JP5857689B2 - 回転機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、互いに相違する電圧値の電圧のそれぞれを印加する各別の電圧印加手段と回転機の端子との間を開閉するスイッチング素子を備えて構成される電力変換回路について、該電力変換回路を構成するスイッチング素子のオン・オフ操作によって、前記回転機を流れる電流、前記回転機のトルク、および前記回転機の鎖交磁束の少なくとも1つを有した制御量を制御する回転機の制御装置に関する。
この種の制御装置においては、電力変換回路自体やその冷却装置の小型化等の要求から、スイッチング状態の切り替えに伴う発熱量を低減することも要求されている。ここで、従来の三角波PWM処理によって回転機に印加すべき指令電圧をインバータで模擬させるものにあっては、指令電圧を2相変調することで、発熱量を低減できることが知られている。これは、2相変調をする場合にはしない場合と比較してスイッチング頻度が低下するためである。
ところで、発熱量とスイッチング頻度との間には相関があるとはいえ、スイッチング頻度を低減することは必ずしも発熱量を効果的に低減することにつながらない。これは、スイッチング状態の切り替えに伴う発熱量は、スイッチング状態が切り替えられる際においてスイッチング素子を流れる電流量に依存するためである。
そこで従来、たとえば下記特許文献1に見られるように、インバータの各相の電流の絶対値が極大となる近傍において、その相のスイッチング状態の切り替えを禁止する期間を付与することも提案されている。
特許第3250329号公報
ただし、上記のようにスイッチング状態の切り替えを禁止する場合には、制御の応答性の低下を招くおそれがある。
本発明は、上記課題を解決する過程でなされたものであり、その目的は、互いに相違する電圧値の電圧のそれぞれを印加する各別の電圧印加手段と回転機の端子との間を開閉するスイッチング素子を備えて構成される電力変換回路について、該電力変換回路を構成するスイッチング素子のオン・オフ操作によって、前記回転機を流れる電流、前記回転機のトルク、および前記回転機の鎖交磁束の少なくとも1つを有した制御量を制御する新たな回転機の制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、およびその作用効果について記載する。
構成1では、互いに相違する電圧値の電圧のそれぞれを印加する各別の電圧印加手段と回転機の端子との間を開閉するスイッチング素子を備えて構成される電力変換回路について、該電力変換回路を構成するスイッチング素子のオン・オフ操作によって、前記回転機を流れる電流、前記回転機のトルク、および前記回転機の鎖交磁束の少なくとも1つを有した制御量を制御する回転機の制御装置において、前記スイッチング素子のそれぞれがオン状態であるかオフ状態であるかを示すスイッチングモードを仮設定し、該仮設定されたスイッチングモードのそれぞれに応じた前記制御量に関する予測を行なう予測手段と、該予測手段による予測結果に基づき、前記電力変換回路の実際の操作に用いるスイッチングモードを決定する決定手段と、該決定されたスイッチングモードとなるように前記電力変換回路を操作する操作手段とを備え、前記決定手段は、前記回転機の端子を流れる電流の絶対値が大きい場合、該端子に接続されるスイッチング素子のスイッチング状態の切替を伴うスイッチングモードを、実際の操作に用いるスイッチングモードに決定することを制限する制限手段を備えることを特徴とする。
上記発明では、制限手段を備えることで、回転機の端子を流れる電流が大きい場合に、その端子に接続されるスイッチング素子のスイッチング状態の切り替え頻度を低減することができることから、スイッチング状態の切り替えに伴う発熱量を低減することができる。
構成2では、構成1において、前記決定手段は、前記予測手段による予測結果に基づき、前記仮設定されるスイッチングモードを評価する評価手段を備え、該評価手段による評価が最も高いスイッチングモードを前記実際の操作に用いるスイッチングモードに決定するものであり、前記評価手段には、前記回転機の制御が正常になされて且つ、前記回転機の任意の端子を流れる電流が極大となる場合、前記極大となる電流が流れる端子に接続されるスイッチング素子のスイッチング状態の切り替えを伴うスイッチングモードの評価よりも、前記極大よりも小さい電流が流れる端子に接続されるスイッチング素子のスイッチング状態の切り替えを伴うスイッチングモード、またはスイッチング状態の切り替えを伴わないスイッチングモードの評価を、前記回転機の制御量とその指令値との乖離度合いに基づき低くし得る応答性確保設定がなされていることを特徴とする。
上記発明では、応答性確保設定がなされているために、スイッチング状態の切り替えに伴う発熱量を低減しつつも、電流が大きい場合にスイッチング状態の切り替えを一律に禁止する場合と比較して、制御量を指令値に制御する際の応答性を向上させることができる。
構成3では、構成2において、前記評価手段は、前記仮設定されたスイッチングモードについて、前記予測される制御量とその指令値との乖離が大きい場合に評価を低くするものであって且つ、スイッチング状態が切り替えられる状況下、該スイッチング状態の切り替えられる前記回転機の端子を流れる電流の絶対値が大きい場合に評価を低くするものであり、前記応答性確保設定は、前記回転機の制御が正常になされて且つ、前記回転機の任意の端子を流れる電流が極大となる場合、前記極大の電流が流れる端子に接続されるスイッチング素子のスイッチング状態の切り替えを伴うスイッチングモードよりも、前記極大よりも小さい電流が流れる端子に接続されるスイッチング素子のスイッチング状態の切り替えを伴うスイッチングモード、またはスイッチング状態の切り替えを伴わないスイッチングモードの方が前記予測される制御量とその指令値との乖離が大きい場合に、前記極大の電流が流れる端子に接続されるスイッチング素子のスイッチング状態の切り替えを伴うスイッチングモードの評価を高くし得るものであることを特徴とする。
上記発明では、上記乖離度合いと上記電流とのそれぞれの要素に応じた評価傾向を設定することで、応答性確保設定を実現することできる。
構成4では、構成2または3において、前記評価手段は、前記予測される制御量とその指令値との乖離が規定値以下となるものがある場合、スイッチング状態の切り替えのなされないスイッチングモード、および前記回転機の端子のうちスイッチング状態が切り替えられるものに流れる電流の絶対値が一番小さいスイッチングモードの評価をそれ以外のものよりも高くすることを特徴とすることを特徴とする。
