JP5347444B2 - シート搬送装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
インクジェット記録方式は、他の記録方式、例えば電子写真方式などと比較して容易に装置の小型化ができ、低価格で高品位の記録装置を作ることができるため、近年様々な技術が開発されている。
(1)用紙が吸引搬送ベルト上に乗った後は、その位置からずれてはいけない(1色目印字開始後のズレはエヌジー(NG)となる)。
(2)用紙は、その全体に渡って、吸引搬送ベルトにきちんと貼り付いていなければならない(浮きなき)ことが挙げられる。
上記(2)の搬送条件(以下、「第2のシート搬送条件」という))を満足できないと、用紙が浮き上がった状態で印字されることとなり、これもやはり異常画像となる。また、印字ヘッド先端であるノズルのインク吐出口と吸引搬送ベルトとの隙間(ギャップ)は狭く、1〜2mm程度(後述する本発明の一実施形態の図4参照)であるため、特に用紙の先端部分が浮いていると、用紙の先端部分が印字ヘッドに接触し、スキューやジャムが発生してしまう。
請求項1記載の発明は、複数の吸引孔を形成された無端状の吸引搬送ベルトが複数の回転部材に掛け渡され、上記複数の吸引孔からのエア吸引によってシートを上記吸引搬送ベルトに吸着してシート搬送方向に搬送するシート搬送装置において、上記吸引搬送ベルトは、シートを載置するシート載置位置が予め決められていて、上記シート載置位置に対応して上記複数の吸引孔が形成されており、上記吸引搬送ベルトの周長は、A4短手サイズのシート4枚が上記各シート載置位置に載置される長さであって、上記吸引搬送ベルトが1周することでA4短手サイズのシートを4枚搬送可能であり、上記吸引搬送ベルトは、上記周長に渡って1種類の吸引孔パターンを4つ有し、A4短手サイズよりシート長さが長いシートを使用する場合には、上記吸引孔パターンの1つおきにシートを載置することを特徴とする。
すなわち、本発明によれば、上記構成により、吸引搬送ベルトの複数の吸引孔からのエア吸引力(負圧)を高めることができると共に、例えば特許文献2記載の技術と比べて、シートサイズが小さい場合に静圧が下がり吸着力が低下することを回避して、吸引孔の数を最小限にできるので、シートサイズに関わらず、吸引搬送ベルト上でシートがずれることなく、かつ、シートの浮き(特にはシートの先端部分)が発生しない安定したシート搬送が可能なシート搬送装置および画像形成装置を実現し提供することができる。
まず、図1および図2を参照して、本実施形態に係る画像形成装置ないしは画像記録装置の一例としてのフルラインタイプのインクジェット記録装置1の要部構成について説明する。
図1および図2に示すように、インクジェット記録装置1は、シートとしての用紙10に画像形成を行う画像形成手段としてのフルラインタイプのインクジェット記録ヘッド(以下、「ヘッドユニット」という)100と、ヘッドユニット100に近接して配置され、後述する図示しない給紙装置から給送されてくる用紙10をシート搬送方向Xに搬送するエア吸着方式のシート搬送装置2と、シート搬送装置2にタイミングを取って用紙10を給送するレジストローラ対200a,200bおよびこのレジストローラ対200a,200bに向けて用紙10を1枚ずつに分離して送り出す図示しないシート給送手段およびシート積載手段等を備えた給紙装置(図示せず)と、ヘッドユニット100にて画像形成された用紙10を排出する排紙トレイ等のシート排出手段を備えた排紙装置(図示せず)とから主に構成されている。
上記給紙トレイは、シート搬送方向Xと直交するシート幅方向Yに互いに移動可能に構成され、用紙10の両側端面に当接して用紙10のシート幅方向Yの位置決め・揃えを行う一対のサイドフェンスと、このサイドフェンス対のシート幅方向Yの移動に伴い用紙10におけるシート幅方向Yのサイズの検出を行うシート幅検知手段と、用紙10におけるシート搬送方向Xのサイズの検出を行うシート長さ検知手段とが配設されている。上記シート幅検知手段およびシート長さ検知手段からなるシートサイズ検知手段の具体例としては、特開2005−153179号公報の図14に示されている用紙サイズ検知センサ(117)と同様の図5に示す用紙サイズ検知センサ210を用いて用紙(シート)サイズの検知を行うようになっている。
