JP5345504B2 - 水路のシート施工方法及び水路の補修構造 - Google Patents

水路のシート施工方法及び水路の補修構造 Download PDF

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Description

本発明は、農業用や工業用などの水路のシート施工方法及び水路の補修構造に関する。
農業用や工業用などの水路は、コンクリート製が多く、老朽化が進むと、亀裂が入ったり、損壊したり、或いは目地が開いたりする。このような老朽化が進むと、水路内から水が外部に流れ出たり、水路外の水が水路内に入り水嵩を増やしたりする不具合が生じる。このようなコンクリート製水路の補修工法としては、例えば、樹脂板を水路内面に貼り付けて覆うものや、樹脂シートを接着剤にて全面接着するもの、或いは、無機コンクリート、FRP、光硬化樹脂等を塗り付け塗膜を形成させるもの、全面突起アンカー付きシートをコンクリート型枠内面に取り付け、設置後、水路内面とシート裏面との間にモルタルを充填するものなどが知られている(特許文献1等参照)。
特開2009−74359号公報
しかしながら、樹脂板の貼り付けや、樹脂シートの全面接着は、施工に時間がかかる。また、無機コンクリートの塗り付けや、仮枠を用いたモルタル充填工法は、施工に熟練を要するとともに、養生、乾燥、硬化、仮枠撤去などに手間がかかり、作業人員を多く必要としたりコスト高となった。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、容易な施工でコンクリート製水路の寿命を延長できる水路のシート施工方法及び既設のコンクリート水路の補修構造を提供することにある。
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明の請求項1記載の水路のシート施工方法は、断面略U字状のコンクリート製水路11の両縦壁部15上縁21に沿って帯状の被覆樹脂層付鋼板からなる縁部固定板23を固定する工程と、
前記水路に所定長の樹脂シート27で、前記両縦壁部15及び底部13を覆って該樹脂シート27の両縁27aを前記縁部固定板23に溶着する工程と、
下流側の前記樹脂シート27の端部27bの上に上流側の前記樹脂シート27Aの端部27cを重ねたシート接続部43を断続的に溶着する工程と、
を有することを特徴とする。
この水路のシート施工方法では、両縦壁部15上縁21に固定された一対の縁部固定板23に樹脂シート27の上縁27aが溶着され、断面略U状の水路内面が樹脂シート27,27Aによって覆われる。通水がなされることによって、水圧により樹脂シート27,27Aが水路内面に押圧され、樹脂シート27,27Aが水路内面に均一に展張される。樹脂シート27の上流側端部27bの上に上流側の樹脂シート27Aの下流側端部27cが重なることによって、上流側の樹脂シート27A上を流れた水が、常に下流側の樹脂シート27上を流れることになる。
請求項2記載の水路のシート施工方法は、請求項1記載の水路のシート施工方法であって、
下流側の前記樹脂シート27の端部27bの上に、上流側の前記樹脂シート27Aの端部27cを重ねたシート接続部43となる位置における前記両縦壁部15及び前記底部13に、帯状及び/又は円板状の被覆樹脂層付鋼板からなる接続部固定板39を固定する工程と、
該接続部固定板39の被覆樹脂層付鋼板、下流側の前記樹脂シート27の端部27b及び上流側の前記樹脂シート27Aの端部27cを溶着するとともに、少なくとも下流側の前記樹脂シート27の端部27bと上流側の前記樹脂シート27Aの端部27cは断続的に溶着する工程と、
を具備することを特徴とする。
この水路のシート施工方法では、下流側と上流側の各樹脂シート27の端部27b,27cが重なる接続部の位置に各樹脂シート27の溶着可能な接続部固定板39が水路11を横断するように設けられることとなる。これら接続部固定板39、下流側の前記樹脂シート27の端部27b及び上流側の前記樹脂シート27Aの端部27cがそれぞれ溶着されることで、シート同士の接続部分(シート接続部)43が水路内面を覆い固定され、そしてこのシート接続部43では溶着が断続となることで、水路内面と樹脂シート27,27Aの間に入った水やエアが非溶着部から水路内へ導入可能となる。