上記発明では、規定値の大きさの設定によって、応答性確保設定を実現することができる。
構成5では、構成4において、前記評価手段は、前記予測される制御量とその指令値との乖離が規定値を上回る場合、乖離が最も小さいスイッチングモードの評価をそれ以外のものと比較して高くすることを特徴とする。
上記発明では、上記規定値を上回る場合に乖離が最小となるものの評価を高めることで、応答性を向上させることができる。
構成6では、構成4または5において、前記規定値を、前記予測手段による予測対象とされる制御量の大きさに応じて可変設定する可変手段を備えることを特徴とする。
上記発明では、可変手段を備えることで、規定値以下となるものの誤差割合(指令値に対する指令値と制御量との差の割合)が、制御量の大きさに応じて変動することを抑制することができる。
構成7では、構成4〜6のいずれかにおいて、前記回転機は、N(>1)相の回転機であり、前記規定値を、電気角周期の「1/2N」倍の周期で変動させる変動手段を備えることを特徴とする。
N相の回転機の場合、いずれかの相の電流の絶対値が極大値となる周期は、電気角周期の「1/2N」倍となる。このため、この周期で規定値を変動させることで、上記極大値となるタイミング付近でそれ以外と比較して規定値を大きくすることができ、ひいては、極大値となる付近でスイッチング状態が切り替えられる事態を好適に抑制することができる。
構成8では、構成1〜3のいずれかにおいて、前記決定手段は、前記予測手段による予測結果に基づき、前記仮設定されるスイッチングモードを評価する評価手段を備え、該評価手段による評価が最も高いスイッチングモードを前記実際の操作に用いるスイッチングモードに決定するものであり、前記評価手段は、前記予測される制御量とその指令値との乖離が大きいほど評価を低くするものであって且つ、前記仮設定されるスイッチングモードについて、スイッチング状態の切り替えがなされる場合、該切り替えのなされる端子を流れる電流の絶対値が大きいほど評価を低下させるための評価補正値が前記予測される制御量とその指令値との乖離度合いの定量値に加算された値の大小によって、評価の高低を定量化することを特徴とする。
上記発明では、評価補正値を用いることで、制限手段を構成することができる。
構成9では、構成8において、前記評価補正値は、前記回転機の端子を流れる電流の絶対値に、該端子がスイッチング状態の切り替えのなされるものであるか否かに応じて互いに相違するゲインを乗算した値の和であることを特徴とする。
構成10では、構成8において、前記評価補正値は、スイッチング状態の切り替えの有無に関する情報および前記回転機の端子を流れる電流を入力とし、前記スイッチング素子によって生じる発熱量を定量化した値を算出する手段の出力値であることを特徴とする。
構成11では、構成2または3において、前記回転機は、N(>1)相の回転機であり、前記評価手段は、スイッチング状態の切り替えを伴わないスイッチングモードについて、前記予測される制御量とその指令値との乖離が規定値以下となる場合、該切り替えを伴わないスイッチングモードの評価をそれ以外のものよりも高くするものであり、前記規定値を、電気角周期の「1/2N」倍の周期で変動させる変動手段を備えることを特徴とする。
上記発明では、規定値の大きさの設定によって、応答性確保設定を実現することができ、変動手段によって、制限手段を実現することができる。
構成12では、構成1において、前記制限手段は、スイッチング状態が切り替えられる前記回転機の端子を流れる電流の絶対値が大きい場合、該スイッチング状態の切替を伴うスイッチングモードを、実際の操作に用いるスイッチングモードに決定することを禁止する禁止手段を備えることを特徴とする。
第1の実施形態にかかるシステム構成図。 同実施形態にかかるスイッチングモードを示す図。 同実施形態にかかるモデル予測制御の処理手順を示す流れ図。 同実施形態にかかるスイッチングモードの仮設定候補を示す図。 上記モデル予測制御の一部処理の詳細を示す流れ図。 第2の実施形態にかかるモデル予測制御の一部処理の詳細を示す流れ図。 同実施形態の効果を示すタイムチャート。 同実施形態の効果を示すタイムチャート。 第3の実施形態にかかる規定値ethの設定手法を示す図。 第4の実施形態にかかるモデル予測制御の一部処理の詳細を示す流れ図。 第5の実施形態にかかるモデル予測制御の一部処理の詳細を示す流れ図。 第6の実施形態にかかるスイッチング状態の切り替え制限手法を示す図。
<第1の実施形態>
以下、本発明にかかる回転機の制御装置を、車載主機としての回転機の制御装置に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態にかかるモータジェネレータの制御システムの全体構成を示す。モータジェネレータ10は、車載主機であり、その回転子が駆動輪に機械的に連結される。また、モータジェネレータ10は、3相の永久磁石同期モータである。詳しくは、モータジェネレータ10は、埋込磁石同期モータ(IPMSM)である。
モータジェネレータ10は、インバータINVを介して高電圧バッテリ12に接続されている。インバータINVは、スイッチング素子S¥p,S¥n(¥=u,v,w)の直列接続体を3組備えており、これら各直列接続体の接続点がモータジェネレータ10のU,V,W相にそれぞれ接続されている。これらスイッチング素子S¥#(¥=u,v,w;#=p,n)として、本実施形態では、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)が用いられている。そして、これらにはそれぞれ、ダイオードD¥#が逆並列に接続されている。
本実施形態では、モータジェネレータ10やインバータINVの状態を検出する検出手段として、以下のものを備えている。まずモータジェネレータ10の回転角度(電気角θ)を検出する回転角度センサ14を備えている。また、モータジェネレータ10の各相を流れる電流iu,iv,iwを検出する電流センサ16を備えている。さらに、インバータINVの入力電圧(電源電圧VDC)を検出する電圧センサ18を備えている。
上記各種センサの検出値は、制御装置20に取り込まれる。制御装置20では、これら各種センサの検出値に基づき、インバータINVを操作する操作信号を生成して出力する。ここで、インバータINVのスイッチング素子S¥#を操作する信号が、操作信号g¥#である。
