JP5346839B2 - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、補充用非水電解液を備えるリチウムイオン二次電池関する。
近年、民生用の携帯電話、ポータブル電子機器や携帯情報端末などの急速な小形軽量化・多様化に伴い、その電源である電池に対して、小形で軽量かつ高エネルギー密度で、さらに長期間繰り返し充放電が実現できる二次電池の開発が強く要求されている。なかでも、水溶液系電解液を使用する鉛電池やニッケルカドミウム電池と比較して、これらの要求を満たす二次電池としてリチウムイオン二次電池が最も有望であり、活発な研究がおこなわれている。
また、近年リチウムイオン二次電池は、電力貯蔵用やEV(Electric Vehicle)用やHEV(Hybrid Electric Vehicle)用としての利用もなされるようになり、充放電サイクルが500サイクル以上といったような、より長い寿命が求められるようになってきている。また、従来リチウムイオン二次電池は、密閉式で充放電サイクル寿命が、鉛電池やニッケルカドミウム電池よりも長く、そのため所定の回数使用し、その電池容量が著しく低下した場合には、電池寿命が尽きたと判断して、これを廃棄処分にしていた。しかし、リチウムイオン二次電池は希少材料を使用するので、廃棄処分することは資源保護の観点から好ましくない。
そこで、充放電サイクルを繰り返しても放電容量の低下の小さい、言い換えると充放電サイクル寿命の長いリチウムイオン二次電池を得るために、充放電サイクル経過により放電容量が低下した非水電解質二次電池に新しい電解液を再注液することにより、放電容量が回復するべく、電池容器に開閉可能な注入口栓を備えるものが知られている。(例えば、特許文献1参照)また、非水電解液の物性又は組成を測定する手段と、測定結果が所定の範囲から外れたことを検出した場合に非水電解液又はその成分を補充するための手段とを備えた電池管理装置及び電池装置も知られている。(例えば、特許文献2参照)
特開2001−210309号公報 特開2003−36892号公報
電力貯蔵用途やEVやHEV用途のリチウムイオン二次電池では、10〜20年のカレンダー寿命と数千〜数万サイクルの充放電サイクル寿命が必要とされており、容量劣化したリチウムイオン二次電池に新しい電解液を再注液することによって、電池容量が回復することがわかってきている。しかし、電解液を再注液する環境としては低湿度である必要があり、湿度管理されたグローブボックス等の設備のある場所で再注液する必要があった。特に電力貯蔵用途で用いられるリチウムイオン二次電池は大型であるため、再注液する際のメンテナンス性が良くなかった。また、電池の充放電を行うことによって電解液の溶媒が徐々に分解されるため、長期間電池を使用する場合には、電解液の物性又は組成を測定する手段と、非水電解液又はその成分を補充するための手段を備える必要があり、システム全体の大型化・高額化が避けられなかった。
本発明は、上記のような課題を解決するものであり、安全、安価かつ簡便な方法で、メンテナンスフリーで長期間使用できるリチウムイオン二次電池を実現する。これにより、本発明は、充放電サイクルを繰り返しても放電容量の低下の小さい、言い換えると充放電サイクル寿命の長いリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
本発明のリチウムイオン二次電池は、上記課題を解決するため、正極、負極及びセパレータを有し、非水電解液が注液された電池部と、前記電池部と非水電解液収納部を収納する外装体と、前記外装体内部に、前記電池部と非水電解液収納部との間に配置された隔壁と、前記隔壁に設けられ、前記非水電解液収納部から電池部へ前記補充用の非水電解液を滲み出させる滲出部とを備えることを特徴とする。
これにより、リチウムイオン二次電池内部に補充用の非水電解液を収納し、補充用非水電解液を安全、簡便に電池部へ補充することができる。
また、本発明のリチウムイオン二次電池は、補充用の非水電解液をタンクに収納する。
これにより、リチウムイオン二次電池の製造工程を簡単にし、かつリチウムイオン二次電池の外装体内部に補充用非水電解液を収納して、補充用非水電解液を安全、簡便に電池部へ補充することができる。
また、本発明のリチウムイオン二次電池は、前記滲出部が、例えば、ネジよりなる。
ネジは、雌ネジと雄ネジよりなり、一般的に雌ネジと雄ネジの間には隙間を有するので、この雌ネジと雄ネジの間の隙間から補充用非水電解液を電池部に滲み出させることができる。
即ち、リチウムイオン二次電池の外装体は金属製であり、電池内の容積は圧力変形するまで一定である。従って、リチウムイオン二次電池の電解液は、揮発性を有しているため、電池缶封止時の温度以上の環境下では電解液の溶媒成分が揮発し、内圧が上昇する。また、電池を充放電することにより酸化還元が行われ、その際に電解液の分解によって気体が発生し、内圧が上昇する。本発明の滲出部は、前記隔壁に形成され、内周面に雌ネジを有する開口と、前記雌ネジに螺合する雄ネジよりなり、雄ネジは補充用非水電解液収納部側から締められているので、電池部側から圧力がかかり、そのため、雌ネジと雄ネジの間の隙間を広げる方向に作用し、隙間から補充用非水電解液が滲み出る。