請求項3記載の水路のシート施工方法は、請求項1又は請求項2に記載の水路のシート施工方法であって、
前記両縦壁部15及び前記底部13の必要箇所に、帯状及び/又は円板状の被覆樹脂層付鋼板からなる固定板35を固定する工程と、
前記樹脂シート27を前記固定板35に溶着する工程と、
を具備することを特徴とする。
この水路のシート施工方法では、水路の両縦壁部15上縁21以外においても、樹脂シート27の溶着可能な固定部分が固定板35にて得られる。固定板35を散在させることができ、全面固定などに比べて固定作業が効率的となる。また、水路内面からのシート浮きなどが防止される。
請求項4記載の水路のシート施工方法は、請求項3記載の水路のシート施工方法であって、
前記各固定板23,35,39を構成する被覆樹脂層付鋼板の表面には前記樹脂シート27と同一材料の樹脂又はホットメルト接着性樹脂が被覆されていることを特徴とする。
この水路のシート施工方法では、一定温度で両方の樹脂材料等が共に溶融・硬化し、均一な固定強度が得られる。
請求項5記載の水路のシート施工方法は、請求項3又は請求項4記載の水路のシート施工方法であって、
前記樹脂シート27の前記各固定板23,35,39を構成する被覆樹脂層付鋼板への溶着は、前記樹脂シート27の表面から電磁誘導加熱にて行うことを特徴とする水路のシート施工方法。
この水路のシート施工方法では、薄厚の樹脂シート27の表面から背部に位置する被覆樹脂層付鋼板からなる各固定板23,35,39を見つけ出し、電磁誘導加熱装置の加熱コイル41を樹脂シート27上から固定板23,35,39に押しつける。これにより、渦電流による熱を鋼板に発生させ、樹脂シート27と固定板23,35,39の被覆樹脂層29とが溶着される。
請求項6記載の水路の補修構造は、断面略U字状のコンクリート製水路11の両縦壁部15上縁に沿って固定される帯状の被覆樹脂層付鋼板からなる縁部固定板23と、
前記水路11に所定長で、前記両縦壁部15及び底部13を覆って両縁27aを前記縁部固定板23に溶着する多数の樹脂シート27と、
を具備し、
下流側の前記樹脂シート27の端部27bの上に上流側の前記樹脂シート27Aの端部27cを重ねシート接続部43を形成し、該シート接続部43は断続的に溶着されることを特徴とする。
この水路の補修構造では、樹脂シート27の上縁27aが両縦壁部15上縁21に固定された一対の縁部固定板23に溶着され、断面略U字状の水路内面が樹脂シート27によって覆われる。通水がなされることによって、水圧により樹脂シート27,27Aが水路内面に押圧され、樹脂シート27,27Aが水路内面に均一に展張される。樹脂シート27の上流側端部27bの上に上流側の樹脂シート27Aの下流側端部27cが重なりシート接続部43とされることによって、上流側の樹脂シート27A上を流れた水が、常に下流側の樹脂シート27上を流れることになる。また、このシート接続部43の位置では、両端部27b,27cが断続的に溶着されるので、水路内面と樹脂シート27,27Aの間に入った水やエアが非溶着部から水路内へ導入可能となる。
請求項7記載の水路の補修構造は、請求項6記載の水路の補修構造であって、
前記両縦壁部15及び前記底部13に、帯状及び/又は円板状の被覆樹脂層付鋼板からなる固定板35を固定し、
該固定板35の被覆樹脂層付鋼板、下流側の前記樹脂シート27の端部27b及び上流側の前記樹脂シート27Aの端部27cを溶着するとともに、少なくとも下流側の前記樹脂シート27の端部27bと上流側の前記樹脂シート27Aの端部27cは断続的に溶着してなることを特徴とする。
この水路の補修構造では、水路の両縦壁部15上縁21以外においても、樹脂シート27の溶着可能な固定部分が固定板35にて得られる。水路内面に固定板35を散在させることができ、全面固定などに比べて固定作業が効率的となる。また、水路内面からのシート浮きなどが防止される。
