JP2007038518A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数の搬送ベルトにおける搬送速度にばらつきがあっても、記録媒体の斜行の発生を低く抑えることができるインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】 複数本の搬送ベルトが、これら複数本の搬送ベルト同士間に隙間をあけて記録用紙Pの搬送方向Xとは直交するY方向に並設された用紙搬送部3と、用紙搬送部3によって搬送される記録用紙Pを、複数本の搬送ベルトのそれぞれの外周面に押し付ける用紙押え部5と、を備え、複数本の搬送ベルトのうちの1本は、記録用紙Pと搬送ベルトの外周面との間でX方向に沿って作用する摩擦力である搬送摩擦力が、他の搬送ベルトにおける搬送摩擦力よりも大きい最大搬送摩擦力に設定されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、インクジェット記録装置に関し、特に、記録媒体を搬送ベルト上に載置して搬送する搬送装置を備えたものに関する。
近年、ノズルからインク滴を吐出して記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置において、記録速度の高速化の要望から、多数のノズルが記録媒体の幅以上の長さに亘って配列された記録領域を有するライン型の記録ヘッド(以下、ラインヘッドという)を備えたインクジェット記録装置(以下、ライン型インクジェット記録装置という)が実用化されている。
このライン型インクジェット記録装置では、従来、記録媒体を載置して搬送する複数の搬送ベルトを備え、これら複数の搬送ベルトを同一の駆動源で駆動することによって、複数の搬送ベルト間の搬送速度のばらつきをなくし、記録媒体の斜行を防止するようにした構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−132700号公報(第3頁、図6)
しかしながら、複数の搬送ベルト間の搬送速度のばらつきをなくして記録媒体の斜行を防止するには、複数の搬送ベルトの厚みをすべて同一とし、且つこれら搬送ベルトを共通の駆動源で駆動するだけでは不十分である。つまり、搬送ベルト間の搬送速度のばらつきをなくすには、これらに加えて、搬送ベルトの周長、一対の回転軸のそれぞれの外径や曲がり、回転軸上に設けられて搬送ベルトが巻回されるプーリの外径等の精度を、搬送ベルト間で同一にしなければならない。
すなわち、上記特許文献1に記載された従来例では、種々の部品の寸法精度を極めて高くしなければならず、複数の搬送ベルトにおける搬送速度のばらつきをなくして記録媒体の斜行を防止することが困難であるという未解決の課題がある。
本発明は、上記の未解決の課題に着目してなされたものであり、複数の搬送ベルトにおける搬送速度にばらつきがあっても、記録媒体の斜行の発生を低く抑えることができるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、無端状の搬送ベルトを駆動して、当該搬送ベルトの外周面に載置された記録媒体を搬送する記録媒体搬送手段を備え、該記録媒体搬送手段によって搬送される前記記録媒体にノズルからインク滴を吐出して記録を行うインクジェット記録装置であって、前記記録媒体搬送手段には、複数本の前記搬送ベルトが、該複数本の搬送ベルト同士間に隙間をあけて前記記録媒体の搬送方向とは交差する方向に並設されており、前記搬送ベルトの前記外周面と前記記録媒体との間で前記搬送方向に沿って作用する摩擦力である搬送摩擦力を、前記複数の搬送ベルトのそれぞれについて付加する摩擦力付加手段を備え、前記複数本の搬送ベルトのうちの1本だけは、他の前記搬送ベルトにおける前記搬送摩擦力よりも大きい最大搬送摩擦力が作用するように構成されていることを特徴とする。
この第1の発明では、記録媒体搬送手段が記録媒体を搬送する際には、複数本の搬送ベルトのうちの所定の1本と記録媒体との間に、他の搬送ベルトにおける搬送摩擦力よりも大きい最大搬送摩擦力が作用する。従って、複数本の搬送ベルトの搬送速度がそれぞれ異なる速度であっても、記録媒体は、最大搬送摩擦力が作用する所定の1本の搬送ベルトによって搬送速度が支配される。つまり、所定の1本の搬送ベルトと他の搬送ベルトとの搬送速度が異なっているときには、記録媒体は、最大搬送摩擦力によって引張られて、他の搬送ベルトの外周面上を滑ることになる。これにより、記録媒体の斜行の発生を低く抑えることが可能となる。
第2の発明は、第1の発明において、前記1本の搬送ベルトは、該1本の搬送ベルトの前記外周面と前記記録媒体との間の摩擦係数が前記他の搬送ベルトにおける前記摩擦係数よりも大きい値に設定されることにより、前記最大搬送摩擦力が作用するようになっていることを特徴とする。
この第2の発明では、記録媒体と所定の1本の搬送ベルトの外周面との間の摩擦係数が、他の搬送ベルトにおける摩擦係数よりも大きい値に設定されている。これにより、所定の1本の搬送ベルトと記録媒体との間に最大搬送摩擦力を作用させることが可能となる。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記摩擦力付加手段は、前記記録媒体を前記複数本の搬送ベルトのそれぞれの前記外周面に押し付ける記録媒体押付手段で構成され、前記1本の搬送ベルトは、前記記録媒体押付手段による前記記録媒体の押付力が前記他の搬送ベルトにおける前記押付力よりも大きい値に設定されることにより、前記最大搬送摩擦力が作用するようになっていることを特徴とする。
この第3の発明では、所定の1本の搬送ベルトにおける記録媒体押付手段の押付力が、他の搬送ベルトにおける押付力よりも大きい値に設定されている。これにより、所定の1本の搬送ベルトと記録媒体との間に最大搬送摩擦力を作用させることが可能となる。