また、本発明のリチウムイオン二次電池は、前記雄ネジが樹脂製であり、あるいは雄ネジの周囲に配置される樹脂製O−リングあるいはシール材を具備する。樹脂製ネジあるいは樹脂製O−リング、シール材は、樹脂の経年劣化により、補充用の非水電解液を電池部に滲み出させることができる。
本発明において、前記ネジ、O−リングまたはシール材は樹脂製である。樹脂は、一般に合成高分子よりなり、合成高分子は通常経年劣化することが知られている。合成高分子が劣化する原因は多数あるが、本発明では耐薬品性のコントロールを重視する。劣化原因として、例えば、大気中の酸素、水分、紫外線、熱などが知られているが、本発明においては封止栓として樹脂を用いる場合は、金属製の外装体の内部に設置されるため、大気中の酸素、水分、紫外線の影響は小さくなる。また、熱に関しては、通常のリチウムイオン二次電池の使用温度範囲内で安定な樹脂であれば、耐薬品性による劣化の影響の方が大きい。一般的な樹脂(接着剤)の劣化による薬液の漏洩現象の一例を挙げると、母材と接着剤の界面から漏洩する接面漏洩、接着剤を構成している高分子の内部を薬液が浸透する浸透漏洩、及び高分子同士の結合が切断されて物理的に間隙が生じる破壊漏洩などが知られている。本発明においては、樹脂が電解液によって劣化することにより、滲み出させるものであり、上記接面漏洩、浸透漏洩、破壊漏洩のいずれか1つ、または2つ以上が複合的に生じることにより電解液が滲み出る。
この際、補充用の非水電解液が電池部へ滲み出させることが望ましい。そのため、本発明は、補充用非水電解液の収納部が電池部より上側になるよう設置し、重力によって補充用非水電解液が電池部へ供給されるようにしている。
また、本発明のリチウムイオン二次電池は、電池を設置した際に、補充用非水電解液が上面側に配置され、電池部が底面側に配置されることを特徴とする。これにより、補充用の非水電解液を前記電池部に滲み出させることができる。
また、本発明のリチウムイオン二次電池は、電子機器または電気機器の電源に用いられることを特徴とする。例えば、太陽光発電システム、風力発電システムの電力貯蔵用電池として用いられる。また、ラップトップパソコン、電動工具、駆動補助付自転車、EV、HEV、デジタルカメラ、携帯電話、ビデオカメラの電源に利用可能である。
また、本発明のリチウムイオン二次電池は、別の観点によれば、蓋部に少なくとも1つの開口を有する非水電解液容器を溶接して、非水電解液容器に補充用の非水電解液を充填し、開口を封止栓により封止した蓋部を、負極、正極及びセパレータを有する蓄電素子を収納する外装体に接合し、蓋部または外装体の注液口から非水電解液を注液し、前記注液口を封止して密閉することを特徴とする。
このような製造方法により、本発明のリチウムイオン二次電池を製造することができる。
また、本発明のリチウムイオン二次電池は、更に別の観点によれば、外装体に負極、正極及びセパレータを有する蓄電素子を収納した後、予め開口を開けた隔壁板若しくは開口となる欠落部位を有した隔壁板を外装体の内部に取り付け、前記開口から非水電解液を注液後、開口を封止栓により封止し、その後、蓋部を接合して、蓋部または外装体の注液口から補充用非水電解液を注液した後、蓋部または外装体の注液口を封止することを特徴とする。
このような製造方法により、本発明のリチウムイオン二次電池を製造することができる。
本発明によれば、安全、安価かつ簡便な構成で、補充用非水電解液が電池部へ供給され、従って、メンテナンスフリーで長期間使用できるリチウムイオン二次電池が実現できる。これにより、本発明より、充放電サイクルを繰り返しても放電容量の低下の小さい、即ち、充放電サイクル寿命の長いリチウムイオン二次電池を得ることができる。
本発明のリチウムイオン二次電池による第1実施形態の断面図を示す。 本発明のリチウムイオン二次電池による第2実施形態の断面図を示す。 本発明のリチウムイオン二次電池の要部断面図を示す。 本発明のリチウムイオン二次電池の別の要部断面図を示す。 本発明のリチウムイオン二次電池の第1の使用形態説明図を示す。 本発明のリチウムイオン二次電池の第2の使用形態説明図を示す。 本発明のリチウムイオン二次電池の第3の使用形態説明図を示す。
本発明のリチウムイオン二次電池は、特に長寿命を要求される電力貯蔵用蓄電池やEV用やHEV用蓄電池であり、グローブボックス等の設備内へ持ち込むのが困難な単電池容量で10Ah以上の蓄電池が好適である。
本発明のリチウムイオン二次電池は、外装体内部に、正極、負極及びセパレータを有し、非水電解液を注液した電池部と、補充用の非水電解液を収納する非水電解液収納部を備え、前記電池部と非水電解液収納部との間に開口を有する隔壁を配置し、前記開口に滲出部を設けている。
本発明のリチウムイオン二次電池において、滲出部は、例えば、ネジによって構成される。ネジは雌ネジと雄ネジを螺合させることにより結合することができるが、雌ネジと雄ネジは一般的に隙間を有し、この隙間によって電解液を滲み出させることが可能である。