本発明に係る請求項1記載の水路のシート施工方法によれば、コンクリート製水路の両縦壁部上縁に帯状の被覆樹脂層付鋼板からなる縁部固定板を固定し、樹脂シートの上縁を縁部固定板に溶着し、樹脂シートの上流側端部の上に上流側の樹脂シートの下流側端部を重ねるので、容易な施工でコンクリート製水路の内壁面を被覆することができ、この水路の寿命を延長できる。また、既設のコンクリート製水路の補修も容易に可能となる。
請求項2記載の水路のシート施工方法によれば、下流側と上流側の各樹脂シートの端部が重なる接続部の位置に各樹脂シートの溶着可能な接続部固定板が水路を横断するように設けられ固定することができることとなる。これら接続部固定板、下流側の前記樹脂シートの端部及び上流側の前記樹脂シートの端部がそれぞれ溶着されることで、シート同士の接続部分であるシート接続部が水路内面を覆い固定され、そしてこのシート接続部では溶着が断続となることで、水路内面と樹脂シートの間に入った水やエアが非溶着部から水路内へ導入可能となる。
請求項3記載の水路のシート施工方法によれば、水路の両縦壁部上縁以外においても、樹脂シートの溶着可能な固定部分が固定板にて得られることとなる。固定板を散在させることができ、全面固定などに比べて固定作業が効率的となる。また、水路内面からの樹脂シートの浮き上がりを防止する。
請求項4記載の水路のシート施工方法によれば、各固定板の表面が樹脂シートと同一材料の樹脂、又はホットメルト接着性樹脂よりなることから、樹脂シートの溶着の際に、一定温度で、固定板の被覆樹脂層と樹脂シートの表面が溶融し、溶着が確実なものとなり、均一な固定強度が得られることとなる。
請求項5記載の水路のシート施工方法によれば、薄厚の樹脂シートの表面から背部に位置する被覆樹脂層付鋼板からなる各固定板を見つけ出し、電磁誘導加熱装置の加熱コイルを樹脂シート上から固定板に押しつけ、これにより、渦電流による熱を鋼板に向けて発生させ、樹脂シートと各固定板の被覆樹脂層とが溶着できる。すなわち、電磁誘導により、固定板のある箇所のみ加熱が行われて、効率よく溶着作業が進められることとなる。
請求項6記載の水路の補修構造によれば、コンクリート製水路の両縦壁部上縁に固定された一対の縁部固定板に樹脂シートの上縁が溶着され、断面略U字状の水路内面が樹脂シートによって覆われ展張されるとともに、樹脂シートの上流側端部の上に上流側の樹脂シートの下流側端部が重なりシート接続部とされることによって、上流側の樹脂シート上を流れた水が、常に下流側の樹脂シート上を流れることになり、このことから、容易な施工でコンクリート製水路の寿命を延長でき、また、その補修を容易に実現できる。また、このシート接続部の位置では、両端部が断続的に溶着される構成としたので、水路内面と樹脂シートの間に入った水やエアが非溶着部から水路内へ導入可能となる。
請求項7記載の水路の補修構造によれば、コンクリート製水路の両縦壁部上縁以外においても、樹脂シートの溶着可能な固定部分が帯状及び/又は円板状の固定板にて得られることとなる。すなわち水路内面の両縦壁部及び底部に固定板を散在させることができ、シート全面固定などに比べて固定作業が効率的となる。また、水路内面からの樹脂シートの浮き上がりが防止される。
本発明に係る施工方法の手順を表した作業工程流れ図である。 樹脂シート上縁の斜視図である。 固定板を取り付けた水路の断面図である。 図3の斜視図である。 固定板への樹脂シートの溶着状況を表す水路断面図である。 水流に沿う方向の鉛直面による水路の断面図である。 仮通水された水路の流れ方向に垂直な面による断面図である。 他の実施の形態の固定板を取り付けた水路の斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る施工方法の手順を表した作業工程流れ図、図2は樹脂シート上縁の斜視図、図3は固定板を取り付けた水路の断面図である。
本実施の形態に係る水路のシート施工方法は、例えば農業用水路等に代表される図3に示す三面水路(トラフ型水路)11に好適に用いることができる。水路11は、底部13とこの底部13の両端に立設された立ち上がり部である両縦壁部15,15とを備える例えばプレキャストコンクリート製の複数のU字枠17を目地部19にて止水連結して構築されている。本発明に係るシート施工方法は、既設の水路11、或いは新設の水路11のいずれを施工対象としてもよい。本実施の形態では、水路11が既設である場合、すなわち、改修時におけるシート施工方法を例に説明する。