第4の発明は、第3の発明において、前記記録媒体押付手段は、前記記録媒体の前記搬送ベルトに載置される側の載置面とは反対側の面に当接して回転可能に支持された当接ローラを備えるとともに、前記記録媒体を前記搬送ベルトの前記外周面に前記当接ローラを介して押し付けるように構成されていることを特徴とする。
この第4の発明では、記録媒体押付手段は、当接ローラを介して記録媒体を搬送ベルトの外周面に押し付けるようになっている。これにより、記録媒体押付手段と記録媒体との間に作用する摩擦力を低く抑えることができ、この摩擦力によって記録媒体の斜行が発生してしまうことを低く抑えることが可能となる。
第5の発明は、第1又は第2の発明において、前記複数の搬送ベルトのそれぞれには、外周と内周との間を貫通する吸気孔が形成されており、前記摩擦力付加手段は、前記複数の搬送ベルトのそれぞれにおける前記内周側から前記吸気孔を介して空気を吸引する吸引手段を備え、該吸引手段が空気を吸引している状態で前記記録媒体を前記搬送ベルトに吸着させて前記搬送摩擦力を付加するように構成され、前記1本の搬送ベルトは、該1本の搬送ベルトと前記記録媒体との間の吸着力が他の前記搬送ベルトと前記記録媒体との間の吸着力よりも大きい値に設定されることにより、前記最大搬送摩擦力が作用するようになっていることを特徴とする。
第6の発明は、第1又は第2の発明において、前記摩擦力付加手段は、前記複数本の搬送ベルトのそれぞれを帯電させるベルト帯電手段を備え、帯電させた前記搬送ベルトに前記記録媒体を吸着させて前記搬送摩擦力を付加するように構成され、前記1本の搬送ベルトは、該1本の搬送ベルトと前記記録媒体との間の吸着力が他の前記搬送ベルトと前記記録媒体との間の吸着力よりも大きい値に設定されることにより、前記最大搬送摩擦力が作用するようになっていることを特徴とする。
これら第5及び第6の発明では、それぞれ、所定の1本の搬送ベルトにおける記録媒体の吸着力が、他の搬送ベルトにおける吸着力よりも大きい値に設定されている。これにより、所定の1本の搬送ベルトと記録媒体との間に最大搬送摩擦力を作用させることが可能となる。
第7の発明は、第1乃至第6のいずれか一の発明において、前記最大搬送摩擦力は、前記他の搬送ベルトにおける前記搬送摩擦力の和よりも大きいことを特徴とする。
これにより、記録媒体が最大搬送摩擦力によって所定の1本の搬送ベルトの外周面を滑ることなく引張られるため、記録媒体の斜行の発生を一層低く抑えることが可能となる。
第8の発明は、第1乃至第7のいずれか一の発明において、前記最大搬送摩擦力が設定される前記1本の搬送ベルトは、記録可能な種々のサイズを有する前記記録媒体のすべてを載置可能な位置に配設されていることを特徴とする。
これにより、記録可能な種々のサイズを有する記録媒体のすべてを所定の1本の搬送ベルトに載置することができ、それぞれのサイズの記録媒体に最大搬送摩擦力を作用させることが可能となる。
本発明の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
本発明の第1実施形態におけるインクジェット記録装置1は、平面図である図1(a)及び正面図である図1(b)に示すように、ゲートローラ2と、用紙搬送部3と、記録ヘッド4と、用紙押え部5とを備えている。なお、この図1(a)及び図1(b)において、X方向は、記録用紙Pの搬送方向を示し、Y方向は、X方向と直交する方向を示している。
このインクジェット記録装置1は、記録の際に、記録ヘッド4の移動をともなわずに記録を完了する所謂ライン型インクジェット記録装置である。
ここで、上記の各構成の詳細を説明する。
ゲートローラ2は、図1(a)及び(b)に示すように、後述する用紙搬送部3のX方向上流側に配設され、記録用紙Pの記録が行われる面である記録面6及びこの記録面6とは反対側の面である載置面7のそれぞれに当接して記録用紙Pを挟持しつつ回転可能に構成された一対のローラを備えている。このゲートローラ2は、用紙供給モータ21からの動力で駆動され、図示しない給紙部によって記録用紙Pがゲートローラ2における一対のローラ間に突き当てられるように供給されると、この記録用紙PのX方向に対する傾き及びY方向の位置ずれを補正するスキュー補正を行ってから、この記録用紙Pを用紙搬送部3に供給する。
用紙搬送部3は、平面図である図2(a)及び正面図である図2(b)に示すように、用紙搬送部3を駆動するための動力を発生する搬送部駆動モータ31と、搬送部駆動モータ31から動力が伝達される駆動ローラ32と、駆動ローラ32のX方向上流側に配設される従動ローラ33と、駆動ローラ32及び従動ローラ33間に張設される搬送ベルト34a〜34eと、搬送ベルト34a〜34eの内周面に当接してこれら搬送ベルト34a〜34eのそれぞれの回転とともに回転可能に支持されるプラテンローラ35とを備えている。
搬送ベルト34a〜34eは、図2(a)に示すように、駆動ローラ32及び従動ローラ33上に設けられたフランジ部36によってY方向の位置が規制され、これら搬送ベルト34a〜34e同士の間に隙間があけられている。なお、フランジ部36の厚みは、記録用紙Pの搬送が妨げられないように搬送ベルト34a〜34eの厚みより薄く設定されている。
プラテンローラ35は、後述する用紙押え部5によって搬送ベルト34a〜34eに加えられる荷重を支えて、搬送ベルト34a〜34eの撓みを抑制する。
上記の構成を有する用紙搬送部3は、図1(b)に示すように、搬送ベルト34a〜34eをこの図で見て反時計方向に回転させるように駆動ローラ32が搬送部駆動モータ31によって駆動され、ゲートローラ2から搬送ベルト34a〜34eの外周面上に供給された記録用紙Pを、X方向に搬送する。
記録ヘッド4は、図1(a)及び図1(b)に示すように、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの各色のインク滴を吐出するヘッドユニット4k、4c、4m及び4yを備え、これらヘッドユニット4k、4c、4m及び4yがX方向上流側から下流側へ向かってこの順序で配設されている。