なお、給紙装置としては、上記のような摩擦方式のものに限らず、エアの吹付力によりシートを分離した後、エアの吸引力によりシートを給送するエア方式のものであってもよい。
図3、図4に拡大して示すように、4つの印字ヘッド101、102、103、104は、シート搬送方向Xに沿ってその下流側から上流側に向かって並設されていて、それらのノズル101a、102a、103a、104aが下方に向けた状態でヘッドホルダ105に保持されている。
図4に示すように、「発明が解決しようとする課題」で説明したように、各印字ヘッド101〜104のノズル101a〜104aのインク吐出口とシート搬送装置2を構成する吸引搬送ベルト400上面との隙間(ギャップ)は狭く、1〜2mm程度に設定されている。
本実施形態では、4つの印字ヘッド101〜104を用いて4色のインクを吐出させてフルカラー画像を形成するようにしているが、3色のインクや、淡い色のインクを付加した6色あるいは7色のインクを吐出させる印字ヘッド構成とすることも可能である。
ベルト駆動モータ407は、ギヤ列またはプーリとベルト等の駆動力伝達手段を介して、駆動ローラ401の軸の一端に接続されている。ベルト駆動モータ407としては、速度可変制御および回転による搬送距離の制御が容易で正確なパルス入力で駆動されるモータとしてステッピングモータを用いている。
そして、エア排出経路(エア流れ・エア吸引方向)の上流側のシロッコファン405aのエア吐出口405a2に、隣る下流側のシロッコファン405bのエア吸引口405b1を連通・接続して配置した点が大きな特徴となっている。
当然のことながら、吸引チャンバ403と吸引ダクト404との連通・接続部、吸引チャンバ403とシロッコファン405aのエア吸引口405a1との連通・接続部、シロッコファン405aのエア吐出口405a2とファン接続ダクト406との連通・接続部、シロッコファン405bのエア吸引口405b1とファン接続ダクト406との連通・接続部は、それぞれエア漏れがないように適切な嵌合接続形状により、また適宜のシールテープ等の貼り付けによってエア漏れ防止が図られている。
周知のように、多翼ファンを備えた遠心送風機(シロッコファン)は、小型かつ安価であり、特に軸流式送風機と比べて、1段での圧力上昇を大きくとることが容易で騒音も少ないという特徴がある。
本実施形態においては、各シロッコファン405a,405bは、DCファンからなるので、各々の回転数を可変することで、静圧および風量を変えることも可能であるが、本実施形態では、通常、各シロッコファン405a,405bは最大の回転数で回転駆動される設定である。
また、吸引搬送ベルト400、駆動ローラ401、従動ローラ402、ベルト駆動モータ407は、上記エア吸引手段により吸引搬送ベルト400上に吸着された用紙10を給送するシート給送手段を構成している。
また、従動ローラ402寄りの吸引搬送ベルト400の下方近傍には、図6等に示すように吸引搬送ベルト400に開けられたベルトホームポジション孔410を検知するベルトホームポジションセンサ301が配置されている。用紙先端センサ300およびベルトホームポジションセンサ301は、反射型のフォトセンサからなる。
インクジェット記録装置1の上方には、操作パネル500が配設されている。操作パネル500は、インクジェット記録装置1の動作指示を行うためのスタートキーやテンキー等のハードキーと、インクジェット記録装置1の各装置状態をする報知する報知手段ないし表示手段としての液晶表示部等とを有する。
また、操作パネル500の上方には、画像読取装置520が配設されている。画像読取装置520としては、例えば特開2006−76270号公報の図1に示されている画像読取部(40)と同様の周知の構成を備えている。
また、インクジェット記録装置1には、パソコン530が図示しないパソコンコントローラを介して電気的に接続されている。
