JP5347107B2 - 緩衝性包装体 - Google Patents
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Description
また、流通過程などにおいて、物品が破損しないように、緩衝性のある包装体も知られている。
特許文献1には、筒状の容器本体の周壁の一部に管球に当接する凹凸を設け、この凹凸部によって管球が保持された管球の包装容器が開示されている。
特許文献2には、一方向熱収縮性の樹脂発泡シート製の円筒体を用い、円筒体に電球の最大径部分が脱着自在な凹部が形成され、且つ凹部の上下端から円筒体の上下端にかけて傾斜面が形成されており、前記円筒体の凹部に電球の最大径部分が嵌入固定されている電球の包装容器が開示されている。
同様に、上記特許文献2の包装容器も、特定の形状の物品(特定の最大径部分を有する電球)を緩衝性良く包装できても、これと異なる大きさ又は形状の物品を良好に包装できない。
従って、上記従来の緩衝性のある包装容器は、包装する物品毎に合わせて個別に形成しなければならず、物品を多品種小生産する場合に、包装コストが嵩むという問題点がある。
好ましくは、前記物品と筒状ケースの内面との間に隙間を有する。
上記緩衝性包装体は、筒状ケースの壁面に形成された穴部から筒状ケースの内部方向へ熱収縮性筒状フィルムの一部分が膨出された膨出部を有する。かかる緩衝性包装体は、その流通過程で、物品が動くことによって熱収縮性筒状フィルムの膨出部を押圧し、該膨出部が適宜変形又は圧縮することによって、物品に加わる衝撃を吸収できる。よって、上記緩衝性包装体は、収納された物品の破損を防止できる。
また、上記緩衝性包装体は、熱収縮性筒状フィルムから形成された膨出部が柔軟であるため、物品の大きさや形状に合わせてそれぞれケースを準備しなくても、1種類の筒状ケース内に大きさや形状が異なる物品をそれぞれ収納できる。
従って、物品が多品種小生産される場合でも、それらの物品を1種類の緩衝性包装体で包装でき、包装コストを抑えることができる。
さらに、上記緩衝性包装体は、穴部を有する筒状ケースに熱収縮性筒状フィルムを熱収縮装着するだけで製造できる。
従って、本発明の緩衝性包装体は、治具や金型を使用せずに製造できる。
穴部が紡錘形状に形成されている場合、熱収縮装着された熱収縮性筒状フィルムが穴部の周囲において皺を生じ難く、外観上、綺麗な緩衝性包装体を提供できる。また、穴部が紡錘形状に形成されている場合、筒状ケース内へ膨出された膨出部も綺麗な曲面状となる。
また、本発明のさらに好ましい緩衝性包装体は、前記穴部が、2ヶ所以上形成されており、そのうち2つの穴部が、前記筒状ケースの中心軸方向に間隔を開け且つ前記中心軸を基準に線対称となる位置に形成されており、少なくとも1つの穴部において膨出した熱収縮性筒状フィルムの一部分によって、前記物品が包装ケースの所定位置に保持されている。
さらに、本発明の緩衝性包装体は、穴部を有する筒状ケースに熱収縮性筒状フィルムを熱収縮装着することによって製造できるため、治具や金型を用いずに簡易に製造できる。
図1及び図2に於いて、1は、物品を収納可能な筒状ケース2と、前記筒状ケース2の壁面の外面に熱収縮装着された熱収縮性筒状フィルム3と、物品9と、を有する緩衝性包装体を示す。前記物品9は、筒状ケース2の内部に収納されている。
膨出部31の形状や膨らみ度合いは、物品の形状に合わせて適宜設定される。
膨出部31の形状や膨らみ度合いは、穴部6の開口面積及び形状によって設定できる。例えば、穴部6の開口面積を大きくすると、筒状ケース2の内部方向に大きく膨らんだ膨出部31を形成できる。
好ましくは、図4等に示すように、穴部6は、紡錘形状に形成される。紡錘形状の穴部6を有する筒状ケース2を用いることにより、熱収縮性筒状フィルム3を穴部6の周囲において綺麗に熱収縮させることができる。
なお、紡錘形状とは、長軸と短軸を有する形状であって、2つの三角形の底辺を接合した形状や、斜辺が外側に膨らんだ2つの略三角形の底辺を接合した形状などが該当する。