上記制御装置20は、モータジェネレータ10のトルクを要求トルクT*に制御すべく、インバータINVを操作する。詳しくは、制御装置20は、要求トルクT*を実現するための指令電流とモータジェネレータ10を流れる電流とが一致するように、インバータINVを操作する。すなわち、本実施形態では、モータジェネレータ10のトルクが最終的な制御量となるものであるが、トルクを制御すべく、モータジェネレータ10を流れる電流を直接の制御量として、これを指令電流に制御する。特に、本実施形態では、モータジェネレータ10を流れる電流を指令電流に制御すべく、スイッチングモードを複数通りのそれぞれに仮設定した場合についてのモータジェネレータ10の電流を予測し、インバータINVの実際のスイッチングモードを決定するモデル予測制御を行う。
上記スイッチングモードは、インバータINVを構成するスイッチング素子S¥#のそれぞれがオンであるかオフであるかを示すものであり、図2(a)に示される8通りのスイッチングモード0〜7からなる。例えば、低電位側のスイッチング素子Sun,Svn,Swnの全てがオン状態となるスイッチングモードがスイッチングモード0であり、高電位側のスイッチング素子Sup,Svp,Swpの全てがオン状態となるスイッチングモードがスイッチングモード7である。これらスイッチングモード0,7は、モータジェネレータ10の全相を短絡させるものであり、インバータINVからモータジェネレータ10に印加される電圧がゼロとなるものであるため、インバータINVの出力電圧ベクトルをゼロ電圧ベクトルとするものである。これに対し、残りの6つのスイッチングモード1〜6は、上側アームおよび下側アームの双方にオン状態となるスイッチング素子が存在する操作パターンによって規定されるものであり、インバータINVの出力電圧ベクトルを有効電圧ベクトルとするものである。
図2(b)に、各スイッチングモード0〜7のそれぞれに対応する電圧ベクトルV0〜V7を示す。電圧ベクトルV0〜V7は、スイッチングモード0〜7のそれぞれにおけるインバータINVの出力電圧ベクトルを示すものである。なお、図示されるように、スイッチングモード1,3,5のそれぞれに対応する電圧ベクトルV1,V3,V5がU相、V相、W相の正側にそれぞれ対応している。
ここで、モデル予測制御について詳述する。
先の図1に示す電流センサ16によって検出された相電流iu,iv,iwは、dq変換部22において、回転座標系の実電流id,iqに変換される。また、回転角度センサ14によって検出される回転角度(電気角θ)は、速度算出部24の入力となり、これにより、回転速度(電気角速度ω)が算出される。一方、指令電流設定部26は、要求トルクT*を入力とし、dq座標系での指令電流id*,iq*を出力する。これら指令電流id*,iq*、実電流id,iq、電気角速度ωおよび電気角θは、モデル予測制御部30の入力となる。モデル予測制御部30では、これら入力パラメータに基づき、インバータINVのスイッチングモードを決定し、操作部28に出力する。操作部28では、入力されたスイッチングモードに基づき、上記操作信号g¥#を生成してインバータINVに出力する。
次に、モデル予測制御部30の処理の詳細について説明する。モード設定部31では、先の図2(a)に示したインバータINVのスイッチングモードを仮設定する。この処理は、実際には、スイッチングモードに対応する電圧ベクトルを仮設定する処理となる。dq変換部32では、モード設定部31によって仮設定された電圧ベクトルをdq変換することで、dq座標系の電圧ベクトルVdq=(vd,vq)を算出する。こうした変換を行うべく、モード設定部31において仮設定された電圧ベクトルV0〜V7を、例えば上側アームがオンである場合を「VDC/2」として且つ下側アームがオンである場合を「−VDC/2」とすることで表現すればよい。この場合、例えば、電圧ベクトルV0は、(−VDC/2,−VDC/2,−VDC/2)となり、電圧ベクトルV1は、(VDC/2,−VDC/2,−VDC/2)となる。
予測部33では、電圧ベクトル(vd,vq)と、実電流id,iqと、電気角速度ωとに基づき、インバータINVのスイッチングモードをモード設定部31によって仮設定される状態とした場合の電流id,iqを予測する。この電流の予測は、以下の式(c1),(c2)にて表現されるモデル式に基づき、モード設定部31によって仮設定される複数通りのスイッチングモードのそれぞれについて行われる。
vd=R・id+Ld・(did/dt)−ω・Lq・iq …(c1)
vq=R・iq+Lq・(diq/dt)+ω・Ld・id+ω・φ …(c2)
ここで、抵抗R、電機子鎖交磁束定数φ、d軸のインダクタンスLd、q軸のインダクタンスLqを用いた。
一方、モード決定部34では、予測部33によって予測された予測電流ide,iqeと、指令電流id*,iq*とを入力として、インバータINVのスイッチングモードを決定する。こうして決定されたスイッチングモードに基づき、操作部28では、操作信号g¥#を生成して出力する。
図3に、本実施形態にかかるモデル予測制御の処理手順を示す。この処理は、予め定められた長さを有する周期(制御周期Tc)で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS10において、電気角θ(n)、実電流id(n),iq(n)を検出し、前回の制御周期で決定された電圧ベクトルV(n)を出力する。すなわち、インバータINVのスイッチングモードを、前回の制御周期で決定されたスイッチングモード(電圧ベクトルV(n)に対応するスイッチングモード)に更新する。
続くステップS12においては、インバータINVの平均的な出力電圧ベクトルである平均電圧ベクトル(vda(n),vqa(n))を算出する。これは、上記の式(c1)、(c2)から電流の微分値の項を除いた式に、実電流id(n),iq(n)を代入した以下の式(c3)、(c4)にて算出することができる。
vda=R・id−ω・Lqs・iq …(c3)
vqa=R・iq+ω・Lds・id+ω・φ …(c4)
続くステップS14においては、1制御周期先における電流(ide(n+1),iqe(n+1))を予測する。これは、上記ステップS10によって出力された電圧ベクトルV(n)によって、1制御周期先の電流がどうなるかを予測する処理である。これは、上記の式(c1)、(c2)の電圧ベクトル(vd,vq)を、平均電圧ベクトル(vda,vqa)と瞬時電圧ベクトル(vd−vda,vq−vqa)とに分解し、瞬時電圧ベクトル(vd−vda,vq−vqa)と、上記の式(c1)、(c2)の電流の微分の項とが等しいとした下記の式(c5),(c6)を用いて行なうことができる。
vd−vda=Ld・(did/dt) …(c5)