一方、パソコン530から送出された画像データは、上記図示しないパソコンコントローラを経由して画像処理装置510で所定の画像処理を行われた後、制御手段に600に送られ、このデータ基づいて各印字ヘッド101〜104の駆動部が選択的に駆動することにより、所定色のインクを用紙10に吐出して画像形成を行う。画像処理装置510としては、例えば特開2006−76270号公報の図14に示されている画像処理装置(37)とほぼ同様の構成を備えている。
吸引搬送ベルト400は、用紙(シート)10を載置するシート載置位置が予め決められていて、上記シート載置位置に対応して複数の吸引孔408が形成されていることを特徴としている。
シート搬送装置2で搬送できる用紙サイズは、例えばA6〜A3までの定型サイズの用紙10である。ちなみに、その詳細は、A6長手、B6長手、A5長手および短手、B5長手および短手、A4長手および短手、B4長手、A3長手となっている。
ここで、「長手」とは、シート搬送方向Xに対して用紙長さが長くなる用紙サイズの場合を、「短手」とは、その逆をそれぞれ意味する。
A4短手(210mm)サイズの用紙10の1枚目に対応して吸引搬送ベルト400に形成された吸引孔パターンを一点鎖線で、同様に用紙10の2枚目に対応して吸引搬送ベルト400に形成された吸引孔パターンを細かい破線で、同様に用紙10の3枚目に対応して吸引搬送ベルト400に形成された吸引孔パターンを粗い破線で、同様に用紙10の4枚目に対応して吸引搬送ベルト400に形成された吸引孔パターンを二点鎖線で、それぞれ矩形で囲んで示す。
図6および図7において、図を見やすくするため、用紙10の1枚目および3枚目に対応して吸引搬送ベルト400のシート載置位置に形成された吸引孔パターンの各吸引孔408を白抜きの丸形状およびベルトホームポジション孔410を白抜きの長方形で、用紙10の2枚目および4枚目に対応して吸引搬送ベルト400のシート載置位置に形成された吸引孔パターンの各吸引孔408を黒丸形状およびベルトホームポジション孔410を黒の長方形で表している。なお、図1等における各吸引孔パターンの正確な配置状態は、図8に示すとおりである。
しかし、B5長手(257mm)以上のシート搬送方向Xに長い用紙サイズの場合は、ベルトホームポジションセンサ301のオン信号を1つ飛ばして搬送するため、吸引搬送ベルト400の1周で2枚の用紙10にしか印刷することができず、その生産性が半分となる。
B4、A3長手サイズの用紙10の後端側の角部を吸引する吸引孔408は、2ピッチ目の吸引孔パターンに属する吸引孔408になる。
次いで、操作パネル500に配設されている図示しないテンキーにより用紙枚数を置数し、図示しないスタートキーを押下すると、インクジェット記録装置1が作動する。
ベルトホームポジションセンサ301がベルトホームポジション孔410を検知したら、レジストローラ対200a,200bが作動し回転する。このレジストローラ対200a,200bが回転する以前に、上記図示しない給紙装置から用紙10が1枚に分離されてレジストローラ対200a,200bに向けて送り出され、レジストローラ対200a,200bのニップ部で用紙10先端が一時的に停止する。これと同時に、各シロッッコファン405a,405bが回転駆動されることで、吸引搬送ベルト400の各吸引孔408からのエア吸引可能な状態となる。
A4短手サイズ(210mm)より用紙長さが長い用紙10使用の場合、すなわちB5長手以上の長い用紙10使用の場合は、レジストローラ対200a,200bの回転動作は、ベルトホームポジションセンサ301によるオン信号の1つおきに動作させる。いわゆるスキップ給紙により、吸引搬送ベルト400の例えば1ピッチ目と3ピッチ目の各吸引孔パターンの吸引孔408形成箇所でのみB5長手サイズ以上の長い用紙10を吸着搬送することとなる。
A4短手サイズ(210mm)の検知は、上述したように図示しない給紙トレイの用紙サイズ検知センサ210にて検知するが、上記給紙トレイの用紙10の先端を突き当て揃える前面板よりシート搬送方向Xの上流側の約212mm部分に反射型のフォトセンサを配置することで対応できる。
この際、上述したように直列に連通・接続された2つのシロッコファン405a,405bの駆動によって、高い静圧(負圧)による十分な吸引力作用の下で、また上述した特有の吸引孔パターンの下で、用紙10が吸引搬送ベルト400上でずれることなく、かつ、浮きが発生しない状態で吸引搬送ベルト400に吸着されつつ確実に搬送される。
