JP4686345B2 - 水路構造の施工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、水路、下水道、汚水処理槽、浄化槽等のコンクリート製の既設構築物の更生に好適な水路構造の施工方法に関する。
水路、下水道、汚水処理槽、浄化槽等の構築物は、一般にコンクリートで製造されている。ところが、下水や下水汚泥中の細菌等により、コンクリートが腐食し、損傷するという問題が発生した。そのため、下水道施設等のコンクリート製構築物の内壁面に、硬質塩化ビニル等の合成樹脂により成型されたライニング板を添設し、コンクリートの腐食を保護するシートライニング工法が行われている。このライニング板は、一方の面に先端の拡幅された複数条の互いに平行なリブ片が垂直に突設された形状となっている。
このライニング板を用いた構築物を建造するには、まず、ベースコンクリートを打設し、このベースコンクリート上に壁面を作る。この壁面は、内型枠となる合板型枠で内壁面を形成し、桟木等で補強する。次に、この内型枠の合板にライニング板を固定し、鉄筋を組立てる。また、梁、スラブ部分の型枠を壁面同様合板、桟木で組み立て、ライニング板を固定し、鉄筋を組立てる。そして外型枠を組立てた後に、これら内外型枠間にコンクリートを打設して、コンクリートの養生後、脱型を行い、型枠を撤去する。その後に内壁面となるライニング板のコーナー部等、細部の仕上げを行って完成となる。
シートライニング工法に使用されるリブ片付のライニング板は、製造効率から考慮しても異形押出による成形が一般的である。このため、流下方向に伸びるような形状を付与することは金型等の工夫により容易ではあるが、流下方向と鉛直な方向に伸びるような形状を付与することは2次的な加工が必要となり、製造の手間、コスト高となる。このような理由から従来の水路構造において、流下方向と垂直なライニング板の辺部同士の接続は、ライニング板背面にリブ片が突設されていることから、突き合せ溶接やバット溶着等の接続構造を採用してきた。
しかしながら、これら突き合せ溶接等の接続構造では例えば溶着を行う場合、熟練の技術を要し、またシーリング材を使用する場合でも確実性がなく、強度、品質的にも安定性に欠けており、高圧の水流等においてはその部分からライニング板が剥離してしまう危険性を含んでいた。
また、ライニング板を貼り付け既設のコンクリートとの間隙にモルタル等を注入し、コンクリートにライニング層を設け、老朽部の更生、腐食防止等を目的とするシートライニング工法において、例えば図9に示した水路1では、ライニング板3の仕上げ内面3aに凹凸が出ないように裏側(補修対象壁1a側)からジョイント部材5を取り付け、底部、側部のライニング板3A,3Bを予め組み立てた状態で水路1内に設置している。この場合、底部ライニング板3Aの上端には補修対象壁1a側の面に突出する一方の爪片7が突設され、側部ライニング板3Bの下端には補修対象壁1a側の面に突出する他方の爪片9が突設される。そして、ジョイント部材5には、一方の爪片7と他方の爪片9とが同時に嵌入される係合凹部5aが形成されている。一方の爪片7と他方の爪片9とを接続したジョイント部材5は、打設コンクリート11に埋入されることとなる。
しかしながら、大型の水路1になると底部ライニング板3Aと、側部ライニング板3Bとを同時に施工した場合、一回の施工スパンが短くなるため延長距離を稼ぐことができず、復旧までに長い時間を要し、施工性が悪く、工期が長くなる問題があった。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、ライニング板が突き合わせ構造とならず、止水性、接合性を向上させた剥離し難い水路構造を得ることにある。
また、第2の目的は、水を流しながらの施工が行え、仮復旧が可能となる水路構造の施工方法を得、工期を短縮し、施工性の向上を図ることを目的とする。
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明の施工方法によって施工される水路構造は、補修対象壁側の面に、先端の拡幅された複数条の平行なアンカー突起21が設けられた熱可塑性樹脂からなる複数枚のライニング板23を、水路1の補修対象壁1aに前記アンカー突起21を向けて間隙25を形成しながら流下方向に連結し、前記補修対象壁1aと前記ライニング板23との間に充填したコンクリート27を固化させた水路構造であって、
前記流下方向で接続される前記ライニング板23同士の接続部は、上流側のライニング板23が上層に配置されるとともに下流側のライニング板23が下層に配置され、かつ上層ライニング板23の前記アンカー突起21が除去された補修対象壁側の面33に、下層ライニング板23の仕上げ内面35が接合されたことが望ましい。
