JP2021024219A - 内面材の連接用スライド治具 - Google Patents
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Abstract
Description
ここで、内層部材20は、合成樹脂製の帯状のパネルからなる内面材21と、内面材連接材(ファスナー)22とを組み合わせて用いることで、内面材固定部材10に嵌着して取り付けられる隣接する内面材21同士を、内面材連接材22によって結合するようにされている。
なお、管Pの内周面と内層部材20の隙間には、内層部材20の設置後、硬化材が充填されて硬化層40が形成される。
・係止施工後、経年の使用中に他の工事等により局所的に想定外の外力が加わり、部材が破損等した場合、係止状態が解除され、これが伝播するおそれがある。
・係止する際に、温度等の環境(特に低温の場合)によっては、内面材連接材の嵌合爪が内面材の嵌合爪に係止しづらい場合があり、この場合、係止状態の確認に時間を要することがある。
・内面材連接材の嵌合爪を内面材の嵌合爪に係止する際に、特に低温の場合には、内面材連接材の嵌合爪が内面材の嵌合爪に当接した際の反力が大きく、係止に大きな押圧力を必要とし、作業性が低下する。
この管Pの内層部材20は、内面材連接材22の2つの突条22aの間に、側端部を突き合わせた内面材21の間を貫通する管軸方向に延びる中間突条22gと、この中間突条22gの先端に係止片22hとを備える中間係止部を有し、内面材連接材22を介して、側端部を突き合わせた内面材21同士を連接した状態で、中間係止部の中間突条22gの係止片22hが、突き合わせた内面材21の側端縁に係止するようにし、さらに、内面材連接材22の係止部の突条22aが、先端に向かう方向における中間位置で内面材21の被係止部と反対側に凸状に膨らむ形で湾曲又は屈曲して形成されるようにした管Pの内層部材20を構成する、管Pの内面に沿って管軸方向に設けた内面材21同士を内面材連接材22によって連接するために用いるものである。
ここで、「係止」、「被係止」は、相対的な呼び方で、見方によっては逆に捉えることも可能であるが、ここでは、挿入側となる内面材連接材22に「係止」の語を、被挿入側(固定側)となる内面材21に「被係止」の語を、それぞれ使用することとしている。
そして、内面材連接材22の係止部の突条22aは、図2に示すように、先端に向かう方向における中間位置で内面材21の被係止部と反対側に凸状に膨らむ形で湾曲して形成されている。そして、内面材21に形成された溝の中に内面材連接材22の係止部の突条22aが挿入されたとき、凸状に膨らむ突条22aの凸状壁と溝の側壁との間に空間部が形成されるようにしている。
このように係止部の突条22aが湾曲していることで、係止部の突条22aと被係止片21bとの間に広い空間を形成することができる。
また、内面材連接材22の係止部と内面材21の被係止部とが係止する際には、内面材連接材22の係止部は、係止片22bが被係止部の被係止片21bの外面の形状に沿って滑りつつ、2つの係止片22b、22b間の距離が広がりながら、突条22aの弾性変形を伴って、係止片22bが湾曲面21dを通過すると、2つの係止片22b、22b間の距離が狭まって内面材21の被係止部と係止する。空間部が形成されるようにすることで、係止時の係止部の動きは制限されない。
ここで、内面材連接材22の係止部の突条22aを、図3(b)に示すように、湾曲ではなく、屈曲するように形成することもできる。
なお、内面材連接材22の係止部の突条22aの湾曲形状や屈曲形状は、1段階だけでなく、多段階で湾曲させたり、屈曲させるほか、湾曲と屈曲を組み合わせた形状とすることもできる。
ここで、図4(b)に示すように、内面材21の被係止片21bの被係止面21e及び内面材連接材22の係止片22bの係止面22eに凸部を設けることもでき、これにより、係止状態をより強固にして、当該状態が解除されることを防ぐことができる。
これにより、内面材連接材22を介して、側端部を突き合わせた内面材21同士を連接した状態で、中間係止部の中間突条22gの係止片22hが、突き合わせた内面材21の外周側の側端縁(被係止部)に係止するようにしている。
・内面材21の被係止部に内面材連接材22の係止部を係止することによって、内面材連接材22を介して連接することに加えて、内面材連接材22を介して、側端部を突き合わせた内面材21同士を連接した状態で、中間係止部の中間突条22gの係止片22hが、突き合わせた内面材21の側端縁に係止するようにすることによって、内面材21と内面材連接材22とが確実に係止されることで、例えば、係止後、内面材21や内面材連接材22に設計以上の過大な外力がかかった場合でも、係止状態が解除されることを防止することができる。
・係止部の突条22aは、先端に向かう方向における中間位置で内面材21の被係止部と反対側に凸状に膨らむ形で湾曲又は屈曲することで、支点と力点との距離が長くなり係止部が開きやすくなるとともに、係止部と被係止部との間に広く空間が確保でき係止部と被係止部とが干渉しにくくなるため、より小さな押圧力で容易に係止可能となる。