vq−vqa=Lq・(diq/dt) …(c6)
詳しくは、上記の式(c5),(c6)を制御周期Tcによって離散化した下記の式(c7),(c8)にて行なうことができる。
ide(n+1)
=Tc・{vd(n)−vda(n)}/Ld+id(n) …(c7)
iqe(n+1)
=Tc・{vq(n)−vqa(n)}/Lq+iq(n) …(c8)
ちなみに、ここでの電圧ベクトル(vd(n),vq(n))は、ステップS10において出力された電圧ベクトルV(n)をステップS10において検出された電気角θ(n)による変換行列を用いて変換することで、dq軸上の電圧成分を算出したものである。
続くステップS16〜S22では、次回の制御周期におけるスイッチングモード(電圧ベクトルV(n+1))を複数通りに仮設定した場合のそれぞれについて、2制御周期先の電流を予測する処理を行う。すなわち、まずステップS16において、電圧ベクトルV(n+1)を仮設定する。本実施形態では、仮設定されるスイッチングモードを、現在のスイッチングモードからスイッチング状態が切り替えられるモータジェネレータ10の端子数が「1」以下となるものに制限する。詳しくは、現在のスイッチングモードに対応する電圧ベクトルV(n)が有効電圧ベクトルVi(i=1〜6)である場合、仮設定されるスイッチングモードに対応する電圧ベクトルV(n+1)を、電圧ベクトルVi−1、Vi,Vi+1(i:mod 6)とするか、ゼロ電圧ベクトルとする。ただし、ゼロ電圧ベクトルとしては、「V(n)=V2k(k=1〜3)」であるなら、ゼロ電圧ベクトルV7を選択し、「V(n)=V2k−1」であるなら、ゼロ電圧ベクトルV0を選択する。図4(a)に、「V(n)=V1」の場合について、電圧ベクトルV(n+1)として仮設定可能な4つの電圧ベクトルを示した。また、現在のスイッチングモードに対応する電圧ベクトルV(n)がゼロ電圧ベクトルV0である場合、図4(b)に示すように、仮設定されるスイッチングモードに対応する電圧ベクトルV(n+1)を、奇数の電圧ベクトルV1,V3,V5またはゼロ電圧ベクトルV0とする。さらに、現在のスイッチングモードに対応する電圧ベクトルV(n)がゼロ電圧ベクトルV7である場合、図4(c)に示すように、仮設定されるスイッチングモードに対応する電圧ベクトルV(n+1)を、偶数の電圧ベクトルV2,V4,V6またはゼロ電圧ベクトルV7とする。
先の図3のステップS18においては、実電流id(n),iq(n)に代えて予測電流ide(n+1),iqe(n+1)を用いて上記ステップS12の処理と同様にして平均電圧ベクトル(vda(n+1),vqa(n+1))を算出する。さらに、ステップS20においては、上記ステップS14と同様にして、2制御周期先の予測電流ide(n+2),iqe(n+2)を算出する。ここでは、実電流id(n),iq(n)に代えて予測電流ide(n+1),iqe(n+1)を用いて且つ、瞬時電圧ベクトル(vd(n+1)−vda(n+1),vq(n+1)−vqa(n+1))を用いる。なお、ここでの電圧ベクトル(vd(n+1),vq(n+1))は、ステップS16において仮設定された電圧ベクトルV(n+1)を上記電気角θ(n)に「ωTc」を加算した回転角度による変換行列によって変換することで、dq軸上の電圧成分を算出したものである。
ステップS22においては、仮設定候補となるスイッチングモード(電圧ベクトル)のすべてについて、予測電流ide(n+2),iqe(n+2)の算出が完了したか否かを判断する。ステップS22において否定判断される場合には、ステップS16に戻る。これに対し、ステップS22において肯定判断される場合には、ステップS24に移行する。
ステップS24においては、次回の制御周期におけるスイッチングモード(電圧ベクトルV(n+1))を決定する処理を行う。続くステップS26においては、電圧ベクトルや電流、電気角のサンプリング番号を指定するパラメータnを「1」ずつ減少補正することで、パラメータnを更新し、この一連の処理を一旦終了する。
図5に、先の図3のステップS24の処理の詳細を示す。
この処理は、評価関数Jによる評価の最も高いスイッチングモードを最終的なスイッチングモード(電圧ベクトルV(n+1))とする処理となる。ここで、評価関数Jを、本実施形態では、指令電流ベクトルと予測電流ベクトルとの各成分の差が大きいほど評価が低くなる関数とする。詳しくは、評価関数Jとして、評価が低いほど値が大きくなるものを採用する。具体的には、評価関数Jを、指令電流ベクトル(id*,iq*)と、予測電流ベクトル(ide,iqe)との差(誤差ベクトルedq)自身の内積値に基づき算出する。これは、指令電流ベクトルと予測電流ベクトルとの各成分の偏差が正、負の双方の値となりえることに鑑み、値が大きいほど評価が低いことを表現するための一手法である。
ただし、本実施形態では、評価関数Jに、評価対象となるスイッチングモードによってスイッチング状態が切り替えられる相の電流が大きい場合に、そのスイッチングモードの評価を低くするための項を設ける。これは、相電流i¥(#=u,v,w)の絶対値にゲインK¥を乗算したもの同士の和によって定量化される。ここで、ゲインK¥は、その相のスイッチング状態が切り替えられない場合に、第1ゲインK1とされて且つ、スイッチング状態が切り替えられる場合に第2ゲインK2(>K1)とされるものである。これにより、スイッチング状態の切り替えがなされる相を流れる電流が大きいほど、評価が低いことを表現することができる。
本実施形態では、上記内積値と、各相についてのゲインK¥および相電流i¥の絶対値の積を全相で加算した値(評価補正値)との和を評価関数Jとする。
ここで、第1ゲインK1および第2ゲインK2は、予測電流と指令電流との乖離度合いの定量値(上記内積値)と比較して、評価補正値「Ku|iu|+Kv|iv|+Kw|iw|」が過度に大きくならないように設定される。これは、予測電流と指令電流との乖離が大きい場合、乖離を低減するスイッチングモードの評価が最も高くなることで、そのスイッチングモードが採用されうるようにするためのものである(応答性確保設定)。これにより、相電流i¥が大きい場合にその相のスイッチング状態の切り替えを制限しつつも、応答性を確保することができる。
