する。この処理は、インバータIVの操作状態の全てを許容する場合には、スイッチング素子の耐圧を上回るおそれがあるか否かを判断するためのものである。そしてステップS32において肯定判断される場合、ステップS34において、設定可能な電圧ベクトルを制限する処理を行う。ここでは、今回選択可能な電圧ベクトルV(n)を、前回の電圧ベクトルV(n−1)と今回の電圧ベクトルV(n)とでスイッチング状態の切り替え数が「1」以下となるものに制限する(図では、先の図2において「上」及び「下」をそれぞれ「1」及び「0」と表記するとの前提の下、電圧ベクトルV(n−1),V(n)同士の差ベクトルの2乗(内積値)が「1」以下と表現している)。
なお、ステップ34の処理が完了する場合や、ステップS32において否定判断される場合には、この一連の処理を一旦終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)スイッチング素子の温度が低い場合、インバータIVの実際の操作状態の決定に際し、スイッチング状態の切り替え数を制限した。これにより、スイッチング素子の信頼性の低下を抑制することができる。
(2)スイッチング素子の温度が低い場合、モデル予測制御による予測に用いられるインバータIVの操作状態を、スイッチング状態の切り替え数が規定数(ここでは、「1」)以下となるものに制限した。これにより、予測対象としない操作状態を設けることで演算負荷を低減することができる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、スイッチング素子の温度に応じたスイッチング状態の切り替え数の制限を、評価関数Jを利用して行う。
図6に、本実施形態にかかるモデル予測制御の処理手順を示す。この処理は、所定周期ΔT毎に繰り返し実行される。なお、図6において、先の図4に示した処理に対応する処理については、便宜上同一のステップ番号を付している。
この一連の処理では、まずステップS10aにおいて、実電流id(n),iq(n)に加えて、スイッチング素子の温度Tsを検出する。続くステップS40では、電圧ベクトルを指定する数jを「0」とする。そして先の図4の処理同様、ステップS14,S16の処理が完了する場合、ステップS18aにおいて、数jが「7」であるか否かを判断する。この処理は、インバータIVの操作状態を決定する電圧ベクトルV0〜V7の全てについて、電流の予測処理が完了したか否かを判断するためのものである。そして、ステップS18aにおいて否定判断される場合には、ステップS42において、数jをインクリメントし、ステップS14に戻る。これに対し、ステップS18aにおいて肯定判断される場合には、ステップS20aに移行する。
ステップS20aでは、今回の電圧ベクトルV(n)を決定する。ここでは、評価関数Jを、先の第1の実施形態のものに、スイッチング状態の切り替え数が多いほど、また温度が低いほど評価が低くなる項を加えたものとする。詳しくは、スイッチング状態の切り替え数の2乗に温度Tsに応じた比例係数K(Ts)を乗算した項を加える。ここで、比例係数K(Ts)は、温度Tsが低いほど大きい値をとる。これにより、温度が低いほど、スイッチング状態の切り替え数が制限されることとなる。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(3)スイッチング素子の温度が低い場合、スイッチング状態の切り替え数が多くなるほど評価が低くなるように評価関数Jを設定した。これにより、評価関数Jを利用してスイッチング状態の切り替え数を温度Tsに応じて制限することができる。
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、トルクと磁束とを直接の制御量とし、これらの指令値と予測値とを入力としてインバータIVの操作状態を決定する。
図7に、本実施形態にかかるシステム構成を示す。なお、図7において、先の図1に示した処理に対応する処理については、便宜上同一の符号を付している。
図示されるように、トルク/磁束予測部37では、予測電流ide,iqeに基づき、モータジェネレータ10の磁束ベクトルΦとトルクTとを予測する。ここで、磁束ベクトルΦ=(Φd、Φq)は、下記の式(c5)、(c6)にて予測され、トルクTは、下記の式(c7)にて予測される。