ここで、各ヘッドユニット4k、4c、4m及び4yに形成されているノズルの配列について説明する。なお、ヘッドユニット4k、4c、4m及び4yは、それぞれ、吐出するインク滴の色が異なることを除いては同様の構成を有している。従って、ここでは、ヘッドユニット4kを例に、ノズルの配列を説明する。
ヘッドユニット4kは、底面図である図3に示すように、インク滴を吐出するノズル41がY方向に所定間隔で距離KRに亘って形成されている。インクジェット記録装置1では、この距離KRに亘って配列形成されたノズル41によって構成されるノズル列が、Y方向における記録可能領域となる。
なお、この図3において、構成をわかりやすく示すため、ノズル41の大きさを誇張して且つ個数を減じて図示している。また、図3における符号42は、各ヘッドユニット4k、4c、4m及び4yのノズル41が形成されている面であるノズル面を示している。
各ヘッドユニット4k、4c、4m及び4yは、図1(a)及び(b)に示すように、用紙搬送部3上でノズル面42を記録用紙Pの記録面6側に向けて、ノズル面42と記録面6との間に所定のギャップを保って、且つノズル列が記録用紙PをY方向にまたぐように配設されている。なお、これらのヘッドユニット4k、4c、4m及び4yとしては、圧電素子、加熱素子等によりインクに圧力を付与してインク滴を吐出するヘッドユニットを採用することができる。
上記の構成を有する記録ヘッド4は、用紙搬送部3によってX方向に搬送される記録用紙Pの記録面6に、パーソナルコンピュータやデジタルスチルカメラなどのホストコンピュータからの記録情報等に基づいて、多数のノズル41から選択的にインク滴を吐出させて記録を行う。
用紙押え部5は、図1(b)に示すように、記録用紙Pを記録面6側から搬送ベルト34a〜34eの外周面に押し付ける用紙押付ユニット51と、この用紙押付ユニット51をこの図で見て上方から支持する支持板52とを備えている。
用紙押付ユニット51は、正面図である図4(a)及び側面図である図4(b)に示すように、外周面が記録用紙Pの記録面6に当接する当接ローラ511と、当接ローラ511に挿通される回転軸512と、回転軸512を支持して当接ローラ511を回転可能に保持する2つの軸受け513と、軸受け513及び支持板52間に配設されて各軸受け513に支持板52から記録用紙Pに向かう荷重を付与するコイルばね514とを備えている。
上記の構成を有する用紙押付ユニット51は、図1(b)中のA−A断面図である図5に示すように、当接ローラ511の回転方向が搬送ベルト34a〜34eの回転方向に合うように、搬送ベルト34a〜34eごとに設けられている。なお、この図5では、構成をわかりやすく示すため、記録ヘッド4及び駆動ローラ32を省略して図示している。
また、搬送ベルト34a〜34eごとに設けられる用紙押付ユニット51は、図1(b)に示すように、各ヘッドユニット4k、4c、4m及び4yを2つの用紙押付ユニット51でX方向に挟むように配設されている。なお、4つのヘッドユニット4k、4c、4m及び4yを備える本実施形態では、搬送ベルト34a〜34eごとに設けられる用紙押付ユニット51の数量が5個となる。
そして、用紙押え部5には、底面図である図6に示すように、X方向に沿って並ぶ5つの用紙押付ユニット51によって、搬送ベルト34a〜34eのそれぞれに対応した用紙押付部521〜525が構成されている。これら用紙押付部521〜525は、図1(b)に示すように、搬送ベルト34a〜34eの外周面に載置されて搬送される記録用紙Pに、各搬送ベルト34a〜34eへの押付力を付与する。
また、インクジェット記録装置1は、図7に示すように、上述した各構成の動作を制御する制御回路8を備えている。この制御回路8は、制御部81と、用紙供給モータ21を制御する用紙供給モータドライバ82と、搬送部駆動モータ31を制御する搬送部駆動モータドライバ83と、記録ヘッド4における各ヘッドユニット4k、4c、4m及び4yを制御する記録ヘッドドライバ84と、パーソナルコンピュータやデジタルスチルカメラなどのホストコンピュータ86から入力される画像データなどの記録情報を受け取るインタフェース部85とを備えている。
制御部81は、例えば、マイクロコンピュータで構成され、記録処理等の各種処理を実行するCPU(Central Processing Unit)811と、ホストコンピュータ86からの記録情報や、各種処理を実行する際に必要となる種々のデータを格納するメモリ812とを備えている。このメモリ812は、記録情報を格納するSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)や、記録処理等を実行する際に各種データを一時的に格納したり、記録処理等のアプリケーションプログラムを一時的に展開したりするRAM(Random Access Memory)や、CPU811が実行する制御プログラム等を格納する不揮発性半導体メモリで構成されるROM(Read-Only Memory)などを含んで構成されている。
上述した構成を有するインクジェット記録装置1は、制御部81がインタフェース部85を介してホストコンピュータ86から記録情報を受け取ると、CPU811によって記録処理が開始され、図示しない給紙部に記録用紙Pをゲートローラ2に供給させて記録動作が開始される。
このとき、搬送部駆動モータ31は、CPU811から出力される搬送部駆動指令に基づいて搬送部駆動モータドライバ83によって駆動が制御され、搬送ベルト34a〜34eを図1(b)で見て反時計方向に回転させるように駆動が制御される。
記録用紙Pが供給されたゲートローラ2は、所定のタイミングでCPU811から用紙供給指令を受けた用紙供給モータドライバ82によって用紙供給モータ21の駆動が制御され、記録用紙Pをスキュー補正してから用紙搬送部3に供給する。
