JP4787059B2 - ラベル付き容器 - Google Patents

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Description

本発明は、容器からラベルの一部分が突出するように貼付されたラベル付き容器に関する。
従来、飲料、菓子、化粧品、薬などの様々な商品が容器や箱などに包装され、包装体の態様で流通している。
これら包装体には、商品の宣伝、原材料表示、キャンペーンなどの様々な目的のため、ラベルが貼付される。
このラベルの中で、主として商品を目立たせ且つ広告宣伝機能を高めるため、一部分を包装体から突出させた状態で貼付するラベル(この種のラベルは、POPラベルとも言われる。以下、POPラベルと略称する場合がある)が知られている。
このPOPラベルは、一般に所定形状の可撓性基材からなり、主として、包装体の一面に貼着される貼付部と、包装体から外側へ突出させる突出部と、から構成されている。この貼着部を包装体の一面に貼付することにより、ラベルの一部分である突出部が包装体から離れて突出し、消費者の注意を惹き付けることができる。
このようにPOPラベルは、消費者の注意を惹き付けるために用いられるため、そのデザインも出来るだけ目立つものが好ましい。
このような点から、金属蒸着フィルムを基材としたPOPラベルが知られている。かかるPOPラベルは、その金属光沢性から、消費者の目に付きやすく、装飾性に優れている。
また、エンボス加工を施すこともデザインを目立たさせる手法として有効である。エンボスの施されたPOPラベルは、本発明者らの知見の範囲では、知られていないが、上記金属蒸着フィルムにエンボスを施したPOPラベルは、消費者の注意を非常に惹き付けることができると言える。
しかしながら、エンボスを施した金属蒸着フィルムからなるPOPラベルは、その突出部が湾曲などして変形し易く、使用状態に於いて外観が損なわれるという問題がある。
具体的には、エンボス加工は、例えば突出型部を有するエンボスロールを用いてフィルムを押圧し、フィルムを厚み方向に変形させて凹凸を形成する。従って、該エンボスの施された金属蒸着フィルムは、一方面側に湾曲し易い傾向にある。上述のように、POPラベルは、被貼付体にベタ状に貼付せず、一部分を突出させて使用するものである。一般に、被貼付体に対して全面をベタ状に貼付する粘着ラベルに於いては、貼付時に該ラベルが湾曲するという問題は生じ得ないが、POPラベルは、一部分を突出させて使用するが故に、エンボス加工に起因して突出部が湾曲状となり易い。
そこで、本発明は、ラベルの貼着部が容器に貼り付けられ且つラベルの突出部が容器から離れて突出しているラベル付き容器に於いて、装飾性に優れ、且つ使用時にラベルが湾曲し難いラベル付き容器を提供することを課題とする。
本発明は、貼着部及び突出部の2つの領域を有するラベルの前記貼着部が容器に貼り付けられ且つ前記ラベルの突出部が前記容器から離れて突出しているラベル付き容器において、前記ラベルが、金属蒸着フィルムを有する上層基材と、上層基材に積層接着された下層基材と、を有し、前記突出部に対応する上層基材に、エンボスが施されており、前記貼着部に対応する上層基材が平坦状であり、前記貼着部に対応する下層基材の下面に、粘着部が設けられており、且つ、前記突出部に対応する下層基材の下面が、前記容器に実質的に接着しない構成とされていることを特徴とするラベル付き容器を提供する。
上記ラベルの突出部に対応する上層基材は、金属蒸着フィルムを有し且つエンボスが施されているので、該上層基材に当たる光が乱反射し、消費者の注意を惹きやすい装飾性に優れたラベル付き容器を構成できる。
この上層基材には、下層基材が積層接着されているので、この下層基材が上層基材を平坦状に保持して、エンボスの施された上層基材の湾曲を防止する。従って、ラベルの突出部が湾曲し難く、外観上美麗なラベル付き容器を提供できる。
さらに、本発明の好ましい態様では、金属蒸着フィルムが、金属蒸着ポリエステル系フィルムである上記ラベル付き容器を提供する。金属蒸着フィルムのうちポリエステル系フィルムは、比較的剛性が高く、エンボスの凹凸の境界を鮮明に形成することができるので、より装飾性に優れたラベル付き容器を提供できる。