この水路構造では、流下方向のライニング板23同士の接合部において、上層ライニング板23aのアンカー突起21を除去した補修対象壁側の面33に、下層ライニング板23bの仕上げ内面35が接合され、接合段部に流水が直接当たらなくなる。
上記の水路構造は、前記上層ライニング板23aの前記アンカー突起21が除去された補修対象壁側の面33と、前記下層ライニング板23bの仕上げ内面25とが、接着剤37によって接合された構成とすることができる。
この水路構造では、上層ライニング板23aのアンカー突起21が除去された補修対象壁側の面33と、下層ライニング板23bの仕上げ内面35とが、接着剤37によって接合され、加熱溶着装置等の接合機器を用いずに接合が可能となる。
上記の水路構造は、前記上層ライニング板23aの前記アンカー突起21が除去された補修対象壁側の面33と、前記下層ライニング板23bの仕上げ内面35とが、熱溶着によって接合された構成とすることができる。
この水路構造では、上層ライニング板23aのアンカー突起21が除去された補修対象壁側の面33と、下層ライニング板23bの仕上げ内面35とが、熱溶着によって接合され、接着剤37等の接合専用部材を用いずに接合が可能となる。
上記の水路構造は、補修対象壁1aである水路1の底面に前記間隙25を隔てて離間配置される底部用の前記ライニング板23Aは、水路両側面に前記間隙25を隔てて離間配置される一対の起立壁29,29が折曲形成され、
該一対の起立壁29,29のそれぞれの上端には側壁用の前記ライニング板23Bがジョイント部材31を介して連結され、
前記底部用のライニング板23Aと前記補修対象壁1aとの間の前記間隙25、前記一対の起立壁29,29と前記補修対象壁1aとの間の前記間隙25、及び前記側壁用の前記ライニング板23Bと前記補修対象壁1aとの間の前記間隙25に充填されたコンクリート27が固化された構成とすることができる。
この水路構造では、既設構築物の補修対象壁1aがライニング板23によって覆われ、腐食が防止され、耐摩耗性、平滑性が向上される。また、底部用のライニング板23Aと側壁用のライニング板23Bとが突き合わせ構造とならない。
上記の水路構造は、前記一対の起立壁29,29の上端には前記補修対象壁側の面に突出する一方の爪片39が突設され、
前記側壁用のライニング板23Bの下端には前記補修対象壁側の面に突出する他方の爪片41が突設され、
前記ジョイント部材31が、前記一方の爪片39と前記他方の爪片41とに係合する一対の係合凹部43a,43bを有する構成とすることができる。
この水路構造では、ジョイント部材31に独立した一対の係合凹部43a,43bが形成されることで、起立壁29,29の一方の爪片39と、側壁用ライニング板23Bの他方の爪片41とがそれぞれ単独でジョイント部材31に係合可能となる。
本発明の請求項1記載の水路構造の施工方法は、補修対象壁1aである水路の底面に、水路両側面に間隙25を隔てて離間配置される一対の起立壁29,29を有した底部用のライニング板23Aを、間隙25を隔てて離間配置し、
該底部用のライニング板23Aと前記補修対象壁1aとの間の前記間隙25にコンクリート27を打設し、
該打設コンクリート27が固化した後、前記起立壁29の上端に、ジョイント部材31を介して側壁用のライニング板23Bの下端を接続して、該側壁用のライニング板23Bを水路両側面に間隙25を隔てて離間配置し、
前記側壁用のライニング板23Bの仕上げ内面33に支持体49を当接して該側壁用のライニング板23Bを支持し、
該側壁用のライニング板23Bと前記補修対象壁1aとの間隙25にコンクリート27を打設し、
該コンクリート27の固化の後、前記支持体49を除去することを特徴とする。
この水路構造の施工方法では、先行して底部のみを施工することが可能となり、低水位であれば水等を流しながら残る側部の施工が実現可能となる。
請求項記載の水路構造の施工方法は、前記底部用のライニング板23Aと前記補修対象壁1aとの間の前記間隙25にコンクリート27を打設する前に、
前記起立壁29,29の上端に、ジョイント部材31を予め装着させることを特徴とする。
この水路構造の施工方法では、底部用のライニング板23Aを所定位置に設置する前に、ジョイント部材31の取付けが可能となり、ジョイント部材31の取付け作業が容易となる。また、設置した底部用のライニング板23Aと補修対象壁1aとの間隙25にコンクリート27を打設することで、予め装着したジョイント部材31の背部にコンクリート27が充填可能となる。