用紙搬送部3に供給された記録用紙Pは、図1(b)に示すように、搬送ベルト34a〜34eの外周面に載置され、用紙押付部521〜525によって搬送ベルト34a〜34eのそれぞれに押付力が付与される。このとき、記録用紙Pと各搬送ベルト34a〜34eとの間には、X方向に沿って作用する摩擦力である搬送摩擦力が働く。この搬送摩擦力により、搬送ベルト34a〜34eの外周面上に載置された記録用紙Pを、搬送ベルト34a〜34eの回転とともにX方向に搬送することが可能となる。
記録用紙PがX方向に搬送されていくと、ヘッドユニット4k、4c、4m及び4yのそれぞれは、所定のタイミングでCPU811から記録指令を受けた記録ヘッドドライバ84によって制御され、X方向に搬送される記録用紙Pの記録面6に記録情報に基づく記録を実施する。
そして、記録情報に基づく記録が終了すると、記録用紙Pは、図示しない排紙部によってインクジェット記録装置1外に排出される。
ところで、上述したような構成を有するインクジェット記録装置1では、用紙搬送部3を構成する部品の精度によって、搬送ベルト34a〜34eのそれぞれにおける搬送速度が異なることがある。搬送ベルト34a〜34eのそれぞれにおける搬送速度が異なると、ゲートローラ2によってスキュー補正されてから搬送ベルト34a〜34eに載置された記録用紙Pが、図8に示すように、搬送されていくのにしたがって斜めにずれてしまう所謂斜行が発生してしまう。
搬送ベルト34a〜34eの搬送速度誤差には、駆動ローラ32及び従動ローラ33の搬送ベルト34a〜34eが巻回される部位の直径、駆動ローラ32及び従動ローラ33の曲がり、搬送ベルト34a〜34eの周長や厚み等、多くの要素がかかわっており、すべての搬送ベルト34a〜34eの搬送速度を同一にすることは極めて困難である。
そこで、本実施形態のインクジェット記録装置1では、搬送ベルト34a〜34eの中でY方向の中央に位置する搬送ベルト34cに作用する搬送摩擦力を、他の搬送ベルト34a、34b、34d及び34eのそれぞれに作用する搬送摩擦力の和よりも大きい最大搬送摩擦力に設定して、記録用紙Pの斜行の発生を抑制するようになっている。以下に、記録用紙Pの斜行発生の抑制について、詳細を説明する。
搬送ベルト34cに対応する用紙押付部523は、記録用紙Pを搬送ベルト34cに押し付ける押付力が、他の用紙押付部521、522、524及び525の押付力の和よりも大きい押付力に設定されている。具体的には、用紙押付部523を構成する5つの用紙押付ユニット51における各コイルばね514の発生荷重が、他の用紙押付ユニット51における各コイルばね514の発生荷重よりも大きくなるように構成されている。
第1実施形態では、用紙押付部523における1つの用紙押付ユニット51が記録用紙Pに0.98N(100gf)の荷重を付与し、他の用紙押付部521、522、524及び525のそれぞれにおける1つの用紙押付ユニット51が記録用紙Pに0.098N(10gf)の荷重を付与するように設定されている。
つまり、用紙押付部523は、荷重が4.9N(500gf)の押付力で記録用紙Pを搬送ベルト34cに押し付け、他の用紙押付部521、522、524及び525は、それぞれ荷重が0.49N(50gf)の押付力で記録用紙Pを搬送ベルト34a、34b、34d及び34eのそれぞれに押し付ける。
また、搬送ベルト34a〜34eをゴム系の材質とした第1実施形態では、搬送ベルト34a〜34eと記録用紙PとのX方向における摩擦係数の値が1である。従って、搬送ベルト34a、34b、34d及び34eのそれぞれと記録用紙Pとの間でX方向に沿って作用する搬送摩擦力の値は、0.49Nとなる。また、搬送ベルト34cと記録用紙Pとの間で作用する最大搬送摩擦力の値は、他の搬送ベルト34a、34b、34d及び34eと記録用紙Pとの間の各搬送摩擦力の和である1.96Nより大きい値の4.9Nとなる。
搬送ベルト34a〜34eのそれぞれにおける搬送速度が異なっている場合、記録用紙Pは、最大搬送摩擦力が作用する搬送ベルト34cの外周面にしっかりと保持され、他の搬送ベルト34a、34b、34d及び34eの外周面との間で滑りが生じる。従って、搬送ベルト34a〜34eのそれぞれにおける搬送速度が異なっていても、記録用紙Pの斜行の発生が抑制される。
なお、第1実施形態において、用紙押付部521〜525が摩擦力付加手段としての記録媒体押付手段に対応している。
第1実施形態のインクジェット記録装置1では、搬送ベルト34cと記録用紙Pとの間に、他の搬送ベルト34a、34b、34d及び34eにおける搬送摩擦力の和よりも大きい最大搬送摩擦力が作用するようになっている。これにより、搬送ベルトの搬送速度がそれぞれ異なる速度であっても、記録用紙Pを搬送ベルト34cの外周面にずれることなく保持させ、他の搬送ベルト34a、34b、34d及び34eの外周面上を滑らせることができる。従って、記録用紙Pの斜行の発生を抑制することが可能となる。
なお、第1実施形態では、搬送ベルト34cに対応する用紙押付部523の押付力を、他の用紙押付部521、522、524及び525の押付力の和よりも大きくして最大搬送摩擦力を作用させるようにしたが、これに限定されず、用紙押付部521〜525のそれぞれの押付力を同等とし、搬送ベルト34cと記録用紙Pとの摩擦係数の値を、他の搬送ベルト34a、34b、34d及び34eにおける摩擦係数の値の和よりも大きくすることで最大搬送摩擦力を作用させるようにしてもよい。これにより、用紙押付部521〜525のそれぞれを同様の構成とすることができ、用紙押付部521〜525の構成部品の共通化が図られ、コストを低減することが可能となる。
さらに、搬送ベルト34cに対応する用紙押付部523の押付力を、他の各用紙押付部521、522、524及び525の押付力よりも大きくするとともに、搬送ベルト34cと記録用紙Pとの摩擦係数の値を、他の搬送ベルト34a、34b、34d及び34eにおける摩擦係数の値よりも大きくして、搬送ベルト34cに作用する最大搬送摩擦力を他の搬送ベルト34a、34b、34d及び34eに作用する搬送摩擦力の和よりも大きくするようにしてもよい。