ちなみに、こうした設定は、モデル予測制御にとってスイッチング素子S¥#等の発熱量を低減する上で極めて有効なものである。すなわち、評価関数Jを上記内積値のみによって構成する場合、予測電流と指令電流との乖離度合いが最小となるスイッチングモードが逐次選択されることから、従来の三角波PWM処理等と比較してスイッチング状態の切り替え頻度が高くなる傾向にある。ここで、単に、相電流i¥が大きい場合にその相のスイッチング状態の切り替えを禁止する場合には、モデル予測制御のメリットの1つである応答性が犠牲にされる。これに対し、上記のように評価関数Jを構成することで、乖離を迅速に低減する応答性の確保と、スイッチング状態の切り替えに伴う発熱量の低減との好適な両立を図ることができる。
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図6に、本実施形態における先の図3のステップS24の処理の詳細を示す。
この一連の処理では、まずステップS40において、先の図3のステップ16において仮設定されるスイッチングモードの中に、誤差ベクトルedq(n+2)自身の内積値を規定値eth以下とするものがあるか否かを判断する。この処理は、規定値eth以下となるスイッチングモードの評価を他のスイッチングモードの評価よりも高くするためのものである。ここで、規定値ethは、要求トルクT*と、電気角速度ωと、電源電圧VDCとに応じて可変設定される。すなわち、要求トルクT*が大きいほど、指令電流id*,iq*が大きくなるため、同一の差であっても指令電流id*,iq*に対する誤差の割合が小さくなる。このため、要求トルクT*が大きいほど、規定値ethを大きい値とすることで、指令電流id*,iq*に対する誤差の割合が過度に大きいか否かを判断する。また、電気角速度ωが大きいほど電流が変化しにくくなることに鑑み、電気角速度ωが小さいほど規定値ethを大きい値とすることで、規定値ethを上回る事態が生じることを抑制する。さらに、電源電圧VDCが大きいほど電流が変化しやすくなることに鑑み、電源電圧VDCが大きいほど規定値ethを大きい値とすることで、規定値ethを上回る事態が生じることを抑制する。
ステップS40において肯定判断される場合、ステップS42において、誤差ベクトルedq(n+2)自身の内積値を規定値eth以下とするスイッチングモードに、現在のスイッチングモードと同じものがあるか否かを判断する。そして、同じものがある場合、ステップS44において、次回のスイッチングモードを現在のスイッチングモードに決定する(次回の電圧ベクトルV(n+1)を現在の電圧ベクトルV(n)とする)。
これに対し、ステップS42において否定判断される場合、ステップS46において、誤差ベクトルedq(n+2)の内積値を規定値eth以下とするスイッチングモードのうち、スイッチング状態が切り替えられる相の電流の絶対値が最小となるものを最終的なスイッチングモードに決定する。すなわち、たとえばU相でスイッチング状態の切り替えがなされるスイッチングモードおよびV相のスイッチング状態の切り替えがなされるスイッチングモードのそれぞれが、上記内積値を規定値eth以下とするものである場合、相電流iu,ivの絶対値の小さい方について、その相のスイッチング状態を切り替えるスイッチングモードを選択する。この処理は、スイッチング状態の切り替えられる相の電流量が大きい場合に、そのスイッチングモードの評価を低くするための処理である。
一方、上記ステップS40において否定判断される場合、ステップS48において、上記誤差ベクトルedq(n+2)自身の内積値を最小とするスイッチングモードを、最終的なスイッチングモードに決定する。なお、上記ステップS44,S46,S48の処理が完了する場合、この一連の処理を一旦終了する。
上記処理において、規定値ethは、予測電流と指令電流との乖離が大きい場合に、乖離を低減するスイッチングモードの評価を最も高くすることで、そのスイッチングモードに決定するための設定(応答性確保設定)を可能とする。すなわち、上記内積値を規定値eth以下とするものがない場合、ステップS48において、内積値を最小とするスイッチングモードが採用される。また、内積値を規定値eth以下とするスイッチングモードが唯1つ存在して且つ、そのスイッチングモードにおいてたとえ相電流が極大となっている相のスイッチング状態を切り替えるものであったとしてもこれが採用される。
図7(a)に、本実施形態の効果を示す。ここでは、図7(b)に、現在のスイッチングモードを次回も採用する場合の上記内積値が規定値eth以下となる場合に現在のスイッチングモードを維持して且つ、規定値ethを上回る場合には内積値が最小となるスイッチングモードに決定する場合を対比して示した。図示されるように、本実施形態では、相電流(ここでは、U相の相電流iu)の極値付近においてスイッチング状態の切り替えが好適に抑制されている。図8は、図7の一部拡大図である。
<第3の実施形態>
以下、第3の実施形態について、先の第2の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、上記規定値ethを、図9に示すように、電気角θに応じて、「60°」周期で変動させる。ここで、規定値ethの極大値は、相電流iu,iv,iwの絶対値のピークに設定される。これは、規定値ethの位相δを、指令電流ベクトル(id*,iq*)の位相に応じて可変設定することで実現することができる。
こうした設定によれば、相電流iu,iv,iwの1つの絶対値が極大値に近づく場合、上記誤差ベクトルedq(n+2)自身の内積値が規定値ethを上回りにくくなる。このため、先の図6のステップS42において肯定判断される可能性が高まり、ひいては、相電流i¥の絶対値が大きい相のスイッチング状態の切り替えを伴うスイッチングモードの評価を低下させることができる。
<第4の実施形態>
以下、第4の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図10に、本実施形態における先の図3のステップS24の処理の詳細を示す。
図示されるように、本実施形態では、評価関数Jを、誤差ベクトルedq(n+2)自身の内積値と評価補正値ΔJとの和として且つ、評価補正値ΔJを、都度の相別評価補正値ΔJ¥の和とする。ここで、相別評価補正値ΔJ¥は、スイッチング状態の切り替えを伴う相であるか否かに応じて各別のマップを用いて算出される。
すなわち、スイッチング状態の切り替えを伴う相については、相電流i¥および電源電圧VDCと相別評価補正値ΔJ¥との関係を定めたマップを用いて算出される。ここで、相電流i¥および電源電圧VDCは、スイッチング状態の切り替えに伴う損失と正の相関を有する物理量である。このマップにより、スイッチング損失が大きいほど大きな値となる相別評価補正値ΔJ¥を算出することができる。