Φd=Ld・id+φ …(c5)
Φq=Lq・iq …(c6)
T=P(Φd・iq−Φq・id) …(c7)
ちなみに、上記の式(c7)においては、極対数Pを用いている。
一方、磁束マップ38では、要求トルクTrに基づき、指令磁束ベクトルΦrを設定する。ここで、指令磁束ベクトルΦrは、要求トルクTrを満たすもののうち、例えば最小の電流で最大のトルクが得られる最大トルク制御を実現する等の要求によって設定されるものである。
操作状態決定部34aでは、評価関数Jに基づき最終的な操作状態を決定する。ここで、評価関数Jは、予測トルクTeと要求トルクTrとの差と、予測磁束ベクトルΦeと指令磁束ベクトルΦrとの各成分の差とに基づき定量化される。詳しくは、これらの差の2乗同士の和に基づき決定される。
(第4の実施形態)
以下、第4の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図8に、本実施形態にかかるシステム構成を示す。なお、図8において、先の図1に示した部材に対応する部材については、便宜上同一の符号を付している。
図示されるように、本実施形態では、第1モータジェネレータ10a及び第2モータジェネレータ10bの2つの3相回転機と、これらに対応した各別のインバータIV1,IV2とを備えている。第1モータジェネレータ10a及び第2モータジェネレータ10bは、インバータIV1、IV2を介して、高電圧バッテリ12に接続されている。
上記第1モータジェネレータ10aに接続されるインバータIV1は、スイッチング素子Sup1,Sun1の直列接続体と、スイッチング素子Svp1,Svn1の直列接続体と、スイッチング素子Swp1,Swn1の直列接続体との並列接続体を備えて構成されている。ここで、スイッチング素子Sup1及びスイッチング素子Sun1の接続点は第1モータジェネレータ10aのU相に接続されており、スイッチング素子Svp1及びスイッチング素子Svn1の接続点は第1モータジェネレータ10aのV相に接続されており、スイッチング素子Swp1及びスイッチング素子Swn1の接続点は第1モータジェネレータ10aのW相に接続されている。
同様に、第2モータジェネレータ10bに接続されるインバータIV2は、スイッチング素子Sup2,Sun2の直列接続体と、スイッチング素子Svp2,Svn2の直列接続体と、スイッチング素子Swp2,Swn2の直列接続体との並列接続体を備えて構成されている。なお、これらスイッチング素子Sup1,Sun1、Svp1,Svn1、Swp1,Swn1、Sup2,Sun2、Svp2,Svn2、Swp2,Swn2には、それぞれ逆並列にダイオードDup1,Dun1、Dvp1,Dvn1、Dwp1,Dwn1,Dup2,Dun2、Dvp2,Dvn2、Dwp2,Dwn2が接続されている。
そして、本実施形態にかかるシステムでは、第1モータジェネレータ10a、第2モータジェネレータ10bのそれぞれの電気角θ1、θ2を検出する角度センサ14a,14bと、これらを流れる電流I1,I2を検出する電流センサ16a,16bとを備えている。更に、インバータIV1,IV2のそれぞれのスイッチング素子の温度Ts1,Ts2を検出する温度センサ19a,19bを備えている。
制御装置20では、これらに基づき、インバータIV1,IV2をそれぞれ操作する。この際、スイッチング素子の温度Ts1,Ts2に基づき、インバータIV1,IV2においてスイッチング状態が同時に切り替えられる数を制限する。これは、例えば、インバータIV1,IV2の操作状態の更新タイミングを同期させて且つ、温度Ts1,Ts2のうちの低い方が閾値温度Tthを下回る場合、インバータIV1,IV2の操作状態の変更を交互に許可することで行うことができる。なお、この際、操作状態の変更が許可された方のインバータについては、先の第1の実施形態の要領でモデル予測制御を行う。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(4)スイッチング素子の温度Ts1,Ts2が低い場合、インバータIV1,IV2の双方でスイッチング状態の切り替えがなされることを禁止した。これにより、スイッチング素子の信頼性が低下するおそれのある状況下、サージの増大を抑制することができる。