また、第1実施形態では、用紙押付ユニット51が、図9(a)に示す円形の外形を有する当接ローラ511を備える構成としたが、これに限定されず、図9(b)に示すように、放射状に延びる複数の突起部を有する拍車ローラ515を備える構成としてもよい。これにより、ローラの外周面全体ではなく面積の小さい突起部を記録用紙Pの記録面6に接触させることが可能となるため、記録が終了した記録面6の汚損を低く抑えることが可能となる。
また、第1実施形態では、用紙押付ユニット51によって搬送ベルト34a〜34eに加えられる荷重をプラテンローラ35で支える構成としたが、板状のプラテンで支える構成としてもよい。
本発明の第2実施形態を、図面に基づいて説明する。
第2実施形態におけるインクジェット記録装置100は、前述した第1実施形態において、各搬送ベルト34a〜34eが後述するサクションベルトで構成されているとともに、用紙押え部5及びプラテンローラ35が省略され、正面図である図10に示すように、搬送ベルト34a〜34eの内側に、サクションベルトを介して空気を吸引する吸引部102を備えていることを除いては第1実施形態におけるインクジェット記録装置1と同様の構成を有している。従って、第1実施形態に対応する部分には同一符号を付して、説明を省略する。
各搬送ベルト34a〜34eは、搬送ベルト34aを部分的に拡大した平面図である図11に示すように、搬送ベルト34a〜34eの外周面と内周面との間を貫通する吸気孔341が所定間隔で多数形成された所謂サクションベルトで構成されている。
吸引部102は、平面図である図12(a)に示すように、天板部103に吸引開口部104と、この吸引開口部104よりY方向における開口幅が狭い狭幅吸引開口部105とが形成されている。これら吸引開口部104及び狭幅吸引開口部105は、図12(b)に示すように、吸引部102を搬送ベルト34a〜34eの内側に配設したときに、吸引開口部104が搬送ベルト34cに重なり、狭幅吸引開口部105が他の搬送ベルト34a、34b、34d及び34eのそれぞれに重なるように形成されている。
なお、吸引開口部104のY方向における幅は、平面視で搬送ベルト34cの幅よりも狭い寸法に設定されている。また、吸引部102は、搬送ベルト34a〜34eの内側で天板部103が各搬送ベルト34a〜34eの内周面に接するように配設されている。
ここで、インクジェット記録装置100の制御回路8は、図13に示すように、吸引部102の駆動を制御する吸引部ドライバ87を備えている。この吸引部ドライバ87は、CPU811から吸引指令が出力されたことに基づいて、吸引部102に空気の吸引を実施させるようにこの吸引部102の駆動を制御する。
そして、吸引部102が駆動されると、吸引開口部104及び狭幅吸引開口部105のそれぞれから、各搬送ベルト34a〜34eの吸気孔341を介して空気が吸引される。吸気孔341を介して空気が吸引されている搬送ベルト34a〜34eの外周面に記録用紙Pが載置されると、記録用紙Pは、吸引力が作用して各搬送ベルト34a〜34eの外周面に吸着され、搬送ベルト34a〜34eの外周面と記録用紙Pとの間に搬送摩擦力が作用する。
ここで、吸引部102の吸引開口部104のY方向における幅が狭幅吸引開口部105の幅よりも広く形成されているため、搬送ベルト34cにおける記録用紙Pの吸着力は、他の搬送ベルト34a、34b、34d及び34eにおける吸着力よりも大きくなる。つまり、吸引開口部104及び狭幅吸引開口部105のY方向における幅を適正に設定することで、搬送ベルト34cにおける記録用紙Pの吸着力を他の搬送ベルト34a、34b、34d及び34eにおける吸着力の和よりも大きくして、搬送ベルト34cと記録用紙Pとの間に最大搬送摩擦力を作用させることが可能となる。
なお、第2実施形態において、吸引部102が摩擦力付加手段としての吸引手段に対応している。
この第2実施形態では、第1実施形態と同様に、搬送ベルト34a〜34eのそれぞれにおける搬送速度が異なっている場合、記録用紙Pは、最大搬送摩擦力が作用する搬送ベルト34cの外周面にしっかりと保持され、他の搬送ベルト34a、34b、34d及び34eの外周面との間で滑りが生じる。従って、搬送ベルト34a〜34eのそれぞれにおける搬送速度が異なっていても、記録用紙Pの斜行の発生を抑制することが可能となる。
さらに、第2実施形態では、空気吸引による吸引力の作用で記録用紙Pを搬送ベルト34a〜34eに吸着させることによって搬送摩擦力を得るようになっているため、記録用紙Pに記録面6側から押付力を付与する第1実施形態に比較して、記録が終了した記録面6の汚損を抑制することが可能となるとともに、記録用紙Pの変形を軽減することが可能となる。
なお、第2実施形態では、搬送ベルト34cにおける記録用紙Pの吸着力を、他の搬送ベルト34a、34b、34d及び34eにおける吸着力の和よりも大きくして最大搬送摩擦力を作用させるようにしたが、これに限定されず、搬送ベルト34a〜34eのそれぞれにおける吸着力を同等とし、搬送ベルト34cと記録用紙Pとの摩擦係数の値を、他の搬送ベルト34a、34b、34d及び34eにおける摩擦係数の値の和よりも大きくすることで最大搬送摩擦力を作用させるようにしてもよい。
さらに、搬送ベルト34cにおける記録用紙Pの吸着力を、他の各搬送ベルト34a、34b、34d及び34eにおける吸着力よりも大きくするとともに、搬送ベルト34cと記録用紙Pとの摩擦係数の値を、他の搬送ベルト34a、34b、34d及び34eにおける摩擦係数の値よりも大きくして、搬送ベルト34cに作用する最大搬送摩擦力を他の搬送ベルト34a、34b、34d及び34eに作用する搬送摩擦力の和よりも大きくするようにしてもよい。
本発明の第3実施形態を、図面に基づいて説明する。