また、本発明の好ましい態様では、下層基材が、ポリエステル系フィルムを有する上記ラベル付き容器を提供する。ポリエステル系フィルムは、比較的剛性が高く腰があるので、上層基材の湾曲を防止する支持基材として優れている。
さらに、本発明の好ましい態様では、エンボスの凸部に対応した上層基材と下層基材の層間が非接着とされている上記ラベル付き容器を提供する。
かかるラベル付き容器は、エンボスの凸部に対応した上層基材と下層基材の層間が非接着とされているので、上層基材の凸部が下層基材側に圧せられても、該凸部に対応した下面側が下層基材に接着して凸部形状が潰れる虞がない。
本発明に係るラベル付き容器は、ラベルの上層基材の金属光沢とエンボスの相乗効果により装飾性に優れており、更に、エンボスを施したことに起因する上層基材の湾曲を下層基材によって防止できる。
このように本発明によれば、容器から突出させたラベルの突出部が、湾曲し難く且つ装飾性に優れていることから、消費者の注意を惹きやすいラベル付き容器を提供することができる。
以下、本発明について、図面を参照しつつ具体的に説明する。ただし、基材の下面とは、ラベル1を被貼付体に貼付した際、被貼付体に近い側の面を指す。
図1、図2(a)及び図4に於いて、1は、上層基材2の下面に下層基材3が積層接着されている本発明のPOPラベルを示す。ラベル1は、所定形状(例えば平面矩形状)に形成され、被貼付体に貼付可能な貼着部Xと、該貼着部Xを介して貼付した際に被貼付体から離れて突出する突出部Yと、の2つの領域を有する。
尚、この種のラベル1は、通常、複数個が離型紙上に仮貼付されて供給されるが、図1などに於いては離型紙を省略している。
具体的には、ラベル1は、エンボスの施された上層基材2と、上層基材2の下面に積層接着された下層基材3と、上層基材2と下層基材3の間に設けられ、且つ両基材2,3を接着する粘着層5(以下、第1粘着層という)と、エンボスの凸部4に対応する上層基材2の下面と下層基材3の上面の間に設けられた非接着部6(以下、第1非接着部という)と、下層基材3の下面に設けられた粘着層7(以下、第2粘着層という)と、該第2粘着層7の下面を部分的に覆う非接着部8(以下、第2非接着部という)と、を有する。
エンボスは、少なくともラベル1の突出部Yに形成されている。
上層基材2のエンボスの凹凸形状は、特に限定されず、表現したいデザインなどに合わせて適宜な平面形状とすることができる。例えば、平面視に於いて、幅数μm〜数mm程度の大きさ(面積)のエンボスの凸部を、1箇所または複数箇所形成することができる。
エンボスは、通常、表現したいデザインを型取りした突出型部を有するエンボス加工具(エンボスロールなど)を用いて上層基材2に形成される。上層基材2の下面側から前記エンボス加工具を当てた場合には、エンボスにて表現されるデザインは、上層基材2の上面に凸状となって現れ、上層基材2の上面側からエンボス加工具を当てた場合には、エンボスにて表現されるデザインは、上層基材2の上面に凹状となって現れる。何れの場合でも、エンボスを施すことによって、上層基材2の上面に凹凸形状を形成でき、該凹凸形状を有する上層基材2は、金属蒸着層との相乗効果により、光を乱反射してデザインを際立たせる。
エンボスの凹凸高さ(エンボスの深さ)は、特に限定されないが、余りに高低差が小さいと装飾性に劣り、一方、余りに高低差が大きいとエンボス形成時に上層基材2が破断する虞があるため、1〜50μm程度が好ましい。
上層基材2の下面に設けられる第1粘着層5は、特に限定されず、ゴム系、アクリル系、ウレタン系などの公知の感圧型粘着剤、加熱によって粘着可能となる感熱性粘着剤などの各種粘着剤、ホットメルトタイプなどの感熱性接着剤などの各種接着剤を塗工することにより設けられている。中でも、ホットメルトタイプの感熱性接着剤や、剥離可能な程度の接着力を有する粘着剤を用いることが好ましい。