(第5の実施形態)
以下、第5の実施形態について、先の第4の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図9に、本実施形態にかかるインバータIV1,IV2の操作状態の更新タイミング(図中、V(n),V(n+1)、…となるタイミング)を示す。図示されるように、本実施形態では、インバータIV1,IV2同士で、操作状態の更新周期(切り替え可能タイミング間の周期)を同一として且つ、これらの更新タイミングを互いにずらして設定した。これにより、インバータIV1、IV2間でスイッチング状態の切り替えが同時になされることを、スイッチング素子の温度Tsが低い場合は勿論、それ以外においても回避することができる。なお、各インバータIV1,IV2の操作状態の設定は、先の第1の実施形態の要領で行う。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(5)インバータIV1,IV2同士で操作状態の更新周期(モデル予測制御の制御周期ΔT)を同一として且つ、これら更新タイミングを互いにずらして設定した。これにより、サージの増大を抑制することができる。
(第6の実施形態)
以下、第6の実施形態について、先の第4の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
先の図8に示したシステムの場合、第1モータジェネレータ10a及び第2モータジェネレータ10bのいずれか一方が電動機となって且つ他方が発電機となる状況がある。ここで、車両の駆動輪がスリップする場合等には、発電量が過大となり、インバータIV1,IV2の正極及び負極の両端に接続される配線間の電圧が大きく変動するおそれがある。こうした状況を迅速に解消する上では、例えば電圧ベクトルV1を電圧ベクトルV4に変更する等、インバータIV1,IV2の出力電圧の変化を大きくすることが有効であることが多い。こうした急激な電圧ベクトルの変更は、周知の三角波比較PWM制御によっては実現できないものであるものの、モデル予測制御では、こうした電圧ベクトルの評価が最も高くなる傾向があるため実現可能である。ただし、スイッチング素子の温度Tsに応じたスイッチング状態の切り替え数を制限する処理がなされる場合には、こうした変更が妨げられるおそれがある。
そこで本実施形態では、こうした状況下、上記制限処理を解除する。
図10に、上記制限処理の解除に関する処理の手順を示す。この処理は、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS50において、電源電圧VDCを検出する。続くステップS52では、電源電圧VDCの変化量ΔVDCが閾値ΔVth以上であるか否かを判断する。ここで、閾値ΔVthは、スイッチング素子Tsが閾値温度Tthを下回るか否かにかかわらず、電源電圧VDCの変動を抑制する処理を優先的に行うことが望まれる値に設定される。そして、閾値ΔVth以上であると判断される場合、ステップS54において、設定可能ベクトルの制限を解除する。
なお、ステップS54の処理が完了する場合や、ステップS52において否定判断される場合には、この一連の処理を一旦終了する。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記各効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(6)インバータIVの正極及び負極のそれぞれの電気経路間の電圧が急激に変動する場合、スイッチング状態の切り替え数の制限を解除した。これにより、上記電気経路間の電圧の急激な変動を迅速に解消することが可能となる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記第1、第3〜6の実施形態では、スイッチング素子Swの温度Tsが閾値Tthを下回る場合、スイッチング状態の切り替え可能数を「1」以下に制限し、閾値Tth以上となる場合に制限を解除したが、これに限らない。例えば、一対の閾値を用いて、スイッチング状態の切り替え可能数を、「1」から「2」、「2」から「3」へと段階的に増加させてもよい。