第3実施形態におけるインクジェット記録装置110は、前述した第1実施形態において、用紙押え部5及びプラテンローラ35が省略され、平面図である図14(a)及び正面図である図14(b)に示すように、搬送ベルト34a〜34eを帯電させるベルト帯電部112を備えていることを除いては第1実施形態におけるインクジェット記録装置1と同様の構成を有している。従って、第1実施形態に対応する部分には同一符号を付して、説明を省略する。
ベルト帯電部112は、図14(b)に示すように、搬送ベルト34a〜34eを挟んで従動ローラ33の外周に対向し、且つ各搬送ベルト34a〜34eの外周面に当接するベルト帯電ローラ113と、直流電源で構成されるベルト帯電電源114とを備えている。
ベルト帯電ローラ113は、用紙搬送部3及びベルト帯電部112の平面図である図15(a)及び正面図である図15(b)に示すように、金属材料から形成される軸部115と、軸部115の搬送ベルト34a〜34eのそれぞれが対向する部分に設けられ、軸部115の外周を囲むように樹脂やゴムなどの材料から形成されるローラ部116とを有している。
ベルト帯電電源114は、図15(b)に示すように、負極側がベルト帯電ローラ113の軸部115に接続され、正極側がグランドに接続されている。このベルト帯電電源114は、グランドと軸部115との間が所定の電位差となるように電圧を発生し、ベルト帯電ローラ113のローラ部116を介して各搬送ベルト34a〜34eに負電荷を供給する。
ここで、インクジェット記録装置110の制御回路8は、図16に示すように、ベルト帯電電源114の電圧の発生を制御するベルト帯電電源ドライバ88を備えている。このベルト帯電電源ドライバ88は、CPU811からベルト帯電指令が出力されたことに基づいて、ベルト帯電電源114に所定の電圧を発生させるようにこのベルト帯電電源114を制御する。
また、搬送ベルト34a〜34eを挟んでベルト帯電ローラ113に対向する従動ローラ33は、図15(a)中のB−B断面図である図17(a)に示すように、金属材料から形成され、グランドに接続される従動軸部331と、従動軸部331の外周を囲むように樹脂やゴムなどの材料から形成されるベルトローラ部332とを有している。
搬送ベルト34a〜34eのそれぞれは、図17(a)に示すように、誘電体で構成される誘電層342の外側に、低抵抗率を有する樹脂などの材料から形成される表面層343を積層した構成を有している。なお、これらの搬送ベルト34a〜34eにおいて、誘電層342及び表面層343を積層した厚みは、図17(a)に示すように、それぞれW1なる寸法に設定されている。
そして、ベルト帯電電源114が電圧を発生すると、図17(a)に示すように、ベルト帯電ローラ113の各ローラ部116を介して、各搬送ベルト34a〜34eの誘電層342に負電荷が供給され、各搬送ベルト34a〜34eが負極側に帯電する。
誘電層342に負電荷が供給されて負極側に帯電した搬送ベルト34a〜34eの外周面に記録用紙Pが載置されると、誘電層342に供給された負電荷によって記録用紙Pの載置面7側に正電荷が現れる。そして、この記録用紙Pは、載置面7側に現れた正電荷と誘電層342の負電荷との間に作用する吸引力によって各搬送ベルト34a〜34eの外周面に吸着され、搬送ベルト34a〜34eの外周面と記録用紙Pとの間に搬送摩擦力が作用する。
ここで、搬送ベルト34a〜34eのうちの搬送ベルト34a、34b、34d及び34eは、表面層343の厚みが、図17(a)に示すように、それぞれW2なる寸法に設定されている。これに対し、搬送ベルト34cにおける表面層343の厚みは、図17(b)に示すように、W2>W3なる関係を有する寸法W3に設定されている。
すなわち、第3実施形態におけるインクジェット記録装置110では、搬送ベルト34cの表面層343の厚みが他の搬送ベルト34a、34b、34d及び34eの表面層343の厚みよりも薄くなっているため、搬送ベルト34cの誘電層342に供給される電荷量が、他の搬送ベルト34a、34b、34d及び34eのそれぞれの誘電層342に供給される電荷量よりも多くなる。
つまり、搬送ベルト34cの帯電量が他の搬送ベルト34a、34b、34d及び34eの帯電量より多くなり、搬送ベルト34cにおける記録用紙Pの吸着力は、他の搬送ベルト34a、34b、34d及び34eにおける吸着力よりも大きくなる。従って、各搬送ベルト34a〜34eの表面層343の厚みを適正に設定することで、搬送ベルト34cにおける記録用紙Pの吸着力を他の搬送ベルト34a、34b、34d及び34eにおける吸着力の和よりも大きくして、搬送ベルト34cと記録用紙Pとの間に最大搬送摩擦力を作用させることが可能となる。
なお、第3実施形態において、ベルト帯電部112が摩擦力付加手段としてのベルト帯電手段に対応している。
この第3実施形態では、第1及び第2実施形態と同様に、搬送ベルト34a〜34eのそれぞれにおける搬送速度が異なっていても、記録用紙Pは、最大搬送摩擦力が作用する搬送ベルト34cの外周面にしっかりと保持され、他の搬送ベルト34a、34b、34d及び34eの外周面との間で滑りが生じる。従って、記録用紙Pの斜行の発生を抑制することが可能となる。
さらに、第3実施形態では、静電気の作用で記録用紙Pを搬送ベルト34a〜34eに吸着させることによって搬送摩擦力を得るようになっているため、記録用紙Pに記録面6側から押付力を付与する第1実施形態や記録用紙Pに吸引力を付与する第2実施形態に比較して、記録用紙Pの変形や記録が終了した記録面6の汚損などを抑制することが可能となる。
また、第3実施形態では、第1実施形態や第2実施形態に比較して、記録用紙Pを押し付けるための外力や空気を吸引する際の吸引力が搬送ベルト34a〜34eに作用しないので、搬送ベルト34a〜34eの回転抵抗を低く抑えることができ、搬送部駆動モータ31にかかる負荷が低減され、記録用紙Pの搬送精度を向上することが可能となる。