・湾曲面21d、止水材23及び突条22aに囲まれた空間を広く確保でき、係止部と被係止部とが干渉しにくくなるとともに、係止する際に、(管の略周方向における)湾曲又は屈曲した向きと反対向き及び(管の略内径方向における)突条の基端側の向き(係止方向)へ復元するため、係止が確実となる。
・湾曲面21d、止水材23及び突条22aに囲まれた空間を広く確保でき、湾曲又は屈曲した係止部又は被係止部にそれぞれ対応する被係止部又は係止部は、被係止面21eと係止面22eの当接を妨げるものがなく、被係止面21eと係止面22eが接触しやすくなり、係止後に係止部と被係止部とが変位しても変位を緩衝でき、係止状態を維持しやすくなる。
・係止部の突条が本体部との接続部から傾斜して形成されていることで、係止部が開きやすく、係止作業時に要する力が小さくなり、作業性が向上する。
・被係止片21bの湾曲面21dと係止片22bの湾曲面22dとが摺動することでスムーズに管Pの内径方向に変位することができるため、係止作業時に要する力が小さくなり、作業性が向上する。
・被係止片21bの被係止面21eは被係止部の突条21a側に向かう面を有し、係止片22bの係止面22eは係止部の突条22a側に向かう面を有するようにすることにより、内径方向の動きに加えて、周方向の動きも規制できるため、係止状態が安定して、当該状態が解除されることを防ぐことができる。
そして、これらの効果が発揮されることによって、内層部材20の設置作業を簡便化し、かつ、作業完了後においても長期に亘って耐久性のある管の内層構造及びそれに用いる管の内層部材を提供することができる。
本変形例の内面材連接材22と内面材21の突条21aを係合する場合、突条22aが湾曲していないので、図2〜図4に示した例の内面材連接材22を使用した場合に比べて、係合に必要な押圧力が大きくなる傾向にある。一方で係合後は強固な係合を維持できる点で好ましい。
なお、この変形例のその他の構成及び作用は、図2〜図4に示した例と同様である。
この内面材の連接用スライド治具50は、内面材21の幅方向の端部に形成された溝21c内に挿入される支持部51と、内面材連接材22に形成された突条22a、22a間に挿入される突条ガイド部52と、支持部51及び突条ガイド部52を一端側(移動方向前方側)から他端側(移動方向後方側)に向けて漸近するように接続する接続部53とを備え、支持部51が、側端部を突き合わせた内面材21、21の間に隙間を形成、維持するようにされてなり、突条ガイド部52が、内面材連接材22の突条22a、22a間に形成された中間突条22gを通過させるための溝(隙間)52aを備えてなるようにしている。
そして、支持部51が並設した内面材21のそれぞれの溝21c内に挿入されると、側端部を突き合わせた内面材21の間に所定の大きさの隙間、具体的には、内面材連接材22に形成された中間突条22gを通過させることができる大きさの隙間を形成、維持するようにしている。
また、支持部51が並設した内面材21のそれぞれの溝21c内に挿入されると、突条21a、21aの拡張部の基部に支持部51が位置することとなり、支持部51の管Pの径方向の位置を安定して制御することができ、これにより、スライド治具50に、内面材連接材22を上方から下方へ押す押圧力の部材として機能させることができる。
これにより、内面材連接材22の突条22a、22aを、スライド治具50のスライドに合わせて、内面材21の幅方向の端部に形成された溝21c内に引き込むことができる。
これにより、突条ガイド部52が、各内面材21に形成された突条21a、21aと干渉することを防止することができ、突条21a、21aと突条22a、22aとを確実に嵌合させるように突条22a、22aの位置を制御することができる。
そして、2分割された支持部51及び突条ガイド部52の接続部53同士を、外枠部54を介して一体化することで、中間突条22gを通過させるための溝(隙間)52aの寸法精度が維持されるようにしている。
押さえ部55に設けられた回転部材を介して、内面材連接材22を管Pの径方向の外周側に向けて押圧するようにすることにより、押圧力がスライド治具50の進行方向への抵抗(摩擦抵抗)となりにくくすることができる。
なお、図示はしないが、押さえ部55に回転部材の代わりに回転しない当接部を設け、該当接部が内面材連接材22に当接することで押し込み動作を行うこともできる。
これにより、ロープやワイヤ等の線条体を介して巻取機(図示省略。)によって、スライド治具50を連接する内面材21に沿って正確に牽引することができるようにしている。
まず、内面材21(なお、内面材21は、連接が完了した状態で、幅方向に接触して配設されるもののほか、隙間を設けて配設されるものでもよい。)の間に、内面材連接材22を配置する。
このとき、支持部51を内面材21の溝21c内に挿入し、突条ガイド部52を内面材連接材22の平行に形成された突条22a、22a間に挿入する。同時に、押さえ部55によって内面材連接材22の表面が押圧されるようにしてスライド治具50を設置するようにする。
