JP4995549B2 - インモールド成形品 - Google Patents

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Description

本発明は、インモールド成形によって成形されているインモールド成形品に関する。更に詳しくは、本発明は、表面に凹凸模様が形成されたインモールド成形品に関する。
従来、シャンプー、リンスなどの各種容器、食品収納用の容器、飲料などを入れるカップ状容器などの様々な合成樹脂製の成形品として、インモールド成形品が用いられている。
インモールド成形品は、金型内に入れたシートと樹脂を一体的に成形する方式で作製された成形品である。インモールド成形について、詳しくは、商品名、図柄などの所望の表示が印刷されたシート(以下、ラベルという)を金型内に入れて保持し、この金型内に、溶融樹脂を射出する(射出成形)或いは溶融樹脂を膨張させる(ブロー成形)などし、溶融樹脂の熱及び圧力によって、ラベルを樹脂に一体化させて成形品を得る成形法である。
得られた成形品は、成形品を構成する樹脂部分とラベルが同一素材で形成されているが如く、両者が一体化されている。
従来、インモールド成形品のラベルとして、不織布が積層された基材を用いることが開示されている(特許文献1)。
かかる不織布を有するラベルは、断熱性を有する。従って、該ラベルの固着されたインモールド成形品は、断熱性があり、例えば、該成形品に入れられた内容物が熱くても、持ち手にその熱が伝わり難くなる。
しかしながら、従来のラベル付きインモールド成形品は、ラベルに意匠印刷を施すことによって色彩や文字などの装飾を付与しているが、かかる装飾は平面的である。このため、インモルード成形品の装飾性に限界があり、その改善が求められている。
特開平7−521192号公報
そこで、本発明は、ラベル表面に3次元的な模様を簡易に現すことができるインモールド成形品を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記不織布を有するインモールド成形用のラベルについて、鋭意研究したところ、エンボス加工の施された不織布を用いることにより、ラベルの表面に、凹凸模様を現すことができることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、インモールド成形によって樹脂成形体にラベルが固着されたインモールド成形品であって、ラベルは、エンボス加工により凹凸が形成された目付量15〜50g/m 不織布層と、フィルム層とが少なくとも積層された積層体で構成され、ラベルが、フィルム層を外側にして、インモールド成形によって樹脂成形体に固着され、前記フィルム層の表面に、前記不織布層の表面の凹凸に起因して凹凸模様が形成されており、前記フィルム層の裏面が、前記不織布層の表面の凹凸に沿って密着していることを特徴とする
かかるインモールド成形品は、インモールド成形時、不織布に施されたエンボス凹凸に起因して、ラベルのフィルム層が凹凸状に変化する。従って、ラベルの表面に凹凸模様が現れ、3次元的な模様がラベルに現されたインモールド成形品を提供できる。
また、ラベルは、不織布層が積層されているため、インモールド成形品のうちラベルが固着された部分は、断熱性を有する。特に、本発明のインモールド成形品は、上記のようにラベルの表面が凹凸状になっているので、持ち手の接触面積が少なくなる。このため、本発明のインモールド成形品は、より一層断熱性に優れている。
また、本発明の好ましい態様は、上記フィルム層が、厚み5〜50μmの実質的に熱収縮しない熱可塑性樹脂フィルムを含むインモールド成形品を提供する。
さらに、本発明の好ましい態様は、上記フィルム層が、ポリプロピレン系フィルムを含む上記インモールド成形品を提供する。
かかるフィルム層を有するラベルを用いたインモールド成形品は、インモールド成形時に、ラベル表面に良好な凹凸模様が形成されるので好ましい態様である。
また、本発明の好ましい態様は、上記不織布層が、ポリエステル系繊維から形成されているインモールド成形品を提供する。
本発明に係るインモールド成形品は、エンボス加工により凹凸が形成された不織布層を有するラベルを用いることにより、3次元的な模様を現すことができる。従って、装飾性の高いインモールド成形品を提供することができる
