JP5589626B2 - インモールドラベル、インモールド成形品、及びインモールドラベルの製造方法 - Google Patents
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Description
また、ラベル表面に凹凸を現出させたインモールド成形品も知られている。
例えば、特許文献1には、合成樹脂製の基材フィルムと、この基材フィルム上に所定のパターンで形成された接着剤層と、この上に積層された加飾層と、を有するラベルを用い、前記加飾層が、前記接着剤層の形成パターンに沿って基材フィルムに接着固定される接着部と隣接する接着部間に位置する非接着部とを有し、インモールド成形時の基材フィルムと加飾層の成形収縮の差により、非接着部に弛みが発生してラベル表面に凹凸が現出したラベル付き合成樹脂成形品が開示されている。前記ラベルを構成する基材フィルムには、所望の意匠(文字、絵柄、バーコードなど)が印刷によって表されている。
しかしながら、上記成形品のラベルにおいては、接着剤層が基材フィルム上に所定のパターンで形成されているため、基材フィルムに印刷された意匠と接着剤層の形成パターンとが精度良く整合し難いという問題点がある。
さらに、上記特許文献1のラベルにおいては、非接着部がラベルの側部に配置されると、その側部が樹脂成形品と接着せずに捲れるという問題点もある。
意匠印刷工程:長尺状の第1基材フィルムを長手方向に送り出し、そのフィルムに印刷ローラーを用いて意匠を印刷した後、ロールに巻き取る。
接着剤塗工工程:ロールから前記意匠印刷済み第1基材フィルムを引き出し、その内面に接着剤塗工ローラーを用いて所定の形成パターンで接着剤を塗工し、乾燥することによって、接着剤層を形成する。
貼り合わせ工程:次に、前記第1基材フィルムに形成された前記接着剤層上に長尺状の第2基材フィルムを重ね合わせ、第1基材フィルムと第2基材フィルムを接着した後、得られた積層フィルムをロールに巻き取る。
加工工程:ロールから前記積層フィルムを引き出し、所定形状に切断することにより、1つのラベルが得られる。
本発明の他の目的は、凹凸模様と基材の意匠を確実に整合させることができるインモールドラベルの製造方法を提供することである。
また、本発明の他の目的は、凹凸模様と意匠が整合したインモールド成形品を提供することである。
本発明の好ましいインモールドラベルは、前記第2基材が不織布を有する。
本発明の他の好ましいインモールドラベルは、前記第1基材又は第2基材が、バリア層を有する。
このインモールド成形品は、意匠印刷層が設けられた第1基材とこの第1基材に接着剤を介して積層された第2基材とを有するインモールドラベルと、樹脂成形体と、を有し、前記第1基材を外側にして前記ラベルが前記樹脂成形体にインモールド成形によって積層されており、前記第1基材の内面の所定部分に、前記接着剤が実質的に付着しない接着防止部が設けられている。
本発明の好ましいインモールド成形品は、前記接着防止部を含む第1基材の内面に塗工された接着剤が接着防止部の表面において弾かれた状態で、前記第1基材を前記第2基材に重ね合わせることにより、前記第1基材と第2基材とが前記接着剤にて接着されている。
このインモールドラベルの製造方法は、少なくとも2枚の基材が接着剤を介して積層されたラベルの製造方法であって、第1基材の一面に、意匠印刷層を印刷する工程と、前記第1基材の意匠印刷層の表面の所定部分又は前記第1基材の他面の所定部分に、印刷によって、前記接着剤が実質的に付着しない接着防止剤を塗工する工程と、前記第1基材の前記接着防止剤塗工面側の全体又は第2基材の一面側の全体に、前記接着剤をベタ状に塗工する工程と、前記第1基材及び第2基材を貼り合わせる工程と、を含む。
本発明の好ましい製造方法は、接着剤塗工工程において、前記第1基材の前記接着防止剤塗工面側の全体に、前記接着剤をベタ状に塗工する。
本発明のインモールドラベルの製造方法によれば、基材に印刷された意匠に整合して凹凸模様が生じ得るインモールドラベルを簡易に得ることができる。
また、本発明のインモールド成形品は、基材に印刷された意匠に整合した凹凸模様を有するように形成できる。従って、本発明によれば、より装飾性に優れたインモールド成形品を提供できる。
なお、基材の接頭語として、第1及び第2を付すが、該接頭語は、用語を区別するために付加されたものであり、その順序や優劣などを意味しない。また、第1基材(又は第2基材)の内面とは、第2基材(又は第1基材)が積層される側の面を指し、第1基材(又は第2基材)の外面とは、その反対面を指す。