第1非接着部6は、第1粘着層5を覆い、その接着力を隠蔽するために施されている。第1非接着部6の形成方法は特に限定されず、例えば、紫外線硬化型インキを塗工(印刷を含む)する、シリコーンを含むインキを塗工するなどの公知の非接着処理を行うことによって設けることができる。
この第1非接着部6は、エンボスの凸部4に対応する上層基材2(第1粘着層5)の下面に少なくとも設けられている。
ここで、「エンボスの凸部」とは、エンボスの施された上層基材2を下層基材3の上面(平坦面)に接着した際に、上層基材2のエンボスの凹凸に起因して、下層基材3の上面から部分的に浮き上がる部分を言う。また、エンボスとは、フィルムの一面(例えば上面)を凸状に突出させた際、該フィルムの他面(例えば下面)に前記凸状に対応して相対的に凹状が形成されることをいう。
上述のように、上層基材2にエンボスにてデザインを表現する場合、該エンボスの形成方法として、上層基材2の下面からエンボス加工具を当て、表現したいデザインを上層基材2の上面から突出させる、又は、上層基材2の上面からエンボス加工具を当て、表現したいデザインを上層基材2の上面から凹ませる、2通りのパターンが考えられる。図2は、前者の場合を図示したもので、図3は、後者の場合を図示したものである。
前者の場合には、デザイン表現のために上層基材2の上面から突出された凸状部分が、上記「エンボスの凸部」に相当する。なぜなら、該凸状に形成された部分を有する上層基材2を下層基材3に接着した際、図2に示すように、上層基材2のうち該凸状の形成された部分が浮き上がるためである。一方、後者の場合には、デザイン表現のために上層基材2の上面から凹まされた凹状部分の周囲が、上記「エンボスの凸部」に相当する。なぜなら、凹状に形成された部分を有する上層基材2を下層基材3に接着した際、図3に示すように、該凹状部分の下面が下層基材3に接着し、上層基材2のうち凹状部分の周囲が下層基材3よりも浮き上がるためである。
表現したいデザインを上層基材2の上面から突出させた場合に於いて、第1非接着部6は、図2(a)に示すように、エンボスの凸部4に対応する下面側に設けられていればよいが、特に、図2(b)に示す変形例のように、第1非接着部6は、上記エンボスの凸部4に対応する下面及び該凸部4とその凸部4の周囲にまで第1非接着部6が設けられていることが好ましい。
さらに、上記エンボスの凸部4が上層基材2に複数形成される場合、図2(c)に示すように、隣合うエンボスの凸部4の間に対応する下面側にも、第1非接着部6を設けることが好ましい。この場合、図2(d)の二点鎖線で示すように、複数個のエンボスの凸部4を囲うように、非接着部6を設けることが好ましい。
一方、表現したいデザインを上層基材2の上面から凹ました場合に於いて、図3(a)に示すように、第1非接着部6は、エンボスの凸部4に対応する下面側に設けられていればよいが、特に、図3(b)に示す変形例のように、第1非接着部6は、上記エンボスの凸部4に対応する下面及び該凸部4とその凸部4の周囲にまで第1非接着部6が設けられていることが好ましい。
さらに、表現したいデザインを上層基材2の上面から凹ました場合に於いて、上記エンボスの凸部4が上層基材2に複数形成される場合、図3(c)に示すように、隣合うエンボスの凸部4の間に対応する下面側にも、第1非接着部6を設けることが好ましい。尚、表現したいデザインを上層基材2の上面から凹ました場合に於いて、隣合うエンボスの凸部4の間に対応する下面側にも第1非接着部6を設けると、図3(c)に示すように、隣合うエンボスの凸部4の間は浮き上がることとなる。
尚、第1非接着部6をエンボスの凸部4の周囲にも設ける変形例(図2(b)、(c)や図3(b)、(c))に於いては、該第1非接着部6は、上層基材2の周縁部に至らないように設けることが好ましい。なぜなら、第1非接着部6が、上層基材2の周縁部にまで広がって設けられていると、上層基材2と下層基材3の非接着とされている部分がラベルの縁部に生じ、その部分から上層基材2が下層基材3から剥がれる虞があるからである。
下層基材3の下面に設けられる第2粘着層7は、上記第1粘着層5と同様に、各種の感圧型粘着剤、感熱性粘着剤などによって形成されており、剥離可能な程度の接着力のものが好ましい。尚、第1及び第2粘着層5,7は、同種の粘着剤でもよいし、それぞれ異なる粘着剤を用いることもできる。