以下、本発明について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
図1は、インモールド成形品の正面図を示す。図2は、図1のI−I線断面図を示す。ただし、図1及び図2では、ラベル3の表面に現された凹凸模様を図示していない。
図1及び図2に於いて、1は、インモールド成形によって成形された樹脂成形体2と、インモールド成形によって樹脂成形体2の表面部に固着されたラベル3と、を有するインモールド成形品を示す。
樹脂成形体2を構成する樹脂材料は、熱可塑性樹脂であれば特に限定されず、公知の材料を適宜用いることができる。該樹脂材料としては、例えば、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネートなどを例示できる。また、樹脂材料は、通常、非発泡であるが、場合によっては発泡させてもよい。中でも、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレンなどが好ましい。樹脂成形体2は、ラベル3をインモールドすることを条件に、射出成形、ブロー成形、差圧成形、圧縮成形、発泡成形などによって成形できる。中でも、射出成形やブロー成形によって樹脂成形体2を成形する場合、ラベル3を樹脂成形体2に良好に一体化できるので好ましい。
樹脂成形体2の肉厚は、特に限定されないが、ある程度の剛性を有する成形体を得るために、0.5mm以上が好ましく、更に、0.8mm以上がより好ましい。
本発明のインモールド成形品1の用途は、特に限定されず、飲料、食品、サニタリー品、薬品、サプリメント、化粧品、玩具などを収納する各種容器(ボトル型容器、箱形容器、カップ状容器等)などの所謂容器類が代表的な用途であるが、これら容器の蓋、その他容器関係以外の用途として装置部品などに適用することもできる。
インモールド成形品1の形状も特に限定されず、その用途に応じた適宜の形状に形成される。
図示したインモールド成形品1は、飲料等を入れるカップ状容器を例示している。カップ状容器の形状としては、上方に向かうに従い拡径する有底円筒状のものが例示される。なお、かかる用途のインモールド成形品1の上面開口部には、実用に際して、着脱自在な嵌合蓋や熱シールによるシート蓋などの各種蓋が取り付けられる(これら蓋は、図示せず)。
ラベル3の平面形状は、特に限定されず、長方形状などの四角形状、三角形状などの多角形状、円形状、楕円形状、その他任意の平面形状に形成できる。
樹脂成形体2に対するラベル3の固着位置は、特に限定されず、樹脂成形体2の胴部や底部などの任意の位置にラベル3を固着することができる。インモールド成形品1がカップ状容器などの容器として用いられる場合には、樹脂成形体2の胴部にラベル3を固着することが好ましい。なぜなら、不織布を有するラベル3は、断熱性を有するから、手で持たれることが多い容器胴部に該ラベル3を固着することにより、断熱容器を構成できるからである。
該ラベル3の大きさも特に限定されず、適宜に設計できる。例えば、樹脂成形体2の胴部全体を覆うようにラベル3が固着されていてもよいし、該胴部の一部分にラベル3が固着されていてもよい。
図示した例では、ラベル3は、主として手で持たれる部分、すなわち、樹脂成形体2の胴部の上下方向中途部であって該胴部の周囲を囲繞するように固着されている。
かかるラベル3は、エンボス加工の施された不織布層33と、ラベル3の表面を構成するフィルム層34と、が少なくとも積層された積層体から構成され、フィルム層34には、図3及び図4に示すように、不織布層33のエンボスに起因して、凹凸模様が形成されている。ラベル3は、フィルム層34を外側にして樹脂成形体2の表面部に固着されているので、該ラベル3の凹凸模様が、外見上視認できる。
具体的には、本発明の好ましい構成では、図3(a)に示すように、ラベル3は、樹脂成形体2の表面部に固着される熱接着層31と、下地層32と、エンボス加工の施された不織布層33と、ラベルの表面を構成するフィルム層34と、が積層された積層体を用いることができる。