紡錘形状の穴部6は、その長軸が筒状ケース2の中心軸方向と略直交する方向となるように形成されていることが好ましい。かかる紡錘形状の穴部6を有する筒状ケース2を用いることにより、熱収縮性筒状フィルム3を熱収縮装着したときに筒状ケース2が歪に変形し難く、且つ熱収縮性筒状フィルム3をより綺麗に熱収縮させることができる。紡錘形状の穴部6を有する筒状ケース2を用いることにより、膨出部31に皺が生じ難くなり、綺麗な曲面状の膨出部31を筒状ケース2の内部へ膨出させることができる。
このような位置に穴部6を有する筒状ケース2を用いることにより、物品9の大径部9aの上下に存する小径部9bに膨出部31が接する又は近接し、該膨出部31を介して物品9を保持できる。
筒状ケース2の形成材料としては、合成樹脂製シート、厚紙、発泡体、金属などが挙げられる。例えば、厚み0.2〜1.0mm程度の合成樹脂製シート又は厚み0.5〜1.5mm程度の厚紙を筒状に丸め、その両側端部を接着することによって、上記筒状ケース2を形成できる。また、発泡スチレンなどの発泡性樹脂、合成樹脂又は金属などを筒状に成形することによって、上記筒状ケース2を形成してもよい。筒状ケース2が、発泡体を含む場合(発泡体のみで形成されている場合、又は発泡体と非発泡体が積層された積層体で形成されている場合)、筒状ケース2自体が緩衝性を有するため好ましい。さらに、筒状ケース2は、透光性を有する材料(透明又は半透明の材料)で形成されていてもよい。
また、筒状ケース2には、必要に応じて、商品名などの意匠印刷が施されていてもよい。
なお、筒状ケース2の開口部は、上端及び下端の双方に設けられていることが好ましいが、筒状ケース2の上端又は下端の何れか一方は、閉塞されていてもよい(図示せず)。例えば、筒状ケース2の上下の開口部の何れか一方に、別途の蓋部材を嵌着又は固着することによって、何れか一方の開口部が閉塞された筒状ケースを形成できる。また、上端のみが開口された有底筒状に成形することによって(例えば、発泡性樹脂を型内に入れて発泡させる発泡成形など)、何れか一方の開口部が閉塞された筒状ケースを形成できる。
具体的には、熱収縮性筒状フィルム3の上下方向中央部は、穴部6に対応した部分を除いて、筒状ケース2の壁面の外面に密着している。
穴部6に対応した熱収縮性筒状フィルム3の部分は、上述のように、筒状ケース2の内部方向へ膨出した膨出部31とされている。
ただし、上方部32の中央部には、熱収縮性筒状フィルム3の収縮限界に応じた、小さな円孔32aが残っている。
ただし、下方部33の中央部には、熱収縮性筒状フィルム3の収縮限界に応じた、小さな円孔33aが残っている。
熱収縮性筒状フィルム3の上方部32及び下方部33によって筒状ケース2の上下の開口部が閉塞されているので、収納された物品9が筒状ケース2の開口部から抜け出ることはない。
なお、熱収縮性フィルムが他方向にも熱収縮し得る場合、85℃に加熱した際のその他方向における熱収縮率は、1〜15%であり、好ましくは1〜10%である。
式(1):熱収縮率(%)=[{(一方向(又は他方向)の元の長さ)−(一方向(又は他方向)の浸漬後の長さ)}/(一方向(又は他方向)の元の長さ)]×100。
また、熱収縮性筒状フィルム3には、必要に応じて、商品名などの意匠印刷が施されていてもよい。
図6に示すように、筒状ケース2の内部に物品9を入れ、該筒状ケース2の壁面に熱収縮性筒状フィルム3を外嵌する。熱収縮性筒状フィルム3は、その上方部及び下方部が筒状ケース2の上端部及び下端部よりも十分に長く突出するように外嵌される。
なお、物品9を筒状ケース2内の所定位置(例えば中央部)に保持しておくため、筒状ケース2の下方開口部から支持棒を挿入し、物品9の下面を支持しておくことが好ましい。
熱収縮させるときの温度は、フィルムの種類に応じて適宜設計されるものであり、通常、80℃〜200℃程度である。好ましくは、フィルムの収縮限界又はこの近くまで熱収縮させることがより好ましい。
さらに、上記緩衝性包装体1は、筒状ケース2の内部方向へ膨らんだ膨出部31を有し、且つ該膨出部31が熱収縮性筒状フィルム3で形成されている。熱収縮性筒状フィルム3から形成された膨出部31は、柔軟である。このため、緩衝性包装体1の流通過程において、収納された物品9が動いて膨出部31を押圧したときに、膨出部31が適宜変形又は圧縮して、物品9に加わる衝撃を吸収できる。