また、滲出部が金属製ネジである場合は、ネジの隙間部分から滲出するように設定する必要がある。例えば、公差位置Gの雌ネジと公差位置h、e、fまたはgの雄ネジとの組合せや、公差位置Hの雌ネジと公差位置e、fまたはgの雄ネジとの組合せである。ここで言う公差位置とは、JIS B0209−1で説明されているように、基準寸法に対する寸法許容差を表す。また、滲出部が樹脂製ネジまたは樹脂製封止栓である場合、樹脂は経年劣化により、所定の時間を経過した後、補充用非水電解液が電池部に滲み出る樹脂を選択する必要がある。
補充用の非水電解液が電池部に滲み出る時間は、電解液の種類(例えば、誘電率及びSP値など)と、樹脂の誘電率及びSP値の組み合わせによって変化するので、リチウムイオン二次電池の製品寿命を考慮して、製品寿命が延長されるように、電解液の種類、樹脂の材質、使用量、表面積を設定する。
本発明における「開口」は、外装体の内部に配置されており、外装体が密閉された後に、外装体内部の負極と正極とがセパレータを介して積層または捲回された蓄電要素を備える電池部へ補充用の非水電解液を注入するために設けられた経路を意味しており、外装体の外表面に設けられた注入口を意味しているのではない。
本発明において、開口の具体的な形状は特に限定されるものではないが、滲出部を、例えば、ネジによって形成することを考慮すると円形が好ましい。また、開口の面積は3cm2以上であると、封止樹脂の使用量が多くなるばかりか、封止強度も低下することになる。しかし、0.001cm2未満では面積が小さすぎて、非水電解液が十分に注入されない。従って、3cm2〜0.001cm2が望ましい。
本発明において、封止栓の具体的な性状は特に限定されるものではないが、電池性能に悪影響を与えないことが前提であり、滲み出し時間を制御するための実験を行うことが好ましい。例えば封止栓が樹脂製である場合は、封止栓に使用された樹脂を浸漬させた電解液を用いて電池性能評価を行うことにより、悪影響を与えない樹脂を選択することが出来る。また、JIS K6858やJIS K7114を参考にして、樹脂を電解液に浸漬した際の重量変化や形状変化率を予め測定し、開口の形状および封止栓に使用する樹脂の使用量を決定することが出来る。以上の結果を基に本発明の電池と、本発明の構造で補充用非水電解液を備えない比較用電池の充放電特性やサイクル特性を比較することで、封止栓に使用する樹脂の種類と使用量を決定する必要がある。また、補充用非水電解液が電池部へ滲み出る時間は、リチウム二次電池の使用環境や電池仕様に合わせて適宜選択することが出来る。なお、一般的な樹脂の滲出形態は、接面漏洩や浸透漏洩が知られており、樹脂製封止栓と被接着体との接着力および樹脂と接触している物質との親和性に依存する。
本発明のリチウムイオン二次電池の断面構造図を図1に示す。
図1に示すリチウムイオン二次電池は、外装体1の内部に、負極2、正極3、セパレータ4を含む蓄電素子16が収納される。負極2、正極3とセパレータ4は、積層または捲回されて非水電解液が注液されることにより蓄電素子16を構成する。更に、外装体1は電池部5以外に、補充用の非水電解液6が充填された非水電解液容器7を収納する。この非水電解液容器7は、電池部5と対向する位置に開口8を備え、開口8は封止栓9によって封止される。封止栓9は、本発明の滲出部を構成する。開口8は、電池部5と非水電解液容器7が対向する面の中央に設けるのが望ましい。
図2は、図1のリチウムイオン二次電池とは異なる構造を有するリチウムイオン二次電池の断面構造図を示す。
図2のリチウムイオン二次電池は、非水電解液容器を使用しない点が異なる。即ち、電池部5と、非水電解液収納部分11を隔壁12によって分離し、電池部5と非水電解液収納部分11に非水電解液6を収納する。開口8は隔壁12が電池部5と非水電解液収納部分11によって挟まれる位置に設けられ、開口8は封止栓9によって封止される。封止栓9は、本発明の滲出部を構成する。開口8は、電池部5と非水電解液収納部11が対向する面の中央に設けるのが望ましい。
図3は、図1及び図2に示した開口8及び封止栓9の断面図を示す。図3において、開口8は非水電解液容器7または隔壁12に円形に形成され、内周に雌ネジを有する。
封止栓9は雄ネジによって形成され、開口8の雌ネジと螺合する。更に、図3は気密性を向上させるため、封止栓9と、開口8の周囲との間にO−リング13が嵌められる。封止栓9及びO−リング13は樹脂製であることが望ましい。
前記ネジ、O−リングまたはシール材は樹脂製であり、樹脂は、一般に合成高分子よりなり、合成高分子は通常経年劣化することが知られている。合成高分子が劣化する原因は多数あるが、本発明では耐薬品性のコントロールを重視する。劣化原因として、例えば、大気中の酸素、水分、紫外線、熱などが知られているが、本発明においては封止栓として樹脂を用いる場合は、金属製の外装体の内部に設置されるため、大気中の酸素、水分、紫外線の影響は小さくなる。また、熱に関しては、通常のリチウムイオン二次電池の使用温度範囲内で安定な樹脂であれば、耐薬品性による劣化の影響の方が大きい。一般的な樹脂(接着剤)の劣化による薬液の漏洩現象の一例を挙げると、母材と接着剤の界面から漏洩する接面漏洩、接着剤を構成している高分子の内部を薬液が浸透する浸透漏洩、及び高分子同士の結合が切断されて物理的に間隙が生じる破壊漏洩などが知られている。本発明においては、樹脂が電解液によって劣化することにより、滲み出させるものであり、上記接面漏洩、浸透漏洩、破壊漏洩のいずれか1つ、または2つ以上が複合的に生じることにより電解液が滲み出る。