図1は、インモールドラベルの正面図を示す。図2は、図1のII−II線断面図を示す。
本発明のインモールドラベル1は、インモールド成形品の構成部材として使用できる。
本発明のインモールドラベル1は、これらの用途に応じて、略長方形状、略円形状、筒状などの各種の形状に形成される。
具体的には、インモールドラベル1の平面視形状は、略扇面形状に形成されている。かかる形状のインモールドラベル1は、上方に向かうに従って徐々に拡径した形状のインモールド成形品の周面に巻き付けるために好適な形状である。
もっとも、上記インモールドラベル1の平面視形状は、インモールド成形品の形状やラベルの装着箇所に応じて適宜変更される。
1つの実施形態では、インモールドラベル1は、図2に示すように、意匠印刷層4を有する第1基材21と、第1基材21に設けられた接着防止部5と、第1基材21と第2基材22の間に設けられた接着剤層3と、第2基材22と、を有する。図2に示すインモールドラベル1においては、第1基材21の内面に意匠印刷層4が設けられている。さらに、第2基材22の内面にバリア層6が設けられている。もっとも、このバリア層6は第1基材21の内面又は外面に設けてもよい。図2のように、第1基材21の内面側に意匠印刷層4が設けられている場合、第1基材21としては、透明なものが用いられる。意匠印刷層4が第1基材21の外面側に設けられる場合には、第1基材21としては、不透明なものを用いてもよい。インモールドラベル1は、バリア層を有していなくてもよい。
意匠印刷層4は、第1基材21の内面又は外面の何れか一方の面に設けられており、必要に応じて、その内面及び外面の双方に設けられていてもよい。本実施形態では、外部摩擦による擦傷を防止する観点から、意匠印刷層4は、第1基材21の内面に設けられている。
接着防止部5は、接着剤が実質的に付着しない部分である。接着剤が実質的に付着しないとは、接着防止部5の表面に接着剤を塗っても該接着剤が表面から弾かれる状態や、接着防止部5の表面に接着剤が載っていても両者が物理的に結合していない状態(熱が加わったときに両者が物理的に結合しないことを含む)を意味する。
インモールドラベル1の第1基材21は、第2基材22が収縮したとき、前記非接着部8aにおいて凸状に浮かび上がり、且つ前記接着部8bにおいて凹状となる。なお、凹状とは、前記凸状に対して相対的に凹んでいるという意味であり、凸状に浮かび上がらないということである。
図2及び図3においては、接着剤層3を略均一な層として表している。ただし、塗工時に、第1基材21(又は第2基材22)の内面全体に接着剤が存在していても、その後、接着防止部5の表面に面した接着剤の一部又は全部が、接着防止部5によって弾かれている場合もある。そのため、インモールドラベル1の状態においては、接着防止部5に対応して接着剤層3の一部が穴の開いたような状態になっている場合もあり、この点、図面と異なる場合があることに留意されたい。
粘着剤としては、特に限定されず、例えば、感熱性粘着剤などが挙げられる。なお、感熱性粘着剤とは、室温で粘着性を示さず且つ加熱することで粘着力を生じる粘着剤である。
第2基材22として不織布を用いる場合、その不織布は感熱接着性を有していてもよい。前記感熱接着性を有する不織布としては、インモールド成形時の熱によって溶融し得る熱可塑性樹脂製の繊維、又は/及び、前記熱によって溶融し得る熱可塑性樹脂が芯繊維の表面に設けられている複合繊維などから形成された不織布が挙げられる。特に、前記複合繊維から形成された不織布を用いることが好ましい。前記複合繊維の不織布を用いれば、インモールド成形時に、繊維が殆ど溶融することによって不織布がフィルム化する虞がないからである。
不織布の目付量は、特に限定されないが、例えば、10〜100g/m2が挙げられる。
また、第1基材21として合成樹脂フィルムが用いられる場合、第2基材22は、インモールドラベル1に断熱性を付与できることから、不織布又は発泡樹脂シートを有するシートを用いることが好ましく、さらに、凹凸模様をより明確に現出できることから、不織布を有するシートがより好ましい。
例えば、第1基材21及び第2基材22は、それ自体熱が加わることによって若干熱収縮しうるもの(80℃温水中に10秒間浸漬したときの一方向における熱収縮率が1〜5%程度のもの)、或いは、それ自体は熱収縮性を有しないが、インモールド成形時に樹脂成形体の収縮に追従して収縮しうるものが好ましい。