請求項記載の水路構造の施工方法は、前記底部用のライニング板23Aと前記補修対象壁1aとの間の前記間隙25にコンクリート27を打設した後に、
前記起立壁29,29の上端に、ジョイント部材31を装着し、該ジョイント部材31を介して前記側壁用のライニング板23Bの下端を接続することを特徴とする。
この水路構造の施工方法では、底部用のライニング板23Aと補修対象壁1aとの間隙25にコンクリート27を打設するまでの施工が、容易かつ短時間となる。
なお、前記底部用ライニング板23Aの底面と前記起立壁29とでなる隅部分は、その内隅部分を曲面とし、例えば、半径100mm〜200mm、好ましくは150mm程度として形成するのが好ましい。また、この隅部分(内隅部分)を、45°斜面で構成し、この底部用ライニング板29Aの形状を略多角形状に形成してもよく、或いは、底面側を60°、起立壁29側を30°などとしてもよい。
このような隅部の形状により、底部用ライニング板23Aの底面に対する垂直面部分(起立壁29)が、容易に撓むことが可能となり、例えば、他のライニング板と連結させる際に、板厚分の逃げを作ることが可能となり、上記面33を仕上げ内面35上に接着する作業を容易なものとすることが可能となる。
上記の水路構造によれば、流下方向のライニング板同士の接合部において、上流側のライニング板を上層に配置するとともに下流側のライニング板を下層に配置し、かつ上層ライニング板のアンカー突起を除去した補修対象壁側の面に、下層ライニング板の仕上げ内面を接合するので、上流側が上層となって重なることとなり、止水性、接合性を向上させた剥離し難い接合構造を得ることができる。
上記の水路構造によれば、上層ライニング板のアンカー突起が除去された補修対象壁側の面と、下層ライニング板の仕上げ内面とを、接着剤によって接合するので、接合機器を必要としない容易な接合作業を可能にすることができる。
上記の水路構造によれば、上層ライニング板のアンカー突起が除去された補修対象壁側の面と、下層ライニング板の仕上げ内面とを、熱溶着によって接合するので、接着剤を必要としない簡便かつ確実な接合を可能にすることができる。
上記の水路構造によれば、水路の底面に配置する底部用のライニング板に一対の起立壁を折曲形成し、この起立壁の上端に側壁用のライニング板をジョイント部材を介して連結し、これらライニング板と補修対象壁との間隙に充填されたコンクリートを固化させるので、補修対象壁をライニング板によって覆い、腐食を防止し、耐摩耗性、平滑性を向上させることができるとともに、底部用のライニング板が内隅部分で突き合わせ構造とならず、水漏れや破損のし難い高強度の水路構造を得ることができる。
上記の水路構造によれば、起立壁の上端に一方の爪片を突設し、側壁用のライニング板の下端に他方の爪片を突設し、ジョイント部材に、一方の爪片と他方の爪片とを係合する一対の係合凹部を設けたので、表側である水路内方からの底部用ライニング板と側壁用ライニング板との接続作業を可能にすることができる。
請求項記載の水路構造の施工方法によれば、水路の底面に、底部用のライニング板を離間配置してコンクリートを打設し、打設コンクリートが固化した後、起立壁の上端にジョイント部材を介して側壁用のライニング板を接続し、側壁用のライニング板と補修対象壁との間隙にコンクリートを打設するので、先行して底部のみを施工することが可能となり、低水位であれば水等を流しながら残る側部の施工が行える。この結果、仮復旧が可能となる二段階施工を実現でき、工期を短縮し、施工性を向上させることも可能となる。
請求項記載の水路構造の施工方法によれば、底部用のライニング板と補修対象壁との間隙にコンクリートを打設する前に、起立壁の上端に、ジョイント部材を予め装着しておくので、底部用のライニング板を設置する前に、ジョイント部材を取付けでき、ジョイント部材の取付け作業を容易にすることができる。また、設置した底部用のライニング板と補修対象壁との間隙にコンクリートを打設することで、予め装着したジョイント部材の背部にコンクリートを充填でき、ジョイント部材と起立壁との固定を確実にすることができる。
請求項記載の水路構造の施工方法によれば、底部用のライニング板と補修対象壁との間隙にコンクリートを打設した後に、起立壁の上端に、ジョイント部材を装着するので、ジョイント部材を装着する手間が省け、底部用のライニング板設置、コンクリート打設までの作業を容易かつ短時間にすることができる。