この際、補充用の非水電解液が電池部へ滲み出させることが望ましい。そのため、本発明は、補充用非水電解液の収納部が電池部より上側になるよう設置し、重力によって補充用非水電解液が電池部へ供給されるようにしている。
図4は、図3と異なる開口8及び封止栓9の断面図を示す。図4が図3と異なる部分は、O−リング13に代えて円盤状の樹脂製シール材14を使用する点である。その他の構成は、図3と同じである。
封止栓9がネジである場合は、O−リング13またはシール材14を具備している場合でも、補充用の非水電解液を、外装体内部の負極と正極とがセパレータを介して積層または捲回された蓄電要素を備える空間側に滲み出させるように構成されていなければならない。本発明において、リチウムイオン二次電池の滲出部はネジよりなる。
ネジは、雌ネジと雄ネジよりなる。一般的に雌ネジと雄ネジの間に隙間を有するので、この隙間部分から補充用非水電解液を電池部に滲み出させることができる。
即ち、リチウムイオン二次電池の外装体は金属製であり、電池内の容積は圧力変形するまで一定である。リチウムイオン二次電池の電解液は、揮発性を有しているため、電池缶封止時の温度以上の環境下では電解液の溶媒成分が揮発し、内圧が上昇する。また、電池を充放電することにより酸化還元が行われ、その際に電解液の分解によって気体が発生し、内圧が上昇する。本発明の雄ネジは補充用非水電解液収納部側から締められているので、電池部側から圧力がかかると、隙間を広げさせ、雌ネジと雄ネジの間の隙間から補充用非水電解液が滲み出る。また、温度低下により揮発が低下したときも、補充用非水電解液は雄ネジに接しているため、隙間部分から補充用非水電解液が滲み出る。補充用非水電解液が電池部側へ滲み出る量は、雄ネジと雌ネジの基準寸法に対する公差位置の組合せ方、電解液の揮発性、電池部と非水電解液収納部の容積差を設計することにより調整可能である。
上記図3及び図4は、図1の実施形態では、開口8は電池部5と非水電解液容器7が対向する面の中央に設けたが、開口は必ずしも中央に設ける必要はなく、例えば、電池部5と非水電解液容器7が対向する面の角部、または中央から外れた位置に設けてもよい。また、開口は円形でなく、四角形、三角形などの任意の形状でもよく、またネジを使用せずに、シール剤を乾燥固化または紫外線硬化させた封止栓であってもよい。
図2の実施形態でも、開口8は隔壁12の中央に設けたが、隔壁の角部、または中央から外れた位置に設けてもよい。また、開口は円形でなく、三角形、四角形、または楕円形などの任意の形状でもよく、またネジを使用せずに、シール剤を乾燥固化または紫外線硬化させた封止栓であってもよい。
本発明のリチウムイオン二次電池において、封止栓9に使用される樹脂としては、有機電解液に耐える材料であり、例えばSBR(スチレンブタジエンゴム)、EPDM(エチレンプロピレンジエンモノマー)、ブチルゴム、シリコンゴム、フッ素樹脂含有ゴム等が好ましい。これら樹脂は非水電解液によって劣化し、補充用の非水電解液を電池部へ滲み出させることができる。
本発明のリチウムイオン二次電池において、O−リング13に使用される樹脂としては、有機電解液に耐える材料であり、例えばSBR(スチレンブタジエンゴム)、EPDM(エチレンプロピレンジエンモノマー)、ブチルゴム、シリコンゴム、フッ素樹脂含有ゴム等が好ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池において、シール材14に使用される樹脂は、有機電解液に耐える材料であり、例えばポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、PPとPEの共重合体、SBR(スチレンブタジエンゴム)、EPDM(エチレンプロピレンジエンモノマー)、ブチルゴム、シリコンゴム、フッ素樹脂含有ゴム、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製テフロン(登録商標)シールテープ等が好ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池において、外装体1は、鉄、鉄にニッケルメッキしたもの、ステンレススチール、またはアルミニウムを角型、円筒型に形成したものを使用することができる。非水電解液容器7、隔壁12も外装体1と同様の材質により構成することができる。外装体1と非水電解液容器7、隔壁12を同一材料にすると、熱膨張係数が同じになるので、溶接性の観点からより好ましく製造することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池は、正極活物質には、二硫化チタン、五酸化バナジウムおよび三酸化モリブデンをはじめとしてリチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物およびスピネル型リチウムマンガン酸化物等の一般式LixMO2(ただし、Mは一種以上の遷移金属)で表される種々の化合物が利用できる。中でも本発明のリチウムイオン二次電池を家庭用太陽光発電システムに併設する用途に使用する場合は、特に安全性を高くする必要があるため、正極に使用する活物質はオリビン型構造の一般式LixMPO4(ただし、Mは一種以上の遷移金属)で表される種々の化合物が、充電時の熱安定性が高いため好ましい。特に、リン酸鉄リチウムは電解液の分解が少なく安全性が高いため好ましい。