よって、上記緩衝性包装体1は、収納された物品9が破損することを防止できる。
すなわち、図2に示す物品9(電球)とは形状や大きさが異なる物品を、図2に示す筒状ケース2に収納した場合であっても、熱収縮性筒状フィルム3を熱収縮させることによって形成される膨出部31が、物品の外面に接し或いは近接し、該物品の破損を防止できる。
図7に示す筒状ケース2は、図2に示す筒状ケース2と同じで、図7に示す物品9’(電球)は、図2に示す物品9(電球)とは形状が異なり且つ大きさが小さい。図7に示すように、小さい物品9’を収納した場合には、膨出部31が最大限に膨らんで物品9’の外面に接する又は近接し、この緩衝性包装体1の流通過程において、膨出部31が適宜変形又は圧縮することによって物品9’の破損を防止できる。
なお、特に図示しないが、比較的大きな物品を収納した場合には、穴部6から膨らむ熱収縮性筒状フィルム3の一部分が収縮限界に達する前に物品の外面に当たる。従って、膨出部31が最大限に膨らむ前に物品の外面に密着した緩衝性包装体1が得られるが、かかる緩衝性包装体1でも、膨出部31が適宜変形又は圧縮することによって物品の破損を防止できる。この場合、物品の外面に密着した膨出部31は、物品の外面形状に沿っているので、この膨出部31によって、物品が揺れ動くことを防止できる。
このように本発明の緩衝性包装体1は、筒状ケース2内に、特定の物品とは大きさや形状の異なる物品を収納することもでき、1種類の緩衝性包装体で数種類の物品をそれぞれ包装することができる。
よって、本発明の緩衝性包装体1は、包装コストを抑えることができる。
この緩衝性包装体1は、筒状ケース2に少なくとも3ヶ所の穴部6が形成され、上記実施形態と同様に、該穴部6から膨出部31が膨らんでいる。
該3ヶ所の穴部6のうち、2ヶ所の穴部6A,6Bは、上下に所定間隔を開けて形成されている。残る1ヶ所の穴部6Cは、前記穴部6A,6Bの中間部であって、筒状ケース2の中心軸を基準にして穴部6A,6Bに対して線対称となる位置に形成されている。
このような位置関係で少なくとも3ヶ所の穴部6が形成されている筒状ケース2を用い且つ膨らんだ膨出部31を物品9に密着させることにより、筒状ケース2の中央部に物品9を保持することができる。かかる緩衝性包装体1は、物品9が筒状ケース2の内面から離れているので(物品9と筒状ケース2の間に十分な隙間を有している)、流通過程において筒状ケース2に加わる外圧によって、物品9が破損することを確実に防止できる。
もっとも、熱収縮性筒状フィルム3の一部分である膨出部31は、柔軟であるため、熱収縮性筒状フィルム3を除去せずに、筒状ケース2の開口部から物品を強引に引き抜いて取り出すことも可能である。
この他の実施形態に係る筒状ケース2の壁面には、上記実施形態と同様に、穴部6が形成され、該穴部6から筒状ケース2の内部方向に膨らんだ膨出部31によって物品9の破損を防止できる。
Claims (4)
- 物品を収納可能な筒状ケースと、前記筒状ケースの壁面に熱収縮装着された熱収縮性筒状フィルムと、前記筒状ケース内に収納された物品と、を有し、
前記筒状ケースの壁面に、穴部が形成されており、
前記熱収縮性筒状フィルムが、前記穴部において筒状ケースの内部方向へ膨出されており、
その膨出した熱収縮性筒状フィルムの一部分が前記筒状ケース内の物品に接し、その膨出した一部分によって、前記物品が前記包装ケースの所定位置に保持されていることを特徴とする緩衝性包装体。 - 前記物品と筒状ケースの内面との間に隙間を有する請求項1に記載の緩衝性包装体。
- 前記穴部が、前記筒状ケースの中心軸方向と略直交する方向に長軸を有する紡錘形状に形成されている請求項1または2に記載の緩衝性包装体。
- 前記穴部が、2ヶ所以上形成されており、そのうち2つの穴部が、前記筒状ケースの中心軸方向に間隔を開け且つ前記中心軸を基準に線対称となる位置に形成されており、少なくとも1つの穴部において膨出した熱収縮性筒状フィルムの一部分によって、前記物品が包装ケースの所定位置に保持されている請求項1乃至3のいずれか一項に記載の緩衝性包装体。
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