水路11にシート施工を行うには、先ず、既設水路11周囲の草刈りを行い(図1のS1)、主にU字枠17の内壁面を表出させる。表出させた施工対象となるU字枠17は、水流を迂回させるなどして堰き止めた後、汚れ除去、苔の除去など洗浄を行う(S2)。洗浄後、両縦壁部15、底部13に生じている亀裂や損壊箇所等をコーキング処理等により改修する(S3)。
縦壁部15の上縁21に図2に示す縁部固定板23を固定するための墨出し25を行う(S4)。縦壁部15の上縁21に沿って帯状の被覆樹脂層付鋼板からなる縁部固定板23を固定する(S5)。縁部固定板23は、表面に後述の樹脂シート27と同一材料の被覆樹脂層29(図3参照)が被覆されている。縁部固定板23の基材(基板)31には、磁性金属である鉄板、ステンレス板、或いは亜鉛メッキ鋼板などのメッキ鋼板、フェライト系ステンレス板、マルテンサイト系ステンレス板などが用いられる。基材表層の被覆樹脂層29は、塗装などの塗膜により所定の厚さで被覆形成され、例えば塩ビなどの樹脂にて構成されている。また、この被覆樹脂層29としては、ホットメルト接着剤性樹脂よりなる構成としても良い。縁部固定板23は、機械的に、例えば、釘打ち高圧銃により打ち込まれる釘33や、埋込アンカー等により取り付けられる。
本実施の形態の固定板取付工程(S5)では、図3に示す固定板35も固定される。固定板35には、シーアイ化成株式会社製の「特殊IH専用ディスク(商品名)」を好適に用いることができる。固定板35は、円形板状とされ、基材(基板)31には、磁性金属である鉄板、メッキ鋼板、SUS430などのフェライト系ステンレス等よりなるステンレス板、マルテンサイト系ステンレス板などが用いられる。基材表層の被覆樹脂層29は、上記縁部固定板23と同様に、塗装などの塗膜により所定の厚さで被覆形成されている。固定板35は、機械的に、例えば、釘打ち高圧銃により打ち込まれる釘33や、埋込アンカー等により取り付けられる。
この固定板35は、両縦壁部15及び底部13に所定間隔毎や千鳥状配置など適宜な間隔に離散して固定される。この固定板35の表面に、後述の樹脂シート27が溶着される。固定板35が設けられることで、水路11の両縦壁部15,15の上縁21以外においても、樹脂シート27の溶着可能な固定部が得られる。また、固定部分を散在させることができ、全面連続固定などに比べて固定作業が効率的となる。なお、この固定板35は、上記した円板形状の他に、帯状など他の形状に形成されていてもよい。
上記したように縁部固定板23及び固定板35の表面には樹脂シート27と同一材料の被覆樹脂層29が被覆されている。一定の温度で、固定板の被覆樹脂層と樹脂シートの表面が溶融し、均一な固定強度が得られる。これにより、樹脂シート27と縁部固定板23,固定板35の溶着を容易且つ確実に行うことができる。
固定板取付が完了した後、目地部19の開きを改修する目地コーキング37(図2参照)が施工される(S6)。
図4は図3の斜視図である。
対向配置となる縁部固定板23の間には、図4に示すように、後述する上流側の樹脂シートと下流側の樹脂シートとの接続部分の位置となるシート接続部43の位置で、底部13を横断するように帯状の樹脂被覆板からなる接続部固定板39が配置される。この帯状の接続部固定板39は、縁部固定板23と同等の構成とされている。この帯状の接続部固定板39には樹脂シート27が断続的に溶着される。これにより、樹脂シート27は、水路横断方向bにも固定となる。なお、接続部固定板39は、図8(b)に示すように、縁部固定板23とで一体に連続形成し、四角枠状に構成してもよく、或いは、縁部固定板23の対向位置となる上流側端部同士や対向位置となる下流側端部同士の間などで接続されるような形状としてもよい。さらには、この位置に、上記した円板形状の固定板35を配置して接続部固定板としてもよく、また図8(a)に示すように、短尺な帯状に形成してその長手方向を水路の長手方向に沿わせて複数配置することとしてもよい。この短尺帯状の接続固定板39Aとした場合には、樹脂シート27との溶着箇所を水路方向に溶着長さを得られ、また、底部13の横断方向では断続配置となる。