リチウムイオン二次電池の負極活物質には、金属リチウムやリチウムを含む合金をはじめとしてリチウムの吸蔵・放出が可能な炭素材料などの種々のものが利用可能であり、なかでも炭素材料を使用すると、サイクル寿命の長い電池が得られ、かつ安全性が高いという利点がある。
リチウムイオン二次電池のセパレータには、多孔性ポリエチレンフィルムが使用される。
リチウムイオン二次電池の電解液には、一般にエチレンカーボネート(EC)やプロピレンカーボネートなどの高誘電率の溶媒と、ジエチルカーボネート(DEC)などの低粘度溶媒との混合系溶媒に、LiPF6やLiBF4等の支持塩を溶解させた電解液が使用される。
図5は、本発明のリチウムイオン二次電池を、太陽光発電システムの一部として構成した場合を説明する図である。即ち、太陽光発電システムは、3つの太陽光発電装置21と、2つのリチウムイオン二次電池22と、3つの太陽光発電装置21と2つのリチウムイオン二次電池22の充放電を制御し、直流利用機器24に直流電力を供給する制御システム23と、2つのリチウムイオン二次電池22の直流電力を交流利用機器26に交流電力を供給するインバータ25とにより構成される。ここで、2つのリチウムイオン二次電池22は、図1〜図4によって説明したリチウムイオン二次電池であり、電池部5が下側、補充用非水電解液6の収納容器7が上側に配置されるように設置される。このような配置に設置することにより、重力作用によって補充用非水電解液6は電池部5へ確実に、かつ補充用非水電解液6を滲み出させることができる。しかも開口及び封止栓は最小数の1つでよく、コストの面で好ましい。
図5に示した太陽光発電装置21と、リチウムイオン二次電池22はそれぞれ任意数であり、発電能力に応じて太陽光発電装置21の数を決定すればよく、また必要となる蓄電量に応じてリチウムイオン二次電池22の数を決定すればよい。また、図5の太陽光発電システムは、制御システム23に直流利用機器24を接続し、インバータ25に交流利用機器26を接続したが、このような接続回路は、直流利用機器24および交流利用機器26の種類、消費電力に応じて決定すればよく、その他の回路接続であってもかまわない。
図6は、本発明のリチウムイオン二次電池を、可搬型ラップトップパソコンの電源に使用した場合の説明図である。図6(a)は表示画面31、キーボード32を有する可搬型ラップトップパソコン30を示す。図6(b)は、図1〜図4によって説明した本発明のリチウムイオン二次電池を示し、可搬型ラップトップパソコン30の内部に収納される。即ち、図6(b)に示すように、リチウムイオン二次電池は、外形が円筒形状に形成され、外装体1の内部に電池部5と、補充用非水電解液6を収納する円筒形の補充用タンク33があることを示す。この補充用タンク33は、図6(c)に断面図を示すように、封止栓34が円筒形タンク33の周囲に4つ設けられる。4つの封止栓34は、等間隔に配置されるのが望ましい。
開口の数および配置は限定されないが、特に4つの開口を等間隔に配置することにより、可搬型ラップトップパソコンがどの方向に設置されたときでも補充用非水電解液6を電池部5へ確実に滲み出させることができる。
図7は、本発明のリチウムイオン二次電池を、電動工具の電源に使用した場合の説明図である。図7(a)は電動ドリル部分41と、握り部分42と、バッテリー部分43からなる電動工具を示す。図7(b)は、電動工具のバッテリー部分43に収納される本発明のリチウムイオン二次電池を示す。即ち、図7(b)に示すように、リチウムイオン二次電池は、外形が角形に形成され外装体1の内部に電池部5と、補充用非水電解液6を収納する補充用タンク33があることを示す。この補充用タンク33に、図7(c)に示すように、封止栓35が補充用タンク33の周囲に4つ設けられる。4つの封止栓35は、等間隔に配置されるのが望ましい。
このように4つの開口を等間隔に配置することにより、電動工具がどの方向に設置されたときでも、あるいはどの方向で使用されたときでも補充用非水電解液6を電池部5へ確実に滲み出させることができる。
上記図1〜図7に示した、本発明のリチウムイオン二次電池は、電解液内部注入口の数および配置位置は特に限定されないが、太陽光発電システムや風力発電システムなどの定置型の蓄電池として使用される場合には、蓄電池を設置した際に、補充用非水電解液を収めている空間の底面側に電解液内部注液口が配置されることにより、電解液内部注液口の加工数および内部注液口栓の数が最小限ですむため、コストの面で好ましい。また、可搬型ラップトップパソコンや電動工具などのように保管時の向きが特定できない場合には、電解液内部注液口および内部注液口栓を異なる方向に複数個設置することが好ましい。
上記図5〜図7では、本発明のリチウムイオン二次電池の利用例を説明したが、このような利用例以外に種々の電子機器及び電気機器に利用可能であり、例えば、デジタルカメラ、携帯電話、ビデオカメラ、電動自転車、EV、HEVの電源に利用可能である。