第2非接着部8は、第2粘着層7を覆い、その接着力を隠蔽するために施され、例えば、下層基材2の所定領域(上側領域など)に設けられている。第2非接着部8が設けられた領域は、実質的に被貼付体に接着せず、この領域に相当するラベル部分が、突出部Yとなる。一方、第2粘着層7が露出した領域は、被貼付体に貼付可能な粘着部に相当し、この部分が、貼着部Xとなる。
第2非接着部8の形成方法は特に限定されず、上記第1非接着部6で例示したような非接着処理を用いることができる。
上層基材2は、エンボス加工により凹凸形状を付与できる金属蒸着フィルムが用いられている。金属蒸着層は、フィルムの上面又は下面に積層されていればよいが、図5に示すように、金属蒸着層21は、フィルム22の下面に積層されていることが好ましい。この場合、フィルム22は、透明(有色透明を含む)なものが用いられる。該フィルム22の材質は特に限定されず、例えば、アルミニウムなどの金属が蒸着されたポリエチレンテレフタレートフィルムなどのポリエステル系フィルム、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系フィルム、ポリスチレン系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリ塩化ビニル系フィルムなどの合成樹脂フィルムなどの単層又は2層以上の積層フィルムを用いることができる。中でも比較的剛性があり、凹凸形状を鮮明に形成できることからポリエチレンテレフタレートフィルムなどのポリエステル系フィルム(特に二軸延伸のポリエステル系フィルム)を用いることが好ましい。上層基材2のフィルム22の厚みは特に限定されないが、余りに薄いとエンボス加工時に破断する虞があり、余りに厚いとエンボスを形成し難くなることから、例えばポリエステル系フィルムを用いる場合には25〜75μmが好ましく、更に、25〜50μmがより好ましい。尚、上層基材2の金属蒸着層21の厚みは特に限定されないが、十分な光沢性を確保する点から、40nm以上が好ましく、更に45nm以上がより好ましい。金属蒸着層21の厚みの上限は一般に70nm程度である。
上層基材2の上面には、意匠印刷23(図5参照)が施されている。該意匠印刷23は、例えば商品名、広告、絵柄、キャンペーン応募などの所定の表示が、グラビア印刷、フレキソ印刷などによって単色又は多色刷りにて設けられている。
この印刷のインキ厚は、特に限定されないが、エンボス加工時にインキ層の割れを防止する点から、10μm以下が好ましい。印刷用インキとしては、油性(溶剤型)インキや水性インキなどの公知のインキを使用できるが、中でも電子線や紫外線によって硬化するインキを用いると、上層基材2の剛性を高めることができるので好ましい。
下層基材3の材質についても、特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどのポリエステル系フィルム、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系フィルム、ポリスチレン系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリ塩化ビニル系フィルムなどの合成樹脂フィルム、紙などの単層フィルム、又は2層以上の積層フィルムを用いることができる。また、金属蒸着フィルムや金属箔積層フィルムなどを用いることもできる。下層基材3の材質は、上層基材2の湾曲を防止する観点から、上層基材2のフィルムと同等又はそれよりも剛性の高いものが好ましい。また、空気中の水分や熱などによる膨張・収縮変形によるラベルの湾曲を防止する観点から、下層基材3は上層基材2と同種材質のフィルムを用いることが好ましく、同種のフィルムを用いる場合には、下層基材3は、上層基材2のフィルムと同厚又はそれよりも厚いフィルム用いることが好ましい。中でも比較的剛性があり又経済的であることからポリエチレンテレフタレートフィルムなどのポリエステル系フィルム(特に二軸延伸のポリエステル系フィルム)を用いることがより好ましい。