なお、第3実施形態では、搬送ベルト34cの表面層343の厚みを他の搬送ベルト34a、34b、34d及び34eの表面層343の厚みより薄くするようにしたが、これに限定されず、図18(a)及び(b)に示すように、各搬送ベルト34a〜34eの表面層343の厚みW4を同等とし、搬送ベルト34cの外周面に当接するローラ部116の厚みを他のローラ部116の厚みより薄くして、搬送ベルト34cの帯電量を他の搬送ベルト34a、34b、34d及び34eの帯電量より多くするようにしてもよい。
これにより、搬送ベルト34a〜34eのそれぞれにおける表面層343の厚みを同等の厚みとすることができ、搬送ベルト34a〜34eの共通化が図られる。
また、第3実施形態では、搬送ベルト34a〜34eの誘電層342に負電荷を供給して各搬送ベルト34a〜34eを負極側に帯電させるようにしたが、正電荷を供給して正極側に帯電させるようにしてもよい。
また、第3実施形態では、ベルト帯電電源114を直流電源で構成したが、交流電源で構成し、搬送ベルト34a〜34eに正極側の帯電領域及び負極側の帯電領域を交互に形成するようにしてもよい。
また、第3実施形態では、搬送ベルト34a〜34eだけを帯電させるようにしたが、これに限定されず、記録用紙Pだけを帯電させるようにしてもよい。さらに、搬送ベルト34a〜34e及び記録用紙Pの両方を、搬送ベルト34a〜34eの帯電極性と記録用紙Pの帯電極性とが互いに逆極性になるように帯電させてもよい。
また、第3実施形態では、搬送ベルト34a〜34eのうちの1本の搬送ベルト34cの帯電量を他の搬送ベルト34a、34b、34d及び34eの帯電量より多くするようにしたが、これに限定されず、各搬送ベルト34a〜34eの帯電量を同等とし、平面視で記録用紙Pの搬送ベルト34cに重なる部分だけを、搬送ベルト34cの帯電極性とは逆極性に帯電させるようにしてもよい。
また、第3実施形態では、搬送ベルト34cにおける記録用紙Pの吸着力を、他の搬送ベルト34a、34b、34d及び34eにおける吸着力の和よりも大きくして最大搬送摩擦力を作用させるようにしたが、これに限定されず、搬送ベルト34a〜34eのそれぞれにおける吸着力を同等とし、搬送ベルト34cと記録用紙Pとの摩擦係数の値を、他の搬送ベルト34a、34b、34d及び34eにおける摩擦係数の値の和よりも大きくすることで最大搬送摩擦力を作用させるようにしてもよい。これにより、搬送ベルト34a〜34eのそれぞれにおける表面層343の厚みを同等の厚みとすることができ、搬送ベルト34a〜34eを構成する表面層343の共通化が図られる。
さらに、搬送ベルト34cにおける記録用紙Pの吸着力を、他の各搬送ベルト34a、34b、34d及び34eにおける吸着力よりも大きくするとともに、搬送ベルト34cと記録用紙Pとの摩擦係数の値を、他の搬送ベルト34a、34b、34d及び34eにおける摩擦係数の値よりも大きくして、搬送ベルト34cに作用する最大搬送摩擦力を他の搬送ベルト34a、34b、34d及び34eに作用する搬送摩擦力の和よりも大きくするようにしてもよい。
また、第1〜第3実施形態では、搬送ベルト34a〜34eの本数を5本としたが、これに限定されず、2本以上の任意の本数とすることができる。
また、第1〜第3実施形態では、搬送ベルト34a〜34eの中でY方向の中央に位置する搬送ベルト34cに最大搬送摩擦力を作用させるように構成したが、これに限定されず、最大搬送摩擦力を作用させるのは搬送ベルト34a〜34eのいずれでもよい。
また、種々のサイズの記録用紙Pに記録を実施させる場合には、図19(a)〜(c)に示すように、これら種々のサイズを有する記録用紙P1、P2、P3及びP4におけるY方向の基準となる位置である通紙基準位置9に対応した搬送ベルトに最大搬送摩擦力が作用するように構成される。すなわち、図19(a)に示す例では、通紙基準位置9に対応するのが搬送ベルト34cであり、図19(b)に示す例では、通紙基準位置9に対応するのが搬送ベルト34eであり、図19(c)に示す例では、通紙基準位置9に対応するのが搬送ベルト34aである。
ような構成により、種々のサイズの記録用紙P1〜P4のすべてを、最大搬送摩擦力が作用する搬送ベルトに載置することができ、サイズが異なるすべての記録用紙Pにおける斜行の発生を抑制することが可能となる。
また、第1〜第3実施形態では、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの各色のインク滴を吐出する4種類のヘッドユニット4k、4c、4m及び4yで記録ヘッド4を構成するようにしたが、これに限定されず、これらにライトシアン及びライトマゼンタの色を加えた6種類等、任意の種類で構成することができる。
また、第1〜第3実施形態では、それぞれ一体に形成されたヘッドユニット4k、4c、4m及び4yでY方向における記録可能領域KRを構成する場合を例に説明したが、これに限定されず、小さく分割されたヘッドユニットを複数個配列してY方向における記録可能領域KRを構成するようにしてもよい。
また、第1〜第3実施形態では、各ヘッドユニット4k、4c、4m及び4yを、ノズル41の配列方向をY方向に向けて配設するようにしたが、これに限定されず、X方向と交差する任意の方向に向けて配設するようにしてもよい。この場合、X方向から見たノズルピッチを短く設定することができ、Y方向における記録解像度を高めることが可能となる。
また、記録媒体は記録用紙Pに限らず、インク滴が付着してドットを形成できるものであれば、任意の記録媒体を適用することができる。
また、第1〜第3実施形態では、ライン型インクジェット記録装置を例に説明したが、これに限定されず、記録ヘッドをY方向に走査させながら記録を行うシリアル型インクジェット記録装置に適用することもできる。