・上記第3の実施形態による第1の実施形態の変更点によって、第2、第4〜6の実施形態を変更してもよい。
・上記第2の実施形態による第1の実施形態の変更点によって、第3〜6の実施形態を変更してもよい。ここで、第6の実施形態を変更する場合、電源電圧VDCの変動量の大きさやスイッチング素子の温度Tsに応じて、制限の緩和度合いを可変としてもよい。すなわち、制限の目的がスイッチング素子の信頼性の低下を回避することにあるため、電圧変動への対処とスイッチング素子の信頼性の低下への対処との優先度合いに応じて制限の緩和度合いを可変としてもよい。また、第4の実施形態を変更する場合、例えば評価関数Jにおけるスイッチング状態の切り替え数を、双方のインバータIV1,IV2のスイッチング状態の切り替え数の合計によって定義してもよい。
・上記第2の実施形態では、スイッチング状態の切り替え数の2乗に比例する項を評価関数Jに加えたが、これに限らない。例えばスイッチング状態の切り替え数の1乗等、要は、スイッチング状態の切り替え数が多いほど評価が低くなるように定量化されたものであればよい。
・上記第4の実施形態では、スイッチング素子の温度が低い場合、インバータIV1,IV2の操作状態の更新を交互に行うようにしたがこれに限らない。例えば、各インバータIV1,IV2について、電圧ベクトルV0〜V7のそれぞれにおける評価関数Jのうち最大の評価のもの同士を比較し、評価の低かった方のインバータの操作状態の変更を許可して且つ評価の高かった方のインバータの操作状態の変更を禁止してもよい。
・上記第5の実施形態において、インバータ及びモータジェネレータの数は「2」に限らず、「3」以上であってもよい。この場合であっても、スイッチング状態の切り替え可能タイミングを全インバータにおいて互いに相違するようにするなら、サージの増大を好適に抑制することができる。ただし、全インバータにおいて互いに相違するように設定するものに限らず、スイッチング状態の切り替え可能タイミングがインバータ同士で互いに相違するものがあるなら、サージの抑制効果を奏する。
・上記第6の実施形態では、インバータIV1、IV2の正極及び負極間の電圧の急変を直接検出したが、これに限らない。例えば車両のスリップの検出等、電圧の急変の要因となる状況の検出結果に基づき間接的に検出してもよい。
・上記各実施形態では、インバータIVの操作状態についての次の変更可能タイミング(1制御周期先のタイミング)におけるインバータIVの操作による制御量を予測したがこれに限らない。例えば数制御周期先のタイミングにおける制御量まで順次予測することで、1制御周期先のタイミングにおける操作状態を決定してもよい。
・制御量としては、トルク及び磁束と、電流とのいずれかに限らない。例えば、トルクのみ又は磁束のみであってもよい。また例えば、トルク及び電流であってもよい。ここで、例えばトルクを予測対象とする場合に、トルクを検出する専用のハードウェア手段を備えてもよい。この場合、トルクや磁束を算出可能な物理量(電流)の検出値に基づきトルクを算出することなく、トルクの検出値を取得することができる。
・連続系でのモデルを離散化する手法としては、前進差分法等の差分法を用いるものに限らない。例えば、N(≧2)段階の線形多段階法や、ルンゲ・クッタ型公式等を用いるものであってもよい。
・電流を予測するために用いるモデルとしては、基本波を前提としたモデルに限らない。例えば、インダクタンスや誘起電圧について高次成分を含むモデルを用いてもよい。また、電流の予測手段としては、モデル式を用いるものに限らず、マップを用いるものであってもよい。この際、マップの入力パラメータとしては、電圧(vd、vq)及び電気角速度ωであってもよく、また温度等を更に含めてもよい。なお、ここでマップとは、入力パラメータについての離散的な値に対応した出力パラメータの値が記憶された記憶手段のこととする。
・電流を予測するために用いるモデルとしては、鉄損を無視したモデルに限らず、これを考慮したモデルであってもよい。
・上記各実施形態では、回転機の究極の制御量(予測対象であるか否かにかかわらず、最終的に所望の量とされることが要求される制御量)を、トルクとしたが、これに限らず、例えば回転速度等であってもよい。