また、本発明の好ましい他の構成では、図3(b)に示すように、ラベル3は、樹脂成形体2の表面部に固着される熱接着層31と、エンボス加工の施された不織布層33と、ラベルの表面を構成するフィルム層34と、が積層された積層体を用いることができる。
なお、何れの層構成に於いても、必要に応じて、フィルム層34に、商品名、図柄などの所望の表示を表すために意匠印刷(図示せず)が施される。該意匠印刷は、フィルム層34の表面または裏面の何れに施しても良いが、通常、フィルム層34の裏面に施すことが好ましい。
これら何れのラベル3も、インモールド成形にて樹脂成形体2に固着された状態に於いて、そのフィルム層34の表面に、凹凸模様が現れている。このフィルム層34の凹凸模様は、不織布層33の凹凸模様にほぼ対応し、不織布層33の凹凸がフィルム層34に転写されたようになっている。
本発明の好ましい構成では、図4(a)に示すように、ラベル3は、フィルム層34の表面が樹脂成形体2の表面とほぼ面一状に埋設されている。かかる態様のラベル3は、ラベル3の周縁部の端面が、樹脂成形体2に接着している。
また、本発明の好ましい他の構成では、例えば、図4(b)に示すように、ラベル3のフィルム層34及び不織布層33の一部が、樹脂成形体2の表面から突出している。また、特に図示しないが、ラベル3の全体が、樹脂成形体2の表面から突出している態様でもよい(この態様の場合、ラベル3の熱接着層31の裏面のみが樹脂成形体2の表面に接着している)。
なお、ラベル3の一部又は全部が樹脂成形体2の表面から突出されたインモールド成形品1は、ラベル3を収納する凹部が形成されたインモールド成形用の金型を用いて成形すればよい。
上記ラベル3の層構成に於いて、熱接着層31は、インモールド成形の際の加熱により、樹脂成形体2を構成する樹脂材料に接着するものであれば、その種類は特に制限されない。該熱接着層31としては、例えば、ポリプロピレン、低密度または中密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸アルキルエステル共重合体、エチレン−メタクリル酸アルキルエステル共重合体及びその金属塩などが挙げられる。該熱接着層は、樹脂成形体2の材質によっても異なるが、通常、融点60〜150℃程度のものが好ましい。なお、熱接着層31として、これら樹脂をフィルム状に形成したものを用いる場合には、該フィルムは、無延伸のものを用いることが好ましい。中でも、熱接着層31は、無延伸のポリプロピレンフィルムを用いることが好ましい。
なお、熱接着層31の厚みは、3〜30μm程度である。
下地層32は、ラベルにバリア性や加飾を付与することを主たる目的に積層される。下地層31としては、公知の合成樹脂フィルム、紙、合成紙、発泡樹脂シートなどの1種、又はこれらの積層フィルムを用いることができる。該合成樹脂フィルムとしては、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、エチレン−環状オレフィン共重合体などのポリオレフィン系フィルム、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系フィルム、ポリ塩化ビニルなどのハロゲン化ビニル系フィルム、6,6ナイロンなどのポリアミド系フィルム、ポリスチレン、ABSなどのポリスチレン系フィルム、アイオノマー樹脂フィルムなどの1種、又はこれらの混合物などを挙げることができる。また、下地層32は、実質的に熱収縮しないものを用いることが好ましい。この実質的に熱収縮しないとは、下記フィルム層34と同義である。
また、必要に応じて、下地層32を構成する合成樹脂フィルムに、アルミニウム箔などの金属箔が積層されていてもよい。また、合成樹脂フィルムに、アルミニウム、酸化アルミニウム、二酸化珪素などが蒸着されていてもよい。中でも、下地層32は、金属箔又は蒸着層を有するポリエチレンテレフタレートフィルムを用いることが好ましい。
なお、下地層32の厚みは、5〜50μm程度である。ラベル3は、下地層32を有しないものでもよい。
不織布層33は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、レーヨン、ナイロン、キュプラ、天然繊維などの繊維を、接着法、ニードルパンチ法、スパンボンド法、メルトブロー法などによってシート状に作製された不織布を用いることができる。繊維としては、ポリエステル系の繊維のように耐熱性を有するものを用いることが好ましい。また、不織布層33は、実質的に熱収縮しないものを用いることが好ましい。この実質的に熱収縮しないとは、下記フィルム層34と同義である。