下層基材3の厚みは特に限定されないが、余りに薄いと上層基材2の湾曲防止効果を期待できないことから、38μm以上が好ましく、更に、50μm以上がより好ましい。下層基材3の厚みの上限は、コスト面から100μm以下が好ましい。
上記ラベル1は、例えば、下記の方法にて製造することができる。
長尺状の上層基材の下面に粘着剤がベタ状に塗工され、且つこれが離型紙上に仮貼付された上層基材原反から、離型紙を剥離し、粘着剤の表面の所定領域(エンボスの凸部に対応する領域)に非接着処理を施した後、再度、離型紙に仮貼付する。この上層基材原反の上面又は離型紙の下面から、非接着処理を施した領域内にエンボスの凸部が形成されるように位置合わせしつつ、エンボスロールを用いてエンボス加工を施す。
一方、長尺状の下層基材の下面に粘着剤がベタ状に塗工され且つこれが離型紙上に仮貼付された下層基材原反から、離型紙を剥離し、該粘着剤の表面の所定領域(ラベル1の突出部Yに対応する領域)に非接着処理を施した後、再度、離型紙に仮貼付する。
そして、上記エンボス加工後の上層基材原反を、離型紙から剥離し、下層基材原反の上面に貼り合わせ、押圧ローラ間に通して上層基材原反と下層基材原反を十分に接着させる。最後に、積層した上層基材原反及び下層基材原反を所定形状に型抜きした後、抜き滓を除去する。かかる工程を経て、長尺状の離型紙の上面に、所定間隔を開けて仮貼付された本発明のPOPラベルを製造できる。
本発明のPOPラベル1は、図6に示すように、被貼付体10の一面に貼着部Xを貼付し、且つ被貼付体10の角部の上方に突出部Yを突出させて使用される。
尚、ラベル1は、その突出部Yの略全体が被貼付体10の角部の上方から突出するように貼付する使用例に限られず、突出部Yの上方側一部が被貼付体10の角部の上方から突出するように貼付することもできる。
被貼付体10としては、特に限定されず、例えば、菓子、化粧品、医薬品、飲料、玩具などの商品を収納した合成樹脂容器、合成樹脂成形箱、ガラス容器、紙箱などの容器類、これら容器類を更にオーバーラップフィルムや包装箱で外装してなる包装体などが挙げられる。
本発明のPOPラベル1は、金属蒸着フィルムから構成された上層基材2にエンボスが施されているので、該上層基材2に当たる光が乱反射し、消費者の注意を惹きやすくなる。
この上層基材2には、下層基材3が積層接着されているので、この下層基材3が上層基材2を平坦状に保持して、エンボスの施された上層基材2の湾曲を防止する。
従って、被貼付体10から突出するラベル1の突出部Yが湾曲し難く、外観上美麗なラベル1を提供できる。
また、エンボスの凸部4に対応した上層基材2と下層基材3の層間が非接着とされているので、例えば、上層基材3を下層基材2に積層する際に上層基材2のエンボスの凸部4が押圧ローラ等で下層基材3側に圧せられても、該凸部4に対応した下面側が下層基材3に接着して凸部形状が潰れる虞がない。つまり、エンボスの凸部4は押し潰された後に復元可能である。従って、上層基材2のエンボスが消失することを防止できる。特に、第1非接着部6が、エンボスの凸部4の周囲にまで設けられている場合、上層基材2に微妙な皺が生じ難くなる。また、POPラベル1の使用時に、上層基材2の上面に異物が接触しても、エンボスの凸部4に対応した下面側が下層基材3に接着して凸部形状が潰れる虞もない。
尚、本発明は、上記実施形態に限られず、適宜設計変更することができる。以下、本発明の各変形例を説明するが、上記実施形態と同様の構成については、説明を省略し、用語及び図番を援用する場合がある。
上記実施形態では、ラベル1の貼着部X及び突出部Yを形成するため、下層基材3の下面全体に第2粘着層7が設けられ、且つ突出部Y相当領域に第2非接着部8が設けられた構成からなるが、例えば、図7に示すように、下層基材3の下面のうち、貼着部Xに相当する領域にのみ粘着剤を塗工して粘着部を構成してもよい。この変形例の場合、第2非接着部8を設ける(非接着処理を施す)必要はなくなるが、一般的には、上記実施形態のように、下層基材3にベタ状に粘着剤を設けた後、そのうちの所望の領域に非接着処理を施す方が、ラベル1を安価に製造できる。