図5は固定板への樹脂シートの溶着状況を表す水路断面図である。
目地コーキング37の養生がなされた後、樹脂シート27が縦壁部15の縁部固定板23に仮溶着される(S7)。樹脂シート27は、遮水性の良好な軟質樹脂シートよりなり、例えば厚さ2mmの塩ビ系樹脂、オレフィン系樹脂、熱可塑性樹脂等のものが使用される。樹脂シート27は、水路に沿う長さ、例えば5mや10mなどの所定の長さで形成され、その長さごとに接続部固定板39が配置されることとなる(図6参照)。固定板35は縦壁部15の高さ(深さ)、底部13の幅に応じて必要な箇所に複数配置されることになる。なお、実施例では、各種の固定板23,35,39は、塩化ビニル樹脂を被覆したステンレス鋼板を用い、樹脂シート27は、軟質塩化ビニル樹脂製遮水シートよりなり、黒色本体層に白色表層を積層形成したシグナルレイヤーと呼ばれる樹脂シートが好ましく、このシグナルレイヤーの樹脂シートによれば、施工中におけるシートへの損傷の早期発見が可能となる。
樹脂シート27は、縁部固定板23に仮溶着の後、縁部固定板23及び固定板35に本溶着する(S8)。すなわち、縦壁部15及び底部13を覆った樹脂シート27の上縁27a(図2参照)を縁部固定板23に溶着する。縁部固定板23及び固定板35は、金属板をベースにしている。これにより、樹脂シート27の表面側から溶着作業が行える。縁部固定板23への溶着作業は温風溶着機(図示せず)にて行う。一方、固定板35への溶着作業は高周波溶着機にて行うことができる。
固定板35への溶着作業は、樹脂シート27の表面から背部に位置する固定板35を見つけ出し、図5に示すように、電磁誘導加熱装置の加熱コイル41を樹脂シート27上から固定板35に押しつける。これにより、渦電流による熱を鋼板に発生させ、樹脂シート27と固定板35の被覆樹脂層29とが溶着される。固定板35への溶着は、樹脂シート27の表面から電磁誘導加熱にて行うので、固定板35のある箇所のみを加熱溶着し、固定板35のない部分では加熱が行われず、複数ある固定板35の箇所の溶着を続けて作業でき、時間短縮となり、また未接着部分の発生を防ぎ、作業性が良好なものとなる。
図6は水流に沿う方向の鉛直面による水路の断面図である。
縁部固定板23に一枚の樹脂シート27を溶着した後、この樹脂シート27の上流側の端部27bを接続部固定板39に溶着する。次に、上流側の樹脂シート27Aを同様に溶着する。樹脂シート27の上流側端部27bの上には、上流側の樹脂シート27Aの下流側端部27cを所定幅長を重ね代としとて重ねる。上流側の樹脂シート27Aは、上流側の両縦壁部15及び底部13を覆う。上流側の樹脂シート27Aの上縁27aを上流側の縁部固定板23Aに溶着する。
対向する縁部固定板23間に位置する帯状の接続部固定板39には、樹脂シート27の上流側端部27bとその上流側の樹脂シート27Aの下流側端部27cのシート接続部43が配置される。上記のように上流側端部27bと下流側端部27cは、接続部固定板39に断続的に溶着される。これにより、重ね構造が維持され、重ね合わせの反転、捲れが防止される。
このように水路11の内面に展張された樹脂シート27は、所定の厚みを有する縁部固定板23、固定板35及び接続部固定板39の表面に溶着され、またこれら縁部固定板23、固定板35、接続部固定板39によりシート全面に接着固定が行われないことで、縦壁部15及び底部13との間に間隙を形成可能な未接着部分を有する所謂「浮かし張り」で施工される。
図7は仮通水された水路の流れ方向に垂直な面による断面図である。
浮かし張りによって内面を樹脂シート27で覆った水路11には仮通水45を行う(S9)。仮通水45がなされることによって、水圧により樹脂シート27,27Aが水路内面に押圧され、樹脂シート27,27Aが水路内面に均一に展張される。