本発明のリチウムイオン二次電池の効果は、補充用非水電解液を備えている本発明のリチウムイオン二次電池と、補充用非水電解液を備えていない比較用リチウムイオン二次電池によって確認した。即ち、補充用非水電解液を備えていない比較用リチウムイオン二次電池の放電容量が1サイクル目の70%以下になるサイクル数であっても、補充用非水電解液を備えている本発明のリチウムイオン二次電池の放電容量は、1サイクル目の80%以上であることによって確認した。これにより充放電サイクルを繰り返しても放電容量の低下の小さい、言い換えると充放電サイクル寿命の長いリチウムイオン二次電池を得ることができることを確認した。
本発明のリチウムイオン二次電池は、次のようにして製造される。
第1の製造方法では、先ず、蓋部10に少なくとも1つの開口8を有する非水電解液容器7を溶接する。その後、非水電解液容器7に補充用の非水電解液6を充填し、開口8を封止栓9により封止する。次に、負極2、正極3及びセパレータ4を有する蓄電素子16の正極集電体と負極集電体それぞれに、外装体1内部のリード端子(図示しない)を接続して、外装体1に収納する。そして、上記のようにして用意した補充用の非水電解液6が充填された非水電解液容器7を有する蓋部10を、外装体1に接合する。その後、蓋部10または外装体1の注液口15から非水電解液を注液し、最後に注液口15を封止して密閉する。
この製造方法により、図1に示すリチウムイオン二次電池を製造することができる。
また、第2の製造方法では、本発明のリチウムイオン二次電池は、次のようにして製造される。先ず、外装体1に負極2と正極3をセパレータ4を介して積層または捲回した蓄電素子16を収納し、蓄電素子16の正極集電体と負極集電体それぞれに、外装体1内部のリード端子(図示しない)を接続する。次に、予め開口8を開けた隔壁板12若しくは開口となる欠落部位を有した隔壁板12を外装体1の内部に取り付ける。次に、開口8から非水電解液を注液後、開口8を封止栓9により塞ぐ。初期充電後にガス抜き工程を行う場合は、そのまま初期充放電を行い、封止栓9を取り除き、必要があれば再注液を行い、開口8を封止栓9により塞ぐ。その後、蓋部10を接合して、蓋部10または外装体1に設けた注液口より補充用非水電解液を注液し、蓋部10または外装体1の注液口を封止する。ガス抜き工程を行わない場合は、この時点では初回充放電をせずに蓋部10を接合して、補充用非水電解液を注液し、蓋部10または外装体1の注液口を封止する。
この製造方法により、図2に示すリチウムイオン二次電池を製造することができる。
以下に、本発明の実施例を説明する。なお、以下はあくまでも実施例として示したものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
(実施例1)
外装体内部に、正極、負極及びセパレータを有し、非水電解液を注液した蓄電素子と、補充用の非水電解液を収納する非水電解液容器を収納し、電池部と非水電解液収納部との間のタンク隔壁に開口を有し、開口を封止栓によって封止した構造の角型リチウムイオン二次電池を作製した。これは、実施例1の電池の断面構造は、図1に示したものと同じである。
正極合剤は、活物質のLiFePO490重量部と、導電材のアセチレンブラック5重量部と、結着剤のポリフッ化ビニリデン5重量部とを混合し、N−メチル−2−ピロリドンを適宜加えて分散させ、スラリーを調製した。このスラリーを厚さ20μmのアルミニウム集電体に均一に塗布、乾燥させた後、ロールプレスで圧縮し、所望の大きさに切断することにより正極板を作製した。
負極合剤は、中国産天然黒鉛90重量部と、ポリフッ化ビニリデン10重量部とを混合し、N−メチル−2−ピロリドンを適宜加えて分散させ、スラリーを調製した。このスラリーを厚さ16μmの銅集電体に均一に塗布、乾燥させた後、ロールプレスで圧縮し、所望の大きさに切断することにより負極板を作製した。
セパレータには、厚さ25ミクロンの微多孔性ポリエチレンフィルムを用いた。
非水電解液には、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の容積比30:70の混合液にLiPF6を1モル/リットル溶解したものを用いた。
実施例1のリチウムイオン二次電池は、以下のようにして製造される。先ず、蓋部に直径1mmの円形の開口を有するアルミニウム製の非水電解液容器を溶接し、この非水電解液容器に電解液内部注入口(開口)より前述の非水電解液20mlを充填した後、電解液内部注入口(開口)にリチウムイオン電池用シール剤のスリーボンド1171を0.5g塗布し、乾燥させて電解液内部注入口(開口)を封止した。このシール剤が上記封止栓として作用し、非水電解液容器内の非水電解液を電池部へ滲み出させる。
次に、正極板と負極板とがセパレータを介して積層した蓄電素子よりなる電池部を外装体に収めた後、リード端子を接続した。次に、前述の非水電解液容器を備えた蓋部と、電池部が収められた外装体とをレーザー溶接した後、前述の非水電解液を200ml注液し、蓋部の注液口を封止して角型リチウムイオン二次電池を作製した。
本電池の公称電圧は3.2Vであり、内部抵抗は3mΩであった。また、雰囲気温度25℃、10A/3.8Vの定電流/定電圧で6時間充電し、10Aで2.25Vまで放電した際の放電容量は50Ahであった。