不織布の繊維は、1〜10d程度のものが好ましい。なぜなら、余りに繊維が細過ぎたり、太すぎると、エンボス加工を施しても、不織布に良好な凹凸を形成できないおそれがあるからである。
不織布の目付量は、10〜100g/m程度が好ましく、更に、15〜50g/m程度が好ましい。なぜなら、かかる不織布は、繊維間の空隙によって通気性に優れているからである。
また、目付量が小さいと、凹み部6を殆ど形成できず、一方、目付量が大きいと、インモールド成形時に不織布層33が無秩序に厚み方向に縮み、その結果、フィルム層34の凹凸模様の外見が悪くなるからである。
エンボス加工は、例えば、図5及び図6に示すように、不織布5の少なくとも表面5a(不織布5の表面5aとは、上記フィルム層34が積層接着される面を意味する)に施される。
ここで、エンボス加工とは、不織布5に凹凸を形成する加工を言い、例えば、エンボスローラーなどを不織布に押圧することによって凹凸を形成できる。
不織布5は、その表面5aに凹み部6が複数形成されていれば良い。従って、図6(a)や(c)に示すように、不織布5の表面5aと裏面5bの双方に凹み部6が形成されている態様、図5(b)に示すように、不織布5の表面5aのみに凹み部6が形成され、裏面5bは平坦状に形成されている態様の何れでもよい。
不織布5の表面5aの凹み部6の平面形状は、特に限定されず、任意の形状を採用し得る。例えば、凹み部6の平面形状は、図5に示すような略長方形状の他、円形状、楕円形状、三角形状などの多角形状、網目形状、アルファベットや片仮名などの文字形状などの任意の形状に形成してもよい。
凹み部6の1個当たりの面積(凹んだ底部に於ける面積)は、0.1〜10mmが好ましく、特に、0.5〜3mm程度がより好ましい。余りに凹み部6の面積が小さすぎると、フィルム層34に凹凸が生じ難く、一方、余りに凹み部6の面積が大きすぎると、フィルム層34に形成される凹凸模様が綺麗に形成できないおそれがあるからである。
また、不織布5の単位面積当たりの凹み部6の占有率は、10〜30%程度が好ましく、特に、15〜25%程度がより好ましい。かかる範囲であれば、フィルム層34に美麗な凹凸模様を形成できるからである。
但し、凹み部6の占有率=(複数の凹み部6が点在状に形成された領域に於ける該凹み部の面積の総和/複数の凹み部が点在状に形成された当該領域の面積)×100。
また、凹み部6の深さは、5μm以上が好ましく、更に、10〜500μmがより好ましい。凹み部6が余りに浅いと、フィルム層34に凹凸模様が実質的に現れないからである。
フィルム層34は、好ましくは透明な合成樹脂フィルムが用いられる。もっとも、白色などの着色フィルムを用いることもできる。該合成樹脂フィルムの材質は特に限定されず、従来公知の熱可塑性樹脂を用いることができる。該合成樹脂フィルムの樹脂材料としては、例えば、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系、ポリ塩化ビニルなどのハロゲン化ビニル系、6,6ナイロンなどのポリアミド系、ポリスチレン、ABSなどのポリスチレン系、アイオノマー樹脂などの1種又は2種以上の混合物などを挙げることができる。また、フィルム層34は、同種又は異種の2層以上の積層体でもよい。フィルム層34は、インモールド成形温度に於いて、実質的に熱収縮しないものが好ましい。実質的に熱収縮しないとは、フィルムの一方向及び他方向(前記一方向に直交する方向)に於ける熱収縮率が5%以下、好ましくは3%以下のものを言う。
ただし、熱収縮率は、フィルムを90℃温水中に10秒間浸漬した際に、下記式によって求められる。
式:熱収縮率(%)=[{(一方向(又は他方向)の元の長さ)−(一方向(又は他方向)の浸漬後の長さ)}/(一方向(又は他方向)の元の長さ)]×100。
フィルム層34は、インモールド成形に耐えうる耐熱性があり、良好な凹凸形状に変形可能であることから、ポリプロピレン系フィルムが好ましく、特に、二軸延伸ポリプロピレン系フィルムが好ましい。