・回転機の制御量の予測に用いるモデルとしては、回転座標系におけるモデルに限らず、例えば3相交流座標系におけるモデル等であってもよい。
・回転機としては、埋め込み磁石同期機に限らず、表面磁石同期機や、界磁巻線型同期機等、任意の同期機であってよい。更に、同期機にも限らず、誘導モータ等、誘導回転機であってもよい。
・回転機としては、ハイブリッド車に搭載されるものに限らず、電気自動車に搭載されるものであってもよい。また、回転機としては車両の主機として用いられるものに限らない。
・直流電源としては、高電圧バッテリ12に限らず、例えば高電圧バッテリ12の電圧を昇圧するコンバータの出力端子であってもよい。
・互いに相違する値を有する電圧を印加する複数の電圧印加手段と回転機の端子とを選択的に開閉するスイッチング素子を備える電力変換回路としては、インバータIVに限らない。例えば、回転機の端子に3つ以上の互いに相違する値の電圧を印加する電圧印加手段と回転機の端子とを選択的に開閉するスイッチング素子を備えるものであってもよい。なお、回転機の端子に3つ以上の互いに相違する値の電圧を印加するための電力変換回路としては、例えば特開2006−174697号公報に例示されているものがある。
10…モータジェネレータ、12…高電圧バッテリ(直流電源の一実施形態)、14…制御装置(回転機の制御装置の一実施形態)。

Claims (5)

  1. 互いに相違する値を有する電圧を印加する複数の電圧印加手段と回転機の端子とを選択的に開閉するスイッチング素子を備える電力変換回路を操作することで前記回転機の制御量を制御する回転機の制御装置において、
    前記電力変換回路の操作状態を複数通りに設定した場合のそれぞれについての前記回転機の制御量を予測する予測手段と、
    前記予測された制御量に基づき、前記電力変換回路の実際の操作状態を決定する操作状態決定部と、
    前記決定された操作状態となるように前記電力変換回路を操作する操作部と、を備え、
    前記操作状態決定部は、前記スイッチング素子の温度が低い場合、前記実際の操作状態の決定に際し、前記回転機の端子のうち該実際の操作状態によって印加される電圧が同時に変更されるものの数を制限するものであり、
    前記電圧印加手段は、直流電源の正極及び負極であり、
    前記電力変換回路は、前記直流電源の正極及び負極と前記回転機の端子とを選択的に接続するスイッチング素子を備え、
    前記電力変換回路のうちの前記直流電源の正極及び負極のそれぞれに接続される電気経路間の電圧が急激に変動する場合、前記操作状態決定部による制限を緩和することを特徴とする回転機の制御装置。
  2. 前記操作状態決定部は、前記予測される制御量を入力とする評価関数に基づき前記実際の操作状態を決定し、前記スイッチング素子の温度が低い場合、前記印加される電圧値が同時に変更される前記端子の数が多いほど前記評価関数の評価が低くなるようにするものであることを特徴とする請求項1記載の回転機の制御装置。
  3. 前記操作状態決定部は、前記予測手段による前記複数通りの操作状態の設定を、前記印加される電圧値が同時に変更される前記端子の数が該端子の総数よりも小さい規定数以下となる操作状態のみに制限することを特徴とする請求項1記載の回転機の制御装置。
  4. 前記回転機は、多相回転機を備え、
    前記操作状態決定部は、前記スイッチング素子の温度が低い場合、前記印加される電圧値が同時に変更される前記多相回転機の相数を制限することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
  5. 前記回転機は、前記電圧印加手段を共有する複数の回転機からなり、
    前記電力変換回路は、前記複数の回転機のそれぞれに接続される各別の電力変換回路を備え、
    前記操作状態決定部は、前記スイッチング素子の温度が低い場合、前記複数の回転機のうちの2つの回転機のそれぞれの端子に印加される電圧が同時に変更されることを禁止することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
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