また、樹脂シート27の上流側端部27bの上に上流側の樹脂シート27Aの下流側端部27cが重なることによって、上流側の樹脂シート27A上を流れた水が、常に下流側の樹脂シート27上を流れることになる。つまり、水が樹脂シート27の背面に流入しない。そして、連結部39では、樹脂シート27の溶着が断続となっていることで、水路内面と樹脂シート27の間(背面)に入った水やエアcがこの非溶着部及びシート接続部43から水路内へ導入可能となる。このように、樹脂シート27を浮かし張りで施工することにより、水路外側から入ってくる水を樹脂シート27を浮かした中に取り込む。取り込まれた背面水やエアは、樹脂シート27の表面を水が流れる際に圧縮され、直線なら10m、曲線なら2mピッチにあるシート接続部43の空間、すなわち断続溶着によって形成される隙間から水路内に出てくる。
仮通水45によりエア抜きが完了したなら、最後に、樹脂シート27の上縁27aと縦壁部15の上縁21との間を塞ぐ上縁コーキング47にて仕上げを行い(S10)、水路のシート施工を完了する。
したがって、本実施の形態に係る水路のシート施工方法によれば、コンクリート製水路の両縦壁部15の上縁21に縁部固定板23を固定し、樹脂シート27の上縁27aを縁部固定板23に溶着し、樹脂シート27の上流側端部27bの上に上流側の樹脂シート27Aの下流側端部27cを重ねるので、容易な施工でコンクリート製水路11の寿命を延長できる。また、既設の水路11の修復も容易なものとなる。
上記効果に加え、水路のシート施工方法は、以下の効果も奏する。
すなわち、コンクリート壁面に、樹脂シート27を同材質の表層を持つ縁部固定板23、固定35及び接続部固定板39を予め固定して、これら縁部固定板23、固定板35、接続部固定板39に溶着で固定するので、縦壁部15や底部13を覆う樹脂シート27には穴が開かず、加熱のみで取り付けできる。
従来の遮水シート施工方法では、コンクリート打設特に使用されるセパレーターによる穴が空くと展張シートのすべてにバキューム負圧チェックが必要となったが、本シート施工方法ではその必要がない。従来の全面突起アンカー付シート(図示せず)のように型枠内に事前に設置しなくて済むため、施工が格段に容易となる。また、全面突起アンカー付シートを設置しなくてよいため、シート施工にとって一番重要な溶着接合が容易にでき、信頼性の高い遮水構造が得られる。
樹脂シート27同士を溶着する前に、それぞれの樹脂シート27,27Aが固定できるため、樹脂シート27,27A同士の自走式溶着も可能となる。従来施工方法のT型アンカーシート(図示せず)を事前にセットする煩雑な作業が不要となる。T型アンカーシートを捲り上げ、脇から熱風溶着するなど手間のかかる溶着作業が発生しない。支持枠、押さえ型枠など施工時に治具を使わないので施工性が向上する。樹脂シート27をコンクリート側面に接着剤で全面貼り付けする構造で必要な、接着剤硬化までの押え型枠等が不要となる。塗膜形成などの施工方法と違い、塗膜厚の不均一や気泡によるピンホールが起こらず、均一な厚みの樹脂シート27で覆え、品質にばらつきが生じない。
塗布型遮水膜を形成する施工方法に比べ、屋外であっても硬化までに汚れを遮水膜中に取り込む心配がない。樹脂シート27の施工後の溶着部検査方法が二重溶着ライン(縁部固定板23,23のライン状溶着部)によるエアーチェック方法が採用可能となる。コンクリート表面に樹脂シート27を展張した後の、樹脂シート表面のピンホール検査を高電圧スパーク方式により検査できる。以上からして、施工性が良好で、工期が短縮でき、人員削減、コスト低減が図れる。
また、本実施の形態に係る水路の補修構造は、断面略U字状のコンクリート製水路11において両縦壁部15の上縁21に沿って固定される帯状の縁部固定板23と、水流方向aに所定長で両縦壁部15及び底部13を覆って上縁27aを縁部固定板23に溶着する樹脂シート27と、樹脂シート27の上流側端部27bの上に下流側端部27cを重ね両縦壁部15及び底部13を覆って上縁27aを縁部固定板23に溶着する上流側の樹脂シート27Aとを具備する。
樹脂シート27,27Aの上縁27aが対向一対の縁部固定板23に溶着され、断面略U状の水路内面が樹脂シート27,27Aによって覆われる。仮通水45がなされることによって、水圧により樹脂シート27,27Aが水路内面に押圧され、樹脂シート27,27Aが水路内面に均一に展張される。樹脂シート27の上流側端部27bの上に上流側の樹脂シート27Aの下流側端部27cが重なることによって、上流側の樹脂シート27A上を流れた水が、常に下流側の樹脂シート27上を流れることになる。これにより、容易な施工でコンクリート製水路11の寿命を延長できる。