このような第1基材21及び第2基材22を用いるおとにより、インモールド成形時、第2基材22が第1基材21よりも若干大きく収縮し、ラベルに凹凸模様が生じ得る。
具体的には、ニトリルゴム系溶剤型接着剤、ウレタン系接着剤、エチレン−酢酸ビニルなどのエチレン系接着剤、エポキシ系接着剤などが挙げられる。
具体的には、接着防止剤としては、硝化綿とポリアミドを含む樹脂溶液、離型性の高いポリアミド系樹脂を含む溶液などが挙げられる。
上記インモールドラベル1は、例えば、下記のようにして製造できる。
機械的製造においては、長尺状の第1基材21及び第2基材22が用いられる。長尺状の第1基材21及び第2基材22は、それぞれ別個のロールに巻き取られて供給される。長尺状とは、幅方向長さに対して縦方向長さが十分に長い形状を意味し、例えば、縦方向長さが100m以上の基材が用いられる。
長尺状の第1基材21を引き出し、意匠印刷ライン上に送り出す。この第1基材21の一面に意匠を印刷することにより、意匠印刷層4を形成する。意匠の印刷は、第1基材21の内面(第2基材22と積層する面)に行われることが好ましいが、第1基材21の外面でもよい。
この意匠印刷工程は、印刷ローラーを用いた従来公知の印刷法に準じて行われる。
意匠印刷層4を形成した後の長尺状の第1基材21を、ロールに巻き取らず、そのまま意匠印刷ラインの下流側へ送る。
意匠印刷ラインの下流側において、第1基材21の意匠印刷層4の表面の所定部分又は前記第1基材21の他面の所定部分に接着防止剤を塗工することにより、第1基材21の所定部分に接着防止部5を形成する。接着防止剤の塗工は、ローラーを用いた印刷法に準じて行われる。
接着防止剤の種類及び接着防止剤の形成パターンは、上記インモールドラベルの欄で述べた通りである。
なお、意匠印刷工程において、第1基材21の内面に意匠印刷層4を設けた場合には、この意匠印刷層4上に接着防止剤を塗工し、一方、第1基材21の外面に意匠印刷層4を設けた場合には、その反対面(第1基材21の内面)に接着防止剤を塗工する。
次に、接着防止部5を形成した後の長尺状の第1基材21を、ロールに巻き取る。
ロールに巻かれた第1基材21を、(上記意匠印刷ラインとは異なる)接着ラインに移動させる。
ロールから第1基材21を引き出し、接着ライン上に送り出す。この第1基材21の接着防止剤塗工面側の全体に、接着剤をベタ状に塗工した後、乾燥する。
取扱いが面倒な接着剤であっても(特に、ドライラミネート法で用いられる溶剤型接着剤)、基材面全体にベタ状に塗工することは、簡便に行える。
接着剤を塗工した後の長尺状の第1基材21を、ロールに巻き取らず、そのまま接着ラインの下流側へ送る。
この第1基材21の接着剤塗工面側に、長尺状の第2基材22を重ね合わせていき、第1基材21と第2基材22を接着剤を介して貼り合わせる。
このとき、接着防止部5が形成された領域における第1基材21と第2基材22の界面間においては、接着剤が弾かれて殆ど存在しない又は接着剤が存在していてもそれが接着防止部5に付着しない。このため、第1基材21と第2基材22の界面のうち、接着防止部5が設けられている領域が非接着とされ且つ接着防止部5が設けられた領域が接着された積層体が得られる。
必要に応じて、第2基材22に粘着層7を設けた後、この積層体を所定形状に裁断することにより、本発明のインモールドラベル1が得られる。なお、第2基材22自体が感熱接着性を有する場合には、前記粘着剤層7の形成を省略できる。
図4は、インモールド成形品の正面図を示す。図5は、図4のV−V線断面図を示す。図6は、図5の丸囲いVI部の拡大図を示す。ただし、図4及び図5では、ラベル表面に現出された凹凸模様を図示していない。
樹脂成形体9の肉厚は、特に限定されないが、ある程度の剛性を有する成形体を得るために、0.5mm以上が好ましく、更に、0.8mm以上がより好ましい。特に、インモールドラベル1を積層した部分における樹脂成形品2の肉厚が、0.5mm以上であることが好ましい。
インモールド成形品10の形状も特に限定されず、その用途に応じた適宜の形状に形成される。
図示したインモールド成形品10は、飲料等を入れるカップ状容器を例示している。カップ状容器の形状としては、上方に向かうに従い拡径する有底円筒状のものが例示される。なお、かかる用途のインモールド成形品10の上面開口部には、実用に際して、着脱自在な嵌合蓋や熱シールによるシート蓋などの各種蓋が取り付けられる(これら蓋は、図示せず)。