また、スイッチング状態の切り替えを伴わない相については、相電流i¥と相別評価補正値ΔJ¥との関係を定めたマップを用いて算出される。ここで、相電流i¥は、スイッチング素子S¥p,S¥nやダイオードD¥p,D¥nの導通損失と正の相関を有する物理量である。このマップにより、導通損失が大きいほど大きな値となる相別評価補正値ΔJ¥を算出することができる。
上記評価補正値ΔJは、予測電流と指令電流との乖離度合いの定量値(上記内積値)と比較して、過度に大きくならないように設定される。これは、予測電流と指令電流との乖離が大きい場合、乖離を低減するスイッチングモードの評価が最も高くなることで、そのスイッチングモードが採用されうるようにするためのものである(応答性確保設定)。
<第5の実施形態>
以下、第5の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図11に、本実施形態における先の図3のステップS24の処理の詳細を示す。
この一連の処理では、まずステップS50において、現在のスイッチングモードと同じスイッチングモードを仮設定した場合、誤差ベクトルedq(n+2)自身の内積値が規定値eth以下となるか否かを判断する。そして、規定値eth以下となる場合、ステップS52において、現在のスイッチングモードを次回のスイッチングモードに決定する一方、規定値ethを上回る場合、ステップS54において、上記内積値を最小とするスイッチングモードに決定する。
ここで、本実施形態では、規定値ethを、先の第3の実施形態(図9)の要領で変動させる。これにより、相電流iu,iv,iwの1つの絶対値が極大値に近づく場合、上記誤差ベクトルedq(n+2)自身の内積値が規定値ethを上回りにくくなる。このため、ステップS50において肯定判断される可能性が高まり、ひいては、相電流i¥の絶対値が大きい相のスイッチング状態の切り替えを伴うスイッチングモードの評価を低下させることができる。
<第6の実施形態>
以下、第6の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図12に、本実施形態にかかるスイッチングモードの決定手法を示す。
図示されるように、本実施形態では、相電流(ここでは、U相の相電流iuを例示)の絶対値が極大となる位相の前後「30°」の領域において、その相のスイッチング状態の切り替えを伴うスイッチングモードの採用を禁止する。これは、先の図3のステップS16において仮設定されるスイッチングモードから、予め該当するスイッチングモードを除外することで実現することができる(禁止手段の一実施形態)。このように、特定のスイッチングモードを仮設定候補から除外するという簡易な処理によって電流が大きい相のスイッチング状態の切り替えを禁止することができるのがモデル予測制御を採用するメリットの1つである。なお、この場合、先の図3のステップS24においては、誤差ベクトルedq(n+2)自身の内積値を最小とするスイッチングモードを選択すればよい。
上記領域は、指令電流ベクトル(id*,iq*)の位相と電気角θとを入力として、特定すればよい。もっともこれに代えて、検出される相電流i¥を入力とし、それら検出値の絶対値が、相電流i¥の振幅の「sinπ/3」以上となることに基づき特定してもよい。
<その他の実施形態>
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
「可変手段について」
規定値ethとしては、要求トルクT*、電気角速度ω、および電源電圧VDCに応じて可変設定されるものに限らず、これら3つのパラメータのうちの1つまたは2つに応じて可変設定されるものであってもよい。また、要求トルクT*に代えて、実電流id,iqから推定される推定トルクを用いてもよい。さらに、要求トルクT*に代えて、実電流id,iqや、指令電流id*,iq*を用いてもよい。
また、規定値ethを固定値としてもよい。ただしこの場合、規定値ethとの比較対象を、制御量の絶対値によって規格化された誤差(指令電流ベクトルのノルムに対する誤差ベクトルのノルムの比等)とすることが望ましい。
「応答性確保設定について」
相電流が極大となる位相の前後「30°」の領域となる都度、該当する相のスイッチング状態を切り替えるスイッチングモードの評価関数に一定値(評価補正値)を足しこむようにしてもよい。ここでの評価補正値を、モータジェネレータ10の制御の正常時において、誤差ベクトルedq自身の内積値のとり得る最大値よりも小さくすることで、応答性確保設定を実現することができる。
また、たとえば、上記第6の実施形態(図12)において、評価関数Jの入力パラメータとしての指令値の変化量の絶対値が規定値以上となる過渡時において、制限を解除する手段であってもよい。ここで、指令値の変化量の絶対値が規定値以上となるか否かは、制御量とその指令値との乖離が大きくなるか否かを判断するためのものである。同様に、たとえば上記第1の実施形態において、定常時の第2ゲインK2を過度に大きい値として且つ、過渡時においてゲインK¥をゼロとする手段であってもよい。
「評価補正値について」
上記第4の実施形態(図10)において、相別評価補正値ΔJ¥をマップ演算する代わりに、導通損失情報およびスイッチング状態の切替速度に関する情報を記憶することで、それら情報と、電流i¥および電源電圧VDCとを用いて都度算出してもよい。ここで、スイッチング状態の切替速度と電流i¥と電源電圧VDCとは、スイッチング状態の切り替えに際しての損失を定めるためのパラメータである。
また、導通損失を考慮することなく、スイッチング状態が切り替わる場合、その相の電流i¥と電源電圧VDCの積にゲインを乗算した値を評価補正量として加算するようにしてもよい。ここで、電流i¥と電源電圧VDCの積は、スイッチング損失と相関を有する量であり、ゲインは、応答性確保設定を行なうためのものである(ただし、禁止手段を構成するためのものとすることも可能である)。
なお、相別評価補正値の算出に用いる入力パラメータとしては、上記第4の実施形態(図10)に例示したものに限らないことについては、「回転機について」の欄に記載がある。
また、評価補正値の具体化手法としては、他にもたとえば「応答性確保設定について」の欄に記載したものであってもよい。
「禁止手段について」
上記第1の実施形態(図5)において、極大となる位相の前後「30°」の領域における電流の値と第2ゲインK2との積が、誤差ベクトルedq(n+2)自身の内積値としてとり得ない値となるように第2ゲインK2を設定することで禁止手段を構成してもよい。