また、フィルム層34の厚みは、100μm以下が好ましく、5μm〜60μmがより好ましく、特に、10μm〜40μmがより好ましい。フィルム層34の厚みが、厚過ぎると、フィルム層34が不織布層33のエンボスに従って美麗な凹凸状に変形しない虞があるからである。
上記ラベルを構成する各層の積層方法は、従来公知の方法で行うことができる。例えば、a)各層をフィルム状に形成し、それらをドライラミネーション法などによって積層接着する方法、b)各層を構成する樹脂を不織布に溶融押出して各層を積層する方法、c)各層を構成する樹脂のエマルジョン又は溶剤溶解液を不織布に塗工して各層を積層する方法、d)溶融押出樹脂によるサンドラミネーション法、などが挙げられる。
上記インモールド成形品1は、エンボス加工の施された不織布を有するラベルを用いることを条件として、従来公知のインモールド成形法に準じて作製できる。
先ず、エンボス加工の施された不織布5を準備する。エンボス加工は、所望の凹凸が付与されたエンボスローラなどで形成することが簡便である。
エンボスローラは、不織布5の表面側に当てて押圧することが好ましいが、不織布5の表面(フィルム層の積層面)に凹凸を形成できるのであれば、不織布5の裏面側からエンボスローラを当ててもよい。このようにして不織布5の表面に凹み部6を形成する。
凹み部6を形成した不織布5の表面5aに、フィルム層34を構成するフィルムを積層すると共に、不織布5の裏面5bに熱接着層31(又は必要に応じて下地層32を介して熱接着層31)を積層する(図7参照)。得られたラベル原反は、フィルム層34と不織布層33の表面5a(凹み部6が形成されていない部分)が接着している。不織布5とフィルム層34の積層は、ドライラミネート法にて接着することが好ましい。
得られたラベル原反を切断し、所定形状のラベル3を準備する。
このラベル3を、分割された金型の内面の所定箇所に配置する。ラベル3は、そのフィルム層34の表面側を金型内面側に向けて配置される。ラベル3は、例えば、金型に形成された吸着孔を介して吸引することで、金型内面に固定される。
次に、型閉じされた金型内に、加熱によって溶融した樹脂材料を射出する。樹脂の温度(射出温度)、射出圧力などは樹脂の種類に応じて適宜設定される。例えば、樹脂としてプロピレン系樹脂を用いる場合には、射出温度160〜280℃、射出圧力100〜300MPa程度が好ましい。
尚、ブロー成形の場合には、加熱によって軟化した中空状の樹脂材料(パリソン)を金型内に挿入し、該樹脂材料に加圧エアーを吹き込む。そして、該樹脂材料が、ラベル3の裏面に接触し、ラベル3の熱接着層31と樹脂材料が接着する。このようにして上記インモールド成形品1を得ることができる。
上記インモールド成形時、樹脂材料がラベルに接触することにより、ラベル3のフィルム層34に、不織布層33の凹凸に起因した、凹凸模様が形成される。この原理は、明らかではないが、次のように推察する。すなわち、インモールド成形時の圧力によってラベル3が金型内面に押し付けられ、ラベル3の不織布層33が厚み方向に圧縮する。その後、不織布層33の凹み部6以外の部分が突状に復元し、それに応じてフィルム層34が凹凸状に変化すると共に、熱せられていたフィルム層34が冷えて、フィルム層34の表面に凹凸模様が形成されるものと推察する。
上記インモールド成形品1は、ラベルの表面に凹凸模様が形成されているので、立体的な模様を現すことができる。
該インモールド成形品1は、該凹凸模様と必要に応じて施される意匠印刷との相乗効果により、装飾性が高いものを提供できる。
また、ラベル3は、不織布層33が積層されているため、インモールド成形品1のうちラベル3が固着された部分は、断熱性を有する。従って、例えば、該ラベル3の固着部分を手で持つと、熱さ又は冷たさが伝わり難い。特に、上記インモールド成形品1は、上記のようにラベル3の表面が凹凸状になっているので、持ち手の接触面積が少なくなる。このため、本発明のインモールド成形品1は、より一層断熱性に優れている。
次に、本発明の変形例を示す。但し、下記に示す変形例に於いては、上記実施形態と同様の構成及び効果については、その説明を省略し、用語及び符号を援用する場合がある。