図示した例では、インモールドラベル1は、樹脂成形体9の胴部の周囲略全体に積層されている。なお、図示した例では、樹脂成形体9の胴部周囲に積層した(巻付けた)インモールドラベル1の両側部が離れているが、この一方の側部が他方の側部の上に重なるようにインモールドラベル1を樹脂成形体9に配置してもよい。
なお、インモールドラベル1は、樹脂成形体9の胴部の主として手で持たれる部分、すなわち、樹脂成形体9の胴部の上下方向中途部であって該胴部の周囲を囲繞するように積層されていてもよい。
すなわち、インモールドラベル1は、意匠印刷層4が設けられた第1基材21と、第2基材22と、前記第1基材21と第2基材22の間に設けられ且つ前記両基材を接着させる接着剤と、を有し、前記第1基材21の内面の所定部分に、前記接着剤が実質的に付着しない接着防止部5が設けられている。
インモールドラベル1は、その第2基材22側を樹脂成形体9の表面に向けて積層されている。従って、第1基材21を外側にして前記インモールドラベル1が樹脂成形体9に積層されている。
また、図2に示すような、粘着層7を有しないインモールドラベル1の場合、第2基材22がインモールド成形時の熱によって溶融し、樹脂成形体9の表面に固着し得るインモールドラベル1が用いられる。このような第2基材22としては、例えば、感熱接着性を有する不織布が挙げられる。
なお、上記インモールド成形品10の成形方法は、例えば、特開2009−178985号に開示されたような従来公知の方法に準じて行われる。
金型からインモールド成形品10を取り出した後、樹脂成形体9が収縮する。この収縮に追従して第2基材22が収縮するが、第2基材22よりも外側にある第1基材21(樹脂成形体9から離れている第1基材21)は、第2基材22よりも収縮し難い。かかる第1基材21及び第2基材22の収縮差によって、第1基材21が部分的に凸状に変化する。その結果、ラベル表面に凹凸模様が現れると推定される。
特に、不織布を有する基材が用いられた場合には、さらに断熱性に優れ、バリア層6を有する基材が用いられた場合には、ガス及び/又は光に対するバリア性に優れたインモールド成形品10を提供できる。
本発明のインモールド成形品は、シャンプー、リンス、食品、飲料、化粧品などを収納する容器などとして利用できる。
Claims (8)
- 意匠印刷層が設けられた第1基材と、第2基材と、前記第1基材と第2基材の間に設けられ且つ前記両基材を接着させる接着剤と、を有し、
前記第1基材の内面の所定部分に、前記接着剤が実質的に付着しない接着防止部が設けられている、インモールドラベル。 - 前記接着防止部を含む第1基材の内面に塗工された接着剤が接着防止部の表面において弾かれた状態で、前記第1基材を前記第2基材に重ね合わせることにより、前記第1基材と第2基材とが前記接着剤にて接着されている請求項1に記載のインモールドラベル。
- 前記第2基材が不織布を有する請求項1又は2に記載のインモールドラベル。
- 前記第1基材又は第2基材が、バリア層を有する請求項1乃至3の何れか一項に記載のインモールドラベル。
- 意匠印刷層が設けられた第1基材とこの第1基材に接着剤を介して積層された第2基材とを有するインモールドラベルと、樹脂成形体と、を有し、前記第1基材を外側にして前記インモールドラベルが前記樹脂成形体にインモールド成形によって積層されたインモールド成形品であって、
前記第1基材の内面の所定部分に、前記接着剤が実質的に付着しない接着防止部が設けられている、インモールド成形品。 - 前記接着防止部を含む第1基材の内面に塗工された接着剤が接着防止部の表面において弾かれた状態で、前記第1基材を前記第2基材に重ね合わせることにより、前記第1基材と第2基材とが前記接着剤にて接着されている請求項5に記載のインモールド成形品。
- 少なくとも2枚の基材が接着剤を介して積層されたインモールドラベルの製造方法であって、
第1基材の一面に、意匠印刷層を印刷する工程、
前記第1基材の意匠印刷層の表面の所定部分又は前記第1基材の他面の所定部分に、印刷によって、前記接着剤が実質的に付着しない接着防止剤を塗工する工程、
前記第1基材の前記接着防止剤塗工面側の全体又は第2基材の一面側の全体に、前記接着剤をベタ状に塗工する工程、
前記第1基材及び第2基材を貼り合わせる工程、
を含むインモールドラベルの製造方法。 - 接着剤塗工工程において、前記第1基材の前記接着防止剤塗工面側の全体に、前記接着剤をベタ状に塗工する、請求項7に記載のインモールドラベルの製造方法。
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