さらに、上記実施形態では、エンボスの凸部4に対応した上層基材2と下層基材3の層間を非接着とするため、上層基材2の第1粘着層5の下面に第1非接着部6が設けられているが、該第1非接着部6は、エンボスの凸部4に対応した、下層基材3の上面に設けることもできる。
また、上記実施形態では、第1粘着層5をベタ状に設け、その接着力を隠蔽する非接着処理を施すことによって第1非接着部6が設けられているが、例えば、図7に示すように、エンボスの凸部4に対応した領域を除いて、上層基材2の下面に粘着剤を塗工してもよい。このように粘着剤を塗工することにより、粘着剤の塗工部分が第1粘着層5となり、且つ粘着剤の非塗工部分(エンボスの凸部4に対応した部分)が非接着部6となる。この場合には、非接着処理を施す必要はなくなるが、一般的には、上記実施形態のように、ベタ状に粘着剤を設け且つそのうちの所望の領域に非接着処理を施す方が、ラベル1を安価に製造できる。
さらに、第1粘着層5を手で剥離可能な程度の粘着剤を用いた場合には、下層基材3に所望の意匠印刷を施しておくことが好ましい。この意匠印刷は、下層基材3の上面側から視認できるように印刷される(例えば、下層基材3の上面又は透明な下層基材3の下面に印刷)。尚、下層基材3に意匠印刷と第1非接着部6とを設ける場合には、下層基材3の上面に意匠印刷を設け、その上から第1非接着部6を設けることができる。
かかるラベル1は、上層基材2を引き剥がすことにより、下層基材3に印刷された内容を初めて視認できるものである。
この意匠印刷の内容として、例えば、スピードクジ、応募資格などの各種キャンペーンを印刷しておくことにより、本発明のラベル1を、キャンペーン用ラベルとしても利用できる。
また、下層基材3及び第2粘着層7として透明な材質を用い、且つ下層基材3に意匠印刷を施すことにより、該意匠印刷をラベル1の突出部Yの下面側から視認することもできる。
(a)は、本発明の一実施形態に係るラベルの上面側から見た平面図、(b)は、同下面側から見た背面図。 (a)は、図1のA−A線に於ける横断面図(上層基材の下面側からエンボス加工を施したもの)、(b)は、同(a)のラベルの変形例を示す横断面図、(c)は、同(a)のラベルの変形例を示す横断面図、(d)は、非接着部の設ける範囲の変形例を示す平面図。 (a)は、上層基材の上面側からエンボス加工を施したラベルの横断面図、(b)は、同(a)のラベルの変形例を示す横断面図、(c)は、同(a)のラベルの変形例を示す横断面図。 図1のB−B線に於ける縦断面図。 上層基材の層構成を示す一部省略断面図。 本発明のラベルの使用状態を示す斜視図。 ラベルの変形例を示す縦断面図。
1…ラベル、2…上層基材、21…金属蒸着層、22…フィルム、3…下層基材、4…エンボスの凸部、5…第1粘着層、6…第1非接着部、7…第2粘着層、8…第2非接着部、10…被貼付体、X…貼着部、Y…突出部

Claims (4)

  1. 貼着部及び突出部の2つの領域を有するラベルの前記貼着部が容器に貼り付けられ且つ前記ラベルの突出部が前記容器から離れて突出しているラベル付き容器において、
    前記ラベルが、金属蒸着フィルムを有する上層基材と、上層基材に積層接着された下層基材と、を有し、前記突出部に対応する上層基材に、エンボスが施されており、前記貼着部に対応する上層基材が平坦状であり、前記貼着部に対応する下層基材の下面に、粘着部が設けられており、且つ、前記突出部に対応する下層基材の下面が、前記容器に実質的に接着しない構成とされていることを特徴とするラベル付き容器
  2. 金属蒸着フィルムが、金属蒸着ポリエステル系フィルムである請求項1に記載のラベル付き容器
  3. 下層基材が、ポリエステル系フィルムを有する請求項1または2に記載のラベル付き容器
  4. エンボスの凸部に対応した上層基材の下面と下層基材の上面の間が、非接着とされている請求項1〜3のいずれかに記載のラベル付き容器
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