上記第5の実施形態(図11)にかかる規定値ethを、相電流のピークとなる付近の領域において誤差ベクトルedq(n+2)自身の内積値としてとり得ない値となるように設定することで禁止手段を構成してもよい。
「仮設定されるスイッチングモードについて」
スイッチング状態の切り替え端子数が「1」以下となるものに限らず、「2」以下となるものであってもよい。また、スイッチングモードの全てであってもよい。
「予測手段について」
次回のスイッチングモードに対応する電圧ベクトルV(n+1)によって生じる制御量のみを予測するものに限らない。たとえば、数制御周期先の更新タイミングにおけるインバータINVの操作による制御量まで順次予測するものであってもよい。
「予測される制御量とその指令値との乖離度合いの定量化手法について」
たとえば、上記第1の実施形態において、予測電流ide(n+2)と指令電流id*(n+2)との差の絶対値と、予測電流iqe(n+2)と指令電流iq*(n+2)との差の絶対値との加重平均処理値を、予測電流と指令電流との乖離度合いの定量値としてもよい。要は、乖離度合いが大きいほど評価が低くなることを定量化すべく、乖離度合いとの間に正または負の相関関係があるパラメータによって定量化すればよい。
「制御量について」
指令値と予測値とに基づきインバータINVのスイッチングモードを決定するために用いる制御量としては電流に限らない。例えば、トルクおよび鎖交磁束としたり、トルクのみまたは鎖交磁束のみとしたりしてもよい。また例えば、トルクおよびd軸電流またはトルクおよびq軸電流等、トルクおよび電流であってもよい。ここで、制御量を電流以外とする場合等において、センサによる直接の検出対象を電流以外としてもよい。
上記各実施形態では、回転機の究極の制御量(予測対象であるか否かにかかわらず、最終的に所望の量とされることが要求される制御量)を、トルクとしたが、これに限らず、例えば回転速度等としてもよい。
「回転機について」
回転機としては、3相回転機に限らず、5相回転機等、4相以上の回転機であってもよい。
上記実施形態では、固定子巻線がスター結線されたものを想定したがこれに限らず、デルタ結線されたものであってもよい。この場合、回転機の端子と相とは一致しない。
回転機としては、埋め込み磁石同期機に限らず、表面磁石同期機や、界磁巻線型同期機等、任意の同期機であってよい。更に、同期機にも限らず、誘導モータ等、誘導回転機であってもよい。この場合であっても、電力変換回路に接続されるコイルの電流が大きい場合に、そのコイルに対応するスイッチング素子のスイッチング状態の切り替えを制限することは有効である。
回転機としては車両の主機として用いられるものに限らない。なお、車載主機以外の場合等にあっては、直流電圧源の電圧の変動が無視できる環境も考えられる。そしてこの場合には、先の第4の実施形態(図10)において、電源電圧VDCを入力とすることなくスイッチング損失に応じた相別評価補正値ΔJ¥を高精度に算出することができる。
「そのほか」
直流電圧源としては、高電圧バッテリ12に限らず、例えば高電圧バッテリ12の電圧を昇圧するコンバータの出力端子であってもよい。
互いに相違する電圧値の電圧のそれぞれを印加する各別の電圧印加手段と回転機の端子との間を開閉するスイッチング素子を備えて構成される電力変換回路としては、回転機の端子を直流電圧源の正極および負極のそれぞれに選択的に接続するスイッチング素子を備える直流交流変換回路(インバータINV)に限らない。例えば、多相回転機の各相に3つ以上の互いに相違する値の電圧のそれぞれを印加する電圧印加手段と回転機の端子との間を選択的に開閉するスイッチング素子を備えるものであってもよい。なお、回転機の端子に3つ以上の互いに相違する値の電圧のそれぞれを印加するための電力変換回路としては、例えば特開2006−174697号公報に例示されているものがある。
10…モータジェネレータ、20…制御装置、INV…インバータ(電力変換回路の一実施形態)。

Claims (13)

  1. 互いに相違する電圧値の電圧のそれぞれを印加する各別の電圧印加手段と回転機の端子との間を開閉する、上側アームと下側アームとからなる一対のスイッチング素子を備えて構成される電力変換回路について、該電力変換回路を構成するスイッチング素子のオン・オフ操作によって、前記回転機を流れる電流、前記回転機のトルク、および前記回転機の鎖交磁束の少なくとも1つを有した制御量を制御する回転機の制御装置において、
    前記スイッチング素子の上側アームと下側アームのそれぞれがオン状態であるかオフ状態であるかを示すスイッチングモードを仮設定し、該仮設定されたスイッチングモードのそれぞれに応じた前記制御量に関する予測を行なう予測手段と、
    該予測手段による予測結果に基づき、前記電力変換回路の実際の操作に用いるスイッチングモードを決定する決定手段と、
    該決定されたスイッチングモードとなるように前記電力変換回路を操作する操作手段とを備え、
    前記決定手段は、前記回転機の制御が正常になされて且つ、検出された前記回転機の端子を流れる電流である相電流の絶対値が大きいほど、該端子に接続されるスイッチング素子の上側アームと下側アームとの間でのスイッチング状態の切替を伴うスイッチングモードを、実際の操作に用いるスイッチングモードに決定されにくくする制限手段を備えることを特徴とする回転機の制御装置。
  2. 互いに相違する電圧値の電圧のそれぞれを印加する各別の電圧印加手段と回転機の端子との間を開閉する、上側アームと下側アームとからなる一対のスイッチング素子を備えて構成される電力変換回路について、該電力変換回路を構成するスイッチング素子のオン・オフ操作によって、前記回転機を流れる電流、前記回転機のトルク、および前記回転機の鎖交磁束の少なくとも1つを有した制御量を制御する回転機の制御装置において、
    前記スイッチング素子の上側アームと下側アームのそれぞれがオン状態であるかオフ状態であるかを示すスイッチングモードを仮設定し、該仮設定されたスイッチングモードのそれぞれに応じた前記制御量に関する予測を行なう予測手段と、
    該予測手段による予測結果に基づき、前記電力変換回路の実際の操作に用いるスイッチングモードを決定する決定手段と、
    該決定されたスイッチングモードとなるように前記電力変換回路を操作する操作手段とを備え、
    前記決定手段は、前記予測手段による予測結果に基づき、前記仮設定されるスイッチングモードを評価する評価手段を備え、該評価手段による評価が最も高いスイッチングモードを前記実際の操作に用いるスイッチングモードに決定するものであり、