この電池を用い、25℃の雰囲気温度で、上記充放電条件にてサイクル試験を行ったところ、1500サイクル目の放電容量は、1サイクル目の92%であった。
比較例として作製した電池は、同様の手順で、非水電解液容器に前述の補充用非水電解液を入れずに封止して作製した比較用リチウムイオン二次電池の1500サイクル目の放電容量は、1サイクル目の69%であった。
なお、サイクル試験を行う時は、電解液内部注液口(開口)が非水電解液容器の底面に位置するように電池を設置して評価を行った。本電池の場合、蓋部が電池の上になるように電池缶を立てた状態である。また、電解液内部注液口(開口)が非水電解液容器の上面に位置するように、すなわち電池の蓋部が下になるように電池缶を逆さにした状態で評価を行った場合の1500サイクル目の放電容量は、1サイクル目の68%であった。
なお、本実施例では、正極板と負極板とがセパレータを介して積層された角型電池を用いているが、長尺状の正負極とセパレータを合わせて捲回した円筒型電池等でも同じ効果が得られた。
(実施例2)
外装体に正極と負極をセパレータを介して積層した蓄電素子を収納し、リード端子と接続する。次に、予めM2ネジに螺合するようにネジ穴を開けたアルミニウムよりなる隔壁板12を外装体1の内部にレーザー溶接した。ネジ穴が開口8となる。次に、ネジ穴から非水電解液200mlを注液後、ネジ穴をM2ネジで塞ぐ。M2ネジが封止栓9となる。なお、M2ネジは、ISOメートルネジに準拠するネジを意味し、例えば、M2は、呼び径2mm、ピッチ0.4mm、雌ネジ内径の基準寸法1.567mmである。
その後、蓋部10をレーザー溶接し、蓋部10の上面に形成した注液口15から補充用非水電解液を20ml注液し、最後に蓋部の注液口15を封止して角型リチウムイオン二次電池を作製した。なお、正極、負極、セパレータ、電解液は実施例1と同じである。
このようにして製造された電池の断面構造は、図2と同じである。
実施例2で作製したリチウムイオン二次電池を、実施例1と同様の条件でサイクル試験を行った。1500サイクル目、2000サイクル目の放電容量は、それぞれ1サイクル目の87%、80%であった。これに対して、同様の工程で、前述の補充用非水電解液を入れずに封止して作製した比較用リチウムイオン二次電池の1500サイクル目、2000サイクル目の放電容量は、それぞれ1サイクル目の68%、45%であった。
また、実施例2の電池を用い、45℃の雰囲気温度でサイクル試験を行ったところ、1000サイクル目の放電容量は、1サイクル目の80%であった。これに対して、前述の比較用電池の1000サイクル目の放電容量は、1サイクル目の52%であった。
(実施例3)
封止栓9としてM2ネジで開口8を塞いだ後に、リチウムイオン電池用シール剤のスリーボンド1171を0.05g塗布、乾燥させて電解液内部注入口(開口)を封止したこと以外は、実施例2と同様の手順で角型リチウムイオン二次電池を作製した。
また、サイクル試験は実施例1と同様の条件で行った。1500サイクル目、2000サイクル目の放電容量は、それぞれ1サイクル目の84%、82%であった。これに対して、同様の工程で、前述の補充用非水電解液を入れずに封止して作製した比較用リチウムイオン二次電池の1500サイクル目、2000サイクル目の放電容量は、それぞれ1サイクル目の68%、45%であった。
(実施例4)
実施例1に記載の電池を、図5の太陽光発電システムに接続し、日中は太陽光発電システムで発生した電力をリチウムイオン二次電池に充電し、夜間はリチウムイオン二次電池を放電させて電力を使用した。本発明のリチウムイオン二次電池を用いたシステムは、鉛蓄電池やニッケル水素二次電池などのリチウムイオン二次電池以外の蓄電池を用いた同規模の蓄電設備を備えたシステムと比較して、システム全体を小型軽量化することができた。また、本発明のように、補充用非水電解液を備えたリチウムイオン二次電池と、同規模の補充用非水電解液を備えないリチウムイオン二次電池を比較して、本発明のリチウムイオン二次電池は、蓄電設備の長寿命化が実現したため、システム全体の低コスト化につながった。
なお、実施例4の電池の接続方法は図5に示したものと同じとした。また、本発明の電池を太陽光発電システムの替わりに風力発電システムに用いた場合にも、同様の効果が得られた。
(実施例5)
蓋部にアルミニウム製の円筒型非水電解液容器を溶接し、蓋部との溶接面以外の底面に1ヶ所、および側面に側面の周囲を4等分する間隔で電解液内部注入口(開口)を4箇所設け、そのうち側面の4箇所の電解液内部注入口(開口)にリチウムイオン電池用シール剤のスリーボンド1171を0.1g塗布、乾燥させて電解液内部注入口(開口)を封止した。その後、前述の非水電解液5mlを底面に設けた残り1つの電解液内部注入口(開口)から充填し、底面に設けた残り1つの電解液内部注入口(開口)にリチウムイオン電池用シール剤のスリーボンド1171を0.1g塗布し、乾燥させて電解液内部注入口(開口)を封止した。このシール剤が上記封止栓として作用し、非水電解液容器内の非水電解液を電池部へ滲み出させる。
次に、正極板と負極板とがセパレータを介して捲回した蓄電素子を外装体に収めた後、リード端子と接続し、前述の非水電解液を50ml注液した。