以下、本発明に係る水路構造及びその施工方法の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る水路構造の断面図、図2は図1の水路構造に用いられるライニング板の要部拡大斜視図、図3はライニング板の流下方向に垂直な辺部同士の接続部の断面図である。
本実施の形態による水路構造は、既設水路1の補修対象壁1a側の面に、先端の拡幅された複数条の平行なアンカー突起21が設けられた熱可塑性樹脂からなる複数枚のライニング板23を、水路1の補修対象壁1aに、アンカー突起21を向けて間隙25を形成しながら流下方向に連結し、補修対象壁1aとライニング板23との間に充填した打設コンクリート27を固化させてなる。
ライニング板23を形成する熱可塑性樹脂としては、硬質塩化ビニル樹脂等の硬質合成樹脂素材を挙げることができる。また、ライニング板23は、アンカー突起21の形成面と反対側の面が、平坦面に形成される。この平坦面は、補修対象壁1aの更生面となる。このような、複数条のアンカー突起21を片面に突設したライニング板23は、例えば同一断面形状の口金から押し出される押出成形材として得ることができる。
補修対象壁1aである水路の底面に、間隙25を隔てて離間配置される底部用のライニング板23Aは、水路両側面に間隙25を隔てて離間配置される一対の起立壁29,29が形成されている。起立壁29,29は、底部用のライニング板23Aの両端周縁を、加熱変形させて湾曲させることができる。この湾曲加工は、工場出荷時に行われても良く、また現場設置時に行われても良い。なお、この底部用ライニング板23Aの底面と前記起立壁29とで形成される隅部分は、その内隅部分を曲面とし、例えば、半径100mm〜200mm、好ましくは150mm程度として形成するのが好ましい。また、この隅部分(内隅部分)を、45°斜面(図8参照)で構成し、この底部用ライニング板29Aの形状を略多角形状に形成してもよく、或いは、底面側を60°、起立壁29側を30°などとしてもよい。このような略水平な底面と略垂直な起立面29との間を緩やかな面で構成することで、水の流れをスムースなものとすることが可能となるとともに、底部用ライニング板23Aの底面に対する垂直面部分(起立壁29)が、容易に撓むことが可能となり、例えば、他のライニング板と連結させる際に、板厚分の逃げを作ることが可能となって、上記面33を仕上げ内面35上に接着する作業を容易なものとする。
一対の起立壁29,29のそれぞれの上端には側壁用のライニング板23Bがジョイント部材31を介して連結されている。そして、水路構造は、底部用のライニング板23Aと補修対象壁1aとの間隙25、一対の起立壁29,29と補修対象壁1aとの間の間隙25、及び側壁用のライニング板23B、23Bと補修対象壁1aとの間の間隙25に充填された打設コンクリート27が固化されてなる。
水路構造の流下方向で接続されるライニング板23同士の接続部は、図3に示すように、上流側のライニング板23aが上層に配置されるとともに下流側のライニング板23bが下層に配置される。また、上層ライニング板23aのアンカー突起21は、図2に示すように、所定長さCで除去され、このアンカー突起21が除去された補修対象壁側の面33に、下層ライニング板23bの仕上げ内面35が接合される。なお、図2中、41,41は、ジョイント部材31に係合される後述の爪片を表し、この爪片もアンカー突起21と共に所定長さCで除去される。アンカー突起21、他方の爪片41を除去する所定長さCは、例えば5cm程度が好適となる。
ここで、上層ライニング板23aのアンカー突起21が除去された補修対象壁側の面33と、下層ライニング板23bの仕上げ内面35とは、例えば接着剤37によって接合することができる。このように、接着剤37を用いた接合構造とすることで、接合機器を必要としない容易な接合作業を可能にすることができる。
また、上層ライニング板23aのアンカー突起21が除去された補修対象壁側の面33と、下層ライニング板23bの仕上げ内面35とは、熱溶着によって接合されるものであってもよい。このような熱溶着による接合構造によれば、接着剤37を必要としない簡便かつ確実な接合を可能にすることができる。
一対の起立壁29,29の上端には補修対象壁1aに向かって突出する一方の爪片39が突設されている。また、側壁用のライニング板23Bの下端には補修対象壁1aに向かって突出する他方の爪片41が突設されている。一方、ジョイント部材31には一方の爪片39と他方の爪片41とに係合する一対の係合凹部43(43a,43b)が形成され、係合凹部43a,43bは仕切り片43cによって仕切られている。