上記実施形態で例示した不織布に代えて、熱溶着性のものを用いることもできる。かかる熱溶着性の不織布としては、少なくとも表面に熱溶着性樹脂を有する繊維からなる不織布が挙げられる。該熱溶着性樹脂としては、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられる。このような繊維としては、例えば、ポリエチレンなどの熱溶着性樹脂からなる中実繊維又は中空繊維や、図8に示すように、芯材71の周囲に熱溶着性樹脂72が被覆された繊維などが挙げられる。これらの中でも、加圧に強く、空気保持性に優れていることから、ナイロンなどのポリアミド系、又はポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系の芯材71の周囲に、直鎖状低密度ポリエチレンなどの熱溶着性樹脂72が被覆された熱溶着性複合繊維が好ましい。このような熱溶着性の繊維を有する不織布としては、商品名エルベス(ユニチカ(株)製)、商品名アルシーマ(ユニチカ(株)製)などを例示できる。
かかる熱溶着性不織布を用いる場合も、同様に、不織布層33にエンボス加工を施すことにより、該エンボスに起因した凹凸模様がフィルム層34に形成される。
もっとも、本発明者らの実証によれば、熱溶着性不織布を用いた場合、図9に示すように、フィルム層34は、インモールド不織布層33の凹み部6に対応する部分が、凸状に変形することが判明している。この原理は明らかではないが、次のように推察する。すなわち、インモールド成形時の圧力と熱によって、まず、不織布層33のエンボス凸部とフィルム層34が溶融接着し、その後、圧力が比較的かからない凹み部6と不織布層33の間に空気が溜まる。その結果、フィルム層34の部分のうち、不織布層33の凹み部6に対応した部分が空気によって膨らんで凸状に変化するものと考えられる。
なお、かかる熱溶着性の不織布を用いた場合でも、ラベルの表面に凹凸模様が形成される点では、上記実施形態と同様である。ただし、上述のように、フィルム層34(ラベル3)の表面は、不織布層33の凹み部6に対応する部分が突出するので、凹凸模様のデザインを決定する上で、この点を考慮して不織布層33のエンボス加工を施す必要がある。
また、上記実施形態に於いて、エンボス加工は、不織布層33の全体に施されているが、エンボス加工は、不織布層33の一部の領域に施されていてもよい(例えば、平面長方形状の不織布層33に於いて、その中央領域にエンボス加工を施すなど)。
以下、本発明の実施例を示す、本発明を更に詳述する。ただし、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
(使用したフィルム等)
・フィルムA…厚み25μmの二軸延伸のポリプロピレンフィルム(フタムラ化学(株)製、商品名:FOR)。
・フィルムB…厚み12μmの二軸延伸のポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績(株)製、商品名:E5102)。
・フィルムC…厚み12μmの二軸延伸のポリエチレンテレフタレートフィルムにアルミニウムが蒸着されたもの((株)麗光製、商品名:ダイアラスター)。
・不織布A…ポリエステル系不織布(東洋紡績(株)製、商品名:エクーレ。目付量50g/m)。
・不織布B…オレフィン系不織布(ユニチカ(株)製、商品名:エルベス。目付量50g/m)。
・熱接着用フィルム…厚み30μmのCPPフィルム。
[実施例1]
不織布Aの表面に、エンボスロールを当てて、エンボス加工を施した。エンボスは、1個の凹み部(平面長方形状)の深さ100μm、面積0.75mmで、該凹み部を等間隔に1m当たり約28万個形成した。
フィルムAの一面に、ドライラミネート接着剤を塗工し(塗工時の厚み5μm)、これを前記不織布Aのエンボス加工面に貼り合わせた。同接着剤をフィルムCに塗工し、これを前記不織布Aの裏面に貼り合わせた。更に、このフィルムCの裏面に、同接着剤にて熱接着用フィルムを貼り合わせ、4層構造のラベル原反を作製した。このラベル原反を縦横8cm×8cmに裁断して、インモールド成形用のラベルを得た。
このラベルをインモールド成形機の金型内に入れ、ポリプロピレンを射出し(射出温度80℃、射出圧力132.3MPa)、肉厚1mmの有底円筒状のカップ状容器を成形した。