用紙10の先端が検知されることで、ヘッドユニット100の各印字ヘッド101〜104での印字タイミング、すなわち各色のインクの吐出タイミングが決定される。すなわち、用紙先端センサ300がオンしてから、ステッピングモータからなるベルト駆動モータ407が任意のパルス数付与に応じたステップ数(角度)回転動作後から各印字ヘッド101〜104での印字がスタートする。これにより、各印字ヘッド101〜104から各色のインクが吐出・噴射されてフルカラー画像が用紙10上に形成された後、画像形成済みの用紙10が上記図示しない排紙トレイに排出・積載されることとなる。
本発明を特定の実施形態等について説明したが、本発明が開示する技術的範囲は、上述した実施形態や実施例等に例示されているものに限定されるものではなく、それらを適宜組み合わせて構成してもよく、本発明の範囲内において、その必要性および用途等に応じて種々の実施形態や変形例あるいは実施例を構成し得ることは当業者ならば明らかである。
2 シート搬送装置
10 用紙
100 ヘッドユニット(インクジェット記録ヘッド)
101〜104 印字ヘッド(インクジェット記録ヘッド)
200a,200b レジストローラ対
300 用紙先端センサ
301 ベルトホームポジションセンサ(ベルトホームポジション検知手段)
400 吸引搬送ベルト
401 駆動ローラ(回転部材)
402 従動ローラ(回転部材)
403 吸引チャンバ
404 吸引ダクト
405a,405b シロッコファン・DCファン(エア吸引駆動源)
405a1,405b1 エア吸引口
405a2,405b2 エア吐出口
406 ファン接続ダクト
410 ベルトホームポジション孔(シート載置位置被検知用孔・シート載置位置被検知手段)
600 制御手段
Claims (5)
- 複数の吸引孔を形成された無端状の吸引搬送ベルトが複数の回転部材に掛け渡され、上記複数の吸引孔からのエア吸引によってシートを上記吸引搬送ベルトに吸着してシート搬送方向に搬送するシート搬送装置において、
上記吸引搬送ベルトは、シートを載置するシート載置位置が予め決められていて、上記シート載置位置に対応して上記複数の吸引孔が形成されており、
上記吸引搬送ベルトの周長は、A4短手サイズのシート4枚が上記各シート載置位置に載置される長さであって、上記吸引搬送ベルトが1周することでA4短手サイズのシートを4枚搬送可能であり、
上記吸引搬送ベルトは、上記周長に渡って1種類の吸引孔パターンを4つ有し、
A4短手サイズよりシート長さが長いシートを使用する場合には、上記吸引孔パターンの1つおきにシートを載置することを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項1記載のシート搬送装置において、
上記各吸引孔パターンにおける上記シート搬送方向の先端部は、上記吸引孔による吸引面積が他の部分と比べて大きくなるように上記吸引孔が多数形成されていることを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項1または2記載のシート搬送装置において、
上記吸引搬送ベルトには、上記各シート載置位置を検知するためのシート載置位置被検知手段が上記シート搬送方向に沿った同一直線上に4箇所形成されており、かつ、上記吸引搬送ベルトの上記同一直線上には、上記吸引孔が形成されていないことを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項1ないし3の何れか一つに記載のシート搬送装置において、
上記吸引孔は、少なくても定型サイズの各シートの四隅の部分に対応して形成されていることを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項1ないし4の何れか一つに記載のシート搬送装置と、画像形成手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
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