ジョイント部材31は、独立した一対の係合凹部43a,43bが形成されることで、起立壁29,29の一方の爪片39と、側壁用のライニング板23Bの他方の爪片41とがそれぞれ単独で係合可能となる。これにより、ジョイント部材31は、表側である水路内方からの底部用のライニング板23Aと側壁用のライニング板23Bとの接続作業を可能にしている。
この水路構造では、流下方向のライニング板23同士の接合部において、上層ライニング板23aのアンカー突起21を除去した補修対象壁側の面33に、下層ライニング板23bの仕上げ内面35が接合され、接合段部に流水が直接当たらなくなる。そして、既設構築物である水路1の補修対象壁1aが、ライニング板23によって覆われるので、腐食が防止され、耐摩耗性、平滑性が向上される。また、底部用のライニング板23Aと側壁用のライニング板23Bとが突き合わせ構造とならない。
したがって、この水路構造によれば、ライニング板23の上流側が上層となって重なることとなり、止水性、接合性を向上させた剥離し難い接合構造を得ることができる。また、水路1の底面に配置する底部用のライニング板23Aに一対の起立壁29,29を折曲形成し、この起立壁29,29の上端に、側壁用のライニング板23Bをジョイント部材31を介して連結し、これらライニング板23A,23Bと補修対象壁1aとの間隙25に充填された打設コンクリート27を固化させるので、補修対象壁1aをライニング板によって覆い、腐食を防止し、耐摩耗性、平滑性を向上させることができるとともに、底部用のライニング板が内隅部分で突き合わせ構造とならず、水漏れや破損のし難い高強度の水路構造を得ることができる。
次に、上記した水路構造の施工方法について説明する。
図4は底部用のライニング板の設置状態を(a)、底部コンクリートの打設状態を(b)に表した施工手順説明図、図5はジョイント部材の未装着状態を(a)、底部用のライニング板への装着状態を(b)に表したジョイント部材の使用説明図、図6は側壁用のライニング板の接続状態を(a)、支持体による支持状態を(b)に表した施工手順説明図、図7は側壁コンクリートの打設状態を表した施工手順説明図、図8は管状水路構造の場合の変形例を表した断面図である。
上記の水路構造を施工するには、先ず、図4(a)に示すように、補修対象壁1aである水路の底面に、水路両側面に間隙25を隔てて離間配置される一対の起立壁29,29を有した底部用のライニング板23Aを、間隙25を隔てて離間配置する。なお、底部用のライニング板23Aと底面との間隙25は、スペーサ部材45等を挟入することにより形成する。
次いで、図4(b)に示すように、底部用のライニング板23Aと補修対象壁1aとの間の間隙25に、打設コンクリート27を打設する。次いで、打設コンクリート27が固化した後、図5(a)に示すように、起立壁29,29の上端に設けられた一方の爪片39に、ジョイント部材31を係合する。ジョイント部材31を起立壁29,29に装着したなら、このジョイント部材31の係合凹部43bに、側壁用のライニング板23Bの他方の爪片41を係合する。これにより、図6(a)に示すように、底部用のライニング板23Aに接続した側壁用のライニング板23Bを、水路両側面に間隙25を隔てて離間配置する。
この際、ジョイント部材31の係合凹部43a,43bには、最深部にパッキン材47が貼着されていることが好ましい。これにより、ジョイント部材31とライニング板23とのシール性、及び接続強度を高めることができる。
次いで、図6(b)に示すように、側壁用のライニング板23Bの仕上げ内面35に支持体としての端太材49を当接して、側壁用のライニング板23Bを支持する。次いで、図7に示すように、側壁用のライニング板23Bと補修対象壁1aとの間隙25に打設コンクリート27を打設し、打設コンクリート27の固化の後、端太材49を除去して水路1の補修対象壁1aをライニングした水路構造の施工が完了する。
なお、上記のジョイント部材31による接続は、底部用のライニング板23Aと補修対象壁1aとの間の間隙25に打設コンクリート27を打設する前に、起立壁29,29の一方の爪片39に、ジョイント部材31を予め装着しておくことができる。この場合、ジョイント部材31の係合凹部43bは、打設コンクリート27が侵入しないように、被覆部材等によって覆っておく。このように、ジョイント部材31を予め装着しておけば、底部用のライニング板23Aを水路1に設置する前に、ジョイント部材31を取付けでき、ジョイント部材31の取付け作業を容易にすることができる。また、設置した底部用のライニング板23Aと補修対象壁1aとの間隙25に打設コンクリート27を打設することで、予め装着したジョイント部材31の背部に打設コンクリート27を充填でき、ジョイント部材31と起立壁29,29との固定を確実にすることができる。