得られた容器のラベル表面を目視で観察したところ、不織布の凹み部に対応する部分が凹んだ凹凸模様が形成されていた。
[実施例2]
不織布Aの表面に、エンボスロールを当てて、エンボス加工を施した。エンボスは、1個の凹み部(平面長方形状)の深さ100μm、面積0.75mmで、該凹み部を等間隔に1m当たり約28万個形成した。
フィルムBの一面に、ドライラミネート接着剤を塗工し(塗工時の厚み5μm)、これを前記不織布Aのエンボス加工面に貼り合わせた。前記不織布Aの裏面に、同接着剤にて熱接着用フィルムを貼り合わせ、3層構造のラベル原反を作製した。このラベル原反を縦横8cm×8cmに裁断して、インモールド成形用のラベルを得た。
このラベルをインモールド成形機の金型内に入れ、ポリプロピレンを射出し(射出温度80℃、射出圧力132.3MPa)、肉厚1mmの有底円筒状のカップ状容器を成形した。
得られた容器のラベル表面を目視で観察したところ、不織布の凹み部に対応する部分が凹んだ凹凸模様が形成されていた。
[実施例3]
不織布Bの表面に、エンボスロールを当てて、エンボス加工を施した。エンボスは、1個の凹み部(平面長方形状)の深さ130μm、面積0.25mmで、該凹み部を等間隔に1m当たり約100万個形成した。
フィルムAの一面に、ドライラミネート接着剤を塗工し(塗工時の厚み5μm)、これを前記不織布Bのエンボス加工面に貼り合わせた。前記不織布Bの裏面に、同接着剤にて熱接着用フィルムを貼り合わせ、3層構造のラベル原反を作製した。このラベル原反を縦横8cm×8cmに裁断して、インモールド成形用のラベルを得た。
このラベルをインモールド成形機の金型内に入れ、ポリプロピレンを射出し(射出温度80℃、射出圧力132.3MPa)、肉厚1mmの有底円筒状のカップ状容器を成形した。
得られた容器のラベル表面を目視で観察したところ、不織布の凹み部に対応する部分が凹んだ凹凸模様が形成されていた。
[比較例]
エンボス加工を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にしてインモールド成形容器を作製した。
この容器のラベル表面を目視及び指触で観察したところ、平坦状であった。
インモールド成形品の一実施形態を示す正面図。 図1のI−I線断面図。 (a)は、図2の丸囲いII部の拡大断面図、(b)は、層構成の異なるラベルを用いたインモールド成形品について、同丸囲いII部に於ける拡大断面図。 (a)は、図2の丸囲いIII部の拡大断面図、(b)は、ラベルの固着深さが異なるインモールド成形品について、同丸囲いIII部に於ける拡大断面図。 不織布の表面に施されたエンボス加工を示す一部省略平面図。 (a)〜(c)は、各種のエンボス加工が施された不織布を示す一部省略断面図。 インモールド成形前のラベルを示す一部省略断面図。 熱溶着性不織布の繊維(フィラメント)を示す一部断面を含む斜視図。 インモールド成形品の他の実施形態を示す拡大断面図。
1…インモールド成形品、2…樹脂成形体、3…ラベル、31…熱接着層、32…下地層、33…不織布層、34…フィルム層

Claims (4)

  1. インモールド成形によって樹脂成形体にラベルが固着されたインモールド成形品であって、
    ラベルは、エンボス加工により凹凸が形成された目付量15〜50g/m 不織布層と、フィルム層とが少なくとも積層された積層体で構成され、ラベルが、フィルム層を外側にして、インモールド成形によって樹脂成形体に固着され
    前記フィルム層の表面に、前記不織布層の表面の凹凸に起因して凹凸模様が形成されており、
    前記フィルム層の裏面が、前記不織布層の表面の凹凸に沿って密着していることを特徴とするインモールド成形品。
  2. 前記フィルム層が、厚み5〜50μmの実質的に熱収縮しない熱可塑性樹脂フィルムを含む請求項1に記載のインモールド成形品。
  3. 前記フィルム層が、ポリプロピレン系フィルムを含む請求項1または2に記載のインモールド成形品。
  4. 前記不織布層が、ポリエステル系繊維から形成されている請求項1〜3に記載のインモールド成形品。
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