これにより、内面材連接材22は、スライド治具50のスライド方向の後方に向けて、内面材21内に入り込む方向に傾斜して導入される。そして、支持部51により、各内面材21に形成された突条21a、21a同士が位置合わせされて、突条22a、22aと嵌合しやすくすることができる。また、支持部51は、突条21a、21aと突条22a、22aとを嵌合する場合の反力部材として機能する。
この状態で、スライド治具50をスライドさせることにより、図16に示すように、突条ガイド部52によって内面材連接材22の突条22a、22aを拡開する方向に変形させるとともに内面材連接材22の突条22a、22aが溝21c内に導入されて、各内面材21の幅方向の端部に形成された溝21c内に形成した突条21a、21aと、両方の内面材21の幅方向の端部に跨って配設される内面材連接材22に平行に形成された突条22a、22aに対向して形成した突条22a、22aとをそれぞれ嵌合させて内面材21同士を連接するようにする。
このようにして、スライド治具50を用いて、突条21a、21aと突条22a、22aとを確実に嵌合させながら、内面材21同士を簡易に連接することができる。
また、内面材連接材22は、2つの突条22aの間に、側端部を突き合わせた内面材21の間を貫通する管軸方向に延びる中間突条22gと、この中間突条22gの先端に係止片22hとを備える中間係止部を有しているため、内面材連接材22を介して、側端部を突き合わせた内面材21同士を連接した状態で、中間係止部の中間突条22gの係止片22hが、突き合わせた内面材21の側端縁に係止するようにすることができる。
さらに、内面材連接材22を介して、側端部を突き合わせた内面材21同士を連接した状態で、中間係止部の中間突条22gの係止片22hが、突き合わせた内面材21の側端縁に係止するようにすることによって、内面材21と内面材連接材22とが確実に係止されることで、例えば、係止後、内面材21や内面材連接材22に設計以上の過大な外力がかかった場合でも、係止状態が解除されることを防止することができる。
この内面材の連接用スライド治具50は、第1実施例の内面材の連接用スライド治具50と同様、内面材21の幅方向の端部に形成された溝21c内に挿入される支持部51と、内面材連接材22に形成された突条22a、22a間に挿入される突条ガイド部52と、支持部51及び突条ガイド部52を一端側(移動方向前方側)から他端側(移動方向後方側)に向けて漸近するように接続する接続部53とを備え、支持部51が、側端部を突き合わせた内面材21、21の間に隙間を形成、維持するようにされてなり、突条ガイド部52が、内面材連接材22の突条22a、22a間に形成された中間突条22gを通過させるための溝(隙間)52aを備えてなるようにしている。
これにより、突条ガイド部52の必要長さを短縮化することができ、内面材連接材22に対する突条ガイド部52の摺動抵抗を低減することができる。
20 内層部材
21 内面材
21a 突条
21b 被係止片
21c 溝
21d 湾曲面
21e 被係止面
21f 本体部
22 内面材連接材
22a 突条
22b 係止片
22d 湾曲面
22e 係止面
22f 本体部
22g 中間突条
22h 係止片
23 止水材
30 固定部材
40 硬化層
50 内面材の連接用スライド治具
51 支持部
52 突条ガイド部
52a 溝(隙間)
53 接続部
54 外枠部
55 押さえ部
56 牽引部
P 管
Claims (4)
- 管の内面に沿って管軸方向に設けた内面材同士を内面材連接材によって連接するために用いる、内面材の幅方向の端部に形成された溝内に挿入される支持部と、内面材連接材に形成された突条間に挿入される突条ガイド部と、支持部及び突条ガイド部を一端側から他端側に向けて漸近するように接続する接続部とを備えるようにした内面材の連接用スライド治具において、
前記支持部が、側端部を突き合わせた内面材の間に隙間を形成、維持するようにされてなり、
前記突条ガイド部が、内面材連接材の突条間に形成された中間突条を通過させるための溝を備えてなる
ことを特徴とする内面材の連接用スライド治具。 - 前記支持部及び突条ガイド部が、内面材連接材の突条間に形成された中間突条を通過させるための溝を介して、幅方向に2分割されてなり、該2分割された支持部及び突条ガイド部の接続部同士を、外枠部を介して一体化してなることを特徴とする請求項1に記載の内面材の連接用スライド治具。
- 前記支持部及び突条ガイド部が、内面材連接材の突条間に形成された中間突条を通過させるための溝を介して、幅方向に2分割されてなり、該2分割された支持部及び突条ガイド部の接続部の前側を一体化してなることを特徴とする請求項1に記載の内面材の連接用スライド治具。
- 前記支持部と突条ガイド部のなす角度を、15°〜30°に設定してなることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の内面材の連接用スライド治具。
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