    前記評価手段には、前記回転機の制御が正常になされて且つ、前記回転機の任意の端子を流れる相電流が極大となる場合、前記極大となる相電流が流れる端子に接続されるスイッチング素子のスイッチング状態の切り替えを伴うスイッチングモードの評価よりも、前記極大よりも小さい相電流が流れる端子に接続されるスイッチング素子のスイッチング状態の切り替えを伴うスイッチングモード、またはスイッチング状態の切り替えを伴わないスイッチングモードの評価を、前記回転機の制御量とその指令値との乖離度合いに基づき低くし得る応答性確保設定がなされている
    ことを特徴とする回転機の制御装置。
  3. 前記決定手段は、前記予測手段による予測結果に基づき、前記仮設定されるスイッチングモードを評価する評価手段を備え、該評価手段による評価が最も高いスイッチングモードを前記実際の操作に用いるスイッチングモードに決定するものであり、
    前記評価手段には、前記回転機の制御が正常になされて且つ、前記回転機の任意の端子を流れる電流が極大となる場合、前記極大となる電流が流れる端子に接続されるスイッチング素子のスイッチング状態の切り替えを伴うスイッチングモードの評価よりも、前記極大よりも小さい電流が流れる端子に接続されるスイッチング素子のスイッチング状態の切り替えを伴うスイッチングモード、またはスイッチング状態の切り替えを伴わないスイッチングモードの評価を、前記回転機の制御量とその指令値との乖離度合いに基づき低くし得る応答性確保設定がなされている
    ことを特徴とする請求項1記載の回転機の制御装置。
  4. 前記評価手段は、前記仮設定されたスイッチングモードについて、前記予測される制御量とその指令値との乖離が大きい場合に評価を低くするものであって且つ、スイッチング状態が切り替えられる状況下、該スイッチング状態の切り替えられる前記回転機の端子を流れる電流の絶対値が大きい場合に評価を低くするものであり、
    前記応答性確保設定は、前記回転機の制御が正常になされて且つ、前記回転機の任意の端子を流れる電流が極大となる場合、前記極大の電流が流れる端子に接続されるスイッチング素子のスイッチング状態の切り替えを伴うスイッチングモードよりも、前記極大よりも小さい電流が流れる端子に接続されるスイッチング素子のスイッチング状態の切り替えを伴うスイッチングモード、またはスイッチング状態の切り替えを伴わないスイッチングモードの方が前記予測される制御量とその指令値との乖離が大きい場合に、前記極大の電流が流れる端子に接続されるスイッチング素子のスイッチング状態の切り替えを伴うスイッチングモードの評価を高くし得るものであることを特徴とする請求項2又は3に記載の回転機の制御装置。
  5. 前記評価手段は、前記予測される制御量とその指令値との乖離が規定値以下となるものがある場合、スイッチング状態の切り替えのなされないスイッチングモード、および前記回転機の端子のうちスイッチング状態が切り替えられるものに流れる電流の絶対値が一番小さいスイッチングモードの評価をそれ以外のものよりも高くすることを特徴とすることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
  6. 前記評価手段は、前記予測される制御量とその指令値との乖離が規定値を上回る場合、乖離が最も小さいスイッチングモードの評価をそれ以外のものと比較して高くすることを特徴とする請求項記載の回転機の制御装置。
  7. 前記規定値を、前記予測手段による予測対象とされる制御量の大きさに応じて可変設定する可変手段を備えることを特徴とする請求項または記載の回転機の制御装置。
  8. 前記回転機は、N(>1)相の回転機であり、
    前記規定値を、電気角周期の「1/2N」倍の周期で変動させる変動手段を備えることを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
  9. 前記決定手段は、前記予測手段による予測結果に基づき、前記仮設定されるスイッチングモードを評価する評価手段を備え、該評価手段による評価が最も高いスイッチングモードを前記実際の操作に用いるスイッチングモードに決定するものであり、
    前記評価手段は、前記予測される制御量とその指令値との乖離が大きいほど評価を低くするものであって且つ、前記仮設定されるスイッチングモードについて、スイッチング状態の切り替えがなされる場合、該切り替えのなされる端子を流れる電流の絶対値が大きいほど評価を低下させるための評価補正値が前記予測される制御量とその指令値との乖離度合いの定量値に加算された値の大小によって、評価の高低を定量化することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
  10. 前記評価補正値は、前記回転機の端子を流れる電流の絶対値に、該端子がスイッチング状態の切り替えのなされるものであるか否かに応じて互いに相違するゲインを乗算した値の和であることを特徴とする請求項記載の回転機の制御装置。
  11. 前記評価補正値は、スイッチング状態の切り替えの有無に関する情報および前記回転機の端子を流れる電流を入力とし、前記スイッチング素子によって生じる発熱量を定量化した値を算出する手段の出力値であることを特徴とする請求項記載の回転機の制御装置。
  12. 前記回転機は、N(>1)相の回転機であり、
    前記評価手段は、スイッチング状態の切り替えを伴わないスイッチングモードについて、前記予測される制御量とその指令値との乖離が規定値以下となる場合、該切り替えを伴わないスイッチングモードの評価をそれ以外のものよりも高くするものであり、
    前記規定値を、電気角周期の「1/2N」倍の周期で変動させる変動手段を備えることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
  13. 前記制限手段は、前記回転機の制御が正常になされて且つ、スイッチング状態が切り替えられる前記回転機の端子を流れる相電流の絶対値が大きい場合、上側アームと下側アームとの間での該スイッチング状態の切替を伴うスイッチングモードを、前記仮設定されたスイッチングモードの候補から除外する禁止手段を備え、
    除外されたスイッチングモード以外のスイッチングモードについて、前記相電流の絶対値が大きいほど、実際の操作に用いるスイッチングモードに決定されにくくすることを特徴とする請求項1記載の回転機の制御装置。
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