また、ジョイント部材31は、底部用のライニング板23Aと補修対象壁1aとの間の間隙25に打設コンクリート27を打設した後に、起立壁29,29の一方の爪片39に、ジョイント部材31を装着し、このジョイント部材31を介して側壁用のライニング板23Bの他方の爪片41を接続する手順としても良い。この場合、起立壁29,29の一方の爪片39は、被覆部材等によって、打設コンクリート27が付着しないように覆っておく。このように、ジョイント部材31の装着を後工程とすれば、ジョイント部材31を装着する手間が省け、底部用のライニング板23Aの設置、コンクリート打設までの作業を容易かつ短時間にすることができる。
したがって、上記の水路構造の施工方法によれば、水路1の底面に、底部用のライニング板23Aを離間配置して打設コンクリート27を打設し、打設コンクリート27が固化した後、起立壁29,29の上端にジョイント部材31を介して側壁用のライニング板23Bを接続し、側壁用のライニング板23Bと補修対象壁1aとの間隙25に打設コンクリート27を打設するので、先行して底部のみを施工することが可能となり、低水位であれば水を流しながらの施工が行える。この結果、仮復旧が可能となる二段階施工を実現でき、工期を短縮し、施工性を向上させることも可能となる。
なお、上記の実施の形態では、上方の開放された水路1を例に説明したが、本発明に係る水路構造は、図8に示すように、上方の閉鎖された管状の水路1A(所謂ボックスカルバートなど)にも適用可能なものである。この場合、両側の側壁用のライニング板23B,23Bの上端に、底部用のライニング板23Aをジョイント部材31,31を用いて接続すれば、閉鎖された仕上げ内面35を有する水路1Aの補修対象壁1aをライニングすることができる。
本発明に係る水路構造の断面図である。 図1の水路構造に用いられるライニング板の要部拡大斜視図である。 ライニング板の流下方向に垂直な辺部同士の接続部の断面図である。 底部用のライニング板の設置状態を(a)、底部コンクリートの打設状態を(b)に表した施工手順説明図である。 ジョイント部材の未装着状態を(a)、底部用のライニング板への装着状態を(b)に表したジョイント部材の使用説明図である。 側壁用のライニング板の接続状態を(a)、支持体による支持状態を(b)に表した施工手順説明図である。 側壁コンクリートの打設状態を表した施工手順説明図である。 管状水路構造の場合の変形例を表した断面図である。 従来の水路構造におけるジョイント部材の未装着状態を(a)、底部コンクリートの打設状態を(b)に表した説明図である。
1…水路
1a…補修対象壁
21…アンカー突起
23…ライニング板
23A…底部用のライニング板
23B…側壁用のライニング板
25…間隙
27…打設コンクリート
29,29…起立壁
31…ジョイント部材
35…仕上げ内面
37…接着剤
39…一方の爪片
41…他方の爪片
43…係合凹部
49…支持体(端太材)

Claims (3)

  1. 補修対象壁である水路の底面に、水路両側面に間隙を隔てて離間配置される一対の起立壁を有した底部用のライニング板を、間隙を隔てて離間配置し、
    該底部用のライニング板と前記補修対象壁との間の前記間隙にコンクリートを打設し、
    該打設コンクリートが固化した後、前記起立壁の上端に、ジョイント部材を介して側壁用のライニング板の下端を接続して、該側壁用のライニング板を水路両側面に間隙を隔てて離間配置し、
    前記側壁用のライニング板の仕上げ内面に支持体を当接して該側壁用のライニング板を支持し、
    該側壁用のライニング板と前記補修対象壁との間隙にコンクリートを打設し、
    該コンクリートの固化の後、前記支持体を除去することを特徴とする水路構造の施工方法。
  2. 前記底部用のライニング板と前記補修対象壁との間の前記間隙にコンクリートを打設する前に、
    前記起立壁の上端に、ジョイント部材を予め装着させることを特徴とする請求項記載の水路構造の施工方法。
  3. 前記底部用のライニング板と前記補修対象壁との間の前記間隙にコンクリートを打設した後に、
    前記起立壁の上端に、ジョイント部材を装着し、該ジョイント部材を介して前記側壁用のライニング板の下端を接続することを特徴とする請求項記載の水路構造の施工方法。
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