本発明の第1実施形態におけるインクジェット記録装置の主要構成を示す外観図。 本発明の第1実施形態におけるインクジェット記録装置の用紙搬送部を説明する図。 本発明の第1実施形態におけるインクジェット記録装置のヘッドユニットの底面図。 本発明の第1実施形態におけるインクジェット記録装置の用紙押付ユニットの構成を説明する図。 図1(b)中のA−A断面図。 本発明の第1実施形態におけるインクジェット記録装置の用紙押え部の底面図。 本発明の第1実施形態におけるインクジェット記録装置の制御回路を説明する図。 記録用紙の斜行を説明する図。 本発明の第1実施形態におけるインクジェット記録装置の当接ローラの他の構成例を説明する図。 本発明の第2実施形態におけるインクジェット記録装置の主要構成を示す外観図。 本発明の第2実施形態におけるインクジェット記録装置の搬送ベルトを部分的に拡大した平面図。 本発明の第2実施形態におけるインクジェット記録装置の吸引部を説明する図。 本発明の第2実施形態におけるインクジェット記録装置の制御回路を説明する図。 本発明の第3実施形態におけるインクジェット記録装置の主要構成を示す外観図。 本発明の第3実施形態におけるインクジェット記録装置の用紙搬送部及びベルト帯電部を示す外観図。 本発明の第3実施形態におけるインクジェット記録装置の制御回路を説明する図。 本発明の第3実施形態におけるインクジェット記録装置の従動ローラ及び搬送ベルトの構成を説明する図。 本発明の第3実施形態におけるインクジェット記録装置の搬送ベルト及びベルト帯電ローラの他の構成例を説明する図。 本発明の第1〜第3実施形態におけるインクジェット記録装置の通紙基準位置を説明する図。
符号の説明
1,100,110…インクジェット記録装置、3…用紙搬送部、34a,34b,34c,34d,34e…搬送ベルト、5…用紙押え部、51…用紙押付ユニット、511…当接ローラ、521,522,523,524,525…用紙押付部、102…吸引部、112…ベルト帯電部。

Claims (8)

  1. 無端状の搬送ベルトを駆動して、当該搬送ベルトの外周面に載置された記録媒体を搬送する記録媒体搬送手段を備え、該記録媒体搬送手段によって搬送される前記記録媒体にノズルからインク滴を吐出して記録を行うインクジェット記録装置であって、
    前記記録媒体搬送手段には、複数本の前記搬送ベルトが、該複数本の搬送ベルト同士間に隙間をあけて前記記録媒体の搬送方向とは交差する方向に並設されており、
    前記搬送ベルトの前記外周面と前記記録媒体との間で前記搬送方向に沿って作用する摩擦力である搬送摩擦力を、前記複数の搬送ベルトのそれぞれについて付加する摩擦力付加手段を備え、
    前記複数本の搬送ベルトのうちの1本だけは、他の前記搬送ベルトにおける前記搬送摩擦力よりも大きい最大搬送摩擦力が作用するように構成されていることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記1本の搬送ベルトは、該1本の搬送ベルトの前記外周面と前記記録媒体との間の摩擦係数が前記他の搬送ベルトにおける前記摩擦係数よりも大きい値に設定されることにより、前記最大搬送摩擦力が作用するようになっていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記摩擦力付加手段は、前記記録媒体を前記複数本の搬送ベルトのそれぞれの前記外周面に押し付ける記録媒体押付手段で構成され、
    前記1本の搬送ベルトは、前記記録媒体押付手段による前記記録媒体の押付力が前記他の搬送ベルトにおける前記押付力よりも大きい値に設定されることにより、前記最大搬送摩擦力が作用するようになっていることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記記録媒体押付手段は、前記記録媒体の前記搬送ベルトに載置される側の載置面とは反対側の面に当接して回転可能に支持された当接ローラを備えるとともに、前記記録媒体を前記搬送ベルトの前記外周面に前記当接ローラを介して押し付けるように構成されていることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記複数の搬送ベルトのそれぞれには、外周と内周との間を貫通する吸気孔が形成されており、
    前記摩擦力付加手段は、前記複数の搬送ベルトのそれぞれにおける前記内周側から前記吸気孔を介して空気を吸引する吸引手段を備え、該吸引手段が空気を吸引している状態で前記記録媒体を前記搬送ベルトに吸着させて前記搬送摩擦力を付加するように構成され、
    前記1本の搬送ベルトは、該1本の搬送ベルトと前記記録媒体との間の吸着力が他の前記搬送ベルトと前記記録媒体との間の吸着力よりも大きい値に設定されることにより、前記最大搬送摩擦力が作用するようになっていることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記摩擦力付加手段は、前記複数本の搬送ベルトのそれぞれを帯電させるベルト帯電手段を備え、帯電させた前記搬送ベルトに前記記録媒体を吸着させて前記搬送摩擦力を付加するように構成され、
    前記1本の搬送ベルトは、該1本の搬送ベルトと前記記録媒体との間の吸着力が他の前記搬送ベルトと前記記録媒体との間の吸着力よりも大きい値に設定されることにより、前記最大搬送摩擦力が作用するようになっていることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記最大搬送摩擦力は、前記他の搬送ベルトにおける前記搬送摩擦力の和よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記最大搬送摩擦力が設定される前記1本の搬送ベルトは、記録可能な種々のサイズを有する前記記録媒体のすべてを載置可能な位置に配設されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
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