なお、上記した実施の形態では、水路のシート施工方法を農業用水路に適用した場合を例に説明したが、本発明に係る水路のシート施工方法はこの他に以下の構造物の遮水・改修にも好適に用いることができる。すなわち、廃棄物最終処分場、調整池、人工池等のコンクリート遮水構造物の側面。鉛直コンクリート側面への遮水シートの垂れ・弛みのない設置。水の流れる構造物の内面への粗度係数の低い遮水シート構造の構築。建築構造物の壁面防水。トンネル内の側壁、天井部分へのシート設置。侵食・腐食から守り、寿命を大幅に改善するためのコンクリート・構造物のカバー。上・下水処理施設を始め、食品・化学・ハイテク工場など、水にかかわる産業施設の壁体等である。
11…コンクリート製水路
13…底部
15…縦壁部
21…縦壁部上縁
23…縁部固定板
27…樹脂シート
27A…上流側の樹脂シート
27a…上縁
27b…端部(上流側端部)
27c…端部(下流側端部)
29…被覆樹脂層
35…固定板
39…接続部固定板
43…シート接続部
a…水流方向

Claims (7)

  1. 断面略U字状のコンクリート製水路の両縦壁部上縁に沿って帯状の被覆樹脂層付鋼板からなる縁部固定板を固定する工程と、
    前記水路に所定長の樹脂シートで、前記両縦壁部及び底部を覆って該樹脂シートの両縁を前記縁部固定板に溶着する工程と、
    下流側の前記樹脂シートの端部の上に上流側の前記樹脂シートの端部を重ねたシート接続部を断続的に溶着する工程と、
    を有することを特徴とする水路のシート施工方法。
  2. 請求項1記載の水路のシート施工方法であって、
    下流側の前記樹脂シートの端部の上に、上流側の前記樹脂シートの端部を重ねたシート接続部となる位置における前記両縦壁部及び前記底部に、帯状及び/又は円板状の被覆樹脂層付鋼板からなる接続部固定板を固定する工程と、
    該接続部固定板の被覆樹脂層付鋼板、下流側の前記樹脂シートの端部及び上流側の前記樹脂シートの端部を溶着するとともに、少なくとも下流側の前記樹脂シートの端部と上流側の前記樹脂シートの端部は断続的に溶着する工程と、
    を具備することを特徴とする水路のシート施工方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の水路のシート施工方法であって、
    前記両縦壁部及び前記底部の必要箇所に、帯状及び/又は円板状の被覆樹脂層付鋼板からなる固定板を固定する工程と、
    前記樹脂シートを前記固定板に溶着する工程と、
    を具備することを特徴とする水路のシート施工方法。
  4. 請求項3記載の水路のシート施工方法であって、
    前記各固定板を構成する被覆樹脂層付鋼板の表面には前記樹脂シートと同一材料の樹脂又はホットメルト接着性樹脂が被覆されていることを特徴とする水路のシート施工方法。
  5. 請求項3又は請求項4記載の水路のシート施工方法であって、
    前記樹脂シートの前記各固定板を構成する被覆樹脂層付鋼板への溶着は、前記樹脂シートの表面から電磁誘導加熱にて行うことを特徴とする水路のシート施工方法。
  6. 断面略U字状のコンクリート製水路の両縦壁部上縁に沿って固定される帯状の被覆樹脂層付鋼板からなる縁部固定板と、
    前記水路に所定長で、前記両縦壁部及び底部を覆って両縁を前記縁部固定板に溶着する多数の樹脂シートと、
    を具備し、
    下流側の前記樹脂シートの端部の上に上流側の前記樹脂シートの端部を重ねシート接続部を形成し、該シート接続部は断続的に溶着されることを特徴とする水路の補修構造。
  7. 請求項6記載の水路の補修構造であって、
    前記両縦壁部及び前記底部に、帯状及び/又は円板状の被覆樹脂層付鋼板からなる固定板を固定し、
    該固定板の被覆樹脂層付鋼板、下流側の前記樹脂シートの端部及び上流側の前記樹脂シートの端部を溶着するとともに、少なくとも下流側の前記樹脂シートの端部と上流側の前記樹脂シートの端部は断続的に溶着してなることを特徴とする水路の補修構造。
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