次に、前述の非水電解液容器を備えた蓋部と、蓄電素子が収められた外装体とをレーザー溶接して円筒型リチウムイオン二次電池を作製した。
次に、このようにして作製した円筒型電池をラップトップパソコンのバッテリーとして使用した。補充用非水電解液を入れずに作製した以外は同様の手順で作製した比較用電池を用いたラップトップパソコンと比較して、実施例5のリチウムイオン二次電池は充放電を繰り返した時のバッテリーの放電容量劣化が低減した。なお、実施例5の電池における非水電解液容器および内部注液口栓の配置例は、図6に示したものと同じとした。
(実施例6)
蓋部にアルミニウム製の直方体型非水電解液容器を溶接し、蓋部との溶接面以外の5つの側面に電解液内部注入口(開口)を設け、そのうち4箇所の電解液内部注入口(開口)にリチウムイオン電池用シール剤のスリーボンド1171を0.1g塗布、乾燥させて電解液内部注入口(開口)を封止した。その後、前述の非水電解液5mlを残り1つの電解液内部注入口(開口)から充填し、残り1つの電解液内部注入口(開口)にリチウムイオン電池用シール剤のスリーボンド1171を0.1g塗布し、乾燥させて電解液内部注入口(開口)を封止した。このシール剤が上記封止栓として作用し、非水電解液容器内の非水電解液を電池部へ滲み出させる。
次に、正極板と負極板とがセパレータを介して積層した蓄電素子を外装体に収めた後、リード端子と接続し、前述の非水電解液を50ml注液した。
次に、前述の非水電解液容器を備えた蓋部と、蓄電素子が収められた外装体とをレーザー溶接して角型リチウムイオン二次電池を作製した。
次に、このようにして作製した角型電池を充電式ドライバドリルのバッテリーとして使用した。ニッケルカドミウム二次電池やニッケル水素二次電池などを用いた場合に対して、本発明のリチウムイオン二次電池を用いたドライバドリルは、同規模のバッテリーを備えた電動工具と比較して、充電式ドライバドリルの小型軽量化につながった。また、補充用非水電解液を入れずに作製した以外は同様の手順で作製した比較用電池を用いた充電式ドライバドリルと比較して、本発明のリチウムイオン二次電池を用いたドライバドリルは、充放電を繰り返した時のバッテリーの放電容量劣化が低減した。
なお、実施例6の電池における非水電解液容器および封止栓の配置例は、図7に示したものと同じとした。また、充電式ドライバドリルの替わりに、本発明の電池を複数個接続して駆動補助機付自転車に用いた場合にも、同様の効果が得られた。
1 外装体
2 負極
3 正極
4 セパレータ
5 電池部
6 非水電解液
7 非水電解液容器
8 開口
9 封止栓
10 蓋部
11 非水電解液収納部
12 隔壁
13 O−リング
14 シール材
15 注液口
16 蓄電素子

Claims (10)

  1. 正極、負極及びセパレータを有し、非水電解液が注液された電池部と、
    補充用の非水電解液を収納する非水電解液収納部と、
    前記電池部と非水電解液収納部を収納する外装体と、
    前記外装体内部に、前記電池部と非水電解液収納部との間に配置された隔壁と、
    前記隔壁に設けられ、前記非水電解液収納部から電池部へ前記補充用の非水電解液を滲み出させる滲出部と
    を備えることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  2. 前記非水電解液収納部は、補充用の非水電解液を収納するタンクよりなる請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
  3. 前記滲出部は、前記隔壁に形成され、内周面に雌ネジを有する開口と、前記雌ネジに螺合する雄ネジよりなる請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
  4. 前記雄ネジは、樹脂製である請求項3に記載のリチウムイオン二次電池。
  5. 前記滲出部は、前記雄ネジの周囲に配置された樹脂製O−リングあるいはシール材よりなる請求項3に記載のリチウムイオン二次電池。
  6. 前記雌ネジと雄ネジは、雌ネジと雄ネジの間に隙間を有し、前記隙間により前記補充用の非水電解液を前記電池部に滲み出させるネジであることを特徴とする請求項3に記載のリチウムイオン二次電池。
  7. 前記樹脂は、非水電解液によって劣化し、前記補充用の非水電解液を、前記電池部に滲み出させる樹脂である請求項4または5に記載のリチウムイオン二次電池。
  8. 前記滲出部は、開口シール剤を乾燥固化または紫外線硬化させた封止栓よりなる請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
  9. 前記非水電解液収納部は、リチウムイオン二次電池を設置した際に、重力によって前記非水電解液収納部の電解液が電池部へ移動するように、前記電池部の上側に配置されることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
  10. 請求項1から8までのいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池を電源に用いた電子機器又は電気機器。
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